JP2011003254A - 記録再生装置、温度特性補償演算係数の計算方法、再生装置 - Google Patents

記録再生装置、温度特性補償演算係数の計算方法、再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】球面収差補正値、フォーカスバイアス、チルトなど調整項目であって温度に依存してその最適点が変化する特性変化温度依存調整値についての温度補償を行う場合において、光学ピックアップの個体ごとや経時的に変化する温度−最適値特性のバラツキを吸収して最適な温度補償を実現する。
【解決手段】実測評価値に基づくスタートアップ動作時の最適点の調整動作を行うと共に、スピンダウン時にも実測評価値に基づく最適点の探索を行う。また、スタートアップ動作時、スピンダウン時で共にそのときの温度を測定する。その上で、スタートアップ動作時の最適点と温度の情報と、スピンダウン時の最適点と温度の情報とに基づき、温度特性補償演算係数を計算する。これにより、光学ピックアップの個体ごとや経時に伴い変化する温度−最適値特性に関して、実際の、その個体及びその時点での温度−最適値特性を反映した傾きを表す温度特性補償演算係数を得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、光ディスク記録媒体に対してレーザ光照射による記録再生を行う記録再生装置として、特に、球面収差、フォーカスバイアス、チルトなど上記レーザ光に関する調整項目であって温度に依存してその最適点が変化する特性変化温度依存調整項目について調整を行う調整部を備える記録再生装置に関する。また、上記調整部の調整値についての温度特性補償演算係数の計算方法に関する。さらには、光ディスク記録媒体についての再生を行うと共に上記調整部を備える再生装置に関する。
特開2002−352449 特開平10−269611 特開2000−285484 特開平9−251645
デジタルデータを記録・再生するための技術として、例えばCD(Compact Disc),MD(Mini-Disc),DVD(Digital Versatile Disc)などの、光ディスク記録媒体(以下、単に光ディスクとも称する)を記録メディアに用いたデータ記録技術がある。光ディスクとは、金属薄板をプラスチックで保護した円盤にレーザ光を照射し、その反射光の変化で信号を読み取る記録メディアの総称である。
光ディスクには、例えばCD−ROM、DVD−ROMなどとして知られているように再生専用タイプのものと、MD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどで知られているようにユーザーデータが記録可能なタイプがある。記録可能タイプのものは、光磁気記録方式、相変化記録方式、色素膜変化記録方式などが用いられることで、データが記録可能とされる。色素膜変化記録方式はライトワンス記録方式とも呼ばれ、一度だけデータ記録が可能で書換不能であるため、データ保存用途などに好適とされる。一方、光磁気記録方式や相変化記録方式は、データの書換が可能であり、音楽、映像、ゲーム、アプリケーションプログラム等の各種コンテンツデータの記録を始めとして各種用途に利用される。
更に近年では、Blu-ray Disc(登録商標、以下、BDとも表記)と呼ばれる高密度光ディスクの普及が進んでおり、著しい大容量化が図られている。
BDのような高密度ディスクについては、ディスク厚み方向に0.1mm程度のカバー層を有するディスク構造において、波長405nm程度のいわゆる青紫色レーザとNA(Numerical Aperture)が0.85程度の対物レンズの組み合わせという条件下で、データを再生(記録)するものとしている。
ところで公知のとおり、光ディスクに対する記録再生を行う記録再生装置では、レーザ光の焦点位置をディスク記録面に制御するフォーカスサーボ動作や、レーザ光がディスク上のトラック(ピット列やグルーブ(溝)によるトラック)をトレースするように制御するトラッキングサーボ動作が行われる。
フォーカスサーボに関しては、フォーカスループに適正なフォーカスバイアスを加えることが適正なサーボ動作のために必要であることが知られている。
また特に高密度ディスクの場合、カバー層の厚み誤差や、多層構造の記録層に対応するべく球面収差補正を行うことが必要とされ、例えば光ピックアップ内にエキスパンダや液晶素子を用いた球面収差補正機構を備えたものが開発されており、例えば上記特許文献1,2に開示されている。
特にBDのような高NAのレンズを備える記録再生装置においては、フォーカスバイアス、球面収差のマージンが狭いため、それらの調整が必須とされる。
フォーカスバイアス調整の手法については、例えば上記特許文献3が知られている。
また球面収差調整の手法については、例えば上記特許文献4が知られている。
また、光ディスクの記録再生装置としては、コマ収差の抑制を図るべく、チルト(Tilt)補正を行うようにされたものもある。チルト補正の具体的な手法としては、例えば光ディスクの傾きを調整する手法や、光路中に挿入した液晶素子により収差補正を行う手法などが知られている。
ここで、上記に挙げたフォーカスバイアス、球面収差、チルトなどの光学的な調整値に関する具体的な調整手法としては、調整値を或る範囲内で変化させながら信号の読み出しを行い、各調整値の設定下で書き込まれたそれぞれの信号についての評価値を得た上で、その結果に基づき最適な調整値を決定することで行われる。
このように実測した評価値に基づいて最適な調整値を求めるようにすることで、光学ピックアップや光ディスクの個体ごとのバラツキ、さらには経時的な特性の変化を吸収することができる。
上記のような実測評価値に基づく各種の調整値の調整動作は、例えば図18に示されるようにして、光ディスクが装填されたタイミングなどに応じて実行される。いわゆるスタートアップ動作である。
記録/再生動作は、当該スタートアップ動作によりフォーカスバイアス、球面収差、チルトなどの調整値が最適とされる値に調整された上で実行されるものとなる。
なお、スタートアップ動作の開始前には、当該スタートアップ動作を行うための初期調整値の設定(スタートアップ初期調整値の設定)が行われるものとなるが、この点については後述する。
ところで、フォーカスバイアス、球面収差、チルトなどの調整値は、温度変化に依存してその最適点が変化することが知られている。すなわち、温度変化が生じることによっては対物レンズなどの光学部品の特性変化を招き、それに伴って最適点の変化が生じる。或いは、温度変化に伴うレーザ光の波長変化によっても最適点の変化が生じる。
このように温度に依存して最適点が変化する調整値については、「特性変化温度依存調整値」と称する。
図19は、特性変化温度依存調整値の温度変化に対する最適点の変化特性について説明するための図である。
なおこの図19では特性変化温度依存調整値の一例として、球面収差補正値(SAとも表記する)を挙げる。
図19において、黒色実線で示す「出荷時 個体A特性」は、出荷時における個体Aとしての光学ピックアップの温度変化に対する最適SAの変化特性(温度−最適SA特性とする)を表し、黒色破線で示す「出荷時 個体B特性」は出荷時における個体Bとしての光学ピックアップの温度−最適SA特性を表している。
また、黒色一点鎖線で示す「出荷時 平均特性」は、出荷時における複数の光学ピックアップの平均的な温度−最適SA特性を表す。
また、灰色実線で示す「経時変化した個体A特性」は出荷時から所定時間が経過した後の個体Aの温度−最適SA特性を表し、灰色破線で示す「経時変化した個体B特性」は同様に出荷時から所定時間が経過した後の個体Bの温度−最適SA特性を表している。
この図19に示されるように、温度変化に対する最適SAの変化特性(温度−最適SA特性)は、直線近似することができる。
また、図示するように温度−最適SA特性は光学ピックアップの個体ごとに差があるのが通常であり、また、同一個体であっても、経時変化が生じるものとなる。
また、各個体(図中では個体Aと個体B)の特性は、出荷時、経時変化後で共に、平均特性とは差がある(直線の傾き、オフセット共に)のが通常である。すなわち、個体ごとのバラツキが比較的大となっている。
また、図19では示されていないが、温度−最適SA特性は、光ディスクの個体の別によっても変化することになる。
上記のような温度に対する最適点の変化は、図18に示したようなスタートアップ動作時の調整動作が行われることで補償することはできるが、問題であるのは、スタートアップ動作の開始前における初期調整値の設定である。
スタートアップ動作の開始前における初期調整値の具体的な設定手法としては、例えば図19に示すような個体ごとの温度−最適値特性(直線)の測定を予め行っておき、スタートアップ動作の開始時にて、当該直線の情報と実測温度の情報とに基づき初期調整値を設定するという手法を挙げることができる。
具体的にこの場合は、例えば製品出荷前の段階で、個体ごとに少なくとも2点の温度下で最適値の探索を行い、それにより求まった2つの温度・最適値の組(つまり図19における直線上の2点)から個体ごとの温度−最適値特性の直線の情報を得る。これら直線の情報を記録再生装置に記憶させておき、これに対応して記録再生装置では、スタートアップ動作の開始時に上記直線の情報と実測温度とに基づいて最適な調整値の計算・設定を行う。
このような手法とすることで、スタートアップ動作の開始時における温度補償状態として、その光学ピックアップの個体に応じた最適な補償状態を得ることができる。
しかしながら、この手法を採る場合には、製品出荷の段階で個体ごとに温度を変えて測定を行うという非常に手間のかかる作業を強いられるものとなり、該手法を実際に実現することは非常に困難となる。また仮に実現するとしても、人件費の増加などによって製品の大幅なコストアップが強いられる。
一方、このように個体ごとに実測した直線情報を用いて初期調整値を設定する手法の対極にあたる手法として、スタートアップ動作開始時の初期調整値を個体ごとに共通な固定値とする手法も存在する。
しかしながら、このように初期調整値を固定値とする手法では、温度に対する補償を行うことができなくなってしまう。
また、固定値である故に、あらゆる温度、個体、光ディスクの組み合わせにも対応可能とするために、相当に広いマージン設計を強いられることになる。つまり、この場合の初期調整値の導出のためには各種バラツキ要素の見積もりを非常に高い精度で行わなければならないことになる。
また、相当に広いマージンをとる必要があるため、或る個体では過補償状態になり、他の個体では逆に補償不足状態になる等、個々の記録再生装置として見れば、最適な補償状態を得ることができないという虞もある。
また、上記2つの手法の中間的な手法として、平均的な温度−最適値特性としての直線情報を記録再生装置に持たせておくという手法を採ることもできる。
具体的には、例えば光学ピックアップのデータシートなどから複数個体の平均特性(直線)を計算により求めておき、当該平均特性としての直線情報を個々の記録再生装置に記憶させておく。この場合の記録再生装置では、スタートアップ動作の開始時において、温度測定を行い、上記直線情報と測定したスタートアップ開始時の温度情報とに基づいてスタートアップ初期調整値を計算・設定する。
図20は、このような平均特性を用いる手法のイメージ図を示している。なおこの図においても調整値はSAとしている。
図中では「出荷時 平均特性」(黒色一点鎖線)が上記のようにデータシートなどに基づいて設計的に求めた平均特性に相当する。また図20では当該平均特性との比較として、図19に示した「経時変化した個体A特性」(灰色実線)も併せて示している。
図中の白丸印が、上記平均特性としての直線情報とスタートアップ開始時の測定温度とに基づき計算・設定されるスタートアップ初期SAの値を表している。
また図21は、スタートアップ動作時の最適調整値(この場合もSAとしている)への調整動作のイメージを示している。
この図21では、図20に示した平均特性(黒色一点鎖線)と、該平均特性に基づき設定したスタートアップ開始時の初期SA(白丸印)と、経時変化した個体A特性(灰色実線)とを示すと共に、さらにディスクごとのバラツキも含めた経時変化した個体A特性(黒色太実線)と、スタートアップ動作時の最適SA調整動作によって求まった最適SA(黒丸印)とを示している。
上記により説明した「平均特性」(設計的に求めた直線情報)を用いる手法によれば、製品出荷段階での個体ごとの測定の手間を省くことができる。
また、上記手法によれば、温度を考慮して初期調整値の設定を行うことができるので、上述した共通の固定値を用いる手法と比較すればより適正な初期調整値を設定することができる。
しかしながら、当該手法としても、先の固定値を用いる手法と同様に、個体ごとや光ディスクごとといった各種のバラツキをカバーするマージンをとる必要があり、従って該手法によっても個々の記録再生装置にとって最適な補償状態を得ることができない虞がある。具体的に、例えば経時変化により温度特性が悪化した状態を想定し、比較的大きな傾きによる直線情報を設定した場合(例えば図21における個体A特性の傾きに一致させるなど)には、或る個体(例えば図19における個体Bなど)では出荷時に過補償状態となってしまうといった問題が生じ得る。また、その逆の状況も生じ得るものであり、結果として、個々の記録再生装置にとって最適な補償状態とすることが困難となる。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、記録再生装置として以下のように構成することとした。
つまり、本発明の記録再生装置は、光ディスク記録媒体を回転駆動する回転駆動部と、データの書込・読出のために上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光照射及び反射光検出を行うように構成された光学ピックアップ部とを備える。
また、上記レーザ光に関する調整項目であって温度に依存してその最適点が変化する特性変化温度依存調整項目についての調整を行う調整部を備える。
また、上記光学ピックアップ部の温度検出を行うように設けられた温度検出部を備える。
また、上記光学ピックアップ部にて得られた反射光情報に基づき、再生信号品質の指標となる評価値を生成する評価値生成部を備える。
また、以下の各処理を実行する制御部を備える。
すなわち上記制御部は、上記光ディスク記録媒体の装填後においてデータ再生を可能とするための準備動作として行われるスタートアップ動作時に対応して、上記温度検出部による検出温度をスタートアップ動作時温度情報として取得するスタートアップ時温度取得処理を実行する。
また、上記スタートアップ動作時において、上記調整部に設定する調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索し該最適点としての調整値が上記調整部に設定されるように制御を行うスタートアップ動作時最適点調整処理を実行する。
また、上記スタートアップ動作の完了後、上記回転駆動部による上記光ディスク記録媒体の回転駆動を停止させるべきとして予め定められた所定条件が成立したことに応じて、上記温度検出部による検出温度をスピンダウン時温度情報として取得するスピンダウン時温度取得処理を実行する。
また、上記所定条件が成立したことに応じて、上記調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索するスピンダウン時最適点探索処理を実行する。
さらに、上記スタートアップ動作時温度情報及び上記スタートアップ動作時最適点調整処理により求まったスタートアップ動作時最適点の情報と、上記スピンダウン時温度情報及び上記スピンダウン時最適点探索処理により求まったスピンダウン時最適点の情報とに基づき、上記調整値についての温度補償を行うための温度特性補償演算係数を計算する温度特性補償演算係数計算処理を実行するものである。
また、本発明では再生装置として以下のように構成することとした。
つまり、本発明の再生装置は、光ディスク記録媒体を回転駆動する回転駆動部と、データの読出のために上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光照射及び反射光検出を行うように構成された光学ピックアップ部とを備える。
また、上記レーザ光に関する調整項目であって温度に依存してその最適点が変化する特性変化温度依存調整項目についての調整を行う調整部を備える。
また、上記光学ピックアップ部の温度検出を行うように設けられた温度検出部を備える。
また、上記光学ピックアップ部にて得られた反射光情報に基づき、再生信号品質の指標となる評価値を生成する評価値生成部を備える。
また、以下の各処理を実行する制御部を備える。
すなわち上記制御部は、上記光ディスク記録媒体の装填後においてデータ再生を可能とするための準備動作として行われるスタートアップ動作時に対応して、上記温度検出部による検出温度をスタートアップ動作時温度情報として取得するスタートアップ時温度取得処理を実行する。
また、上記スタートアップ動作時において、上記調整部に設定する調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索し該最適点としての調整値が上記調整部に設定されるように制御を行うスタートアップ動作時最適点調整処理を実行する。
また、上記スタートアップ動作の完了後、上記回転駆動部による上記光ディスク記録媒体の回転駆動を停止させるべきとして予め定められた所定条件が成立したことに応じて、上記温度検出部による検出温度をスピンダウン時温度情報として取得するスピンダウン時温度取得処理を実行する。
また、上記所定条件が成立したことに応じて、上記調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索するスピンダウン時最適点探索処理を実行する。
さらに、上記スタートアップ動作時温度情報及び上記スタートアップ動作時最適点調整処理により求まったスタートアップ動作時最適点の情報と、上記スピンダウン時温度情報及び上記スピンダウン時最適点探索処理により求まったスピンダウン時最適点の情報とに基づき、上記調整値についての温度補償を行うための温度特性補償演算係数を計算する温度特性補償演算係数計算処理を実行するものである。
上記のようにして本発明では、例えば球面収差やフォーカスバイアス、チルトなどの特性変化温度依存調整値に関して、実測評価値に基づくスタートアップ動作時の最適点の調整動作(最適点の探索・設定)を行うと共に、スピンダウン時にも実測評価値に基づく最適点の探索を行うものとしている。またこれと共に、スタートアップ動作時、スピンダウン時で共にそのときの温度を測定するものとしている。その上で、スタートアップ動作時の最適点と温度の情報と、スピンダウン時の最適点と温度の情報とに基づき、温度特性補償演算係数を計算するものとしている。すなわち、温度−最適値特性の近似直線上における2点を取得し、該2点から温度特性補償演算係数(直線の傾き)を計算しているものである。
このような本発明によれば、光学ピックアップの個体ごとや経時に伴い変化する温度−最適値特性に関して、実際の(その個体及びその時点での)温度−最適値特性を反映した傾きを表す温度特性補償演算係数を得ることができる。従って、このように計算された温度特性補償演算係数をスタートアップ開始時の初期調整値の計算に用いることで、光学ピックアップ個体ごとの特性バラツキや経時的な特性変化にも対応してより正確な初期調整値の設定を行うことができる。
上記のようにして本発明によれば、温度に依存してその最適点が変化する特性変化温度依存調整値についてのスタートアップ開始時の温度補償に関して、その温度特性補償演算係数を実際の温度−最適値特性を反映した係数とすることができるので、光学ピックアップの個体ごとに最適な温度補償を実現することができる。
また同時に、経時変化などに伴う補償量の変動を無くすことができるので、結果として、常時安定した記録又は再生性能を維持することができる。
また、上記本発明によれば、温度−最適値特性の悪い(つまり温度変化に対する最適値の変化が大きい)光学ピックアップや、温度−最適値特性の経時変化が大きい光学ピックアップであってもその個体に応じた最適な温度補償を行うことができるので、その結果歩留まりの向上により製品のコストダウンを図ることができる。
実施の形態としての記録再生装置の内部構成を示したブロック図である。 実施の形態の記録再生装置が備える光学ピックアップの内部構成(主に光学系の構成)を示した図である。 実施の形態の記録再生装置が備えるサーボ回路の内部構成を示したブロック図である。 第1の実施の形態としての温度補償手法を模式的に表した図である。 スタートアップ時とスピンダウン時とで取得した2点と実際の温度−最適SA特性との関係を示した図である。 実施の形態の手法によるスタートアップ初期SAの計算・設定が行われる場合における、次回スタートアップ時の状況について説明するための図である。 第1の実施の形態としての温度補償手法を実現するための処理の手順を示したフローチャートである。 第2の実施の形態としての手法を実現するための処理の手順を示したフローチャートである。 第3の実施の形態としての手法を実現するための処理の手順を示したフローチャートである。 同じく、第3の実施の形態としての手法を実現するための処理の手順を示したフローチャートである。 リアルタイム調整動作のイメージ図である。 第4の実施の形態としての温度補償手法を実現するための処理(新たなリアルタイム調整演算係数の計算に係る処理)の手順を示したフローチャートである。 同じく、第4の実施の形態としての温度補償手法を実現するための処理(新たなリアルタイム調整演算係数の計算に係る処理)の手順を示したフローチャートである。 第4の実施の形態としての温度補償手法を実現するための処理(リアルタイム調整動作の実行時に対応して行われるべき処理)の手順を示したフローチャートである。 N回のスピンダウンごとに温度特性補償演算係数の計算を行う変形例としての温度補償手法を実現するための処理の手順を示したフローチャートである。 メディア種類及び記録層の別ごとに温度特性補償演算係数を記憶した情報の一例を示した図である。 光ディスクの個体ごとに温度特性補償演算係数を記憶した情報の一例を示した図である。 スタートアップ動作について説明するための図である。 特性変化温度依存調整値の温度変化に対する最適点の変化特性について説明するための図である。 スタートアップ初期調整値の計算に設計的に決めた平均特性を用いる従来手法のイメージを示した図である。 スタートアップ動作時の最適調整値への調整動作のイメージを示した図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明していく。なお、説明は以下の順序で行う。

<1.第1の実施の形態>
[1-1.記録再生装置の構成]
[1-2.第1の実施の形態の温度補償手法]
[1-3.処理手順]
<2.第2の実施の形態>
[2-1.第2の実施の形態の温度補償手法]
[2-2.処理手順]
<3.第3の実施の形態>
[3-1.第3の実施の形態の温度補償手法]
[3-2.処理手順]
<4.第4の実施の形態>
[4-1.第4の実施の形態の温度補償手法]
[4-2.処理手順]
<5.変形例>
<1.第1の実施の形態>
[1-1.記録再生装置の構成]
〜装置全体構成〜

図1は、本発明の一実施形態としての記録再生装置1の内部構成を示したブロック図である。
図1において、ディスクDは、いわゆる光ディスク記録媒体(以下、単に光ディスクとも称する)である。光ディスクは、金属薄板をプラスチックで保護した円盤にレーザ光を照射し、その反射光の変化で信号を読み取る記録メディアの総称である。
本実施の形態の記録再生装置1は、上記ディスクDとして、相変化方式でデータの記録が行われる光ディスク(ライタブルディスク)に対応可能とされている。この場合、ディスクD上にはウォブリング(蛇行)されたグルーブが形成され、このグルーブが記録トラックとされる。グルーブのウォブリングによってはいわゆるADIP情報としてアドレス情報などが埋め込まれている。
また本実施の形態の記録再生装置1は、このようなライタブルディスク以外にも、ピット/ランドの組み合わせによって情報記録が行われたいわゆるROMタイプ(再生専用タイプ)のディスクDにも対応可能とされている。
ディスクDは、図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ(SPM)2によって例えば一定線速度(CLV)で回転駆動される。
そして光学ピックアップ(光学ヘッド)OPによってディスクD上のグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP情報の読み出しやフェイズチェンジマークにより記録された情報の読み出し、或いはピット/ランドの組み合わせで記録された情報の読み出しが行われる。
また記録時には、光学ピックアップOPによってトラックにユーザーデータがフェイズチェンジマークとして記録される。
光学ピックアップOP内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光を上記フォトディテクタに導く光学系(後述する)が形成される。
光学ピックアップOP内において、対物レンズは二軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
またピックアップOP全体はスレッド機構3によりディスク半径方向に移動可能とされている。
またピックアップOPにおけるレーザダイオードはレーザドライバ13からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
なお、後述するがピックアップOP内にはレーザ光の球面収差を補正する機構が備えられており、システムコントローラ10及びサーボ回路11の制御によって球面収差補正が行われる。
また、特に本実施の形態において、ピックアップOP内には、当該ピックアップOPの温度を検出するための温度センサ14が設けられている。この温度センサ14による検出温度情報は、図示するようにシステムコントローラ10に対して供給される。
上記光学ピックアップOPにて得られるディスクDからの反射光情報は、上述したフォトディテクタによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてマトリクス回路4に供給されることになる。
マトリクス回路4には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算・増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する高周波信号(再生データ信号又はRF信号ともいう)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、すなわちウォブリング(ウォブル振幅)を検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。
マトリクス回路4から出力される再生データ信号はリーダ/ライタ(RW)回路5へ、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号はサーボ回路11へ、プッシュプル信号はウォブル回路8へ、それぞれ供給される。
リーダ/ライタ回路5は、再生データ信号(RF信号)に対して二値化処理、PLL(Phase Locked Loop)処理による再生クロックの生成等を行う。リーダ/ライタ回路5による二値化データは変復調回路6に供給される。
また、本実施の形態の場合、このリーダ/ライタ回路5には、RF信号についてのジッタ(Jitter)値を測定する評価器5aが備えられている。この評価器5aにより測定されたジッタ値はシステムコントローラ10に供給される。
変復調回路6は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。
再生時にはデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。
またECCエンコーダ/デコーダ7は、記録時にエラー訂正コードを付加するECCエンコード処理と、再生時にエラー訂正を行うECCデコード処理を行う。
再生時には、変復調回路6で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、エラー検出/訂正処理及びデインターリーブ等の処理を行い、再生データを得る。
ECCエンコーダ/デコーダ7で再生データにまでデコードされたデータは、システムコントローラ10の指示に基づいて読み出され、AV(Audio-Visual)システム15に転送される。
グルーブのウォブリングに係る信号としてマトリクス回路4から出力されるプッシュプル信号は、ウォブル回路8において処理される。ADIP情報としてのプッシュプル信号は、ウォブル回路8においてADIPアドレスを構成するデータストリームに復調されてアドレスデコーダ9に供給される。
アドレスデコーダ9は、供給されるデータについてのデコードを行ってアドレス値を得て、これをシステムコントローラ10に供給する。
またアドレスデコーダ9はウォブル回路8から供給されるウォブル信号を用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
記録時には、AVシステム15から記録データが転送されてくるが、その記録データはECCエンコーダ/デコーダ7におけるメモリ(図示せず)に送られてバッファリングされる。
この場合ECCエンコーダ/デコーダ7は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やインターリーブ、サブコード等の付加を行う。
またECCエンコードされたデータは、変復調回路6において例えばRLL(1−7)PP方式などの所定のランレングスリミテッド符号化処理(変調処理)が施され、リーダ/ライタ回路5に供給される。
記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックは上述したようにウォブル信号から生成したクロックを用いる。
エンコード処理により生成された記録データは、リーダ/ライタ回路5で記録補償処理として、記録層の特性、レーザ光のスポット形状、記録線速度等に対する最適記録パワーの微調整やレーザドライブパルス波形の調整などが行われた後、レーザドライブパルスとしてレーザードライバ13に送られる。
レーザドライバ13では供給されたレーザドライブパルスをピックアップOP内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これによりディスクDに記録データに応じたマーク(フェイズチェンジマーク)が形成されることになる。
サーボ回路11は、マトリクス回路4からのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号から、フォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
すなわちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、ピックアップOP内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップOP(フォトディテクタ)、マトリクス回路4、サーボ回路11、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
またサーボ回路11は、システムコントローラ10からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
またサーボ回路11は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ10からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッド機構3を駆動する。スレッド機構3には、図示しないが、ピックアップOPを保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで、ピックアップOPの所要のスライド移動が行なわれる。
スピンドルサーボ回路12はスピンドルモータ2をCLV回転させる制御を行う。
スピンドルサーボ回路12は、ディスクDがライタブルディスクである場合はウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ2の回転速度情報として得て、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成する。
またデータ再生時においては、リーダ/ライタ回路5内のPLL処理によって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ2の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成する。
そしてスピンドルサーボ回路12は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ2のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路12は、システムコントローラ10からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
以上のようなサーボ系及び記録再生系の各種動作はマイクロコンピュータで構成されるシステムコントローラ10により制御される。
システムコントローラ10は、AVシステム15からのコマンドに応じて各種処理を実行する。例えばAVシステム15から書込命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ10は、データを書き込むべきアドレスにピックアップOPを移動させる。そしてECCエンコーダ/デコーダ7、変復調回路6により、AVシステム15から転送されてきたデータ(例えばMPEG2などの各種方式のビデオデータや、オーディオデータ等)について上述したようにエンコード処理を実行させる。そしてこれに伴いリーダ/ライタ回路5からのレーザドライブパルスがレーザドライバ13に供給されることで、ディスクDに対する記録が実行される。
また、例えばAVシステム15から、ディスクDに記録されている或るデータ(例えばMPEG2ビデオデータ等)の転送を求めるリードコマンドが供給された場合は、指示されたアドレスを目的としてシーク動作制御を行う。すなわちサーボ回路11に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとするピックアップOPのアクセス動作を実行させる。
その後、その指示されたデータ区間のデータをAVシステム15に転送するために必要な動作制御を行う。すなわちディスクDからのデータ読出を行い、リーダ/ライタ回路5、変復調回路6、ECCエンコーダ/デコーダ7におけるデコード/バッファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
ここで、この図1の例ではAVシステム15に接続される記録再生装置としたが、本発明の記録再生装置としては例えばパーソナルコンピュータ等と接続されるものとしてもよい。
さらには他の機器に接続されない形態もあり得る。その場合は、操作部や表示部が設けられたり、データ入出力のインターフェース部位の構成が、図1とは異なるものとなる。つまり、ユーザ操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。
〜光学ピックアップ内の構成〜

図2は、図1に示した光学ピックアップOP内に形成される光学系の構成を示している。
なおこの図2においては、ディスクDの記録面(図中一点鎖線)も併せて示している。
図2において、半導体レーザ(レーザダイオード)20から出力されるレーザ光は、コリメータレンズ21で平行光とされ、ビームスプリッタ22を透過して、球面収差補正レンズ群としての可動レンズ23、固定レンズ24を介して進行し、対物レンズ26からディスクDに照射される。なお球面収差補正レンズ群23,24についてはエキスパンダと呼ばれる。可動レンズ23を駆動することで球面収差補正が行われることから、以下、特にエキスパンダ23とも表記する。
ディスクDからの反射光は、対物レンズ26、固定レンズ24、可動レンズ23を通ってビームスプリッタ22で反射され、集光レンズ28を介してフォトディテクタ29の受光面上に集光するように照射される。
このような光学系においては、対物レンズ26が二軸機構27によってフォーカス方向及びトラッキング方向に移動可能に支持されており、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ動作が行われる。
また球面収差補正レンズ群23,24は、レーザ光の波面を調整する機能を持つ。すなわち可動レンズ23はアクチュエータ25によって光軸に平行な方向であるJ方向に移動可能とされており、この移動によって、対物レンズ26の物点を調整する。
つまり、アクチュエータ25に対して前後移動を実行させる制御を行うことで、球面収差補正を実行させることができる。
なお、図2においては、いわゆるエキスパンダによって球面収差補正を行う構成を例示したが、他にも液晶パネルを用いて球面収差補正を行う構成を採ることもできる。
すなわち、半導体レーザ20から対物レンズ26までの光路中において挿入した液晶パネルにおいて、レーザ光を透過させる領域と遮蔽する領域の境界を可変調整することで、レーザ光の径を可変して球面収差補正を行うものである。
この場合には、液晶パネルを駆動する液晶ドライバに対して、透過領域を可変させるように制御を行うことになる。
〜サーボ回路の内部構成〜

図3は、図1に示したサーボ回路11の内部構成を示している。
なお図3では、図1に示したシステムコントローラ10も併せて示している。
図示するようにサーボ回路11内には、A/D変換器30F、A/D変換器30T、DSP(Digital Signal Processor)31、D/A変換器32S、D/A変換器32F、D/A変換器32T、球面収差補正ドライバ33S、フォーカスドライバ33F、トラッキングドライバ33Tが備えられている。
図3において、図1に示したマトリクス回路4からのフォーカスエラー信号(FE)は、サーボ回路11内におけるA/D変換器30Fを介してDSP31に入力される。また、同様にマトリクス回路4から出力されたトラッキングエラー信号(TE)は、A/D変換器30Tを介してDSP31に入力される。
A/D変換器30Fにてデジタル信号に変換されたフォーカスエラー信号は、DSP31内の加算器31Aを介してフォーカスサーボ演算部31Fに入力される。
フォーカスサーボ演算部31Fは、デジタルデータとされて入力されるフォーカスエラー信号に対して位相補償等のためのフィルタリングやループゲイン処理などの所定の演算を行ってフォーカスサーボ信号を生成して出力する。フォーカスサーボ信号は、D/A変換器32Fにてアナログ信号に変換された後(PWMやPDMなども含む)、フォーカスドライバ33Fへ入力され、フォーカスアクチュエータを駆動する。すなわちピックアップOPにおいて対物レンズ26を保持する二軸機構27のフォーカスコイルに駆動電流を供給して、フォーカスサーボ動作を実行させる。
またDSP31内において、トラッキングサーボ演算部31Tは、上記A/D変換器30Tを介してデジタルデータとされて入力されるトラッキングエラー信号に対して、位相補償等のためのフィルタリングやループゲイン処理などの所定の演算を行ってトラッキングサーボ信号を生成して出力する。トラッキングサーボ信号は、D/A変換器32Tでアナログ信号に変換された後(PWMやPDMなども含む)、トラッキングドライバ33Tへ入力され、トラッキングアクチュエータを駆動する。つまり二軸機構27のトラッキングコイルに駆動電流を供給して、トラッキングサーボ動作を実行させる。
また、DSP31には、フォーカスバイアス加算、球面収差補正値設定、及びフォーカスバイアスや球面収差補正値の調整のための機能が与えられている。
加算器31Aは、フォーカスエラー信号にフォーカスバイアスを加算する。加算するフォーカスバイアス値は、DSP31内におけるフォーカスバイアス設定部31Bに設定される。フォーカスバイアス設定部31Bが、システムコントローラ10によって設定されたフォーカスバイアス値を出力することで、フォーカスサーボループに適正なフォーカスバイアスが加算されるものとなる。
またDSP31において、球面収差補正値設定部31Sには、システムコントローラ10により球面収差補正値が設定される。設定された球面収差補正値は、DSP31からD/A変換器32Sに入力されてアナログ信号に変換され、球面収差補正ドライバ33Sに供給される。
球面収差補正ドライバ33Sは、例えば図2のような球面収差補正機構の場合は、エキスパンダ23を移動させるアクチュエータ25に駆動信号Sdを供給する回路とされる。或いは、液晶パネルを用いた球面収差補正機構の場合は、液晶ドライバに対して、液晶パネルの所要のセルに電圧印加を指示する信号Sdを供給する回路とされる。
従って、球面収差補正ドライバ33Sが、球面収差補正値設定部31Sから供給された球面収差補正値に基づいて、ピックアップOP内の球面収差補正機構を駆動する構成となっている。
[1-2.第1の実施の形態の温度補償手法]

ここで、球面収差、フォーカスバイアス、チルトなど、レーザ光に関する調整項目であって、温度変化によりその最適点が変化する特性変化温度依存調整項目について調整を行う際には、温度に対する補償が行われるべきものとなる。
以下、図4〜図6を参照して、本実施の形態の記録再生装置1が行う特性変化温度依存調整値についての温度補償の具体的な手法について説明していく。
なお、以下では説明の複雑化を避けるべく、特性変化温度依存調整項目としては球面収差のみを例に挙げ、球面収差補正値についての温度補償を行う場合を説明する。
また以下において、「球面収差補正値」は単に「SA」とも表記する。
図4は、第1の実施の形態としての温度補償手法を模式的に表した図である。
図4(a)は初回スタートアップ時における動作を、図4(b)は次回スタートアップ時に行われる動作をそれぞれ示している。
ここで、スタートアップ(スタートアップ動作)は、例えばディスクDの装填などに応じて開始されることになる、ディスクDからのデータ再生を可能とするための準備動作である。
先ず、本実施の形態としての具体的な温度補償の手法について説明を行うのに先立ち、本例における温度補償で用いられる「温度特性補償演算係数」と、該温度特性補償演算係数を用いて行われる、スタートアップ開始時の「スタートアップ初期SA」の算出手法の具体例について説明しておく。
先ず、先の図19などで説明したように、球面収差補正値などの特性変化温度依存調整値についての温度−最適値特性は、直線近似することができる。この前提を元に本例では、スタートアップ動作の開始にあたって設定するスタートアップ初期SA(SA_startとする)を、次の[式1]により算出するものとしている。


SA_start=α_sa×(T_start−T_default)+SA_default ・・・[式1]


但し上記[式1]において、

T_start : スタートアップ開始時温度
SA_default : 温度T_defaultにおける最適SAの設計値
T_default : SA_defaultを算出した温度
α_sa : 設計的に決めた温度特性補償演算係数(直線の傾き)

である。
この場合において、温度特性補償演算係数α_saは、例えば光学ピックアップOPのデータシートなどから導出した、複数の光学ピックアップOPの平均的な傾きや温度−最適SA特性の経時変化などを考慮して決定したものとなる。つまり上記[式1]は、例えば先の図19などで示した「出荷時 平均特性」としての直線情報(最適SA=α_sa×温度+オフセット)に基づいて、スタートアップ初期SAの値を計算するための式に相当するものであると考えればよい。
上記[式1]によるスタートアップ初期SAの計算を可能とするために、本実施の形態の記録再生装置1においては、例えばシステムコントローラ10が備えるメモリに対して、「α_sa」「SA_default」「T_default」の情報が予め格納されている。
上記の前提を踏まえた上で、先ずは図4(a)の初回スタートアップ時における温度補償について説明する。
図示するように初回スタートアップ時においては、スタートアップ初期SAを、デフォルトの温度特性補償演算係数α_saを用いて計算・設定するものとしている。すなわち、上記[式1]に従ってスタートアップ初期SA(SA_start)を計算し設定するものである。
具体的に、初回スタートアップ時のスタートアップ開始時において、システムコントローラ10は、温度センサ14からの検出温度情報を取得して、該取得した温度の情報をスタートアップ開始時温度(T_start)として保持する。その上で、該スタートアップ開始時温度(T_start)の情報と先の[式1]とに基づき、スタートアップ初期SA(SA_start)を計算し、該計算したスタートアップ初期SAの値をサーボ回路11(球面収差補正値設定部31S)に対して設定する。これにより図2に示したエキスパンダ23は上記スタートアップ初期SAの値に応じた位置に駆動され、その結果、球面収差補正値が上記スタートアップ初期SAに調整される。換言すれば、該スタートアップ初期SAの設定が為される。
このようなスタートアップ初期SAの設定後、スタートアップ動作時においては、最適SAの調整動作が行われる。すなわち、実測評価値に基づく最適SAの探索動作と、それにより求まった最適SAの設定動作とが行われるものである。
このような最適SAの調整動作の実現のために、システムコントローラ10は、サーボ回路11に対して順次異なるSAを設定する一方で、それら異なるSAの設定下でそれぞれ評価器5aにて計算された評価値(この場合はジッタ値)を取得する。そして、それらの評価値から最適SA(例えばジッタ値が最小となるSA)を決定し、該最適SAをサーボ回路11に対して設定する。
ここで、当該スタートアップ動作時の最適SA調整動作(探索動作)により求まった最適SAについては、「SA_st_opt」とおく。
ここで確認のために述べておくと、本実施の形態の場合のようにディスクDに対する記録が可能な装置とされる場合には、上記のような最適SAの調整動作時には、自らディスクDに対して試し書きデータを書き込むことができる。従って、装填されたディスクDに対して最適SAの探索動作を行うためのデータが未書き込みである場合には、探索動作を実行する前に、自ら試し書きデータを書き込むことになる。
また、スタートアップ動作時に対応しては、最適SAの調整動作と共に、スタートアップ時温度の測定を行う。つまりスタートアップ動作時に対応してシステムコントローラ10は、温度センサ14による検出温度情報を取得し、該取得した温度の情報をスタートアップ時温度として保持する。
このスタートアップ時温度は、「T_st_opt」とおく。
上記のようなスタートアップ動作が完了した後に、ディスクDに対する記録/再生動作が行われることになる。
そして、記録/再生動作が完了した後には、予め定められたスピンダウン条件の成立に応じて、スピンドルモータ2の回転を停止させるためのスピンダウン処理を実行すべきものとなる。
ここで、本実施の形態では、図中の「スピンダウン時最適SA探索動作」と示すように、このようなスピンダウン時においても最適SAの探索動作を実行するものとしている。すなわち、上記スピンダウン条件(スピンドルモータ2によるディスクDの回転駆動を停止させるべきとして予め定められた所定条件)が成立したことに応じて、直ちにスピンダウン処理は実行せず、スタートアップ動作時と同様の最適SAの探索動作を実行するものとしている。
なお、上記スピンダウン条件の成立としては、例えばAVシステム15(ホスト側)からのスピンダウンコマンドの供給や、記録/再生動作の終了後からの所定時間の経過(いわゆるスタンバイタイマによるスピンダウン)などを挙げることができる。
スピンダウン時の最適SA探索動作としても、実測評価値に基づいて行うことになる。
具体的に、この場合もシステムコントローラ10は、サーボ回路11に対して順次異なるSAを設定する一方で、それら異なるSAの設定下でそれぞれ評価器5aにて計算された評価値を取得する。そして、それらの評価値から最適SAを決定するものである。
このようなスピンダウン時の最適SA探索動作で求まった最適SAについては、「SA_sd_opt」とおく。
またスピンダウン時には、スピンダウン時温度の測定も行う。具体的にシステムコントローラ10は、スピンダウン時において、温度センサ14による検出温度情報を取得しこれをスピンダウン時温度として保持する。
スピンダウン時温度は「T_sd_opt」とおく。
そして、このようにスピンダウン時における最適SA探索動作及び温度測定を行った後において、スタートアップ時に保持したスタートアップ時最適SA(SA_st_opt)とスタートアップ時温度(T_st_opt)の組と、上記スピンダウン時最適SA(SA_sd_opt)とスピンダウン時温度(T_sd_opt)の組とから、新たな温度特性補償演算係数の計算を行う。
ここで、光学ピックアップOP内の温度は、記録再生装置1の起動後(スタートアップ動作後)において、時間経過と共に徐々に上昇していくのが通常である。この前提を踏まえれば、上記のようにスタートアップ時の温度(T_st_opt)と最適SA(SA_st_opt)の組と、スピンダウン時の温度(T_sd_opt)と最適SA(SA_sd_opt)の組とを取得するということは、温度−最適SA特性としての直線上における2点をサンプリングしていることに相当する。
図5は、上記のようにしてスタートアップ時とスピンダウン時とで取得した2点と実際の温度−最適SA特性との関係を示している。
この図5においては横軸を温度、縦軸を最適SAとして温度−最適SA特性を表している。温度−最適SA特性としては、先の図21に示した「出荷時 平均特性」(黒色一点鎖線)、「経時変化した個体A特性」(灰色実線)、ディスクごとのバラツキを含む「経時変化した個体A特性」(黒色太実線)を示している。
この図においては、ディスクごとのバラツキを含む「経時変化した個体A特性」が、実際の温度−最適SA特性に相当するものであるとする。
この図5を参照して明らかなように、上記のようにスタートアップ時とスピンダウン時の2点を取得すれば、該2点を用いた連立方程式を解くことで、実際の温度−最適SAの関係式が求まるということが理解できる。
具体的に、このときの温度−最適SAの関係式は、以下の[式2]により表されるものとなる。


SA=(SA_sd_opt−SA_st_opt)/(T_sd_opt−T_st_opt)×T
+(SA_st_opt×T_sd_opt−SA_sd_opt×T_st_opt)/(T_sd_opt−T_st_opt)

・・・[式2]
ここで、直線である[式2]のオフセットに相当する第2項「(SA_st_opt×T_sd_opt−SA_sd_opt×T_st_opt)/(T_sd_opt−T_st_opt)」は、装填されたディスクDの固有の収差を含むものであり、他のディスクDに対して適用することは困難である。
これに対し、[式2]の直線の傾きに相当する第1項「(SA_sd_opt−SA_st_opt)/(T_sd_opt−T_st_opt)」という係数は、光学ピックアップOPのその時点での最適SAの温度依存性を表現するものとなる。
従って本例においては、上記[式2]の第1項の係数を、次回のスタートアップ初期SAの計算にあたっての新たな温度特性補償演算係数(α_sa_rev)として用いるものとする。すなわち、


α_sa_rev=(SA_sd_opt−SA_st_opt)/(T_sd_opt−T_st_opt) ・・・[式3]


である。
システムコントローラ10は、上記[式3]に従って計算した温度特性補償演算係数α_sa_revを、次回スタートアップ初期SAの計算に用いるべく例えば上述したメモリなどに記憶する。
図4(b)に示す次回スタートアップ動作の開始時には、[式3]により計算した上記温度特性補償演算係数α_sa_revを用いて、スタートアップ初期SAを計算・設定する。
具体的には、先の[式1]における温度特性補償演算係数α_saを上記温度特性補償演算係数α_sa_revに更新した、


SA_start=α_sa_rev×(T_start−T_default)+SA_default ・・・[式4]


という式を用いて、スタートアップ初期SAを計算する。
このためにシステムコントローラ10は、次回スタートアップ動作(スピンダウン後におけるスタートアップ動作)の開始時において、スタートアップ開始時温度(T_start)を測定(取得)した上で、該スタートアップ開始時温度T_startと上記[式4]とに基づいてスタートアップ初期SAを計算し、これをサーボ回路11に設定する。
その後のスタートアップ動作時においては、先に説明した初回スタートアップ動作時と同様に最適SAの調整動作・スタートアップ時温度の取得を行う。またスピンダウン時においては、上述した手法と同様の手法でスピンダウン時最適SA探索動作・スピンダウン時温度の取得を行い、新たな温度特性補償演算係数α_sa_revの計算・記憶を行う。
第1の実施の形態は、このようにスピンダウンごとに新たな温度特性補償演算係数α_sa_revを計算・記憶し、その後のスタートアップ動作の開始時において、記憶した温度特性補償演算係数α_sa_revを用いたスタートアップ初期SAを計算・設定するという動作を繰り返し行うことになる。
図6は、上記により説明した本実施の形態の手法によるスタートアップ初期SAの計算・設定が行われる場合における、次回スタートアップ時の状況について説明するための図である。
この図6では、先の図5と同様に横軸を温度、縦軸を最適SAとして、「出荷時 平均特性」(黒色一点鎖線)、「経時変化した個体A特性」(灰色実線)、ディスクごとのバラツキを含む「経時変化した個体A特性」(黒色実線)を示している。そして、図中の「本例の手法で求まる直線」(黒色太破線)が、先の[式4]で求めた直線を表す。
[式4]を参照して分かるように、「本例の手法で求めた直線」のオフセットは、設計的に求めた「出荷時 平均特性」のオフセットと同値に設定されることになる。しかしながら、傾きに関しては、実際の温度−最適SA特性(図中ではディスクごとのバラツキを含む「経時変化した個体A特性」)と一致したものとできる。このため、「出荷時 平均特性」を用いた補償を行う場合と比較すれば、スタートアップ開始時のSAは、実際の最適値により近い値とすることができる。すなわち、スタートアップ開始時の補償状態をより良好なものとすることができる。
また図からも明らかなように、スタートアップ動作時の最適SAへの調整幅は、「出荷時 平均特性」を用いる場合と比較してより小さくすることができる。つまりこの結果、スタートアップ動作時の最適SA調整動作をより容易なものとでき(安定的に行うことができ)、また、調整に要する時間も短縮化することができる。
上記のようにして本実施の形態の温度補償手法では、光学ピックアップOPの個体ごとのバラツキを有し且つ経時変化も生じる温度−最適SA特性に関して、その直線上の2点をスタートアップ時とスピンダウン時とで実際に取得し、該2点からその直線の傾きに相当する温度特性補償演算係数を計算するものとしている。その上で、当該温度特性補償演算係数をスタートアップ開始時の初期SAの設定に用いるものとしている。
先にも述べたように、温度−最適SA特性としての直線の傾きは、その光学ピックアップOPに固有の(経時変化分も含む)最適SAの温度依存性を表現するものであるので、上記のようにして求めた温度特性補償演算係数に基づく温度補償を行うことで、スタートアップ開始時の補償状態は、光学ピックアップOPの個体ごと(つまり装置ごと)に合致したものとすることができる。すなわち、従来の「出荷時 平均特性」を用いる場合には、光学ピックアップOPの個体ごとに最適な補償状態とすることができないものとなるが、本実施の形態によれば、そのような事態の発生を効果的に防止できるものである。
また、本実施の形態によれば、光学ピックアップOPの個体ごとに最適な補償状態とすることができることで、温度−最適SA特性の悪い(つまり温度変化に対する最適SAの変化が大きい)光学ピックアップOPや、温度−最適SA特性の経時変化が大きい光学ピックアップOPであってもその個体に応じた最適な温度補償を行うことができる。つまりこの結果、歩留まりの向上により製品のコストダウンを図ることができる。
ここで、温度−最適SA特性をはじめとした特性変化温度依存調整値についての温度−最適値特性は、ディスクD上の位置に応じても変化することになる。例えば球面収差で考えれば、ディスクDのカバー層の厚みムラなどによってディスクD面内で最適SAの値にバラツキが生じることに起因して、温度−最適SA特性もディスクD上の位置に依存して変化することになる。
上記のように本実施の形態では、スタートアップ時とスピンダウン時とで直線上のそれぞれの点(温度・最適SAの組)を取得した結果に基づき、温度特性補償演算係数を計算するものとしている。そして先の説明からも理解されるように、この温度特性補償演算係数は、純粋に光学ピックアップOPの別による最適SAの温度依存性を表すことが望ましいものであり、従って、上記のようなディスクD上の位置に依存した変化分は含まれないことが理想的である。
この点を考慮し、本実施の形態では、上記直線上の2点を求めるためのスタートアップ動作時の最適SA探索動作とスピンダウン時の最適SA探索動作とを、ディスクD上の同じエリアを用いて行うものとしている。つまり、スタートアップ動作時の最適SA探索動作とスピンダウン時の最適SA探索動作とで、ディスクD上の同じエリアの読み出しデータを用いて評価値の生成を行うものである。
より具体的に説明すると、最適SAの探索動作は、SAを逐次変化させ、それぞれのSAの設定下で計算された評価値を用いて最適とされるSAを決定することになるが、このときにそれぞれのSAの設定下で読み出すデータ(アドレス)を、スタートアップ時探索動作とスピンダウン時探索動作とで一致させるというものである。
このようにスタートアップ動作時の最適SA探索動作とスピンダウン時の最適SA探索動作とをディスクD上の同エリアを使用して行うようにすることで、それぞれで探索される最適SAにディスクD上の位置に依存した変化分が含まれないようにすることができ、結果、これら探索した最適SAに基づき計算される温度特性補償演算係数(α_sa_rev)として、純粋に光学ピックアップOPの別による最適SAの温度依存性を表す係数を得ることができる。
これにより、上記温度特性補償演算係数(α_sa_rev)を用いたスタートアップ開始時の温度補償をより精度良く行うことができる。
[1-3.処理手順]

図7は、上記により説明した第1の実施の形態としての温度補償手法を実現するための具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
なおこの図7では、第1の実施の形態としての温度補償手法を実現するための具体的な処理の手順を、図1に示したシステムコントローラ10が例えば内部のメモリに格納されたプログラムに基づき実行する処理の手順として示している。
図7において、先ずステップS101では、スタートアップ動作の開始条件が成立するまで待機する。
このスタートアップ動作の開始条件としては、例えば新たにディスクDが装填される、或いはスピンダウン後におけるAVシステム15からのライトコマンド/リードコマンドの供給などを挙げることができる。
ステップS101の処理は、例えばこれらの条件のように、予めスタートアップ動作を開始すべきとして定められた所定の条件が成立するまで待機する処理となる。
スタートアップ動作開始条件が成立した場合には、ステップS102において、温度を取得する処理を実行する。すなわち、温度センサ14による検出温度情報を取得し、これをスタートアップ開始時温度(T_start)として保持する。
続くステップS103では、過去に係数が算出済みであるか否かを判別する。すなわち、既に温度特性補償演算係数α_sa_revが計算された状態にあるか否かを判別する。
このステップS103において、未だ温度特性補償演算係数α_sa_revが計算されておらず係数が計算済みではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS104に進み、係数α_saと温度T_startとを用いて[式1]によりスタートアップ初期SAを計算・設定する。すなわち、係数α_sa_revが計算済みでなく初回のスタートアップ動作が開始される際には、予め設定されたデフォルトの温度特性補償演算係数α_saに基づくスタートアップ初期SAの設定が行われる。
図示するように当該ステップS104の処理を実行した後は、ステップS106に処理を進める。
一方、上記ステップS103において、既に温度特性補償演算係数α_sa_revが計算されており係数が計算済みであるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS105に進み、最新の係数α_sa_revと温度T_startとを用いて[式4]によりスタートアップ初期SAを計算・設定する。
当該ステップS105の処理を実行した後は、ステップS106に処理を進める。
ステップS106では、スタートアップ時調整動作の実行のための処理を行う。すなわち、先に説明したスタートアップ動作時における最適SAの調整動作(最適SAの探索・設定動作)が行われるようにサーボ回路11に対する制御及び必要な演算を行う。
このようなスタートアップ動作時の調整動作によっては、最適SAの探索動作により、スタートアップ時最適SA(SA_st_opt)が求まる。ステップS106では、このようにして求まったスタートアップ時最適SA(SA_st_opt)を保持するようにしておく。
ここで、先に述べたように本例においては、スタートアップ動作時とスピンダウン時の最適SAの探索動作を、ディスクD上の同じエリアを用いて行うことになる。従ってこのステップS106においては、最適SAの探索動作時における評価値生成のためのデータ読出が、予め定められたディスクD上の所定エリアを対象として行われるようにサーボ回路11に対する制御を行うことになる。
続くステップS107では、温度取得を行う。すなわち、温度センサ14による検出温度情報を取得し、これをスタートアップ時温度T_st_optとして保持する。
次のステップS108では、スピンダウン条件が成立するまで待機する。
すなわち、例えば先に挙げたAVシステム15(ホスト側)からのスピンダウンコマンドの供給や、記録/再生動作の終了後から所定時間が経過するなど、スピンドルモータ2によるディスクDの回転駆動を停止させるべきとして予め定められた所定の条件が成立するまで待機するものである。
スピンダウン条件が成立した場合は、ステップS109において、スピンダウン時探索動作の実行のための処理を行う。つまり、先に説明したスピンダウン時における最適SAの探索動作が行われるようにサーボ回路11に対する制御及び必要な演算を行う。
このスピンダウン時の最適SAの探索動作によってはスピンダウン時最適SA(SA_sd_opt)が求まるので、ステップS109では、当該スピンダウン時最適SA(SA_sd_opt)を保持するようにしておく。
また本例の場合、スピンダウン時の最適SAの探索動作はスタートアップ動作時の探索動作と同エリアを用いて行うので、このステップS109においても、最適SAの探索動作時における評価値生成のためのデータ読出が、先に述べた所定エリアを対象として行われるようにサーボ回路11に対する制御を行うことになる。
次のステップS110では、温度取得を行う。すなわち、温度センサ14による検出温度情報を取得し、これをスピンダウン時温度T_sd_optとして保持する。
続くステップS111では、SA_st_opt,T_st_opt,SA_sd_opt,T_sd_optと[式2]とに基づき、新たな温度特性補償演算係数α_sa_revを計算する。
その上で、次のステップS112において、係数α_sa_revを例えばシステムコントローラ10内部のメモリなどに記憶する。
当該ステップS112を実行した後は、先に説明したステップS101に戻ることになる(図中「RETURN」)。
ここで、上記による説明では、スタートアップ時、スピンダウン時の温度取得処理は、最適SAの探索動作後に行うものとしたが、温度取得処理は、探索動作の実行中に並行して行ってもよいし、或いは探索動作が行われる直前に行うこともできる。
つまり、温度取得処理は、それぞれスタートアップ動作時、スピンダウン時に対応したタイミング(それらの近傍を含む範囲内)で行われるようにすればよいものである。
<2.第2の実施の形態>
[2-1.第2の実施の形態の温度補償手法]

続いて、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、スタートアップ動作時とスピンダウン時との温度差が所定値(T_thとする)以上である場合にのみ、スピンダウン時の最適SA探索動作と新たな温度特性補償演算係数α_sa_revの計算を行うものである。
すなわち、スタートアップ動作時とスピンダウン時との温度差が上記T_th未満である場合のスピンダウン時最適SA探索動作を省略し、それによって処理負担の軽減を図るものである。
なお、第2の実施の形態の場合も記録再生装置の構成は第1の実施の形態にて説明したものと同様となるため、図示による改めての説明は省略する。
[2-2.処理手順]

図8は、第2の実施の形態としての温度補償手法を実現するための処理の手順を示したフローチャートである。
なおこの図においても、図1に示したシステムコントローラ10が例えば内部のメモリに格納されたプログラムに基づき実行する処理の手順を示している。
またこの図では、既に第1の実施の形態で説明したものと同内容となる処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
図8において、この場合もステップS101〜S108までの処理は第1の実施の形態の場合と同様となる。
第2の実施の形態では、ステップS108においてスピンダウン条件が成立したとされたことに応じて、ステップ201において、先ずは温度取得を行う。すなわち、スピンダウン時温度T_sd_optを取得(及び保持)するものである。
そして、続くステップS202において、「T_sd_opt−T_st_opt≧T_th」であるか否かを判別する。すなわち、ステップS106のスタートアップ動作時の最適SA調整動作で求まったスタートアップ時温度T_st_optと、ステップS201にて取得したスピンダウン時温度T_sd_optと、例えば予め内部のメモリなどに格納された所定値T_thとに基づき、「T_sd_opt−T_st_opt≧T_th」であるか否かを判別する。
上記ステップS202において、「T_sd_opt−T_st_opt≧T_th」ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS101に戻る。
一方、ステップS202において、「T_sd_opt−T_st_opt≧T_th」であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS109に処理を進める。つまりこれにより、スピンダウン時の最適SA探索動作が実行される。
上記ステップS109の処理が実行された後は、ステップS111にて新たな温度特性補償演算係数α_sa_revの計算が行われ、ステップS112にて該係数α_sa_revが記憶されることになる。
<3.第3の実施の形態>
[3-1.第3の実施の形態の温度補償手法]

第3の実施の形態は、過去に計算した温度特性補償演算係数の平均値をスタートアップ動作開始時の初期調整値設定に用いるものである。
なお第3の実施の形態においても記録再生装置の構成は第1の実施の形態の場合と同様となることから改めての図示による説明は省略する。
ここで、第3の実施の形態の記録再生装置においては、過去何回分の温度特性補償演算係数の計算値の平均値を算出するかを定めるための値(mとする)が予め設定される。
この場合のシステムコントローラ10は、スタートアップ動作時に取得した[温度・最適SA]の組とスピンダウン時に取得した[温度・最適SA]とに基づく温度特性補償演算係数の計算が上記m回行われたとき、すなわち、温度特性補償演算係数の有効な履歴数がm以上となったときに、それら履歴として保持された温度特性補償演算係数(α_sa_histとする)の最新のm個の平均値を計算する。そして、該平均値を、スタートアップ開始時におけるスタートアップ初期SAを計算するための温度特性補償演算係数α_sa_revとして用いるようにする。
このようにして過去に計算されたm個の温度特性補償演算係数α_sa_histの平均値をスタートアップ初期SAの計算のための温度特性補償演算係数α_sa_revとして計算することで、より精度の高い温度特性補償演算係数α_sa_revとすることができ、結果、スタートアップ開始時の温度補償をより適正なものとすることができる。
[3-2.処理手順]

図9及び図10のフローチャートは、第3の実施の形態としての手法を実現するための処理の手順を示している。
なおこれらの図においても、図1に示したシステムコントローラ10が例えば内部のメモリに格納されたプログラムに基づき実行する処理の手順を示している。
またこれらの図においては、既にこれまでで説明済みとなったものと同内容となる処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
これら図9及び図10と、先の図8とを比較して分かるように、第3の実施の形態の場合の処理手順は、第2の実施の形態の場合の処理手順におけるステップS109とS112との間に対して、ステップS301〜S304が挿入されたものとなっている。
具体的にこの場合は、図9に示すステップS109によるスピンダウン時探索動作の実行処理を行った後に、ステップS301において、SA_st_opt,T_st_opt,SA_sd_opt,T_sd_optと[式2]とに基づき、温度特性補償演算係数α_sa_histを計算する。
そして、続くステップS302においては、計算した温度特性補償演算係数α_sa_histを履歴に追加する。
ここで、第3の実施の形態では、先に説明した通り温度特性補償演算係数α_sa_revは最新のm個の温度特性補償演算係数α_sa_histを用いて計算することになる。つまりこのために、温度特性補償演算係数α_sa_histの履歴情報としては、少なくとも何れの温度特性補償演算係数α_sa_histが最新のm個の温度特性補償演算係数α_sa_histであるかを把握できるような情報とされている必要がある。
従ってステップS302の処理としては、このように履歴中の何れの温度特性補償演算係数α_sa_histが最新のm個の温度特性補償演算係数α_sa_histであるかが把握されるようにして、計算した温度特性補償演算係数α_sa_histの履歴への追加を行う。
具体的な手法としては、例えば温度特性補償演算係数α_sa_histをその計算順に履歴に追加していき、新たに計算した温度特性補償演算係数α_sa_histの履歴への追加に伴って履歴数がm+1となる場合には、最も古い温度特性補償演算係数α_sa_histを履歴から除外し、上記新たに計算した温度特性補償演算係数α_sa_histを履歴に追加するという手法を挙げることができる。これにより、履歴数がm個となった以降は履歴内に常時最新のm個の温度特性補償演算係数α_sa_histのみが存在する(つまり平均値の計算に必要な係数のみが存在する)ようにでき、メモリを有効活用することができる。
或いは、単純に温度特性補償演算係数α_sa_histとそれを計算した時刻情報とを対応づけた履歴情報を生成することとしてもよい。この場合、平均値としての係数α_sa_revの計算時には、上記時刻情報に基づいて最新のm個の係数α_sa_histを識別することになる。
上記ステップS302の処理を実行した後は、図10に示すステップS303に処理を進めて、履歴数がm以上であるか否かを判別する。
このステップS303において、履歴数がm以上ではないとして否定結果が得られた場合は、図9に示すステップS101に戻ることになる。
一方、上記ステップS303において、履歴数がm以上であるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS304に進み、履歴における最新のm個の係数α_sa_histの平均値を係数α_sa_revとして計算する。
ステップS304により係数α_sa_histを計算した後は、ステップS112において該係数α_sa_revを記憶し、ステップS101に戻る。
ここで、図9及び図10に示した処理手順においては、第2の実施の形態の場合と同様のステップS201・S202の処理を設けて、スタートアップ動作時とスピンダウン時の温度差が所定値T_th未満の場合には温度特性補償演算係数α_sa_histの計算を行わないものとしたが、これらステップS201・S202の処理を省略して温度差に関わらず毎回、温度特性補償演算係数α_sa_histの計算が行われるようにすることもできる。
但し、図9及び図10に示したように温度差を考慮した処理手順とすれば、有効でない温度特性補償演算係数α_sa_histが履歴に追加されてしまいこれがスタートアップ初期SAの計算に用いる温度特性補償演算係数α_sa_revの計算に含まれてしまうことの防止が図られ、その分、スタートアップ開始時の補償状態をより適正なものとすることができる。
また、図9及び図10の処理手順では、履歴数がm以上となった以降は、有効な温度特性補償演算係数α_sa_histが計算されるごとに毎回、最新のm個の温度特性補償演算係数α_sa_histを用いた新たな温度特性補償演算係数α_sa_revの計算が行われるようにしたが、新たな温度特性補償演算係数α_sa_revの計算は、m回の温度特性補償演算係数α_sa_histの計算ごとに行うようにするなど、必ずしも毎回行う必要性はない。
<4.第4の実施の形態>
[4-1.第4の実施の形態としての温度補償手法]

第4の実施の形態は、いわゆるリアルタイム調整動作を行う場合において、該リアルタイム調整に用いるリアルタイム調整演算係数を、これまでで説明した手法によって求めた温度特性補償演算係数に基づいて計算(更新)するものである。
ここで、リアルタイム調整動作は、例えば下記の参考文献に記載されるように、再生動作中においてフォーカスバイアスやSAなどの調整値を微少に増減させる一方で、それに伴って得られる評価値(例えばジッタ値など)を最適値からの誤差を表す指標として取得する。そして、この評価値に基づく制御演算を行って最適な調整値をリアルタイムに算出していくものである。
先に触れたように、温度に対する最適値は、ディスクD上の位置に依存して変化する。リアルタイム調整動作は、主に、このようなディスクD上の位置に依存した最適値の変化に追従することを目的として行われる。

参考文献・・・特開2008−305477号公報
図11は、本例において採用するリアルタイム調整動作のイメージ図である。
なおこの場合も特性変化温度依存調整項目としてはSAを例に挙げる。
この図11では、横軸を温度(時間)、縦軸をSAとした上で、最適SAの変化軌跡(図中太実線)と、リアルタイム調整動作に伴って設定されるSA(実線)と、制御演算で計算されたSA(太一点鎖線)との関係を示している。
ここでは図示の都合により、最適SAの変化軌跡は温度変化に比例したものとしているが、実際には、当該最適SAの変化軌跡にはディスクD上の位置に依存した変化分も含むまれるのが通常である。上記もしているように、リアルタイム調整動作は、このようなディスクD上の位置に依存した最適値の変化分にも追従できるようにするべく行われるものとなる。
先ず、リアルタイム調整動作においては、再生動作中において、その時点での最適点として計算された値を基準にSAの値を同振幅値(絶対値)で増減させる。なお図中では、「制御演算で算出されたSA」が、上記「その時点での最適点として計算された値」に該当する。
従って「リアルタイム調整動作に伴って設定されるSA」が示すように、リアルタイム調整動作の実行中において実際に設定されるSAは、ある値を基準に同じ振れ幅で微少変動することになる。
リアルタイム調整動作では、このようにSAを微少変動させたときの評価値(本例ではジッタ値)を取得し、該評価値に基づく制御演算を行ってSAの最適値を算出することになる。
このとき、リアルタイム調整動作では、上記のようにSAを微少変動させて得た評価値からSAの最適値の算出を行う期間Tsが定められている(以下、探索期間Tsと称する)。すなわち、リアルタイム調整動作では、この探索期間Tsごとに順次、新たな最適SAの値が算出されていくものである。
ここで、本例の場合のリアルタイム調整動作では、最適SAの算出に用いる制御演算式として、上記参考文献の場合と同様のPI制御(比例積分制御)の形式による制御演算式を採用するものとしている。
具体的には、


v(r)=v(r-1)+Kp×(z(r)−z(r-1))+Ki×Ts×(z(r)+z(r-1))−2×z_t

・・・[式5]


である。
但し[式5]において、

v(r) : r回目探索期間の最適SA
v(r-1) : r−1回目探索期間にて算出した最適SA
Kp : 比例ゲイン係数
Ki : 積分ゲイン係数
z(r) : r回目探索期間の評価値差分
z(r-1) : r−1回目探索期間の評価値差分
z_t : 調整ターゲット(評価値差分のターゲット値)

である。
ここで、図11に示した如くその時点での最適SAを基準にSAの値を同じ振れ幅で増減させたとき、それに伴って得られる評価値(ジッタ値)は、理想的には0を基準として同じ振れ幅で増減する値が得られることになる(SAが最適であればジッタ値は理想的に最小値0であるため)。
この点を利用して本例では、探索期間Ts内において得られるプラス側評価値(増加側のSAが設定された際に得られた評価値)の平均値と、マイナス側評価値(減少側SAが設定された際に得られた評価値)の平均値とを計算した上で、それらの平均値の差分値を、最適SAからの誤差を表す評価指標として算出するものとしている。このように算出される評価指標は、[式5]においては「評価値差分」(z(r)+z(r-1))が該当するものである。
この評価値差分zの値は、その時点での最適値として算出されたSA(図11中の一点鎖線)が、真の最適SA(図11中の太実線)と一致する場合には最小値「0」となると共に、真の最適SAからの誤差がある場合には、その誤差方向に応じた正/負の極性を有し且つ誤差量に応じた絶対値を有する値となる。
また[式5]において、調整ターゲットz_tは、上記評価値差分のターゲット値である。本例の場合のように評価値としてジッタ値を用いる場合、当該調整ターゲットz_tの値は最小値「0」に設定する。
以上をまとめるに、PI制御に基づくリアルタイム調整動作としては、現在の探索期間Ts(r回目探索期間Tsとする)において、その時点での最適SAを基準にSAの値を同振幅値(絶対値)で微少に増減させる一方で、それに伴って得られる評価値を取得して、上述した評価値差分z(r)を計算する。そして、当該評価値差分z(r)の値と共に、既に得られているr−1回目の探索期間Tsで算出した最適SAの値v(r-1)(但しr=1の場合はスタートアップ動作時の探索で求めた最適SAを用いる)と r−1回目の探索期間Tsの評価値差分の値と、さらに比例ゲイン係数Kp、積分ゲイン係数Ki、調整ターゲットz_tの各値とを用いて、[式5]によりr回目探索期間Tsの最適SAを算出する。
このような動作を探索期間Tsごとに繰り返すことで、図11に示したようなリアルタイム調整動作が実現される。
ここで、上記により説明したようなリアルタイム調整動作に関して、[式5]における比例ゲイン係数Kp及び積分ゲイン係数Kiは、最適調整値への追従性能(つまり制御感度)を決定づけるための係数となる。以下、このようにリアルタイム調整動作における制御感度を決定づけるゲイン係数のことを、「リアルタイム調整演算係数」と称する。
ところで、上記の参考文献に開示されるような従来のリアルタイム調整動作においては、このようなリアルタイム調整演算係数の値として、設計的に定められた固定値を用いるようにされていた。
このとき、上記固定値としてのリアルタイム調整演算係数を決定するにあたっては、例えば図5などに示した「出荷時 平均特性」のような平均的な傾きを有する温度−最適値特性を前提とした上で、該平均的な傾きに応じた追従性能(制御感度)が得られるようにしてその値を決定するものとなるが、このように決定される固定値としてのリアルタイム調整演算係数を用いた場合、例えば上記平均的な傾きよりも大となる傾きを有する個体においては、制御感度が相対的に低いものとなってしまい、結果、最適値の変化に追従しきれなくなってしまう虞がある。
或いは、上記平均的な傾きよりも小となる傾きを有する個体に対しては、逆に制御感度が過剰なものとなってしまう虞があり、その場合は発振気味の制御となって調整動作の安定性が損なわれてしまうことになる。
これらの点からも理解されるように、上記のような固定値による調整演算係数を用いる従来のリアルタイム調整動作では、温度特性補償演算係数を固定値とする場合と同様に、個体ごとに最適な調整動作とすることが困難であるという点が問題となる。
そこで上記の問題点に鑑み、第4の実施の形態では、先の各実施の形態で説明した如くスタートアップ動作時とスピンダウン時とで取得した2点に基づき実際の温度−最適値特性に応じた温度特性補償演算係数(α_sa_rev)を計算した上で、当該温度特性補償演算係数α_sa_revに基づき、個体ごとに最適なリアルタイム調整演算係数の値を計算する。
具体的に、このような新たなリアルタイム調整演算係数(それぞれ比例ゲイン係数Kp_rev、積分ゲイン係数Ki_revとする)としては、下記[式6][式7]によって算出する。


Kp_rev=Kp×α_sa_rev/α_sa ・・・[式6]


Ki_rev=Ki×α_sa_rev/α_sa ・・・[式7]


なお確認のために述べておくと、上記Kp(比例ゲイン係数)とKi(積分ゲイン係数)は、例えば従来と同様の手法で決定された固定値としてのリアルタイム調整演算係数である。第4の実施の形態の記録再生装置においては、このような固定値としてのリアルタイム調整演算係数がデフォルト値として予め設定される。
ここで、先にも述べたように、固定値としてのリアルタイム調整演算係数(Kp,Ki)は、温度−最適値特性の平均的な傾き(つまり本例の場合には温度特性補償演算係数α_saが該当)を前提としてその値が設定されたものとなる。このことに対応させて、上記[式6][式7]のそれぞれでは、固定値としての(デフォルトの)リアルタイム調整演算係数(Kp,Ki)に対して、α_sa_rev/α_sa(その個体の傾き/平均の傾き)を乗じるものとしている。これにより、新たなリアルタイム調整演算係数(Kp_rev,Ki_rev)として、その個体の実際の傾き(経時変化分も含む)に応じた最適な制御感度(追従性能)を実現する係数を算出することができる。
このように新たなリアルタイム調整演算係数(Kp_rev,Ki_rev)を算出した上で、該リアルタイム調整演算係数(Kp_rev,Ki_rev)を用いたリアルタイム調整動作を実行する。
つまりこの場合のリアルタイム調整動作においては、

v(r)=v(r-1)+Kp_rev×(z(r)−z(r-1))+Ki_rev×Ts×(z(r)+z(r-1))−2×z_t

・・・[式8]


によって探索期間Tsごとの最適SAの計算を行う。
上記により説明した第4の実施の形態によれば、個体ごとの実際の傾き(経時変化分も含む)に応じた最適とされる制御感度によってリアルタイム調整動作を行うことができる。つまりこの結果、従来よりも高精度なリアルタイム調整動作を実現できる。
[4-2.処理手順]

図12〜図14は、上記により説明した第4の実施の形態としての温度補償手法を実現するための処理の手順を示したフローチャートである。
なおこれらの図においても、図1に示したシステムコントローラ10が例えば内部のメモリに格納されたプログラムに基づき実行する処理の手順を示している。
またこれらの図においても、既にこれまでで説明済みとなったものと同内容となる処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
図12及び図13のフローチャートは、新たなリアルタイム調整演算係数(Kp_rev,Ki_rev)の計算に係る処理の手順を示している。
また図14は、リアルタイム調整動作の実行時に対応して行われるべき処理の手順を示している。
先ずは、図12及び図13のフローチャートより説明を行う。
これら図12及び図13のフローチャートと、先の図9及び図10のフローチャートとを比較して分かるように、図12及び図13に示す処理手順は、図9及び図10に示す第3の実施の形態の場合の処理手順におけるステップS112の後に、ステップS401及びステップS404の処理が追加されたものとなっている。
具体的にこの場合は、図13に示すステップS112による温度特性補償演算係数α_sa_revの記憶処理を実行した後に、ステップS401において、係数α_sa_revを用いて[式6][式7]によりリアルタイム調整演算係数(Kp_rev,Ki_rev)を計算する処理を実行する。
すなわち、上記温度特性補償演算係数α_sa_revと、例えばシステムコントローラ10内部のメモリなどに予め格納されたデフォルトのリアルタイム調整演算係数(Kp,Ki)とを用いて、先の[式6][式7]によって新たなリアルタイム調整演算係数(Kp_rev,Ki_rev)を計算する。
そして、次のステップS402において、上記のように計算したリアルタイム調整演算係数(Kp_rev,Ki_rev)を記憶する。
このステップS402の処理の実行後、ステップS101に戻る。
続いて、図14に示すリアルタイム調整動作実行時に対応した処理手順について説明する。
先ずステップS501においては、リアルタイム調整動作開始条件が成立まで待機する。
これまでの説明からも理解されるように、リアルタイム調整動作は、再生動作中において実行されるものである。リアルタイム調整動作開始条件としては、例えば再生動作の開始、すなわちAVシステム15からのリードコマンドの供給などを挙げることができる。
ステップS501としては、例えば上記リードコマンドの供給など、リアルタイム調整動作を開始すべきとして予め設定された所定条件が成立するまで待機する処理を実行する。
そして、リアルタイム調整動作開始条件の成立に応じては、ステップS502において、過去にリアルタイム調整演算係数が算出済みであるか否かについて判別を行う。すなわち、過去に先の図13におけるステップS401が実行されて新たなリアルタイム調整演算係数(Kp_rev,Ki_rev)が算出済みであるか否かを判別する。
ステップS502において、未だリアルタイム調整演算係数が算出済みでないとして否定結果が得られた場合は、ステップS503に進んでデフォルトのリアルタイム調整演算係数Kp,Kiを用いたリアルタイム調整動作を実行する。すなわち、先の[式5]に従って探索期間Tsごとの最適SAの計算を行うリアルタイム調整動作を実行するものである。
一方、上記ステップS502において、過去にリアルタイム調整演算係数が算出済みであるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS504に進んで最新のリアルタイム調整演算係数Kp_rev,Ki_revを用いたリアルタイム調整動作を実行する。すなわち、最新のリアルタイム調整演算係数Kp_rev,Ki_revを用いて[式8]に従った探索期間Tsごとの最適SAの計算を行うリアルタイム調整動作を実行する。
なお、図示による説明は省略するが、この場合のシステムコントローラ10としては、実際には、図14に示すステップS503又はS504の処理と並行してリアルタイム調整動作の停止条件の成立を待機し、該停止条件の成立に応じてリアルタイム調整動作を停止するための処理を実行することになる。リアルタイム調整動作の停止条件としては、例えば再生動作の終了などを挙げることができる。
ここで、図12及び図13に示した処理手順においても、先の第2の実施の形態の場合と同様のステップS201・S202の処理を設けて、スタートアップ動作時とスピンダウン時の温度差が所定値T_th未満の場合には温度特性補償演算係数α_sa_histの計算を行わないものとしたが、この場合としても、これらステップS201・S202の処理を省略して温度差に関わらず毎回、温度特性補償演算係数α_sa_histの計算が行われるようにすることもできる。
また図12及び図13の処理手順では、第3の実施の形態と同様にm個の温度特性補償演算係数α_sa_histの平均値を新たな温度特性補償演算係数α_sa_revとして用いるものとしたが、第1の実施の形態の場合のようにこのような平均値の計算を省略した手法を採ることもできる。
また、第4の実施の形態では、リアルタイム調整動作がPI制御に基づき行われる場合を例示したが、PID制御などの他の形式による制御演算によって最適値を計算するようにもできる。その場合も、制御演算で用いるリアルタイム調整演算係数を先に説明した手法と同様の手法によって温度特性補償演算係数から計算することで、リアルタイム調整動作の精度向上を図ることができる。
<5.変形例>

以上、本発明の各実施形態について例示してきたが、本発明としてはこれまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば、これまでの説明では、特性変化温度依存調整値の一例として、球面収差補正値についての温度補償手法のみを行う場合を例示したが、本発明は、例えばフォーカスバイアスやチルトなどといった他の特性変化温度依存調整値についての温度補償を行う場合にも好適に適用することができる。つまり、それらの特性変化温度依存調整値について、これまでで説明した球面収差補正値についての手法と同様の手法による温度補償を行うことで、同様の効果を得ることができる。
なお、図1においてはその図示を省略したが、チルト補正のための構成としては、例えば光ディスクの傾き(ラジアル/タンジェンシャル方向)を調整するアクチュエータ(例えばスピンドルモータ2の傾きを調整する)や、光路中に挿入したコマ収差補正用の液晶素子を設ける構成を挙げることができる。
ちなみに、近年では、例えばコスト削減などを目的として対物レンズ26にプラスチックレンズを用いる場合があるが、その場合には、特性変化温度依存調整値のうち特に球面収差補正値についての温度−最適値特性の個体ごとのバラツキが顕著となる。従って対物レンズ26にプラスチックレンズを用いる場合は、特に球面収差補正値について本発明の温度補償を行うことが有効である。
また、これまでの説明では、新たな温度特性補償演算係数の計算にあたっては、スタートアップ動作時の調整動作で求めた温度・最適値の情報とスピンダウン時の探索動作で求めた温度・最適値の情報とを用いるものとしたが、例えば実施の形態で例示したようにディスクDに対する記録が可能な装置とされて記録動作の開始前にいわゆるOPC(Optimum Power Control)としての最適レーザパワー調整動作を行う場合には、当該OPC時において最適調整値の調整動作を行うようにすることもできる。すなわち、当該OPC時の最適調整値調整動作で求まったOPC時最適値とそのときの温度(OPC時温度)の情報を、スタートアップ動作時の温度・最適値の情報の代わりに用いるものとして、OPC時の温度・最適値の組と、スピンダウン時の温度・最適値の組の2点から新たな温度特性補償演算係数を計算するものである。
また、先の第1の実施の形態では、新たな温度特性補償演算係数の計算を毎スピンダウン時に行う場合を例示したが、例えば図15に示すようにして、新たな温度特性補償演算係数の計算はN回のスピンダウンごとに行うようにすることもできる。
具体的にこの場合は、ステップS108の処理によりスピンダウン条件が成立したとされたことに応じて、ステップS601において、n=Nであるか(すなわちスピンダウン回数nが所定値Nとなったか)否かを判別する。
そしてステップS601において、n=Nではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS602に進んでスピンダウン回数nを1インクリメント(n←n+1)した後、ステップS101に戻るようにする。
一方、上記ステップS601において、n=Nであるとして肯定結果が得られた場合は、図のようにステップS109〜S112の処理を実行する。
上記のようにすることで、スピンダウン時探索動作や新たな温度特性補償演算係数の計算が行われる回数を有効に削減することができる。
ここで、これまでの説明からも理解されるように、温度特性補償演算係数に関しては、それを初回に計算することで、光学ピックアップOPの個体ごとの温度−最適値特性に応じた温度特性補償演算係数を得ることができ、また初回以降の温度特性補償演算係数を計算することによっては、経時変化する温度−最適値特性への追従が可能となる。
このとき、温度−最適値特性の経時変化は、通常、スピンダウンが実行される間隔よりも長いものであることが予想される。従って、上記のようにN回のスピンダウンごとにスピンダウン時探索動作・新たな係数計算を行うようにすることで、温度−最適値特性の経時変化への追従と、スピンダウン時探索動作・新たな係数計算の処理回数削減による処理負担の軽減との両立を図ることができる。
また、本発明による温度補償は、例えば装填された光ディスクのメディア種類や記録層の別、或いは光ディスクの個体の別などに応じて、個別に行うようにすることもできる。
ここで「メディア種類」の区別としては、例えばCD(Compact Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)/BD(Blu-ray Disc:登録商標)の大別や、さらにこれらの別にROMタイプ(再生専用型)/ライトワンス型/書き替え可能型の別を加えたCD−ROM/CD−R/CD−RW/DVD−ROM/DVD−R/DVD−RW/BD−ROM/BD−R/BD−REなどの別を挙げることができる。
例えば一例として、このようなメディア種類の別と共に、記録層の別も併せた区分により個別に温度補償を行うとした場合について説明すると、先ずこの場合は、装填された光ディスクのメディア種類を判別する処理が追加されることになる。また、スタートアップ動作時の最適値調整動作、スピンダウン時の最適値探索動作を行った記録層の別を判別する処理も行うことになる。
この場合においては、スタートアップ動作時の最適値調整動作によって求めた最適値とそのときの温度情報と、スピンダウン時の最適値探索動作で求めた最適値とそのときの温度情報とに基づき計算した新たな温度特性補償演算係数を、上記判別処理の結果特定されたメディア種類及び探索動作を行った記録層の別に応じて個別に記憶することになる。
図16は、このようにメディア種類及び記録層の別に応じて個別に温度特性補償演算係数を記憶した情報の具体例な一例を示している。
そして、このようにメディア種類及び記録層の別ごとに温度特性補償演算係数を記憶した情報を用いて、装填された光ディスクのメディア種類及びスタートアップ動作を行う記録層の別に応じた最適な温度特性補償演算係数を用いたスタートアップ初期調整値の計算・設定を行う。具体的に、この場合のスタートアップ動作の開始時には、図16に示した情報を参照し、装填された光ディスクのメディア種類と一致し且つこれからスタートアップ動作を行おうとしている記録層と一致する「メディア種類及び記録層の別」に対応づけられた温度特性補償演算係数が既に計算済みであるか否かを判別し、既に該当する温度特性補償演算係数が計算済みである場合には、該温度特性補償演算係数を用いてスタートアップ初期調整値の計算・設定を行う。一方、該当する温度特性補償演算係数が計算済みでない場合は、デフォルトの温度特性補償演算係数を用いたスタートアップ初期調整値の計算・設定を行うことになる。
上記のようなメディア種類や記録層の別に応じた個別の温度補償を行うようにすることで、メディア種類や記録層の別に応じた最適な温度補償を実現できる。
また、上記のようにメディア種類や記録層の別に応じて個別に温度特性補償演算係数を計算・記憶しておくようにすることで、既に温度特性補償演算係数が計算済みであるメディア種類・記録層の組み合わせに対しては新たな温度特性補償演算係数の計算のための処理(スピンダウン時の最適値探索動作を含む)は省略することができ、その分、処理負担の軽減を図ることができる。
またこのような手法によれば、既に係数を計算済みのメディア種類・記録層の組み合わせに対しては、初回のスタートアップ動作開始時からその個体の有する温度−最適値特性に応じた最適な温度特性補償演算係数を用いた温度補償を行うことができる。
また、光ディスクの個体ごとに個別の温度補償を行うようにすることもできる。
その場合には、装填された光ディスクの個体の別を判別することになる。ここで、光ディスクがライタブルディスクである場合には、例えばディスク上の所定領域に個体識別番号情報(ディスクID)を書き込むようにすることで、以降の装填時における光ディスクの個体判別を可能とする。また、ROMタイプの光ディスクについては、予めディスク上の所定領域にディスクIDを記録するようにしておき、装置側で該IDを読み出して個体判別を行う。
なお、これらの個体判別手法はあくまで一例に過ぎず、例えばBCA(バーストカッティングエリア)にディスクIDを記録しておきこれを識別するなど、他の手法を採ることもできる。
この場合は、スタートアップ動作時の最適値調整動作によって求めた最適値とそのときの温度情報と、スピンダウン時の最適値探索動作で求めた最適値とそのときの温度情報とに基づき計算した新たな温度特性補償演算係数を、例えば上記で例示した手法によって取得したディスクIDの別に応じて個別に記憶する。図17は、これにより記憶された情報の一例を示している。
そしてこの場合は、スタートアップ動作の開始時において、図17に示した情報を参照し、装填された光ディスクのディスクIDに対応する温度特性補償演算係数が既に計算済みであるか否かを判別し、該当する温度特性補償演算係数が計算済みである場合には、該温度特性補償演算係数を用いてスタートアップ初期調整値の計算・設定を行う。また、該当する温度特性補償演算係数が計算済みでない場合は、デフォルトの温度特性補償演算係数を用いたスタートアップ初期調整値の計算・設定を行う。
これにより、光ディスクの個体ごとに応じた最適な温度補償を実現できる。
また、上記手法によれば、既に係数を計算済みの光ディスクについては改めての係数の計算のための処理を省略することができる。
ここで、先に述べたように、スタートアップ時とスピンダウン時とで取得した2点から計算される[式2]の直線において、第1項の傾き成分は主に光学ピックアップOPに固有の最適値の温度依存性を表現するのに対し、第2項のオフセット成分は、主に光ディスクに固有の収差分(記録層ごとの収差分も含む)を表現するものとなる。
この点を考慮すると、上記のようにしてメディア種類や記録層の別、光ディスクの個体の別に応じた個別の温度補償を行うことを前提とした場合には、温度補償に用いる温度−最適値特性のオフセット成分としては、実施の形態の場合のように「出荷時 平均特性」のオフセット成分を用いるものとはせず、[式2]で計算されるオフセット成分をそのまま用いるようにした方がより適正な温度補償とできることに気づく。
この点より、上記のようにメディア種類や記録層の別、光ディスクの個体の別に応じた個別の温度補償を行うとした場合には、スタートアップ初期調整値の算出にあたり用いる計算式として、先に説明した[式4]に代えて、[式2]をそのまま用いるようにすることが、より適正な温度補償の実現化のために有効となる。
ところで、上記による説明では、スタートアップ開始時の温度補償のみについて言及したが、リアルタイム調整動作に関しても、上記のようなメディア種類や記録層の別、光ディスクの個体の別に応じた個別の調整動作とすることができる。つまりその場合は、図16や図17に示す情報を用いて、メディア種類や記録層の別、光ディスクの個体の別に応じた個別のリアルタイム調整演算係数を計算するものとし、これを装填された光ディスクのメディア種類の別や個体の別、リアルタイム調整動作を行う記録層の別に応じて使い分けるようにすればよい。
また、これまでの説明では、最適値の探索動作の際に用いる評価値としてジッタ値を採用する場合を例示したが、例えばビットエラーレートの値やウォブル信号の振幅値、RF信号の振幅値、差メトリックについての評価値(2値化処理にPRMLが採用される場合で、理想値からの誤差や偏差を表した値)といった他の評価値を採用することもできる。
何れにしても本発明における評価値としては、光ディスクからの反射光に基づいて得られるもので再生信号品質の評価指標となるものであればよい。
また、これまでの説明では、本発明が光ディスクについての記録及び再生の双方が可能な記録再生装置に適用される場合を例示したが、本発明としては、光ディスクに対する再生のみが可能とされた再生装置(再生専用装置)に対しても好適に適用することができる。
1 記録再生装置、2 スピンドルモータ(SPM)、3 スレッド機構、4 マトリクス回路、5 リーダ/ライタ(RW)回路、5a 評価器、6 変復調回路、7 ECCエンコーダ/デコーダ、8 ウォブル回路、9 アドレスデコーダ、10 システムコントローラ、11 サーボ回路、12 スピンドルサーボ回路、13 レーザドライバ、14 温度センサ、15 AVシステム、OP 光学ピックアップ、D ディスク、23 エキスパンダ(可動レンズ)、24 固定レンズ、25 アクチュエータ、31 DSP、31S 球面収差補正値設定部、31B フォーカスバイアス設定部、31F フォーカスサーボ演算部、31T トラッキングサーボ演算部、33S 球面収差補正ドライバ、33F フォーカスドライバ、33T トラッキングドライバ

Claims (17)

  1. 光ディスク記録媒体を回転駆動する回転駆動部と、
    データの書込・読出のために上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光照射及び反射光検出を行うように構成された光学ピックアップ部と、
    上記レーザ光に関する調整項目であって温度に依存してその最適点が変化する特性変化温度依存調整項目についての調整を行う調整部と、
    上記光学ピックアップ部の温度検出を行うように設けられた温度検出部と、
    上記光学ピックアップ部にて得られた反射光情報に基づき、再生信号品質の指標となる評価値を生成する評価値生成部とを備えると共に、
    上記光ディスク記録媒体の装填後においてデータ再生を可能とするための準備動作として行われるスタートアップ動作時に対応して、上記温度検出部による検出温度をスタートアップ動作時温度情報として取得するスタートアップ時温度取得処理と、
    上記スタートアップ動作時において、上記調整部に設定する調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索し該最適点としての調整値が上記調整部に設定されるように制御を行うスタートアップ動作時最適点調整処理と、
    上記スタートアップ動作の完了後、上記回転駆動部による上記光ディスク記録媒体の回転駆動を停止させるべきとして予め定められた所定条件が成立したことに応じて、上記温度検出部による検出温度をスピンダウン時温度情報として取得するスピンダウン時温度取得処理と、
    上記所定条件が成立したことに応じて、上記調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索するスピンダウン時最適点探索処理と、
    上記スタートアップ動作時温度情報及び上記スタートアップ動作時最適点調整処理により求まったスタートアップ動作時最適点の情報と、上記スピンダウン時温度情報及び上記スピンダウン時最適点探索処理により求まったスピンダウン時最適点の情報とに基づき、上記調整値についての温度補償を行うための温度特性補償演算係数を計算する温度特性補償演算係数計算処理と
    を実行する制御部を備える
    記録再生装置。
  2. 上記制御部は、
    上記スピンダウン後におけるスタートアップ動作の開始時において、
    上記温度検出部による検出温度をスタートアップ開始時温度情報として取得するスタートアップ開始時温度取得処理と、
    上記スタートアップ開始時温度情報と上記温度特性補償演算係数計算処理により計算した温度特性補償演算係数とに基づきスタートアップ初期調整値を計算する初期調整値計算処理と、
    上記スタートアップ初期調整値が上記スタートアップ動作の開始時における初期調整値として上記調整部に設定されるように制御を行う初期調整値設定制御処理とを実行する
    請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 上記制御部は、
    再生動作の実行中において、
    計算により求めた最適点を基準に増減する上記調整値が上記調整部に設定されるように制御し且つ上記調整値が増減する下で上記評価値生成部にて生成された評価値を取得すると共に、それら取得した評価値と、所定の制御演算式とに基づく上記調整値の最適点の計算を繰り返すことで上記調整値を最適点に追従させるリアルタイム調整処理を実行すると共に、
    上記温度特性補償演算係数計算処理により計算した上記温度特性補償演算係数に基づいて、上記制御演算式におけるゲイン係数を新たに計算するリアルタイム調整演算係数更新処理を実行する
    請求項1に記載の記録再生装置。
  4. 上記制御部は、
    上記スタートアップ動作時最適点調整処理により行われる最適点の探索動作と上記スピンダウン時最適点探索処理により行われる最適点の探索動作とが上記光ディスク記録媒体上の同一エリアを利用して行われるように制御を行う
    請求項1に記載の記録再生装置。
  5. 上記制御部は、
    上記スタートアップ動作時温度取得処理により取得した温度と上記スピンダウン時温度取得処理により取得した温度との差分値が所定値以上であるか否かを判別する第1の判別処理を実行し、
    上記第1の判別処理により上記温度の差分値が上記所定値以上であるとされた場合に上記スピンダウン時最適点探索処理を実行する
    請求項1に記載の記録再生装置。
  6. 上記制御部は、
    上記温度特性補償演算係数計算処理によって計算した過去の温度特性補償演算係数の平均値を計算する係数平均値計算処理を実行する共に、
    上記初期調整値計算処理では、
    上記スタートアップ開始時温度情報と、上記係数平均値計算処理で計算した上記平均値としての温度特性補償演算係数とに基づき上記スタートアップ初期調整値を計算する
    請求項2に記載の記録再生装置。
  7. 上記調整部は、
    球面収差、フォーカスバイアス、チルトの何れか1つの調整項目についての調整を行う請求項1に記載の記録再生装置。
  8. 上記光ディスク記録媒体に対する記録を行うべき状態とされた場合において、OPC(Optimum Power Control)を実行するように構成され、
    上記制御部は、
    上記OPCが行われる際に、上記温度検出部による検出温度をOPC時温度情報として取得するOPC時温度取得処理と、
    上記OPCが行われる際に、上記調整部に設定する調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索し該最適点としての調整値が上記調整部に設定されるように制御を行うOPC時最適点調整処理とを実行する
    請求項1に記載の記録再生装置。
  9. 上記制御部は、
    上記スピンダウンの回数が所定回数に達したか否かを判別する第2の判別処理を実行し、
    上記第2の判別処理によりスピンダウン回数が上記所定回数に達したとされた場合に上記スピンダウン時最適点探索処理を実行する
    請求項1に記載の記録再生装置。
  10. 上記制御部は、
    装填された光ディスク記録媒体のメディア種類を判別するメディア種類判別処理を実行すると共に、
    上記メディア種類判別処理によって判別したメディア種類ごとに、上記温度特性補償演算係数計算処理によって計算した温度特性補償演算係数を記憶する
    請求項1に記載の記録再生装置。
  11. 上記制御部は、上記メディア種類判別処理としてCD(Compact Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)/BD(Blu-ray Disc)の別を判別する請求項10に記載の記録再生装置。
  12. 上記制御部は、上記メディア種類判別処理として、CD/DVD/BDの別とさらにライトワンス型/書き替え可能型の別も判別する請求項10に記載の記録再生装置。
  13. 上記制御部は、
    装填された光ディスク記録媒体が記録層を複数有する多層ディスクである場合に対応して、上記記録層ごとに、上記温度特性補償演算係数計算処理によって計算した温度特性補償演算係数を記憶する
    請求項1に記載の記録再生装置。
  14. 上記制御部は、
    装填された光ディスク記録媒体の個体の別を判別するディスク個体判別処理を実行すると共に、
    上記ディスク個体判別処理によって判別した個体ごとに、上記温度特性補償演算係数計算処理によって計算した温度特性補償演算係数を記憶する
    請求項1に記載の記録再生装置。
  15. 光ディスク記録媒体を回転駆動する回転駆動部と、データの書込・読出のために上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光照射及び反射光検出を行うように構成された光学ピックアップ部と、上記レーザ光に関する調整項目であって温度に依存してその最適点が変化する特性を有する特性変化温度依存調整項目についての調整を行う調整部と、上記光学ピックアップ部の温度検出を行うように設けられた温度検出部と、上記光学ピックアップ部にて得られた反射光情報に基づき、再生信号品質の指標となる評価値を生成する評価値生成部とを備える記録再生装置における、上記調整部の調整値についての温度特性補償演算係数の計算方法であって、
    上記光ディスク記録媒体の装填後においてデータ再生を可能とするための準備動作として行われるスタートアップ動作時に対応して、上記温度検出部による検出温度をスタートアップ動作時温度情報として取得するスタートアップ時温度取得ステップと、
    上記スタートアップ動作時において、上記調整部に設定する調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索し該最適点としての調整値が上記調整部に設定されるように制御を行うスタートアップ動作時最適点調整ステップと、
    上記スタートアップ動作の完了後、上記回転駆動部による上記光ディスク記録媒体の回転駆動を停止させるべきとして予め定められた所定条件が成立したことに応じて、上記温度検出部による検出温度をスピンダウン時温度情報として取得するスピンダウン時温度取得ステップと、
    上記所定条件が成立したことに応じて、上記調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索するスピンダウン時最適点探索ステップと、
    上記スタートアップ動作時温度情報及び上記スタートアップ動作時最適点調整ステップにより求まったスタートアップ動作時最適点の情報と、上記スピンダウン時温度情報及び上記スピンダウン時最適点探索ステップにより求まったスピンダウン時最適点の情報とに基づき、上記調整値についての温度補償を行うための温度特性補償演算係数を計算する温度特性補償演算係数計算ステップと
    を有する温度特性補償演算係数の計算方法。
  16. 光ディスク記録媒体を回転駆動する回転駆動部と、
    データの読出のために上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光照射及び反射光検出を行うように構成された光学ピックアップ部と、
    上記レーザ光に関する調整項目であって温度に依存してその最適点が変化する特性変化温度依存調整項目についての調整を行う調整部と、
    上記光学ピックアップ部の温度検出を行うように設けられた温度検出部と、
    上記光学ピックアップ部にて得られた反射光情報に基づき、再生信号品質の指標となる評価値を生成する評価値生成部とを備えると共に、
    上記光ディスク記録媒体の装填後においてデータ再生を可能とするための準備動作として行われるスタートアップ動作時に対応して、上記温度検出部による検出温度をスタートアップ動作時温度情報として取得するスタートアップ時温度取得処理と、
    上記スタートアップ動作時において、上記調整部に設定する調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索し該最適点としての調整値が上記調整部に設定されるように制御を行うスタートアップ動作時最適点調整処理と、
    上記スタートアップ動作の完了後、上記回転駆動部による上記光ディスク記録媒体の回転駆動を停止させるべきとして予め定められた所定条件が成立したことに応じて、上記温度検出部による検出温度をスピンダウン時温度情報として取得するスピンダウン時温度取得処理と、
    上記所定条件が成立したことに応じて、上記調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索するスピンダウン時最適点探索処理と、
    上記スタートアップ動作時温度情報及び上記スタートアップ動作時最適点調整処理により求まったスタートアップ動作時最適点の情報と、上記スピンダウン時温度情報及び上記スピンダウン時最適点探索処理により求まったスピンダウン時最適点の情報とに基づき、上記調整値についての温度補償を行うための温度特性補償演算係数を計算する温度特性補償演算係数計算処理と
    を実行する制御部を備える
    再生装置。
  17. 光ディスク記録媒体を回転駆動する回転駆動部と、データの読出のために上記光ディスク記録媒体に対するレーザ光照射及び反射光検出を行うように構成された光学ピックアップ部と、上記レーザ光に関する調整項目であって温度に依存してその最適点が変化する特性を有する特性変化温度依存調整項目についての調整を行う調整部と、上記光学ピックアップ部の温度検出を行うように設けられた温度検出部と、上記光学ピックアップ部にて得られた反射光情報に基づき、再生信号品質の指標となる評価値を生成する評価値生成部とを備える記録再生装置における、上記調整部の調整値についての温度特性補償演算係数の計算方法であって、
    上記光ディスク記録媒体の装填後においてデータ再生を可能とするための準備動作として行われるスタートアップ動作時に対応して、上記温度検出部による検出温度をスタートアップ動作時温度情報として取得するスタートアップ時温度取得ステップと、
    上記スタートアップ動作時において、上記調整部に設定する調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索し該最適点としての調整値が上記調整部に設定されるように制御を行うスタートアップ動作時最適点調整ステップと、
    上記スタートアップ動作の完了後、上記回転駆動部による上記光ディスク記録媒体の回転駆動を停止させるべきとして予め定められた所定条件が成立したことに応じて、上記温度検出部による検出温度をスピンダウン時温度情報として取得するスピンダウン時温度取得ステップと、
    上記所定条件が成立したことに応じて、上記調整値を順次異なる値に変化させると共に各調整値の設定下で上記評価値生成部により生成された評価値を取得した結果に基づき、上記調整値の最適点を探索するスピンダウン時最適点探索ステップと、
    上記スタートアップ動作時温度情報及び上記スタートアップ動作時最適点調整ステップにより求まったスタートアップ動作時最適点の情報と、上記スピンダウン時温度情報及び上記スピンダウン時最適点探索ステップにより求まったスピンダウン時最適点の情報とに基づき、上記調整値についての温度補償を行うための温度特性補償演算係数を計算する温度特性補償演算係数計算ステップと
    を有する温度特性補償演算係数の計算方法。
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