JP2011046272A - 車両走行制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の省エネルギー走行のための実走行条件に即した惰性走行減速度の計測方法、および前記計測方法によって計測された惰性走行減速度を基準としての有効な等減速度走行実行可否判定方法あるいは等減速走行実行方法の提案。
【解決手段】
車両が惰性走行の間の一定時間毎あるいは一定距離走行毎に周期的に惰性走行減速度の計測を行い、前記計測によって得られた最新の惰性走行減速度を用いて、現地点・現時点から減速走行終了点までの等減速度走行による到達可否判定および等減速度走行制御、あるいは前方車両への追従走行移行可否判定および追従走行制御、を行う。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、車両走行の省エネルギー化、排出ガス量低減化のため、車両の有する運動エネルギーを最大限に活用した車両走行制御方法に関する。
車両の走行中に有している運動エネルギーを、車両減速時に有効利用あるいは回収して燃料消費量、排出ガス量を削減しようとする試みは古くから数多くなされている (特許文献1、特許文献2、特許文献3、等)。
本願発明は上記考え方をより進化させて、ハイブリッド車両、電気自動車の如きエネルギー回生機能を有する車両のみならず、単一駆動源の車両、すなわちエネルギー回生機能を有していないガソリンエンジン車等の車両、においても、車両減速時においてその時点で車両が有している運動エネルギーを最大限効率的に車両の走行エネルギーとして活用するとともに、エネルギー回生機能を有する車両においては前記車両運動エネルギー中の車両走行に供するエネルギーに余るエネルギーを有効に回収エネルギーとすることによって、総合的に車両のエネルギー消費量、排出ガス量の削減を図ろうとするものである。
特開平6−187595 特開平8−337135 特開2005−146966 特開2007−291919 特願2009−150386
本願発明は走行中の車両の有している運動エネルギーE=m・v2/2(ここでm:車両質量、v:車両走行速度)を最大限効率的・効果的に車両走行に活用する方法に関するものであり、その基本的考え方は、惰性走行を運動エネルギーの許す範囲で、また車両走行速度の許す範囲で、できるだけ長時間、長距離行うことによって、車両のエネルギー消費量、排出ガス量を削減しようとするものである。
ここで、惰性走行とは、車両の安全走行上あるいは車両動作の信頼性上の支障をきたさない範囲内で、エンジン、モータ等の車両駆動体の駆動力発生動作を停止する、あるいはエンジン、モータ等の駆動力の駆動輪への伝達を停止・提言する、ことによってその時点で車両の有している運動エネルギーを有効利用して車両を走行させるとともに、走行安全上制動動作が必要な状態が発生した場合は直ちに正常な制動動作に移行できる走行状態をいう。
ハイブリッド車両あるいは電気自動車等の減速時において、車両の有する運動エネルギーをエネルギー回生機能によって回収・蓄積を行い、その後改めて蓄積エネルギーを運動エネルギーへ転換即ち走行エネルギー化することによって車両走行に要するエネルギーを節約する方法は、エネルギーの回収効率、蓄積効率および転換効率を考えると車両の有する運動エネルギーを直接惰性走行に活用する方法に比べてエネルギー利用効率は劣ることから、本願発明における減速は、原則として車両が惰性走行可能な状態においては極力惰性走行を行い、惰性走行に余るエネルギーのみを回生ブレーキによって回生する(回生ブレーキを有しない場合は摩擦ブレーキによって摩擦熱として廃棄する)ものとする。
即ち、車両の減速に際し、走行の安全性あるいは車両動作の信頼性が確保できる範囲内で、車両の有している運動エネルギー利用効率順に、即ち惰性走行、回生ブレーキ、摩擦ブレーキ、の順に、減速方法の優先順位を設定し、制御する。
上記思想に基づいて惰性走行を行う場合、問題になるのは惰性走行減速度、即ち車両が惰性走行する際の車両の走行抵抗による車両走行速度の時間変化に対する減少度合いである。
例えば、車両現在位置から車両停止位置までの間、惰性走行で到達可能か否かの判定あるいは到達するための車両制御を行う場合においては正確な惰性走行減速度が必要になる。
標準的な道路での標準的な走行状態での前記惰性走行減速度はあらかじめ準備して設定しておき、これを上記判定あるいは制御に用いることも可能であるが、実際の惰性走行減速度は車両走行中の道路状態(道路勾配、道路表面状況等)、車両走行状態(車両走行速度、車両負荷等)によって大きく変化する。したがって正しい惰性走行可否の判定および惰性走行制御を行おうとした場合、車両が現在走行中の道路での走行状態に対応した惰性走行減速度が必要になる。
本願発明は上記実走行状態に即した惰性走行減速度算出方法およびその利用方法に関する。
先ず惰性走行減速度計測法について説明する。図1に示すごとく車両は平均走行速度vsa、速度変動範囲v1〜v2で惰性走行、緩加速度走行の繰り返しによって巡航走行を行うものとする。
即ち、速度v1から緩加速度αa で速度v2 まで加速度走行を、また速度v2から速度v1まで惰性走行を、各々繰り返すことによって平均走行速度vsa =(v1 +v2 )/2の定速度走行(巡航走行)を行う。そして速度v2から速度v1までの惰性走行中の速度v2’〜v1’の間、すなわち時刻t2’〜t3’の間、において惰性走行減速度の計測を行う。ここで惰性走行減速度計測を惰性走行開始時t2と同時に開始しない理由は、時刻t2ではまだ緩加速度走行から惰性走行への移行の過渡状態にあるため、即ち車両走行状態が安定しないため、である。
惰性走行減速度αi の算出は、時刻t2’時の速度v2’ と時刻t3’時の速度v1’ から(数1)を用いて、あるいは時刻がt2’からt3’に経過する間の車両走行距離d23 から(数2)を用いて行う。
惰性走行減速度の算出を繰り返し行う理由は、道路状態(道路勾配、道路表面状態等)、車両走行状態(車両走行速度、車両負荷等)、等で車両の惰性走行減速度は時々刻々変化する可能性があるため、惰性走行の可否判定あるいは走行制御を行うに際して現在走行中の道路に対する正しい惰性走行減速度が必要となるからである。
(数1)
αi=(v1’−v2’)/(t3’−t2’)
(数2)
αi={(v1’)2−(v2’)2 }/(2・d23)
ここで、
αi:時刻t2’から時刻t3’までの惰性走行の間の惰性走行減速度
t2’:惰性走行開始時刻、惰性走行減速度計測開始時刻
t3’:惰性走行減速度計測終了時刻
v2’:時刻t2’時点の車両速度
v1’:時刻t3’時点の車両速度
d23:時刻t2’−時刻t3’間の車両走行距離
である。
上記においては、惰性走行減速度の計測方法について説明したが、惰性走行加速度(道路勾配のある道路を惰性走行で下る場合等に加速度となる場合がある)についても同様な方法で計測可能である。
ここで、αi >0:惰性走行加速度、αi <0:惰性走行減速度である。
正確な惰性走行減速度が必要となる場合としては、
地点Pから車両停止点Cまでの車両走行距離Dを知って、地点Pからの惰性走行減速度以下の減速度による等減速度走行によって車両停止点Cに到達可能か否かを判定する場合、
時刻tpの地点Pから惰性走行減速度以下の減速度による等減速度走行によって交差点Aに時刻ta に到達可能か否かを判定する場合、
あるいは、単独で巡航走行している車両が前方車両を認め、前方車両への追従走行領域までに惰性走行減速度以下の減速度による等減速度走行で到達(移行)可能か否かを判定する場合、等がある。
ここで前方車両への追従走行領域とは、前方車両走行速度vaと自車−前方車両間許容相対速度vr0 で定まる、自車が前方車両に等減速度走行および等緩加速度走行の繰り返しで安全かつ効率的に追従走行可能な領域をいう(特許文献5参照)。
ここで、惰性走行減速度以下の減速度での等減速度走行による走行制御方法について説明する。
惰性走行減速度αi 、等減速走行減速度αir 、制動走行減速度αbの関係は(数3)であらわされる。即ち、等減速走行減速度αirは、惰性走行減速度αiに制動減速度αbを加えたものとなる。したがって、車両の有する運動エネルギーを最大限活用した減速を行うためには、等減速度走行減速度αirは、惰性走行減速度αi に極力近い値であることが望ましい。しかし車両減速時、車両が惰性走行によるエネルギー消費に余る運動エネルギーを有する場合はそれを制動減速度αbによって吸収する必要がある。
ここで制動減速度αbは回生ブレーキあるいは摩擦ブレーキによって車両を制動する際の減速度であり、減速時のエネルギー効率を考えると回生ブレーキを可能な限り使ってエネルギー回生を行い、摩擦ブレーキによるエネルギー廃棄は極力少なくすることが望ましい。
以上より、等減速走行減速度αirによる等減速度走行は、惰性走行減速度αi による惰性走行を回生ブレーキあるいは摩擦ブレーキの制動減速度αb(<0)によって調整しつつ走行することによって、可能となることが分かる。但しそのためにはαir <αiでなければならない。
(数3)
αir =αi +αb
次に、地点Pから車両停止点Cまでの車両走行距離Dを知って、地点Pからの惰性走行減速度以下の減速度による等減速度走行によって車両停止点Cに到達可能か否かを、上記に説明した計測方法によって得られる惰性走行減速度αiを基準として、判定する場合の基本的考え方を説明する。
地点Pを速度vsで通過した車両が一定減速度で走行し、地点B(但し地点Bは地点P−地点C間にあり、地点B−地点C間は摩擦ブレーキによる減速区間とする)に速度vminで到達するための減速度αirを(数4)を用いて算出する。
(数4)
αir =(vmin2−vs2)/{2・(D−D’)}
但し、
D:地点P−車両停止点C間距離、
D’:地点B−車両停止点C間距離、摩擦制動での走行距離、
vs:車両の地点P通過速度、
vmin:地点B到達速度、
である。
次に、前記計測した惰性走行減速度αiと(数4)によって算出した減速度αirを比較し、(数5)が成立する場合は、等減速度走行減速度を回生ブレーキによってαirに調整しつつ停止点Cに向けて等減速度走行し、(厳密には地点Bに向けて走行し地点Bに速度vminで到達後摩擦ブレーキで地点Cで停止するように走行し、)地点Cで停止する。
この場合、地点Pから地点Bまでの間の減速度αir での等減速度走行は、惰性走行によって走行するにあまる車両の運動エネルギーを回生ブレーキ(制動減速度αb)によって回生する走行となる。
一方、(数5)が成立しない場合は、惰性走行減速度αiをもってしても、地点Cへの等減速度走行は不可能であるとして、車両は一定時間あるいは一定距離巡航走行を継続したのち改めて地点Cへの等減速度走行のための減速度αir を算出し、その時点で最新の惰性走行減速度αiとの比較を行う。前記等減速度走行のための減速度算出および惰性走行減速度との比較は、(数5)が成立するまで繰り返し、(数5)が成立した後はその時点で算出された減速度αir,での等減速走行で地点Cに向けて走行する。
(数5)
αi >αir
ここで、地点Bへの到着速度をvmin としている理由は、等減速度走行によって交通流の乱れが生じる恐れがない車両速度の下限値をvminとしていることによる。
以上は地点Pから距離D下流の車両停止点Cまでの等減速度走行による到達可否の判定および等減速度走行に関する説明であるが、
時刻tp での特定地点P通過から等減速度走行によって交差点Aへ時刻taでの到達可否、即ち交差点Aを青信号無停止で通過するための特定地点Pから交差点Aまでの等減速度走行可否および走行制御も同様な考え方で判定・実行できる。
地点P通過後の時刻tp’ (地点Pからの距離ΔD)の地点(速度vs)から等減速度αir の等減速度走行によって交差点Aに時刻tpに到着する場合の等減速度αirは(数6)で算出される。この算出された減速度αir と前記惰性走行時に計測された惰性走行減速度αiを比較し、前記(数5)を満足する場合は、車両は減速度αirの等減速度走行によって交差点Aに時刻taに到達可能であるとして、制動減速度αbを調整して等減速度走行減速度を減速度αir に保って交差点Aに向かい、交差点Aに時刻taに到達する。
(数5)を満足しない場合は前記等減速度走行のための減速度算出および惰性走行減速度との比較を、(数5)が成立するまで繰り返し行い、(数5)が成立した時点で算出された減速度αir,での等減速度走行で交差点Aに向かい交差点Aに時刻ta に到着し、交差点Aを青信号・無停止で通過する。
(数6)
αir =2{(D−ΔD)−vs(ta−tp’)}/(ta−tp’)2
ここで、
D:地点P−交差点A間車両走行距離
ΔD:地点P通過後現時点までの車両走行距離、
vs:現時点の車両速度、
ta:車両の交差点A到着時刻
tp’:現時刻(=tp+Δt)
tp:車両の地点P通過時刻
Δt:車両の地点P通過後の現時点までの経過時間、
である。
以上の如く、巡航走行中の惰性走行の間での惰性走行減速度αiの算出、算出された最新の惰性走行減速度と、現地点から車両停止点までの、あるいは交差点に特定された時刻に到達するための、等減速度走行減速度αirの比較によって目標地点の目標条件で到達可能か否かの判定および可の場合の等減速度走行減速度αir での走行によって、車両運動エネルギーの効率的活用による走行およびエネルギー回生が可能になる。
本願発明は車両が前方車両を検知し、前方車両に追従走行しようとして接近する場合も適用することができる。即ち、巡航走行中に前方車両を検知した場合は、前記の如く惰性走行、緩加速度走行繰り返しによる巡航走行中の惰性走行の間に算出した惰性走行減速度αi と、自車と速度vaで走行中の前方車両との間に設定した追従走行領域に到達するに必要な減速度αirを算出・比較して算出された減速度αirでの等減速度走行によって前記追従走行領域内に到達可能か否かを判定し、可の場合は前記算出された減速度αirで追従走行領域に向けて走行し、不可の場合は、巡航走行を一定時間あるいは一定走行距離継続したのち改めてαi 、αirを算出比較し、この操作を可となるまで継続し、可となった時点で追従走行領域に向けての減速度αirでの等減速走行を開始する。
追従走行領域に到達した後は、前方車両との相対速度vrが(数9)、車間距離Lが(数14)を満足する追従走行領域内で惰性走行、緩加速度走行を繰り返して前方車両への追従走行を行う。
図3を用いて上記追従走行移行および追従走行の考え方の詳細を説明する。
自車両31は速度va で走行する前方車両32に対し安全車間距離L1(va)、(数7)で示される惰性走行距離最大値L2(va)、(数8)で示される緩加速度走行距離L3(va) 最大値、および(数9)で示される相対速度許容範囲、で定まる追従走行領域33(但し、追従走行領域33は、(数9)の相対速度範囲と(数10)の車間距離範囲で設定される惰性追従走行領域34と、(数9)の相対速度範囲と(数11)の車間距離範囲で設定される緩加速度追従走行領域35で構成される。)を設定する。
ここで、安全車間距離L1(va)は、速度vaで走行する前方車両に相対速度vr=0で追従走行する自車両が緊急時安全に停止できる最小車間距離、
惰性走行距離L2(va)は、速度vaで走行する前方車両との相対速度vr=+vr0で走行中の自車両が、減速度αiの惰性走行に移行して後相対速度vr=0 になるまでの間に前方車両に接近する相対走行距離、
緩加速度走行距離L3(va)は、速度vaで走行する前方車両との相対速度vr=−vr0で走行中の自車両が、緩加速度αaの加速走行に移行して後相対速度vr=0 になるまでの間に前方車両から離遠する相対走行距離、
である。
ここで、惰性追従走行領域34と緩加速度追従走行領域35の境界となる(数12)で示される車間距離を境界車間距離36と称する。
(数7)
L2(va)=−vr02 /(2・αi)
(数8)
L3(va)=vr02 /(2・αa)
(数9)
−vr0 ≦ vr ≦ vr0
(数10)
L1(va)≦L<L1(va)+L2(va)
(数11)
L1(va)+L2(va)<L ≦L1(va)+L2(va) +L3(va)
(数12)
L=L1(va)+L2(va)
現時点(前方車両との相対車間距離L)から追従走行領域中の境界車間距離(前方車両からの相対距離L1+L2の地点)に向けて等減速度走行を行って境界車間距離地点に相対速度vr=0で到達するための減速度αir を(数13)より算出する。
(数13)
αir =(va2−vs2
/{2・(L−L1(va)−L2(va))}
(数13)で算出されたαirと前記惰性走行中に計測された惰性走行減速度αiを比較し、前記(数5)を満足する場合には、減速度αir の等減速走行で境界車間距離地点に相対速度vr=0で到達可能と判定して減速度αir での等減速走行を開始する。(数5)を満足しない場合には、一定時間あるいは一定距離巡航走行を行った後再度(数13)により減速度αirの算出、最新の惰性走行減速度αi との比較、を、(数5)が満足するまで行い、満足した時点で減速度αir の等減速走行を開始する。
減速度αir の等減速走行を開始した後、前方車両との相対速度vrがvr=0となった時点の前方車両との車間距離Lを計測し、車間距離Lが(数14)に示す範囲内にある場合は、自車両は前方車両に対して、追従走行領域への移行が終了したとして以下の操作による追従走行に入る。
(数14)
L1(va)≦L ≦L1(va)+L2(va)+L3(va))
次に、上記によって追従走行への移行を終了した時点での自車と前方車両の車間距離Lが(数10)を満足する状態である場合は減速度αiでの惰性走行に移行する。
また追従走行への移行を終了した時点での自車と前方車両の車間距離Lが(数11)を満足する場合は緩加速度αaの緩加速度走行をおこなう。
即ち、追従走行に移行終了後の追従走行領域33において、惰性追従走行領域34で相対速度vrがvr=0なる状態を経由した後の惰性走行中車間距離Lが(数12)に示す距離(境界車間距離)に拡大あるいは相対速度vrが(数15)に示す速度に減少した場合は惰性走行から緩加速度αaの緩加速度走行に、
また、緩加速度追従走行領域35で緩加速度走行中相対速度vrがvr=0なる状態を経由した後車間距離Lが(数11)の状態から(数12)に示す距離(境界車間距離)に短縮あるいは相対速度vrが(数16)に示す速度に増加した場合は緩加速度走行から減速度αi の惰性走行に、
各々移行する。
(数15)
vr=−vr0
(数16)
vr=+vr0
以上のごとく惰性追従走行領域34、緩加速度追従走行領域35への移行を車間距離Lが境界車間距離に達するごとに、また相対速度vr が相対速度許容上下限値に達するごとに、繰り返し行うことによって自車は急加速・急減速無しでの安全でかつエネルギー効率の良い前方車両走行速度に対応した追従走行を行うことができる。
また、追従走行中、前方車両との相対速度vrがvr=0に達した時点の車間距離L が(数10)および(数11)を満足しない場合、すなわち(数17)あるいは(数18)を満足する場合は、ともに前方車両速度vaの大幅変動等によって、エラーが起きたとして、(数17)を満足する場合はブレーキ(回生ブレーキあるいは摩擦ブレーキ)によって車間距離LをL>L1(va) となるまで拡大してのち、また、(数18)を満足する場合は緩加速度走行によって車間距離LをL<L1(va)+L2(va)+L3(va)にまで縮小してのち、各々上記追従走行を行う。
(数17)
L <L1(va)
(数18)
L>L1(va)+L2(va)+L3(va)
本願発明によって、道路状態、車両状態に対応した惰性走行減速度αiの算出、および算出結果を用いての車両の等減速走行あるいは追従走行への適正な応用ができ、車両走行の省エネルギー化、排出ガス量削減に大きく貢献することができる。
本願発明による惰性走行減速度算出方法説明図、 本願発明による惰性走行減速度算出手順説明図、 本願発明による追従走行移行および追従走行方法説明図 本願発明による等減速度走行による特定地点停止のための車載装置構成例、 本願発明による等減速度走行による特定地点停止のための演算処理手順例、 本願発明による等減速度走行による交差点特定時刻到着・通過のための演算処理手順例、 本願発明による追従走行移行および追従走行演算処理手順例、である。
特定地点での停止、徐行のための等減速度走行時、あるいは交差点にむけて特定走行条件に基づいての等減速度走行する場合、走行による危険を避けるため、車両に前方レーダ等を装着し、前方に障害となる車両等が存在しないことを確認したうえで等減速度走行を開始することが望ましい。
また、前方走行車に追従走行する場合は前方走行車との車間距離および相対速度検知のための前方レーダが必要となる。
さらに、惰性走行あるいは等減速度走行開始に際しての駆動体動作停止、駆動力の駆動輪への伝達遮断等に関連する惰性走行移行操作、および惰性走行状態からブレーキによる減速状態への移行に際しての操作、を個々に手動で行うのでなく、車両の安全走行に支障をきたさないようにかつ自動的に一括して行うことが可能な、また車両の走行制御のための速度制御目標値として等減速度走行減速度αirを設定することによって自動的に制動減速度αbが適切に制御される改良された惰性走行/等減速走行制御機能を有する速度制御装置の開発・導入が望まれる。
先ず、惰性走行中の惰性走行減速度の計測方法について図2の惰性走行減速度計測手順例を用いて説明する。
図2において、
201は、惰性走行減速度計測手順開始点、
202は、惰性走行が開始されているか否かを判定する惰性走行開始判定処理、
203は、惰性走行開始時点からの経過時間計測のためのタイマーイニシャライズ処理、
204は、惰性走行開始後の一定時間Ti1経過を判定する一定時間Ti1経過判定処理であり、一定時間Ti1経過の後惰性走行減速度αiの計測が可能となる。
205は、処理204で惰性走行開始後一定時間Ti1経過と判定した時点の車両走行速度v2’を取り込むv2'取り込み処理、
206は、惰性走行開始後の一定時(Ti1+Ti2)経過を判定する一定時間(Ti1+Ti2)経過判定処理、
207は、処理206において惰性走行開始後一定時間(Ti1+Ti2)は未だ経過していないと判定した場合、惰性走行がすでに終了しているか否かを判定する惰性走行終了判定処理、
208は、処理206において惰性走行開始後一定時間(Ti1+Ti2)経過したと判定した場合、その時点の車両速度v1’を取り込むv1’取り込み処理、
209は、取り込み済みの車両速度v2’およびv1’から(数1)によって惰性走行減速度αiを算出・記憶する惰性走行減速度算出・記憶処理、但し(数1)においてt2’ =Ti1、t3’= Ti1+Ti2である。
210は、引き続き惰性走行減速度を計測するために、直前に取り込んだ車両速度v1’を車両速度v2’に置き換える、車両速度置き換え処理、
211は、処理210と同様引き続き惰性走行減速度を計測するために、惰性走行開始後の経過時間Δti を時間Ti1に設定する経過時間置き換え処理、
である。
以上の如く処理することにより、惰性走行、緩加速走行繰り返し時だけでなく惰性走行が継続する場合も惰性走行減速度は継続して計測・更新が可能となる。
また上記処理の経過時間の計測、車両速度の取り込み、および惰性走行減速度の演算は、図4に示す車載装置例において、可能である。
地点Pから地点C方向に走行中の車両を、地点Cにおいて停止させる場合の、車両走行による運動エネルギーを有効に活用した本願発明による等減速度走行実現のための車載装置例を図4に、図4中の惰性走行制御に関する演算処理手順例を図5に示す。
図4において、
401は、カーナビゲーション機能に本願発明による惰性走行減速度演算・記憶機能、減速度走行可否判定および走行制御機能を付加した車載装置の演算制御部、
402は、車両の現在位置特定部であり、GPS受信機、方位計、あるいはジャイロ等で構成される、
403は、惰性走行開始後の車両走行距離、および特定地点(本例の場合は、地点P)通過後の車両走行距離、を計測する走行距離計測部であり、後述の速度較正部404で較正された自車走行速度(自車速)を時間積分することによって走行距離計測を行う、
404は、車両の自車速を較正する速度較正部、
405は、惰性走行開始後の経過時間、および特定地点(本例の場合は、地点P)通過時からの経過時間、を計測する経過時間計側部、
406は、通常走行中から等減速度走行移行時等において、自車前方の走行車両あるいは障害物の有無を検知して惰性走行移行に危険がないか否かを判定する前方レーダ部、
407は、自車のアクセル、ブレーキの押下状態を検知するアクセル、ブレーキ状態検知部、
408は、通常の走行速度制御機能に加えて、惰性走行あるいは等減速度走行開始に際しての車両駆動体動作停止、駆動力の駆動輪への伝達遮断等に関連する惰性走行移行操作、および惰性走行状態からブレーキによる減速状態への移行に際しての操作を、車両の安全走行に支障をきたさないようかつ自動的に一括して行うことが可能な、また車両の走行制御のための速度制御目標値として等減速度走行減速度αirを設定することによって自動的に制動減速度αbが適切に制御される惰性走行/等減速走行制御機能を有する速度制御装置
409は、カーナビゲーションに必要な地図データに加えて、各道路における本願発明の減速度制御に必要な地点P−地点C間走行距離D情報等を有するデータベース、
410は、カーナビゲーションおよび本願発明による車両の惰性走行減速度計測および等減速度制御に必要な音声入出力を行う音声入出力部、
411は、カーナビゲーションおよび本願発明による車両の惰性走行減速度計測および等による減速度制御に必要な表示入出力を行う表示入出力部、
412は、あらかじめ本願発明による惰性走行減速度計測および等減速度制御の基準となる惰性走行減速度標準値(αi0 )を設定する標準減速度設定部、
である。
次に、図4構成による車載装置における等減速度走行による特定地点停止のための演算処理手順例を、図5を用いて説明する。
図5において、
501は、地点Pから停止地点Cまでの等減速度走行による到達制御手順開始点、
502は、車両が等減速度走行制御開始点である地点Pを通過したか否かを位置特定部402で特定した位置データから判定する地点P通過判定処理、
503は、処理502において車両が地点Pを通過したと判定した場合、地点P通過後の経過時間Δt、地点Pからの走行距離ΔDの計数を開始するΔt、ΔD計数開始処理、
504は、地点P−地点C間車両走行距離D
情報を地図データベースから取り込むD取り込み処理、
505は、現時点の車両走行速度vs および車両走行速度vsに対応した走行速度下限値vmin を取り込むvs/vmin取り込み処理、
506は、現時点から車両停止点までの等減速度走行のための等減速度αirを、前記(数4)を用いて算出するαir 算出処理
507は、車両の惰性走行減速度αiと、処理506で算出した減速度αir を比較する減速度比較処理、
508は、処理507での比較結果(数5)を満足した場合、即ちαi >αirと判定した場合、車両は減速度αir の等減速走行で地点Bに(地点B到達速度vminで)到達可能として、減速度αirでの等減速度走行開始のためのレーダによる前方安全確認を行う前方安全確認処理、
509は、処理508で前方安全が確認された場合減速度αir での等減速度走行を開始する等減速度走行開始処理、
510は、処理507でαi >αirを満足しないと判定された場合あるいは処理508で車両前方に障害物等があって減速度αirでの等減速走行が開始できないとき、一定時間の巡航走行を行って(この間には新たな惰性走行減速度αiの計測もなされる)後処理505に戻る一定時間巡航処理、
511は、処理509で減速度αirでの等減速度走行を開始した後車両速度を監視し、車両速度vs がvs≦vminに達したか否かを判定する車両速度下限値到達判定処理、
512は、処理511で、車両速度vsが下限値vminに到達したと判定した場合は、等減速度走行から摩擦ブレーキ主体の減速に切り替えて地点Cに向けて走行する等減速度走行終了処理、
513は、車両が目的地点Cに到達したか否かを、地点Pからの走行距離計数結果ΔD、位置特定機能、あるいはドライバーの目視、で判定する地点C到達判定処理、
514は、地点Pから停止地点Cまでの等減速度走行による到達制御手順終了点、
である。
以上の如く本願発明によって、惰性走行減速度αiと等減速度走行のための減速度αirの比較を行い地点P通過後からの減速度αir での等減速走行による地点C到着可否(厳密にいえば走行速度vmin 以上での地点B到着可否)を判定して、到着可であって前方の安全が確認された場合、制動減速度αbを調整しつつ等減速走行減速度αir での等減速度走行を開始し、自車速がvminに達した時点で等減速度走行を停止し以後は制動動作に切り替えることによって車両運動エネルギーを最大限に活用した地点Cへの到達(停止あるいは徐行通過)が可能になる。
本実施例3においては、本願発明の思想を交差点無停止走行制御に適用し、特定地点(本例の場合は地点P)において路車間通信で車載装置に通報された交差点Aを青信号・無停止で通過するための地点P−交差点A間の走行条件を等減速度走行によって実現する方法を示す。
本実施例の車載装置構成は、前記図4の実施例2構成に、地点Pの路側に設けられた路車間通信路側装置からの通報を受信する路車間通信車側装置を付加することによって実現できる(ただし図4には前記路車間通信車側装置は記載していない)。
上記路車間通信によって路側から車側に、地点P−交差点A間車両走行距離、車両の地点P通過時刻ta 、交差点Aを青信号無停止で通過するための走行条件(本例の場合は交差点A到達予定時刻ta )が通報されるものとする。
次に図6を用いて、交差点無停止走行制御に際しての等減速度走行の適用手順例を示す。
601〜603は、図5における501〜503に同じ、
604は、地点P−交差点A間車両走行距離D情報、車両の地点P通過時刻tp、および交差点A到着予定時刻ta を路車間通信によって路車間通信路側装置から取り込むデータ取り込み処理、
605は、図5における605に同じ、
606は、現時点から車両停止点までの等減速度走行のための等減速度αirを、前記(数6)を用いて算出するαir 算出処理
607〜610は図5における507〜510に同じ、
611は、時刻がta'(ta−ta’=ΔT0、ΔT0:あらかじめ定められている一定時間)に達したか否かを判定するta’ 判定処理、
612は、処理611で時刻がta’ に達したと判定した場合、その時の自車速度vsおよび地点Pからの走行距離ΔDを取り込んで現時点から交差点Aまでの等減速度走行のための修正減速度αir’ を算出するαir’ 算出処理、
但しαir’はαir’ =2{(D−ΔD)−vs(ta−ta’)}/(ta−ta’)2 より算出する。
613は、いままでの等減速度走行のための減速度αirに代えて、処理612で算出した等減速度走行のための修正減速度αir’で交差点Aに向けて走行する修正減速度αir’での等減速度走行処理、
614は、交差点Aに到達したか否かを判定する交差点A到達判定処理、
615は、処理614で、車両が交差点Aに到達したと判定した場合は本等減速度走行による交差点A通過制御手順を終了させる終了点、
である。
以上の如く、地点P通過後惰性走行減速度αiと(数6)で算出される減速度αirを比較し(数5)を満足した場合には、その時点・地点から減速度αirでの等減速度走行を開始する。その後交差点A到達予定時刻以前の時刻ta’において、その時点の車両走行速度vsがvs≧(D−D’)/(ta−ta’)を満足するか否かによりその時点で等減速度走行を終了した後制動制御するか緩加速走行するかを判定し、判定された走行方法でかつ走行速度を交差点Aへの到着時刻がtaになるよう調整しつつ交差点Aに向けて走行し、交差点Aに到着予定時刻taに到達する。このように演算処理及び等減速度走行を行うことによって、交差点Aを青信号無停止で通過するための地点Pでの急激な減速による速度調整を行うことなく、かつ車両の運動エネルギーを有効に活用しての交差点無停止走行が実現できることになる。
実施例4においては、本願発明の思想を前方走行車に追従走行する車両に適用することによって、前方走行車に対して安全かつ効率的な追従走行移行および追従走行の実行を可能にする。
本実施例の車載装置構成は、基本的には前記図4の実施例2構成に同一である。ただし、前方レーダは単に前方の障害物あるいは走行車両の検知だけではなく、自車−前方走行車間の車間距離の計測および相対速度の検知が可能なものとする。
次に図7を用いて、追従走行における等減速度走行の適用手順例を示す。ただし本実施例における車両A惰性走行減速度αiは、実施例1および実施例2と同様図7に示す処理のバックグラウンドで(図2に示す処理手順で)得られているものとする。
701は、本願発明による前方走行車への追従走行制御処理手順開始点、
702は、自車前方に追従走行すべき走行車があるか否かを前方レーダ406出力で判定する前方走行車判定処理、
703は、巡航走行を行う巡航走行処理、この間の惰性走行中に惰性走行減速度αiの計測・更新を行う。
704は、前方レーダ406から自車−前方走行車車間距離L、自車−前方走行車間相対速度vr (ただし、自車が前方走行車に接近しつつある場合をvr >0とする)を、また自車速度計から自車速vs を、前記相対速度vrと自車速vs から前方車両速度va (=vs−vr)を、検知するとともに、データベース中から前方車両速度vaに対応した制動距離(安全車間距離)L1(va)、自車−前方走行車間許容相対速度vr0 、および緩加速度αa を取り込んで追従走行領域を設定する追従走行領域設定処理、
705は、現地点から等減速度走行によって処理704で設定した追従走行領域に到達可能か否かの判定のための等減速度αir を(数13)を用いて算出するαir 算出処理、
706は、惰性走行減速度αi と処理705で算出した等減速度走行減速度αir を比較する減速度比較処理、
707は、処理706の結果(数5)を満足した場合、減速度αirでの等減速度走行を開始する等減速度走行開始処理、
708は、処理704に同じ、
709は、自車−前方走行車間距離LとL1(va)の比較をする車間距離比較処理、
710は、処理709において自車−前方走行車間距離LがL1(va) 以下であると判定した場合、前方走行車への追突回避のための制動を行う減速・制動処理、
711は、前方車両との相対速度vrがvr=0、即ち等減速度走行での追従走行領域への移行が終了したか否かを判定する、追従領域移行終了判定処理、
712は、車両が追従領域中の惰性走行領域(図3中の34)にいるか否かを自車−前方走行車間距離LがL1(va)+L2(va) 以下か否かから判定する惰性走行領域判定処理、
713は、車両が追従領域中の緩加速走行領域(図3中の35)にいるか否かを自車−前方走行車間距離LがL1(va)+L2(va)を超えているか否かから判定する緩加速走行領域判定処理、
714は、惰性走行移行あるいは惰性走行を行う惰性走行処理、
715は、処理704に同じ、
716は、自車−前方走行車間距離LがL<L1(va)+L2(va)の状態からL=L1(va)+L2(va)に達したか否か、即ち惰性走行から緩加速走行に移行すべき状態に達したか否かを判定する緩加速走行移行判定処理、
717は、緩加速走行移行あるいは緩加速度走行を行う緩加速走行処理、
718は、処理715に同じ、
719は、自車−前方走行車間距離LがL<L1(va)+L2(va)の状態からL=L1(va)+L2(va)に達したか否か、即ち緩加速走行から惰性走行に移行すべき状態に達したか否かを判定する惰性走行移行判定処理、
である。
以上の如く制御することによって車両Aは車両Bとの車間距離L=L1(va)+L2(va) (厳密にいえば距離L2(va)は距離L2(vr0)と記すべきであるが、vr0は前方車両速度va に対応しているので、距離L2(vr0)はすべて距離L2(va)としている)
地点通過時に、加速走行開始、惰性走行開始、の切り替え操作を行うことによって、車間距離変動幅の少なく従って走行速度変動幅の少ない、即ち運動エネルギー利用効率の良い、追従走行が可能となる。
以上述べたごとく、ハイブリッド車等のエネルギー回生機能を有している車両に限らず単一駆動源の車両においても本願発明によって車両の有している運動エネルギーを効果的・効率的に活用しての車両停止点への等減速度走行および停止あるいは徐行制御、交差点無停止走行における等減速度走行での交差点への特定時刻到着制御、また前方車両への追従走行移行および追従走行制御、を実現でき、車両の省エネルギーあるいは排出ガス量削減に大きく貢献することができる。
図3において、
L:自車−前方車両車間距離
L1:安全車間距離、安全車間距離(=L1(va))は、速度vaで走行する前方車両に相対速度vr=0で追従走行する自車両が緊急時安全に停止できる最小車間距離、
L2:惰性走行距離、惰性走行距離(=L2(va))は、速度vaで走行する前方車両との相対速度vr=+vr0で走行中の自車両が、減速度αiの惰性走行に移行して後相対速度vr=0 になるまでの間に前方車両に接近する相対走行距離、
L3:緩加速度走行距離、緩加速度走行距離(=L3(va))は、速度vaで走行する前方車両との相対速度vr=−vr0走行中の自車両が、緩加速度αaの加速走行に移行して後相対速度vr=0 になるまでの間に前方車両から離遠する相対走行距離、
L1+L2:境界車間距離、
vr (=vs−va):自車−前方車両間相対速度(但し、自車が前方車両に接近していくときvr >0)
vr0:前方車両速度vaによって定まる追従走行時の相対速度許容上下限値の絶対値、
31:自車両、走行速度vs 、
32:前方車両、走行速度va 、
33:追従走行領域、
34:追従走行領域中の惰性追従走行領域、
35:追従走行領域中の緩加速度追従走行領域、
36:境界車間距離(=L1(va)+L2(va))
である。
本願発明は、車両走行の省エネルギー化、排出ガス量低減化のため、車両の有する運動エネルギーを最大限に活用した車両走行制御方法に関する。
車両の走行中に有している運動エネルギーを、車両減速時に有効利用あるいは回収して燃料消費量、排出ガス量を削減しようとする試みは古くから数多くなされている (特許文献1、特許文献2、特許文献3、等)。
本願発明は上記考え方をより進化させて、ハイブリッド車両、電気自動車の如きエネルギー回生機能を有する車両のみならずエネルギー回生機能を有していないガソリンエンジン車等の車両、においても、車両減速時においてその時点で車両が有している運動エネルギーを最大限効率的に車両の走行エネルギーとして活用するとともに、エネルギー回生機能を有する車両においては前記車両減速時に車両の有している運動エネルギー中の車両走行に供するエネルギーに余るエネルギーを有効に回収エネルギーとすることによって、総合的に車両のエネルギー消費量、排出ガス量の削減を図ろうとするものである。
本願発明は走行中の車両の有している運動エネルギーE=m・v2/2(ここでm:車両質量、v:車両走行速度)を最大限効率的・効果的に車両走行に活用する方法に関するものであり、その基本的考え方は、惰性走行を運動エネルギーの許す範囲で、また車両走行速度の許す範囲で、できるだけ長時間、長距離行うことによって、車両のエネルギー消費量、排出ガス量を削減しようとするものである。
ここで、惰性走行とは、車両の安全走行上あるいは車両動作の信頼性上の支障をきたさない範囲内で、エンジン、モータ等の車両駆動体の駆動力発生動作を停止する、あるいはエンジン、モータ等の駆動力の駆動輪への伝達を停止・低減する、ことによってその時点で車両の有している運動エネルギーを有効利用して車両を走行させるとともに、走行安全上制動動作が必要な状態が発生した場合は直ちに正常な制動動作に移行できる走行状態をいう。
上記思想に基づいて惰性走行を行う場合、問題になるのは惰性走行減速度、即ち車両が惰性走行する際の車両の走行抵抗による車両走行速度の時間に対する減少度合いである。
例えば、車両現在位置から車両停止位置までの間、惰性走行で到達可能か否かの判定あるいは到達するための車両制御を行う場合においては正確な惰性走行減速度が必要になる。
標準的な道路での標準的な走行状態での前記惰性走行減速度はあらかじめ準備して設定しておき、これを上記惰性走行可否の判定あるいは制御に用いることも可能であるが、実際の惰性走行減速度は車両走行中の道路状態(道路勾配、道路表面状況等)、車両走行状態(車両走行速度、車両負荷等)によって大きく変化する。したがって正しい惰性走行可否の判定および惰性走行制御を行おうとした場合、車両が現在走行中の道路での走行状態に対応した惰性走行減速度が必要になる。
本願発明は上記実走行状態に即した惰性走行減速度算出方法およびその利用方法に関する。
正確な惰性走行減速度が必要となる場合としては、
地点Pから車両停止点Cまでの車両走行距離Dを知って、地点からの惰性走行減速度以下の減速度による等減速度走行によって車両停止点Cに到達可能か否かを判定する場合、
時刻tpの地点Pから惰性走行減速度以下の減速度による等減速度走行によって交差点Aに時刻ta に到達可能か否かを判定する場合、
あるいは、単独で巡航走行している車両が前方車両を認め、前方車両への追従走行領域までに惰性走行減速度以下の減速度による等減速度走行で到達(移行)可能か否かを判定する場合、等がある。
ここで、時刻taとは交差点Aが青信号の間の特定時刻である。また前方車両への追従走行領域とは、前方車両走行速度vaと自車−前方車両間許容相対速度vr0 で定まる、自車が前方車両に等減速度走行および等緩加速度走行の繰り返しで安全かつ効率的に追従走行可能な領域をいう(特許文献5参照)。
ここで、惰性走行減速度以下の減速度での等減速度走行による走行制御方法について説明する。
惰性走行減速度αi(αi <0) 、等減速度走行減速度αir(αir <0)、制動走行減速度αb(αb <0)の関係は(数3)であらわされる。即ち、等減速度走行減速度αirは、惰性走行減速度αi制動減速度αbの和となる。したがって、車両の有する運動エネルギーを最大限活用した減速を行うためには、等減速度走行減速度αirは、惰性走行減速度αi に等しい値であることが望ましい。しかし車両減速時、車両が惰性走行によるエネルギー消費に余る運動エネルギーを有する、即ちαi>αirの、場合もあり、この場合には、回生ブレーキあるいは摩擦ブレーキによる制動(制動減速度αb)によって(αi−αir)分を吸収する必要がある。
ここで制動減速度αbは回生ブレーキあるいは摩擦ブレーキによる車両制動の減速度であり、減速時のエネルギー効率を考えると、回生ブレーキを可能な限り使ってエネルギー回生を行い、摩擦ブレーキによるエネルギー廃棄は極力少なくすることが望ましい。
以上より、等減速走行減速度αirによる等減速度走行は、惰性走行減速度αi による惰性走行を回生ブレーキあるいは摩擦ブレーキによる制動減速度αb調整による走行によって、可能となることが分かる。
(数4)
αir =(vmin2−vs2)/{2・(D−D’)}
但し、
:地点P−車両停止点C間距離、
D’:地点B−車両停止点C間距離、摩擦制動での走行距離、
vs:車両の地点P通過速度、
vmin:地点B到達速度、
である。
次に、前記計測した惰性走行減速度αiと(数4)によって算出した減速度αirを比較し、(数5)が成立する場合は、等減速度走行減速度を回生ブレーキによってαirに調整しつつ停止点Cに向けて等減速度走行し、(厳密には地点Bに向けて走行し地点Bに
速度vminで到達後摩擦ブレーキで地点Cで停止するように走行し、)地点Cで停止する。この場合、地点Pから地点Bまでの間の減速度αir での等減速度走行は、惰性走行によって走行するに余る車両の運動エネルギーを回生ブレーキ(制動減速度αb)によって回生する走行となる。
一方、(数5)が成立しない場合は、惰性走行減速度αiでの惰性走行では地点Cへの等減速度走行は不可能であるとして、車両は一定時間あるいは一定距離巡航走行を継続したのち改めて地点Cへの等減速度走行のための減速度αir を算出し、その時点で最新の惰性走行減速度αiとの比較を行う。前記等減速度走行のための減速度算出および惰性走行減速度との比較は、(数5)が成立するまで繰り返し、(数5)が成立した後はその時点で算出された減速度αir,での等減速走行で地点Cに向けて走行する。
(数5)
αi≧αir
以上は地点Pから距離D下流の車両停止点Cまでの等減速度走行による到達可否の判定および等減速度走行実行に関する説明であるが、
時刻tp での特定地点P通過から等減速度走行によって交差点Aへ時刻taでの到達可否、即ち交差点Aを青信号無停止で通過するための特定地点Pから交差点Aまでの等減速度走行可否および走行制御も同様な考え方で判定・実行できる。
地点P通過後の時刻tp’(地点Pからの距離ΔD)の地点(速度vs)から等減速度αir の等減速度走行によって交差点Aに時刻tpに到着する場合の等減速度αirは(数6)で算出される。この算出された減速度αir と前記惰性走行時に計測された惰性走行減速度αiを比較し、前記(数5)を満足する場合は、車両は減速度αirの等減速度走行によって交差点Aに時刻taに到達可能であるとして、制動減速度αbを調整して等減速度走行減速度を減速度αir に保って交差点Aに向かい、交差点Aに時刻taに到達する。
(数5)を満足しない場合は前記等減速度走行のための減速度算出および惰性走行減速度との比較を、(数5)が成立するまで繰り返し行い、(数5)が成立した時点で算出された減速度αirでの等減速度走行で交差点Aに向かい交差点Aに時刻ta に到着し、交差点Aを青信号・無停止で通過する。
(数6)
αir =2{(D−ΔD)−vs(ta−tp’)}/(ta−tp’)2
ここで、
:地点P−交差点A間車両走行距離
Δ:地点P通過後現時点までの車両走行距離、
vs:現時点の車両速度、
ta:車両の交差点A到着時刻
tp’:現時刻(=tp+Δt)
tp:車両の地点P通過時刻
Δt:車両の地点P通過後の現時点までの経過時間、
である。
本願発明は車両が前方車両を検知し、前方車両に追従走行しようとして接近する場合も適用することができる。即ち、巡航走行中に前方車両を検知した場合は、前記の如く惰性走行、緩加速度走行繰り返しによる巡航走行中の惰性走行の間に算出した惰性走行減速度αi と、速度vaで走行中の前方車両との間に設定した追従走行領域に到達するに必要な減速度αirを算出・比較して算出された減速度αirでの等減速度走行によって前記追従走行領域内に到達可能か否かを判定し、可の場合は前記算出された減速度αirで追従走行領域に向けて走行し、不可の場合は、巡航走行を一定時間あるいは一定走行距離継続したのち改めてαi 、αirを算出比較し、この操作を可となるまで継続し、可となった時点で追従走行領域に向けての減速度αirでの等減速走行を開始する。
図3を用いて上記追従走行移行および追従走行の考え方の詳細を説明する。
自車両31は速度va で走行する前方車両32に対し安全車間距離1(va)、(数7)で示される惰性走行距離最大値2(va)、(数8)で示される緩加速度走行距離3(va) 最大値、および(数9)で示される相対速度許容範囲、で定まる追従走行領域33(但し、追従走行領域33は、(数9)の相対速度範囲と(数10)の車間距離範囲で設定される惰性追従走行領域34と、(数9)の相対速度範囲と(数11)の車間距離範囲で設定される緩加速度追従走行領域35で構成される。)を設定する。
ここで、安全車間距離1(va)は、速度vaで走行する前方車両に相対速度vr=0で追従走行する自車両が緊急時安全に停止できる最小車間距離、
惰性走行距離2(va)は、速度vaで走行する前方車両との相対速度vr=+vr0で走行中の自車両が、減速度αiの惰性走行に移行して後相対速度vr=0 になるまでの間に前方車両に接近する相対走行距離、
緩加速度走行距離3(va)は、速度vaで走行する前方車両との相対速度vr=−vr0で走行中の自車両が、緩加速度αaの加速走行に移行して後相対速度vr=0 になるまでの間に前方車両から離遠する相対走行距離、
である。
(数7)
2(va)=−vr02 /(2・αi)
(数8)
3(va)=vr02 /(2・αa)
(数10)
1(va)≦1(va)+2(va)
(数11)
1(va)+2(va)<1(va)+2(va) +3(va)
(数12)
1(va)+2(va)
現時点(前方車両との相対車間距離)から追従走行領域中の境界車間距離(前方車両からの相対距離1+2の地点)に向けて等減速度走行を行って境界車間距離地点に相対速度vr=0で到達するための減速度αir を(数13)より算出する。
(数13)
αir =(va2−vs2)/{2・(1(va)−2(va))}
減速度αir
の等減速走行を開始した後、前方車両との相対速度vrがvr=0となった時点の前方車両との車間距離を計測し、車間距離が(数14)に示す範囲内にある場合は、自車両は前方車両に対して、追従走行領域への移行が終了したとして以下の操作による追従走行に入る。
(数14)
1(va)≦1(va)+2(va)+L3(va)
上記によって追従走行への移行を終了した時点での自車と前方車両の車間距離Lが(数10)を満足する状態である場合は減速度αiでの惰性走行に移行する。
また追従走行への移行を終了した時点での自車と前方車両の車間距離Lが(数11)を満足する場合は緩加速度αaの緩加速度走行をおこなう。
以上のごとく惰性追従走行領域34、緩加速度追従走行領域35への移行を車間距離が境界車間距離に達するごとに、また相対速度vr が相対速度許容上下限値に達するごとに、繰り返し行うことによって自車は急加速・急減速無しでの安全でかつエネルギー効率の良い前方車両走行速度に対応した追従走行を行うことができる。
また、追従走行中、前方車両との相対速度vrがvr=0に達した時点の車間距離が(数10)および(数11)を満足しない場合、すなわち(数17)あるいは(数18)を満足する場合は、ともに前方車両速度vaの大幅変動等によって、エラーが起きたとして、(数17)を満足する場合はブレーキ(回生ブレーキあるいは摩擦ブレーキ)によって車間距離1(va) となるまで拡大してのち、また、(数18)を満足する場合は緩加速度走行によって車間距離1(va)+2(va)+3(va)にまで縮小してのち、各々上記追従走行を行う。
(数17)
<L1(va)
210は、惰性走行が継続されている場合、引き続き惰性走行減速度を計測するために、直前に取り込んだ車両速度v1’を車両速度v2’に置き換える、車両速度置き換え処理、
211は、処理210と同様引き続き惰性走行減速度を計測するために、惰性走行開始後の経過時間Δti を時間Ti1に設定する経過時間置き換え処理、
である。
以上の如く処理することにより、惰性走行、緩加速走行繰り返し時だけでなく惰性走行が継続する場合も惰性走行減速度は継続して計測・更新が可能となる。
また上記処理の経過時間の計測、車両速度の取り込み、および惰性走行減速度の演算は、図4に示す車載装置例において、可能である。
409は、カーナビゲーションに必要な地図データに加えて、各道路における本願発明の減速度制御に必要な地点P−地点C間走行距離D情報等を有する地図データベース、
410は、カーナビゲーションおよび本願発明による車両の惰性走行減速度計測および等減速度制御に必要な音声入出力を行う音声入出力部、
411は、カーナビゲーションおよび本願発明による車両の惰性走行減速度計測および等減速度制御に必要な表示入出力を行う表示入出力部、
412は、あらかじめ本願発明による惰性走行減速度計測および等減速度制御の基準となる惰性走行減速度標準値(αi0 )を設定する標準減速度設定部、
である。
本実施例の車載装置構成は、前記図4の実施例2構成に、地点Pの路側に設けられた路車間通信路側装置からの通報を受信する路車間通信車側装置を付加することによって実現できる(ただし図4には前記路車間通信車側装置は記載していない)。
上記路車間通信によって路側から車側に、地点P−交差点A間車両走行距離、車両の地点P通過時刻tp 、交差点Aを青信号無停止で通過するための走行条件(本例の場合は交差点A到達予定時刻ta )が通報されるものとする。
611は、時刻がta'(ta−ta’=ΔT0、ΔT0:あらかじめ定められている一定時間)に達したか否かを判定するta’ 判定処理、
612は、処理611で時刻がta’ に達したと判定した場合、その時の自車速度vsおよび地点Pからの走行距離Δを取り込んで現時点から交差点Aまでの等減速度走行のための修正減速度αir’ を算出するαir’ 算出処理、
但しαir’はαir’ =2{(D−ΔD)−vs(ta−ta’)}/(ta−ta’)2 より算出する。
613は、いままでの等減速度走行のための減速度αirに代えて、処理612で算出した等減速度走行のための修正減速度αir’で交差点Aに向けて走行する修正減速度αir’での等減速度走行処理、
614は、交差点Aに到達したか否かを判定する交差点A到達判定処理、
615は、処理614で、車両が交差点Aに到達したと判定した場合は本等減速度走行による交差点A通過制御手順を終了させる終了点、
である。
以上の如く、地点P通過後惰性走行減速度αiと(数6)で算出される減速度αirを比較し(数5)を満足した場合には、その時点・地点から減速度αirでの等減速度走行を開始する。その後交差点A到達予定時刻以前の時刻ta’において、その時点の車両走行速度vsがvs≧(D−D’)/(ta−ta’)を満足するか否かによりその時点で等減速度走行を終了した後制動制御するか緩加速走行するかを判定し、判定された走行方法でかつ走行速度を交差点Aへの到着時刻がtaになるよう調整しつつ交差点Aに向けて走行し、交差点Aに到着予定時刻taに到達する。このように演算処理及び等減速度走行を行うことによって、交差点Aを青信号無停止で通過するための地点Pでの急激な減速による速度調整を行うことなく、かつ車両の運動エネルギーを有効に活用しての交差点無停止走行が実現できることになる。
次に図7を用いて、追従走行における等減速度走行の適用手順例を示す。ただし本実施例における車両A惰性走行減速度αiは、実施例1および実施例2と同様図7に示す処理のバックグラウンドで(図2に示す処理手順で)得られているものとする。
701は、本願発明による前方走行車への追従走行制御処理手順開始点、
702は、自車前方に追従走行すべき走行車があるか否かを前方レーダ406出力で判定する前方走行車判定処理、
703は、巡航走行を行う巡航走行処理、この間の惰性走行中に惰性走行減速度αiの計測・更新を行う。
704は、前方レーダ406から自車−前方走行車車間距離、自車−前方走行車間相対速度vr (ただし、自車が前方走行車に接近しつつある場合をvr >0とする)を、また自車速度計から自車速vs を、前記相対速度vrと自車速vs から前方車両速度va (=vs−vr)を、検知するとともに、データベース中から前方車両速度vaに対応した制動距離(安全車間距離)1(va)、自車−前方走行車間許容相対速度vr0 、および緩加速度αa を取り込んで追従走行領域を設定する追従走行領域設定処理、
708は、処理704に同じ、
709は、自車−前方走行車間距離1(va)の比較をする車間距離比較処理、
710は、処理709において自車−前方走行車間距離1(va) 以下であると判定した場合、前方走行車への追突回避のための制動を行う減速・制動処理、
711は、前方車両との相対速度vrがvr=0、即ち等減速度走行での追従走行領域への移行が終了したか否かを判定する、追従領域移行終了判定処理、
712は、車両が追従領域中の惰性走行領域(図3中の34)にいるか否かを自車−前方走行車間距離1(va)+2(va)以下か否かから判定する惰性走行領域判定処理、
713は、車両が追従領域中の緩加速走行領域(図3中の35)にいるか否かを自車−前方走行車間距離1(va)+2(va)を超えているか否かから判定する緩加速走行領域判定処理、
714は、惰性走行移行あるいは惰性走行を行う惰性走行処理、
715は、処理704に同じ、
716は、自車−前方走行車間距離1(va)+2(va)の状態から1(va)
2(va)に達したか否か、即ち惰性走行から緩加速走行に移行すべき状態に達したか否か
を判定する緩加速走行移行判定処理、
717は、緩加速走行移行あるいは緩加速度走行を行う緩加速走行処理、
718は、処理715に同じ、
719は、自車−前方走行車間距離1(va)+2(va)の状態から1(va)
2(va)に達したか否か、即ち緩加速走行から惰性走行に移行すべき状態に達したか否かを判定する惰性走行移行判定処理、
である。
以上の如く制御することによって車両Aは車両Bとの車間距離1(va)+2(va) (厳密にいえば距離2(va)は距離2(vr0)と記すべきであるが、vr0は前方車両速度va に対応しているので、距離2(vr0)はすべて距離2(va)としている) 地点通過時に、加速走行開始、惰性走行開始、の切り替え操作を行うことによって、車間距離変動幅の少なく従って走行速度変動幅の少ない、即ち運動エネルギー利用効率の良い、追従走行が可能となる。
図3において、
:自車−前方車両車間距離
1:安全車間距離、安全車間距離(=1(va))は、速度vaで走行する前方車両に相対速度vr=0で追従走行する自車両が緊急時安全に停止できる最小車間距離、
2:惰性走行距離、惰性走行距離(=2(va))は、速度vaで走行する前方車両との相対速度vr=+vr0で走行中の自車両が、減速度αiの惰性走行に移行して後相対速度vr=0 になるまでの間に前方車両に接近する相対走行距離、
3:緩加速度走行距離、緩加速度走行距離(=3(va))は、速度vaで走行する前方車両との相対速度vr=−vr0走行中の自車両が、緩加速度αaの加速走行に移行して後相対速度vr=0 になるまでの間に前方車両から離遠する相対走行距離、
1+2:境界車間距離、
vr(=vs−va):自車−前方車両間相対速度(但し、自車が前方車両に接近していくときvr >0)
vr0:前方車両速度vaによって定まる追従走行時の相対速度許容上下限値の絶対値、
31:自車両、走行速度vs 、
32:前方車両、走行速度va 、
33:追従走行領域、
34:追従走行領域中の惰性追従走行領域、
35:追従走行領域中の緩加速度追従走行領域、
36:境界車間距離(=1(va)+2(va))
である。
車両の走行によって獲得した運動エネルギーを、車両減速時に有効利用あるいは回収して燃料消費量、排出ガス量を削減しようとする試みは古くから数多くなされている (特許文献1、特許文献2、特許文献3、等)。
本願発明は上記考え方をより進化させて、ハイブリッド車両、電気自動車の如きエネルギー回生機能を有する車両のみならず、単一駆動源の車両、すなわちエネルギー回生機能を有していないガソリンエンジン車等の車両、においても、車両減速時においてその時点で車両が有している運動エネルギーを最大限効率的に車両の走行エネルギーとして活用するとともに、エネルギー回生機能を有する車両においては前記車両減速時に車両の有している運動エネルギー中の車両走行に供するエネルギーに余るエネルギーを有効に回収エネルギーとすることによって、総合的に車両のエネルギー消費量、排出ガス量の削減を図ろうとするものである。
本願発明は走行中の車両の有している運動エネルギーE=m・v2/2(ここでm:車両質量、v:車両走行速度)を最大限効率的・効果的に車両走行に活用する方法に関するものであり、その基本的考え方は、惰性走行を運動エネルギーの許す範囲で、また車両走行速度の許す範囲で、できるだけ長時間、長距離行うことによって、車両のエネルギー消費量、排出ガス量を削減しようとするものである。
ここで、惰性走行とは、車両の安全走行上あるいは車両動作の信頼性上の支障をきたさない範囲内で、エンジン、モータ等の車両駆動体の駆動力発生動作を停止する、あるいはエンジン、モータ等の駆動力の駆動輪への伝達を停止・低減する、ことによってその時点で車両の有している運動エネルギーを有効利用して車両を走行させるとともに、走行安全上制動動作あるいは加速動作等が必要な状態が発生した場合は直ちに正常な制動動作あるいは加速動作等に移行できる走行状態をいう。
ハイブリッド車両あるいは電気自動車等の減速時において、車両の有する運動エネルギーをエネルギー回生機能によって回収・蓄積を行い、その後改めて蓄積エネルギーを運動エネルギーへ転換即ち走行エネルギー化することによって車両走行に要するエネルギーを節約する方法は、エネルギーの回収効率、蓄積効率および転換効率を考えると車両の有する運動エネルギーを直接惰性走行に活用する方法に比べてエネルギー利用効率は劣ることから、本願発明における減速は、原則として車両が惰性走行可能な状態においては極力惰性走行を行い、惰性走行に余るエネルギーがある場合に限ってそれを回生ブレーキによって回生する(回生ブレーキを有しない場合は摩擦ブレーキによって摩擦熱として廃棄する)ものとする。
即ち、車両の減速に際し、走行の安全性あるいは車両動作の信頼性が確保できる範囲内で、車両の有している運動エネルギー利用効率順に、即ち惰性走行、回生ブレーキ、摩擦ブレーキ、の順に、減速方法の優先順位を設定し、制御する。
上記思想に基づいて惰性走行を行う場合、問題になるのは惰性走行減速度、即ち車両が惰性走行する際の車両の走行抵抗による車両走行速度の時間変化に対する減少度合いである。
例えば、車両現在位置から車両停止位置までの間、惰性走行で到達可能か否かの判定あるいは到達するための車両制御を行う場合においては正確な惰性走行減速度が必要になる。
標準的な道路での標準的な走行状態での前記惰性走行減速度はあらかじめ準備して設定しておき、これを上記惰性走行可否の判定あるいは制御に用いることも可能であるが、実際の惰性走行減速度は車両走行中の道路状態(道路勾配、道路表面状況等)、車両走行状態(車両走行速度、車両負荷等)によって大きく変化する。したがって正しい惰性走行可否の判定および惰性走行制御を行おうとした場合、現在走行中の道路状態、車両状態等に対応した惰性走行減速度が必要になる。
本願発明は上記実走行状態に即した惰性走行減速度算出方法およびその利用方法に関する。
ここで、
αi:時刻t2’から時刻t3’までの惰性走行の間の惰性走行減速度
t2’:惰性走行減速度計測開始時刻
t3’:惰性走行減速度計測終了時刻
v2’:時刻t2’時点の車両速度
v1’:時刻t3’時点の車両速度
d23:時刻t2’−時刻t3’間の車両走行距離
である。
上記においては、惰性走行減速度の計測方法について説明したが、惰性走行加速度(道路勾配のある道路を惰性走行で下る場合等に加速度となる場合がある)についても同様な方法で計測可能である。
ここで、αi >0:惰性走行加速度、αi <0:惰性走行減速度である。
正確な惰性走行減速度が必要となる場合としては、
地点Pから車両停止点Cまでの車両走行距離Dを知って、地点からの惰性走行減速度以下の減速度による等減速度走行によって車両停止点Cに到達可能か否かを判定する場合、
時刻tpの地点Pから惰性走行減速度以下の減速度による等減速度走行によって交差点Aに青信号期間中の時刻ta に到達可能か否かを判定する場合、
あるいは、単独で巡航走行している車両が前方車両を認め、前方車両への追従走行領域までに惰性走行減速度以下の減速度による等減速度走行で到達(移行)可能か否かを判定する場合、等がある。
ここで前方車両への追従走行領域とは、前方車両走行速度vaと自車−前方車両間許容相対速度vr0 で定まる、自車が前方車両に等減速度走行および等緩加速度走行の繰り返しで安全かつ効率的に追従走行可能な領域をいう(特許文献5参照)。
ここで、惰性走行減速度以下の減速度での等減速度走行による走行制御方法について説明する。
惰性走行減速度αi(αi<0)
、等減速走行減速度αir(αir<0) 、制動走行減速度αb(αb<0)の関係は(数3)であらわされる。即ち、等減速度走行減速度αirは、惰性走行減速度αi制動減速度αbの和となる。したがって、車両の有する運動エネルギーを最大限活用した減速を行うためには、等減速度走行減速度αirは、惰性走行減速度αi に等しい値であることが望ましい。しかし車両減速時、車両が惰性走行によるエネルギー消費に余る運動エネルギーを有する、即ちαi>αirの場合もあり、この場合には制動減速度αbによって(αir−αi)分を吸収する必要がある。
ここで制動減速度αbは回生ブレーキあるいは摩擦ブレーキによって車両を制動する際の減速度であり、減速時のエネルギー効率を考えると回生ブレーキを可能な限り使ってエネルギー回生を行い、摩擦ブレーキによるエネルギー廃棄は極力少なくすることが望ましい。
以上より、αi>αirの場合の等減速走行減速度αirによる等減速度走行は、惰性走行減速度αi
による惰性走行回生ブレーキあるいは摩擦ブレーキによる制動減速度αb(<0)を付加しつつ走行することによって、可能となることが分かる。
次に、前記計測した惰性走行減速度αiと(数4)によって算出した減速度αirを比較し、(数5)が成立する場合は、等減速度走行減速度を回生ブレーキによってαirに調整しつつ停止点Cに向けて等減速度走行し、(厳密には地点Bに向けて走行し地点Bに速度vminで到達後摩擦ブレーキで地点Cで停止するように走行し、)地点Cで停止する。
この場合、地点Pから地点Bまでの間の減速度αir での等減速度走行は、惰性走行によって走行するに余る車両の運動エネルギーを回生ブレーキ(制動減速度αb)によって回生する走行となる。
一方、(数5)が成立しない場合は、惰性走行減速度αiでの惰性走行では地点Cへの等減速度走行は不可能であるとして、車両は一定時間あるいは一定距離巡航走行を継続したのち改めて地点Cへの等減速度走行のための減速度αir を算出し、その時点で最新の惰性走行減速度αiとの比較を行う。前記等減速度走行のための減速度算出および惰性走行減速度との比較は、(数5)が成立するまで繰り返し、(数5)が成立した後はその時点で算出された減速度αirでの等減速度走行で地点Cに向けて走行する。
地点P通過後の時刻tp’ (地点Pからの距離Δ)の地点(速度vs)から等減速度αir の等減速度走行によって交差点Aに時刻taに到着する場合の等減速度αirは(数6)で算出される。この算出された減速度αir と前記惰性走行時に計測された惰性走行減速度αiを比較し、前記(数5)を満足する場合は、車両は減速度αirの等減速度走行(ただし、αi=αirの場合は、減速度αiの惰性走行)によって交差点Aに時刻taに到達可能であるとして、制動減速度αbを調整して等減速度走行減速度を減速度αir
に保って交差点Aに向かい、交差点Aに時刻taに到達する。
(数5)を満足しない場合は前記等減速度走行のための減速度算出および惰性走行減速度との比較を、(数5)が成立するまで繰り返し行い、(数5)が成立した時点で算出された減速度αirでの等減速度走行で交差点Aに向かい交差点Aに時刻ta に到着し、交差点Aを青信号・無停止で通過する。
以上の如く、惰性走行減速度αiの算出、算出された最新の惰性走行減速度と、現地点から車両停止点までの、あるいは交差点に特定された時刻に到達するための、等減速度走行減速度αirとの比較による目標地点への目標条件を満足しての到達可否判定および可の場合の等減速度走行減速度αir での走行によって、車両運動エネルギーの効率的活用およびエネルギー回生が可能になる。
先ず、惰性走行中の惰性走行減速度の計測方法について図2の惰性走行減速度計測手順例を用いて説明する。
図2において、
201は、惰性走行減速度計測手順開始点、
202は、惰性走行が開始されているか否かを判定する惰性走行開始判定処理、
203は、惰性走行開始時点からの経過時間計測のためのタイマーイニシャライズ処理、
204は、惰性走行開始後の一定時間Ti1経過を判定する一定時間Ti1経過判定処理であり、一定時間Ti1経過の後惰性走行減速度αiの計測が可能となる。
205は、処理204で惰性走行開始後一定時間Ti1経過と判定した時点の車両走行速度v2’を取り込むv2’取り込み処理、
206は、惰性走行開始後の一定時(Ti1+Ti2)経過を判定する一定時間(Ti1+Ti2)経過判定処理、
207は、処理206において惰性走行開始後一定時間(Ti1+Ti2)は未だ経過していないと判定した場合、惰性走行がすでに終了しているか否かを判定する惰性走行終了判定処理、
208は、処理206において惰性走行開始後一定時間(Ti1+Ti2)経過したと判定した場合、その時点の車両速度v1’を取り込むv1’取り込み処理、
209は、取り込み済みの車両速度v2’およびv1’から(数1)によって惰性走行減速度αiを算出・記憶する惰性走行減速度算出・記憶処理、但し(数1)においてt2’ =Ti1、t3’= Ti1+Ti2である。
210は、惰性走行が継続されている場合引き続き惰性走行減速度を計測するために、直前に取り込んだ車両速度v1’を車両速度v2’に置き換える、車両速度置き換え処理、
211は、処理210と同様引き続き惰性走行減速度を計測するために、惰性走行開始後の経過時間Δti を時間Ti1に設定する経過時間置き換え処理、
である。
以上の如く処理することにより、惰性走行、緩加速走行繰り返し時だけでなく惰性走行が継続する場合も惰性走行減速度は継続して計測・更新が可能となる。
また上記処理の経過時間の計測、車両速度の取り込み、および惰性走行減速度の演算は、図4に示す車載装置例において、可能である。
次に、図4構成による車載装置における等減速度走行による特定地点停止のための演算処理手順例を、図5を用いて説明する。
図5において、
501は、地点Pから停止地点Cまでの等減速度走行による到達制御手順開始点、
502は、車両が等減速度走行制御開始点である地点Pを通過したか否かを位置特定部402で特定した位置データから判定する地点P通過判定処理、
503は、処理502において車両が地点Pを通過したと判定した場合、地点P通過後の経過時間Δt、地点Pからの走行距離ΔDの計数を開始するΔt、ΔD計数開始処理、
504は、地点P−地点C間車両走行距離D
情報をデータベース409から取り込むD取り込み処理、
505は、現時点の車両走行速度vs および車両走行速度vsに対応した走行速度下限値vmin を取り込むvs/vmin取り込み処理、
506は、現時点から車両停止点までの等減速度走行のための等減速度αirを、前記(数4)を用いて算出するαir 算出処理
507は、車両の惰性走行減速度αiと、処理506で算出した減速度αir を比較する減速度比較処理、
508は、処理507での比較結果(数5)を満足した場合、即ちαi >αirと判定した場合、車両は減速度αir の等減速度走行で(ただし、αi=αirの場合は減速度αiの惰性走行で)地点Bに(地点B到達速度vminで)到達可能として、減速度αirでの等減速度走行開始のためのレーダによる前方安全確認を行う前方安全確認処理、
509は、処理508で前方安全が確認された場合減速度αir での等減速度走行を開始する等減速度走行開始処理、
510は、処理507で(数5)の関係を満足しないと判定された場合あるいは処理508で車両前方に障害物等があって減速度αirでの等減速度走行が開始できないとき、一定時間の巡航走行を行って(この間には新たな惰性走行減速度αiの計測もなされる)後処理505に戻る一定時間巡航走行処理、
511は、処理509で減速度αirでの等減速度走行を開始した後車両速度を監視し、車両速度vs がvs≦vminに達したか否かを判定する車両速度下限値到達判定処理、
512は、処理511で、車両速度vsが下限値vminに到達したと判定した場合は、等減速度走行から摩擦ブレーキ主体の減速に切り替えて地点Cに向けて走行する等減速度走行終了処理、
513は、車両が目的地点Cに到達したか否かを、地点Pからの走行距離計数結果Δ、位置特定機能、あるいはドライバーの目視、で判定する地点C到達判定処理、
514は、地点Pから停止地点Cまでの等減速度走行による到達制御手順終了点、
である。
611は、時刻がta'(ta−ta’=ΔT0、ΔT0:あらかじめ定められている一定時間)に達したか否かを判定するta’ 判定処理、
612は、処理611で時刻がta’ に達したと判定した場合、その時の自車速度vsおよび地点Pからの走行距離Δを取り込んで現時点から交差点Aまでの等減速度走行のための修正減速度αir’ を算出するαir’ 算出処理、
但しαir’はαir’ =2{(D−ΔD)−vs(ta−ta’)}/(ta−ta’)2 より算出する。
613は、いままでの等減速度走行のための減速度αirに代えて、処理612で算出した等減速度走行のための修正減速度αir’で交差点Aに向けて走行する修正減速度αir’での等減速度走行処理、
614は、交差点Aに到達したか否かを判定する交差点A到達判定処理、
615は、処理614で、車両が交差点Aに到達したと判定した場合は本等減速度走行による交差点通過制御手順を終了させる終了点、
である。
717は、緩加速走行移行あるいは緩加速度走行を行う緩加速走行処理、
718は、処理715に同じ、
719は、自車−前方走行車間距離L>L1(va)+2(va)の状態から1(va)+L2(va)に達したか否か、即ち緩加速走行から惰性走行に移行すべき状態に達したか否かを判定する惰性走行移行判定処理、
である。
vs:自車両速度、
va:前方車両速度、
vr (=vs−va):自車−前方車両間相対速度(但し、自車が前方車両に接近していくときvr >0)、
vr0:前方車両速度vaによって定まる追従走行時の相対速度許容上下限値の絶対値、
31:自車両、
32:前方車両、
33:追従走行領域、
34:追従走行領域中の惰性追従走行領域、
35:追従走行領域中の緩加速度追従走行領域、
36:境界車間距離(=1(va)+2(va))
である。

Claims (7)

  1. 車両の巡航走行あるいは前方車両への追従走行を、緩加速度走行および惰性走行交互の繰り返しによって行うことを特徴とする車両走行制御方法。
  2. 惰性走行中の一定時間内あるいは一定走行距離の間の速度変化をもって惰性走行加減速度αi(αi >0:加速度、αi <0:減速度)の計測を、計測が可能な範囲で、継続的に行い、前記計測した最新の惰性走行加減速度αiをもって以降の車両走行制御のため惰性走行加減速度とすることを特徴とする車両走行制御方法。
  3. 走行距離Dの地点P1から地点P2に減速走行するに際し、地点P1での走行速度vp1、通過時刻tp1等の減速走行開始条件、地点P2での走行速度vp2、通過時刻tp2等の減速走行終了条件、に対応して、地点P1から地点P2へ等減速度走行減速度αirを算出し、前記等減速度走行減速度αirが惰性走行減速度αiに対してαi>αirの関係を満足する場合、地点P1から等減速走行減速度が前記算出された等減速度走行減速度αirとなるように、制動減速度αbを調節しつつ走行し、減速走行終了条件を満足して地点P2に到着すること、を特徴とする車両走行制御方法。
    ここで、
    αir:等減速度走行減速度(=αi+αb)
    αi:惰性走行減速度
    αb:制動減速度(回生ブレーキあるいは摩擦ブレーキによる減速度)
    である。
  4. 現時点での速度および車両現在位置から車両停止点までの間の車両走行距離から、車両現在位置から車両停止点までの間を等減速度走行する場合の減速度αirを算出し、前記αirと惰性走行減速度αi の比較によって、減速度αirの等減速度走行による車両停止点到達可否の判定を行い、可の場合前記減速度αirでの等減速度走行で車両停止点に向けて走行し、否の場合は一定時間あるいは一定走行距離の巡航走行後に前記と同様な等減速度走行の減速度αir算出および惰性走行減速度αiとの比較を等減速度走行で車両停止点到達可となるまで繰り返し行い、到達可となった地点からその時点で得られている等減速度αir での車両停止点に向けての等減速度走行を行うことを特徴とする車両走行制御方法。
  5. 車両現在位置、現時刻tpに対応して次に通過すべき交差点を青信号・無停止で通過するための最適な交差点到達時刻taが提示され、現地点、現時刻から等減速度走行によって前記提示された到達時刻に交差点に到達するための減速度αirを算出し、前記減速度αirと惰性走行減速度αi の比較によって、減速度αirでの等減速度走行による交差点に到達時刻ta での到達可否を判定し、可能な場合は前記減速度αir の等減速度走行によって交差点に向けて走行し、否の場合は一定時間あるいは一定走行距離の巡航走行後に前記と同様な等減速度走行の減速度αir算出および惰性走行減速度αiとの比較を等減速度走行で交差点到達可となるまで繰り返し行い、到達可となった地点からその時点で得られている等減速度αir での交差点に向けての等減速度走行を行うことを特徴とする車両走行制御方法。
  6. 自車−前方走行車両の間に、前方車両速度vaに対応した自車−前方車両間相対速度許容範囲(−vr0 ≦vr ≦vr0)、自車−前方車両間追従走行車間距離範囲(L1≦L≦L1+L2+L3)、で設定される追従走行領域を設け、自車が現走行速度vsからの等減速走行によって前記追従走行領域内に到達可能か否かの判定を行い、可の場合等減速度走行を開始し、自車−前方車両間相対速度vrがvr=0となった時点で自車の前方車両への追従走行移行が終了したとすることを特徴とする車両走行制御方法。
  7. 追従走行領域内の境界車間距離において惰性走行から緩加速走行、緩加速走行から惰性走行への切り替えを行うことによって前方車両への追従走行を行うことを特徴とする車両走行制御方法。
    ここで、請求項6および請求項7において、
    vs:自車速度、
    va:前方車両速度、
    vr:自車−前方車両相対速度、
    vr0:追従走行領域における前方車両速度va
    に対応する自車−前方車両相対速度許容値、
    L:自車両−前方車両車間距離
    L1:前方車両速度va に対応する自車−前方車両間安全車間距離
    L2:前方車両速度va に対応する、(数1)で示される、惰性走行距離最大値、
    L3:前方車両速度va に対応する、(数2)で示される、緩加速度走行距離最大値、
    L1+L2:境界車間距離、
    である。
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