JP2010526110A - 薬剤を加速放出する腸溶コーティングを含む固体剤形 - Google Patents

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Abstract

本発明は、薬学的に活性な成分を含むコアと外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含む固体剤形に関し;ここで、前記内側コーティングは部分的に中和されたアニオン性ポリマー物質、および2〜16個の炭素原子を有する少なくとも1つのカルボン酸、その塩または前記酸とその塩との混合物を含み;前記外側コーティングは、内側コーティングの物質ほど中和されてないか、または全く中和されていないアニオン性ポリマー物質を含む。

Description

本発明は、薬剤を加速放出する腸溶コーティングを含む固体剤形に関する。
発明の背景
腸溶コーティングされた製品は、胃中でもとの状態のままであり、その後腸中で活性物質を放出するように設計されている。腸溶コーティングは、顆粒剤、ペレット、カプセル、または錠剤などの固体剤形に適用することができる。腸溶コーティングの目的は、刺激性活性化合物、たとえばアスピリンから胃を保護するため、または酸もしくは胃酵素に対して不安定な薬剤の分解を防止することにより薬剤のバイオアベイラビリティーを改善するためである。腸溶コーティングは1世紀以上にわたり開発されてきた。最初の現実的な腸溶コーティングは、Unnaによる1884年のケラチンの使用と考えられていた。初期のコーティングのいくつか、たとえばステアリン酸ベースの腸溶フィルムは、フィルムの小腸中での酵素による分解または乳化効果に依存していた。
現在使用されているほとんどすべての腸溶性物質は、イオン化可能なカルボン酸基を含む合成または修飾された天然ポリマーである。胃の低pH環境において、カルボン酸基はイオン化されていない状態であり、ポリマーコーティングは不溶性のままである。腸中で、pHは5以上に増加し、ポリマーコーティング物質上のカルボン酸基はイオン化することが可能になり、ポリマーコーティングが崩壊または溶解できるようになり、これらの内容物が放出される。腸溶コーティングの目的に基づいて、理想的な腸溶コーティングは次の性質を有する:1.剤形が胃中に残存するかぎり、胃中での崩壊または溶解に耐性でなければならない;2.小腸中で迅速に溶解または崩壊しなければならない;3.保存中、物理的および化学的に安定でなければならない;4.無毒でなければならない;5.コーティングとして容易に適用されなければならない;6.経済的でなければならない。
第1表は、上部小腸薬剤放出のために通常用いられるいくつかの腸溶コーティング物質を示す。
Figure 2010526110
低溶解閾値pHポリマー、たとえば、ポリビニルアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレートまたはEudragit(登録商標)L100−55でコーティングされた腸溶コート剤形は、小腸中に入ると急速に崩壊すると通常考えられているが、これは事実ではない。
実際、腸溶コーティングのin vitro性能とin vivo性能の間には相違がある。低溶解閾値pHポリマーでコーティングされた腸溶コート剤形について、in vitro崩壊は模擬腸pHで常に数分以内で迅速に起こる。加えて、in vitro溶解研究では、通常、腸溶コート製品をpH6.8の緩衝液中に入れる必要があり、80%を超える薬物が45分以内に放出されるが、ほとんどの場合、溶解時間はこれよりもはるかに短い。しかし、腸溶コート剤形のin vitro溶解データとin vivo性能の間に大きな相違がある。腸溶コート製品が腸内容排出後、崩壊するのに、最高2時間または1〜2時間もしくはそれ以上かかる可能性がある。
小腸通過時間は3〜4時間程度であるので、このような腸溶コート剤形からの崩壊および薬剤放出は、遠位小腸で起こるであろう。場合によっては、腸溶コート剤形からの薬剤放出がこのように遅れる結果、薬剤療法が無効になる可能性に至る。たとえば、酵素サプリメントは、嚢胞性線維症(CF)患者の膵機能不全を治療するための主な方法の構成要素である。CF患者は食後の十二指腸pHが健常者と比べて低いので、従来の腸溶コート剤形からの酵素放出は、腸内容排出後約100分かかる。この放出時間を通常の小腸通過時間と比較すると、糜粥と酵素との間の利用可能な接触時間の半分もの時間が失われるようであり、無効な酵素効果に至る。加えて、多くの活性物質について、吸収の最適部位は小腸の上部である。遠位小腸への遅延薬剤放出は、従来の腸溶コート配合物におけるこれらの薬剤のバイオアベイラビリティーを低下させ得る。たとえば、レボドパのバイオアベイラビリティーは、高濃度の薬剤を小腸上部で添加することにより改善できる。したがって、その添加された薬剤を小腸侵入直後に放出する腸溶コートシステムが、非常に望ましい。このようなシステムは、作用が迅速に開始される点で、小腸全体にわたって吸収される薬剤についても有効であろう。
文献WO2007/006353は、25〜95質量パーセントのアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量パーセントのアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのラジカル重合単位を含む部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマー(その少なくとも4%が塩基により中和されている)を、活性物質含有コアを備え、そして部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーでコーティングされた薬物を製造するために使用することを開示している。前記薬物は、活性物質が十分に可溶性かつ安定であり、中和されていないアニオン性(メタ)アクリレートポリマーでコーティングされた対応する薬物がその中に含まれる活性物質の10パーセント未満を放出するpHで30分以内に、その中に含まれる活性物質の少なくとも30パーセントを放出する。
文献US2005/0271778は、コア中に含まれる酸に弱い活性物質を保護するためにアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを含む胃耐性固体剤形の場合、前記ポリマーを適用して、コーティングの厚さ全体にわたってアニオン性基の中和度に関して勾配を形成する医薬を製造するための方法を記載している。コーティングの内部領域において、ポリマーのアニオン性基を中和して、酸に不安定な活性物質を保護する。固体剤形の胃耐性を達成するために、中和度はコーティングの外側領域に向かって減少する。カチオン性(メタ)アクリレートコポリマーを含むアルカリ感受性固体剤形の場合、アルカリ感受性活性物質を保護するために、前記カチオン性ポリマーを適用して、コーティングの厚さ全体にわたってカチオン性基の中和度に関して勾配を形成する。コーティングの内部領域において、ポリマーのカチオン性基を中和して、アルカリ感受性活性物質を保護する。カチオン性基の中和度は、コーティングの外側領域に向かって減少する。しかし、この文献では、活性物質の放出速度をどのようにして促進するかについての示唆はない。
文献US2004/0028737は、酸に不安定な薬剤の腸溶コーティングされた安定な経口医薬組成物を記載し、ここでは、腸溶コーティングは、中性または中性付近のpH7〜7.5の内側層および酸性pH2〜6の外側層を含む、その厚さにわたってpH勾配を有する二層である。この文献の目的は、酸感受性薬剤を安定化させることである。この文献では、活性物質の放出速度をどのようにして促進するかの示唆はない。
文献WO2005/044240は、酸感受性ランソプラゾールの安定な配合物を記載し、ここでは、ランソプラゾールを含む基質を、アルカリ性剤を含むサブコーティング層、およびこのサブコーティング層の上面上の腸溶コーティングでコーティングする。この文献は、アルカリ性剤として、ステアリン酸ナトリウムなどの有機塩基性塩、または炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基性塩、または水溶性でない他の無機塩基性塩を使用することをさらに開示している。ここでも、この最新技術の目的は、酸感受性剤であるランソプラゾールを安定化させることである。この文献では、活性物質の放出速度をどのようにして促進するかの示唆はない。
最新技術の腸溶コート製品は、胃中でもとの状態のままであり、その後、腸上部で活性物質を放出するように設計される。実際に観察されるのは、最新技術の腸溶コーティングを有する固体剤形は、小腸に入ってすぐに崩壊しないことである。小腸通過時間は3〜4時間程度であるので、かかる腸溶コート剤形からの崩壊および薬剤放出は、遠位小腸で起こるであろう。しかし、この腸溶コート剤形からの薬剤放出の遅延の結果、薬剤療法が無効になる可能性がある。
したがって、目的は、小腸への侵入時、つまり、1〜3.5付近のpHを有する胃から、5.5〜7.0付近のpHを有する腸への侵入まで移動する早い時点で(6.0〜7.5のpHを有する小腸のさらに遠位部分と比較して)より迅速に崩壊する腸溶コーティングを有する固体剤形を提供することである。
したがって、本発明の目的は、最新技術の固体投与異形態と比較して、より低いpHで薬剤放出がより早い腸溶コーティングを有する固体剤形を提供することである。したがって、目的は、含まれる活性成分を促進された方法で放出する医薬を配合することであった。
発明の概要
目的は、薬学的に活性な成分を含むコアと外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含む固体剤形により解決され;
ここで、前記内側コーティングは、部分的に中和されたアニオン性ポリマー物質、および2〜16個の炭素原子を有する少なくとも1つのカルボン酸、その塩または前記酸とその塩との混合物を含み;
前記外側コーティングは、内側コーティングの物質ほど中和されていないか、または全く中和されていないアニオン性ポリマー物質を含む。
本発明は、腸溶コート固体剤形を提供する。腸溶コート固体剤形として、本発明の剤形は、胃耐性であり、USP28にしたがって少なくとも120分間模擬胃液中で10パーセント未満の薬剤放出を示す。たとえば、胃耐性を明らかにするこの試験は、pH1.2の塩酸塩溶液中で実施できる。
詳細には、本発明の腸溶コート固体剤形は、耐酸性(胃耐性)であり、例えばより高いpH、例えばpH5.6のリン酸塩緩衝液中に入れる前に、塩酸塩溶液中pH1.2で少なくとも120分間で、10パーセント未満の薬剤放出を示し、好ましくは本質的に薬剤放出を示さない。本発明者等は、外側腸溶コーティングと固体剤形のコアとの間に位置する内側コーティングの使用が、内側コーティングを有さない腸溶コーティングを有する固体剤形と比較して、あるpHでのより早い崩壊および薬剤放出を促進することを示した。意図される効果は、in vivoで本発明の固体剤形は活性物質を「より早く」、すなわち腸の侵入時ですでに放出することである。「より早く」という表現は、本明細書においては、本発明の固体剤形が、腸の正常なpHと比較してより低いpH値ですでに、すなわち、固体剤形が低いpH、例えば1.2を有する胃から、胃よりも高いが、腸のさらに遠位部分の場合ほど高くないpHを有する腸(例えばpH5.6)への侵入まで移動する場合に活性物質を放出し始めることを意味する。
この効果は、次のようにして達成される:内側コーティングが、その中に各アニオン性ポリマーを含む水溶液または分散液から製造される場合、この溶液または分散液は、外側コーティングが得られる溶液または分散液よりも高いpHを有する。固体形態におけるコーティング自体はpHを有さないと理解すべきである。本明細書においてコーティングまたはフィルムのpHについて言及する範囲では、コーティングが得られる溶液または分散液のpHを意味する。pHは固体コーティング中で測定できないが、内側コーティングが製造される溶液または分散液のpHにおける差は有意である。
水溶液または分散液からポリマーを製造する場合、好適な実施形態において、内側コーティングを得ることができる溶液または分散液のpH値は、外側コーティングを得ることができる溶液または分散液のpH値よりも、少なくとも0.5pH単位、さらに好適には少なくとも1.0pH単位、さらに好適には少なくとも1.5pH単位、なお一層好適には少なくとも2.0pH単位、なお一層好適には少なくとも2.5pH単位、なお一層好適には少なくとも3.0pH単位、最も好適には少なくとも4.0pH単位高い。
内側コーティングが有機溶媒から製造される場合も、pHは測定できない。この場合、内側コーティングのアニオン性ポリマーは、(有機)溶液または分散液から得られ、この溶液または分散液において、アニオン性基の中和度は、外側コーティングが製造される溶液または分散液よりも高い。
好適な実施形態において、内側コーティングと外側コーティングとの間の中和における差は、少なくとも5パーセント、好ましくは少なくとも10パーセント、最も好適には少なくとも20パーセントである。さらに好適には、外側コーティングのアニオン性基の中和度は、最高でも10パーセントであり、好ましくは最高でも6パーセントであり、さらに好適には最高でも4パーセントであり、なお一層好適には最高でも2パーセントであり、最も好適には0である。
さらなる好適な内側コーティング中および外側コーティング中にそれぞれ含まれるアニオン性ポリマー物質は、互いに独立して、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラック(Schellack)からなる群から選択される。
好ましくは、内側コーティングは、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなる部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーで作られ、ここで、含まれるアニオン性基の1〜80%、好ましくは少なくとも2〜70%は、アルカリ性剤により中和され;
そして外側コーティングは、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーで作られる。
カルボン酸の塩は、アルカリ金属塩、さらに好ましくはナトリウムまたはカリウム塩であるのがさらに好適である。
特に好適な実施形態において、カルボン酸は2〜16個の炭素原子を有し、なお一層好適には、1、2または3個のカルボキシル基を有する。内側コーティング中に存在し得るカルボン酸のさらなる例としては、次のものが挙げられる:ソルビン酸、安息香酸、フマル酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、プロパン酸、グリセリン酸、トランス−クロトン酸、イタコン酸、メサコン酸、トリメチル酢酸、イソクエン酸、ヘキサン酸、4−メチルペンタン酸、没食子酸、テレフタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、α−フェニルプロパン酸、β−フェニルプロパン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸およびこれらの混合物、その塩または前記酸とその塩との混合物。最も好ましくは、カルボン酸は、アジピン酸、クエン酸またはソルビン酸である。カルボン酸の塩の例としては、クエン酸ナトリウムが挙げられる。さらに、特に好適なのは、アジピン酸もしくはクエン酸、またはこれらの塩、たとえばクエン酸ナトリウム、あるいは酸とその塩との混合物、たとえば緩衝系クエン酸/クエン酸ナトリウムである。カルボン酸もしくはそれらの塩、または前記酸とその塩との混合物の量は、内側コーティングの乾燥ポリマー基準で、好ましくは5〜35質量パーセントの範囲内、さらに好適には7〜20質量パーセントの範囲内にある。
内側および外側コーティングのそれぞれが、2〜10、好適には2〜8、最も好ましくは、4〜6mg/cm2のポリマー質量増加を含むのがさらに好適である。内側コーティングと外側コーティングとの間の関係が、乾燥ポリマー質量基準で10:90〜90:10であるのがさらに好適であり、好適には30:70〜70:30である。
本発明の目的は、胃耐性の腸溶コート固体剤形を製造するための方法であって、次の工程:
a)薬学的に活性な成分を含むコアをポリマー物質でコーティングする工程;
b)a)のコーティングの上面上にアニオン性ポリマー物質をコーティングして、外側腸溶コーティングを形成する工程を含む方法によっても解決され;
したがって、前記固体剤形は、薬学的に活性な成分を含むコアと前記外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含み;
ここで、ポリマー物質を水溶液または分散液から製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液のpHは、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液もしくは分散液よりも高いpHを有するか;または
有機溶媒ベースの溶液もしくは分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液の中和度は、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液よりも高く;
前記外側コーティングを含むが、前記内側コーティングを含まない固体剤形が、2〜5時間以内のある時間で薬学的に活性な成分の10パーセント放出を達成するpH3〜7の範囲のpH条件下で、前記内側コーティングおよび前記外側コーティングを含む固体剤形は、この時間またはそれ未満の時間の80パーセント以内に薬学的に活性な成分の10パーセント放出を達成する。
さらに、本発明の目的は、薬学的に活性な成分を含むコアと外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含む、胃耐性の腸溶コート固体剤形によっても解決され;
ここで、内側コーティングはポリマー物質を含み、外側コーティングはアニオン性ポリマー物質を含み;
ポリマー物質を水溶液または分散液から製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液のpHは、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液よりも高いpHを有するか;または
有機溶媒ベースの溶液もしくは分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液の中和度は、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液もしくは分散液よりも高く;
前記外側コーティングを含むが、前記内側コーティングを含まない固体剤形が、2〜5時間以内のある時間で薬学的に活性な成分の10%放出を達成するpH3〜7の範囲のpH条件下で、前記内側コーティングおよび前記外側コーティングを含む固体剤形が、この時間またはそれ未満の時間の80%以内に薬学的に活性な成分の10パーセント放出を達成する。
さらには、本発明の目的は、胃耐性の腸溶コート固体剤形を製造するためにポリマー物質を使用することにより解決され、
ここで、前記固体剤形は、薬学的に活性な成分を含むコアと外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含み;
ここで、前記ポリマー物質は、内側コーティング中に含まれ;
水溶液もしくは分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液もしくは分散液のpHは、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液もしくは分散液よりも高いpHを有するか;または
有機溶媒ベースの溶液もしくは分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液の中和度は、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液よりも高く;
前記外側コーティングを含むが、前記内側コーティングを含まない固体剤形が、2〜5時間以内のある時間で薬学的に活性な成分の10パーセントの放出を達成するpH3〜7の範囲のpH条件下で、前記内側コーティングおよび前記外側コーティングを含む固体剤形は、この時間またはそれ未満の時間の80パーセント以内で薬学的に活性な成分の10パーセントの放出を達成する。
以下に、前述の固体剤形、その製造方法、または前記固体剤形を製造するためのポリマー物質の使用の好適な実施形態を記載する:
前述のように、各ポリマーをその中に含む水溶液または分散液から内側コーティングを製造する場合、この溶液または分散液は、外側コーティングが得られる溶液または分散液よりも高いpHを有する。当然ながら、それ自体固体形態のコーティングはpHを有さない。本明細書において、コーティングまたはフィルムのpH値について言及される範囲では、コーティングが得られる溶液または分散液のpHを意味する。固体コーティングにおいてpHは測定できないが、内側コーティングが製造される溶液または分散液のpHにおける差は有意である。
内側コーティングを有機溶媒から製造する場合、pHを測定できない。この場合、内側コーティングのアニオン性ポリマーは、(有機)溶液または分散液から得られ、この(有機)溶液または分散液では、アニオン性基の中和度は、外側コーティングが製造される溶液または分散液よりも高い。
内側コーティングと外側コーティングとの間のアニオン性基の中和における差は、少なくとも5パーセントであるのが好適であり、好ましくは少なくとも10パーセント、最も好適には少なくとも20パーセントである。
外側コーティングのアニオン性基の中和度は、最高でも10パーセントであるのがさらに好適であり、好ましくは最高でも6パーセント、さらに好適には最高でも4パーセントであり、なお一層好適には最高でも2パーセントであり、最も好適には0である。
さらに好適には、水溶液または分散液の場合、内側コーティングが製造される溶液または分散液のpH値は、外側コーティングが製造される溶液または分散液のpH値よりも、少なくとも0.5pH単位、さらに好適には少なくとも1.0pH単位、さらに好適には少なくとも1.5pH単位、なお一層好適には少なくとも2.0pH単位、なお一層好適には少なくとも2.5pH単位、なお一層好適には少なくとも3.0pH単位、最も好適には少なくとも4.0pH単位高い。
好ましくは、水溶液または分散液の場合、内側コーティングが製造される溶液または分散液と、外側コーティングが製造される溶液または分散液との間のpH値の差は、2〜4pH単位の範囲である。
内側コーティングが、2〜16個の炭素原子を有するカルボン酸もしくは無機酸、その塩または前記酸とその塩との混合物をさらに含むのが特に好適である。好ましくは、塩はアルカリ金属塩である。
カルボン酸が、ソルビン酸、安息香酸、フマル酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、プロパン酸、グリセリン酸、トランス−クロトン酸、イタコン酸、メサコン酸、トリメチル酢酸、イソクエン酸、ヘキサン酸、4−メチルペンタン酸、没食子酸、テレフタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、α−フェニルプロパン酸、β−フェニルプロパン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸およびこれらの混合物、その塩または前記酸とその塩との混合物からなる群から選択されるのが、さらに好適である。カルボン酸がアジピン酸またはクエン酸であるのが特に好適である。カルボン酸の塩の例としては、クエン酸ナトリウムが挙げられる。カルボン酸もしくはそれらの塩、または前記酸とその塩との混合物の量は、内側コーティングの乾燥ポリマー基準で、好ましくは5〜35質量パーセントの範囲内、さらに好適には7〜20質量パーセントの範囲内にある。本発明者らは、有機酸または無機酸、特に2〜16個の炭素原子を有し、1、2または3個のカルボキシル基を有するカルボン酸、さらに詳細にはアジピン酸もしくはクエン酸、ならびにそれらの塩(たとえばクエン酸ナトリウム)が内側コーティング中に存在することにより、薬剤放出速度がさらに加速されることを見いだした。
さらに好適には、内側コーティングのポリマー物質は、アニオン性ポリマー物質、あるいはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(エチレンオキシド)−グラフト−ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)および/またはポリビニルアルコールからなる群から選択される水溶性ポリマーである。
本発明の好適な実施形態において、内側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質は、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される。
好ましくは、内側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質は、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単にからなる部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、含まれるアニオン性基の1〜80%、好ましくは少なくとも2〜70%がアルカリ性剤により中和される。
さらに好適には、外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質は、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される。
さらなる好適な実施形態において、外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質は、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、外側コーティングは、内側コーティングほど中和されていないか、または全く中和されていない。
さらに好適には、外側および内側コーティングは、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを含み、外側コーティングは、内側コーティングほど中和されていないか、または全く中和されておらず、内側コーティングは、カルボン酸もしくは無機酸、その塩またはこれらの混合物をさらに含む。
内側および外側コーティングのそれぞれが、2〜10、好適には2〜8、最も好ましくは、4〜6mg/cm2のポリマー質量増加を含むのが特に好適である。好ましくは、内側コーティングと外側コーティングとの間の関係は、乾燥ポリマー質量基準で、10:90〜90:10、好適には30:70〜70:30である。
本発明の目的は、
薬学的に活性な成分を含むコアと外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含む胃耐性の腸溶コート固体剤形によっても解決され;
ここで、前記内側コーティングは、アニオン性ポリマー物質または水溶性中性ポリマーからなる群から選択されるポリマー物質を含み;
前記内側コーティングは、少なくとも水溶性無機塩をさらに含み(ただし、炭酸塩および重炭酸塩は除く);
前記外側コーティングは、内側コーティングの物質ほど中和されていないか、または全く中和されていないアニオン性ポリマー物質を含む。
水溶液または分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液のpHは、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液よりも高いpHを有する。有機溶媒ベースの溶液または分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液の中和度は、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液よりも高い。
前述のように、各ポリマーをその中に含む水溶液または分散液から内側コーティングを製造する場合、この溶液または分散液は、外側コーティングが得られる溶液または分散液よりも高いpHを有する。当然ながら、それ自体固体形態のコーティングはpHを有さない。本明細書において、コーティングまたはフィルムのpHについて言及する範囲では、コーティングが得られる溶液または分散液のpHを意味する。固体コーティングにおいてpHは測定できないが、内側コーティングが製造される溶液または分散液のpHにおける差は有意である。
内側コーティングを有機溶媒から製造する場合も、pHを測定できない。この場合、内側コーティングのアニオン性ポリマーは、(有機)溶液または分散液から得られ、この(有機)溶液または分散液において、アニオン性基の中和度は、外側コーティングが製造される溶液または分散液よりも高い。
アニオン性ポリマー物質の場合、内側コーティングと外側コーティングとの間のアニオン性基の中和における差は、少なくとも5パーセントであるのが好適であり、好ましくは少なくとも10パーセント、最も好適には少なくとも20パーセントである。
外側コーティングのアニオン性基の中和度は、最高でも10パーセントであるのがさらに好適であり、好ましくは最高でも6パーセント、さらに好適には最高でも4パーセントであり、なお一層好適には最高でも2パーセントであり、最も好適には0である。
さらに好適には、水溶液または分散液の場合、内側コーティングが製造される溶液または分散液のpH値は、外側コーティングが製造される溶液または分散液のpH値よりも、少なくとも0.5pH単位、さらに好適には少なくとも1.0pH単位、さらに好適には少なくとも1.5pH単位、なお一層好適には少なくとも2.0pH単位、なお一層好適には少なくとも2.5pH単位、なお一層好適には少なくとも3.0pH単位、最も好適には少なくとも4.0pH単位高い。
好ましくは、水溶液または分散液の場合、内側コーティングが製造される溶液または分散液と、外側コーティングが製造される溶液または分散液との間のpH値の差は、2〜4pH単位の範囲である。
好ましくは、水溶性中性ポリマーは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(エチレンオキシド)−グラフト−ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)および/またはポリビニルアルコールからなる群から選択される。さらに好適には、アニオン性ポリマー物質は、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される。
無機塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、可溶性金属塩から選択されるのが特に好適である。可溶性金属塩の金属としては、マンガン、鉄、銅、亜鉛およびモリブデンを挙げることができる。さらに好適には、無機塩は、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、たとえばNaCl、KCl、NH4Cl、NaI、KI、NaF、KFから選択される。
さらに好適な実施形態において、内側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質は、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなる部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、含まれるアニオン性基の1〜80%、好ましくは少なくとも2〜70%を、アルカリ性剤により中和する。
さらに好適には、外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質は、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、外側コーティングは内側コーティングほど中和されてないか、または全く中和されていない。
好ましくは、外側および内側コーティングは、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4−アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを含み、外側コーティングは内側コーティングほど中和されてないか、または全く中和されていない。
さらに好適には、内側および外側コーティングのそれぞれは、2〜10、好適には2〜8、最も好ましくは、4〜6mg/cm2のポリマー質量増加を含む。好ましくは、内側コーティングと外側コーティングとの間の関係は、乾燥ポリマー質量基準で、10:90〜90:10、好適には30:70〜70:30である。
内側および外側コーティングに適したアニオン性ポリマーは、たとえばアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーである。たとえば、Eudragit(登録商標)L、Eudragit(登録商標)L100−55、Eudragit(登録商標)SまたはEudragit(登録商標)FS型のアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーが、医薬品形態の腸液中に可溶性であるコーティングとして既知である。モノマー組成に応じて、特にアニオン性基の含有量に応じて、アニオン性(メタ)アクリレートコポリマーは、腸液中または模擬腸液中で溶解するための特定のpH値により特徴づけられる。ポリマーの種類に応じて、溶解のための特定のpH値または溶解の特異的開始のためのpH値は、たとえばpH5.5〜7.5の範囲である。各アニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを溶解させるための特定のpHまたはそれより高いpHで、このコポリマーでコーティングされた医薬形態は、含まれる活性成分を放出する。溶解のための特定のpH値は、したがって、活性成分の放出の開始を特徴づける。
酸に不安定な活性剤の安定性を改善するために、アニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを単層として部分的に中和された形態において用いることが知られている。その結果、ポリマーの改善された水中溶解度およびポリマー分散液の安定化が達成される。部分的中和に用いることができる塩基は、通常、NaOH、KOH、水酸化アンモニウムなどの物質、またはたとえば、トリエタノールアミンなどの有機塩基である。
たとえばNaOHにより部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーのフィルムと、部分的に中和されていないアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーのフィルムとの比較により、部分的に中和されたフィルムは、その特定の溶解pHで緩衝液中に、中和されていないフィルムよりも迅速に溶解することが明らかになる。しかし、pHを上昇させるために必要な中和は、必要とされる医薬組成物の胃液に対する耐性を消失させた。
アニオン性(メタ)アクリレートコポリマー
好適な実施形態において、アニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを外側および内側コーティングの両方に使用する。アニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを内側コーティングに使用する場合、これらを部分的に中和する。アニオン性(メタ)アクリレートコポリマーは、25〜95、好ましくは40〜95、特に60〜40質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のフリーラジカル重合したC1〜C4アルキルエステル、および75〜5、好ましくは60〜5、特に40〜60質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーを含む。
記載する割合は、通常、合計して100質量%になる。しかし、さらには、本質的な特性をこのように損なうかまたは変更することなく、0〜10、たとえば1〜5質量%のビニル共重合可能なさらなるモノマー、たとえば、ヒドロキシエチルメタクリレートまたはヒドロキシエチルアクリレートが存在することも可能である。ビニル共重合可能なさらなるモノマーが存在しないのが好適である。
アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルは、特にメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートおよびブチルアクリレートである。
アニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーは、たとえば、アクリル酸であり、メタクリル酸が好適である。
好適なアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーは、40〜60質量%のメタクリル酸および60〜40質量%のメチルメタクリレートまたは60〜40質量%のエチルアクリレート(Eudragit(登録商標)LまたはEudragit(登録商標)L100−55型)から構成されるものである。
Eudragit(登録商標)Lは、50質量%のメチルメタクリレートおよび50質量%のメタクリル酸のコポリマーである。腸液または模擬腸液中の特定の活性成分放出開始時のpHは、pH6.0と明言できる。
Eudragit(登録商標)L100−55は、50質量%のエチルアクリレートおよび50質量%のメタクリル酸のコポリマーである。Eudragit(登録商標)L30D−55は、30質量%のEudragit(登録商標)L100−55を含む分散液である。腸液または模擬腸液中の特定の活性成分放出開始時のpHは、pH5.5と明言できる。
同様に好適なのは、20〜40質量%のメタクリル酸および80〜60質量%のメチルメタクリレート(Eudragit(登録商標)S型)から構成されるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーである。腸液または模擬腸液中の特定の活性成分放出開始時のpHは、pH7.0と明言できる。
好適な(メタ)アクリレートコポリマーは、10〜30質量%のメチルメタクリレート、50〜70質量%のメチルアクリレートおよび5〜15質量%のメタクリル酸(Eudragit(登録商標)FS型)から構成されるものである。腸液または模擬腸液中の特定の活性成分放出開始時のpHは、pH7.0と明言できる。
Eudragit(登録商標)FSは、25質量%のメチルメタクリレート、65質量%のメチルアクリレートおよび10質量%のメタクリル酸のコポリマーである。Eudragit(登録商標)FS30Dは、30質量%のEudragit(登録商標)FSを含む分散液である。
さらに好適なのは、
20〜34質量%のメタクリル酸および/またはアクリル酸、
20〜69質量%のメチルアクリレートおよび
0〜40質量%のエチルアクリレートおよび/または必要に応じて
0〜10質量%のビニル共重合可能なさらなるモノマーから構成されるコポリマーである。ただし、ISO11357−2、サブセクション3.3.3によるコポリマーのガラス転移温度は60℃以下であるとする。この(メタ)アクリレートコポリマーは、その良好な破断点伸び特性のために、ペレットを圧縮して錠剤にするのに特に適している。
さらに好適なのは、
20〜33質量%のメタクリル酸および/またはアクリル酸、
5〜30質量%のメチルアクリレートおよび
20〜40質量%のエチルアクリレートならびに
10〜30質量%を越えるブチルメタクリレートおよび必要に応じて
0〜10質量%のビニル共重合可能なさらなるモノマーから構成されるコポリマーであり、ここで、モノマーの割合は合計すると100質量%になる。ただし、ISO11357−2、サブセクション3.3.3(中点温度Tmg)によるコポリマーのガラス転移温度は55〜70℃である。
この種類のコポリマーは、その良好な機械的特性のために、ペレットを圧縮して錠剤にするのに特に適している。
前述のコポリマーは、特に20〜33、好ましくは25〜32、特に好ましくは28〜31質量%のメタクリル酸またはアクリル酸のフリーラジカル重合単位から構成され、メタクリル酸については、5〜30、好ましくは10〜28、特に好ましくは15〜25質量%のメチルアクリレート、
20〜40、好ましくは25〜35、特に好ましくは18〜22質量%のエチルアクリレート、および
10〜30超、好ましくは15〜25、特に好ましくは18〜22質量%のブチルメタクリレートが好適であり、
ここで、モノマー組成は、コポリマーのガラス転移温度が、55〜70℃、好ましくは59〜66、特に好ましくは60〜65℃になるように選択される。
ガラス転移温度とは、この文脈では、特にISO11357−2、サブセクション3.3.3に準拠した中点温度Tmgを意味する。測定は、可塑剤を添加せず、残存するモノマー含量(REMO)が100ppm未満、加熱速度10℃/分、窒素雰囲気下でおこなう。
コポリマーは、好ましくは、本質的ないしは排他的に90、95または99〜100質量%のモノマーメタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレートおよびブチルメタクリレート(前述の範囲の量)で構成される。
しかし、このように本質的な特性を必然的に損なうことなく、0〜10、たとえば1〜5質量%の範囲の少量のビニル共重合可能なさらなるモノマー、たとえば、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、ビニルマロン酸、スチレン、ビニルアルコール、ビニルアセテートおよび/またはそれらの誘導体がさらに存在することが可能である。
アニオン性(メタ)アクリレートコポリマーの製造
アニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを、それ自体既知の方法で、モノマーのフリーラジカル重合により製造することができる(たとえば、EP0704207A2およびEP0704208A2を参照)。本発明のコポリマーを、それ自体既知の方法で、水性相中、好ましくは、アニオン性乳化剤の存在下でのフリーラジカル乳化重合により、たとえばDE−C2135073に記載の方法によって製造することができる。
コポリマーを、連続的または不連続的に(バッチ方法)、フリーラジカル形成開始剤および、必要に応じて希釈されていない分子量を調節するための調節剤の存在下、溶液中でのフリーラジカル重合の従来方法によるか、またはビーズ重合によるか、またはエマルジョン中で製造することができる。平均分子量Mw(質量平均、たとえば溶液粘度を測定することにより決定する)は、たとえば80000〜1000000(g/mol)の範囲である。水性相中、水溶性開始剤および(好ましくはアニオン性)乳化剤の存在下での乳化重合が好適である。
塊状重合の場合、コポリマーを、圧壊、押出、造粒または熱間切断により固体形態で得ることができる。
(メタ)アクリレートコポリマーを、それ自体既知の方法で、フリーラジカル塊状、溶液、ビーズまたは乳化重合により得る。これらを加工前に、好適な粉砕、乾燥または噴霧方法によって本発明の粒子サイズ範囲にしなければならない。これは、押出・冷却ペレットの単純な圧壊または熱間切断によりおこなうことができる。
粉末の使用は、他の粉末または液体との混合物に関して特に有利であり得る。粉末を製造するために適した装置は、当業者によく知られており、たとえば、エアジェットミル、ピン付ディスクミル、コンパートメントミルである。必要に応じて、適当な篩別工程を含めることが可能である。工業的な大量に適したミルは、たとえば、約6バールのゲージ圧で作動する対向ジェットミル(Multi No.4200)である。
部分中和
本発明の目的に適した塩基は、EP0088951A2もしくはWO2004/096185に明確に言及されているもの、またはこれから誘導できるものである。次のものは特に除外される:水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液(KOH)、水酸化アンモニウムまたは有機塩基、たとえば、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウムまたはアンモニアあるいは生理学的に許容されるアミン、たとえばトリエタノールアミンまたはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン。
さらなる好適なカチオン性有機塩基は、塩基性アミノ酸であるヒスチジン、アルギニンおよび/またはリシンである。
混合物による部分中和度の調節
混合物は、部分中和度の調節において技術的効果をもたらす可能性もある。内側コーティングに関する本発明の好適な実施形態において、部分中和度が異なり、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーの混合物を用い、この場合、混合物について計算された平均として、含まれるアニオン性基の1〜80%は、塩基により中和される。たとえば、部分的に中和されていない、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを、同じモノマー組成の部分的に中和された(メタ)アクリレートコポリマーと、記載された範囲の量で混合して、混合物の計算された平均として、含まれるアニオン性基の1〜80%が中和されるようにすることが可能である。混合物を、たとえば、(たとえば噴霧乾燥または凍結乾燥によって)部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーの分散液から得た粉末を、部分的に中和されていないアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーの分散液中で撹拌することにより製造することができる。
混合物
本発明の部分的に中和された(メタ)アクリレートコポリマーはさらに、その特性を修飾するために、他の薬学的に利用されるコポリマーと混合するのに適している。このことにより、特異的に修飾された放出特性を調節する場合に当業者による設定の範囲が増大する。本発明はしたがって、メチルメタクリレートおよび/またはエチルアクリレートおよび必要に応じて5質量%未満のメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびジメチルエチルメタクリレートのコポリマー、メチルメタクリレート、エチルアクリレートおよびトリメチルアンモニウムエチルメタクリレートのコポリマー、メチルメタクリレートおよびエチルアクリレートのコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(Kollicoat(登録商標))、デンプンおよびその誘導体、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP、Coateric(登録商標))、ポリビニルアセテート(PVAc、Kollicoat)、ビニルアセテート−ビニルピロリドンコポリマー(Kollidon(登録商標)VA64)、ビニルアセテート:クロトン酸9:1コポリマー(VAC:CRA、Kollicoat(登録商標)VAC)、1000(g/mol)を超える分子量を有するポリエチレングリコール、キトサン、架橋および/または非架橋ポリアクリル酸、アルギン酸ナトリウム、および/またはペクチンとの混合物中に存在することを特徴とする、部分的に中和された(メタ)アクリレートコポリマーに関する。
分散液
中和されていないか、または部分的に中和された(メタ)アクリレートコポリマーは、たとえば10〜50パーセントの固形分を有する水性分散液の形態であり得る。
中和されていないか、または部分的に中和された(メタ)アクリレートコポリマーは、たとえば噴霧乾燥により分散液から得られる再分散可能な粉末の形態であってよい。
分散液/部分的中和
エマルジョンポリマーは、好ましくは10〜50質量パーセント、特に20〜40%の水性分散液の形態で製造し、使用する。30質量%の固形分が商業的形態として好適である。メタクリル酸単位の部分中和は、処理に関して省略できるが;たとえばコーティング剤分散液の安定化または増粘が望ましいならば、最高5または10mol%の程度まで可能である。ラテックス粒子の質量平均サイズ(半径)は通常40〜100nm、好ましくは50〜70nmであり、したがって、処理技術に有利な1000mPa・sより低い粘度を保証する。粒子サイズは、レーザー回折により、たとえばMastersizer 2000(Malvern製造)を用いて決定できる。
中和度が高いと、たとえば10〜50mol%であるか、または完全に中和すると、コポリマーを溶解状態にすることが可能である。
アニオン性コポリマーの溶液を製造するために、通常、酸性基を部分的または完全に中和することが必要である。アニオン性コポリマーを、たとえば1〜40質量%の最終濃度で水中に徐々に撹拌することができ、この間に、本発明の塩基性物質、たとえばNaOHを添加することにより、部分的または完全に中和することができる。コポリマーの粉末を用いることも可能であり、この粉末には、その製造中に(部分)中和の目的で前もって塩基を添加しておき、したがって粉末はすでに(部分)中和されたポリマーである。溶液のpHは、通常4より高く、たとえば4〜約8の範囲である。これに関連して、完全または部分中和された分散液のバッチを、たとえば中和されていない分散液と混合し、さらに記載の方法で処理すること、すなわち、コーティングの混合物の使用、または最初に凍結乾燥または噴霧乾燥して粉末を得ることも可能である。
分散液を、たとえばそれ自体既知の方法で噴霧乾燥または凍結乾燥し、再分散可能な粉末の形態で提供することもできる(たとえば、EP−A0262326を参照)。別の方法は、凍結乾燥または凝固および押出機中で水を絞り出し、続いて造粒することである(たとえば、EP−A0683028を参照)。
噴霧乾燥または凍結乾燥し、再分散された粉末のコポリマー分散液は、増大した剪断安定性を示すことができる。これは、噴霧用途に特に有利である。この利点は、特に分散液中に存在するコポリマーが、2〜10、好ましくは5〜7mol%(コポリマー中に存在する酸性基基準)の程度まで部分的に中和されている場合に非常に明白である。アニオン性乳化剤は、好ましくは、0.1〜2質量%の量で存在する。ラウリル硫酸ナトリウムは乳化剤として特に好適である。
部分的に中和された(メタ)アクリレートコポリマーの使用
部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを、USP28放出試験において、pH1.2で2時間後、そして続いて活性成分放出開始のpHに変化した後、含まれる活性成分の90%、好ましくは95または100%を、部分中和(メタ)アクリレートコポリマーの外側腸溶コーティングを有するが、部分的中和した(メタ)アクリレートコポリマーの内側コーティングを有さない匹敵する医薬品形態を用いて経過する時間の80%以下、好ましくは75%以下、さらに好適には50%以下、特に25%以下で放出する医薬品形態の内側コーティングのコーティング剤として使用できる。
本発明に係るものでない医薬品形態が、USP28放出試験においてpH1.2で2時間後、そして続いて活性成分放出開始のpH、たとえばpH5.6に緩衝液中で変化した後、活性成分の10%以下をたとえば250分で放出する場合、本発明の匹敵する医薬品形態は、たとえば55分(前記時間の22%)以下、たとえば35分(前記時間の14%)以下またはたとえば15分(前記時間の6%)以下しか必要としない。
本発明に係るものでない医薬品形態が、USP28放出試験においてpH1.2で2時間後、そして続いて活性成分放出開始のpH、たとえばpH5.6へ緩衝液中で変化した後、10%以下の活性成分を、たとえばさらに250分で放出する場合、本発明に係る匹敵する医薬品形態は、活性成分の少なくとも30%を放出するのに、80分(前記時間の32%)以下、たとえば50分(前記時間の20%)以下、またはたとえば30分(前記時間の12%)以下しか必要としない。
USP28放出試験、特にUSP28<711>パドル法(=装置2)によるものは、当業者に十分よく知られている。
典型的な試験手順は次のとおりである:
1.放出装置の容器に、それぞれ900mlの0.1MのHCl(pH1.2)を添加し、水浴の温度を37±0.5℃に調節する。
2.パドルスターラーを50rpmの回転速度でスイッチを入れて作動させる。
3.1錠または1錠に匹敵する量の活性成分を含む量のペレットを装置の各容器中に入れる。ペレットまたは錠剤表面上に気泡がないように注意する。
4.120分後、錠剤またはペレットを酸から取り出し、pH5.5;5.6;5.8;6.0または7.0のpH値を有する900mlのリン酸塩緩衝液中に入れる。
5. 活性成分に応じて、たとえばテオフィリンの場合は271nm、またはプレドニゾロンの場合は247nmでの測光法により、循環法で、時間の関数として活性成分放出の割合を決定する。
医薬品形態
本発明の好適な実施形態において、医薬品形態は、医薬品有効成分を有するコアを含み、そして部分的に中和された(メタ)アクリレートコポリマーの内側ポリマーコーティングおよび全く中和されていないか、またはあまり中和されていない(メタ)アクリレートコポリマーの外側コーティングを含む。
医薬品形態は、好ましくは、0〜70質量%の可塑剤と組み合わせて中和剤としてNaOHを有するポリマーコーティングを含む。医薬品形態は、さらに好ましくは、ポリマーコーティングを有機酸、たとえばクエン酸(好ましくは10〜30質量%)および中和剤としてNaOHを、5〜25質量%の可塑剤と組み合わせて有するか、またはクエン酸ナトリウムおよびクエン酸(好ましくは10〜30質量%)の5〜25質量%の可塑剤と組み合わせた混合物を含む。
対応する医薬品形態は、多粒子医薬品形態、ペレット含有錠剤、ミニ錠剤、カプセル、サシェ、発泡錠または再構成可能な粉末の形態であってよい。
医薬品形態を製造するための方法
本発明はさらに、本発明の医薬品形態をそれ自体既知の方法で、調剤的に慣例的な方法、例えば直接圧縮、乾燥、湿潤もしくは焼結顆粒剤の圧縮、押出およびそれに続く丸み付け、湿式もしくは乾式造粒または直接ペレット化あるいは活性成分を含まないビーズもしくは中性コア(ノンパレイル)または活性成分を含有する粒子上に粉末を結合(粉末積層)させることによるか、または噴霧方法においてポリマーコーティングを適用することによるか、または流動床造粒により、製造する方法に関する。
多粒子医薬品形態の製造
本発明は、特に多粒子医薬品形態を製造するのに適している。その理由は、本発明のコポリマーが、ペレットをフィラーとともに圧縮する際の高圧に耐えるからである。
多粒子医薬品形態の薬学的に通常のバインダーの活性成分を含有する粒子とともに圧縮することによる製造は、たとえば、Beckert et al.(1996)、"Compression of enteric−coated pellets to disintegrating tablets", International Journal of Pharmaceutics 143,pp.13−23、およびWO96/01624に詳細に記載されている。
活性成分を含有するペレットは、積層方法により活性成分を適用することによって製造できる。このために、活性成分をさらに別の賦形剤(離型剤、必要に応じて可塑剤)とともに均質化し、バインダー中に溶解または懸濁させる。液体を、流動床方法により、溶媒または懸濁化剤を蒸発させながらプラセボペレットまたは他の好適な担体物質に適用することができる(文献:International Journal of Pharmaceutics 143,pp.13−23)。この製造方法に続いて乾燥工程をおこなってもよい。活性成分を複数の層中に適用することができる。
アセチルサリチル酸などのいくつかの活性成分は、活性成分結晶の形態で商業的に入手可能であり、活性成分を含有するペレットの代わりにこの形態で用いることができる。
活性成分を含有するペレット上のフィルムコーティングは、通常、流動床装置において適用される。配合例を本出願において記載する。フィルム形成物質を通常、可塑剤および離型剤と好適な方法により混合する。この場合、フィルム形成物質を溶液または懸濁液の形態にすることが可能である。フィルム形成用賦形剤を同様に溶解または懸濁させることができる。有機溶媒または水性溶媒または分散剤を使用できる。分散液を安定化させるために、さらに安定剤(たとえば:Tween80または他の好適な乳化剤または安定剤)を使用することもさらに可能である。
離型剤の例は、グリセロールモノステアレートまたは他の好適な脂肪酸誘導体、シリカ誘導体またはタルクである。可塑剤の例は、プロピレングリコール、フタレート、ポリエチレングリコール、セバケートまたはシトレート、および文献において言及されている他の物質である。
本発明によると、活性成分を含有するコアと腸溶性コポリマー層(外側コーティング)との間に内側コーティングが位置し、このコーティングは、不活性フィルム形成物質(例えば、HPMC、HPCもしくは(メタ)アクリル酸コポリマー)または、たとえば、タルクもしくは他の好適な医薬用原料から構成され得る。フィルム形成物質およびタルクまたは類似の物質の組み合わせを使用することも同様に可能である。
ペレットを好適な打錠用バインダーと混合することにより、必要ならば崩壊促進物質を添加し、必要ならば潤滑剤を添加して、コーティングされた粒子から錠剤を製造するための混合物を製造する。混合は、好適な機械中で実施できる。好適でないミキサーは、コーティングされた粒子の損害をもたらすもの、例えばプロシェアミキサーである。賦形剤をコーティングされた粒子に添加する特定のシーケンスが、好適な短時間の崩壊を達成するために必要である。コーティングされた粒子を潤滑剤または離型剤ステアリン酸マグネシウムと予混合することにより、その表面を疎水性にし、かくして接着を回避することが可能である。
打錠に適した混合物は、通常、3〜15質量%の崩壊助剤、たとえばKollidonCLおよび、たとえば、0.1〜1質量%の潤滑剤および離型剤、たとえばステアリン酸マグネシウムを含む。バインダー含有量は、コーティングされた粒子の必要とされる割合により決定される。
典型的なバインダーの例は、Cellactose(登録商標)、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、Ludipress(登録商標)、ラクトースまたは他の好適な糖、硫酸カルシウムまたはデンプン誘導体である。見かけ密度が低い物質が好適である。
典型的な崩壊助剤(崩壊剤)は、架橋デンプンまたはセルロース誘導体、および架橋ポリビニルピロリドンである。セルロース誘導体も同様に好適である。好適なバインダーの選択により、崩壊助剤の使用を回避できる。
典型的な潤滑剤および離型剤は、ステアリン酸マグネシウムまたは脂肪酸の他の好適な塩またはこのために文献で言及されている物質(例えば、ラウリン酸、ステアリン酸カルシウム、タルク等)である。好適な機械(例えば、外部潤滑を用いた打錠機)、または好適な配合物の使用で、混合物における潤滑剤および離型剤の使用を回避することができる。
流動性向上助剤(例えば、コロイド状シリカ誘導体、タルク等)を必要に応じて混合物に添加することができる。
錠剤化は、従来の打錠機、偏心もしくは回転式打錠機で、5〜40kN、好ましくは10〜20kNの範囲の圧縮力を用いて実施できる。打錠機は、外部潤滑のためのシステムを備えていてもよい。インペラーパドルによりキャビティ充填を回避する、キャビティ充填のための特別のシステムを必要に応じて用いる。
本発明の医薬品形態を製造するためのさらに別の方法
有機溶液または好ましくは水性分散液から、溶融によるか、または直接粉末適用により、適用方法を実施する。この場合の実施の重要な要素は、均一な無孔コーティングが得られることである。
先行技術の適用方法については、たとえば、Bauer,Lehmann,Osterwald,Rothgang,"Ueberzogene Arzneiformen"Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH,Stuttgart,Chapter 7,pp.165−196を参照。
試験に必要な関連する特性および適用の詳細は薬局方に記載されている。
詳細は、通常のテキスト、たとえば次のもので見いだされる:
−Voigt,R.(1984):Lehrbuch der pharmazeutischen Technologie;Verlag Chemie Weinheim−Beerfield Beach/Florida−Basle.
−Sucker,H.,Fuchs,P.,Speiser,P.:Pharmazeutische Technologie, Georg Thieme Verlag Stuttgart(1991)、特にChapters 15 and 16,pp.626−642.
−Gennaro,A.R.(editor),Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co.,Easton Pennsylvania(1985),Chapter 88,pp.1567−1573.
−List,P.H.(1982):Arzneiformenlehre,Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH,Stuttgart.
本発明を、以下の実施例によりさらに詳細に説明し、この実施例は、本発明の範囲をなんら限定するものではない。
実施例
1.一般的所見
本発明の目的の解決法を見いだすために、本発明者等は、例えば、pH5.6に中和された、10質量パーセントのアジピン酸を含むEudragit(登録商標)L30D−55の分散液は透明溶液に変化する可能性があり、このようなキャストフィルムはpH5.8のリン酸塩緩衝液中に非常に早く溶解することを見いだした。それぞれのフィルムは5分以内に膨潤し、透明になった。しかし、中和されたアジピン酸が0.1MのHCl中フィルムから浸出し、このために、その後のリン酸塩緩衝液中でのフィルム性能は、対照フィルムと差がなくなる。
さらなる調査の結果、本発明が得られた。本発明によると、通常のEudragit(登録商標)L30D−55コートを固体剤形の中和されたアジピン酸含有コートの上面上に適用すると、外側Eudragit(登録商標)コートは、0.1MのHCl中、アジピン酸を含有する内側コートを保護する。例えばpH5.6を有するリン酸塩緩衝液中での各ペレットまたは錠剤のその後の処理の間に、緩衝液は外側コートを通って拡散し、内側コートと接触する。その結果、アジピン酸を含有する内側コートは、非常に早く溶解し、おそらくは外側コート中に拡散でき、したがって同様に外側コートの崩壊を促進し、薬剤の放出を促進する。
2.物質
プレドニゾロンをフランス国アントニーのAventis Pharma.から購入した。テオフィリンペレット(1.00〜1.25mm)をKlinge Pharmから購入した。ラクトース(Pharmatose、110μm)を英国エセックスのEllis & Everardから購入した。カルボキシメチルセルロースナトリウム(Ac−di−sol)はアイルランド国コークのFMC Internationalから寄贈された。ポリビニルピロリドン(PVP)をVWR International Ltd,Poole,UKから購入した。Eudragit(登録商標)L30D−55(ドイツ国ダルムシュタットのRoehm GmbH & Co.KG)。HPMC E5(ヒドロキシルプロピルメチルセルロース)は、英国ダートフォードのColorcon Inc.から寄贈された。HP−55(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)を日本国東京の信越化学工業株式会社から購入した。トリエチルシトレート(TEC)を英国ランカシャーのLancaster Synthesisから購入した。他の試薬はすべて、米国ミズーリ州セントルイスのSigmaから購入した。
3.プレドニゾロン錠剤およびペレットの製造
固体剤形として、活性物質プレドニゾロンを含む錠剤をこの試験で使用した。直径8mmの円形錠剤(固体剤形のコアを代表する)を湿式造粒により製造した。各錠剤は、5質量%のプレドニゾロン(10mg)、88.5質量%のラクトース、5質量%のPVP、0.5パーセントのAc−di−solおよび1質量%のステアリン酸マグネシウムを含む。得られた錠剤をさらに各層でコーティングする。
プレドニゾロンペレット(0.71〜1.0mm)を押出および球形化により製造した。各ペレットは、35質量%のプレドニゾロン、40質量%のラクトースおよび25質量%のAvicel PH101を含む。
4.プレドニゾロン錠剤およびペレット用コーティング
プレドニゾロン錠剤およびペレットを流動床(Strea−1、Aeromatic)中でコーティングした。
4.1 コーティング配合物
有機酸を含むEudragit(登録商標)L30D−55内側コーティング:
アジピン酸およびクエン酸それぞれ(5〜30%、ポリマー質量基準)、5%トリエチルシトレート(TEC)(ポリマー質量基準)を水中に溶解させ、Eudragit(登録商標)L30D−55分散液中に添加した。1MのNaOHを用いて前記分散液を次いでpH5.6、5.8または6.0に中和し、分散液は透明溶液になった。ポリマーの質量基準で50%のタルクを水中で均質化し、前記溶液に添加した。コーティング分散液の合計固形分は10%であった。5mg/cm2のポリマーを適用した。
有機酸を含むEudragit(登録商標)L100内側コーティング
10%のクエン酸および50%のTEC(どちらもポリマー質量基準)を水中に溶解させた。Eudragit(登録商標)L100を前記溶液中に分散させ、中和して、pH6.2または6.8の透明溶液にした。ポリマー質量基準で50%のタルクを水中で均質化し、前記溶液に添加した。コーティング分散液の合計固形分は10%であった。5mg/cm2のポリマーを適用した。
コーティングとしてのHPMC:
10質量%のHPMC E5溶液(10質量%のクエン酸ナトリウム、10%のクエン酸、10%のNaClを含むか、または含まない)を使用した。1、3、5mg/cm2のポリマーを適用した。
Eudragit(登録商標)L30D−55対照および外側コーティング:
10%のTEC(ポリマー質量基準)を水中に溶解させ、Eudragit(登録商標)L30D−55分散液中に添加した。ポリマー質量基準で50%のタルクを水中で均質化し、前記分散液中に添加した。コーティング分散液の全固形分は20%であった。5mg/cm2のポリマーを適用した。
HP−55コーティング(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)
エタノール/水(80:20)中に溶解させることにより、6%のHP−55溶液を製造した。5mg/cm2のポリマーを適用した。
4.2 コーティング条件
第2表は、プレドニゾロン錠剤のコーティング条件を要約し、第3表はプレドニゾロンペレットのコーティング条件を要約する。
第2表は、プレドニゾロン錠剤のコーティング条件を示す。
Figure 2010526110
第3表は、プレドニゾロンペレットのコーティング条件を示す。
Figure 2010526110
5.テオフィリンペレットのコーティング
テオフィリンペレットを流動床(Huettlin Mycrolab)中でコーティングした。
5.1 コーティング配合物
10%のクエン酸を含むEudragitL30D−55内側コーティング:
10%のクエン酸(ポリマー質量基準)、5%のトリエチルシトレート(TEC)(ポリマー質量基準)を水中に溶解させ、Eudragit(登録商標)L30D−55分散液中に添加した。前記分散液を次いで1MのNaOHを用いて中和してpH5.6にし、分散液は透明溶液になった。ポリマー質量基準で50%のタルクを水中で均質化し、前記溶液に添加した。コーティング分散液の合計固形分は10%であった。5mg/cm2のポリマーを適用した。
EudragitL30D−55対照および外側コーティング:
10%のTEC(ポリマー質量基準)を水中に溶解させ、EudragitL30D−55分散液中に添加した。ポリマー質量基準で50%のタルクを水中で均質化し、前記分散液中に添加した。コーティング分散液の合計固形分は20%であった。5mg/cm2のポリマーを適用した。
4.2 コーティング条件
10%のクエン酸を含むEudragitL30D−55内側コーティング:
入口空気温度:38.0〜40.0℃;生成物温度:28〜30℃;排気温度:27〜29℃;排気湿度:25〜38%;微気候:0.6バール;空気流:20.0m3/h;噴霧空気圧:1.6−2.3バール;噴霧速度:2.2g/分。
EudragitL30D−55対照および外側コーティング:
入口空気温度:40.0〜45.0℃;生成物温度:28〜30℃;排気温度:22から27℃;排気湿度:40〜45%;微気候:0.4バール;空気流:16.0〜18.0m3/h;噴霧空気圧:0.6〜0.8バール;噴霧速度:2.2g/分。
6.活性成分としてそれぞれプレドニゾロンまたはテオフィリンを含む、Eudragit(登録商標)コート錠剤およびペレットの溶解試験。
活性成分としてそれぞれプレドニゾロンまたはテオフィリンを含むコーティングされた錠剤およびペレットの溶解試験を、BP法IIパドル装置(PTWS型、ドイツ国ハインブルクのPharmatest)を用いて実施した。溶出溶媒の容積は900mlで、37±0.5℃に維持し、50rpmのパドル速度を用いた。コーティングされた錠剤またはペレットから放出されるプレドニゾロンまたはテオフィリンの量をUV分光光度計により、プレドニゾロンについては247nmで、またはテオフィリンについては271nmでそれぞれ測定した。錠剤またはペレットを120分間0.1NのHCl中に入れ、続いて異なるpHのリン酸塩緩衝液中に入れた。
実施例1:二重コーティングシステムからの薬剤放出に対する内側コートにおける異なる酸濃度の影響
この実施例は、内側コートにおける異なるアジピン酸濃度(pH5.6)の薬剤放出に対する影響を示す。この実験について、次のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、それぞれ10、15および20質量%のアジピン酸(pH5.6)の内側コーティングを含む二重コート錠剤。錠剤を0.1NのHCl溶液に2時間入れ、続いてリン酸塩緩衝液(pH5.6)に入れた。
薬剤放出速度は、10%、15%および20質量%の内側コート中のアジピン酸濃度を用いる場合に、同じ外側コーティングを有するが内側コーティングを含まない対照固体剤形と比べて強力に増加した(データは不掲載)。さらに、pH5.6に中和され、内側コートとしてアジピン酸をさらに含むEudragit(登録商標)L30D−55を用いたコーティング方法は容易であり、アジピン酸濃度が高いほど、コーティング方法は容易であることが観察された。
下記のプレドニゾロン含有錠剤を用いてさらなる実験を行った:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、それぞれ10、15、20および30質量%のクエン酸(pH5.6)の内側コーティングを含む二重コーティングされた錠剤。錠剤を、0.1NのHCl溶液に2時間、続いてリン酸塩緩衝液(pH5.6)に入れた。
第4表は、内側コート中の異なるクエン酸濃度の比較をまとめる。10質量%のクエン酸二重コート錠剤からの薬剤放出は、10%のアジピン酸二重コート錠剤からよりも早かった(第5表を参照)。pH5.6緩衝液中で、10、15、20、30%のクエン酸配合物の薬剤放出の差は非常に小さかった。
pH5.5を有する緩衝液中、15%クエン酸配合物は、10%クエン酸よりも早い薬剤放出を示した(データは不掲載)。
Figure 2010526110
実施例2:異なる量の外側コートの影響
この実験において、異なる量の外側コーティング適用が溶解におよぼす影響を調べた。この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(それぞれ3、4および5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(それぞれ3、4および5mg/cm2);Eudragit(登録商標)L30D−55、20質量%のクエン酸(pH5.6)の内側コーティングを含む二重コート錠剤。錠剤を0.1NのHClに2時間に入れ、続いてリン酸塩緩衝液(pH5.6)に入れた。
5mg/cm2の外側コーティングの溶解速度(30%放出は175分以内に達成され、50%放出は180分以内に達成された)は、4mg/cm2の外側コート(30%放出は175分以内に達成され、50%放出は220分以内に達成された)よりも高く、これはまた、対照(内側コーティングを有さない):5mg/cm2の外側コーティング(50%放出は530分以内に達成された);4mg/cm2の外側コーティング(50%放出は415分以内に達成された);3mg/cm2の外側コーティング(50%放出は275分以内に達成された);3mg/cm2外側コート(30%放出は340分以内)よりも高いことが示された。
下記のプレドニゾロン含有錠剤を用いて、さらなる実験を行った:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(それぞれ3、4および5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(それぞれ3、4および5mg/cm2);Eudragit(登録商標)L30D−55、10質量%のアジピン酸(pH5.6)の内側コーティングを含む二重コート錠剤。錠剤を0.1NのHCl溶液に2時間、続いてリン酸塩緩衝液(pH5.6)に入れた。第5表は、10%アジピン酸配合物についての二重コーティングされた錠剤の溶解の結果を示す。
Figure 2010526110
実施例3:内側コーティング溶液の中和度の影響
この実験において、内側コーティング溶液の中和度の薬剤放出特性に対する影響を調べた。この試験について、10質量%のクエン酸を含むEudragit(登録商標)L30D−55の内側コーティングを有する二重コート錠剤を使用する。詳細:この実験について、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2);Eudragit(登録商標)L30D−55、10質量%のクエン酸(それぞれpH5.6、5.8および6.0)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コーティング錠剤。錠剤を0.1NのHCl溶液に2時間、続いてリン酸塩緩衝液(pH5.6)に入れた。
実験から、内側コーティング溶液のpHがpH5.6からpH5.8まで増加する場合に、薬剤放出が若干増加することがわかる。内側コーティング溶液を中和してpH6.0にした場合、薬剤放出速度はさらに有意に増加した(第6表を参照)。ここで、pH5.6のリン酸塩緩衝液中での薬剤放出の時間のずれは、40分から5分まで減少した。
Figure 2010526110
実施例4:Eudragit(登録商標)L100を内側コートとして用いた薬剤放出に対する影響
ポリマーの種類が薬剤放出に対して及ぼす影響を調べるために、Eudragit(登録商標)L100を内側コーティング溶液として使用し、これを中和してpH6.2にした。この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2);Eudragit(登録商標)L100、10質量%クエン酸(pH6.2)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤。錠剤を0.1NのHCl溶液に2時間、続いてリン酸塩緩衝液(pH5.6)に入れた。
結果として、Eudragit(登録商標)L100および10質量%クエン酸を内側コーティングとして有する二重コート錠剤からの薬剤放出は非常に早い薬剤放出特性を示し、時間のずれはわずか5分であることが観察され(145分以内に10%薬剤放出、170分以内に50%薬剤放出)、これは対照Eudragit(登録商標)L30D−55コーティングよりもはるかに早かった(370分以内に10%薬剤放出、530分以内に50%薬剤放出)。
さらに、pH6.2およびpH6.8などのEudragit(登録商標)L100の異なる中和値を比較した。この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2);Eudragit(登録商標)L100、10質量%クエン酸(それぞれpH6.2および6.8の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤;iii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2);Eudragit(登録商標)L100、15質量%アジピン酸(pH6.8)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤;iv)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2);Eudragit(登録商標)L30D−55、10質量%クエン酸(それぞれpH5.6および6.0)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤。錠剤を0.1NのHCl溶液に2時間、続いてリン酸塩緩衝液(pH5.6)に入れた。
pH6.2およびpH6.8などのEudragit(登録商標)L100の異なる中和値を比較し、これら2つの値での薬剤放出特性は相違を示さなかった(第7表)。Eudragit(登録商標)L30D−55を内側コートとして有し、pH6.0中和レベルでの二重コーティング配合物と比較して、10%クエン酸を有するEudragit(登録商標)L100二重コート錠剤からの薬剤放出は同じ時間のずれ(5分)を有していたが、放出特性の勾配が若干ゆるやかであった。Eudragit(登録商標)L100および15%アジピン酸を有する内側コート配合物も調べたが、非常に早い薬剤放出を示し、時間のずれは5分であり、Eudragit(登録商標)L30D−55(pH6.0)配合物と類似した放出勾配を示した。
Figure 2010526110
実施例5:二重コートプレドニゾロン錠剤の酸耐性試験
この実験において、二重コートプレドニゾロン錠剤の酸耐性を検討した。この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2);Eudragit(登録商標)L30D−55、10質量%アジピン酸(pH5.6)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤。錠剤を異なるpHの0.1NのHCl溶液に入れた。結果として、0.1NのHCl中、21時間で薬剤放出はなく、それぞれpH2.0、3.0および4.0を有するHCl溶液中で3時間でも薬剤は放出されないことが示された。これらの結果は、二重コーティングシステムが良好な酸耐性を有することを示す(データは不掲載)。
実施例6:クエン酸またはアジピン酸のいずれかを含む二重コートプレドニゾロン錠剤からの薬剤放出の比較
この実験において、有機酸の種類の影響を調べる。この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2);Eudragit(登録商標)L30D−55、10質量%のそれぞれアジピン酸またはクエン酸(pH5.6)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤。
第8表は、0.1NのHCl中で2時間後のpH5.6リン酸塩緩衝液での二重コートおよび対照のコートプレドニゾロン錠剤からの薬剤放出の比較を示す。二重コート配合物の内側コートを全て中和して、pH5.6にした。
特に、10%クエン酸および10%アジピン酸二重コート錠剤からの、pH5.5、5.6および5.8緩衝液中での薬剤放出を試験した(第8表はpH5.6緩衝液中の二重コート錠剤のみを示す)。試験pH値の全てにおいて、有機酸(クエン酸またはアジピン酸のいずれか)を含む二重コート錠剤は、対照コート錠剤よりも早い薬剤放出を示した。これらの3つのpH値全てにおいて、10%クエン酸配合物は、10%アジピン酸配合物よりも早い薬剤放出速度を示した。
Figure 2010526110
実施例7:テオフィリンペレットを用いた薬剤放出研究;比較
この実施例は、テオフィリンペレット上の二重コーティングの効果を示す。この実験に関して、下記のテオフィリン含有ペレットを使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照ペレット;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、10%クエン酸(pH5.6)の内側コーティングを含む二重コートペレット。
この実験において、二重コートテオフィリンペレットの酸耐性を試験した。異なる活性成分テオフィリンを使用すると、0.1NのHCl中2時間で二重コートペレットから薬剤は放出されなかったことがわかり、このことは、二重コーティング配合物が良好な酸耐性を有することを示す。
さらに別の試験は、二重コートおよび対照コートテオフィリンペレット(pH5.0および5.5リン酸塩緩衝液)からの0.1NのHCl中2時間後の薬剤放出に関する。pH5.5で対照コートペレットからの薬剤放出は非常に遅く、pH5.0ではこれらのペレットから薬剤は放出されなかった。しかし、二重コートペレットに関しては、薬剤放出はpH5.0ですでに始まっており、pH5.5で早くかつ完全な薬剤放出を示した。
実施例8:二重コートHPMC内側コーティング(サブコート)および対照コートプレドニゾロンペレットについてのコーティング溶解方法
この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有ペレットを使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照ペレット;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、15質量%アジピン酸(pH5.6)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コートペレット;iii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、内側コーティングHPMC(pH7.0、3mg/cm2)を含むHPMCサブコートペレット。
結果として、15%アジピン酸二重コートペレットおよび対照Eudragit(登録商標)L30D−55コートペレットのどちらからも0.1MのHCl中2時間で薬剤は放出されないことが観察された。しかし、その後のpH5.5緩衝液中で、15%アジピン酸二重コートペレットからのプレドニゾロン放出は、対照コートペレットよりもはるかに早く、時間のずれはそれぞれ40分および105分であった。
HPMC E5(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)(3mg/cm2)をサブコート(内側コーティング)として有する二重コートペレットも調べた。HPMCサブコートペレットからの薬剤放出についての時間のずれは、90分に減少し、対照コートペレット(データは不掲載)よりも15分早かった。
実施例9:有機酸を含まず、中和のみの内側コーティングを含む錠剤の薬剤放出
この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、10%クエン酸(それぞれpH5.6または6.0)の内側コーティングを含む二重コート錠剤;iii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)(それぞれpH5.8または6.0)の内側コーティングを含む二重コートペレット。有機酸を添加せずに内側コートをpH5.8およびpH6.0に中和する場合、二重コート錠剤は依然として対照よりも早い薬剤放出を示した。しかし、本発明の10%クエン酸を含む配合物は、それぞれ5.8または6.0の相当するpH値で、なお一層早い薬剤放出を示した(第9表)。これらの結果から明らかに、有機酸を添加しないと、外側コーティングと比較して内側コーティングの中和度が高いほど、薬剤放出速度において劇的な増加が達成されるが、薬剤放出速度は、内側コーティング中に有機酸を含む配合物ほど良好ではないことがわかる。
Figure 2010526110
実施例10:有機酸を含むが、中和していない内側コーティングを含む二重コート錠剤の薬剤放出
この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、20%クエン酸(pH5.6)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤;iii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、20質量%クエン酸の内側コーティング(非中和、5mg/cm2)を含む二重コート錠剤。20%クエン酸を有するが、中和されていない内側コートを有する二重コート錠剤は、pH5.6リン酸塩緩衝液中12時間で薬剤放出を示さなかった(第10表は最高6時間までを示す)。おそらく、内側コート中のクエン酸の酸性度は、Eudragit(登録商標)L30D−55外側コートの微小環境pHを減少させ、したがってコート溶解速度が減少したのであろう。
Figure 2010526110
実施例11:HPMCを内側コーティングとして含む二重コート錠剤の薬剤放出
この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、20%クエン酸(pH5.6)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤;iii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、HPMC E−5の内側コーティング(それぞれ1、3および5mg/cm2を使用、pH7.0)を含む二重コート錠剤。
錠剤を0.1NのHCl中に2時間入れ、続いてpH5.6リン酸塩緩衝液中に入れた。1mg/cm2および3mg/cm2のHPMC E5内側コート錠剤の溶解速度は、対照コートよりも早かった(データは不掲載)。最速の薬剤放出は、3mg/cm2でのHPMC E5内側コート量で見いだされたが、それでもEudragit(登録商標)L30D−55、20%クエン酸(pH5.6)内側コート配合物よりも遅かった。
下記のプレドニゾロン含有錠剤を用いてさらなる実験を実施した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、10%クエン酸(それぞれpH5.6および6.0)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤;iii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、HPMC E5の内側コーティング(5mg/cm2)(a)完全に中和された10%クエン酸またはb)10%クエン酸ナトリウムまたはc)10%NaClのいずれかをそれぞれ含み、それぞれはpH7.0を有する)を含む二重コート錠剤。
第11表にまとめるように、HPMC E5内側コート配合物中に含まれる、10%NaCl、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸(完全に中和させるために等モルのNaOHを含む)を含む錠剤は、早い薬剤放出特性を示した(第11表)。10%塩配合物を含むHPMC E5は、依然として、Eudragit(登録商標)L30D−55、10%クエン酸(pH6.0)内側コート配合物よりも遅い薬物放出を示した。
Figure 2010526110
実施例12:外側コーティングとしてHP−55(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)を含む二重コート錠剤の薬剤放出
この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、10%クエン酸(pH5.6)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤;iii)HP−55コート錠剤(5mg/cm2);iv)外側コーティングHP−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、10%クエン酸(pH5.6)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤。錠剤を、0.1NのHCl中に2時間、続いてpH5.6リン酸塩緩衝液に入れた。
HP−55(アニオン性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)をコーティングポリマーとして含む腸溶コートプレドニゾロン錠剤は、同じ量のポリマーが適用された(5mg/cm2)Eudragit(登録商標)L30D−55よりもはるかに早い薬剤放出を示した。0.1NのHCl中、2時間で、HP−55コート錠剤から薬剤は放出されなかった。その後のpH5.6リン酸塩緩衝液中で、HP−55コーティングについて、薬剤放出時間のずれはほとんどなかった。HP−55コーティングの薬剤放出は、pH5.6リン酸塩緩衝液において2相を示した。薬剤放出は最初の20分で遅く、その後非常に早くなった。HP−55外側コーティングは、内側コートとしてのEudragit(登録商標)L30D−55、10%クエン酸(pH5.6)配合物とともに、薬剤放出のさらなる改善を示した。これらの結果を第12表にまとめる。
Figure 2010526110
実施例13:10%クエン酸、10%クエン酸ナトリウムおよび20%NaClをそれぞれ内側コーティングとして含む二重コート錠剤の薬剤放出
この実験に関して、下記のプレドニゾロン含有錠剤を使用した:i)Eudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)を含む対照錠剤;ii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、10%クエン酸(pH5.6)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤;iii)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、10%クエン酸(pH6.0)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤、iv)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、10%クエン酸ナトリウム(pH6.0)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤;v)外側コーティングEudragit(登録商標)L30D−55(5mg/cm2)、Eudragit(登録商標)L30D−55、20質量%NaCl(pH5.6)の内側コーティング(5mg/cm2)を含む二重コート錠剤。錠剤を0.1NのHCl中2時間入れ、続いてpH5.6 リン酸塩緩衝液に入れた。
第13表は、10質量%クエン酸ナトリウムを内側コート中に含み、pH6.0に中和された二重コートプレドニゾロン錠剤の薬剤放出特性を示す。10%クエン酸配合物(これもpH6.0に中和されている)と比較すると、10%クエン酸ナトリウム配合物からの薬剤放出は遅かった。
20%NaClを含み、pH5.6に中和されたむ内側コート配合物を有する二重コート錠剤は、10%クエン酸pH5.6配合物と類似した薬剤放出を示した(第13表)。
NaCl含有非中和Eudragit(登録商標)L30D−55配合物でコーティングすることは不可能であった。Eudragit(登録商標)L30D−55分散液は、NaClを分散液中に添加した後に半固体に変化した。沈殿した粒子は1MのNaOHを添加するまでに再溶解し、中和されてpH5.6になった。
Figure 2010526110

Claims (72)

  1. 薬学的に活性な成分を含むコアと外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含む固体剤形であって;
    前記内側コーティングが部分的に中和されたアニオン性ポリマー物質、および2〜16個の炭素原子を有する少なくとも1つのカルボン酸、その塩または前記酸とその塩との混合物を含み;
    前記外側コーティングが、内部コーティングほど中和されていないか、または全く中和されていないアニオン性ポリマー物質を含む、固体剤形。
  2. 内側コーティングと外側コーティングとの間の中和における差が、少なくとも5パーセント、好ましくは少なくとも10パーセント、最も好ましくは少なくとも20パーセントである、請求項1に記載の固体剤形。
  3. 外側コーティングのアニオン性基の中和度が、最高でも10パーセントであり、好ましくは最高でも6パーセントであり、さらに好適には最高でも4パーセントであり、なお一層好適には最高でも2パーセントであり、最も好適には0である、請求項1または2に記載の固体剤形。
  4. 内側コーティング中および外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマーが、それぞれ互いに独立して、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  5. 内側コーティングが、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなる部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーから製造され、含まれるアニオン性基の1〜80%、好ましくは少なくとも2〜70%がアルカリ性剤により中和され;
    そして外側コーティングが、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーから製造される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  6. 塩が、アルカリ金属塩、好適にはナトリウムもしくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩または可溶性金属塩である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  7. カルボン酸が2〜16個の炭素原子を有し、1、2または3個のカルボキシル基を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  8. カルボン酸が、ソルビン酸、安息香酸、フマル酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、プロパン酸、グリセリン酸、トランス−クロトン酸、イタコン酸、メサコン酸、トリメチル酢酸、イソクエン酸、ヘキサン酸、4−メチルペンタン酸、没食子酸、テレフタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、α−フェニルプロパン酸、β−フェニルプロパン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸およびこれらの混合物、その塩または前記酸とその塩との混合物からなる群から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  9. カルボン酸がアジピン酸またはクエン酸である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  10. 内側および外側コーティングそれぞれが、2〜10mg/cm2のポリマー質量増加を含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  11. 内側コーティングと外側コーティングとの間の関係が、乾燥ポリマー質量基準で10:90〜90:10である、請求項1から10までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  12. 胃耐性の腸溶コート固体剤形を製造するための方法であって、次の工程:
    a)薬学的に活性な成分を含むコアをポリマー物質でコーティングする工程;
    b)a)のコーティングの上面上にアニオン性ポリマー物質をコーティングして、外側腸溶コーティングを形成する工程を含み;
    したがって、前記固体剤形が、薬学的に活性な成分を含むコアと、前記外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含み;
    水溶液または分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液のpHが、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液よりも高いpHを有するか;または有機溶媒ベースの溶液または分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液の中和度が外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液よりも高い、胃耐性の腸溶コート固体剤形を製造するための方法において、
    前記外側コーティングを含むが、前記内側コーティングを含まない固体剤形が、2〜5時間以内のある時間で薬学的に活性な成分の10パーセントの放出を達成するpH3〜7の範囲のpH条件下で、前記内側コーティングおよび前記外側コーティングを含む固体剤形が、この時間またはそれ未満の時間の80パーセント以内で薬学的に活性な成分の10パーセントの放出を達成することを特徴とする方法。
  13. アニオン性ポリマー物質の場合、内側コーティングと外側コーティングとの間のアニオン性基の中和における差が、少なくとも5パーセント、好ましくは少なくとも10パーセント、最も好適には少なくとも20パーセントである、請求項12に記載の方法。
  14. 外側コーティングのアニオン性基の中和度が最高で10パーセント、好ましくは最高で6パーセント、さらに好適には最高で4パーセント、なお一層好適には最高で2パーセント、最も好適には0である、請求項12または13に記載の方法。
  15. 水溶液または分散液の場合、内側コーティングが製造される溶液または分散液のpH値が、外側コーティングが製造される溶液または分散液のpHよりも、少なくとも0.5pH単位、さらに好適には少なくとも1.0pH単位、さらに好適には少なくとも1.5pH単位、なお一層好適には少なくとも2.0pH単位、なお一層好適には少なくとも2.5pH単位、なお一層好適には少なくとも3.0pH単位、最も好適には少なくとも4.0pH単位高い、請求項12に記載の方法。
  16. 水溶液または分散液の場合、内側コーティングが製造される溶液または分散液と、外側コーティングが製造される溶液または分散液の間のpH値の差が、2〜4pH単位の範囲である、請求項12または15に記載の方法。
  17. 内側コーティングが、2〜16個の炭素原子を有するカルボン酸または無機酸、その塩または前記酸とその塩との混合物をさらに含む、請求項12から16までのいずれか1項に記載の方法。
  18. 塩がアルカリ金属塩である、請求項17に記載の方法。
  19. カルボン酸が、ソルビン酸、安息香酸、フマル酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、プロパン酸、グリセリン酸、トランス−クロトン酸、イタコン酸、メサコン酸、トリメチル酢酸、イソクエン酸、ヘキサン酸、4−メチルペンタン酸、没食子酸、テレフタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、α−フェニルプロパン酸、β−フェニルプロパン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸およびこれらの混合物、その塩または前記酸とその塩との混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  20. カルボン酸がアジピン酸またはクエン酸である、請求項17に記載の方法。
  21. 内側コーティングのポリマー物質が、アニオン性ポリマー物質、あるいはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(エチレンオキシド)−グラフト−ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)および/またはポリビニルアルコールからなる群から選択される水溶性ポリマーである、請求項12から20までのいずれか1項に記載の方法。
  22. 内側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 内側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位の部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、含まれるアニオン性基の1〜80%、好ましくは少なくとも2〜70%がアルカリ性剤により中和される、請求項21に記載の方法。
  24. 外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される、請求項12から23までのいずれか1項に記載の方法。
  25. 外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、外側コーティングは内側コーティングほど中和されてないか、または全く中和されていない、請求項12から24までのいずれか1項に記載の方法。
  26. 外側および内側コーティングが、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを含み、外側コーティングが内側コーティングほど中和されていないか、または全く中和されておらず、内側コーティングが、カルボン酸もしくは無機酸、その塩またはこれらの混合物をさらに含む、請求項12から20までのいずれか1項に記載の方法。
  27. 内側および外側コーティングそれぞれが、2〜10mg/cm2のポリマー質量増加を含む、請求項12から26までのいずれか1項に記載の方法。
  28. 内側コーティングと外側コーティングとの間の関係が、乾燥ポリマー質量基準で10:90〜90:10である、請求項12から27までのいずれか1項に記載の方法。
  29. 薬学的に活性な成分を含むコアと外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含む胃耐性の腸溶コート固体剤形であって;
    内側コーティングがポリマー物質を含み、外側コーティングがアニオン性ポリマー物質を含み;
    水溶液もしくは分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質を製造する溶液もしくは分散液のpHが、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液よりも高いpHを有するか;または有機溶媒ベースの溶液または分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液の中和度が外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液よりも高い、薬学的に活性な成分を含むコアと外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含む胃耐性の腸溶コート固体剤形において、
    前記外側コーティングを含むが、前記内側コーティングを含まない固体剤形が、2〜5時間以内のある時間で薬学的に活性な成分の10パーセントの放出を達成するpH3〜7の範囲のpH条件下で、前記内側コーティングおよび前記外側コーティングを含む固体剤形が、この時間またはそれ未満の時間の80パーセント以内で薬学的に活性な成分の10パーセントの放出を達成することを特徴とする固体剤形。
  30. アニオン性ポリマー物質の場合、内側コーティングと外側コーティングとの間のアニオン性基の中和における差が、少なくとも5パーセント、好ましくは少なくとも10パーセント、そして最も好適には少なくとも20パーセントである、請求項29に記載の固体剤形。
  31. 外側コーティングのアニオン性基の中和度が、最高でも10パーセント、好ましくは最高でも6パーセント、さらに好適には最高でも4パーセント、なお一層好適には最高でも2パーセントであり、最も好適には0である、請求項29または30に記載の固体剤形。
  32. 水溶液または分散液の場合、内側コーティングが製造される溶液または分散液のpH値が、外側コーティングが製造される溶液または分散液のpH値よりも、少なくとも0.5pH単位、さらに好適には少なくとも1.0pH単位、さらに好適には少なくとも1.5pH単位、なお一層好適には少なくとも2.0pH単位、なお一層好適には少なくとも2.5pH単位、なお一層好適には少なくとも3.0pH単位、最も好適には少なくとも4.0pH単位高い、請求項29に記載の固体剤形。
  33. 水溶液または分散液の場合、内側コーティングを製造する溶液もしくは分散液と、外側コーティングを製造する溶液もしくは分散液との間のpH値の差が、2〜4pH単位の範囲である、請求項29または32に記載の固体剤形。
  34. 内側コーティングが、2〜16個の炭素原子を有するカルボン酸もしくは無機酸、その塩または前記酸とその塩との混合物をさらに含む、請求項29から33までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  35. 塩がアルカリ金属塩である、請求項34に記載の固体剤形。
  36. カルボン酸が、ソルビン酸、安息香酸、フマル酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、プロパン酸、グリセリン酸、トランス−クロトン酸、イタコン酸、メサコン酸、トリメチル酢酸、イソクエン酸、ヘキサン酸、4−メチルペンタン酸、没食子酸、テレフタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、α−フェニルプロパン酸、β−フェニルプロパン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸およびこれらの混合物、その塩または前記酸とその塩との混合物からなる群から選択される、請求項34に記載の固体剤形。
  37. カルボン酸がアジピン酸またはクエン酸である、請求項34に記載の固体剤形。
  38. 内側コーティングのポリマー物質が、アニオン性ポリマー物質、あるいはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(エチレンオキシド)−グラフト−ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)および/またはポリビニルアルコールからなる群から選択される水溶性ポリマーである、請求項29から37までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  39. 内側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質がポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される、請求項38に記載の固体剤形。
  40. 内側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなる部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、含まれるアニオン性基の1〜80%、好ましくは少なくとも2〜70%がアルカリ性剤により中和される、請求項38に記載の固体剤形。
  41. 外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される、請求項29から40までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  42. 外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、外側コーティングは内側コーティングほど中和されてないか、または全く中和されていない、請求項29から41までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  43. 外側および内側コーティングが、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを含み、外側コーティングが内側コーティングほど中和されていないか、または全く中和されておらず、内側コーティングが、カルボン酸もしくは無機酸、その塩またはこれらの混合物をさらに含む、請求項29から37までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  44. 内側および外側コーティングそれぞれが、2〜10mg/cm2のポリマー質量増加を含む、請求項29から43までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  45. 内側コーティングと外側コーティングとの間の関係が、乾燥ポリマー質量基準で10:90〜90:10である、請求項29から44までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  46. 胃耐性の腸溶コート固体剤形を製造するためのポリマー物質の使用であって、
    前記固体剤形が、薬学的に活性な成分を含むコアと外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含み;
    前記ポリマー物質が、内側コーティング中に含まれ;
    水溶液または分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液のpHが、外側コーティングのポリマー物質が製造される溶液または分散液よりも高いpHを有するか;または有機溶媒ベースの溶液または分散液からポリマー物質を製造する場合、内側コーティングのポリマー物質を製造する溶液もしくは分散液の中和度が、外側コーティングのポリマー物質を製造する溶液もしくは分散液よりも高い、胃耐性の腸溶コート固体剤形を製造するためのポリマー物質の使用において、
    前記外側コーティングを含むが、前記内側コーティングを含まない固体剤形が、2〜5時間以内のある時間で薬学的に活性な成分の10パーセントの放出を達成するpH3〜7の範囲のpH条件下で、前記内側コーティングおよび前記外側コーティングを含む固体剤形が、この時間またはそれ未満の時間の80パーセント以内で薬学的に活性な成分の10パーセントの放出を達成することを特徴とする使用。
  47. アニオン性ポリマー物質の場合、内側コーティングと外側コーティングとの間のアニオン性基の中和における差が、少なくとも5パーセント、好ましくは少なくとも10パーセント、そして最も好適には少なくとも20パーセントである、請求項46に記載の使用。
  48. 外側コーティングのアニオン性基の中和度が、最高でも10パーセント、好ましくは最高でも6パーセント、さらに好適には最高でも4パーセント、なお一層好適には最高でも2パーセントであり、最も好適には0である、請求項46または47に記載の使用。
  49. 水溶液または分散液の場合、内側コーティングが製造される溶液または分散液のpH値が、外側コーティングが製造される溶液または分散液のpH値よりも、少なくとも0.5pH単位、さらに好適には少なくとも1.0pH単位、さらに好適には少なくとも1.5pH単位、なお一層好適には少なくとも2.0pH単位、なお一層好適には少なくとも2.5pH単位、なお一層好適には少なくとも3.0pH単位、最も好適には少なくとも4.0pH単位高い、請求項46に記載の使用。
  50. 水溶液または分散液の場合、内側コーティングを製造する溶液もしくは分散液と、外側コーティングを製造する溶液もしくは分散液との間のpH値の差が、2〜4pH単位の範囲である、請求項46または49に記載の使用。
  51. 内側コーティングが、2〜16個の炭素原子を有するカルボン酸もしくは無機酸、その塩または前記酸とその塩との混合物をさらに含む、請求項46から50までのいずれか1項に記載の使用。
  52. 塩がアルカリ金属塩である、請求項51に記載の使用。
  53. カルボン酸が、ソルビン酸、安息香酸、フマル酸、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、プロパン酸、グリセリン酸、トランス−クロトン酸、イタコン酸、メサコン酸、トリメチル酢酸、イソクエン酸、ヘキサン酸、4−メチルペンタン酸、没食子酸、テレフタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、α−フェニルプロパン酸、β−フェニルプロパン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸およびこれらの混合物、その塩または前記酸とその塩との混合物からなる群から選択される、請求項51に記載の使用。
  54. カルボン酸がアジピン酸またはクエン酸である、請求項51に記載の使用。
  55. 内側コーティングのポリマー物質が、アニオン性ポリマー物質、あるいはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(エチレンオキシド)−グラフト−ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)および/またはポリビニルアルコールからなる群から選択される水溶性ポリマーである、請求項46から54までのいずれか1項に記載の使用。
  56. 内側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される、請求項55に記載の使用。
  57. 内側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、25〜95質量%のアクリル酸もしくはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなる部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、含まれるアニオン性基の1〜80%、好ましくは少なくとも2〜70%がアルカリ性剤により中和される、請求項55に記載の使用。
  58. 外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される、請求項46から57までのいずれか1項に記載の使用。
  59. 外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、外側コーティングは内側コーティングほど中和されてないか、または全く中和されていない、請求項46から58までのいずれか1項に記載の使用。
  60. 外側および内側コーティングが、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを含み、外側コーティングが内側コーティングほど中和されていないか、または全く中和されておらず、内側コーティングが、カルボン酸もしくは無機酸、その塩またはこれらの混合物をさらに含む、請求項46から54までのいずれか1項に記載の使用。
  61. 内側および外側コーティングのそれぞれが2〜10mg/cm2のポリマー質量増加を含む、請求項46から60までのいずれか1項に記載の使用。
  62. 内側コーティングと外側コーティングとの間の関係が、乾燥ポリマー質量基準で10:90〜90:10である、請求項46から61までのいずれか1項に記載の使用。
  63. 薬学的に活性な成分を含むコアと外側腸溶コーティングとの間に位置する内側コーティングを含む胃耐性の腸溶コート固体剤形であって;
    前記内側コーティングが、アニオン性ポリマー物質または水溶性中性ポリマーからなる群から選択されるポリマー物質を含み;
    前記内側コーティングは、少なくとも水溶性無機塩(炭酸塩および重炭酸塩を除く)をさらに含み;
    前記外側コーティングが、内側コーティングの物質ほど中和されないか、または全く中和されていないアニオン性ポリマー物質を含む、固体剤形。
  64. 水溶性中性ポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(エチレンオキシド)−グラフト−ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)および/またはポリビニルアルコールからなる群から選択される、請求項63に記載の固体剤形。
  65. アニオン性ポリマー物質が、ポリメタクリレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、セルロースアセテートトリメリテートまたはシェラックからなる群から選択される、請求項63または64に記載の固体剤形。
  66. 無機塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、可溶性金属塩から選択される、請求項63から65までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  67. 無機塩が、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩から選択される、請求項63から66までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  68. 内側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなる部分的に中和されたアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、含まれるアニオン性基の1〜80%、好ましくは少なくとも2〜70%がアルカリ性剤により中和される、請求項63から67までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  69. 外側コーティング中に含まれるアニオン性ポリマー物質が、アニオン性(メタ)アクリレート25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーであり、外側コーティングが内側コーティングほど中和されてないか、または全く中和されていない、請求項63から67までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  70. 外側および内側コーティングが、25〜95質量%のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C4アルキルエステルおよび5〜75質量%のアニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーのフリーラジカル重合単位からなるアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを含み、外側コーティングが内側コーティングほど中和されていないか、または全く中和されていない、請求項63から69までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  71. 内側および外側コーティングそれぞれが、2〜10mg/cm2のポリマー質量増加を含む、請求項63から70までのいずれか1項に記載の固体剤形。
  72. 内側コーティングと外側コーティングとの間の関係が、乾燥ポリマー質量基準で10:90〜90:10である、請求項63から71までのいずれか1項に記載の固体剤形。
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