JP2011038458A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの運転状態に関わらず排気通路内の対向壁などへの尿素水の付着を確実に抑止でき、堆積した尿素由来堆積物によるトラブルを回避できるエンジンの排気浄化装置を提供する。
【解決手段】第1のガイドパイプ71内で尿素水インジェクタ38から噴射された尿素水と略同方向の排気気流を生起し、第2のガイドパイプ72内で略逆方向の排気気流を生起し、これらの排気気流を拡散室68内で衝突させることにより衝突地点に尿素水噴霧を積極的に導き、尿素水インジェクタ38の噴孔部やケーシング対向壁29cへの尿素水の付着を防止する。さらに、間隙73,74を経て第1及び第2のガイドパイプ71,72内に排気を流入させることにより、尿素水インジェクタ38の噴孔部やケーシング対向壁29cを常に高い流速の排気気流に晒して尿素水噴霧の付着を防止する。
【選択図】図2

Description

本発明はエンジンの排気を浄化するための排気浄化装置に関し、特に排気中に供給された尿素水から生成されるアンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元するアンモニア選択還元型NOx触媒を備えた排気浄化装置に関する。
エンジンの排気中に含まれる汚染物質の1つであるNOx(窒素酸化物)を浄化するための排気浄化装置として、エンジンの排気通路にアンモニア選択還元型NOx触媒を配設し、還元剤としてアンモニアをアンモニア選択還元型NOx触媒に供給することにより、NOxを還元して排気を浄化するようにした排気浄化装置が知られている。
このような排気浄化装置では、アンモニアをアンモニア選択還元型NOx触媒に供給するために、アンモニアに比べて取り扱いが容易な尿素水を排気中に供給するのが一般的であり、尿素水インジェクタなどを用いて排気中に尿素水を噴射する。尿素水インジェクタから排気中に供給された霧状の尿素水は排気の熱により加水分解し、その結果生成されるアンモニアがアンモニア選択還元型NOx触媒に供給される。NOx触媒に供給されたアンモニアと排気中のNOxとの間の脱硝反応がNOx触媒によって促進されることにより、NOxが還元されて排気の浄化が行われる。
このとき、尿素水インジェクタから噴射された尿素水噴霧の一部は、排気通路の内壁などに衝突することにより液膜化して排気通路などに付着し、水分が気化して固形の尿素結晶などとなって排気通路の内壁などに尿素由来堆積物として堆積する。尿素由来堆積物の生成により本来NOxの還元に必要とされるアンモニアの量が不足し、排気浄化率が低下するだけでなく、堆積した尿素由来堆積物は、排気通路の流動抵抗の増大や排気通路の閉塞などのトラブルを引き起こす。また、堆積した尿素由来堆積物は排気温度の上昇時に一気にアンモニアに転化するため、必要以上のアンモニアがアンモニア選択還元型触媒に供給されて、その余剰分が大気中に放出される、所謂アンモニアスリップの問題も生じる。
このような不具合を鑑みて、尿素水インジェクタから噴射された尿素水の排気通路への付着を防止して排気中に良好に拡散・気化させるための対策として、例えば特許文献1の技術が提案されている。当該特許文献1には、エンジンからの排気を流通させる排気煙道に噴射装置を設け、この噴射装置から排気の流れ方向を横切るように尿素水を噴射し、尿素水から生成されるアンモニアを利用して下流側の脱硝触媒で排気中の窒素酸化物を還元するようにした排気浄化装置が開示されている。
噴射装置から噴射された尿素水は排気煙道内の対向壁に衝突して付着することから、その対策として、尿素水の噴射経路上に衝突面を排気下流側に傾斜させた多孔板を多段に配設し、噴射された尿素水を多孔板に衝突させることにより排気煙道内の対向壁への尿素水の付着を防止すると共に、多孔板上に衝突した尿素水を膜沸騰させることにより多孔板への尿素水の付着も防止している。
特開2007−32472号公報
上記特許文献1の技術が想定する尿素水の膜沸騰は、特許文献1の図4に示すように排気及び尿素水の温度差が高く、多孔板への尿素水の噴霧衝突密度が低い条件で生起され、それ以外の領域では膜沸騰から核沸騰に遷移して、衝突した尿素水により多孔板が急激に冷却されるため、多孔板上への尿素水の付着が避けられなくなる。そこで、特許文献1の技術では、排気及び尿素水の温度差を前提として、尿素水の噴霧衝突密度を低下させるべく、多孔板の開口率、噴射点から多孔板までの距離、噴霧広がり角などを設定している。
しかしながら、エンジンの運転状態に応じて排気温度などの諸条件は大幅に変動し、上記のように噴霧衝突密度の設定に関して配慮したとしても、必ずしも全ての運転状態において尿素水の膜沸騰を成立できるとは限らない。従って、特許文献1の技術では、例えば排気温度の低い低負荷運転が継続されたときに核沸騰に遷移してしまい、冷却した多孔板上への尿素水の付着、ひいては尿素由来堆積物の堆積が発生して、堆積した尿素由来堆積物により上記種々のトラブルを生じてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、排気温度に関わらず排気通路内の対向壁などへの尿素水の付着を確実に抑止でき、もって尿素由来堆積物に起因する種々のトラブルを未然に回避することができるエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンの排気通路に配設されて内部にエンジンからの排気が導入されるケーシングと、ケーシングの設置面に配設され、ケーシング内を横切るようにケーシング内の対向壁に向けて尿素水を噴射する尿素水噴射手段と、ケーシング内の尿素水噴射手段よりも下流側に配設され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、ケーシング内を上流室とアンモニア選択還元型NOx触媒が収容される下流室とに区画すると共に、尿素水噴射手段の噴射軸線上で相対向する第1の対向面及び第2の対向面を備え、両対向面の間に下流室内と連通する拡散室を形成する隔壁と、筒状をなして一端を隔壁の第1の対向面から拡散室内に開口させ、他端を所定の間隙をおいて尿素水噴射手段の設置面と相対向させ、間隙を経て上流室内の排気を内部に流入させて尿素水噴射手段から噴射された尿素水に対して略同方向の排気気流を生起させて拡散室内に流入させる第1のガイドパイプと、筒状をなして一端を隔壁の第2の対向面から拡散室内に開口させ、他端を所定の間隙をおいてケーシング内の対向壁と相対向させ、間隙を経て上流室内の排気を内部に流入させて尿素水噴射手段から噴射された尿素水に対して略逆方向の排気気流を生起させて拡散室内に流入させる第2のガイドパイプとを備えたものである。
従って、エンジンの排気はケーシング内の上流室から間隙を経て第1及び第2のガイドパイプ内に流入し、第1のガイドパイプ内で尿素水噴射手段から噴射された尿素水と略同方向の排気気流を生起して拡散室内に流入すると共に、第2のガイドパイプ内で尿素水と略逆方向の排気気流を生起して拡散室内に流入し、これらの排気気流は拡散室内で相互に衝突して尿素水噴霧と共に下流側のアンモニア選択還元型NOx触媒に移送される。
排気気流の流通方向において、第1及び第2のガイドパイプに対して拡散室内の排気気流の衝突地点は下流側に相当することから、尿素水噴射手段から噴射された尿素水噴霧は排気気流の流通方向に倣って衝突地点へと案内された後、排気気流に逆らって衝突地点から遠ざかる方向への進行、即ち、衝突地点を通り過ぎたり衝突地点で反転したりする方向への進行が妨げられる。このため、尿素水噴霧は衝突地点から大きく外れることなくアンモニア選択還元型NOx触媒へと移送される。
一方、上流室内の排気が第1及び第2のガイドパイプ内に流入するときの流路は、間隙が形成された設置面の近傍及びケーシング内の対向壁の近傍に限られるため、排気は設置面や対向壁に沿って高い流速をもってそれぞれのガイドパイプ内に流入する。よって、尿素水噴射手段の近傍及びケーシングの対向壁は、常に高い流速の排気気流に晒され続けている。
従って、たとえ噴射された尿素水噴霧が排気気流の衝突地点を通り過ぎたり、或いは衝突地点で反転したりしても、これらの尿素水噴霧は高速の排気気流に遮られてケーシング対向壁や尿素水噴射手段への付着・堆積が防止され、尿素由来堆積物に起因する不具合が未然に防止される。
請求項1の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、第1のガイドパイプ内で尿素水噴射手段から噴射された尿素水と略同方向の排気気流を生起し、第2のガイドパイプ内で略逆方向の排気気流を生起して、拡散室内で相互に衝突させるため、尿素水噴霧を排気気流の衝突地点に積極的に導いてそのままアンモニア選択還元型NOx触媒に移送でき、これにより排気温度に関わらずケーシング対向壁や尿素水噴射手段への尿素水の付着を防止できる。
しかも、間隙を経て第1及び第2のガイドパイプ内に排気を流入させることにより、設置面や対向壁に沿った高い流速の排気気流を生起しているため、たとえ噴射された尿素水噴霧が排気気流の衝突地点を通り過ぎたり衝突地点で反転したりしても、これらの尿素水噴霧を高速の排気気流により遮ってケーシング対向壁や尿素水噴射手段への付着を防止でき、結果として、これらの部位への尿素水の付着を一層確実に防止でき、もって堆積物に起因する不具合を未然に防止することができる。
実施形態の排気浄化装置が適用されたディーゼルエンジンを示す全体構成図である。 ケーシングの隔壁周辺の構成を示す部分拡大断面図である。 同じくケーシングの隔壁周辺をDPF側から見た図2のIII−III線断面図である。 同じくケーシングの隔壁周辺をSCR触媒側から見た図2のIV−IV線断面図である。 同じくケーシングの隔壁周辺を上方から見た図2のV−V線断面図である。
以下、本発明を具体化したエンジンの排気浄化装置を示す一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の排気浄化装置が適用された4気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)の全体構成図である。
エンジン1は各気筒共通の高圧蓄圧室(以下、コモンレールという)2を備えており、図示しない燃料噴射ポンプから供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料を、各気筒に設けられたインジェクタ4に供給し、各インジェクタ4からそれぞれの気筒内に燃料が噴射される。
吸気通路6にはターボチャージャ8が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気通路6からターボチャージャ8のコンプレッサ8aへと流入し、コンプレッサ8aで過給された吸気はインタークーラ10及び吸気制御弁12を介して吸気マニホールド14に導入される。また、吸気通路6のコンプレッサ8aより上流側には、エンジン1への吸入空気流量を検出するための吸気量センサ16が設けられている。
一方、エンジン1の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド18を介して排気管20(排気通路)に接続されている。なお、排気マニホールド18と吸気マニホールド14との間には、EGR弁22を介して排気マニホールド18と吸気マニホールド14とを連通するEGR通路24が設けられている。
排気管20はターボチャージャ8のタービン8bを経た後、排気絞り弁26を介して排気後処理装置28に接続されている。また、タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と連結されており、タービン8bが排気管20内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動するようになっている。
排気浄化装置28のケーシング29内は隔壁30により前後に区画され、以下、区画された前側の空間を上流室29aと称し、後側の空間を下流室29bと称する。後に詳述するが、エンジン1から排出される排気は上流室29a内から隔壁30を経て下流室29b内に導入されるようになっている。
上流室29a内には、前段酸化触媒32が収容されると共に、この前段酸化触媒32の下流側にはパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)33が収容されている。フィルタ33は、排気中のパティキュレートを捕集することによりエンジン1の排気を浄化するために設けられる。
前段酸化触媒32は排気中のNO(一酸化窒素)を酸化させてNO(二酸化窒素)を生成するので、このように前段酸化触媒32とフィルタ33とを配置することにより、フィルタ33に捕集され堆積しているパティキュレートは、前段酸化触媒32から供給されたNOと反応して酸化し、フィルタ33の連続再生が行われるようになっている。
下流室29b内には、アンモニアを還元剤として排気中のNOx(窒素酸化物)を選択還元して排気を浄化するアンモニア選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という)35が収容されると共に、このSCR触媒35の下流側にはSCR触媒35から流出したアンモニアを除去するための後段酸化触媒36が収容されている。なお、後段酸化触媒36は、フィルタ33の強制再生でパティキュレートが焼却される際に発生するCO(一酸化炭素)を酸化し、CO(二酸化炭素)として大気中に排出する機能も有している。
また、下流室29b内の最上流箇所に相当する隔壁30近傍には、連通路32内の排気中に尿素水を噴射供給する尿素水インジェクタ(尿素水噴射手段)38が設けられており、尿素水を蓄えた尿素水タンク39から図示しない尿素水供給ポンプを介して尿素水インジェクタ38に尿素水が供給され、尿素水インジェクタ38の開閉に応じて下流室29b内の排気中に尿素水が噴射されるようになっている。
尿素水インジェクタ38から噴射された霧状の尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、SCR触媒35に供給される。SCR触媒35は供給されたアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを還元して無害なNとする。
さらに、上流室29a内の前段酸化触媒32の下流側には、排気後処理装置28内を流動する排気の温度を検出するための排気温度センサ40が設けられている。
ECU(制御手段)50は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
ECU50の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した吸気量センサ16や排気温度センサ40のほか、エンジン1の回転数を検出する回転数センサ51、及び図示しないアクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ52などの各種センサ類が接続されている。また、ECU50の出力側には、演算した制御量に基づき制御が行われる各気筒のインジェクタ4、吸気制御弁12、EGR弁22、排気絞り弁26及び尿素水インジェクタ38などの各種デバイス類が接続されている。
エンジン1の各気筒への燃料供給量の演算、及び演算した燃料供給量に基づくインジェクタ4からの燃料供給制御もECU50によって行われる。エンジン1の運転に必要な燃料供給量(主噴射量)は、回転数センサ51によって検出されたエンジン1の回転数とアクセル開度センサ52によって検出されたアクセルペダルの踏込量とに基づき、予め記憶しているマップから読み出して決定する。各気筒に供給される燃料の量は、インジェクタ4の開弁時間によって調整され、決定された燃料量に対応した駆動時間で各インジェクタ4が開弁駆動され、各気筒に主噴射が行われることにより、エンジン1の運転に必要な量の燃料が供給される。
ECU50は、このような各気筒への燃料供給制御のほか、フィルタ33の強制再生やSCR触媒35にアンモニアを供給するための尿素水供給制御も行う。フィルタ33の強制再生については既に広く知られているものであり、ここでは詳細な説明を省略するが、ECU50は、排気温度センサ40の検出値に基づき、主噴射とは別にインジェクタ4から各気筒に燃料を噴射することにより、排気中に燃料を供給し、前段酸化触媒32における排気中の燃料の酸化反応によって排気を昇温してフィルタ33の強制再生を行う。
また、ECU50は、インジェクタ4からの主噴射量や、回転数センサ51によって検出されたエンジン1の回転数及び吸気量センサ16によって検出されたエンジン1への吸入空気流量などに基づき、エンジン1の単位時間あたりの排気排出量及びNOx排出量を求め、このNOx排出量に対してSCR触媒35によるNOxの選択還元に必要なアンモニアの量から尿素水の目標供給量を求める。そして、この目標供給量に基づき尿素水インジェクタ38を制御することにより、尿素水インジェクタ38からSCR触媒35上流側の排気中に尿素水を供給する。
尿素水インジェクタ38から噴射された霧状の尿素水は、前述したように、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、このアンモニアがSCR触媒35に供給される。SCR触媒35は、供給されたアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを還元して無害なNとする。
図2はケーシング29の隔壁30周辺の構成を示す部分拡大断面図、図3は同じくケーシング29の隔壁30周辺をDPF33側から見た図2のIII−III線断面図、図4は同じくケーシング29の隔壁30周辺をSCR触媒35側から見た図2のIV−IV線断面図、図5は同じくケーシング29の隔壁30周辺を上方から見た図2のV−V線断面図である。
これらの図に示すように、尿素水インジェクタ38はケーシング29の上部に水平面として形成された設置面61上に固定され、設置面61に形成された透孔61aを介して尿素水を噴射するようになっている。尿素水インジェクタ38の噴射軸線Lは垂直、即ちケーシング29の長手方向と直交する方向に設定されており、尿素水インジェクタ38からは、ケーシング29内を直角に横切るように下方に向けて尿素水が噴射される。
このため[背景技術]でも述べたように、噴射された尿素水がケーシング29内の対向壁29cなどに衝突して付着し、水分の気化により尿素由来堆積物として堆積して種々のトラブルを発生させる可能性がある。このような問題点を鑑みて、本実施形態では、ケーシング29内の対向壁29cなどへの尿素水の付着を防止するための対策を講じており、以下、当該対策について詳述する。
上記隔壁30は、尿素水インジェクタ38の噴射軸線L上に位置して、尿素水インジェクタ38が固定されたケーシング29の設置面61に対して所定間隔をおいて対向する水平な上側対向面63(第1の対向面)、同じく噴射軸線L上に位置して、上側対向面63の下側で所定間隔をおいて対向する下側対向面64(第2の対向面)、上側対向面63及び下側対向面64の上流端を接続する上流面65、上側対向面63の下流端を設置面61の下流端に接続する上側下流面66、及び下側対向面64の下流端をケーシング29の対向壁29cに接続する下側下流面67から構成されている。
この隔壁30によりケーシング29内が上流室29aと下流室29bとに区画されると共に、隔壁30の上側対向面63と下側対向面64との間には下流室29bと連通する拡散室68が形成されている。また、隔壁30の上側対向面63と設置面61との間には上流室29aと連通する上側流入室69が形成され、同じく下側対向面64とケーシング29の対向壁29cとの間には上流室29aと連通する下側流入室70が形成されている。
上側流入室69内には上側ガイドパイプ71(第1のガイドパイプ)が配設され、上側ガイドパイプ71の下端(一端)は上側対向面63上に接続されている。同様に、下側流入室70内には下側ガイドパイプ72(第2のガイドパイプ)が配設され、下側ガイドパイプ72の上端(一端)は下側対向面64上に接続されている。
上側ガイドパイプ71及び下側ガイドパイプ72は上下方向に延びる円筒状をなして拡散室68を挟んで相互に直列に配設され、両ガイドパイプ71,72の軸心は尿素水インジェクタ38の噴射軸線Lと一致している。但し、両ガイドパイプ71,72の軸心を噴射軸線Lと一致させなくてもよい。また、両ガイドパイプ71,72の径は同一でも異なる径でもよい。
上側ガイドパイプ71の上端(他端)と設置面61との間には間隙73が形成され、上側流入室内69は間隙73及び上側ガイドパイプ71内を経て拡散室68内と連通している。同じく下側ガイドパイプ72の下端(他端)とケーシング29の対向壁29cとの間には間隙74が形成され、下側流入室内70は間隙74及び下側ガイドパイプ72内を経て拡散室68内と連通している。
次に、以上のように構成された本実施形態のエンジン1の排気浄化装置の作用を説明する。
エンジン1の運転中において、図2〜5に矢印で示すように、エンジン1の排気は上流室29a内でフィルタ33を流通した後に、上側流入室内69及び下側流入室70内にそれぞれ集約される。上側流入室69内の排気は間隙73を経て上側ガイドパイプ71の上端全周から内部に流入し、この上側ガイドパイプ71内を下方に流通する。同様に、下側流入室70内の排気は間隙74を経て下側ガイドパイプ72の下端全周から内部に流入し、この下側ガイドパイプ72内を上方に向けて流通する。
このため、上側及び下側ガイドパイプ71,72内を流通する過程でそれぞれの排気は同軸且つ逆方向の排気気流を生起し、これらの排気気流の中に尿素水インジェクタ38から噴射軸線Lに沿って下方に向けて尿素水が噴射される。上下の排気気流は拡散室68内に流入して相互に衝突して尿素水と激しく撹拌され、この尿素水から生成されたアンモニアを利用してSCR触媒35によりNOxの選択還元が行われる。
拡散室68内で上下からの排気気流が衝突する地点は、排気気流の流通方向において上側及び下側ガイドパイプ71,72よりも下流側に相当する。従って、尿素水インジェクタ38から噴射された尿素水の噴霧は、上側ガイドパイプ71内で下方に向かう排気気流に倣って衝突地点へと案内された後、衝突地点から遠ざかる方向への進行、即ち、衝突地点を経て下方に通り過ぎたり、衝突地点で上方に反転したりする方向への進行が妨げられる。このような上下からの排気気流の作用により、排気気流の衝突地点まで導かれた尿素水噴霧は、衝突地点から上下方向に大きく外れることなく排気中に良好に拡散・霧化し、そのまま下流側のSCR触媒35へと移送される。
よって、ケーシング29の対向壁29c、或いは尿素水インジェクタ38の噴孔部への尿素水噴霧の付着が防止される。そして、エンジン運転状態の変化に伴って排気温度が変動したとしても、この上下からの排気気流による尿素水噴霧の付着防止作用は確実に得られるため、多孔板上で尿素水を膜沸騰させる特許文献1の技術のように所期の作用が得られなくなる虞は一切なく、広いエンジン運転状態で上記した作用効果を安定して得ることができる。
ところで、このように上下からの排気気流による尿素水噴霧の付着防止作用はエンジン運転領域に関わらず得られるものの、一部には、衝突地点からSCR触媒35側に移送されることなく、衝突地点を経て下方に通り過ぎたり、或いは衝突地点から上方に反転したりする尿素水噴霧も存在する。衝突地点を経て下方に通り過ぎた尿素水噴霧はケーシング29の対向壁29cに付着し、衝突地点から上方に反転した尿素水噴霧は尿素水インジェクタ38の噴孔部に付着し、何れの尿素水も水分だけが蒸発して固体尿素の昇華が進行せず、堆積物として排気の流通を妨げたり、尿素水の噴射を妨げたりするトラブルの要因となり得る。
そこで、本実施形態では、尿素水噴霧の付着防止作用をより高めるべく、上側及び下側流入室69,70内の排気を間隙73,74を経て対応するガイドパイプ71,72内に流入させている。
即ち、図2などから明らかなように、上流側流入室69内の排気を、上流側ガイドパイプ71の上端と設置面61との間に形成された間隙73を経て上流側ガイドパイプ71内に流入させ、同様に、下流側流入室70内の排気を、下流側ガイドパイプ72の下端とケーシング29の対向壁29cとの間に形成された間隙74を経て下流側ガイドパイプ72内に流入させている。
従って、上側流入室69内の排気が上側ガイドパイプ71内に流入するときの流路は、上下方向において間隙73が形成された設置面61の近傍に限られるため、排気は設置面61に沿って高い流速で上側ガイドパイプ71内に全周から流入する。同じく、下側流入室70内の排気が下側ガイドパイプ72内に流入するときの流路も、上下方向において間隙74が形成されたケーシング対向壁29cの近傍に限られるため、排気は対向壁29cに沿って高い流速で下側ガイドパイプ72内に全周から流入する。
このため、尿素水インジェクタ38の噴孔部及びケーシング29の対向壁29cは、常に高い流速の排気気流に晒され続けている。従って、たとえ噴射された尿素水噴霧が排気気流の衝突地点を経て下方に通り過ぎたとしても、ケーシング対向壁29cに沿って流れる高速の排気気流に遮られて対向壁29cへの付着が防止される。また、噴射された尿素水噴霧が排気気流の衝突地点から上方に反転したとしても、設置面61に沿って流れる高速の排気気流に遮られて尿素水インジェクタ38の噴孔部への付着が防止される。
しかも、仮に何らかの要因によりケーシング対向壁29cや尿素水インジェクタ38の噴孔部に尿素水噴霧が付着した場合でも、高い流速の排気気流により、尿素水は水分の蒸発だけでなく固体尿素の昇華も促進される。よって、ケーシング対向壁29cや尿素水インジェクタ38の噴孔部への堆積物の生成を抑制でき、尿素由来堆積物に起因する種々のトラブルを一層確実に防止することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、選択還元型のSCR触媒35を備えたディーゼルエンジン1の排気浄化装置に具体化したが、適用対象はこれに限ることはない。例えばガソリンエンジンでも希薄燃焼運転時を想定してSCR触媒35を備える場合があるため、このようなガソリンエンジンに適用してもよい。
また、上記実施形態では、尿素水インジェクタ38から噴射軸線Lに沿ってケーシング29内を直角に横切るように尿素水を噴射する一方、噴射軸線Lに対して同軸かつ完全に逆方向をなす排気気流を上側及び下側ガイドパイプ71,72により生起したが、尿素水は必ずしもケーシング29内を直角に横切るように噴射する必要はないし、排気気流は必ずしも噴射軸線Lと同軸である必要はなく、完全に逆方向や同方向である必要もない。よって、これらの各要件を任意に変更してもよい。
また、隔壁30の対向面63,64に関しても同様であり、必ずしもケーシング29の設置面61に対して上側対向面63を完全に対向させたり、両対向面63,64を完全に対向させたりする必要はなく、所定角度で対向するように配置してもよい。
1 エンジン
20 排気管(排気通路)
29 ケーシング
29a 上流室
29b 下流室
29c 対向壁
30 隔壁
35 SCR触媒(アンモニア選択還元型NOx触媒)
38 尿素水インジェクタ(尿素水噴射手段)
61 設置面
63 上側対向面(第1の対向面)
64 下側対向面(第2の対向面)
68 拡散室
71 上側ガイドパイプ(第1のガイドパイプ)
72 下側ガイドパイプ(第2のガイドパイプ)
73,74 間隙

Claims (1)

  1. エンジンの排気通路に配設されて内部にエンジンからの排気が導入されるケーシングと、
    上記ケーシングの設置面に配設され、該ケーシング内を横切るように該ケーシング内の対向壁に向けて尿素水を噴射する尿素水噴射手段と、
    上記ケーシング内の上記尿素水噴射手段よりも下流側に配設され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、
    上記ケーシング内を上流室と上記アンモニア選択還元型NOx触媒が収容される下流室とに区画すると共に、上記尿素水噴射手段の噴射軸線上で相対向する第1の対向面及び第2の対向面を備え、両対向面の間に上記下流室内と連通する拡散室を形成する隔壁と、
    筒状をなして一端を上記隔壁の第1の対向面から上記拡散室内に開口させ、他端を所定の間隙をおいて上記尿素水噴射手段の設置面と相対向させ、該間隙を経て上記上流室内の排気を内部に流入させて上記尿素水噴射手段から噴射された尿素水に対して略同方向の排気気流を生起させて上記拡散室内に流入させる第1のガイドパイプと、
    筒状をなして一端を上記隔壁の第2の対向面から上記拡散室内に開口させ、他端を所定の間隙をおいて上記ケーシング内の対向壁と相対向させ、該間隙を経て上記上流室内の排気を内部に流入させて上記尿素水噴射手段から噴射された尿素水に対して略逆方向の排気気流を生起させて上記拡散室内に流入させる第2のガイドパイプと
    を備えたことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
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