JP6287918B2 - 高温用容器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、900℃以上の高温物体の保持、輸送、精錬などに用いられる高温用容器の製造方法に関する。
ジルコニア(ZrO2)は、その高融点・高耐食性から、溶銑や溶鋼などの高温物体の保持、輸送、精錬などに用いる高温用容器の内張り耐火物(「ワーク耐火物」ともいう)として汎く使用されている。但し、純粋なジルコニアは、室温では単斜晶系であるが、温度を上昇させていくと、およそ900〜1100℃で正方晶及び立方晶へと結晶が転移し、この転移で数%にも達する体積膨張の変化を示すことから、純粋で緻密な構造では割れやすく、耐火物としては使用しにくい。そこで、ジルコニアに酸化カルシウム(CaO)または酸化イットリウム(Y23)を固溶させた安定化ジルコニアが使用されている。これは、ジルコニアに酸化カルシウムまたは酸化イットリウムを固溶させると、正方晶及び立方晶が室温でも安定化するために、温度変化を与えても体積変化を回避することができ、体積変化に起因する割れが防止できることによる。
したがって、このような安定化ジルコニアを配合した耐火物を内張り耐火物層として施工すれば、温度変化に対応できる高温用容器を得ることができる。但し、このような安定化ジルコニアは高価であるために、様々な用途に汎く用いることは問題があった。
そのために、安定化していない天然産のジルコニアを耐火物原料とする手段が提案されている。例えば、特許文献1には、安定化していない天然産の単斜晶系ジルコニアに水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を添加し、この混合物を攪拌混合し、か焼してジルコニアを安定化させた後に、これを耐火物原料として用いて成型し且つ焼成し、ジルコニア耐火物を製造する方法が開示されている。
特開平2−124763号公報
しかしながら、上記特許文献1には以下の問題がある。即ち、特許文献1の方法では、比較的安価な天然産のジルコニアと水酸化カルシウムとを原料とすることから、製造コストの低減が期待できるが、それでも一旦原料をか焼した上で、これを成型して焼成するという工程が必要であり、ジルコニア耐火物が比較的高価なものであるという問題は依然として解消することができない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高価な安定化ジルコニアを使用せず、安価な未安定化ジルコニアを、高温での焼成や予熱を施すことなく内張り耐火物として用いて、高温物体の保持、輸送、精錬などに用いられる高温用容器を製造する方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]金属からなる外殻の内側に、永久耐火物層、内張り耐火物層をこの順に備えた、900℃以上の高温物体を保持する高温用容器の製造方法において、酸化カルシウム(CaO)、酸化イットリウム(Y23)またはこれらの化合物からなるジルコニア安定化材と、未安定化ジルコニア(ZrO2)とを、前記ジルコニア安定化材のCaO換算またはY23換算の質量と前記未安定化ジルコニアの質量との質量比が5対95から11対89の範囲で含有し、且つ、酸化珪素(SiO2)の含有量が0.5質量%以下である混合物を60質量%以上含有し、残部が、アルミナ(Al23)、マグネシア(MgO)、酸化クロム(Cr23)、黒鉛(C)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si34)及びこれらの化合物のうちの1種または2種以上、並びに、結合材と不可避な不純物であり、気孔率が15%以下の耐火物であって、900℃未満の温度で焼成されたか、または、不焼成のままの成形耐火物または不定形耐火物を、前記内張り耐火物層として施工することを特徴とする、高温用容器の製造方法。
[2]内張り耐火物層として施工する前記成形耐火物または前記不定形耐火物は、アルミナ、マグネシア、酸化クロム、黒鉛、炭化珪素、窒化珪素及びこれらの化合物を含有しないことを特徴とする、上記[1]に記載の高温用容器の製造方法。
[3]前記外殻と前記永久耐火物層との間、または、前記永久耐火物層と前記内張り耐火物層との間に、熱伝達係数が30W/(m2×K)以下の断熱層を施工することを特徴とする、上記[1]または上記[2]に記載の高温用容器の製造方法。
本発明によれば、原料に高価な安定化ジルコニアを使用せずに、安価な未安定化ジルコニアを、高温での焼成や予熱を施すことなく内張り耐火物として用いて、高温物体の保持、輸送、精錬などに用いられる高温用容器を製造することが実現される。
本発明を適用して製造した溶銑鍋の側面断面図である。
以下、本発明を具体的に説明する。まず、本発明に至った経緯について説明する。
本発明者らは、安定化されていないジルコニア(ZrO2)を、高温での焼成や予熱を施すことなく、高温用容器の内張り耐火物層用の耐火物として使用することを検討し、この検討結果に基づく試験を行った。以下、その結果を説明する。
ジルコニア安定化材として、酸化カルシウム(CaO)や酸化イットリウム(Y23)などの2価または3価の金属酸化物を用いることは当業者に周知である。安定化されていないジルコニアの粉体と、酸化カルシウムや酸化イットリウムなどのジルコニア安定化材(以下、単に「安定化材」とも記す)の粉体との混合物を、高温用容器の内張り耐火物層として施工した場合、この内張り耐火物層のジルコニアは、使用開始時点では安定化されていないが、使用開始後、900℃以上の温度となったときに安定化が始まる。ジルコニアの安定化は組織の転移を伴うために、割れ、亀裂、剥離などの欠陥の原因となる。
この安定化に伴う割れなどの欠陥を避けるために、従来は、酸化珪素(SiO2)などの低融点物質を添加して耐火性能を犠牲にし、弾性率を下げたり、予め緩やかな昇降温速度で時間とコストを掛けて焼成したりすることが行われていた。
本発明者らは、金属製の外殻で周囲を覆った状態で、安定化されていないジルコニアを、単斜晶系から正方晶及び立方晶へと結晶を転移させて体積膨張させることにより、外殻による拘束力によって、割れや亀裂が回避され、且つ、ジルコニアは共存する安定化材によって安定化されるという着想に基づき、安定化材の粉体と安定化されていないジルコニアの粉体との混合物を、高温用容器の内張り耐火物層として、事前に焼成することなく施工した。試験では、安定化材として、酸化カルシウムを使用した。
しかしながら、酸化珪素を0.5質量%以上含有する一般的なジルコニア系耐火物配合では、割れや亀裂は解消されなかった。これは、結晶の転移による体積膨張に伴って発生する内部応力が、0.5質量%以上の酸化珪素を含有するジルコニア系耐火物の塑性変形によって解消してしまい、金属製の外殻による圧縮応力が作用せず、割れや亀裂を低減する効果が発揮されないものと考えられた。
そこで、酸化珪素の含有量を、可及的に低減して0.5質量%以下とした結果、内張り耐火物層の稼動面近傍では割れや亀裂などの欠陥の低減傾向が確認できた。
しかしながら、内張り耐火物層の稼動面と永久耐火物層側の面とのおよそ中間位置において、稼動面と平行な方向の割れが発生する場合があった。この稼動面と平行な方向の割れは、気孔率が15%以下である比較的緻密な内張り耐火物層で発生し、気孔率が15%以上の内張り耐火物層では割れは極めて少なかった。但し、気孔率が15%以上の場合には、耐食性が劣ることから、内張り耐火物層として実用に供することはできない。
稼動面と永久耐火物層側の面とのおよそ中間位置において発生する、稼動面と平行な方向の割れの発生原因として、稼動面近傍では温度が十分高いので転移が進むが、永久耐火物層側に近づくにつれて温度が低くなるために転移が進まず、熱膨張率の異なる組織が共存したことによるものと推定した。
そこで、内張り耐火物層の永久耐火物層に近い部分の温度を上昇させることを目的として、ジルコニア系耐火物からなる内張り耐火物層の酸化珪素含有量を0.5質量%以下とした上で、内張り耐火物層よりも外殻側である外殻と永久耐火物層との間に断熱層を施工した。その結果、断熱層を設置することで、気孔率が15%以下の緻密な内張り耐火物層であっても、稼動面と平行な方向の割れが解消した。
この断熱層の熱伝達係数(断熱層の熱伝導率/断熱層の厚み)は低いほど望ましいが、高くとも30W/(m2×K)以下であれば、内張り耐火物層の100mm相当分以上の熱抵抗が得られ、内張り耐火物層の永久耐火物層に近い部分の温度が十分上昇して割れが低減される。また、断熱層を内張り耐火物と永久耐火物層との間に設置しても、同等の効果が得られた。
ジルコニア安定化材である酸化カルシウムの質量または酸化イットリウムの質量と、未安定化ジルコニアの質量との質量比が8対92のときに最も割れや亀裂が少なかったが、この質量比が5対95から11対89の範囲では耐用性は良好であった。
本発明は、上記試験結果に基づきなされたものであり、本発明に係る高温用容器の製造方法は、金属からなる外殻の内側に、永久耐火物層、内張り耐火物層をこの順に備えた、900℃以上の高温物体を保持する高温用容器の製造方法において、酸化カルシウム(CaO)、酸化イットリウム(Y23)またはこれらの化合物からなるジルコニア安定化材と、未安定化ジルコニア(ZrO2)とを、前記ジルコニア安定化材のCaO換算またはY23換算の質量と前記未安定化ジルコニアの質量との質量比が5対95から11対89の範囲で含有し、且つ、酸化珪素(SiO2)の含有量が0.5質量%以下である混合物を60質量%以上含有し、残部が、アルミナ(Al23)、マグネシア(MgO)、酸化クロム(Cr23)、黒鉛(C)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si34)及びこれらの化合物のうちの1種または2種以上、並びに、結合材と不可避な不純物であり、気孔率が15%以下の耐火物であって、900℃未満の温度で焼成されたか、または、不焼成のままの成形耐火物または不定形耐火物を、前記内張り耐火物層として施工することを特徴とする。
本発明では、900℃以上の高温物体を保持する高温用容器を対象とする。これは、保持する高温物体の温度が900℃未満では、ジルコニアの転移が起こらず、本発明の効果が得られないからである。また、内張り耐火物層として施工する、ジルコニア安定化材と未安定化ジルコニアとの混合物は、成形耐火物(成形レンガ)であっても、不定形耐火物であっても、どちらでも本発明を適用することができる。
本発明では、内張り耐火物層として施工する、安定化材と未安定化ジルコニアとの混合物を、不焼成とすることで、使用開始後に金属製の外殻で拘束された状態で、転移による膨張応力が生じることから、耐火物の組織が緻密となり、耐用性が向上する。
但し、安定化材と未安定化ジルコニアとの混合物に900℃未満の温度での焼成を行っても、ジルコニアの転移は起こらず、上記の効果は損なわれない。つまり、焼成温度が900℃未満である限り、内張り耐火物層として施工する前、及び、内張り耐火物層として施工した後、安定化材と未安定化ジルコニアとの混合物を焼成処理しても構わない。即ち、大気雰囲気中では消化などの劣化が進むCaOの活性度を下げるために、900℃未満の温度で焼成することは問題ない。
ジルコニア安定化材としては、前述した酸化カルシウム、酸化イットリウムの他に、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)や水酸化イットリウム(Y(OH)3)などの化合物も使用することができる。安定化材の配合割合には最適範囲があり、本発明では、水酸化カルシウムや水酸化イットリウムなどの化合物も含め、安定化材のCaO換算の質量またはY23換算の質量と未安定化ジルコニアの質量との質量比を基準として、安定化材の配合割合を制御する。つまり、安定化材のCaO換算の質量またはY23換算の質量と未安定化ジルコニアの質量との質量比を5対95から11対89の範囲とする。
ここで、CaO換算とは、例えば水酸化カルシウムをCaO換算する場合には、Ca(OH)2の式量が74であり、CaOの式量が56であるので、水酸化カルシウムの質量に0.7568(=56/74)を乗算した値が、水酸化カルシウムをCaOに換算した質量になる。Y23換算も同様にして算出する。
安定化材の質量と未安定化ジルコニアの質量との質量比が5対95よりも安定化材の配合量が少ないと、1500℃以上の高温にしないと立方晶への転移が十分に進まず、未安定化ジルコニアを内張り耐火物として利用することができない。特に、永久耐火物層に近い範囲では、断熱層を設置しても稼動面に比べて温度が低いために、安定化の効果が得られない。一方、質量比が11対89よりも安定化材の配合量が多いと、酸化カルシウムや酸化イットリウムが過剰になり、CaZrO3などの結晶相が発生して組織を脆化させ、耐用性に優れる内張り耐火物層を形成させることができない。
ジルコニア安定化材と未安定化ジルコニアとの混合物の内張り耐火物層における配合率が低いと、転移した物体と転移しない物体との膨張挙動の差に起因して、内張り耐火物層に割れや亀裂が発生する。安定化材と未安定化ジルコニアとの混合物の配合率を60質量%未満とし、残部に、例えばアルミナを混合した場合、安定化材と未安定化ジルコニアとの混合物と、アルミナとの界面に間隙(亀裂)が生じ、アルミナが脱落するような損耗形態が観察された。
この結果から、ジルコニア安定化材と未安定化ジルコニアとの混合物の内張り耐火物層における配合率は60質量%以上であることが必要である。安定化材と未安定化ジルコニアとの混合物以外の残部は、アルミナ、マグネシア、酸化クロム、黒鉛、炭化珪素、窒化珪素及びこれらの化合物のうちの1種または2種以上とすればよい。
当然ではあるが、これらを添加せず、酸化珪素が0.5質量%以下である、ジルコニア安定化材と未安定化ジルコニアとの混合物のみを内張り耐火物層として施工することもできる。
本発明において、鋼材などの金属製の外殻は必須の要件である。これは、金属製の外殻で内張り耐火物を拘束し、体積膨張を内部応力として作用させて転移時の欠陥の発生を抑止するためである。金属製外殻の材質や寸法は任意であるが、強度や弾性率が低い場合や永久耐火物層を介して内張り耐火物層を覆う範囲が狭い場合は、内張り耐火物層が膨張した時に応力を保ったまま保持できなくなることから、このようなものは不適当である。
同様の理由で、低融点物質で塑性変形を促す酸化珪素は可及的に低減すべきであるが、0.5質量%以下であれば実際上の悪影響は生じない。また、酸化珪素を低減したことにより、耐食性も向上する傾向が認められた。当然ではあるが、酸化珪素を意図的に添加することは全く必要性がない。
本発明において、外殻と永久耐火物層との間、または、永久耐火物層と内張り耐火物層との間に、熱伝達係数が30W/(m2×K)以下の断熱層を施工することで、未安定化ジルコニアの内張り耐火物層への適用がより一層効果的になる。断熱層を設けない場合の内張り耐火物層の割れは、内張り耐火物層内部の温度勾配に起因すると考えられる。その裏づけとして、割れは内張り耐火物層の残厚が約100mmよりも小さくなったときに多く発生し、それよりも残厚が大きいと割れは少ない。これは、内張り耐火物層の残厚が大きいと、全体の熱伝達係数が低いために温度勾配が小さく、熱応力が小さいためと考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、原料に高価な安定化ジルコニアを使用せずに、安価な未安定化ジルコニアを、高温での焼成や予熱を施すことなく内張り耐火物として用いて、高温物体の保持、輸送、精錬などに用いられる高温用容器を製造することが実現される。
図1に、本発明を適用して製造した溶銑鍋の側面断面図を示す。溶銑鍋1は、鉄皮2を外殻とし、鉄皮2の内側に、永久耐火物層3、内張り耐火物層4がこの順に施工されて構成されている。永久耐火物層3としては、マグネシア質レンガ、アルミナ質レンガ、粘土質レンガ、ロー石レンガなどの慣用のレンガを使用する。
厚み30mmの鉄皮2の内側に厚み50mmの永久耐火物層3を施工し、その内側に、厚み160mmの内張り耐火物層4を施工した。内張り耐火物層4としては、溶銑鍋1の上端側のスラグライン部(図示せず)を除いて、未安定化ジルコニアを80質量%、水酸化カルシウムを12質量%、バインダーを8質量%含有する不定形の混合物を型枠内に施工した。この不定形の混合物中での不可避の混合成分は、いずれの成分も0.5質量%以下であった。また、鉄皮2と永久耐火物層3との間に、市販の厚み3mmのシート状微孔性断熱材を断熱層5として施工した。尚、スラグライン部は、スラグに対する耐食性に優れる炭素含有耐火物を施工した。
水酸化カルシウムをCaOに換算するには、水酸化カルシウムの質量に0.7568(=56/74)を乗算すればよく、したがって、CaOに換算した水酸化カルシウムの含有量は9.1質量%(=12×0.7568)となる。未安定化ジルコニアとCaOに換算した水酸化カルシウムの質量比は、80対9.1、つまり、89.8対10.2であった。
シート状微孔性断熱材の熱伝導率は、使用開始時が0.03W/(m×K)、1年後の解体修理時は0.06W/(m×K)であったので、溶銑鍋使用期間中の断熱層5における熱伝達係数(熱伝導率/断熱層厚み)は10〜20W/(m2×K)となる。
上記組成の内張り耐火物層4を施工した後、所定の水分乾燥工程及び型枠外しを行い、その後、溶銑搬送用の高温用容器として使用を開始した。溶銑鍋の使用期間中、内張り耐火物層の割れや剥離による損耗は観察されず、従来の安定化ジルコニアを用いた内張り耐火物層に比べて損耗速度は2割低減した。
1 溶銑鍋
2 鉄皮
3 永久耐火物層
4 内張り耐火物層
5 断熱層

Claims (3)

  1. 金属からなる外殻の内側に、永久耐火物層、内張り耐火物層をこの順に備えた、900℃以上の高温物体を保持する高温用容器の製造方法において、
    酸化カルシウム(CaO)、酸化イットリウム(Y23)またはこれらの化合物からなるジルコニア安定化材と、安定化されていない単斜晶系ジルコニア(ZrO2)とを、前記ジルコニア安定化材のCaO換算またはY23換算の質量と前記安定化されていない単斜晶系ジルコニアの質量との質量比が5対95から11対89の範囲で含有し、且つ、酸化珪素(SiO2)の含有量が0.5質量%以下である混合物を60質量%以上含有し、残部が、アルミナ(Al23)、マグネシア(MgO)、酸化クロム(Cr23)、黒鉛(C)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si34)及びこれらの化合物のうちの1種または2種以上、並びに、結合材と不可避な不純物であり、気孔率が15%以下の耐火物であって、900℃未満の温度で焼成されたか、または、不焼成のままの成形耐火物または不定形耐火物を、前記内張り耐火物層として施工することを特徴とする、高温用容器の製造方法。
  2. 内張り耐火物層として施工する前記成形耐火物または前記不定形耐火物は、アルミナ、マグネシア、酸化クロム、黒鉛、炭化珪素、窒化珪素及びこれらの化合物を含有しないことを特徴とする、請求項1に記載の高温用容器の製造方法。
  3. 前記外殻と前記永久耐火物層との間、または、前記永久耐火物層と前記内張り耐火物層との間に、熱伝達係数が30W/(m2×K)以下の断熱層を施工することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高温用容器の製造方法。
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