JP2011032119A - 耐FeO性コーティング材 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱炉等に施工されるセラミックファイバー断熱材のFeOによる侵食を防止するためにその表面にコーティングする耐FeO性及び耐亀裂・剥離性に優れる軽量断熱質コーティング材を提供する。
【解決手段】耐火性のセラミックファイバー断熱材の表面に塗布される耐FeO性コーティング材であって、骨材として、粒径が1mm以下、嵩比重が0.6〜0.8、気孔径が5μm以下、及び見掛気孔率が60体積%以上のカルシウム−アルミナ原料を50〜80質量%、結晶質ファイバーを5〜40質量%、及びコロイダルシリカを5〜30質量%含有する耐FeO性コーティング材であり、また、前記カルシウム−アルミナ原料の一部を、粒径1mm以下のアルミナまたはスピネルのいずれか1種もしくは2種からなる原料に置換して、コーティング材中の含有割合を、前記カルシウム−アルミナ原料を20〜60質量%、前記アルミナまたはスピネルのいずれか1種もしくは2種からなる原料を5〜50質量%とした耐FeO性コーティング材である。
【選択図】なし

Description

本発明は、製銑、製鋼、圧延工程等で使用される加熱炉、均熱炉、熱処理炉、炉蓋、カバー等に施工されたセラミックファイバーブロックやスキッドポスト用セラミックファイバー成形体などのセラミックファイバー断熱材の表面に塗布される耐FeO性コーティング材に関する。
近年、加熱炉等の各種窯炉設備の省エネや、断熱を目的にセラミックファイバーが使用されている。セラミックファイバーは熱伝導率が低いのみならず、軽量かつ低嵩比重であるため、熱慣性に優れ、炉の降温、昇温時間が短くてすむ等の利点があり、セラミックファイバーブランケットの圧縮積層材や、セラミックファイバーブランケットを折り畳んで取付け金具と一体化したセラミックファイバーブロックが、溶融金属と接触しない部位で、主なライニングとして採用されている。また、スキッドポスト用断熱材としてセラミックファイバー成形体が使用されている。
しかし、これらのようなセラミックファイバーからなる断熱材は、前記のような優れた特性を有しているものの、鋼片が加熱された場合に生成するFeOに対する侵食抵抗性に劣り、低融点物質のファイヤライト等の生成により、溶融、収縮・焼結が促進されて断熱厚みが減少したり、目地開きを生じ、断熱性が低下するという問題がある。
このような問題を解決するために、セラミックファイバー断熱材の表面にスプレーガン等により施工するコーティング材が使用されている。例えば、特許文献1には、アルミナを含む耐火骨材粉末と、結晶形態がα−石英型であるシリカ粉末と、硼酸と、可塑剤含有合成樹脂エマルジョンとを、所定の割合で含んだセラミックファイバー用のコーティング材が開示されている。このコーティング材中には、主要骨材としてアルミナ(70%以上)、アルミナ以外の骨材(0〜30%)としてスピネル、マグネシア、シリカ、炭化珪素、窒化ケイ素など通常耐火物に使用される耐火物質が使用されている。また、特許文献2には、セラミックファイバーの表面にセラミックファイバー含有吹付け材を吹付け、その施工面に更にアルミナを含むコーティング材を塗布する方法が開示されている。更には、特許文献3には、結晶質ファイバー、無機バインダー、有機バインダー及びアルミナ粉を必須成分として含有し、結晶質ファイバーとアルミナ粉の合計が全焼成分の90質量%以上となるようにした、加熱炉の耐スケール性コーティング材が開示されている。
しかしながら、操業が過酷になるにつれて、鋼片より発生するFeO量が増大し、また、操業温度が上昇すると、アルミナやアルミナ−SiO2を主体とするコーティング材では耐FeO性が不十分である。また、上述したような従来のコーティング材では、熱間で液相が生じ易く、使用中にセラミックファイバー断熱材の表面に施工されたコーティング材が収縮し、亀裂、剥離が生じ、それによりセラミックファイバー断熱材がFeOに侵食され、断熱材厚みの減少と目地開きによる断熱性低下等のトラブルが多発する問題がある。更には、従来のコ−ティング材では、冷間に冷やす際に残存収縮が大きいことから、冷却時にセラミックファイバー断熱材から剥離することがあり、耐用性にも課題があった。更にまた、従来使用されているコ−ティング材の嵩比重は1.5以上であり、セラミックファイバーの標準嵩比重0.13に比べてはるかに大きく、施工に、多量の使用量が必要であることから、軽量断熱性にも劣り、施工厚みが厚くなると自重により剥離しやすい課題があった。
特公昭63−56194号公報 特開2000−283656号公報 特開2004−168565号公報
本発明では、加熱炉などに施工されるセラミックファイバー断熱材のFeOによる侵食を防止するために、その表面にコーティングするコ−ティング材の耐FeO性、熱間収縮の抑制、及び残存収縮の抑制を図り、耐FeO性に優れると共に、耐亀裂性、耐剥離性等に優れ、かつ施工量を抑制できる軽量断熱質のコーティング材を提供する。
本発明者らは、耐FeO性に優れる軽量断熱質のカルシウム−アルミナ原料であるCaO・6Al2O3(以下、「CA6原料」と称す)に着目して、上記課題を解決できるコーティング材について鋭意、研究・開発を行った結果、CA6原料はFeOと反応しにくい性質を持ち、アルミナ又はスピネルと併用することで、更にCA6が生成すると共に、アルミナリッチの二次スピネルが生成し、二次スピネルの膨張により高温での収縮が抑制され、耐亀裂・剥離性が格段に向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、耐火性のセラミックファイバー断熱材の表面に塗布される耐FeO性コーティング材であって、骨材として、粒径が1mm以下、嵩比重が0.6〜0.8、気孔径が5μm以下、及び見掛気孔率が60体積%以上のカルシウム−アルミナ原料を50〜80質量%含有し、更に、結晶質ファイバーを5〜40質量%、及びコロイダルシリカを5〜30質量%含有することを特徴とする耐FeO性コーティング材である。
また、本発明は、耐火性のセラミックファイバー断熱材の表面に塗布される耐FeO性コーティング材であって、骨材として、粒径が1mm以下、嵩比重が0.6〜0.8、気孔径が5μm以下、及び見掛気孔率が60体積%以上のカルシウム−アルミナ原料を20〜60質量%、粒径1mm以下のアルミナまたは粒径1mm以下のスピネルのいずれか1種もしくは2種からなる原料が5〜50質量%、結晶質ファイバーを5〜40質量%、及びコロイダルシリカを5〜30質量%含有することを特徴とする耐FeO性コーティング材である。
耐FeO性に優れるカルシウム−アルミナ原料を用いて、更にはこれにアルミナ又はスピネル原料をうまく活用することで、CA6及びアルミナリッチの二次スピネルが生成し、その膨張により高温での収縮が抑制され耐亀裂性が格段に向上し、耐FeO性と耐亀裂・剥離性に優れる耐FeO性軽量断熱質コーティング材を得ることができる。また、本発明ではコーティング材の嵩比重が小さいため、施工量を削減でき、厚く施工した場合でも、自重による施工体の落下を抑制できる。更にコーティング材自体の気孔率が大きいため、熱伝導率が低く、炉壁を通しての放散熱が少なくなり、セラミックファイバーブロック等の寿命延長、安定操業が可能となる。
図1は、実施例1のコーティング材の熱膨張試験による熱膨張率の変化を表すグラフである。 図2は、比較例1のコーティング材の熱膨張試験による熱膨張率の変化を表すグラフである。
本発明における被コーティング材料のセラミックファイバーは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)を主成分とした人造無機繊維のことであり、アルミナ成分の含有量等により、耐熱性が異なる。アルミナ含有量が70%以上の結晶質繊維はアルミナファイバー(ムライトファイバーを含む)とも言い、特に耐熱性が高い。本発明に係るコーティング材は、これらアルミナとシリカを主成分とすることで共通するいずれのセラミックファイバーに対しても適用可能である。
以下に、好適な実施形態を挙げて本発明の耐FeO性コーティング材を更に説明する。
本発明の耐FeO性コーティング材では、CaO・6Al2O3(CA6)原料が有する耐FeO性を活用し、かつ耐亀裂・剥離性に優れるコーティング層を形成するために、粒径1mm以下のCA6原料を含有する。CA6原料は多孔質、高耐火性であり、製銑、製鋼、圧延工程等で使用される加熱炉等の実使用温度(1400℃)までなら、膨張し、残存の収縮が少ない。CA6原料はその耐火性からCaOが10%未満のものを使用するのが好ましい。CaOが10%以上のCaO・Al2O3(CA)やCaO・2Al2O3(CA2)は耐火性が劣り、嵩比重も大きい。CA6の粒径は耐FeO性等には直接影響しないが、吹付け作業性等を考慮して、1mm以下のものを用いるようにする。1mmを超える粒径のCA6は、後述するアルミナやスピネルとの反応性に劣り、二次的に生成するCA6やスピネルが形成され難い。なお、骨材の粒径は、いずれもレーザー回折・散乱式測定法による粒径を指す。また、CaOが6〜8%で粒径が1mm以下のCA6であれば、嵩比重0.6〜0.8、気孔径5μm以下、及び見掛気孔率60体積%以上を満たすものが殆どである。
本発明は、CA6原料の耐FeO性等の特性を活かしつつ、軽量性及び断熱性を兼ね備えたコーティング材であるが、その組成によって2つの態様が可能である。先ず、第一の態様は、上記のようなCA6原料を50〜80質量%、好ましくは60〜75質量%含有し、結晶質ファイバーを5〜40質量%、好ましくは7〜25質量%含有し、コロイダルシリカを5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%含有したコーティング材である。
結晶質ファイバーは、養生、乾燥時の亀裂発生を抑制し、コーティング材が使用されるセラミックファイバー断熱材の表面との結合力を高めるためのものであり、好ましくは、アルミナ系またはアルミナ分が72%質量以上のムライト系結晶質ファイバーを使用するのがよい。結晶質ファイバーの濃度が5質量%より少ないと結合力を高める効果が望めず、反対に40質量%より多くなると、結晶質ファイバーがコーティング材に均一に分散しにくくなる。又、コロイダルシリカとCA6原料は反応し、CaO−SiO2−Al23系の化合物を生成する。この時わずかに膨張するが耐火性は低下する。一方、コロイダルシリカの濃度について、5質量%より少ないと接着性が低下し、30質量%より多いと耐熱性が低下する。軽量性の面からは、コロイダルシリカは少ない方が好ましく、結晶質ファイバーは多い方が好ましい。
次に、第二の態様は、上記第一の態様におけるCA6原料の一部を、粒径1mm以下のアルミナまたはスピネルのいずれか1種もしくは2種からなる原料で置換したものである。すなわち、上述したCA6原料を20〜60質量%、好ましくは20〜50質量%含有し、結晶質ファイバーを5〜40質量%、好ましくは7〜25質量%含有し、コロイダルシリカを5〜30質量%、好ましくは10〜25質量%含有し、粒径1mm以下のアルミナまたは粒径1mm以下のスピネルのいずれか1種もしくは2種からなる原料を5〜50質量%、好ましくは20〜47質量%含有するコーティング材である。
上記のとおり、CA6原料を20〜60質量%とし、粒径1mm以下のアルミナまたは粒径1mm以下のスピネルのいずれか一方又は両方を5〜50質量%(2種の場合はそれらの合計)と組み合わせても使用できる。CA6原料とアルミナを組み合わせた場合、コロイダルシリカと粒径1mm以下のCA6原料が反応してCaO−SiO2−Al23系の化合物が生成すると共に、更に、新たなCA6が生成し、また、CA6原料とスピネルを組み合わせた場合、更に、アルミナリッチな二次スピネルが生成する。更には、CA6原料、アルミナ、及びスピネルの3つを組み合わせた場合、新たなCA6とアルミナリッチな二次スピネルが生成する。これらの新たなCA6や二次スピネルの生成により原料は膨張し、その膨張により収縮が抑制され、亀裂が防止され、また、熱間での収縮が抑制されることで、常温に戻した際の残存収縮も小さくなる。
CA6、スピネル、及びアルミナの粒径が上記粒径より大きい場合は、CA6や二次スピネルが生成しにくくなり、収縮が抑制できず、亀裂が発生しやすくなる。また、スピネル又はアルミナの濃度が上記濃度範囲の下限を下回る場合には、これらとCA6とを併用する効果は少なくなり、反対に上限を超える場合には、軽量、断熱性が劣る。この第二の態様では、CA6をベースにして、アルミナ又はスピネルのいずれか1種もしくは2種を組み合わせて使用することができるが、好適にはCA6、アルミナ、及びスピネルの3種を用いた場合が最も効果的である。
第二の形態で使用するアルミナは、熱安定性の高いα−アルミナを使用するのが好ましい。一方、スピネルは、各種のアルミナ・マグネシウムスピネルが使用され、理論組成スピネル、理論組成スピネルよりアルミナの多いアルミナリッチスピネル、理論組成スピネルよりマグネシアの多いマグネシアリッチスピネルなどがある。第二の形態で使用するスピネルはMgO含有量が5質量%〜35質量%のものが好ましい。MgOの含有量が5質量%未満だとアルミナの組成に近づき、二次スピネルが生成しづらくなる。反対に35質量%を超えると、後述するように添加する水との反応で、水和が起こり、消化による亀裂が入り易くなる。なお、結晶質ファイバー及びコロイダルシリカについては、第一の態様の場合と同様である。また、スピネルの代わりにMgOを少量使用することも可能であるが、前述の水和問題や熱間でのスピネル生成に伴う急激な膨張で、セラミックファイバー断熱材との膨張差による剥離が生じ易くなるので、使用の際には注意が必要である。具体的には耐消化性に優れるMgOを使用する必要がある。
本発明の耐FeO性コーティング材をセラミックファイバー断熱材に塗布する方法については特に制限はないが、一般には、スプレーガン等によりセラミックファイバー断熱材に施工する方法が採用される。この際、本発明の耐FeO性コーティング材に水を加えて通常8000〜20000cP程度の粘度にして、施工厚みが0.5〜10mm程度となるように、スプレーガン等によりセラミックファイバー断熱材に施工するのが好ましい。施工厚みがこれより薄い場合には耐FeO性コーティング材の効果が十分ではなく、反対にこれより厚い場合には、自重に耐えられずに落下するおそれがある。この際の水添加量(外掛け)については、多孔質のCA6原料を使用するため、一般には40〜80質量%であるのがよい。このため、CA6原料を使わない従来のコ−ティング材では施工材料の嵩比重が1.7程度であるのに対し、本発明のコーティング材では0.8〜1.4であり、施工量が従来の20%から50%削減できる。この嵩比重はCA6の使用比率に応じて決まり、軽量、断熱性が確保できる。
また、本発明の耐FeO性軽量コーティング材には、必要により上記成分のほか、吹付けまたは塗布時ダレを防止し、接着性を向上させるために、有機バインダーのCMC(カルボキシメチルセルロース)やPVA(ポリビニルアルコール)等を配合したり、ベントナイト等の耐火材を配合したり、界面活性剤などの微量調整剤を配合して保存安定性などを向上させたりすることができる。しかし、これらの追加成分は耐FeO性を損なわないように、耐FeO性軽量セラミックファイバーコーティング材の8質量%以下とすることが望ましい。
[実施例1〜10、比較例1〜6]
以下の表1に記載する骨材を用いて、表2に示す材料及び配合にて実施例1〜10及び比較例1〜6に係るコーティング材を調製した。また、実施例及び比較例で得られたコーティング材の諸特性を表2に併記した。
Figure 2011032119
Figure 2011032119
上記調製においては、各コーティング材を水で混練後、鋳込み枠に流し込み、室温にて24時間養生して試験用コーティングサンプル(100mm×100mm×厚み10mm)を作製し、その表面に発生した亀裂の有無を目視にて確認した。また、試験用コーティングサンプルを1400℃で3時間焼成して、その表面に発生した亀裂の有無を観察した。更に、耐FeO性評価として、試験用コーティングサンプルに25mmφの円盤状のFeOを置き、その状態のまま1400℃で3時間焼成して、FeOとの反応によって形成された反応変色径を測定した。そして、比較例1でFeOと反応して円形に広がった長さの2点の平均長さを100とし、各サンプルの反応変色径の平均長さを反応変色比として表示した。更にまた、試験用コーティングサンプル(20mm×20mm×長さ70mm)を用いて1400℃までの熱膨張試験を行い、常温まで冷却した時の残存線変化を測定した(昇温速度及び冷却速度はいずれも4℃/min)。残存線変化率は、焼成前のサンプル長さを基準にして、1400℃に加熱して常温までサンプルを冷やした後のサンプル長さから収縮した割合(収縮量)を求めた。結果を表2に示す。なお、実施例1と比較例1、2の場合については熱膨張試験による熱膨張率の変化をそれぞれ図1〜3に示す。
比較例1は従来のアルミナ単独使用のケースである。亀裂が生成し、残存線変化率が大きく、耐FeO性に劣ることが分る。比較例2は粒径が1mmを超えるCA6を含むケースであり、Al2O3との反応が起きづらく、CA6の生成や二次スピネルの生成ができ難くなるため膨張せず、残存線変化が大きくなった。比較例3及び4は、CA6と粒径が1mmを超えるアルミナ又はスピネルを併用したケースであるが、新たなCA6や二次スピネルが生成しづらく、収縮が大きいために亀裂が生成したものと考えられる。比較例6は、結晶質ファイバーを含まないケースであり、残存収縮が大きく、耐FeO性に劣る。これに対し、実施例1〜10のコーティング材は、CA6単独使用ケース、及びCA6と共に粒径1mm以下のスピネル又はアルミナを併用したケースであり、いずれも高温での収縮が抑制され、残存収縮も少なく、亀裂が生成せず、尚且つ、耐FeO性に優れることが分る。また、嵩比重も小さく、軽量断熱質である。
この理由について、図1及び2に示したように、常温から1400℃まで4℃/minの昇温速度で昇温した場合の熱膨張率曲線と、その後、4℃/minの冷却速度で常温まで降温した場合の熱膨張曲線とを測定すると、骨材としてアルミナを単独で含んだコーティング材(比較例1)の場合には、図2から明らかなように、高温で収縮することから、このような高温から冷間に冷やす際の残存収縮が大きいことが分かる。また、粒径1mmを超えるCA6原料と共にアルミナを併用したコーティング材(比較例2)では、CA6とアルミナの反応が起きづらく、新たなCA6が生成しなかったため、残存収縮が大きくなったものと考えられる。これらに対し、骨材として粒径1mm以下のCA6原料を単独で用いた場合(実施例1)では、図1から明らかなように、その残存収縮は図2の場合に比べてはるかに小さいことが分かる。なお、粒径1mm以下のCA6原料と共に所定のアルミナ又はスピネルを併用した場合(実施例2〜10)には、新たなCA6やアルミナリッチな二次スピネルが生成して原料が膨張し、その膨張により収縮が抑制されて亀裂が防止され、また、熱間での収縮が抑制されることで、残存収縮が小さくなったと考えられる。
また、上記実施例1及び2、並びに比較例1で得られたコーティング材をA製鉄所熱延加熱炉天井ブロック(耐熱温度1600℃のセラミックファイバー使用)にスプレーガンにて2mm厚で施工したところ、4ヶ月後の炉内点検で、比較例1のコーティング材はFeOと反応し、亀裂が生成し剥離していたが、実施例1及び2のコーティング材はFeOとの反応は見られず、亀裂、剥離の生成はなかった。

Claims (3)

  1. 耐火性のセラミックファイバー断熱材の表面に塗布される耐FeO性コーティング材であって、骨材として、粒径が1mm以下、嵩比重が0.6〜0.8、気孔径が5μm以下、及び見掛気孔率が60体積%以上のカルシウム−アルミナ原料を50〜80質量%含有し、更に、結晶質ファイバーを5〜40質量%、及びコロイダルシリカを5〜30質量%含有することを特徴とする耐FeO性コーティング材。
  2. 耐火性のセラミックファイバー断熱材の表面に塗布される耐FeO性コーティング材であって、骨材として、粒径が1mm以下、嵩比重が0.6〜0.8、気孔径が5μm以下、及び見掛気孔率が60体積%以上のカルシウム−アルミナ原料を20〜60質量%、粒径1mm以下のアルミナまたは粒径1mm以下のスピネルのいずれか1種もしくは2種からなる原料が5〜50質量%、結晶質ファイバーを5〜40質量%、及びコロイダルシリカを5〜30質量%含有することを特徴とする耐FeO性コーティング材。
  3. 前記結晶質ファイバーが、ムライト系結晶質ファイバーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング材。
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