JP2011007801A - 磁気センサ - Google Patents

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Hideki Sato
秀樹 佐藤
Masayoshi Omura
昌良 大村
Yukio Wakui
幸夫 涌井
Toshiyuki Ohashi
俊幸 大橋
Chihiro Osuga
千尋 大須賀
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Abstract

【課題】 1チップ内に作製できる構造の磁気センサを提供する。
【解決手段】 基板11に磁気センサ素子12e〜12h(12i〜12l)から配線に接続するビア部と、この配線から外部に出力を取り出すパッド部とを備えるとともに、基板11上に複数の突部15を連続して備え、複数の突部15は2つの連続する傾斜面15a,15bを有しており、同じ角度で傾斜する一方の傾斜面15a上に磁気センサ素子12eが形成されていて、傾斜面15a上に形成された複数の磁気センサ素子12e-2,12e-3は傾斜面15a上に形成されたリードおよびこのリードに連続する他方の傾斜面15b上に形成されたリード12e-6,12e-7により直列に接続されており、リードは配線を介してパッドに接続されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、磁界の変化を検出することができる磁気センサに係り、特に、複数の磁気センサ素子を1つの基板内に備えた磁気センサに関する。
従来から、磁気センサに使用される素子として、巨大磁気抵抗素子(GMR素子)や磁気トンネル効果素子(TMR素子)等が知られている。これらの磁気抵抗効果素子は、磁化の向きが所定の向きにピン(固定)されたピンド層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化するフリー層とを備えていて、ピンド層の磁化の向きとフリー層の磁化の向きの相対関係に応じた抵抗値を出力として示すものである。このような磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサとしては、例えば、特許文献1(特許第3498737号公報)や特許文献2(特開2002−299728号公報)にて提案されている。
特許文献1や特許文献2にて提案された磁気センサにおいては、直交する2方向(X軸方向およびY軸方向)の磁界の変化をそれぞれ検出するように、磁気抵抗効果素子をそれぞれ直交するように配置し、それぞれを数個づつの素子群としてブリッジ接続するようにして、それぞれの素子の出力(抵抗値の変化)を得ることにより、二次元平面での外部磁界を検出するようにしている。
ところで、二次元平面ではなく、空間での方位、すなわち、三次元的に方位が求められる必要のある場合がある。このような用途では、磁気の方位を三次元的(X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向)に精度良く求める必要がある。ところが、このような三次元的に方位を求めることが可能な三次元磁気センサを同一基板上に作製することができないため、現時点においては薄型の三次元磁気センサが得られていなかった。
特許第3498737号公報 特開2002−299728号公報
そこで、二つのチップを傾斜実装させた三軸磁気センサ(三次元磁気センサ)が提案されるようになった。この三軸磁気センサにおいては、図18(a)の上面図に示すように、パッケージ内に平面視で正方形状のAチップとBチップとからなる2個のチップが実装されている。そして、これら2個のチップは、図18(b)の側面図に示すように、水平面から角度θだけ傾斜して配置されてあり、AチップにはX軸センサ(a〜d)とY1軸センサ(e〜h)が作り込まれており、BチップにはY2軸センサ(i〜l)が作り込まれている。各センサは4つのGMR素子(a〜d,e〜h,i〜l)で構成されており、各GMR素子はチップの辺に沿って作られている。
この場合、図19(a)に示すように、GMR素子a〜dがブリッジ接続されることによりX軸センサが構成される。また、図19(b)に示すように、GMR素子e〜hがブリッジ接続されることによりY1軸センサが構成される。さらに、図19(c)に示すように、GMR素子i〜lがブリッジ接続されることによりY2軸センサが構成される。そして、X軸センサを構成するGMR素子a〜dの感度方向はX軸方向で、Y1軸センサを構成するGMR素子e〜hの感度方向はY1軸方向で、Y2軸センサを構成するGMR素子i〜lの感度方向はY2軸方向になるようになされている。
これにより、各センサを構成するGMR素子に、図18(a)の矢印方向に磁界が印加されると、その磁界強度に比例して抵抗値が減少する。一方、図18(a)の矢印方向とは反対方向に磁界が印加されると、その磁界強度に比例して抵抗値が増大する。ここで、各GMR素子を図19(a)(b)(c)に示すようにブリッジ接続して各センサを構成し、電源−グランド間に所定の電圧(例えば、3V)を印加すると、X軸センサからはSxが出力され、Y1軸センサからはSy1が出力され、Y2軸センサからはSy2が出力される。
そして、得られた出力に基づいて、X軸方向の磁界の成分Hxを下記の(1)式により求めることができる。同様に、Y軸方向の磁界の成分Hyを下記の(2)式により求めることができ、Z軸方向の磁界の成分Hzを下記の(3)式により求めることができる。
Hx=2kx×Sx・・・(1)
Hy=ky(Sy1−Sy2)/cosθ・・・(2)
Hz=kz(Sy1+Sy2)/sinθ・・・(3)
ただし、kx,ky,kzは比例定数で、各センサの感度が等しければ、kx=ky=kzとなる。
しかしながら、上述した三軸磁気センサにおいては、パッケージ内にAチップとBチップとからなる二個のチップを実装させる必要があるため、この種のセンサを製造するのが複雑で、手間もかかるという問題を生じた。また、特殊なパッケージを用いる必要があるため、この種のセンサが高価になるとともに、小型化するのが困難であるという問題も生じた。
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものであって、1チップ(1つの基板)内に簡単、容易に作製できる構造の磁気センサを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、複数の磁気センサ素子を1つの基板内に備えた磁気センサであって、基板に磁気センサ素子から配線に接続するビア部と、当該配線から外部に出力を取り出すパッド部とを備えるとともに、当該基板上に複数の突部を連続して備え、複数の突部は2つの連続する傾斜面を有しており、同じ角度で傾斜する一方の傾斜面上に磁気センサ素子が形成されていて、当該一方の傾斜面上に形成された複数の磁気センサ素子同士は当該一方の傾斜面上に形成されたリードおよび当該リードに連続する一方の傾斜面に対向する他方の傾斜面上に形成されたリードにより直列に接続されており、リードは配線を介してパッドに接続されていることを特徴とする。
これにより、正確な磁界を測定することができる。そして、1つの基板内に備えているので、別個のセンサを組み付けて形成された磁気センサのように角度ずれを生じることが防止できるようになるとともに、センサの大型化も防止することができ、小型の磁気センサを提供することが可能となる。この場合、基板に設けられた斜面上に形成するだけであるので、1つの基板内に簡単、容易に作製することができるようになる。
実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す概略構成図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面を示す断面図である。 三軸磁気センサに用いられる巨大磁気抵抗効果素子の概略構成を模式的に示す図であり、図2(a)は複数の巨大磁気抵抗効果素子(GMR)バーが接続されて1つのX軸センサ用の巨大磁気抵抗効果素子が構成された状態を示す平面図であり、図2(b)は、図2(a)のB−B’断面を模式的に示す断面図であり、図2(c)は、図2(b)の内部の積層状態を模式的に示す図である。 複数の巨大磁気抵抗効果素子(GMR)バーが接続されて、1つのY1軸センサ用の巨大磁気抵抗効果素子と1つのY2軸センサ用の巨大磁気抵抗効果素子が構成された状態を示す平面図であり、図3(a)はその平面図であり、図3(b)は、図3(a)のC部を斜め上方から見た状態を模式的に示す斜視図である。 図1の三軸磁気センサのピニング方向と感度方向を模式的に示す図であり、図4(a)は全体の平面を模式的に示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)のD部を拡大して模式的に示す斜視図であり、図4(c)は、図4(a)のE部を拡大して模式的に示す斜視図である。 ブリッジ結線を示すブロック図であり、図5(a)はX軸センサのブリッジ結線を示すブロック図であり、図5(b)はY1軸センサのブリッジ結線を示すブロック図であり、図5(c)はY2軸センサのブリッジ結線を示すブロック図である。 製造途中の実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す断面図である。 製造途中の実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す断面図である。 製造途中の実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す断面図である。 製造途中の実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す断面図である。 製造途中の実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す断面図である。 製造途中の実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す断面図である。 製造途中の実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す断面図である。 製造途中の実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す断面図である。 製造途中の実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す断面図である。 製造途中の実施例1の三軸磁気センサを模式的に示す断面図である。 規則化熱処理(ピニング処理)の状態を模式的に示す平面図である。 規則化熱処理(ピニング処理)において用いられヨークを示す図であり、図17(a)はヨークの一部の平面を模式的に示す平面図であり、図17(b)はヨークを用いて規則化熱処理(ピニング処理)を行う状態を模式的に示す断面図である。 従来例の磁気センサを模式的に示す概略構成図であり、図18(a)は平面図であり、図18(b)はその側面図である。 従来例の磁気センサのブリッジ接続を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態を図に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の目的を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
1.実施例1
実施例1の三軸磁気センサ10は、図1に示すように、平面視で互いに直交するX軸、及びY軸に沿った辺を有する正方形状であって、X軸及びY軸に直交するZ軸方向に小さな厚みを有する石英やシリコンからなる基板11を備えている。そして、この基板11の上に、それぞれ4個ずつのX軸GMR素子12a〜12d、Y1軸GMR素子12e〜12h(図1の後述するGMRバーを示す実線の部分)、Y2軸GMR素子12i〜12l(図1の後述するGMRバーを示す破線の部分)からなる合計で12個のGMR素子と、パッド部(配線から外部に出力を取り出す部分:図示せず)及びビア部(GMR素子から配線に接続する部分を指すが、このビア部は最終的には露出されない:図示せず)ならびに配線(図示せず)が作り込まれている。なお、基板11内には、LSIや配線層が作り込まれており、LSIが作り込まれた基板を用いたものにおいてはデジタル出力の磁気センサとなされており、配線層のみが作り込まれた基板を用いたものにおいてはアナログ出力の磁気センサとなされている。
ここで、X軸GMR素子は第1X軸GMR素子12aと、第2X軸GMR素子12bと、第3X軸GMR素子12cと、第4X軸GMR素子12dとにより構成されている。そして、基板11のX軸(この場合、図1(a)の左側端部をX軸の基準点とし、この基準点から図の右側へ向かう方向をX軸正方向とし、その反対側へ向かう方向をX軸負方向とする。以下においても同様である。)の右側端部近傍で、Y軸(この場合、図1(a)の下側端部をY軸の基準点とし、この基準点から図の上側へ向かう方向をY軸正方向とし、その反対側へ向かう方向をY軸負方向とする。以下においても同様である。)の略中央部(以下ではY軸中央部という)上方に第1X軸GMR素子12aが配置され、その下方に第2X軸GMR素子12bが配置されている。また、基板11のX軸の左側端部近傍で、Y軸中央部上方に第3X軸GMR素子12cが配置され、その下方に第4X軸GMR素子12dが配置されている。
また、Y1軸GMR素子は第1Y1軸GMR素子12eと、第2Y1軸GMR素子12fと、第3Y1軸GMR素子12gと、第4Y1軸GMR素子12hとにより構成されている。そして、基板11のY軸の上側端部近傍で、X軸中央部の左方に第1Y1軸GMR素子12eが配置され、その右方に第2Y1軸GMR素子12fが配置されている。また、基板11のY軸の下側端部近傍で、X軸中央部の左方に第3Y1軸GMR素子12gが配置され、その右方に第4Y1軸GMR素子12hが配置されている。
さらに、Y2軸GMR素子は第1Y2軸GMR素子12iと、第2Y2軸GMR素子12jと、第3Y2軸GMR素子12kと、第4Y2軸GMR素子12lとにより構成されている。そして、基板11のY軸の下側端部近傍で、X軸中央部の左方に第1Y2軸GMR素子12iが配置され、その右方に第2Y2軸GMR素子12jが配置されている。また、基板11のY軸の上側端部近傍で、X軸中央部の左方に第3Y2軸GMR素子12kが配置され、その右方に第4Y2軸GMR素子12lが配置されている。
ここで、各GMR素子12a〜12d、12e〜12h、12i〜12lは、互いに平行で帯状に隣接配置された偶数個(この場合は、例えば4個とするが、偶数個であれば何個でもよい)GMRバーを備えており、これらのGMRバーがマグネット膜(バイアス磁石膜)により直列接続され、これらの端部に端子部となるマグネット膜が接続されて形成されている。例えば、図2(なお、図2においては第1X軸GMR素子12aについてのみ示しているが、他のGMR素子においても同様の構成である)に示すように、4個のGMRバー12a−1,12a−2,12a−3,12a−4がマグネット膜12a−6,12a−7,12a−8により直列接続され、これらの端部に端子部となるマグネット膜12a−5,12a−9が接続されて形成されている。この場合、X軸GMR素子12a〜12dの各GMRバー(12a−1,12a−2,12a−3,12a−4等)は、基板11の表面と平行な平面上に形成されており、その長手方向がY軸に対して平行(X軸に直交する)になるように配列されている。
また、Y1軸GMR素子とY2軸GMR素子は、基板11の上に形成された断面形状が台形状の複数の突部(堤部)15の各斜面上に形成されているとともに、Y1軸GMR素子は突部(堤部)15の第1斜面15a上に形成されており、Y2軸GMR素子は突部(堤部)15の第2斜面15b上に形成されている。なお、各斜面15a,15bの傾斜角度は等しく、基板の平面に対してθ(30°<θ<60°)となるように形成されている。そして、図1(b),図3(b)に示すように、Y1軸GMR素子の各GMR素子(例えば、12e−2)とY2軸GMR素子の各GMR素子(例えば、12k−2)とが1つの突部15で互に背中合わせになるように配置されている。この場合、Y1軸GMR素子12e〜12hの各GMRバーおよびY2軸GMR素子12i〜12lの各GMRバーは、その長手方向がX軸に対して平行(Y軸と垂直)になるように配列されている。
ついで、GMRバーの構成について、第1X軸GMR素子12aのGMRバー12a−2を例にして、図2に基づいて説明する。なお、他のGMRバー12a−1,12a−3,12a−4についてはこれと等しいため、ここではGMRバー12a−2について説明する。また、他のX軸GMR素子12b,12c,12dおよびY1軸GMR素子12e,12f,12g,12hおよびY2軸GMR素子12i,12j,12k,12lのそれぞれのGMRバーの構成についてもこれと等しいので、その説明は省略する。
ここで、第1X軸GMR素子12aのGMRバー12a−2は、図2(a)のB−B’線に沿った平面にて切断した概略断面図である図2(b)に示したように、その長手方向がX軸に対して垂直(Y軸に対して平行)になるように配列されたスピンバルブ膜SVからなり、この両端部下方に形成されたCoCrPt等の硬質強磁性体であって、高保磁力を有する材質からなるマグネット膜(バイアス磁石膜;硬質強磁性体薄膜層)12a−6,12a−7とを備えている。スピンバルブ膜SVは、図2(c)に膜構成を示したように、基板11の上に順に積層されたフリー層(自由層、自由磁化層)F、膜厚が2.4nm(24Å)のCuからなる導電性のスペーサ層S、ピン層(固着層、固定磁化層)P、及び膜厚が2.5nm(25Å)のチタン(Ti)又はタンタル(Ta)からなるキャッピング層Cからなっている。
フリー層Fは、外部磁界の向きに応じて磁化の向きが変化する層であり、基板11の直上に形成された膜厚が8nm(80Å)のCoZrNbアモルファス磁性層12a−21と、CoZrNbアモルファス磁性層12a−21の上に形成された膜厚が3.3nm(33Å)のNiFe磁性層12a−22と、NiFe磁性層12a−22の上に形成された1〜3nm(10〜30Å)程度の膜厚のCoFe層12a−23とからなっている。CoZrNbアモルファス磁性層12a−21とNiFe磁性層12a−22は軟質強磁性体薄膜層を構成している。CoFe層12a−23はNiFe層12a−22のNi、及びスペーサ層SのCu12a−24の拡散を防止するために設けられている。
ピン層Pは、膜厚が2.2nm(22Å)のCoFe磁性層12a−25と、Ptを45〜55mol%含むPtMn合金から形成した膜厚が24nm(240Å)の反強磁性膜12a−26とを重ね合わせたものである。CoFe磁性層12a−25は、着磁(磁化)された反強磁性膜12a−26に交換結合的に裏打されることにより磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸正方向にピン(固着)されるピンド層を構成している。
なお、上述した第1X軸GMR素子12aのバイアス磁石膜12a−5,12a−6,12a−7,12a−8,12a−9は、フリー層Fの一軸異方性を維持するため、このフリー層Fに対して各GMRバーの長手方向に平行な方向(X軸に対して垂直方向)にバイアス磁界を与えている。そして、CoFe磁性層12a−25(他のGMRバー12a−1,12a−3,12a−4についても同様である)は、着磁(磁化)された反強磁性膜12a−26に交換結合的に裏打されることにより磁化(磁化ベクトル)の向きが、X軸正方向(図4(a)の矢印a1方向)にピン(固着)されるようにピンド層が形成されている。同様に、第2X軸GMR素子22は、各GMRバーの長手方向に平行な方向(X軸に対して垂直方向)にバイアス磁界を与えている。そして、磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸正方向(図4(a)の矢印b1方向)にピン(固着)されるようにピンド層が形成されている。
これにより、これらの第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bにおいては、磁界の感度方向は、各GMRバーの長手方向に対して垂直な方向、即ち、X軸正方向(図4(a)の矢印a1,b1方向)になり、図4(a)の矢印a1,b1方向に磁界が印加された場合に、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印a1,b1方向と反対方向に磁界が印加された場合に、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおいては、バイアス磁石膜は、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bと180°反対方向で各GMRバーの長手方向に平行な方向(X軸に対して垂直方向)にバイアス磁界を与えている。そして、磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸負方向(図4(a)の矢印c1,d1方向で、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bのピンド層の磁化の向きと180°反対の方向)にピン(固着)されるようにピンド層が形成されている。
これにより、磁界の感度方向は、各GMRバーの長手方向に対して垂直な方向、即ち、図4(a)の矢印c1,d1方向(第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bの感度方向と180°反対の方向)になり、図4(a)の矢印c1,d1方向に磁界が印加された場合に、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印c1,d1と反対方向に磁界が印加された場合に、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
また、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fにおいては、図4(b)に模式的に示すように、バイアス磁石膜(例えば、図4(b)に示す12e−6,12e−7,12e−8および12f−6,12f−7,12f−8など)は、各GMRバー(例えば、図4(b)に示す12e−2,12e−3および12f−2,12f−3など)の長手方向に平行な方向、即ち、突部(堤部)15の第1斜面(傾斜角度はθ)15aの平面上で、その長手方向がX軸に平行な方向(突部(堤部)15の稜線の走行方向)にバイアス磁界を与えている。そして、磁化(磁化ベクトル)の向きが突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸正方向かつZ軸負方向(図4(b)の実線矢印e1(f1)方向)にピン(固着)されるようにピンド層が形成されている。
そして、これらの各GMRバー(図4(b)に示す12e−2,12e−3および12f−2,12f−3など)がバイアス磁石膜(図4(b)に示す12e−6,12e−7,12e−8および12f−6,12f−7,12f−8など)で直列に接続されている。これにより、磁界の感度方向は、各GMRバーの長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸正方向かつZ軸負方向(図4(b)の実線矢印e1(f1)方向)になり、図4(a)の矢印e1(f1)方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印e1(f1)と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hにおいては、図4(c)に模式的に示すように、バイアス磁石膜(例えば、図4(c)に示す12g−6,12g−7,12g−8および12h−6,12h−7,12h−8など)は、各GMRバー(例えば、図4(c)に示す12g−2,12g−3および12h−2,12h−3など)の長手方向に平行な方向、即ち、突部(堤部)15の第1斜面(傾斜角度はθ)15aの平面上で、その長手方向がX軸に平行な方向(突部(堤部)15の稜線の走行方向)にバイアス磁界を与えている。そして、磁化(磁化ベクトル)の向きが突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸負方向かつZ軸負方向(図4(c)の実線矢印g1(h1)方向)にピン(固着)されるようにピンド層が形成されている。
そして、これらの各GMRバー(図4(c)に示す12g−2,12g−3および12h−2,12h−3など)がバイアス磁石膜(図4(c)に示す12g−6,12g−7,12g−8および12h−6,12h−7,12h−8など)で直列に接続されている。これにより、磁界の感度方向は、各GMRバーの長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸負方向かつZ軸負方向(図4(c)の実線矢印g1(h1)方向)になり、図4(a)の矢印g1(h1)方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印g1(h1)と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
また、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jにおいては、図4(c)に模式的に示すように、バイアス磁石膜(例えば、図4(c)に示す12i−6,12i−7,12i−8および12j−6,12j−7,12j−8など)は、各GMRバー(例えば、図4(c)に示す12i−2,12i−3および12j−2,12j−3など)の長手方向に平行な方向、即ち、突部(堤部)15の第2斜面(傾斜角度はθ)15bの平面上で、その長手方向がX軸に平行な方向(突部(堤部)15の稜線の走行方向)にバイアス磁界を与えている。そして、磁化(磁化ベクトル)の向きが突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸負方向かつZ軸正方向(図4(c)の破線矢印i1(j1)方向)にピン(固着)されるようにピンド層が形成されている。
そして、これらの各GMRバー(図4(c)に示す12i−2,12i−3および12j−2,12j−3など)がバイアス磁石膜(図4(c)に示す12i−6,12i−7,12i−8および12j−6,12j−7,12j−8など)で直列に接続されている。これにより、磁界の感度方向は、各GMRバーの長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸負方向かつZ軸正方向(図4(c)の破線矢印i1(j1)方向)になり、図4(a)の矢印i1(j1)方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印i1(j1)と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
一方、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lにおいては、図4(b)に模式的に示すように、バイアス磁石膜(例えば、図4(b)に示す12k−6,12k−7,12k−8および12l−6,12l−7,12l−8など)は、各GMRバー(例えば、図4(b)に示す12k−2,12k−3および12l−2,12l−3など)の長手方向に平行な方向、即ち、突部(堤部)15の第2斜面(傾斜角度はθ)15bの平面上で、その長手方向がX軸に平行な方向(突部(堤部)15の稜線の走行方向)にバイアス磁界を与えている。そして、磁化(磁化ベクトル)の向きが突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸正方向かつZ軸正方向(図4(b)の破線矢印k1(l1)方向)にピン(固着)されるようにピンド層が形成されている。
そして、これらの各GMRバー(図4(b)に示す12k−2,12k−3および12l−2,12l−3など)がバイアス磁石膜(図4(b)に示す12k−6,12k−7,12k−8および12l−6,12l−7,12l−8など)で直列に接続されている。これにより、磁界の感度方向は、各GMRバーの長手方向に対して垂直な方向で、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸正方向かつZ軸正方向(図4(b)の破線矢印k1(l1)方向)になり、図4(a)の矢印k1(l1)方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの抵抗値は磁界の大きさに比例して減少し、図4(a)の矢印k1(l1)と反対方向に成分を持つ磁界が印加された場合に、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lの抵抗値は磁界の大きさに比例して増大することとなる。
X軸磁気センサは、図5(a)(なお、図5(a)〜(c)において、各矢印は各GMR素子の固着層がy軸負方向にピンされたときの磁化の向きが上向きとなるように示している。)に等価回路を示したように、第1〜第4X軸GMR素子12a〜12dがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。このような構成において、パッド13aおよびパッド13bは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vxin+(本例では3V)と電位Vxin-(本例では0(V))が付与される。そして、パッド13cとパッド13dの電位がそれぞれ電位Vxout+と電位Vxout-として取り出され、その電位差(Vxout+ − Vxout-)がセンサ出力Vxoutとして取り出される。
Y1軸磁気センサは、図5(b)に等価回路を示したように、第1〜第4Y1軸GMR素子12e〜12hがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。そして、パッド13eよびパッド13fは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vy1in+(本例では3V)と電位Vy1in-(本例では0(V))が付与され、パッド13gとパッド13hの電位差がセンサ出力Vy1outとして取り出される。
Y2軸磁気センサは、図5(c)に等価回路を示したように、第1〜第4Y2軸GMR素子12i〜12lがフルブリッヂ接続されることにより構成されている。そして、パッド13iおよびパッド13jは定電圧源14の正極,負極に接続され、電位Vy2in+(本例では3V)と電位Vy2in-(本例では0(V))が付与され、パッド13kとパッド13lの電位差がセンサ出力Vy2outとして取り出される。
そして、得られた出力Vxout,Vy1outおよびVy2outに基づいて、X軸方向の磁界の成分Hxを下記の(4)式により求めることができる。同様に、Y軸方向の磁界の成分Hyを下記の(5)式により求めることができ、Z軸方向の磁界の成分Hzを下記の(6)式により求めることができる。なお、これらの演算はこの基板11に予め形成されたLSIにより行われることとなる。
Hx=2kx×Vxout・・・(4)
Hy=ky(Vy1out−Vy2out)/cosθ・・・(5)
Hz=kz(Vy1out+Vy2out)/sinθ・・・(6)
ただし、θは突部(堤部)15の各斜面15a,15bの傾斜角度であって、この場合のθは30°<θ<60°の関係を有する。また、kx,ky,kzは比例定数であって、各センサの感度が等しければ、kx=ky=kzとなる。
ついで、上述のような構成となる三軸磁気センサの製造方法について、図6〜図15の断面模式図に基づいて以下に説明する。なお、図6〜図15において、(a)はビア部を示し、(b)はパッド部を示し、(c)はY1軸GMR部およびY2軸GMR部を示している。この場合、上述したように、基板11としては、CMOSプロセスにより予めLSIが作り込まれた基板や、予め配線層のみが作り込まれた基板を用いることが望ましい。
この三軸磁気センサの製造方法では、図6に示すように、まず、配線層11aが形成された基板(石英基板またはシリコン基板)11の上に層間絶縁膜(SOG:Spin On Glass)11bを塗布することにより平坦化した。この後、図7に示すように、ビア部とパッド部の上の層間絶縁膜11bをエッチングで取り除き、開口部11c,11dを作製した。ついで、図8に示すように、これらの表面に、例えばSiO2膜からなる酸化膜(厚み:1500Å)11eと、例えばSi34膜からなる窒化膜(厚み:5000Å)11fとをプラズマCVDにより成膜した。ついで、これらの上にレジストを塗布した後、ビア部とパッド部に開口を形成するようなパターンにカットした。
ついで、ビア部上およびパッド部上の窒化膜11fをエッチングにより除去した後、レジストを除去した。これにより、図9に示すように、窒化膜11fにはビア部上およびパッド部上に開口部11g,11hが形成されるが、酸化膜11eはエッチングしきらずに残存させるようにした。この場合、開口部11g,11hの開口幅(径)は開口部11c,11dの開口幅(径)よりも小さくなるようにした。これは、開口部11c,11dで層間絶縁膜11bが露出して、水分が配線層やLSIに浸入するのを防止するためである。
この後、図10に示すように、これらの上に、例えばSiO2膜からなる上層酸化膜(厚み:5μm)11iをプラズマCVDにより成膜した。ついで、これらの上にレジストを塗布してレジスト膜(厚み:5μm)11jを形成した。そして、形成されたレジスト膜(厚み:5μm)11jにビア部とパッド部に開口を形成するためのパターンをカットするとともに、Y1軸GMR素子およびY2軸GMR素子の配列用の突部(堤部)15を形成するためのパターンをカットした。カット後、150℃の温度で10分間の熱処理を行って、図11に示すように、レジスト11jのカド部をテーパー状に形成(テーパ化)した。
この後、上層酸化膜(厚み:5μm)11iとレジスト膜(厚み:5μm)11jとがほぼ同じ比率でエッチングされ、かつエッチング後の上層酸化膜11iの最大厚み部で約5000Åの厚みが残るような条件でドライエッチングを行った。このとき、上層酸化膜11iのビア部およびパッド部での開口幅(径)が、窒化膜11fのビア部およびパッド部での開口幅(径)より大きくならないようにした。ドライエッチングを行った後、残存するレジストを除去した。これにより、図12に示すように、GMR部に上層酸化膜11iからなる突部(堤部)15が形成されることとなる。
ついで、これらの上にレジストを塗布して、このレジストをビア部に開口を形成するためのパターンにカットした後、エッチングを行った。この後、残存するレジストを除去することにより、図13に示すように、ビア部に開口11kを形成して、基板11の最上層の配線層11aを露出させた。ついで、スパッタリング法によって、TiまたはCr(膜厚は300μm)からなる下地膜を形成した。
ついで、CoCrPt等の材質からなる硬質強磁性体で高保磁力を有するバイアス磁石膜11m(後に、例えば、図2(a)に示す12a−5,12a−6,12a−7,12a−8,12a−9等になる)をスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などによって、下地膜の表面上に形成した。これらの下地膜およびバイアス磁石膜11mの上にレジストを塗布して、このレジストをバイアス磁石膜11mのパターンにカットした後、バイアス磁石膜11mと下地膜のエッチングを行った。この場合、突部(堤部)15の斜面部15a,15bでのエッチングを適切に行い、突部(堤部)15の断面形状を整えるために熱処理を行ってレジストをテーパ化してもよい。この後、残存するレジストを除去した。ついで、スパッタリング法によって、GMR素子をなすGMR多層膜11n(後に、12a〜12d,12e〜12h,12i〜12l等になる)をこれら下地膜およびバイアス磁石膜11mの表面上に形成した。
なお、GMR多層膜11nは、図2(c)に示したように、基板11の上に順に積層されたフリー層(自由層、自由磁化層)F、膜厚が2.4nm(24Å)のCuからなる導電性のスペーサ層S、ピン層(固着層、固定磁化層)P、及び膜厚が2.5nm(25Å)のチタン(Ti)又はタンタル(Ta)からなるキャッピング層Cからなっている。そして、フリー層Fは、基板11の直上に形成された膜厚が8nm(80Å)のCoZrNbアモルファス磁性層12a−21と、膜厚が3.3nm(33Å)のNiFe磁性層12a−22と、1〜3nm(10〜30Å)程度の膜厚のCoFe層12a−23とからなっている。CoZrNbアモルファス磁性層12a−21とNiFe磁性層12a−22は軟質強磁性体薄膜層を構成している。一方、ピン層Pは、膜厚が2.2nm(22Å)のCoFe磁性層12a−25と、膜厚が24nm(240Å)の反強磁性膜12a−26とを重ね合わせたものである。
ついで、得られた積層体の上に永久磁石アレー16を近接させて、後述するように規則化熱処理(ピニング処理)を行い、ピンド層Pの磁化の向きを固定させた。その後、GMR多層膜11nの表面上に、任意の厚さ、例えば平坦部で2μmの厚みとなるようにレジストを塗布し、このレジストの表面にマスクを配置して、焼き付け、現像処理を行って不必要なレジストを取り除き、後に得られるGMR多層膜11nと同じパターンを有するレジスト膜を形成する。その際、突部(堤部)15でのエッチングを適切に行い、突部(堤部)15の断面形状を整えるためにレジストをテーパー化する。この後、レジスト膜で保護されていない部分のGMR多層膜11nを、イオンミリングにより除去し、GMR多層膜11nを所定の形状(例えば、複数の狭幅の帯状体の形状)に形成した。その際、ビア部はGMR多層膜11nとバイアス磁石膜11mの双方が残るようにした。これはビア部の縁での断線を予防するためである。
次に、レジスト膜を除去し、これらの上に膜厚が10000Åの例えばSi34膜からなる窒化膜11oをプラズマCVDで成膜した後、これらの上にポリイミド膜11pを成膜して、保護膜を形成した。ついで、パッド部上のポリイミド膜11pをマスクとして、パッド部上の窒化膜11oをエッチングにより除去してパッド部を開口して、各パッドを形成するとともに、これらを接続する配線を形成し、最後に基板11を切断した。以上により、図1に示した実施例1の三軸磁気センサ10が作製される。
ここで、規則化熱処理(ピニング処理)は、図16(なお、図16においては永久棒磁石片を5個だけ図示している)に模式的に示すように、永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16を基板11上に配置し、これらを真空中で260℃〜290℃に加熱し、その状態で4時間ほど放置することにより行った。即ち、まず、隣接する永久棒磁石片の上端(下端)の極性が互いに異なるように格子状に配列された永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16を用意する。この後、基板11の中心部上で永久棒磁石片16a(下端部がN極となる)が配列され、基板11の外側で永久棒磁石片16aの上下左右の領域上に永久棒磁石片16b,16c,16e(下端部がS極となる)が配列されるように永久棒磁石アレー16を配置した。
これにより、基板11の中心部の上に配置された永久棒磁石片16aのN極から、このN極に隣接する永久棒磁石片16b,16c,16eのS極に向かう90°ずつ方向が異なる磁界(図16の点線矢印)が形成される。かかる磁界を利用して、真空中で260℃〜290℃に加熱し、その状態で4時間ほど放置することにより、固着層P(固着層Pのピンド層)の磁化の向きが固定されることとなる。この結果、図4に示したように、第1X軸GMR素子12aおよび第2X軸GMR素子12bにおいては、図4(a)のa1,b1方向にピンド層の磁化の向きが固定され、第3X軸GMR素子12cおよび第4X軸GMR素子12dにおいては、図4(a)のc1,d1方向にピンド層の磁化の向きが固定されることとなる。
一方、第1Y1軸GMR素子12eおよび第2Y1軸GMR素子12fにおいては、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸正方向、即ち、図4(b)の矢印e1(f1)方向にピンド層の磁化の向きが固定されることとなる。また、第3Y1軸GMR素子12gおよび第4Y1軸GMR素子12hにおいては、突部(堤部)15の第1斜面15aに沿うY軸負方向、即ち、図4(c)の矢印g1(h1)方向にピンド層の磁化の向きが固定されることとなる。さらに、第1Y2軸GMR素子12iおよび第2Y2軸GMR素子12jにおいては、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸負方向、即ち、図4(c)の矢印i1(j1)方向にピンド層の磁化の向きが固定されることとなる。また、第3Y2軸GMR素子12kおよび第4Y2軸GMR素子12lにおいては、突部(堤部)15の第2斜面15bに沿うY軸正方向、即ち、図4(b)の矢印k1(l1)方向にピンド層の磁化の向きが固定されることとなる。
なお、このような規則化熱処理(ピニング処理)において、突部(堤部)15の各斜面15a,15bに対して水平方向に強い磁界を付与することが望ましい。そこで、図17(a)に示すように、永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16の各永久棒磁石片16a,16b,16c,16eに対応する位置に窓17aが形成された鉄製のヨーク17を用いて、規則化熱処理を行うのが望ましい。この場合、図17(b)に示すように、上述のように各素子が形成された基板11の上に永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16を配置し、この基板11の下にヨーク17を配置して、これらを真空中で260℃〜290℃に加熱し、その状態で4時間ほど放置することにより行った。この場合、ヨーク17を基板11の下に配置するに際しては、永久棒磁石アレー(マグネットアレー)16の各永久棒磁石片16a,16b,16c,16eに対応する位置に窓17aが位置するように配置して行った。これにより、突部(堤部)15の各斜面15a,15bに対して水平方向に強い磁界を付与することができるようになる。
10…実施例1の三軸磁気センサ、11…基板、11a…配線層、11b…層間絶縁膜、11c,11d…開口部、11e…酸化膜(SiO2膜)、11f…窒化膜(Si34膜)、11g,11h…開口部、11i…上層酸化膜(SiO2膜)、11j…レジスト膜、11k…開口、11m…バイアス磁石膜、11n…GMR多層膜、11o…窒化膜(Si34膜)、11p…ポリイミド膜、15…突部(堤部)、12a〜12d…X軸GMR素子、12e〜12h…Y1軸GMR素子、12i〜12l…Y2軸GMR素子、15…突部、16…永久棒磁石アレー(マグネットアレー)、17…ヨーク、17a…窓、

Claims (5)

  1. 複数の磁気センサ素子を1つの基板内に備えた磁気センサであって、
    前記基板に前記磁気センサ素子から配線に接続するビア部と、当該配線から外部に出力を取り出すパッド部とを備えるとともに、当該基板上に複数の突部を連続して備え、
    前記複数の突部は2つの連続する傾斜面を有しており、同じ角度で傾斜する一方の傾斜面上に一つの軸のセンサを構成する磁気センサ素子が形成されていて、当該一方の傾斜面上に形成された複数の磁気センサ素子同士は当該一方の傾斜面上に形成されたリードおよび当該リードに連続する前記一方の傾斜面に対向する他方の傾斜面上に形成されたリードにより直列に接続されており、
    前記リードは前記配線を介して前記パッドに接続されていることを特徴とする磁気センサ。
  2. 同じ角度で傾斜する他方の傾斜面上に別の軸のセンサを構成する磁気センサ素子が形成されていて、当該他方の傾斜面上に形成された複数の磁気センサ素子同士は当該他方の傾斜面上に形成されたリードおよび当該リードに連続する前記他方の傾斜面に対向する前記一方の傾斜面上に形成されたリードにより直列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記センサ素子は前記基板の各辺に対して所定の角度になるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気センサ。
  4. 前記磁気センサ素子は複数の磁気センサ素子が平行に配置されて、隣接する磁気センサ素子がリードとなるバイアス磁石膜により直列に接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の磁気センサ。
  5. 前記突部には同じ角度で互いに逆方向に傾斜する第1傾斜面と第2傾斜面とが背中合わせになるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の磁気センサ。
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