JP2010539309A - 小さい一次粒径および狭い粒度分布のイプシロン銅フタロシアニンの製造 - Google Patents

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Abstract

粒子の少なくとも50質量%がα結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子を第1有機液体の存在下に50℃以上の温度で加熱することおよび任意選択的にビーズの存在下にミリングすることによる加熱工程を含む、ε結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子の製造方法。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に援用される、2007年9月18日出願の欧州特許出願第07/116658.1号の優先権を主張するものである。
本発明は、小さい粒径および狭い粒度分布のイプシロン型銅フタロシアニン(ε−CuPc)粒子の製造方法と、前記方法に従って得られるイプシロン型銅フタロシアニン粒子と、液晶ディスプレイ(LCD)装置の製造用の青色フィルター顔料の製造のためのその使用とに関する。
全顔料の中で、銅フタロシアニンは特に安定であり、様々な堅牢度の観点から優れている。さらに、銅フタロシアニンは多くの結晶形態を有する。これらの結晶形態のうち、既に実用されていることが知られるものには、銅フタロシアニンのアルファ、ベータおよびイプシロン型が含まれる。緑色を帯びた青色を付与するためにベータ型を、赤みを帯びた青色を付与するためにアルファ型を使用することは一般的な方法である。しかしながら、アルファ型の使用から利用可能なものよりも赤みを帯びている、青色の付与が必要とされるとき、イプシロン型が用いられる。
イプシロン型銅フタロシアニンは、アルファ型と比較して赤みを帯びた色相、高い鮮明性および高い着色力を有する。加えて、一次結晶の結晶成長に抗するそれらの耐溶剤性は、ベータ型のそれよりも高い。さらに、ベータ型への結晶変換に抗するそれらの耐溶剤性は、他の多形銅フタロシアニンのそれよりも高い。それ故、イプシロン型銅フタロシアニンは、色相の変化ならびに着色力および鮮明性の低下に関する不安が少ない著しく優れた特性を有する、結晶形態を有する分子集合体である。また、イプシロン型の熱力学的安定性は、多形結晶の中で最も安定な結晶である、ベータ型の熱力学的安定性の次にある。
(結晶学的に粗なまたは純粋なアルファ結晶学的相の)銅フタロシアニンは、例えば、溶剤での塩粉砕、塩の存在もしくは不存在下の乾式粉砕、その後の溶剤処理、不活性雰囲気中固体バインダーでの乾式粉砕、または乾式もしくは水性粉砕、その後の順化によって、そのベータ結晶学的形態へ容易に変換できることは繰り返し開示されてきた。
さらに、イプシロン型銅フタロシアニンの典型的な製造方法は、ソルベントソルトミリング法である。かかる方法では、イプシロン型以外の結晶を有する銅フタロシアニン粒子とイプシロン型を有する銅フタロシアニン粒子とが、長時間強い機械力を用いてビーズの存在下に有機溶剤中でミリングされる。
米国特許出願公開第2005/215780号明細書は、イプシロン型銅フタロシアニンの製造方法を記載している。かかる方法は、ルイス酸の存在下に80℃〜250℃の範囲の温度で溶剤中銅フタロシアニンを熱処理する工程を含む。
特開2005−234009号公報は、一次粒子の平均粒子径0.01〜0.06μm(透過電子顕微鏡によって測定された)を有するε型銅フタロシアニン微細顔料を含むカラーフィルター用青色顔料組成物を開示している。それはまた、ソルトミリングによるその製造方法を開示している。前記ε型銅フタロシアニン微細顔料は、銅フタロシアニンのスルホン酸アミド誘導体、銅フタロシアニンのフタルイミドメチル誘導体および銅フタロシアニンのスルホン酸もしくはその塩を含有する誘導体を含む。
特開2004−244563号公報は、顔料粒子がソルベントソルトミリング法に匹敵して微細化および整粒される、ε型銅フタロシアニン顔料の製造方法を記載している。前記方法では、平均粒子径が100nmより大きい粗製ε型銅フタロシアニン顔料が、平均粒子径が10〜100nmのプレ顔料に添加される。混合物は、少量の有機溶剤を添加して乾式粉砕にかけられる。粒径調節は、ε−CuPc顔料の平均粒子径の変化を30nm以下に抑制することによって行われる。
特開2002−121420号公報は、ε型銅フタロシアニン微細顔料の製造方法を開示している。この方法は、ε型銅フタロシアニンクルードを有機溶剤と無機塩との存在下にミリングする工程を含む。かかる製造されたε型銅フタロシアニン微細顔料は、窒素吸着法において95〜150m2/gのBET比表面積を有する。さらに、それは、優れた分散性および明度を示す。
米国特許出願公開第2002/014183号明細書は、ホストとして銅フタロシアニンを、ゲストとして他の青色〜紫色顔料を含む顔料固溶体であって、好ましいホストがアルファ、ベータおよびイプシロン型の銅フタロシアニンである顔料固溶体を記載している。前記方法は、結晶性無機塩または結晶性無機塩と有機液体との混合物と混練することによるイプシロン型への銅フタロシアニンの変換を含む。
欧州特許第1130065号明細書は、イプシロン型への銅フタロシアニンの変換を開示している。それはまた、銅フタロシアニン、別の多環式顔料および銅フタロシアニン誘導体の湿式および乾式粉砕による顔料組成物の製造を開示している。
韓国特許第100215919B号明細書は、新規銅フタロシアニン誘導体を使用するイプシロン型銅フタロシアニン顔料の製造方法を記載している。この方法は、アルファ、ガンマ型銅フタロシアニンまたはそれらの混合物に関連した5〜30質量%の銅フタロシアニン誘導体を添加する工程と、混合物を50〜180℃で機械混練してベータ銅フタロシアニンへの結晶変換に限定し、かつ、イプシロン型銅フタロシアニンへの安定な結晶転移を誘導する工程とを含む。
特開昭43−1648号公報は、平均して1/4〜1/10の短軸(S)対主軸(L)の比を有するロッド形態のイプシロン型銅フタロシアニンを含む材料を開示している。前記イプシロン型銅フタロシアニンは、アルファ−およびイプシロン−型銅フタロシアニンの混合物を有機溶剤、引き続き乾式プロセスで処理することよって得られる。
特開昭42−52273号公報は、ハンマーミルなどを用いて粗製イプシロン型銅フタロシアニンを乾式粉砕してイプシロン型結晶とアルファ型結晶との混合物を生成する工程を含む、イプシロン型銅フタロシアニンの製造方法を記載している。それはまた、混合物を有機溶剤中で熱処理して目的の銅フタロシアニン顔料を提供する工程を含む。
特開昭57−149358号公報は、フタロシアニン環を形成することができる有機化合物、尿素、Cu化合物および反応触媒を加熱撹拌する工程を含む、ε型銅フタロシアニンの製造方法を開示している。この改善は、結晶系改質剤とシード結晶としての比表面積が35m2/g未満のε型銅フタロシアニン粗製顔料とをかかる合成反応の開始時に添加しておくことである。前記方法は、純粋な銅フタロシアニンを経済的な、かつ、安全な方法で提供する。
仏国特許第2278739号明細書は、式Pc−(X−A)n(式中、Pcは金属化または金属化されていないフタロシアニン基であり、XはO、S、または−NH−であり、Aは4〜20個の炭素の直鎖もしくは分岐鎖アルキル、非置換アリール、またはハロゲン、トリフルオロメチル、アルキル、もしくはアルコキシで置換されたアリールである)の安定化化合物の使用を記載している。変性顔料は、相変態に向けて未変性フタロシアニン顔料の安定性を向上させることが示されている。
仏国特許第2174089号明細書は、アルファ、ベータおよびガンマ型を高エネルギーグラインダーで粉砕し、溶剤で処理することによる純粋なまたは実質的に純粋なε型銅フタロシアニンの単離方法を記載している。
しかしながら、先行技術のイプシロン型銅フタロシアニンを製造する前述の方法は、それらが結晶相変換および粒径減少のために過度に多くの時間を要するという点において問題を有する。従って、結晶相変換および粒径減少のための時間が短縮されたイプシロン型銅フタロシアニンを効果的に製造する方法を開発することが望まれている。
従って、化学またはミリング処理、任意選択的にその後の塩混練でのイプシロン型銅フタロシアニンのサイズ減少による、アルファ型からイプシロン型への銅フタロシアニンの変換を含む、イプシロン型銅フタロシアニンの製造方法を提供することが本発明の第一の目的である。
本発明の別の目的は、前記方法に従って得られる小さいサイズおよび狭い粒度分布のイプシロン型銅フタロシアニン一次粒子を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、前記イプシロン型銅フタロシアニン粒子をカラーフィルター顔料の製造におよび液晶ディスプレイ(LCD)装置の製造に使用することである。
本発明の方法に使用される塩−混練システムを示す。 本発明の方法に従って、それぞれ、塩−混練の前後に得られたイプシロン型銅フタロシアニン粒子の透過電子顕微鏡写真を示す。 本発明の方法に従って、それぞれ、塩−混練の前後に得られたイプシロン型銅フタロシアニン粒子の透過電子顕微鏡写真を示す。 市販の(日本の大日本インキ化学工業株式会社から購入された)イプシロン型銅フタロシアニン粒子の透過電子顕微鏡写真を示す。 本発明の方法に従って塩−混練後に得られたイプシロン型銅フタロシアニン粒子の粒度分布(曲線A)および市販の(日本の大日本インキ化学工業株式会社から購入された)イプシロン型銅フタロシアニン粒子の粒度分布を示す。
本明細書で以下、本発明が詳細に記載される。
LCD用のカラーフィルターの青色顔料として有効に使用することができる、銅フタロシアニン(CuPc)を開発することが本発明の目的である。かかるフィルター(例えば、フタロシアニン)は、高度に透明、均一であり、かつ、非常に一様な厚さの層で製造することができなければならない。これらの特徴は、銅フタロシアニンの化学的純度、結晶学的純度、一次粒径および粒度分布によって決定される。この関連で、本発明は、上述の特徴を満足させる、新規なおよびより効率的な銅フタロシアニンの製造方法の開発に関する。
本発明はそれ故、粒子の少なくとも50質量%(一般に、80質量%より多く、好ましくは85質量%より多く、より好ましくは90質量%より多く、最も好ましくは95質量%より多く)がα結晶学的形態を示し、かつ、任意選択的に結晶の20質量%未満(好ましくは15質量%未満、より好ましくは10質量%未満、最も好ましくは5質量%未満)がε結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子をシードとして第1有機液体の存在下に50℃以上の温度で加熱することおよび任意選択的にビーズの存在下にミリングすることによる加熱工程を含む、銅フタロシアニン粒子の製造方法に関する。
典型的には、アルファ型からイプシロン型へのCuPc粒子の結晶学的変換は、比較的低い温度(例えば、50℃未満)で行われる。これは、高温では、ベータ形態CuPc(最も安定な結晶学的形態)への変換が起こるためである。例えば、英国特許第1411880号明細書は、それより上ではベータ形態CuPc(最も安定な結晶学的形態)への変換が起こる、「液体特異的な制限温度」を幾つかの溶剤について開示している。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド(NMF)、ベンゾニトリルおよびトルエンの液体特異的な制限温度は、それぞれ、60℃、40℃、および30℃と記載されている。かかる周知の事実(温度の上昇はイプシロンではなく、ベータへの結晶学的変換を促進するはずである)にもかかわらず、本発明者らは、ベータ型へのいかなる変換もなしに比較的高い温度でプロセス時間を短縮することが可能であることを見いだした。
ミリングは、本明細書で定義されるところでは、粒径減少を達成するために、固形分が磨砕、粉砕などにかけられるプロセスを意味する。乾式ミリングは、本明細書で定義されるところでは、粒径減少を達成するために、固形分が磨砕、粉砕などにかけられるが液体を実質的に含まないプロセスを意味する。しかしながら、低レベルの溶剤が加えられてもよい。
本発明の方法は好ましくは、次の3つの工程によって特徴づけられる:1)ベータ型からアルファ型への銅フタロシアニンの結晶相変換;2)アルファ型からイプシロン型への銅フタロシアニンの結晶相変換;および3)イプシロン型銅フタロシアニンの一次粒径減少。
本発明の方法によって最終的に得られる銅フタロシアニンの平均一次粒径は、市販の製品の平均一次粒径より小さい、一般に30nm以下、好ましくは20nm以下である。より小さい粒径を有するイプシロン型銅フタロシアニンは、カラーフィルターのより良好なコントラストをもたらすので、それらはLCD装置のための青色フィルターとして有効に使用することができる。平均一次粒径は、透過電子顕微鏡(TEM)画像において集合体を形成する少なくとも50個の一次粒子を選択し、次にそれらの縦径の平均値を得ることによって測定することができる。
本発明の方法に使用されるα結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子は、任意の方法によって製造することができる。それらは、酸ペースト法を用いることによってβ結晶学的形態を示す銅フタロシアニンから製造されることが好ましい。ベータ型銅フタロシアニンは、東洋インキ(日本)、大日本インキ化学工業株式会社(日本)等々の様々な会社から商業的に入手可能である。ベータ型銅フタロシアニンは、酸ペースト化によってアルファ型への結晶相変換にかけられる。酸ペースト化は、好ましくは粗製の顔料の酸への好ましくは完全な溶解、その後の沈澱を意味する。硫酸、クロロスルホン酸およびポリリン酸などの酸を使用することが好ましい。用いられる沈澱媒体は一般に水、有機溶剤またはそれらの混合物を含む。沈澱は好ましくは乱流条件下に行われる。かかる処理は、例えばウルマンの工業化学百科事典、第5完全改訂版(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Fifth Completely Revised Edition)、1992年、第A20巻、225−226ページに記載されている。
アルファ型銅フタロシアニンは次に、化学またはミリング処理によってイプシロン型への結晶相変換にかけられる。
本発明の方法では、アルファ型銅フタロシアニンは、50℃以上、好ましくは75℃以上、より好ましくは100℃以上、その上より好ましくは125℃以上、最も好ましくは150℃以上の温度で処理される。加熱工程の温度は、一般に210℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、その上より好ましくは180℃以下、最も好ましくは170℃以下である。温度が50℃より低いとき、アルファ型からイプシロン型への変換はより遅い。温度が210℃より高いとき、顔料として不利なことに、一次結晶は成長し、かつ、熱エネルギーは無駄になる傾向がある。
本発明による方法では、加熱工程の継続期間は、一般に0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、その上より好ましくは2時間以上、最も好ましくは3時間以上である。当該継続期間は、一般に12時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下、その上より好ましくは6時間以下、最も好ましくは4時間以下である。
本発明の方法では、加熱工程は、第1有機液体の存在下に実施される。本発明に使用するために好適な第1有機液体には、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールなどのグリコールおよびグリコール誘導体、ジアセトンアルコールなどのアルコール、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、エチレングリコールブチルエーテル、ケトンおよびキノリン、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンおよびそれらの少なくとも2種の任意の混合物が含まれてもよいが、それに限定されない。第1有機液体は水をさらに含んでもよい。
本発明による方法では、加熱工程は、攪拌下にまたは攪拌せずに実施することができる。攪拌下にそれを実施することが好ましい。
本発明に使用される第1有機液体対アルファ型銅フタロシアニンの質量比による割合は、一般に0.033以上、好ましくは0.05以上である。当該比は、通常0.2以下、より好ましくは0.1以下である。
本発明による方法では、加熱工程は任意選択的にビーズの存在下でのミリングを含む。
かかる実施形態では、アルファ型銅フタロシアニンは、50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、最も好ましくは80℃以上の温度で処理される。加熱工程の温度は、一般に210℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは150℃以下、その上より好ましくは120℃以下、最も好ましくは100℃以下である。
かかる実施形態では、加熱工程の継続期間は、一般に0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、その上より好ましくは2時間以上、最も好ましくは3時間以上である。当該継続期間は、一般に12時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは6時間以下、最も好ましくは4時間以下である。
かかる実施形態では、加熱工程は、第1有機液体の存在下に実施される。本発明に使用するために好適な第1有機液体には、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールなどのグリコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、エチレングリコールブチルエーテル、ケトンおよびキノリン、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンが含まれるが、それに限定されない。第1有機液体は水をさらに含んでもよい。
かかる実施形態では、本発明に使用される第1有機液体の量対アルファ型銅フタロシアニンの量の質量比による割合は、本明細書で上に明確にされた通りである。
ミリング媒体として本発明に使用するために好適なビーズには、金属ビーズ、プラスチックビーズ、ジルコニアなどの無機酸化物ビーズおよびガラスビーズ、好ましくはジルコニアビーズが含まれてもよいが、それらに限定されない。本発明に使用されるビーズ対アルファ型銅フタロシアニンの質量比による割合は、一般に0.01以上、好ましくは0.166以上である。当該割合は、通常0.5以下、より好ましくは0.333以下である。
上記の加熱処理によって、アルファ型銅フタロシアニンは、粒度分析計(Particle Size Analyzer)によって測定されたD10およびD90百分率から求められた、狭い粒度分布を有するイプシロン型へ効果的に変換することができる。
本発明による方法は、次の工程:
a)ε結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子を第1有機液体からおよび任意選択的にビーズから分離することによる分離工程;
b)工程a)で分離された銅フタロシアニン粒子を少なくとも1種の無機塩および第2有機液体と混練することによる混練工程;ならびに
c)第2有機液体および無機塩を除去することによって銅フタロシアニン粒子を回収することによる回収工程
をさらに含んでもよい。
分離工程は、任意の方法、例えば任意の適切なフィルターを使用する濾過、デカンテーション、遠心分離などによって実施することができる。好ましくは、濾過は、ε結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子を分離するために使用することができる。
上で変換されたイプシロン型銅フタロシアニンの一次粒径を減少させるために、それを塩と混練する工程が少なくとも第2有機液体の存在下に行われる。好ましい塩混練プロセスのために、単軸混練スクリュー型および二軸混練スクリュー型をはじめとする当該技術分野で周知の典型的な連続混練装置を使用することが可能である。好ましい実施形態では、本発明は、図1に例示されるような塩混練システムを使用する。
混練工程は、一般に2時間以上、好ましくは3時間以上、より好ましくは5時間以上、最も好ましくは6時間以上である継続期間実施される。当該継続期間は、一般に36時間以下、好ましくは18時間以下、より好ましくは12時間以下、最も好ましくは8時間以下である。
混練工程は、一般に0℃以上、好ましくは10℃以上、最も好ましくは50℃以上である温度で実施される。当該温度は、一般に130℃以下、好ましくは80℃以下、最も好ましくは60℃以下である。
混練工程のために好適な第2有機液体には、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコール、N−メチルホルムアミド、ジアセトンアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−ブトキシエタノール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ケトン、キノリン、およびそれらの少なくとも2種の任意の混合物が含まれてもよいが、それに限定されず、第2有機液体は好ましくはN−メチル−2−ピロリドンである。第2有機液体は水をさらに含んでもよい。
混練工程において、第2有機液体対イプシロン型銅フタロシアニンの質量比による割合は、一般に0.033以上、より好ましくは0.050以上である。当該割合は、一般に1.0以下、より好ましくは0.666以下である。
本発明による方法の混練工程において、塩混練プロセスのために好適な無機塩には、必要に応じておよび可能ならば結晶水を含有してもよい、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウムまたは塩化ナトリウム、好ましくは塩化ナトリウムが含まれるが、それに限定されない。無機塩対イプシロン型銅フタロシアニンの質量比による割合は、一般に0.067以上、好ましくは0.1以上である。当該割合は、一般に1.0以下、より好ましくは0.2以下である。
無機塩は、一般に0.3μm以上である平均粒径を有する。当該平均粒径は、粒度分析計(Particle Size Analyzer)によって測定された、一般に200μm以下、好ましくは50μm以下である。無機塩は、好ましくは少なくとも10g/100mlの水の程度まで一般に水に可溶である。
本発明に使用される塩混練システムの回転速度は、混練される組成物が一様な割合で均一に移動されるように、必要に応じて冷却を考慮して、調節されるべきである。塩混練の間ずっと回転速度を30〜150rpm、より好ましくは50〜120rpmの範囲に維持することが好ましい。
混練工程b)の後に、銅フタロシアニン粒子は、無機塩および第2有機液体を除去することによって回収される。除去c)は任意の方法によって行うことができる。それは無機塩および第2有機液体を水で、特に脱塩水で洗い流すことによって行われることが好ましい。
本発明による方法は、工程c)の後にさらなる乾燥工程を含んでもよい。乾燥工程は、10-1Pa以上および105Pa以下の圧力に対して−20℃以上および250℃以下の温度で好ましくは行われ、約104Paの圧力に対して約80℃の温度で行われることが非常に特に好ましい。
イプシロン結晶学的形態を示す生成銅フタロシアニン粒子の分散性を高めるために、官能基で置換された銅フタロシアニンの粒子(分散助剤)が、本発明による方法の酸ペースト化工程および/または任意選択的にビーズの存在下での加熱工程中におよび/または混練工程中にさらに添加されてもよい。加えて、本発明の方法は、官能基で置換された銅フタロシアニンの粒子が回収工程c)の後にさらにブレンドされる、乾式混合の工程をさらに含んでもよい。
本発明において分散助剤として使用される銅フタロシアニンの粒子は、−SO3M、−SO2NR12および−R3−NR45(式中、R1およびR2は互いに独立しており、水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはシクロアルキルであり;Mはプロトン、アンモニウムカチオンまたは金属カチオンであり;R3は単結合、アルキレン、アリーレンであり、前記アルキレンおよびアリーレンは少なくとも1種の置換基で置換されていてもよく;R4およびR5は互いに独立しており、水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはシクロアルキルであるか、または一緒になって−CO−、−SO2−および−N=N−の少なくとも1種を含有する縮合構造を形成する)から選択される少なくとも1種の官能基で置換されていてもよい。
より好ましくは、本発明において分散助剤として使用される銅フタロシアニンの粒子は、−SO3H、−SO2NHR1(式中、R1は水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキルまたは
Figure 2010539309
である)の官能基で置換されていてもよい。
好ましい実施形態では、本発明による方法は、次の工程:
1)粒子の少なくとも50質量%(一般に、80質量%より多く)がα結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子を、酸ペースト法を用いることによってβ結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子から製造する工程;
2)工程1)の、粒子の少なくとも50質量%(一般に、80質量%より多く)がα結晶学的形態を示し、かつ、任意選択的に粒子の20質量%未満がε結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子を第1有機液体の存在下に50℃以上の温度で加熱することおよび任意選択的にビーズの存在下にミリングすることによる加熱工程;
3)ε結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子を第1有機液体および任意選択的にビーズから分離する工程;
4)工程3)で分離された銅フタロシアニン粒子を少なくとも1種の無機塩および第2有機液体と混練する工程;ならびに
5)第2有機液体および無機塩を除去することによって銅フタロシアニン粒子を回収する工程
を含む。
当該技術分野における既存の方法と比較して混練時間を減らすにもかかわらず、本発明の方法は、より小さい平均一次粒径、より狭い粒度分布およびより良好な一次粒子の形を有するイプシロン型銅フタロシアニンを得ることができる。
平均一次粒径は、一般に30nm以下、好ましくは20nm以下である。
粒度分布(PSD)は、粒度分析計(Particle Size Analyzer)(PSA)によって測定される。粒度分布の狭さは、PSAによって測定されるD10およびD90値から特徴づけられる。
CuPc粒子の一次粒子の形は、それらのTEM画像によって観察されるとき、好ましくは球状である。
本発明の一実施態様は、α−結晶学的形態を示すCuPc粒子がε−結晶学的形態に容易に変換され、かつ、結晶純度もまた向上する、化学またはミリング処理工程と混練工程との組み合わせを提供すると考えられ、さらに本方法は、結晶相変換および粒径減少のための時間を短縮する。
本発明は、粒子の少なくとも50質量%(一般に、80質量%より多く)がアルファ型を示し、かつ、任意選択的に粒子の20質量%未満がイプシロン型を示す銅フタロシアニン粒子を第1有機液体の存在下に50℃以上の温度で加熱することおよび任意選択的にビーズの存在下にミリングすることによる加熱工程を含む、イプシロン型銅フタロシアニン粒子の製造方法を提供する。
本発明の方法は、次の工程:
a)イプシロン型銅フタロシアニン粒子を第1有機液体および、使用される場合、ビーズから分離することによる分離工程;
b)工程a)で分離された銅フタロシアニン粒子を少なくとも1種の無機塩および第2有機液体と混練して、30nm未満の平均粒径を有する銅フタロシアニン粒子を得る混練工程;ならびに
c)第2有機液体および無機塩を除去することによって銅フタロシアニン粒子を回収することによる回収工程
をさらに含んでもよい。
本発明の方法では、粒子の少なくとも50質量%がアルファ型を示す銅フタロシアニン粒子は、酸ペースト法を用いることによってベータ型を示す銅フタロシアニン粒子から製造することができる。
本発明の方法に使用される第1有機液体には、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールなどのグリコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、エチレングリコールブチルエーテル、ケトンおよびキノリンからなる群から選択される少なくとも1種の液体が含まれてもよいが、それに限定されない。第1有機液体は水をさらに含んでもよい。
本発明の方法に使用される第2有機液体には、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−ブトキシエタノール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールおよび1−エトキシ−2−プロパノール、ケトンならびにキノリンからなる群から選択される少なくとも1種の液体が含まれてもよいが、それに限定されない。第2有機液体は水をさらに含んでもよい。
本発明の方法における加熱工程は、50℃以上および210℃以下の温度でビーズの不存在下に行われてもよい。あるいはまた、この加熱工程は、50℃以上および210℃以下の温度でビーズの存在下に行われてもよい。
本発明の方法に使用されるビーズには、金属ビーズ、プラスチックビーズ、ジルコニアなどの無機酸化物ビーズおよびカラスビーズの少なくとも1種が含まれてよいが、それに限定されない。
−SO3M、−SO2NR12および−R3−NR45(式中、R1およびR2は互いに独立しており、水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはシクロアルキルであり;Mはプロトン、アンモニウムカチオンまたは金属カチオンであり;R3は単結合、アルキレン、アリーレンであり、前記アルキレンおよびアリーレンは少なくとも1種の置換基で置換されていてもよく;R4およびR5は互いに独立しており、水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはシクロアルキルであるか、または一緒になって−CO−、−SO2−および−N=N−の少なくとも1種を含有する縮合構造を形成する)からなる群から選択されてもよい、少なくとも1種の官能基で置換された銅フタロシアニンの粒子を加熱、酸ペースト工程または混練中にさらに添加することが好ましい。
あるいはまた、本発明の方法は、−SO3M、−SO2NR12および−R3−NR45(式中、R1およびR2は互いに独立しており、水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはシクロアルキルであり;Mはプロトン、アンモニウムカチオンまたは金属カチオンであり;R3は単結合、アルキレン、アリーレンであり、前記アルキレンおよびアリーレンは少なくとも1種の置換基で置換されていてもよく;R4およびR5は互いに独立しており、水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはシクロアルキルであるか、または一緒になって−CO−、−SO2−および−N=N−の少なくとも1種を含有する縮合構造を形成する)からなる群から選択されてもよい、少なくとも1種の官能基で置換された銅フタロシアニンの粒子が回収工程c)の後に分散助剤として銅フタロシアニン粒子とさらにブレンドされる、乾式混合の工程をさらに含んでもよい。
好ましくは、本発明において分散助剤として使用される銅フタロシアニンの粒子は、−SO3H、−SO2NHR1(式中、R1は水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、または
Figure 2010539309
である)
の官能基で置換されていてもよい。
本発明はまた、本発明の方法に従って得られるイプシロン形態銅フタロシアニン粒子に関する。本発明はさらに、カラーフィルター顔料の製造におけるその使用に関する。
さらに、本発明は、本発明の方法に従って製造されるイプシロン型銅フタロシアニン粒子を含むカラーフィルター顔料に関する。また、本発明は、液晶ディスプレイ装置の製造におけるその使用に関する。
イプシロン型銅フタロシアニンの製造
1)ベータ型からアルファ型への銅フタロシアニンの結晶相変換
80質量部の粗製銅フタロシアニンを800質量部の95質量%硫酸に加える。さらに、得られた混合物を3時間撹拌して硫酸中の懸濁液または溶液を調製する。懸濁液または溶液を8Lの水に2回注いでアルファ型銅フタロシアニンを得て、それを次に熱風下に乾燥させる。生じた固体を粉体化した後、アルファ型銅フタロシアニンを結晶学的収率の観点からほぼ定量的に得て、それをXRD研究によって確認する。
2)アルファ型からイプシロン型への銅フタロシアニンの結晶相変換
60質量部の得られたアルファ型銅フタロシアニンと12質量部のイプシロン型銅フタロシアニンとを、750質量部のN−メチル−2−ピロリドン中130℃で2時間処理する。相変換した銅フタロシアニン粒子を濾過によって分離し、透過電子顕微鏡(TEM)で分析した後、純粋なε結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子を得て、それをXRD研究によってβ結晶学的形態の存在を全く示さないことを確認する。
3)イプシロン型銅フタロシアニンの一次粒径減少
実験室規模混練機に、ε結晶学的形態を示す50質量部の得られた銅フタロシアニン粒子を、80質量部のジエチレングリコールおよび400質量部の塩化ナトリウムと一緒に加える。混合物を45rpmの回転速度で、80℃で12時間混練する。混練後に、得られた粒子を濾過によって精製し、80℃の温度、104Paの圧力で乾燥させる。粒子をTEMで分析すると、得られた銅フタロシアニン粒子は、市販の銅フタロシアニンの粒子(図3)と比較してより小さい一次粒径およびより良好な粒子の形(図2b)を有する。
さらに、粒度分析計(Particle Size Analyzer)(PSA)で粒子を分析すると、本発明に従って製造された銅フタロシアニンは、市販の銅フタロシアニン(図4、曲線B)と比較してより狭い粒度分布およびより小さい平均粒径(図4、曲線A)を有することが示される。
図4によれば、本発明に従って製造されたε−CuPcの平均粒径は30.6nmであるが、市販のε−CuPcの平均粒径は41.0nmである。

Claims (17)

  1. 粒子の少なくとも50質量%がα結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子を第1有機液体の存在下に50℃以上の温度で加熱することおよび任意選択的にビーズの存在下にミリングすることによる加熱工程を含む、ε結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子の製造方法。
  2. 前記銅フタロシアニン粒子がα結晶学的形態を示す80質量%より多い粒子とε結晶学的形態を示す20質量%未満の粒子とを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 次の工程:
    a)ε結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子を前記第1有機液体および、使用される場合、前記ビーズから分離することによる分離工程と;
    b)工程a)で分離された銅フタロシアニン粒子を少なくとも1種の無機塩および第2有機液体と混練して、30nm未満の平均粒径を有する銅フタロシアニン粒子を得る混練工程と;
    c)前記第2有機液体および前記無機塩を除去することによって前記銅フタロシアニン粒子を回収することによる回収工程と
    をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 粒子の少なくとも50質量%がα結晶学的形態を示す前記銅フタロシアニン粒子が酸ペースト法を用いることによってβ結晶学的形態を示す銅フタロシアニン粒子から製造される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1有機液体が、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールなどのグリコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、エチレングリコールブチルエーテル、ケトンおよびキノリンからなる群から選択される少なくとも1種の液体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第2有機液体が、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−ブトキシエタノール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ケトンおよびキノリンからなる群から選択される少なくとも1種の液体である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記加熱工程が50℃以上および210℃以下の温度でビーズの不存在下に行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記加熱工程が50℃以上および210℃以下の温度でビーズの存在下に行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ビーズが、金属ビーズ、プラスチックビーズ、ジルコニアなどの無機酸化物ビーズおよびカラスビーズの少なくとも1種である、請求項1〜6および8のいずれか一項に記載の方法。
  10. −SO3M、−SO2NR12および−R3−NR45(式中、R1およびR2は互いに独立しており、水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはシクロアルキルであり;Mはプロトン、アンモニウムカチオンまたは金属カチオンであり;R3は単結合、アルキレン、アリーレンであり、前記アルキレンおよびアリーレンは少なくとも1種の置換基で置換されていてもよく;R4およびR5は互いに独立しており、水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはシクロアルキルであるか、または一緒になって−CO−、−SO2−および−N=N−の少なくとも1種を含有する縮合構造を形成する)からなる群から選択される少なくとも1種の官能基で置換された銅フタロシアニンの粒子が、前記加熱、酸ペーストまたは混練工程中にさらに添加される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. −SO3M、−SO2NR12および−R3−NR45(式中、R1およびR2は互いに独立しており、水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはシクロアルキルであり;Mはプロトン、アンモニウムカチオンまたは金属カチオンであり;R3は単結合、アルキレン、アリーレンであり、前記アルキレンおよびアリーレンは少なくとも1種の置換基で置換されていてもよく;R4およびR5は互いに独立しており、水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはシクロアルキルであるか、または一緒になって−CO−、−SO2−および−N=N−の少なくとも1種を含有する縮合構造を形成する)からなる群から選択される少なくとも1種の官能基で置換された銅フタロシアニンの粒子が、回収工程c)の後に前記銅フタロシアニン粒子とさらにブレンドされる乾式混合の工程をさらに含む、請求項3〜9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記官能基が−SO3H、−SO2NHR1(式中、R1は水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、または
    Figure 2010539309
    である)である、請求項10または11に記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法に従って得られる銅フタロシアニン粒子。
  14. 透過電子顕微鏡によって測定した際に、30nm以下の平均粒径を有する請求項13に記載の銅フタロシアニン粒子。
  15. 請求項13または14に記載の銅フタロシアニン粒子を含むカラーフィルター顔料。
  16. カラーフィルター顔料の製造における請求項13または14に記載の銅フタロシアニン粒子の使用。
  17. 液晶ディスプレイ装置の製造における請求項15に記載のカラーフィルター顔料の使用。
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