JP2011012781A - 等速自在継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボール保持部材と外側継手部材との接触面の面圧を低減することができる等速自在継手を提供する。
【解決手段】等速自在継手は、軸線方向に延びる複数の第1ボール溝2cを有する内側継手部材と、第1ボール溝2cを転動する複数のトルク伝達用ボール4と、軸線方向に互いに並列する一対の円環部5a及び一対の円環部5aを連結してトルク伝達用ボール4の保持孔を形成する連結部5bを有するボール保持部材5と、一端に開口部を有する椀型状をなし、その内面に軸線方向に延びるように形成された複数の第2ボール溝3b、及び複数の第2ボール溝3bの間に設けられ、ジョイント角が常用角の状態で、開口部側に位置するボール保持部材5の円環部5aにその内面が対向するように形成された複数の内方突起3cを有する外側継手部材3とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】等速自在継手は、軸線方向に延びる複数の第1ボール溝2cを有する内側継手部材と、第1ボール溝2cを転動する複数のトルク伝達用ボール4と、軸線方向に互いに並列する一対の円環部5a及び一対の円環部5aを連結してトルク伝達用ボール4の保持孔を形成する連結部5bを有するボール保持部材5と、一端に開口部を有する椀型状をなし、その内面に軸線方向に延びるように形成された複数の第2ボール溝3b、及び複数の第2ボール溝3bの間に設けられ、ジョイント角が常用角の状態で、開口部側に位置するボール保持部材5の円環部5aにその内面が対向するように形成された複数の内方突起3cを有する外側継手部材3とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、等速自在継手に関する。
従来の等速自在継手として、例えば互いに交差する2軸の交差角(ジョイント角)を可変とし、2軸間の回転伝達に等速性をもたせたボール型の等速自在継手がある(例えば特許文献1参照)。
この等速自在継手は、内側継手部材,外側継手部材,複数のトルク伝達用ボール及びボール保持部材としてのケージを備えている。
内側継手部材は、外周面が球面で形成された無底円筒部材からなり、駆動軸に連結されている。内側継手部材には、外周面に開口し、かつ軸線方向に延びる複数の第1ボール溝が設けられている。
外側継手部材は、内周面が球面で形成された椀型状部材からなり、従動軸に一体に設けられている。外側継手部材には、内周面に開口し、かつ軸線方向に延びる複数の第2ボール溝が設けられている。
複数のトルク伝達用ボールは、内側継手部材と外側継手部材との間に円周方向に沿って配置されている。そして、トルク伝達用ボールは、第1ボール溝及び第2ボール溝内を転動して内側継手部材のトルクを外側継手部材に伝達するように構成されている。
ケージは、軸線方向に互いに並列する一対の円環部、及び一対の円環部を連結して複数のトルク伝達用ボールをそれぞれ保持する複数のボール保持孔を形成するための複数の連結部を有し、内側継手部材の外周面及び外側継手部材の内周面に適合する円環部材によって形成されている。
以上の構成により、駆動軸の回転によって内側継手部材が回転駆動されると、この回転トルクがトルク伝達用ボールを介して外側継手部材に伝達され、これに伴い外側継手部材が従動軸と共に回転する。そして、駆動軸と従動軸とのジョイント角が変化すると、ケージが駆動軸(内側継手部材)と共にジョイントセンタを中心にして揺動するとともに、トルク伝達用ボールが第1ボール溝及び第2ボール溝内を転動する。この際、外側継手部材において互いに隣り合う2つの第2ボール溝間に介在する部位(溝間部分)にケージが当接し、外側継手部材がケージから荷重を受ける。
しかしながら、特許文献1の等速自在継手によると、駆動軸と従動軸とのジョイント角θがθ=0°である場合には外側継手部材の溝間部分がケージの連結部及び円環部に対向する位置に配置されているが、内側継手部材から外側継手部材へのトルク伝達時にジョイント角θがθ>10°となる場合には、ケージの揺動によってその連結部が外側継手部材の溝間部分に対向する位置に配置される。これにより、ケージの連結部から外側継手部材の溝間部分が荷重を受ける際に外側継手部材に対するケージの接触面積が小さくなり、ケージの連結部に対する面圧が上昇する。この結果、ケージの摺動性が悪くなり、振動が発生し易いという問題があった。
従って、本発明の目的は、良好なケージの摺動性を得ることができ、もって振動の発生を抑制することができる等速自在継手を提供することにある。
本発明の一態様では、以下のように等速自在継手を構成する。すなわち、軸線方向に延びる複数の第1ボール溝を有する内側継手部材と、前記第1ボール溝を転動する複数のトルク伝達用ボールと、軸線方向に互いに並列する一対の円環部、及び前記一対の円環部を連結して前記トルク伝達用ボールの保持孔を形成する連結部を有するボール保持部材と、一端に開口部を有する椀型状をなし、その内面に軸線方向に延びるように形成された複数の第2ボール溝、及び前記複数の第2ボール溝の間に設けられ、ジョイント角が常用角の状態で、前記開口部側に位置する前記ボール保持部材の前記円環部にその内面が対向するように形成された複数の内方突起を有する外側継手部材とを備えて等速自在継手を構成する。これにより、ジョイント角が常用角の状態で、ボール保持部材の円環部を外側継手部材の内方突起に当接させる。
本発明によると、ボール保持部材と外側継手部材との接触面の面圧を低減できる。
[第1の実施の形態]
(等速自在継手の全体構成)
図1はボール型の等速自在継手を示す。図2は等速自在継手における外側継手部材の開口部分を示す。図1に示すように、等速自在継手1は、駆動源(図示せず)からの駆動トルクを受ける内側継手部材2と、この内側継手部材2を内包する外側継手部材3と、この外側継手部材3と内側継手部材2との間に介在する複数(実施の形態では6個)のトルク伝達用ボール4,4,…と、これら複数のトルク伝達用ボール4,4,…を保持するボール保持部材としてのケージ5とから大略構成されている。
(等速自在継手の全体構成)
図1はボール型の等速自在継手を示す。図2は等速自在継手における外側継手部材の開口部分を示す。図1に示すように、等速自在継手1は、駆動源(図示せず)からの駆動トルクを受ける内側継手部材2と、この内側継手部材2を内包する外側継手部材3と、この外側継手部材3と内側継手部材2との間に介在する複数(実施の形態では6個)のトルク伝達用ボール4,4,…と、これら複数のトルク伝達用ボール4,4,…を保持するボール保持部材としてのケージ5とから大略構成されている。
(内側継手部材2の構成)
内側継手部材2は、図1に示すように、ストレートスプライン嵌合部2aを内周面に有し、駆動軸6にスプライン嵌合によって相対回転不能に連結され、全体が両軸線方向に開口する無底円筒部材によって形成されている。内側継手部材2の外周面2bは、所定の曲率半径をもつ凸状の球面で形成されている。内側継手部材2には、外周面2bに開口し、かつ円周方向に等間隔をもって並列する複数(実施の形態では6個)の第1ボール溝2c,2c,…が設けられている。
内側継手部材2は、図1に示すように、ストレートスプライン嵌合部2aを内周面に有し、駆動軸6にスプライン嵌合によって相対回転不能に連結され、全体が両軸線方向に開口する無底円筒部材によって形成されている。内側継手部材2の外周面2bは、所定の曲率半径をもつ凸状の球面で形成されている。内側継手部材2には、外周面2bに開口し、かつ円周方向に等間隔をもって並列する複数(実施の形態では6個)の第1ボール溝2c,2c,…が設けられている。
第1ボール溝2c,2c,…は、内側継手部材2の軸線O1方向に延び、かつ複数のトルク伝達用ボール4,4,…を案内するガイド溝によって形成されている。第1ボール溝2c,2c,…の深さは、外側継手部材3の開口部(図1では右側)から底部(図1では左側)に向かって漸次小さくなる寸法に設定されている。
(外側継手部材3の構成)
外側継手部材3は、図1に示すように、従動軸7に一体に設けられ、全体が内側継手部材2を内包して一側に開口する椀型状部材によって形成されている。外側継手部材3の開口内周面3aは、内側継手部材3の外周面に対応する部位が所定の曲率半径をもつ凹状の球面で形成されている。外側継手部材3には、開口内周面3aに開口し、かつ円周方向に等間隔をもって並列する複数(実施の形態では6個)の第2ボール溝3b,3b,…が設けられている。
外側継手部材3は、図1に示すように、従動軸7に一体に設けられ、全体が内側継手部材2を内包して一側に開口する椀型状部材によって形成されている。外側継手部材3の開口内周面3aは、内側継手部材3の外周面に対応する部位が所定の曲率半径をもつ凹状の球面で形成されている。外側継手部材3には、開口内周面3aに開口し、かつ円周方向に等間隔をもって並列する複数(実施の形態では6個)の第2ボール溝3b,3b,…が設けられている。
第2ボール溝3b,3b,…は、外側継手部材3の軸線O2方向に延び、かつ複数のトルク伝達用ボール4,4,…を案内するガイド溝によって形成されている。第2ボール溝3b,3b,…の深さは、外側継手部材3の開口部から底部に向かって漸次小さくなる寸法に設定されている。第2ボール溝3b,3b,…のうち互いに隣り合う2つの第2ボール溝3b,3bの間には、内側に向かって突出した内方突部3c,3c,…が設けられている。内方突部3c,3c,…の内周面は、ケージ5の外周面に対応する曲線状に形成されている。
外側継手部材3は、図1に二点鎖線で示す従来における内方突起の開口部側端面30cよりも、外側継手部材3の開口端面3e側に位置し、内方突部3c,3c,…の内周面がケージ5の外周面に沿って延長するように形成された延長部3d,3d,…を有している。これら延長部3d,3d,…がケージ5における一対の円環部5a,5aのうち開口部側(外側継手部材3における開口部に対応する側)の円環部5aにジョイント角の常用角において対向する位置に配置されている。
ここで、常用角とは、通常の使用状態におけるジョイント角を指し、例えば車両のディファレンシャル装置の出力ギヤに連結された駆動軸(ドライブシャフト)と車輪のハブ部材とを連結する等速自在継手の場合には、車両に対し1名の乗員(例えば体重60kgの乗員)が乗車し、定常走行している状態における駆動軸6(内側継手部材2の軸線O1)と従動軸7(外側継手部材3の軸線O2)との交差角(ジョイント角)である。この場合の常用角は、例えば10°であるが、その値は車種によって異なる。
延長部3d,3d,…は、図2に示すように、その開口部側端面30dの面取り角度を変更することにより形成されている。すなわち、内方突部3c,3c,…は、ジョイント角θが最大である場合に、内方突部3c,3c,…の先端面内側角部30e,30e,…に駆動軸6を当接させる角度に面取り角度が設定されている。これにより、外側継手部材3の開口端面3eと延長部3d,3d,…の開口部側端面30d,30d,…とのつくる挟角α1が従来における外側継手部材の開口端面(本実施の形態に示す開口端面3e)とその内方突部の開口部側端面30c,30c,…とのつくる挟角α2よりも小さい(α1<α2)角度となる。
なお、従来のものでは、最大ジョイント角を可能な限り大きくするため、駆動軸が最大限揺動した場合には、内方突部ではなく、第2ボール溝3b,3b,…の溝底の部分に駆動軸の外周面が当接するよう、挟角α2が大きく設定されていた。
これにより、常用角(例えばジョイント角θがθ=10°である場合)においてケージ5から外側継手部材3が荷重P(一部)を受ける際、ケージ5の両円環部5a,5a及び連結部5b,5b,…(図3に示す)が外側継手部材3の内方突部3c,3c,…に当接する(従来は開口側円環部5aの一部が当接しない)。これにより、外側継手部材3に対するケージ5の接触面積が従来と比べて大きくなる。
(トルク伝達ボール4,4,…の構成)
トルク伝達ボール4,4,…は、図2に示すように、等速自在継手1におけるジョイント角θの補角(180°−θ)を2等分する仮想面内に保持され、全体が鋼球によって形成されている。そして、トルク伝達ボール4,4,…は、第1ボール溝2c,2c,…及び第2ボール溝3b,3b,…内(溝底)を転動するように構成されている。
トルク伝達ボール4,4,…は、図2に示すように、等速自在継手1におけるジョイント角θの補角(180°−θ)を2等分する仮想面内に保持され、全体が鋼球によって形成されている。そして、トルク伝達ボール4,4,…は、第1ボール溝2c,2c,…及び第2ボール溝3b,3b,…内(溝底)を転動するように構成されている。
(ケージ5の構成)
図3はケージを示す。ケージ5は、図3に示すように、一対の円環部5a,5a、及び複数(実施の形態では6個)の連結部5b,5b,…を有し、内側継手部材2と外側継手部材3との間に配置され、全体が円環部材によって形成されている。ケージ5の内周面5c(図2に示す)は、内側継手部材2の外周面に適合する凹状の球面で形成されている。ケージ5の外周面5d(図2に示す)は、外側継手部材3の内周面(内方突部3c,3c,…の内周面)3aに適合する凸状の球面で形成されている。
図3はケージを示す。ケージ5は、図3に示すように、一対の円環部5a,5a、及び複数(実施の形態では6個)の連結部5b,5b,…を有し、内側継手部材2と外側継手部材3との間に配置され、全体が円環部材によって形成されている。ケージ5の内周面5c(図2に示す)は、内側継手部材2の外周面に適合する凹状の球面で形成されている。ケージ5の外周面5d(図2に示す)は、外側継手部材3の内周面(内方突部3c,3c,…の内周面)3aに適合する凸状の球面で形成されている。
一対の円環部5a,5aは、ケージ5の軸線O3方向に所定の間隔をもって互いに並列し、かつその幅方向寸法を軸線O3方向に略均一な寸法とする円環部材によって形成されている。
連結部5b,5b,…は、その中央部に位置する基部50b,50b,…、及びこれら基部50b,50b,…と円環部5a,5aとの間に介在する端部51b,51b,…、52b,52b,…によって形成されている。そして、連結部5b,5b,…は、一対の円環部5a,5aを連結してトルク伝達用ボール4,4,…を保持する複数のボール保持孔5e,5e,…を形成するように構成されている。
基部50b,50b,…は、ケージ5の軸線O3方向と平行な一対の長辺、及びこれら一対の長辺に隣接する一対の短辺を四辺とする平面略長方形状の部材によって形成されている。
端部51b,51b,…及び端部52b,52b,…は、基部50b,50b,…及び円環部5a,5aにそれぞれ隣接する大小2つの辺、及びこれら2辺をなだらかな曲線で結ぶ一対の2辺を四辺とする平面略台形状の部材によって形成されている。
(等速自在継手1の動作)
次に、本発明の第1の実施の形態に示す等速自在継手の動作につき、図4(a)及び(b)を用いて説明する。図4(a)及び(b)は常用角における外側継手部材とケージの開口部側との接触状態(図1のA部における接触状態)を示す。
次に、本発明の第1の実施の形態に示す等速自在継手の動作につき、図4(a)及び(b)を用いて説明する。図4(a)及び(b)は常用角における外側継手部材とケージの開口部側との接触状態(図1のA部における接触状態)を示す。
本実施の形態に示す等速自在継手1の動作は、従来の等速自在継手の動作と同様に、駆動軸6を回転させることにより行われる。この場合、駆動軸6が回転すると、内側継手部材2が回転駆動され、この回転トルクがトルク伝達用ボール4,4,…を介して外側継手部材3に伝達され、これに伴い外側継手部材3が従動軸7と共に回転する。ジョイント角がゼロ以外の場合はトルク伝達用ボール4,4,…が第1ボール溝2c,2c,…及び第2ボール溝3b,3b,…内を転動する。この際、ケージ5から外側継手部材3が荷重P(一部)を受ける。
この際、ジョイント角が常用角までであれば、ケージ5の円環部5a及び連結部5bが図4(a)に示すように外側継手部材3の内方突部3cに当接する。具体的には、円環部5a及び連結部5bの端部51bが延長部3dに、また連結部5bの基部50b及び端部51bが延長部3d以外の内方突部3cにそれぞれ当接する。これに対して、従来の等速自在継手においては、図4(b)に示すようにケージ5の連結部5bが外側継手部材3の内方突部3cに当接し、円環部5aは内方突部3cに当接しない。
このように、本実施の形態においては、ジョイント角が常用角以下の全ての領域で基部50bの剛性よりも高い剛性をもつ部位(端部51b及び円環部5a)が外側継手部材3の内方突部3cに当接するため、等速自在継手1自体の剛性を高めることができる。
また、本実施の形態においては、ケージ5から外側継手部材3が荷重を受ける際に外側継手部材3に対するケージ5の接触面積(図4(a)に示す斜線部分)が従来におけるケージ5の接触面積(図4(b)に示す斜線部分)と比べて大きくなるため、ケージ5に対する面圧を分散させることができる。
以上のように、本実施の形態では、常用角においてケージ5に対する面圧を分散させることができるとともに、等速自在継手1自体の剛性を高めることができるため、良好なケージ5の摺動性を得ることができ、振動の発生を抑制することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2実施の形態に係る等速自在継手につき、図5及び図6を用いて説明する。図5はボール型の等速自在継手を示す。図6は等速自在継手における外側継手部材の開口部分を示す。図5及び図6において、図1及び図2と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第2実施の形態に係る等速自在継手につき、図5及び図6を用いて説明する。図5はボール型の等速自在継手を示す。図6は等速自在継手における外側継手部材の開口部分を示す。図5及び図6において、図1及び図2と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本発明の第2実施の形態に係る等速自在継手51は、ジョイント角θが最大である場合に配置される複数のトルク伝達用ボール4,4,…のうち外側継手部材3の開口部側のトルク伝達用ボール4(2点鎖線で示す)の転動位置に対応する位置よりも複数の第2ボール溝3b,3b,…及び複数の内方突起3c,3c,…が軸線方向に延伸されている点に特徴がある。
このため、延長部3d,3dは、図6に示すように、その開口部側端面30d及び外側継手部材3の開口端面3eが従来における外側継手部材の開口端面30e及びその部位の開口部側端面30cよりも軸線O2方向に寸法Lをもって突出して形成されている。
これにより、常用角においてケージ5から外側継手部材3が荷重P(一部)を受ける際、ケージ5の円環部5a,5a及び連結部5b,5b,…が外側継手部材3の内方突起3c,3c,…に当接する(従来は開口側円環部5aの一部が当接しない)こととなる。
従って、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、ジョイント角が常用角以下の全ての領域で、ケージ5から外側継手部材3が荷重を受ける際に外側継手部材3に対するケージ5の接触面積が従来と比べて大きくなるため、ケージ5に対する面圧を分散させることができる。
また、本実施の形態においては、常用角で基部50bの剛性よりも高い剛性をもつ部位(端部51b)が外側継手部材3(延長部3d)に当接するため、等速自在継手51自体の剛性を高めることができる。
以上のように、本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、常用角においてケージ5に対する面圧を分散させることができるとともに、等速自在継手51自体の剛性を高めることができるため、良好なケージ5の摺動性を得ることができ、振動の発生を抑制することができる。
以上、本発明の等速自在継手を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
(1)上記実施の形態では、第1ボール溝2c,2cb,…及び第2ボール溝3b,3b,…の溝底を各深さが外側継手部材3の開口部から底部に向かって漸次小さくなる寸法に設定された曲面で形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば第1ボール溝及び第2ボール溝の溝底を軸線方向において互いに隣接する直線部及び円弧部からなる曲面で形成してもよい。
(2)上記実施の形態では、トルク伝達用ボール4,4,…等が6個である場合について説明したが、本発明におけるトルク伝達用ボール等の個数については特に限定されるものでないことは勿論である。
1…等速自在継手、2…内側継手部材、2a…ストレートスプライン嵌合部、2b…外周面、2c…第1ボール溝、3…外側継手部材、3a…開口内周面、3b…第2ボール溝、3c…内方突起、30c…開口部側端面、3d…延長部、30d…開口部側端面、30e…先端面内側角部、3e…開口端面、4…トルク伝達用ボール、5…ケージ、5a…円環部、5b…連結部、50b…基部、51b,52b…端部、5c…内周面、5d…外周面、5e…ボール保持孔、6…駆動軸、7…従動軸、O…ジョイントセンタ、O1,O2,O3…軸線、P…荷重、θ…ジョイント角、α1,α2…挟角
Claims (3)
- 軸線方向に延びる複数の第1ボール溝を有する内側継手部材と、
前記第1ボール溝を転動する複数のトルク伝達用ボールと、
軸線方向に互いに並列する一対の円環部、及び前記一対の円環部を連結して前記トルク伝達用ボールの保持孔を形成する連結部を有するボール保持部材と、
一端に開口部を有する椀型状をなし、その内面に軸線方向に延びるように形成された複数の第2ボール溝、及び前記複数の第2ボール溝の間に設けられ、ジョイント角が常用角の状態で、前記開口部側に位置する前記ボール保持部材の前記円環部にその内面が対向するように形成された複数の内方突起を有する外側継手部材と
を備えた等速自在継手。 - 前記外側継手部材は、ジョイント角が最大である場合に前記内方突部の先端面内側角部に前記内側継手部材に連結された駆動軸を当接させる角度に面取りの角度が設定されている請求項1に記載の等速自在継手。
- 前記外側継手部材は、ジョイント角が最大である場合に配置される前記複数のトルク伝達用ボールのうち前記開口部側のトルク伝達用ボールの転動位置に対応する位置よりも前記複数の第2ボール溝及び前記内方突起が軸線方向に延伸されている請求項1に記載の等速自在継手。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019515198A (ja) * | 2016-04-22 | 2019-06-06 | デーナ、オータモウティヴ、システィムズ、グループ、エルエルシー | プロペラシャフトのためのクロスグルーブ型等速ジョイント |
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Cited By (1)
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