JP2011005365A - 触媒分離方法、回収方法及び触媒再利用方法 - Google Patents

触媒分離方法、回収方法及び触媒再利用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水素化物中の白金族元素含有触媒含有量を100ppm以下に低減し、該触媒を良好に分離できる触媒分離方法を提供する。
【解決手段】白金族元素含有触媒の存在下におけるゴムラテックスの水素化反応により水素化物を調製する工程(I)、及び上記工程(I)で得られた反応混合物と該白金族元素の対イオンと酸化剤とを混合して酸化処理することにより該反応混合物中に含まれる不溶化した白金族元素含有触媒を再溶解させる工程(II)を含むことを特徴とする触媒分離方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、触媒分離方法、触媒及び水素化物の回収方法、並びに触媒再利用方法に関する。
ジエン系ゴムの改質手段として、白金族元素含有触媒の存在下で該ゴムの炭素−炭素二重結合を選択的に又は部分的に水素化する方法が知られており、例えば、天然ポリイソプレノイドの水素化反応が挙げられる(特許文献1等)。また、ゴムラテックスの水素化反応では、例えば、パラジウム触媒を用いたラテックスの水素化反応により水素化物が得られることも知られている。
しかしながら、水素化反応過程でパラジウム触媒が還元されて不溶化し、水素化物とパラジウム触媒の分離が困難であった。また従来法では調製した水素化物中に100ppm以上の白金族元素含有触媒が残留しているため、水素化反応後にラテックス状態の水素化物中に残留している白金族元素含有触媒を回収するために吸着剤を添加して回収操作を行うこと、ラテックス状態の水素化物を一旦凝固し、適当な有機溶媒に再溶解させ白金族元素含有触媒を濾過などにより除去し、再び有機溶媒を取り除くこと等、設備、処理コストの観点から不利な工程が必要であった。
特開2007−169385号公報
本発明は、前記課題を解決し、水素化物中の白金族元素含有触媒含有量を100ppm以下に低減し、該触媒を良好に分離できる触媒分離方法を提供することを目的とする。また、該方法を用いて触媒及び水素化物を回収する回収方法、該方法にて分離された触媒の再利用方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、白金族元素含有触媒(パラジウム含有化合物等)の存在下において、ゴムラテックスを水素化反応し、水素化物を製造する方法において、水素化反応により反応系中で還元され、不溶化した白金族元素(白金族元素含有触媒)に対し、反応溶液への溶解を促す対イオン及び酸化剤を添加し、酸化処理することにより、不溶化した白金族元素(白金族元素含有触媒)を反応溶液中に再溶解させ、水素化物と分離可能であることを見出した。また、分離した触媒を水素化反応に再利用できることも見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、白金族元素含有触媒の存在下におけるゴムラテックスの水素化反応により水素化物を調製する工程(I)、及び上記工程(I)で得られた反応混合物と該白金族元素の対イオンと酸化剤とを混合して酸化処理することにより該反応混合物中に含まれる不溶化した白金族元素含有触媒を再溶解させる工程(II)を含むことを特徴とする触媒分離方法に関する。
上記触媒分離方法において、上記白金族元素含有触媒がパラジウム含有化合物であることが好ましく、また、上記ゴムラテックスが天然ゴムラテックスであることが好ましい。
本発明は、上記触媒分離方法により得られた混合物から、再溶解させた白金族元素含有触媒及び水素化物を回収することを特徴とする回収方法に関する。
本発明はまた、上記触媒分離方法により得られた混合物から回収した再溶解させた白金族元素含有触媒をゴムラテックスの水素化反応に再利用することを特徴とする触媒再利用方法に関する。
本発明によれば、白金族元素含有触媒の存在下におけるゴムラテックスの水素化反応で生成した反応混合物と、該白金族元素の対イオンと、酸化剤とを混合して酸化処理することによって不溶化した白金族元素(白金族元素含有触媒)を再溶解できるため、白金族元素含有触媒を高度に分離、回収、再利用できる。また、これにより、水素化物(水素化ゴムラテックス)中の該触媒含有量も低減できる。従って、ラテックス凝固を行った後、適当な有機溶媒へ再溶解するといった工程を経ることなく、ラテックス状態の共役ジエン系重合体を直接的に水素化し、水素化物中の白金族元素含有触媒の含有率を100ppm以下とすることができ、また触媒の分離、回収、再利用も可能なプロセスが実現できる。
更に、水素化共役ジエン系重合体の製造において、水素化反応に用いた白金族元素含有触媒を、反応後のラテックス状態の水素化反応溶液から効率よく分離、回収でき、工業的に有利な水素化共役ジエン系重合体の製造プロセスを提供できる。
本発明の触媒分離方法は、工程(I)及び工程(II)が順次行われる。
先ず、白金族元素含有触媒の存在下におけるゴムラテックスの水素化反応により水素化物を調製する工程(I)が行われる。工程(I)により、ゴムラテックスの水素化物が得られるとともに、水素化反応より還元され、不溶化した白金族元素(白金族元素含有触媒)が生成する。
工程(I)に使用される白金族元素含有触媒は、白金族元素(白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム)を含有する水素化触媒である。白金族元素含有触媒としては、触媒活性や入手容易性の観点からパラジウム含有化合物、ロジウム含有化合物が好ましく、パラジウム含有化合物がより好ましい。本発明における水素化反応では、白金族元素含有触媒は溶液(水溶液等)の状態で使用され、担体への担持触媒として使用されるものではない。
パラジウム含有化合物としては特に限定されないが、例えば、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、へキサクロロパラジウム酸アンモニウムが好ましく、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、塩化パラジウムがより好ましく、塩化パラジウムが更に好ましい。
ロジウム含有化合物としては、例えば、塩化ロジウム、臭化ロジウム、ヨウ化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、蟻酸ロジウム、プロピオン酸ロジウムなどが挙げられる。
ゴムラテックスとしては、天然ゴムラテックス(NRラテックス)、イソプレンゴムラテックス(IRラテックス)、スチレンブタジエンゴムラテックス(SBRラテックス)、ブタジエンゴムラテックス(BRラテックス)、クロロプレンゴムラテックス(CRラテックス)、アクリロニトリルブタジエンゴムラテックス(NBRラテックス)、アクリロニトリルブタジエンスチレンラテックス(ANSラテックス)、アクリル酸エステル系ラテックス、メタクリル酸エステル系ラテックス、クロロスルホン化ポリエチレンラテックスなどが挙げられる。なかでも、触媒活性が低下しにくく、水素化反応が進行しやすいという点から、NRラテックスが好ましい。
NRラテックスとしては、従来から公知の天然ゴムラテックスを用いることができ、例えば天然のゴムの木から得られるフィールドラテックスのほかアンモニア処理ラテックス(例えばハイアンモニアラテックス)等を用いることができる。NRラテックスには、脱蛋白天然ゴムラテックスも含まれる。脱蛋白天然ゴムラテックスとしては、例えば、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス等のラテックスに蛋白分解酵素を添加して蛋白質を分解した後に界面活性剤によって繰り返し洗浄して精製したもの等を用いることができる。
工程(I)の水素化反応(水素付加反応)としては、例えば、白金族元素含有触媒の存在下で水素を加圧する等、一般的な方法を使用できる。
ゴムラテックスの水素付加反応を行う際の水素の圧力は、10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましく、1MPa以下が更に好ましい。10MPaを超えると、反応容器等、設備コストの観点から、実施が工業的に不利となる傾向がある。また該圧力は、0.1MPa以上が好ましい。0.1MPa未満であると、反応が進行しない、反応に時間がかかる傾向がある。
ゴムラテックスの水素付加反応を行う際の反応温度は、20℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、40℃以上が更に好ましい。20℃未満であると、反応が進行せず、、また水添率のバラつきが多い傾向がある。また、反応温度は、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。100℃を超えると、ゴムの分子量変化を引き起こす傾向がある。
次いで、工程(I)で得られた反応混合物(水素化物、不溶化した白金族元素等を含む)と、上記白金族元素の対イオンと、酸化剤とを混合して酸化処理することにより該反応混合物中に含まれる不溶化した白金族元素含有触媒を再溶解させる工程(II)が行われる。
水素化反応により不溶化し、析出した塩化パラジウム等の白金族元素含有触媒は水素化物の表面へ吸着して分離効率が悪いため、生成した反応混合物に酸化剤を添加しただけでは、分離した水素化物中に多量の白金族元素含有触媒が含まれることになる。このため、水素化物と白金族元素含有触媒とを高度に分離することは事実上不可能である。これに対して、本発明では、対イオン及び酸化剤の両成分が添加され、該対イオンとは金属イオンと静電相互作用するイオンで、上記白金族元素のカウンターアニオンである。従って、このカウンターアニオン及び酸化剤の両成分の酸化作用によって不溶化した白金族元素(白金族元素含有触媒)を酸化し、再溶解できるため、白金族元素含有触媒の溶液を生成させることが可能となる。このため、再溶解した触媒を高度に分離、回収、再利用することができる。また、これにより水素化物中の触媒含有量も低減できる。
一方、パラジウム等の白金族元素を担持した触媒を用いた水素化反応では、該反応により担体上の白金族元素が酸化されて反応溶液中にカチオン化して溶解してしまうため、溶解した白金族元素を回収、再利用する方法として、金属イオンと配位相互作用する分子性化合物である錯化剤を使用することが挙げられる。この方法では、錯化剤は溶解しているパラジウムイオン等の白金族元素イオンに配位する作用を有し、配位後に担体への再吸着を促進させる。従って、不溶化したパラジウム等の白金族元素を対イオン及び酸化剤の両成分で再溶解し、白金族元素イオンに変換することによって溶液状態の白金族元素含有触媒を分離、回収、再利用する本発明の方法とは、作用機能の面で全く異なる。
上記白金族元素の対イオンは、使用される触媒における白金族元素のカウンターアニオンであり、例えば、白金族元素含有触媒を構成する白金族元素のカウンターアニオンが挙げられる(塩化パラジウムなら、塩化物イオン)。上記対イオンとして具体的には、塩化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、硫酸イオン等が挙げられ、なかでも、塩化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオンが好ましく、塩化物イオンが更に好ましい。
上記対イオンを供給する化合物としては、塩酸、硝酸、酢酸、硫酸、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。なかでも、塩酸及びそのアルカリ金属塩、硝酸イオン、酢酸イオン及びそのアルカリ金属塩が好ましく、塩酸が更に好ましい。
対イオンの添加量は、使用した白金族元素1モルに対し、好ましくは1モル以上、より好ましくは2モル以上である。1モル未満であると、不溶化した白金族元素が水素化物中に残留してしまい、触媒含有量を低減できないおそれがある。該添加量は、好ましくは100モル以下、より好ましくは50モル以下である。100モルを超えると、触媒を再利用する際に触媒活性が低下する傾向がある。
酸化剤としては、過酸化物、ハロゲン化酸化物、過ハロゲン化物、過ホウ酸物、過炭酸物、過燐酸物、過硫酸物、過酢酸物等が使用できる。これら酸化剤は、単体又は塩として使用できる。塩として使用する場合、ナトリウム、カリウム、アンモニウムなどの1価の塩、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などの多価の塩を使用できる。具体例としては、過酸化水素、過酢酸、次亜塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、臭素酸カリウム、ヨウ素酸塩、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、パーオキシエステル化合物、アルキルパーオキサイド化合物、ブチルパーオキサイド化合物などが挙げられる。なかでも、触媒を再利用する際に触媒活性が低下しにくいという点から、過酸化水素が好ましい。
酸化剤の添加量は、使用した白金族元素1モルに対し、好ましくは1モル以上、より好ましくは2モル以上である。1モル未満であると、不溶化した白金族元素が水素化物中に残留してしまい、触媒含有量を低減できないおそれがある。該添加量は、好ましくは100モル以下、より好ましくは50モル以下である。100モルを超えると、触媒を再利用する際に触媒活性が低下する傾向がある。
上記反応混合物と対イオンと酸化剤とを混合して酸化処理し、反応混合物中に含まれる不溶化した白金族元素(白金族元素含有触媒)を再溶解させる方法としては、これらの成分を混合できる方法であれば特に限定されず、攪拌等の従来公知の方法を用いて実施できる。反応混合物、対イオン、酸化剤の混合順序(添加順序)は特に限定されず、任意の順序で混合してよく、例えば、(i)工程(I)で調製された反応混合物(水素化物、不溶化した白金族元素(白金族元素含有触媒)、溶解状態の触媒等を含む)と対イオンを供給する化合物とを混合した後に、更に酸化剤を添加、混合する方法、(ii)反応混合物と酸化剤とを混合した後に、更に対イオンを供給する化合物を添加、混合する方法、(iii)反応混合物、対イオンを供給する化合物及び酸化剤を同時に混合する方法等、いずれの方法でもよい。なかでも、対イオンを供給する化合物と酸化剤の添加量に対する反応効率が最も良いという点から、(i)が好ましい。
上記混合、酸化処理の温度は、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上である。20℃未満であると、反応が進行しにくく、水素化物中の触媒含有量を低減できない傾向がある。また、該温度は、好ましくは100℃以下、より好ましくは50℃以下である。100℃を超えると、水素化物中の触媒含有量を低減できない傾向及びゴムの分子量変化を引き起こす傾向がある。
上記の工程(II)により、不溶化した白金族元素(白金族元素含有触媒)が再溶解されるため、白金族元素含有触媒の溶液と、不溶化した白金族元素含有触媒の含有量が低減されている水素化物と分離される。
次に、工程(II)により再溶解させた白金族元素含有触媒と水素化物とを分離する工程(III)が行われる。工程(III)において、再溶解し、溶解状態にある白金族元素含有触媒(水溶液等)と、水素化物(工程(II)により、不溶化した白金族元素含有触媒の含有量が低減されている)とが分離される。
分離された水素化物の水素添加率は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。50モル%以上とすることで通常のNRと異なる物性が好適に発現する。
分離された水素化物中の白金族元素含有触媒の含有量は、好ましくは100ppm以下、より好ましくは70ppm以下、更に好ましくは50ppm以下である。100ppm以下に調整することで白金族元素含有触媒を好適に再利用できる。なお、水素化物の水素化率は、水素化反応の条件(触媒濃度、ラテックス濃度、反応時間、反応温度)により任意に制御可能である。
本発明の触媒及び水素化物の回収方法は、前述の触媒分離方法により得られた混合物から、再溶解させた白金族元素含有触媒及び水素化物を回収する方法である。回収方法としては、例えば、工程(II)で得られた白金族元素含有触媒の溶液及び水素化物を含む混合物に、撹拌しながらメタノールなどを少量ずつ添加することによって水素化物を凝固させ、固体ゴムを析出させて回収する方法、該混合物に遠心分離を施すことにより、ラテックス溶液(水素化物溶液)と白金族元素含有触媒が溶解した溶液(水溶液等)とを分離し、それぞれを回収する方法、活性炭等に吸着させ、回収する方法等が挙げられる。これらの方法により、白金族元素含有触媒の溶液及び水素化物を好適に回収できる。
本発明の触媒再利用方法は、上記触媒分離方法により得られた混合物から回収した再溶解させた白金族元素含有触媒をゴムラテックスの水素化反応に再利用する方法である。即ち、上記回収方法により回収した白金族元素含有触媒の溶液を水素化反応に再利用しても、好適に反応を進行させることができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴムラテックス:SRIハイブリッド(株)製のSELATEX1101(イオン交換水で6質量%に希釈したものを使用)
界面活性剤:エマルゲン709(花王ケミカル製)
塩化パラジウム(II):ナカライテスク(株)の特級試薬
水酸化ナトリウム:和光純薬工業(株)の特級試薬
塩酸:米山薬品工業(株)
過酸化水素水:三徳化学工業(株)の特級試薬
実施例1 触媒の分離方法
(試薬の調製)
6質量%天然ゴムラテックス1000mlに触媒水溶液として調製した1質量%塩化パラジウム水溶液340mlを撹拌しながら添加し、1質量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整した混合溶液を調製した。
(水素化反応)
得られた混合溶液を300rpmで撹拌しながら一旦窒素雰囲気下とし、窒素を水素に置換した後に水素圧7.0MPa、反応温度70℃、撹拌速度300rpmで水素化反応を行った。水素の吸収がなくなり、水素圧が定常状態になった5時間で反応を停止した。反応溶液を室温に戻し、水素化反応混合溶液を得た。
(パラジウム分離−1)
得られた水素化反応混合溶液に6N塩酸をpHが1になるように添加し、反応温度40℃、撹拌速度300rpmを維持しながら、少量ずつ30質量%過酸化水素水を滴下した。反応容器の壁に付着した固形分を適宜反応溶液に落とし込みながら、パラジウムを再溶解させ、濃いオレンジ色を呈し定常状態となった後、反応を停止した。
実施例2 水素化物の回収方法
(水素化物回収)
実施例1でパラジウム分離操作を行った反応溶液に、少量ずつメタノールを添加して水素化物を凝固させて取り出し、イオン交換水を加えて上清が無色になるまで水洗した。メタノールで軽く洗浄し、水素化物を得た。
実施例3 水素化物及びパラジウムの回収方法
(水素化物及び触媒回収)
遠心分離により、実施例1のパラジウム分離操作により得られたラテックス溶液からパラジウムが溶解した溶液を取り除くことにより水素化物が得られた。また、取り除いたパラジウムが溶解した溶液を回収した。
実施例4 パラジウムの回収方法
(パラジウム回収)
実施例3により得られたパラジウムが溶解した溶液(水素化物を取り除いた反応溶液)に活性炭を加え、溶液の色が無色の定常状態になるまで撹拌を行い、活性炭にパラジウムを吸着させた。
実施例5 パラジウムの再利用方法
(パラジウム再利用)
実施例3により得られたパラジウムが溶解した溶液(水素化物を取り除いた反応溶液)を用いて、6質量%に希釈した天然ゴムラテックス及び界面活性剤を添加し、実施例1と同一の水素化反応条件を用いて水素化反応を行ったところ、同様に水素化物が得られた。
比較例1
上記パラジウム分離−1の操作を下記パラジウム分離−2の操作に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(パラジウム分離−2)
得られた水素化反応混合溶液を反応温度40℃、撹拌速度300rpmを維持しながら、少量ずつ30質量%過酸化水素水を滴下した。24時間経過しても、水素化物は黒色のまま変化せず、パラジウムは分離されなかった。
(試験方法及び結果)
H−NMRにより再利用溶液を用いて得られた水素化物の水素添加化率を分析したところ、一回目使用の水素化物は97.3モル%、二回目使用の水素化反応物は96.1モル%、三回目使用の水素化物は97.0モル%であった。
ICP分析により再利用溶液用いて得られた水素化物に含まれるパラジウム濃度を分析したところ、一回目使用の水素化物は33.6ppm、二回目使用の水素化反応物は43.7ppm、三回目使用の水素化物は29.5ppmであった。
このように、上記実施例では、水素化物、パラジウム溶液を好適に分離、回収が可能であった。また、分離したパラジウム溶液を再利用してゴムラテックスの水素化反応を行っても、パラジウム含有量が少ない水素化物が得られるとともに、水素化物において所望の水素化率も得られた。一方、塩酸を添加することなく、過酸化水素水のみを添加した比較例1ではパラジウムを分離できなかった。

Claims (5)

  1. 白金族元素含有触媒の存在下におけるゴムラテックスの水素化反応により水素化物を調製する工程(I)、及び
    前記工程(I)で得られた反応混合物と該白金族元素の対イオンと酸化剤とを混合して酸化処理することにより該反応混合物中に含まれる不溶化した白金族元素含有触媒を再溶解させる工程(II)を含む
    ことを特徴とする触媒分離方法。
  2. 白金族元素含有触媒がパラジウム含有化合物である請求項1記載の触媒分離方法。
  3. ゴムラテックスが天然ゴムラテックスである請求項1又は2記載の触媒分離方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の触媒分離方法により得られた混合物から、再溶解させた白金族元素含有触媒及び水素化物を回収することを特徴とする回収方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の触媒分離方法により得られた混合物から回収した再溶解させた白金族元素含有触媒をゴムラテックスの水素化反応に再利用することを特徴とする触媒再利用方法。
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