JP2010502415A - 吸水剤およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水性樹脂粒子を必須として含み、衛生材料における用途に適した吸水剤を提供する。具体的には、無加圧下、加圧下において水性液を吸収、保持する性能はもとより、繊維材の性能が大きく寄与している水性液を迅速に吸収する性能、水性液を吸収した後に水性液を拡散させる性能、水性液を吸収した後に水性液を保持できる性能を向上させる。
【解決手段】本発明に係る吸水剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤であって、加圧下平均隙間半径指数が140以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸水剤およびその製造方法に関する。より詳しくは、おむつなどの衛生材料に好ましく用いられる吸水剤およびその製造方法に関する。
従来、吸水性樹脂は、水性液の吸収速度、吸収量、そして、保持性が大きいため、おむつなどの衛生材料用途においては、必要に応じ繊維材と混合して、衛生材料の吸収体を構成するようにしていた。
近年、おむつなどの衛生材料での薄型化のニーズに伴い、吸収体中の吸水性樹脂の割合が増加する傾向(高濃度化)にある(例えば、特許文献1〜3参照)。吸水性樹脂の使用割合が高い高濃度化吸収体で使用される吸水樹脂の性能として、無荷重下、および、荷重下での飽和膨潤時の粒子間平均隙間半径を規定したものが知られている(特許文献4および5参照)。その他、高濃度での使用に適した吸水性樹脂も数多く提案されている(特許文献6〜15参照)。しかしながら、提案されている性能を満たした吸水性樹脂では、より高濃度化されたおむつなどの衛生材料において、その性能を発揮する点でまだ十分とはいえない場合があった。
国際公開第95/26209号パンフレット 米国特許第5669894号明細書 米国特許第5599335号明細書 特開2003−290290号公報 米国特許出願公開第2003−0181115号明細書 米国特許第5149335号明細書 米国特許第5601542号明細書 米国特許第6414214号明細書 米国特許第6849665号明細書 米国特許第7098284号明細書 米国再発行特許発明第38444号明細書 米国特許第5797893号明細書 米国特許第6300275号明細書 米国特許第6831142号明細書 米国特許第6930221号明細書
吸収体中の吸水性樹脂の割合が増加することに伴い、今後の吸水性樹脂として、従来の吸水性樹脂の性能と従来の吸収体中の繊維材が担っていた性能とを併せ持った吸水剤の開発が必要となっている。
このような吸水剤に必要な性能としては、無加圧下、加圧下において水性液を吸収、保持する性能はもとより、繊維材の性能が大きく寄与している水性液を迅速に吸収する性能や、水性液を吸収した後に水性液を拡散させる性能、水性液を吸収した後に水性液を保持できる性能がある。特に高濃度化された吸収体において、水性液を吸収した後の吸水性樹脂は、その容積の肥大化、さらに、圧力下での変形が生じるため、より高度な性能が求められる。
本発明の課題は、上記性能を備えた衛生材料用途その他の用途に適した吸水剤を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、この吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤において、加圧下で水性液を吸収した後の、加圧下でのゲル粒子間の隙間径が従来にないレベルであることが重要であることを発見し、また、従来にはないレベルまで性能を向上させる手法を見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る吸水剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤であって、加圧下平均隙間半径指数が140以上であることを特徴としている。ただし、加圧下平均隙間半径指数は、荷重2.07kPaでの生理食塩水中での累積隙間水量割合の50%に相当する膨潤ゲル隙間半径の値(d50)である。
また、本発明にかかる吸水剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤であって、該吸水剤は、加圧下平均隙間半径指数が100以上であることを特徴とする。
上記本発明に係る吸水剤においては、加圧下平均隙間半径指数は、荷重2.07kPaでの生理食塩水中での累積隙間水量割合の50%に相当する膨潤ゲル隙間半径の値(d50)である。
また、本発明にかかる吸水剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤であって、逆相懸濁重合で得られた吸水剤の90重量%以上が粒子径150〜850μmの範囲であり、且つ加圧下平均隙間半径指数向上剤を含む。
また、上記吸水剤は、粒子形状であって、90重量(質量)%以上が粒子径150〜850μmの粒子であることができる。また、4.83kPaにおける加圧下吸収倍率(AAP)を、10g/g以上とできる。また、前記吸水性樹脂粒子はその表面が架橋されていることができ、該吸水剤は加圧下平均隙間半径指数向上剤を含むことができる。
また、上記吸水剤は、質量平均粒子径(D50)が200〜500μm、粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45、嵩比重(g/ml)が、0.72〜1.00であることが好ましい。
また、上記吸水剤は、4.83kPaにおける加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g〜29g/g、無荷重下吸水倍率(CRC)と4.83kPaにおける加圧下吸収倍率(AAP)との差が7g/g以下であることが好ましい。
また、上記吸水剤は、上記吸水性樹脂が球状であることが好ましく、また、造粒物であることが好ましい。
そして、上記本発明にかかる吸水剤の製造方法においては、アクリル酸および/またはその塩を単量体の主成分とする不飽和単量体水溶液を内部架橋剤の存在下に架橋重合する架橋重合工程の後、乾燥工程を経て、下記(a)〜(c)を満たす吸水性樹脂粒子に調整する工程、また、前記吸水性樹脂粒子に対して加圧下平均隙間半径指数向上のための処理を施す工程を含む。
(a)質量平均粒子径(D50)が150〜500μm、(b)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45、(c)嵩比重(g/ml)が0.72〜1.00
また、上記製造方法は、乾燥工程後に、前記吸水性樹脂粒子の表面を架橋処理する工程を含むことが好ましい。
また、本発明に係る吸水剤の製造方法は、アクリル酸および/またはその塩を単量体の主成分とする不飽和単量体水溶液を疎水性有機溶媒中で逆相懸濁重合によって架橋重合し、乾燥工程を経て、表面架橋処理工程および得られた吸水性樹脂粒子に加圧下平均隙間半径指数向上剤を添加する工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明に係る吸水剤の製造方法では、前記加圧下平均隙間半径指数向上剤は、多価金属化合物、ポリカチオン化合物および無機微粒子から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明に係る吸水剤の製造方法では、前記吸水性樹脂粒子の90重量%以上が粒子径150〜850μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明に係る吸水剤の製造方法では、内部架橋剤が、2個以上の重合性不飽和基を有する重合性架橋剤、および、2個以上の共有結合性基またはイオン結合性基を有する反応性内部架橋剤を併用されてなることが好ましい。
また、上記吸水剤の製造方法では、前記表面架橋処理工程時または表面架橋後における吸水性樹脂は、下記(a)〜(c)を満たす吸水性樹脂に調整されていることが好ましい。(a)質量平均粒子径(D50)が200〜500μm、(b)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45、(c)嵩比重(g/ml)が0.72〜1.00
また、上記吸水剤の製造方法では、前記加圧下平均隙間半径指数向上剤は、2価から4価までのうち何れかの多価金属塩を含むことが好ましい。
また、本発明に係る吸水剤を含む吸収用吸収性物品は、尿、糞または血液の吸収用吸収性物品である。
本発明によれば、例えば、おむつなどの衛生材料中の吸収体を本発明にかかる吸水剤を含んで構成することで、吸水剤が密集した構成の吸収体であるサンドイッチコアや吸収体中の吸収剤の使用重量割合が多い吸水剤の高濃度コアにおいて、水性液をより広い範囲に拡散することができる。また、衛生材料を薄型化できるなど、衛生材料用途その他の用途において顕著な働きをすることができる。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
なお、以下の説明において、「重量」は「質量」と同義語として扱い、「重量%」は「質量%」と同義語として扱う。また、範囲を示す「A〜B」はA以上B以下であることを示す。
(吸水性樹脂粒子および吸水剤)
本発明で用いることができる吸水性樹脂粒子は水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する水不溶性水膨潤性ヒドロゲル形成性重合体(吸水性樹脂粒子)である。水膨潤性とは、吸水倍率が好ましくは10倍以上を示し、水不溶性とは、可溶分量が好ましくは50重量(質量)%以下、より好ましくは20重量%以下、さらには後述の範囲である。また、少なくとも生理食塩水の吸水倍率が10倍以上である。これらの測定法は本明細書で規定する。
粒子形状としては、例えば、球形、球が凝集した形状、球が偏平したような形状、不定形破砕形状、不定形破砕物が造粒した形状、孔を有する発泡した形状のものである。なお、本発明においては、吸水性樹脂粒子を単に吸水性樹脂と称することもある。
また、得られた吸水性樹脂粒子を研磨してもよい。吸水性樹脂粒子の研磨は、例えば、米国特許第6562879号に例示されたホモジナイザーなどの従来公知の研磨用装置を用いることができる。
本発明における吸水剤とは、吸水性樹脂を主成分とし、必要により少量ないし微量の添加剤や水を含有する、水性液体の吸収固化剤のことを指し、吸水性樹脂の含有量は吸水剤全体中、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%である。少量ないし微量成分としては、通常は水が主成分ないし必須とされ、さらには後述の加圧下平均隙間半径指数向上剤や添加剤等が使用される。
なお、水性液体としては、水に限らず、尿、血液、糞、廃液、湿気や蒸気、氷、水と有機溶媒ないし無機溶媒の混合物、雨水、地下水など、水を含めば特に限定されないが、好ましくは、尿、特に人尿であり、吸水剤はこれらに対する吸収固化剤とされる。
水不溶性水膨潤性ヒドロゲル形成性重合体またはその粒子の具体例としては、部分中和架橋ポリアクリル酸重合体(米国特許第4625001号、米国特許第4654039号、米国特許第5250640号、米国特許第5275773号、欧州特許第456136号等)、架橋され部分的に中和された澱粉−アクリル酸グラフトポリマー(米国特許第4076663号)、イソブチレン−マレイン酸共重合体(米国特許第4389513号)、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体のケン化物(米国特許第4124748号)、アクリルアミド(共)重合体の加水分解物(米国特許第3959569号)、アクリロニトリル重合体の加水分解物(米国特許第3935099号)等が挙げられる。
(加圧下平均隙間半径指数およびその測定原理)
本発明の加圧下平均隙間半径指数とは、吸水性樹脂(および吸水剤)が液を吸収した後、荷重下でのゲル粒子間の隙間の径を表したものである。
従来、吸水性樹脂の使用割合が高い場合において、ゲル粒子間の隙間の径が重要であることが指摘されている。本発明者らは、おむつなどの衛生材料中の吸収体に使用される吸水性樹脂(および吸水剤)に関して、実使用でのおむつの性能(漏れ低減、液の拡散性)について鋭意検討した結果、おむつの性能には、実使用に応じた荷重下でのゲル粒子間の隙間の径(加圧下平均隙間半径指数)が特に重要であることを発見した。
また、本発明で得られる吸水剤の加圧下平均隙間半径指数は、従来の手法では得られない範囲である。そして、かかる新規な加圧下平均隙間半径指数は上記特許文献1〜15などに開示のない、後述の手段(粒度、重合、添加剤など)で達成されることを見出した。よって、本発明の吸水剤を、おむつなどの衛生材料中の吸収体に使用することで、吸水剤が密集した構成の吸収体であるサンドイッチコアや、吸収体中の吸収剤の使用重量割合が多い吸水剤の高濃度コアにおいて、水性液をより広い範囲に拡散することができ、実使用においての尿漏れの低減、および、おむつ中にある吸収体を有効に使えるため、おむつの取替え頻度の低減を可能にした。
以下、加圧下平均隙間半径指数の測定原理を説明する。
毛細管力で半径Rの管を液体が上昇する高さhは、液体の表面張力をγ、接触角をθ、重力加速度をg、液体の密度をρとすると、h=2γcosθ/ρgRと表わされる(P.K.Chatterjee、B.S.Gupta編、「TEXTILE SCIENCE AND TECHNOLOGY 13 ABSORBENT TECHNOLOGY 2002」(ELSEVIER)のp428の式(35))。
図2の装置において液タンク中の液面レベルとフィルターロートのガラスフィルターとのヘッド差を0からh(cm)まで増加させることにより、膨潤ゲルや吸収体においてそのゲル粒子間や吸収体の隙間に存在していた液体のうちR(μm)という毛細管半径(隙間)より大きい径に保持されていた隙間水が放出され抜け出ていく。従って飽和膨潤され、隙間空間を完全に液で満たされたゲルを高さ0cmから増加させていき、それぞれ所定の高さでのゲル層の残存隙間液量を測定することで、膨潤ゲル中の隙間半径(毛細管半径)の分布が求められる。
以下本発明では、h=2γcosθ/ρgRの式を用いて各々の高さhにおいて求められるサンプルの毛細管半径Rの値をサンプルの隙間半径と定義する。液タンク中の液面高さとグラスフィルターの厚みの中間位置との差を0から60(cm)まで1cm、2cm、5cm、8cm、10cm、15cm、20cm、25cm、30cm、40cm、50cm、60cmと段階的に増加させることで、それぞれの高さに対応するRの値を有する隙間に保持されていた液が排出されていく。この排出液量を測定することでサンプルの隙間半径(毛細管半径)の分布が計算でき、その値を対数確率紙にプロットし、d50の値を平均隙間半径とする。本実施例ではh=2γcosθ/ρgRの式においてγ:生理食塩水(0.9重量%NaCl水溶液)の表面張力(0.0728N/m)、θ:接触角(0°)、ρ:生理食塩水の密度(1000kg/m)、g:重力加速度9.8m/sの値を用いるものとする。
これにより0cm、1cm、2cm、5cm、8cm、10cm、15cm、20cm、25cm、30cm、40cm、50cm、の位置で保持されている液体はそれぞれ1485、743、297、186、149、99.0、74.3、59.4、49.5、37.1、29.7、24.8μmの隙間半径(毛細管半径)に保持されていると求められる。なお、本発明における測定は、測定試料が十分に液を吸収、あるいは、ぬれた状態で行われるため、θは0°とする。
(吸水剤の製造方法)
本発明の吸水剤の製造方法は、本発明の物性を満たせば特に問わないが、例えば、下記の<製法1>と<製法2>などで得ることができる。
<製法1(水溶液重合)>
水溶液重合を用いる場合、不飽和単量体水溶液を特定範囲の内部架橋剤量の存在下に架橋重合した後、得られた含水ゲルを粉砕し乾燥した後、整粒工程を経て、特定の吸水性樹脂粒子に調整し、加圧下平均隙間半径向上のための処理を施す方法。すなわち、水溶液重合において、表面架橋剤および加圧下平均隙間半径指数向上剤が使用され、粒子径および嵩比重を制御したうえ、後述の加圧下吸水倍率に調整すればよい。
<製法2(逆相懸濁重合)>
逆相懸濁重合を用いる場合、不飽和単量体水溶液を特定範囲の内部架橋剤量の存在下に、疎水性有機溶媒中で架橋重合した後、得られた含水ゲルを乾燥した後、必要により整粒工程を経て、特定の吸水性樹脂粒子に調整し、加圧下平均隙間半径指数向上のための処理を施す方法。すなわち、逆相懸濁重合において、表面架橋剤および加圧下平均隙間半径指数向上剤が使用され、粒子径および嵩比重を制御したうえ、後述の加圧下吸水倍率に調整すればよい。
これらの製法では、好ましくは、乾燥後に吸水性樹脂粒子の表面を架橋処理することが行われる。
以下、本発明の吸水剤の製造方法、さらには本発明の吸水剤について順次説明する。なお、以下、特に製法1(水溶液重合)、製法2(逆相懸濁重合)と段落の冒頭に断らない場合、いずれの製法にも共通して使用できる。
(モノマー)
水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有水溶性モノマー、スルホン酸基含有水溶性モノマー、アミド基含有水溶性モノマーなどが挙げられ、好ましくは、カルボキシル基含有水溶性モノマー、特に好ましくはアクリル酸および/またはその塩である。
本発明で用いることができる吸水性樹脂粒子は、アクリル酸および/またはその塩を含む単量体を重合して得られるポリアクリル酸(塩)系架橋重合体からなる吸水性樹脂粒子であることが好ましい。
本発明においてポリアクリル酸(塩)系架橋重合体とは、アクリル酸および/またはその塩を好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%含む単量体を重合して得られる、内部に架橋構造を有する重合体である。また、重合体中の酸基は、その25〜100モル%が中和されていることが好ましく、50〜99モル%が中和されていることがより好ましく、55〜80モル%が中和されていることがさらに好ましく、塩としてはナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの1種または2種以上を例示する事ができる。塩を形成させるための酸基の中和は、重合前に単量体の状態で行ってもよいし、あるいは重合途中や重合後に重合体の状態で行ってもよいし、それらを併用してもよい。
吸水性樹脂粒子として本発明に好ましく用いられるポリアクリル酸(塩)系架橋重合体としては、主成分として用いられる水溶性エチレン性不飽和モノマー(アクリル酸および/またはその塩)に併用して、必要により他の単量体を共重合させたものであってもよい。
水溶性エチレン性不飽和モノマー(アクリル酸および/またはその塩)が「主成分として」とは、不飽和単量体水溶液に対して、水溶性エチレン性不飽和モノマーが、全単量体中70%以上、好ましくは80%以上含まれていることをいう。
他の単量体の具体例としては、重合方法で後述の米国特許ないし欧州特許に例示される単量体が挙げられ、具体的には例えば、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソブチレン、ラウリル(メタ)アクリレート等の水溶性または疎水性不飽和単量体等を共重合成分とするものも含まれる。これらアクリル酸および/またはその塩以外の単量体の使用量は、全単量体中0〜30モル%が好ましく、より好ましくは0〜10モル%である。
(架橋構造)
本発明で用いることができる吸水性樹脂粒子は、内部に架橋構造を有する。本発明に用いられる吸水性樹脂粒子に内部架橋構造を導入する方法として、架橋剤を使用しない自己架橋によって導入する方法や、1分子中に2個以上の重合性不飽和基および/または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させて導入する方法等を例示できる。これらの内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ポリ(メタ)アリロキシアルカンなどの共重合性架橋剤や、共重合性基と共有結合性基を有する内部架橋剤として、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、その他、2個以上の共有結合性、イオン結合性基を有する内部架橋剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物や、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物又は塩化物等の多価金属化合物なども挙げられる。
これらの内部架橋剤は1種のみ用いてもよいし2種以上使用してもよい。中でも、得られる吸水性樹脂の吸水特性などから、特願2005−289399号公報(国際公開第2007/03745号パンフレット)に記載されている方法に従って、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を内部架橋剤として必須に用いることが好ましく、さらに、共重合性基と共有結合性基を有する内部架橋剤や、2個以上の共有結合性基やイオン結合性基を有する内部架橋剤を併用、特に、多価アルコールを併用して用いることが好ましい。
本発明において用いることができる吸水性樹脂粒子で内部架橋剤の使用量としては、全単量体(内部架橋剤以外の水溶性エチレン性不飽和モノマー)に対して0.005〜3モル%が好ましく、より好ましくは0.01〜2モル%、さらに好ましくは0.2〜2モル%、特に好ましくは0.4〜1.5モル%である。
また、本発明における内部架橋剤として、(i)2個以上の重合性不飽和基を有する内部架橋剤と、(ii)共重合性基と共有結合性基を有する内部架橋剤や共有結合性基やイオン結合性基を有する内部架橋剤を有する内部架橋剤を併用して用いる場合、内部架橋剤の使用量としては、全単量体(内部架橋剤以外の水溶性エチレン性不飽和モノマー)に対して、好ましくは前記(i)が0.005〜3モル%、(ii)が0〜2.995モル%、より好ましくは前記(i)が0.01〜2モル%、(ii)が0〜1.99モル%、特に好ましくは前記(i)が0.2〜2モル%、(ii)が0〜1.8モル%である。
重合に際しては、澱粉ないしセルロ−ス、澱粉ないしセルロ−スの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子を全単量体(内部架橋剤以外の水溶性モノマー)に対して0〜30重量%添加してもよいし、次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤を全単量体(内部架橋剤以外の水溶性モノマー)に対して0〜1重量%添加してもよい。
上記不飽和モノマー、内部架橋剤、後述する重合開始剤に加えて水溶性連鎖移動剤を存在させて重合することで得られる吸水性樹脂を本発明の吸水剤に用いた場合、吸収能が高く、尿に対する安定性に優れる吸収体を得ることが可能になる。
上記水溶性連鎖移動剤としては、水又は水溶性エチレン性不飽和モノマーに溶解するものであれば特に限定されず、チオール類、チオール酸類、2級アルコール類、アミン類、次亜燐酸塩類等を挙げることが出来る。具体的には、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、ドデシルメルカプタン、チオグリコール類、チオリンゴ酸、3−メルカプトプロピオン酸、イソプロパノール、次亜燐酸ナトリウム、蟻酸、及びそれらの塩類が挙げられ、これらの群から選ばれる1種又は2種以上が用いられ得るが、その効果から次亜燐酸ナトリウム等の次亜燐酸塩を用いることが好ましい。水溶性連鎖移動剤の使用量は、水溶性連鎖移動剤の種類や使用量、モノマー水溶液の濃度にもよるが、全モノマーに対して0.001〜1モル%であり、好ましくは0.005〜0.3モル%である。
(重合方法)
本発明に用いることができる吸水性樹脂粒子を得るために、上記した水溶性エチレン性不飽和モノマー、好ましくは、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合するに際しては、バルク重合、逆相懸濁重合、沈澱重合を行うことも可能であるが、性能面や重合の制御の容易さから、単量体を水溶液として、水溶液重合や逆相懸濁重合を行うことが好ましい。本願の製法1では水溶液重合、製法2では逆相懸濁重合が用いられる。
かかる重合方法は、例えば、米国特許第4625001号明細書、米国特許第4769427号明細書、米国特許第4873299号明細書、米国特許第4093776号明細書、米国特許第4367323号明細書、米国特許第4446261号明細書、米国特許第4683274号明細書、米国特許第4690996号明細書、米国特許第4721647号明細書、米国特許第4738867号明細書、米国特許第4748076号明細書、欧州特許第1178059号明細書などに記載されている。
(重合開始剤)
重合を行うにあたり、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤、紫外線や電子線などの活性エネルギー線等を用いることができる。また、ラジカル重合開始剤を用いる場合、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用してレドックス重合としてもよい。これらの重合開始剤の使用量は、全単量体に対して、0.001〜2モル%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5モル%である。
重合を行うにあたり、飽和濃度を超えるスラリー状態でもよいが、使用するモノマー水溶液中のモノマー濃度が35重量%以上で飽和濃度以下であることが好ましく、37重量%以上で飽和濃度以下であることがより好ましい。モノマー水溶液の温度は、0〜100℃が好ましく、10〜95℃がより好ましい。なお、飽和濃度とは、モノマー水溶液の温度で規定される。
また、本発明で用いることができる吸水性樹脂粒子は、その少なくとも一部の粒子が発泡粒子であってもよい。発泡粒子は、アゾ系開始剤や、炭酸塩などの発泡剤を含んで重合すること、あるいは、O/W/O(オイル/水/オイル)での逆相懸濁重合、または、不活性ガスをバブリングしながら気泡を含んで重合することを特徴として得られる発泡粒子である。
重合により得られた架橋重合体は含水ゲルであり、その形状は、一般には、不定形破砕状、球状、繊維状、棒状、略球状、偏平状等である。
以下、製法2での逆相懸濁重合、製法1でのゲル粉砕について述べる。
(製法2での逆相懸濁重合)
製法2(逆相懸濁重合)では、発明の吸水剤を得るために上述の単量体を重合するに際しては、該単量体水溶液を分散剤の存在下、重合不活性な疎水性有機溶剤中に分散して重合を行う逆相懸濁重合が用いられる。重合方法は、例えば、米国特許4093776号、同4340706号、同4367323号、同4446261号、同4683274号、同4880888号、同5180798号、同5244735号,同6573330号、米国特許出願第2007−015887号明細書、米国特許出願第2006−194055号明細書などの米国特許に記載されている。これら重合法に例示の単量体や開始剤なども本発明に使用できる。
逆相懸濁重合は重合性単量体の水溶液を疎水性有機溶媒に懸濁あるいは乳化させる、モノマーを分散させる重合方法である。モノマーを分散させる界面活性剤(米国特許6458896号、米国特許6107358号)ないし分散剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を例示できる。
具体的に、用いられるアニオン性界面活性剤としては、混合脂肪酸ナトリウム石鹸、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルメチルタウリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルアルコールのスルホコハク酸ハーフエステル塩等がある。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステルヘキサグリセリルモノベヘレート、ポリアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸エステル、等がある。カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤としてはアルキルアミン類やアルキルベタイン等がある。また、その他分散剤としてエチルセルロースやエチルヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレン−ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン化ポリエチレン、無水マレイン化ポリブタジエン、無水マレイン化EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン−メチレン共重合体)、無水マレイン化ポリプロピレン等がある。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの界面活性剤のうち、好ましくは、HLB(Hydrophile-Lipophile balance)が2以上、より好ましくはHLBが3以上の非イオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、エーテル型非イオン界面活性剤のリン酸エステル化界面活性剤が用いられる。なお、HLBの上限は16程度で充分である。
これら界面活性剤や分散剤使用量は重合の種類によって適宜選択することができる。一般には重合性単量体と架橋性単量体からなる単量体成分全体の質量100質量部に対し、0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜5質量部である。また、これらの分散剤ないし界面活性剤の使用量について後述する有機溶媒に対して0.001〜10質量%、好ましくは0.001〜1質量%である。
逆相懸濁重合に使用する有機溶媒としては、基本的に水に溶け難く重合に不活性であればいかなるものも使用できる。その一例を挙げれば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環状炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。この内、工業的入手の安定性、品質等から見てn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンが好ましい溶媒として挙げることができる。これら疎水性溶媒の使用量は重合性単量体含有水溶液1質量部に対して0.5〜10質量部、好ましくは0.6〜5質量部である。
逆相懸濁重合により吸水性樹脂を製造する場合、前述したように、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の有機溶媒を用いて重合し、その後、表面架橋、乾燥・造粒を行っていたため、従来の製造方法や市販の製品等においては、微量の有機溶媒が存在するという問題がある。本発明の吸水剤は、この洗浄工程を含む、本実施の形態に係る製造方法によっても得られる。
残存する有機溶媒量を減らすために、上記のようにして得られた含水ゲル状物を、より低沸点の有機溶媒又は無機溶媒で洗浄する方法が用いられ得る。この低沸点の有機溶媒としては、例えば沸点が0℃以上70℃未満、さらには30℃以上50℃未満であるものが好ましく、それらの中でも、アセトン、ジメチルエーテル、塩化メチレン等が好ましい。具体的には、含水ゲル状物をろ過した後、上記低沸点有機溶媒で洗浄し、上記した、熱風乾燥等の乾燥を行うことが挙げられる。この洗浄は、上記乾燥処理の後に行うことにしてもよい。この洗浄を行わずに、又はこの洗浄と併用して、後述する高温加熱による表面架橋処理時に、有機溶媒を除去することにしてもよい。洗浄に使用する溶媒量は、吸水性樹脂1質量部に対して通常0.5〜100質量部、好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは2質量部〜5質量部の量であり、温度は室温〜沸点でよい。
(製法1でのゲル粉砕)
製法1(水溶液重合)では得られた含水ゲルは、そのまま乾燥を行ってもよいが、好ましくは、孔径0.3〜6.4mmの多孔構造から押し出して粉砕することが可能である。孔の形状としては、円形、正方形、長方形、などの四方形、三角形、六角形など、特に限定されないが、好ましくは、円形の孔から押し出される。なお、前記の孔径とは、目開き部の外周を円の外周に換算した場合の直径で規定できる。
粉砕ゲル粒子を得るための押し出し粉砕を行うための多孔構造の孔径は、より好ましくは0.5〜4.0mm、さらに好ましくは0.5〜3.0mmである。
多孔構造の孔径が0.3mmよりも小さいと、ゲルが紐状になったり、あるいはゲルを押出すことができなくなったりするおそれがある。多孔構造の孔径が6.4mmよりも大きいと、本発明の効果を発揮することができないおそれがある。
粉砕ゲル粒子を得るための押し出し粉砕を行うための装置としては、例えば、含水ゲル状重合体を多孔板より押し出すことで破砕するもので、押し出す機構としては、スクリュー型、回転ロール型によるもの等、含水ゲル状重合体をその供給口から多孔板に圧送できる形式のものが用いられる。スクリュー型押し出し機は、一軸あるいは多軸でもよく、通常、食肉、ゴム、プラスチックの押し出し成型に使用されるもの、あるいは、粉砕機として使用されるものでもよい。例えば、ミートチョッパーやドームグランが挙げられる。
前述のように、特定の内部架橋剤量を含む特定濃度のモノマー水溶液を重合して、得られた含水ゲルを特定の条件、すなわち、孔径0.3〜6.4mmの多孔構造から押し出して粉砕する。この場合、水や内部架橋剤の例示に記載の多価アルコール、水と多価アルコールの混合液、水に内部架橋剤の例示に記載の多価金属を溶解した溶液あるいはこれらの蒸気等を添加してもよい。
製法1で重合によって得られた含水ゲルは、好ましくは上述のように孔径0.3〜6.4mmの多孔構造から押し出して粉砕することによって粉砕ゲル粒子を得る工程を経た後、乾燥を行うことが好ましく、乾燥の後にさらに粉砕を行うことが好ましい。
以下、製法1,2に共通の工程について、再度説明する。
(乾燥および粉砕)
含水ゲルまたは粉砕ゲル粒子を乾燥する条件は、特に限定されないが、好ましくは、温度が80〜250℃、時間が10〜180分間、より好ましくは、温度が150〜200℃、時間が30〜120分間である。用いられる乾燥方法としては、例えば、重合に用いた疎水性有機溶剤中での共沸脱水による方法や、含水ゲル状物をろ過後、通常の強制通風炉、減圧乾燥機、マイクロ波乾燥機、及び高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等、目的の含水率となるように種々の方法を採用することができる。製法2では、好ましくは共沸脱水を用いることができる。更に、製法2では、共沸脱水後、更に、100℃以上の温度で加熱することで目的の含水率となるように調整することができる。
本発明に用いられる吸水性樹脂粒子ないしは吸水剤の含水率(吸水性樹脂中に含まれる水分量で規定/180℃で3時間の乾燥減量で測定)は特に限定されるものではないが、得られる吸水剤の物性面から、吸水性樹脂粒子は、室温でも流動性を示すことが好ましく、吸水性樹脂粒子の含水率が、0.1〜30質量%、0.2〜30質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜15質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%である。
乾燥することにより、含水ゲルまたは粉砕ゲル粒子は、固形分(実施例で規定)が好ましくは70〜99.8重量%、より好ましくは80〜99.7重量%、さらに好ましくは90〜99.5重量%である。この範囲を外れると、本発明の吸水剤が得られにくい。
含水ゲルまたは粉砕ゲル粒子を、好ましくは乾燥した後に、粉砕する条件は、特に限定されないが、例えば、ロールミル、ハンマーミル等、従来から知られている粉砕機を使用することができる。
製法1で粉砕によって得られる形状は、不定形破砕状である。好ましくは、球形に近い形状まで粉砕すること好ましい。また、粉砕することなく製法2で逆相懸濁重合により得られる球状、略球状のものも好ましい形態のひとつである。
なお、特開2001−11106号公報に記載されているように、逆相懸濁重合を2段階で行うことで、粒子径を大きく制御することができる。また、国際公開第2004/083284号パンフレットに記載されているように後架橋剤による吸水性樹脂の後架橋を、最終段の逆相懸濁重合の終了後に行ってもよく、得られる最終物は、凝集物でも粒子同士の凝集が無くてもよいが、凝集していて、粒子径が大きいほど、また内部架橋剤量が多いほど好ましい。
(造粒)
本発明で用いることができる吸水性樹脂粒子は、その少なくとも一部の粒子が造粒粒子であってもよい。この造粒粒子は、粒子径が150μm未満の粒子を造粒して得られる造粒粒子である。このように吸水性樹脂粒子の少なくとも一部の粒子を造粒粒子とするための方法は特に限定されず、従来公知の造粒方法を適用すればよい。
造粒方法として例えば、温水と吸水性樹脂粒子の微粉を混合し乾燥する方法(米国特許第6228930号)や、吸水性樹脂粒子の微粉を単量体水溶液と混合し重合する方法(米国特許第5264495号)、吸水性樹脂粒子の微粉に水を加え特定の面圧以上で造粒する方法(欧州特許第844270号)、吸水性樹脂粒子の微粉を十分に湿潤させ非晶質のゲルを形成し乾燥・粉砕する方法(米国特許第4950692号)、吸水性樹脂粒子の微粉と重合ゲルを混合する方法(米国特許第5478879号)、逆相懸濁重合で凝集される方法(米国特許第4732968号)、などを適用することが可能である。
(粒径)
本発明において用いることができる吸水性樹脂粒子は、例えば、さらに分級ないし造粒することなどによって、質量平均粒子径を好ましくは150〜500μm、より好ましくは200〜450μm、さらに好ましくは250〜400μmに調整する。また、対数標準偏差(σζ)を好ましくは0.25〜0.45、より好ましくは0.25〜0.40、さらに好ましくは0.25〜0.35に調整する。本発明において用いることができる吸水性樹脂粒子について、質量平均粒子径と対数標準偏差(σζ)をこのように調整することによって、本発明の効果をより一層発揮することができる。
本発明において、必要に応じて分級する場合、分級する際に用いる篩は、分級効率を考慮して選択する必要がある。例えば、目開き150μmの篩を通過した吸水性樹脂粒子、吸水性樹脂粒子ないし吸水剤を分級操作によって除いた場合において、粒子径が150μm以下の粒子を完全に除去することは困難であり、目的の粒子径を有する吸水性樹脂粒子、吸水性樹脂粒子ないし吸水剤を得るために、適宜、使用する篩の種類を選択することが好ましい。
本発明で用いることができる吸水性樹脂粒子は、本発明の効果をより一層発揮するため、粒子径が150〜850μmの粒子を90〜100重量%含むことが好ましく、95〜100重量%含むことがより好ましく、98〜100重量%含むことがさらに好ましく、99〜100重量%含むことが特に好ましい。また、粒子径が150〜600μmの粒子を90〜100重量%含むことがさらに好ましく、95〜100重量%含むことが特に好ましい。粒子径が150μm未満の粒子が多いと、本発明の効果が十分に発揮できないおそれがある。
さらに、本発明の効果をより一層発揮するためには、吸水性樹脂粒子の全体量に対し、粒子径が300μm以上、600μm以下の範囲の吸水性樹脂粒子の含有量(篩分級で規定)が、20〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがさらに好ましい。
さらに本発明の吸水剤を得るためには、本発明における吸水性樹脂粒子はその嵩比重(米国特許6562879号で規定)が、0.72〜1.00g/mlの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.74〜0.88g/mlの範囲、さらに好ましくは0.76〜0.86g/mlの範囲であり、嵩比重の範囲が外れた場合、本発明の効果を発揮することが困難になる場合がある。
かかる粒子径やかさ比重は、例えば、特定界面活性剤での逆相懸濁重合や、水溶液重合後に乾燥・粉砕し、さらに得られる粒子の表面を研磨することで得られる。なお、米国特許第5998553号、米国特許第6562879号、米国特許第6576713号には、かさ比重が0.72以上の表面架橋された吸水性樹脂が開示されているが、加圧下平均隙間半径指数向上剤を添加しないため、または、加圧下吸水倍率が低いため、本願加圧下平均隙間半径を満たさない。
また、逆相懸濁重合したのちに表面架橋する吸水剤(米国特許第4507438号,米国特許第4541871号を参照)も知られているが、本願加圧下平均隙間半径指数向上剤を添加しないため、または、加圧下吸水倍率が低いため、本願加圧下平均隙間半径を満たさない。
また、該特許文献4,5には粒子間平均隙間半径を制御した吸水性樹脂が開示されているが、これらの特許文献に開示の手法(平均粒子径の制御、カチオンポリマーや無機微粒子の添加など、および、参考例1〜6)では、本発明に係る加圧下平均隙間半径指数の向上が非常に困難ないし不可能である。本発明者らは、該特許文献4,5に開示のない手法で、該特許文献に開示された物性値を超える値を達成し、かつ、かかる新規な吸水剤が高濃度おむつに有効であることを見出した。
以下、加圧下平均隙間半径指数向上剤について、説明する。
(加圧下平均隙間半径指数の向上処理)
本発明の吸水剤を得るために、吸水性樹脂粒子に対して、加圧下平均隙間半径指数向上のための処理を施す必要がある。
加圧下平均隙間半径指数向上のための処理としては、特に限定されないが、加圧下平均隙間半径指数向上剤を添加することで行うことが好ましい。すなわち、本発明の吸水剤は加圧下平均隙間半径指数向上剤を含むことが好ましい。
本発明において、加圧下平均隙間半径指数向上のための処理(工程)は、後述の吸水性樹脂粒子の表面処理(架橋)を行う場合には、その前、同時、後のいずれに行ってもよいが、本発明の効果をより発揮するために、好ましくは、表面処理(架橋)の後であり、表面処理(架橋)とは別に行うことが好ましい。
加圧下平均隙間半径指数向上剤としては、多価金属化合物、無機微粒子、ポリカチオン高分子化合物から選ばれる化合物、さらには、水溶性多価金属塩、水不溶性無機微粒子、ポリアミン高分子化合物(重量平均分子量1000以上、さらには1万〜100万)から選ばれる化合物が使用でき、無機加圧下平均隙間半径指数向上剤、中でも水溶性多価金属塩が特に好ましい。
例えば、アンモニウムジルコニウムカーボネート、硫酸アルミニウム、カリウム明礬、アンモニウム明礬、ナトリウム明礬、(ポリ)塩化アルミニウム、これらの水和物などの多価金属化合物;ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミンなどのポリカチオン高分子化合物;シリカ、アルミナ、ベントナイトなどの水不溶性無機微粒子;などが挙げられ、これらの1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硫酸アルミニウム、カリウム明礬などの水溶性多価金属塩(特にアルミニウム塩)が、加圧下平均隙間半径指数の向上の点で好ましい。上記多価金属塩の価数は、2価から4価までの何れかであることが好ましい。
加圧下平均隙間半径指数向上剤は、吸水性樹脂粒子に対して、0.001〜10重量%の割合で用いることが好ましく、0.01〜5重量%、さらには0.05〜3重量%、特に0.08〜2重量%の割合で用いることがより好ましい。なお、多価金属塩が水和物の場合(例、硫酸アルミニウム16水和物)、水分子を含めての重量である。また、また、その添加量は、吸水性樹脂粒子の粒子径(表面積)に依存し、吸水性樹脂の体積に対する表面積が広い場合(吸水性樹脂の粒子径が小さい場合)は、加圧下平均隙間半径指数向上剤の添加量も多く必要となり、逆に、吸水性樹脂の体積に対する表面積が狭い場合(吸水性樹脂の粒子径が大きい場合)は、添加量が少なくてすむ。さらに、加圧下平均隙間半径指数向上剤の添加量に関しては、吸水性樹脂粒子の液吸収後のゲル強度にも依存し、ゲル強度が高い場合は、加圧下平均隙間半径指数向上剤の量は少なくてすみ、また、逆に、ゲル強度が低い場合は、加圧下平均隙間半径指数向上剤の量は多く必要となる。
加圧下平均隙間半径指数向上剤の添加方法は、特に限定されず、ドライブレンドでもよいし、水溶液として添加してもよいし、熱融着による方法でもよい。
より詳細には、ドライブレンドとは、固体で粉体状である多価金属化合物あるいは無機微粒子等の上記加圧下平均隙間半径指数向上剤を、乾燥粉砕後の吸水性樹脂粒子に均一に混合する方法であり、必要に応じて、混合後、水や多価アルコールの水溶液をさらに添加混合してもよいし、さらに加熱してもよい。水溶液添加とは、多価金属化合物やポリカチオン化合物等の水溶液を吸水性樹脂粒子に添加混合する方法であり、多価金属化合物やポリカチオン化合物の濃度が高いほうが好ましい。また、混合後、必要により加熱してもよい。熱融着とは、硫酸アルミニウム、カリウム明礬、アンモニウム明礬、ナトリウム明礬等の多価金属水和物と吸水性樹脂粒子を混合と同時あるいは混合した後、加熱するまたはあらかじめ加熱した吸水性樹脂粒子に多価金属化合物を混合することで、多価金属水和物を溶融させ、吸水性樹脂粒子に接着させる方法であり、必要により加熱前に水を添加してもよい。
(表面架橋)
本発明において用いることができる吸水性樹脂粒子は、本発明の効果をより発揮するためには、その表面が架橋されたものが好ましい。
吸水性樹脂粒子の表面を架橋し吸水性樹脂粒子を得る工程は、前述の加圧下平均隙間半径向上のための処理を施す工程の前、同時、および後から選ばれる少なくとも1つにおいて行うことが好ましい。
表面架橋処理に用いることの出来る表面架橋剤としては、吸水性樹脂粒子の有する官能基、特に、カルボキシル基と反応し得る官能基を2個以上有する有機表面架橋剤や多価金属化合物、ポリカチオンなどが挙げられ、好ましくは、これらが併用される。本願吸水剤を得るうえで、これら表面架橋剤の中では、有機表面架橋剤が使用され、その際、上記の加圧下平均隙間半径指数向上剤(特に無機加圧下平均隙間半径指数向上剤、さらに多価金属塩)が使用ないし併用される。
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物や、それらの無機塩ないし有機塩(例えば、アゼチジニウム塩等);2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;尿素、チオ尿素、グアニジン、ジシアンジアミド、2−オキサゾリジノン等の炭酸誘導体;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物、および、その多価アミン付加物(例えばハーキュレス製カイメン:登録商標);γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノール、3−クロロメチル−3−メチルオキセタン、3−クロロメチル−3−エチルオキセタン、多価オキセタン化合物などのオキセタン化合物;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物又は塩化物等の多価金属化合物等が挙げられる。
これら表面架橋剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも多価アルコールは、安全性が高く、吸水性樹脂粒子表面の親水性を向上させることができる点で好ましい。また、多価アルコールを使用することで、吸水性樹脂粒子表面の多価金属粒子との馴染みが良くなり、多価アルコール残基と多価金属表面との相互作用により吸水性樹脂粒子表面に多価金属粒子をより均一に存在させることが可能となる。
表面架橋剤の使用量は、吸水性樹脂粒子の固形分100重量部(質量部)に対して0.001〜5重量部が好ましい。
表面架橋剤と吸水性樹脂粒子との混合の際には水を用いてもよい。水の使用量は、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0.5を越え、10重量部以下が好ましく、1〜5重量部の範囲内がより好ましい。
表面架橋剤やその水溶液を混合する際には、米国特許5610208号などに例示の親水性有機溶媒や、第三物質を混合助剤として用いてもよい。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂粒子の種類や粒径、含水率等にもよるが、吸水性樹脂粒子の固形分100重量部に対し、10重量部以下が好ましく、0.1〜5重量部の範囲内がより好ましい。また、第三物質として米国特許5610208号に示された無機酸、有機酸、ポリアミノ酸等を存在させてもよい。これらの混合助剤は表面架橋剤として作用してもよいが、表面架橋後に吸水性樹脂粒子の吸水性能を低下させないものが好ましい。特に沸点が150℃未満の揮発性アルコール類は表面架橋処理時に揮発してしまうので、残存物が残らず望ましい。
吸水性樹脂粒子と表面架橋剤とを混合する混合方法は特に限定されないが、たとえば吸水性樹脂粒子を親水性有機溶剤に浸漬し、必要に応じて水および/または親水性有機溶媒に溶解させた表面架橋剤を混合する方法、吸水性樹脂粒子に直接、水および/または親水性有機溶媒に溶解させた表面架橋剤を噴霧若しくは滴下して混合する方法等が例示できる。また、表面架橋剤溶液を噴霧する場合、噴霧される液滴の大きさは、1〜300μmであることが好ましく、2〜200μmであることがより好ましい。
吸水性樹脂粒子と表面架橋剤とを混合した後、通常好ましくは加熱処理を行い、架橋反応を遂行させる。上記加熱処理温度は、用いる表面架橋剤にもよるが、40℃以上250℃以下が好ましく、150℃以上250℃以下がより好ましい。処理温度が40℃未満の場合には、加圧下の吸収倍率等の吸収特性が十分に改善されない場合がある。処理温度が250℃を越える場合には、吸水性樹脂粒子の劣化を引き起こし、性能が低下する場合があり注意を要する。加熱処理時間は、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは5分〜1時間である。特定粒度のかかる表面架橋によって、加圧下吸水倍率を所定の範囲に高めることで、加圧下平均隙間半径指数を向上させることができる。
(吸水剤の物性)
上記製造方法を一例とする本発明の吸水剤は、新規な吸水剤を提供する。
すなわち、本発明の第1の吸水剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤であって、加圧下平均隙間半径指数が140以上である新規な吸水剤である。
また、本発明の第2の吸水剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤であって、吸水剤の90重量%以上が粒子径150〜850μmの範囲であり、且つ加圧下平均隙間半径指数が100以上である吸水剤である。
また、本発明の第3の吸水剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤であって、逆相懸濁重合で得られた吸水剤の90重量%以上が粒子径150〜850μmの範囲であり、且つ加圧下平均隙間半径指数向上剤を含む吸水剤である。好ましくは表面架橋され、上述の加圧下平均隙間半径指数向上剤やその他の物性を示し、形状は球状である。また、上記吸水剤は好ましくは、造粒物である。かかる第3の吸水剤は、CRCやAAPなど他の物性を高く維持したままま、好適に加圧下平均隙間半径指数を向上させることができる。
以下、本発明の吸水剤の物性について説明する。
(a)加圧下平均隙間半径指数
本発明の吸水剤は加圧下平均隙間半径指数が高いことに特徴があり、加圧下平均隙間半径指数が必須に100以上、好ましくは120以上、より好ましくは140以上、さらに好ましくは150以上、さらにより好ましくは160以上、さらに好ましくは170以上、特に好ましくは200以上、最も好ましくは300以上である。上限値は特に限定されないが、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下である。140よりも小さいと、例えば、尿が吸収体内で拡散されにくくなり漏れを起こすおそれがある。また、1000を超えると、逆に液の拡散が良すぎて漏れを生じる恐れがある。
また、上記理由により本発明にかかる吸水剤は加圧下隙間分布指数(対数平均標準偏差(σζ))が0.2〜1.5、好ましくは0.4〜1.4である。
(b)形状
本発明にかかる吸水剤の形状は、前記物性を満たすものであれば特に問わないが、例えば、シート状、繊維状などが挙げられ、特に好ましくは粒子状または球状である。また、物性のバランスから、上記吸水剤は造粒物(例えば、球状粒子の造粒物)であることが好ましい。
本発明で用いる吸水剤が粒子状である場合、吸水剤の粒径や粒径分布に特に制限は無いが、本発明の効果をより一層発揮するため、質量平均粒子径が、好ましくは150〜850μm、より好ましくは200〜600μm、さらに好ましくは250〜500μmである。また、対数標準偏差(σζ)が、好ましくは0.45〜0.20、より好ましくは0.35〜0.22、さらに好ましくは0.30〜0.25である。また、質量平均粒子径が300〜600μmの粒子を含むことが好ましく、その割合(篩分級で規定)は好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは50〜80重量%である。また、かさ比重は0.72〜1.00g/ml、より好ましくは0.74〜0.88g/ml、さらに好ましくは0.76〜0.86g/mlの範囲であり、嵩比重の範囲が外れた場合、本発明の効果を発揮することが困難になる場合がある。
本発明にかかる吸水剤は、粒子状の吸水剤の場合、本発明の効果をより一層発揮するため、標準篩での粒子径が150〜850μmの粒子を90〜100重量%含むことが好ましく、95〜100重量%、98〜100重量%、99〜100重量%含むことがより好ましい。粒子径が150μm未満の粒子が多いと、通液性が悪くなって本発明の効果が十分に発揮できないおそれがある。粒子径が850μmより大きい粒子が多いと、実使用の場面において例えば吸液後ゲル粒子の移動が激しく、吸収体の形状が崩れ、オムツからの尿の漏れや、人体に不快感を与えるおそれがある。
(b)無荷重下吸水倍率(CRC)
本発明の吸水剤は、無荷重下吸水倍率(CRC)が10g/g以上、より好ましくは15〜60g/g、さらに好ましくは20〜40g/g、特に好ましくは25〜35g/gである。吸水倍率(CRC)が10g/gよりも小さいと、吸水剤の使用量が多くなり、例えば、おむつが厚くなってしまう。吸水倍率(CRC)が60g/gよりも大きいと、吸収後の液の拡散性に劣るおそれがある。
(c)加圧下吸収倍率(AAP)
本発明の吸水剤は4.83kPaにおける加圧下吸収倍率(AAP)が好ましくは10〜30g/g、より好ましくは15〜30g/g、20g/g〜29g/g、22〜28g/gである。加圧下吸収倍率(AAP)が10g/gよりも小さいと、吸水剤の使用量が多くなり、例えば、おむつが厚くなってしまう。
(d)4.83kPaにおける加圧下吸収倍率(AAP)と無荷重下吸水倍率(CRC)の差
本発明の吸水剤は4.83kPaにおける加圧下吸収倍率(AAP)と無荷重下吸水倍率(CRC)の差が7g/g以下、好ましくは6g/g以下、より好ましくは5g/g以下である。4.83kPaにおける加圧下吸収倍率(AAP)と無荷重下吸水倍率(CRC)の差が7g/gを超える場合、加圧下における液拡散性に劣るおそれがある。下限はマイナス(例えば、−3、さらには、−1程度)でもよいが、通常ゼロである。(a)〜(d)は適宜、内部架橋および表面架橋を前記手法で調整することで得られる)。
(e)吸収速度(FSR)
本発明の吸水剤は、20倍の生理食塩水に対する吸収速度(FSR)が0.05g/g/s以上、好ましくは0.1g/g/s以上、より好ましくは0.2g/g/s以上、さらに好ましくは0.3g/g/s以上、さらにより好ましくは0.5g/g/s以上、特に好ましくは0.7g/g/s以上である。上限値は特に限定されないが、好ましくは10g/g/s以下、より好ましくは5g/g/s以下である。吸収速度(FSR)が0.2g/g/sよりも小さいと、例えば、おむつに用いた場合に、尿が十分に吸収されずに漏れてしまうおそれがある。かかるFSRは、発泡や造粒などで向上できる。
(f)可溶分量
本発明の吸水剤は可溶分量が好ましくは0〜15重量%、より好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜8重量%である。可溶分量が15重量%よりも多いと、例えば、おむつなどの使用において、ぬめりの原因になるおそれがある。かかる可溶分量は、重合温度、濃度、架橋剤量などで制御できる。
(g)吸水性樹脂以外の成分
本発明にかかる吸水剤は以上に説明した吸水性樹脂粒子を含む。本発明にかかる吸水剤は、加圧下平均隙間半径指数向上のための処理を施されていない吸水性樹脂粒子を含む場合には、上記の含有割合でさらに加圧下平均隙間半径指数向上剤を含むことが好ましい。本発明にかかる吸水剤は加圧下平均隙間半径指数向上のための処理を施された吸水性樹脂粒子を含む場合には、その吸水性樹脂粒子のみをもって本発明にかかる吸水剤としてもよい。
また、本発明にかかる吸水剤は、消臭剤(例えば、米国特許6469080号に例示)、抗菌剤、還元剤(例えば、米国特許4959060号に例示)、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、キレート剤(例えば、米国特許6599989号)などを、吸水性樹脂粒子に対して好ましくは0〜10重量%、さらには0.001〜5重量%、0.05〜3重量%の範囲で含んでいてもよい。界面活性剤が吸水剤に対して上記量で含有されることで、輸送ないし貯蔵時の物性低下を抑えることができ好適である。また、本発明に係る吸水剤は吸水速度や耐衝撃性の面から所定量の水、好ましくは0.1〜15重量%、さらには0.5〜10重量%、特に0.8〜9重量%含むことが好ましい。キレート剤や還元剤は耐尿性や着色防止に好適である。
(用途)
本発明にかかる吸水剤は、おむつなどの衛生材料、簡易トイレ用の吸水剤、廃液の固化剤、農業用保水剤などの用途に好適に用いられ、特におむつなどの衛生材料に好適である。
本発明の吸収性物品は尿、好ましくは、糞または血液の吸収用であって、粒子状吸水剤、必要に応じ親水性繊維をシート状に成形して得られる吸収体、液透過性を有する表面シート、及び液不透過性を有する背面シートを備える吸収性物品である。上記親水性繊維を使用しない場合の吸収体は、紙及び/又は不織布に粒子状吸水剤を固定させることにより構成される。また、繊維材料(パルプ)を使用する場合はサンドイッチないしブレンドされて成形され、用いられ得る繊維基材としては、粉砕された木材パルプ、コットンリンター及び架橋セルロース繊維、レーヨン、綿、羊毛、アセテート、ビニロン等の親水性繊維等が挙げられ、好ましくは、これらがエアレイドされたものがよい。
この吸収性物品中の吸収体における粒子状吸水剤の含有量(コア濃度)は、30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは60〜100質量%、特に好ましくは70〜100質量%、最も好ましくは75〜95質量%で本発明の効果が発揮される。例えば、本発明の粒子状吸水剤を前記濃度で、特に吸収体上層部に使用した場合、高通液性(加圧下通液性)のため、尿等の吸収液の拡散性に優れるために、紙おむつ等の吸収物品が効率的な液分配による吸収物品全体の吸収量の向上に加え、吸収体が衛生感のある白色状態を保つ吸収物品が提供できる。
また、上記吸収体は、密度が0.06g/cc以上0.50g/cc以下、坪量が0.01g/cm以上0.20g/cm以下に圧縮成形されているのが好ましい。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
吸水剤(又は吸水性樹脂粒子)の諸性能は以下の方法で測定した。
測定で使用される電気機器はすべて200Vまたは100V、60Hzの条件で使用し、25℃±2℃、相対湿度50%RHの条件下で測定した。また、生理食塩水として0.90質量%塩化ナトリウム水溶液を用いた。下記測定法や実施例に例示の試薬や器具は適宜相当品で代替してもよい。
<(a)加圧下平均隙間半径指数>
図2に示す測定装置を用いて、以下のステップで吸水剤粒子ないし吸水剤粒子の飽和膨潤時の無加圧下ゲル間隙間指数を測定した。
≪ステップ(1)≫
フィルターロート201(グラスフィルター粒子番号#3;厚み5mm、平均孔径20〜30μm程度で60cmの高さの差を付けた状態で空気の導入がないものを有する)の液吸収面を有する直径60mmのグラスフィルター202の下部に導管203をつなぎ、この導管203を直径10cmの液タンク204の下部に備え付けられている口に接続する。この際、グラスフィルター202に空気の残留がないよう十分に調整されなければならない。フィルターロート201はクランプ205でグラスフィルター202が水平になるよう固定されている。フィルターロート201およびその下部や導管203は生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)206で満たされている。液タンク204は天秤207上に載せられ、天秤207はコンピュータ210に接続されており、液タンク204中の液質量変化をコンピュータに記録できる。
クランプ205で固定されたフィルターロート201は、自動昇降機208により、予め設定したプログラムに従って、グラスフィルターを各高さへ自動的昇降することができる。なお、この際に昇降速度は1.0cm/secである。導管中、およびフィルターロートのグラスフィルターの下部に空気がないことを確認してから液タンク204中の生理食塩水206上部の液面レベルとグラスフィルター202の厚みの中間位置レベルを一致させる(高さ0cm)。
次にフィルターロートを上昇させ、グラスフィルター202の厚みの中間位置レベルと、生理食塩水206上部の液面レベルとの差を60cmとし、天秤の値を0にする。なお、フィルターロート201の高さは、始めに液タンク204中の生理食塩水206上部の液面レベルとグラスフィルター202の厚みの中間位置レベルを一致させた位置(高さ0cm)を基準として、この高さ0cmから、グラスフィルター202の厚みの中間位置レベル高さの差とする。
≪ステップ(2)≫
コンピュータ210により液質量の記録を開始した後、グラスフィルター202上に測定試料209(吸水剤ないし吸水性樹脂粒子)を以下の条件で載置し、測定試料209の上にアクリル樹脂製ピストン211を設置し、さらにその上に中心に直径15mmの上下に貫通する穴を有した重り212を設置する。ピストン211と重り212とを合計した圧力は、2.07kPaに調整されている。なお、ピストン211は外径が60mmよりわずかに小さく、フィルターロート201の内壁面との間に隙間がほとんど無く、かつ上下の動きが妨げられないようになっている。さらに、ピストン211は、高さが3cmで図3に示すように、上下貫通する穴がもうけてあり、底面にステンレス製400メッシュの金網が融着されている。
(測定試料209が粒子の場合)
吸水剤粒子0.900g、ないし、600〜300μmに篩分けした吸水剤粒子0.900g(W)をグラスフィルター202上に均一にすばやく散布する。
(測定試料209が粒子形状でない場合)
直径57mmの円形に打ち抜いて作成したサンプルを、乾燥状態での重量(W)を測定したのちグラスフィルター202上に載置する。
なお、グラスフィルター202上に測定試料209が無い状態、すなわち、ブランクも後述と同様に測定する。
≪ステップ(3)≫
グラスフィルター202の厚みの中間位置レベル高さとの差を−3cmにして(グラスフィルター202の方が低い位置)液質量変化が0.005g/min未満となるまで(例えば、30分間)試料を膨潤させる。この時、試料が生理食塩水で完全に浸り、空気の泡が無い状態にする。
≪ステップ(4)≫
グラスフィルター202の厚みの中間位置レベル高さとの差を0cmにして液質量変化が0.005g/min未満となるまで(例えば、60分間)グラスフィルター202の高さを保持し、液質量変化が0.005g/min未満となった時点での天秤の値(g)をA0とする。
≪ステップ(5)≫
同様にグラスフィルター202の厚みの中間位置レベル高さとの差(cm)を0、1、2、5、8、10、15、20、25、30、40、50、60cmと上昇させていきそれぞれ液質量変化が0.005g/min未満となった時点での天秤の値(g)をA0、A1、A2、A5、A8、A10、A15、A20、A25、A30、A40、A50、A60とする。
≪ステップ(6)≫
グラスフィルター上に試料のない状態(ブランク)については、ピストン、重りの無い状態で、グラスフィルター202の厚みの中間位置レベル高さとの差(cm)を0、1、2、5、8、10、12、20、25、30、40、60cmと上昇させ、それぞれ液質量変化が0.005g/min未満となった時点での天秤の値(g)をB0、B1、B2、B5、B8、B10、B12、B20、B25、B30、B40、B50、B60とする。
≪ステップ(7)≫
本発明では、(A60−B60)の値基準として、各高さでの液質量(例えば、A30−B30)から(A60−B60)を引いた値(実際の天秤の値はマイナスとなるため、絶対値cmとする)を0cm、1cm、2cm、5cm、8cm、10cm、15cm、20cm、25cm、30cm、40cm、50cm、60cmの高さでの隙間水量とする。
≪ステップ(8)≫
次に、各高さでの隙間水量より、累積隙間水量の割合を計算する。先述したように0cm、1cm、2cm、5cm、8cm、10cm、15cm、20cm、25cm、30cm、40cm、50cmの位置で保持されている液体はそれぞれ1485、743、297、186、149、99.0、74.3、59.4、49.5、37.1、29.7、24.8μmの隙間半径(毛細管半径)に保持され、60cmの位置で保持されている液体は24.8μmの隙間半径(毛細管半径)を通過するとし、各高さでの累積隙間水量の割上記毛細管半径の値とを対数確率紙にプロットする。
このグラフの累積隙間水量割合の50%に相当する隙間半径の値(d50)を求め試料の加圧下平均隙間半径指数(μm)とする。また、各高さでの累積隙間水量割合より、その分布の対数標準偏差(σζ)を下記の式より求める。
加圧下隙間分布指数
σζ=0.5×ln(X2/X1)
(X1はR=84.1%、X2はR=15.9%の時におけるそれぞれの隙間半径)
ただし、対数確率紙にプロットせずに、84.1%、15.9%を直接示す上記高さ(0cm〜50cm)を適宜調整して求めてもよい。
≪ステップ(9)≫
さらに測定値を確認するため標準サンプルとして350〜500μmおよび1000〜1180μmの球状ガラスビーズを用いて本手法により加圧下平均隙間半径指数(μm)を求めたところ、それぞれ86(μm)、217(μm)と求められた。
<(b)形状−粒度分布の対数標準偏差(σζ)>
吸水剤(又は吸水性樹脂粒子)を目開き850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、45μmのJIS標準ふるい(JIS Z8801−1(2000))で篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。
なお、850μmを超える吸水性樹脂を含んでいる場合は適宜市販の目開きが850μmを超えるJIS標準ふるいを用いる。そこで、X1をR=84.1重量%、X2を15.9重量%の時のそれぞれの粒径とすると、対数標準偏差(σζ)は下記の式で表され、σζの値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。
σζ=0.5×ln(X2/X1)
粒子径、粒度分布における対数標準偏差(σζ)を測定する際の分級方法は、吸水性樹脂粒子または吸水剤10.0gを上記JIS標準ふるい(THE IIDA TESTING SIEVE:径8cm)に仕込み、振動分級器(IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:ES−65型、SER.No.0501)により、5分間、分級を行った。
<(b)形状−質量平均粒子径(D50)>
吸水剤(又は吸水性樹脂粒子)を上記JIS標準ふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、質量平均粒子径(D50)を読み取った。
<(c)無加圧下吸収倍率(CRC:Centrifuged retention capacity)>
後述する実施例および比較例で得られた吸水剤(又は吸水性樹脂粒子)W(g)(約0.20g)を不織布製の袋(60mm×85mm、材質はEDANA ERT 441.1−99に準拠)に均一に入れシールして、25±2℃に調温した0.90質量%生理食塩水中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン製、型式H−122小型遠心分離機)を用いて250G(250×9.81m/s)で3分間水切りを行った後、袋の質量W2(g)を測定した。また、吸水剤(又は吸水性樹脂粒子)を用いないで同様の操作を行い、そのときの質量W1(g)を測定した。そして、上記質量W、W1、W2から、次式に従って、CRC(g/g)を算出した。
CRC(g/g)={(質量W2(g)−質量W1(g))/W(g)}−1
<(d)加圧下吸収倍率(AAP:Absorbency against Pressure)>
加圧下吸収倍率(AAP:Absorbency against Pressure)
加圧下吸収倍率(AAP)は、生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)に対する4.83kPaでの60分の加圧下吸収倍率を表す。
図1に示す装置を用いて測定した。
内径60mmのプラスチックの支持円筒100の底に、ステンレス製400メッシュの金網(目の大きさ38μm)101を融着させた。室温(23.0±2.0℃)、湿度50RH%の条件下で、金網上に吸水性樹脂(102)0.90gを均一に散布し、その上に、吸水性樹脂に対して、4.83kPa(0.7psi)の荷重を均一に加えることができるよう調整されたピストン103と荷重104とをこの順に載置して、この測定装置一式の重量Wa(g)を測定した。なお、ピストン103は外径が60mmよりわずかに小さく、支持円筒の内壁面との間に隙間がほとんど無く、かつ上下の動きが妨げられないようになっている。
直径150mmのペトリ皿105の内側に直径90mmで厚み5mmのガラスフィルター106(株式会社相互理化学硝子製作所社製、細孔直径:100〜120μm)を置き、生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)108(20〜25℃)をガラスフィルターの上面と同じレベルになるように加えた。その上に、直径90mmの濾紙(107)1枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を載せ、表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
この湿った濾紙上に、上記測定装置一式を載せ、液を荷重下で所定時間吸収させた。この吸収時間は、測定開始から算出して、1時間後とした。具体的には、1時間後、測定装置一式を持ち上げ、その重量Wb(g)を測定した。この重量測定はできるだけすばやく、かつ振動を与えないように行わなくてはならない。そして、Wa、Wbから、次式によって加圧下吸収倍率(AAP)(g/g)を算出した。
AAP(g/g)=[Wb(g)−Wa(g)]/吸水剤の重量(g)
<(e)FSR>
米国特許6849665B1に準じて、生理食塩水で測定した。
<(f)可溶分>
WO2005−92956号に準じて、生理食塩水で測定した。
<(g)含水率>
吸水剤(又は吸水性樹脂粒子)の含水率は以下のようにして乾燥減量から求めた。
吸水剤W(g)(約2.00g)を底面直径52mmのアルミカップに広げ、吸水剤(又は吸水性樹脂粒子)とアルミカップとの総質量W6(g)を測定した。その後、上記吸水剤(又は吸水性樹脂粒子)を広げたアルミカップを雰囲気温度180℃の静置乾燥機で3時間乾燥した。乾燥機から上記アルミカップを取り出した後、室温(25℃±2℃)のデシケーター内に5分間静置して、吸水剤(又は吸水性樹脂粒子)を自然冷却した。その後、乾燥後の吸水剤(又は吸水性樹脂粒子)とアルミカップとの総質量W7(g)を測定した。そして上記W、W6、W7から次式に従って、含水率(質量%)を求めた。
含水率(質量%)={(W6(g)−W7(g))/W(g)}×100
<(h)嵩比重>
米国特許6562879号に準じて測定した。
(実施例1)
アクリル酸、アクリル酸ナトリウム水溶液、および脱イオン水を混合して得られた75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液334g(単量体濃度35質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)0.4g、ヒドロキシエチルセルロースSP850(ダイセル化学社製)5.0gを溶解させ、モノマー水溶液とした。
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び水バスを付設した容量2リットルの四つ口セパラブルフラスコにシクロヘキサン780gを入れ、これにショ糖脂肪酸エステルF−50(第一工業製薬社製,HLB=6)4.0gを加え、240rpmで撹拌して分散させた。フラスコを窒素置換したのち、70℃に昇温した。これに上記で調製したモノマー水溶液を投入した。投入後、逆相懸濁重合が開始し、15分後、重合反応ピーク温度74℃に達した。ピーク後水バスの温度70℃で30分間保持したのち、水バスの温度を90℃に設定し、シクロヘキサンとの共沸によって生成した樹脂粒子の含水率が30%になるまで脱水を行った。
脱水終了後、撹拌を停止すると樹脂粒子がフラスコの底に沈降したので、これをデカンテーションによって分離した。得られた樹脂粒子をステンレス製容器に広げ、熱風乾燥器中150℃、2時間に加熱し、付着しているシクロヘキサン及び若干の水を除去することで球状単粒子の吸水性樹脂粒子(a1)を得た。
吸水性樹脂粒子(a1)100質量部に、プロピレングリコール0.5質量部、1,4−ブタンジオール0.3質量部、水2.7質量部からなる第1表面架橋剤水溶液3.0質量部を噴霧混合し、熱風乾燥器中180℃、1時間加熱処理することで、吸水性樹脂粒子(b1)を得た。その後、さらに、吸水性樹脂粒子(b1)100質量部に、硫酸アルミニウム0.5質量部、水0.6質量部からなる第2表面架橋剤水溶液1.22質量部を噴霧混合し、熱風乾燥器中60℃で1時間加熱処理することで、球状の吸水剤(Ex1)を得た。吸水剤(Ex1)の諸物性を測定し、結果を表1〜3に示す。
(比較例1)
アクリル酸、アクリル酸ナトリウム水溶液、および脱イオン水を混合して得られた75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5460質量部(単量体濃度39質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)8.25質量部を溶解し反応液とした。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を25℃に保ちながら窒素ガスでこの反応液から溶存酸素を除去した。
続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液29.0質量部及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液4.4質量部を添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後15分で重合ピーク温度92℃を示し、重合を開始して40分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、180℃で40分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmおよび150μmの金網で分級することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粒子(Ca1)を得た。得られた吸水性樹脂粒子(Ca1)の無加圧下吸収倍率(CRC)は33g/gであった。また、得られた吸水性樹脂粒子(Ca1)の粒度分布を表1、表2に示す。
吸水性樹脂粒子(Ca1)100質量部に、プロピレングリコール0.5質量部、1,4−ブタンジオール0.3質量部、水2.7質量部からなる第1表面架橋剤水溶液3.5質量部を噴霧混合し、熱風乾燥器中180℃、1時間加熱処理することで、吸水性樹脂粒子(C−Ex1)を得た。
得られた吸水性樹脂粒子を本発明の比較用吸水剤(C−Ex1)とし、諸物性を測定、結果を表1〜3に示す。
(比較例2)
比較例1で得られた吸水性樹脂粒子(C−Ex1)100質量部に、硫酸アルミニウム0.5質量部、水0.6質量部からなる第2表面架橋剤水溶液1.22質量部を噴霧混合し、熱風乾燥器中60℃で1時間加熱処理することで、吸水性樹脂粒子(C−Ex2)を得た。
得られた吸水性樹脂粒子を比較用吸水剤(C−Ex2)とし、諸物性を測定、結果を表1〜3に示す。
(比較例3)
比較例1で得られた吸水性樹脂粒子(C−Ex1)100質量部に、アエロジル(登録商標)200(日本アエロジル株式会社製)を0.5質量部ドライブレンドし、得られた混合物をさらに目開き850μmのふるいを通過させることにより、本発明の比較用吸水剤(C−Ex3)を得た。比較用吸水剤(C−Ex3)の諸物性を測定し、結果を表1〜3に示す。
(比較例4)
比較例2で得られた吸水性樹脂粒子(C−Ex2)100質量部に、アエロジル(登録商標)200(日本アエロジル株式会社製)を0.5質量部ドライブレンドし、得られた混合物をさらに目開き850μmのふるいを通過させることにより、比較用吸水剤(C−Ex4)を得た。
比較用吸水剤(C−Ex4)の諸物性を測定し、結果を表1〜3に示す。
(比較例5)
アクリル酸、アクリル酸ナトリウム水溶液、および脱イオン水を混合して得られた71モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5452質量部(単量体濃度41質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)12.0質量部を溶解し反応液とした。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を25℃に保ちながら窒素ガスでこの反応液から溶存酸素を除去した。
続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液31質量部及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液4.6質量部を添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後15分で重合ピーク温度92℃を示し、重合を開始して40分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、180℃で45分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き710μmおよび150μmの金網で分級することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粒子(Ca5)を得た。得られた吸水性樹脂粒子(Ca5)の無加圧下吸収倍率(CRC)は32g/gであった。
吸水性樹脂粒子(Ca5)100質量部に、プロピレングリコール0.6質量部、1,4−ブタンジオール0.3質量部、水3.0質量部からなる第1表面架橋剤水溶液3.9質量部を噴霧混合し、熱風乾燥器中180℃、1時間加熱処理することで、吸水性樹脂粒子(Cb5)を得た。その後、さらに、吸水性樹脂粒子(Cb5)100質量部に、硫酸アルミニウム0.5質量部、水0.6質量部からなる第2表面架橋剤水溶液1.22質量部を噴霧混合し、熱風乾燥器中60℃で1時間加熱処理することで、本発明の比較用吸水剤(C−Ex5)を得た。
比較吸水剤(C−Ex5)の諸物性を測定し、結果を表1〜3に示す。
(比較例6)
内容積500mLの三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液92g(1.02モル)を入れ、氷冷しながら21.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液146.0gを滴下して75モル%のアクリル酸の中和を行い、単量体濃度38質量%のアクリル酸部分中和塩水溶液を調製した。
得られたアクリル酸部分中和塩水溶液に、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジエーテル9.2mg(53μモル)およびラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム92mg(0.34ミリモル)を添加し、これを第1段目重合用の単量体水溶液(A)とした。
一方、攪拌機、2段パドル翼、還流冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備えた内容積2リットルの五つ口円筒型丸底フラスコに、n−ヘプタン340g(500mL)と、界面活性剤であるショ糖脂肪酸エステル(HLB値3.0)0.92gとを加えて、n−ヘプタンに溶解させた後、内温を35℃にした。その後、上記の第1段目重合用の単量体水溶液(A)を加えて35℃に保ち、攪拌下で懸濁し、系内を窒素ガスで置換した後、70℃に昇温して第1段目の逆相懸濁重合を行った。
次に、これとは別に、内容積500mLの三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液92g(1.02モル)を入れ、氷冷しながら21.0質量%水酸化ナトリウム水溶液146.0gを滴下して75モル%のアクリル酸の中和を行い、単量体濃度38質量%のアクリル酸部分中和塩水溶液を調製した。得られたアクリル酸部分中和塩水溶液に、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル9.2mg(53μモル)およびラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム92mg(0.34ミリモル)を添加し、これを第2段目の逆相懸濁重合用の単量体水溶液(B)とした。
第1段目の逆相懸濁重合の終了後、重合スラリーを23℃に冷却し、界面活性剤が析出している状態で、第2段目の逆相懸濁重合用の単量体水溶液(B)を系内に滴下し、23℃に保ちながら30分間攪拌を行うと同時に系内を窒素ガスで充分に置換した後、70℃に昇温して第2段目の逆相懸濁重合を行った。
逆相懸濁重合の終了後、再び加熱することによって、n−ヘプタンと水との共沸混合物から250gの水を抜き出した後、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル368mg(2.11ミリモル)を添加し、80℃で2時間、45gの水の存在下で後架橋反応を行った。架橋反応後、系内のn−ヘプタンと水を加熱留去することにより、球状造粒粒子(球状粒子からなる造粒粒子、葡萄の房状)の吸水性樹脂粒子(C−Ex6)を得た。
(比較例7)
比較例6で得られた吸水性樹脂粒子(C−Ex6)100質量部に、プロピレングリコール0.8質量部、1,4−ブタンジオール0.5質量部、水4.0質量部からなる第1表面架橋剤水溶液5.3質量部を噴霧混合し、熱風乾燥器中185℃、2時間加熱処理することで、吸水性樹脂粒子を得た。
得られた吸水性樹脂粒子を本発明の比較用吸水剤(C−Ex7)とし、諸物性を測定、結果を表1〜3に示す。
(実施例2)
比較例7で得られた吸水性樹脂粒子(C−Ex7)100質量部に、硫酸アルミニウム0.5質量部、水0.6質量部からなる第2表面架橋剤水溶液1.22質量部を噴霧混合し、熱風乾燥器中60℃で1時間加熱処理することで、球状造粒粒子の吸水剤(Ex2)を得た。吸水剤(Ex2)の諸物性を測定し、結果を表1〜3に示す。なお、吸水剤(Ex2)の吸収速度(FSR)は、0.46g/g/sであった。
(実施例3)
アクリル酸、アクリル酸ナトリウム水溶液、および脱イオン水を混合して得られた71モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5452質量部(単量体濃度41質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数9)12.0質量部を溶解し反応液とした。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を25℃に保ちながら窒素ガスでこの反応液から溶存酸素を除去した。
続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウムの10質量%水溶液31質量部及びL−アスコルビン酸の1質量%水溶液4.6質量部を添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。重合開始後15分で重合ピーク温度92℃を示し、重合を開始して40分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、180℃で45分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmおよび300μmの金網で分級することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粒子を得た。
得られた吸水性樹脂粒子100gをホモジナイザー(日本精機社製、高速ホモジナイザー、Model: MX−7)に入れ、回転数6,000rpmで5分間研磨した。得られた吸水性樹脂粒子を目開き850μmおよび300μmの金網で分級することにより、研磨された吸水性樹脂粒子を得た。
研磨された吸水性樹脂粒子100質量部に、プロピレングリコール0.5質量部、1,4−ブタンジオール0.3質量部、水2.7質量部からなる第1表面架橋剤水溶液3.5質量部を噴霧混合し、熱風乾燥器中180℃、1時間加熱処理することで、吸水性樹脂粒子を得た。その後、さらに、吸水性樹脂粒子100質量部に、硫酸アルミニウム0.5質量部、水0.6質量部からなる第2表面架橋剤水溶液1.22質量部を噴霧混合し、熱風乾燥器中60℃で1時間加熱処理することで、本発明の不定破砕状の吸水剤(Ex3)を得た。
吸水剤(Ex3)の諸物性を測定し、結果を表1〜3に示す。
Figure 2010502415
Figure 2010502415
Figure 2010502415
本発明により得られた粒子状吸水剤をおむつなどの薄型吸収体に高濃度で使用した場合、従来の吸収体に比べ、非常に優れた吸収性能、特に通液特性に優れた吸収体を提供することが出来るという効果を奏する。
AAPの測定に用いる測定装置の概略の断面図である。 加圧下隙間半径指数の測定に用いる測定装置の概略の断面図である。 ピストンの底断面図である。
符号の説明
100 プラスチックの支持円筒
101 ステンレス製400メッシュの金網
102 吸水性樹脂
103 ピストン
104 荷重(おもり)
105 ペトリ皿
106 ガラスフィルター
107 濾紙
108 生理食塩水
201 フィルターロート
202 グラスフィルター粒子番号#3;平均孔径20〜30μm程度
203 導管
204 液タンク
205 クランプ
206 生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)
207 天秤
208 自動昇降機
209 測定試料
210 コンピュータ
211 ピストン
212 重り

Claims (19)

  1. 水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤であって、加圧下平均隙間半径指数が140以上である吸水剤。
    ただし、加圧下平均隙間半径指数は、荷重2.07kPaでの生理食塩水中での累積隙間水量割合の50%に相当する膨潤ゲル隙間半径の値(d50)である。
  2. 水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤であって、吸水剤の90重量%以上が粒子径150〜850μmの範囲であり、且つ加圧下平均隙間半径指数が100以上である吸水剤。
    ただし、加圧下平均隙間半径指数は、荷重2.07kPaでの生理食塩水中での累積隙間水量割合の50%に相当する膨潤ゲル隙間半径の値(d50)である。
  3. 水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する吸水性樹脂粒子を必須とする吸水剤であって、逆相懸濁重合で得られた吸水剤の90重量%以上が粒子径150〜850μmの範囲であり、且つ加圧下平均隙間半径指数向上剤を含む吸水剤。
  4. 前記吸水剤が粒子形状であって、4.83kPaにおける加圧下吸収倍率(AAP)が、10g/g以上である、請求項1〜3の何れかに記載の吸水剤。
  5. 前記吸水性樹脂粒子はその表面が架橋されている、請求項1から4の何れかに記載の吸水剤。
  6. さらに加圧下平均隙間半径指数向上剤を含む、請求項1,2,4,5の何れかに記載の吸水剤。
  7. 質量平均粒子径(D50)が200〜500μm、粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45、嵩比重(g/ml)が、0.72〜1.00である請求項1から6の何れかに記載の吸水剤。
  8. 4.83kPaにおける加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g〜29g/g、無荷重下吸水倍率(CRC)と4.83kPaにおける加圧下吸収倍率(AAP)との差が7g/g以下である請求項1から7の何れかに記載の吸水剤。
  9. 上記吸水性樹脂が球状である請求項1から8の何れかに記載の吸水剤。
  10. 造粒物である請求項9に記載の吸水剤。
  11. アクリル酸および/またはその塩を単量体の主成分とする不飽和単量体水溶液を内部架橋剤の存在下に架橋重合する架橋重合工程の後、乾燥工程を経て、下記(a)〜(c)を満たす吸水性樹脂粒子に調整する工程、さらに、得られた吸水性樹脂粒子に加圧下平均隙間半径指数向上剤を添加する工程とを含むことを特徴とする吸水剤の製造方法。
    (a)質量平均粒子径(D50)が200〜500μm
    (b)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45
    (c)嵩比重(g/ml)が0.72〜1.00
  12. 乾燥工程後に、前記吸水性樹脂粒子の表面を架橋処理する工程を含む請求項11に記載の製造方法。
  13. アクリル酸および/またはその塩を単量体の主成分とする不飽和単量体水溶液を疎水性有機溶媒中で逆相懸濁重合によって架橋重合する工程、乾燥工程、表面架橋処理工程、および得られた吸水性樹脂粒子に加圧下平均隙間半径指数向上剤を添加する工程とを含むことを特徴とする吸水剤の製造方法。
  14. 前記加圧下平均隙間半径指数向上剤は、多価金属化合物、ポリカチオン化合物および無機微粒子から選ばれる少なくとも1種である、請求項11〜13の何れかに記載の製造方法。
  15. 前記吸水性樹脂粒子の90重量%以上が粒子径150〜850μmの範囲である請求項11〜14の何れかに記載の製造方法。
  16. 内部架橋剤が、2個以上の重合性不飽和基を有する重合性架橋剤、および、2個以上の共有結合性基またはイオン結合性基を有する反応性内部架橋剤を併用されてなる請求項11〜15の何れかに記載の製造方法。
  17. 前記表面架橋処理工程時または表面架橋後における吸水性樹脂は、下記(a)〜(c)を満たす吸水性樹脂に調整されていることを特徴とする請求項11〜16の何れかに記載の製造方法。
    (a)質量平均粒子径(D50)が200〜500μm
    (b)粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45
    (c)嵩比重(g/ml)が0.72〜1.00
  18. 前記加圧下平均隙間半径指数向上剤は、2価から4価までのうち何れかの多価金属塩を含むことを特徴とする請求項11〜17の何れかに記載の吸水剤の製造方法。
  19. 請求項1〜10の何れかに記載の吸水剤を含む、尿、糞または血液の吸収用吸収性物品。
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