JP2010278079A - 穴埋め樹脂とそれを用いた多層プリント配線板ならびにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】局所的な凹みや空隙を生じることなくスルーホールに樹脂を充填することができ、さらに長期の信頼性も高い多層プリント配線板を得ることができる穴埋め樹脂とそれを用いた多層プリント配線板ならびにその製造方法を提供する。
【解決手段】多層プリント配線板の製造時において内層用回路板のスルーホールまたは内層回路間に充填される穴埋め樹脂であって、樹脂を基材に塗布または含浸し乾燥して半硬化したプリプレグを揉み解すことにより、粉末状として基材から分離したものであることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】多層プリント配線板の製造時において内層用回路板のスルーホールまたは内層回路間に充填される穴埋め樹脂であって、樹脂を基材に塗布または含浸し乾燥して半硬化したプリプレグを揉み解すことにより、粉末状として基材から分離したものであることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、穴埋め樹脂とそれを用いた多層プリント配線板ならびにその製造方法に関するものである。
近年、通信用、民生用、産業用等の電子機器の分野における実装方法の小型化、高密度化への指向は著しいものがあり、それに伴って電気用配線板産業の分野でも高密度な配線を形成し得る積層ビルドアップ工法に代表される、多層プリント配線板の高機能化が進んでいる。
このような多層プリント配線板においては、基板の表裏、そして逐次積層された各配線層間の電気的接続を確保するため、めっきスルーホール工法が用いられる。
従来、多層プリント配線板のスルーホールは、スルーホールを形成した内層用回路板に積層されるプリプレグや樹脂付き金属箔からの樹脂を流動により充填するか、あるいは穴埋め樹脂や導電ペーストにより樹脂が充填されてきた(特許文献1、2参照)。
しかしながら、プリプレグや樹脂付き金属箔からの樹脂を流動によりスルーホールに充填する場合、充填する体積が大きい箇所においては、例えばスルーホール部に局所的な凹みを生じるという問題点があった。また、スルーホールが密集する箇所や、高アスペクト比のスルーホールでは、脂量不足や流動性不足によりスルーホール内に空隙が残るという問題点があった。さらにプリプレグを用いた場合、特に内層回路の銅箔厚みが大きい場合には、プリプレグの基材が内層用回路板の回路に接触し信頼性が低下するという問題点があった。
一方、穴埋め樹脂や導電ペーストにより樹脂をスルーホールに充填する場合、ビルドアップ層の樹脂と穴埋め樹脂または導電ペーストとの熱膨張率の違いにより、スルーホール部にクラックが入り易く、熱サイクルを加えると回路の破断が生じ、信頼性が低下するという問題点があった。また、液状の穴埋め樹脂や導電ペーストをスルーホールに充填する際にはスクリーン印刷等の設備が必要になり、そしてスルーホール外の余剰の樹脂を除去するため等の工程が必要になり、加工が複雑になるという問題点があった。
一方、多層プリント配線板には、半導体装置、ベアチップ、チップ状コンデンサ、チップ状インダクタ等のチップ状の部品が実装される。従来、このような部品はプリント配線板の外層用回路にのみ実装されていたが、近年における電子機器の小型化、高密度化の要求や、配線設計の自由度の要求に伴い、部品を絶縁層に内蔵した多層プリント配線板が用いられてきている。
このような部品を内蔵した多層プリント配線板は、例えば、部品が実装された内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグ、および金属箔を積層し、これを加熱加圧成形する工程により製造される。
このとき、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との間には僅かな隙間が生じるが、従来、この隙間は加熱加圧成形時にプリプレグから流動する樹脂により充填していた。
しかしながら、実装する部品が大型になると、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との間における樹脂により充填すべき空間が広くなる。この場合、樹脂量不足により部品の周囲に空隙が発生したり、当該空間に多量の樹脂が移動することに伴い部品の上方に局所的な凹みが発生したりするという問題点があった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、局所的な凹みや空隙を生じることなくスルーホールや内層回路間に樹脂を充填することができ、さらに長期の信頼性も高い多層プリント配線板を得ることができる穴埋め樹脂とそれを用いた多層プリント配線板ならびにその製造方法を提供することを課題としている。
また本発明は、部品を内蔵した多層プリント配線板において、その製造時に部品を内蔵させて加熱加圧成形した際に、部品の上方における局所的な凹みの発生や部品周囲における空隙の発生を防止して表面平坦度を向上することができ、さらに長期の信頼性も高い多層プリント配線板を得ることができる穴埋め樹脂とそれを用いた多層プリント配線板ならびにその製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明の穴埋め樹脂は、多層プリント配線板の製造時において内層用回路板のスルーホールまたは内層回路間に充填される穴埋め樹脂であって、樹脂を基材に塗布または含浸し乾燥して半硬化したプリプレグを揉み解すことにより、粉末状として基材から分離したものであることを特徴とする。
第2に、本発明の多層プリント配線板は、内層用回路板に、プリプレグおよび金属箔、樹脂シートおよび金属箔、または樹脂付き金属箔を積層し加熱加圧成形する工程を逐次行うことにより製造される多層プリント配線板であって、多層プリント配線板のスルーホールまたは内層回路間に上記第1の穴埋め樹脂が充填されていることを特徴とする。
第3に、上記第2の多層プリント配線板において、穴埋め樹脂が、多層プリント配線板の製造に用いられる内層用回路板、プリプレグ、樹脂シート、または樹脂付き金属箔と同一組成の樹脂であることを特徴とする。
第4に、上記第2または第3の多層プリント配線板において、穴埋め樹脂を得るためのプリプレグが、多層プリント配線板の製造に用いられるプリプレグと同一のものであることを特徴とする。
第5に、上記第2ないし第4のいずれかの多層プリント配線板において、穴埋め樹脂を充填する内層用回路板の内層回路厚みが100μm以上であることを特徴とする。
第6に、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、内層用回路板のスルーホールに上記第1の穴埋め樹脂を充填する工程と、内層用回路板に、プリプレグおよび金属箔、樹脂シートおよび金属箔、または樹脂付き金属箔を積層し加熱加圧成形する工程とを含むことを特徴とする。
第7に、上記第6の多層プリント配線板の製造方法において、穴埋め樹脂の粒径が、穴埋め樹脂を充填するスルーホールの直径の80%以下であることを特徴とする。
第8に、本発明の穴埋め樹脂は、部品を内蔵する多層プリント配線板の製造時において、部品が実装された内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグを積層した後、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に充填される穴埋め樹脂であって、樹脂を基材に塗布または含浸し乾燥して半硬化したプリプレグを揉み解すことにより、粉末状として基材から分離したものであることを特徴とする。
第9に、本発明の多層プリント配線板は、部品が実装された内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグおよび金属箔を積層し加熱加圧成形する工程により部品を内蔵した多層プリント配線板であって、内層用回路板の部品の周囲に上記第8の穴埋め樹脂が充填されていることを特徴とする。
第10に、上記第9の多層プリント配線板において、穴埋め樹脂が、多層プリント配線板の製造に用いられる内層用回路板またはプリプレグと同一組成の樹脂であることを特徴とする。
第11に、上記第9または第10の多層プリント配線板において、穴埋め樹脂を得るためのプリプレグが、多層プリント配線板の製造に用いられるプリプレグと同一のものであることを特徴とする。
第12に、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、部品が実装された内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグを積層する工程と、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に上記第8の穴埋め樹脂を充填する工程と、プリプレグの上に金属箔を積層し加熱加圧成形する工程とを含むことを特徴とする。
第13に、上記第12の多層プリント配線板の製造方法において、穴埋め樹脂が、多層プリント配線板の製造に用いられる内層用回路板またはプリプレグと同一組成の樹脂であることを特徴とする。
第14に、上記第12または第13の多層プリント配線板の製造方法において、穴埋め樹脂を得るためのプリプレグが、多層プリント配線板の製造に用いられるプリプレグと同一のものであることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、多層プリント配線板の製造時において、局所的な凹みや空隙を生じることなくスルーホールや内層回路間に樹脂を充填することができる。さらに、原料としてプリプレグを用いてこれを揉み解して得たものであるので、ビルドアップ層の樹脂との熱膨張率の差が小さく、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を高めることができる。
上記第2の発明によれば、多層プリント配線板の製造時において、局所的な凹みや空隙を生じることなくスルーホールや内層回路間に樹脂を充填することができる。さらに、原料としてプリプレグを用いてこれを揉み解して得た穴埋め樹脂を用いているので、ビルドアップ層の樹脂との熱膨張率の差が小さく、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を高めることができる。
上記第3および第4の発明によれば、穴埋め樹脂とビルドアップ層の樹脂との熱膨張率を一致させることができ、上記第2の発明の効果に加え、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を特に高めることができる。
上記第5の発明によれば、回路厚みの厚い内層用回路板を用いる場合において、上記第2ないし第4の発明の効果に加え、本発明の穴埋め樹脂を回路間に充填することで確実に内層回路間に樹脂を充填することができる。
上記第6の発明によれば、局所的な凹みや空隙を生じることなくスルーホールに樹脂を充填することができる。さらに、原料としてプリプレグを用いてこれを揉み解して得た穴埋め樹脂を用いているので、ビルドアップ層の樹脂との熱膨張率の差が小さく、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を高めることができる。またさらに、粉末状の穴埋め樹脂を用いているので、スルーホール内に穴埋め樹脂を入れる作業が容易であり、余剰の穴埋め樹脂も容易に除去することができ、加熱加圧成形によりビルドアップ層の樹脂と同時に穴埋め樹脂を硬化させることができる。そして内層用回路板の表面の回路形成を行った後であっても、簡便にスルーホールに穴埋め樹脂を充填することができる。
上記第7の発明によれば、上記第6の発明の効果に加え、スルーホールへの穴埋め樹脂の充填性を特に向上させることができる。
上記第8の発明によれば、多層プリント配線板の製造時において、部品を内蔵させて加熱加圧成形した際に、部品の上方周辺における局所的な凹みの発生や部品周囲における空隙の発生を防止して表面平坦度を向上することができる。さらに、原料としてプリプレグを用いてこれを揉み解して得たものであるので、ビルドアップ層の樹脂との熱膨張率の差が小さく、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を高めることができる。
上記第9の発明によれば、多層プリント配線板の製造時において、部品を内蔵させて加熱加圧成形した際に、部品の上方周辺における局所的な凹みの発生や部品周囲における空隙の発生を防止して表面平坦度を向上することができる。さらに、原料としてプリプレグを用いてこれを揉み解して得た穴埋め樹脂を用いているので、ビルドアップ層の樹脂との熱膨張率の差が小さく、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を高めることができる。
上記第10および第11の発明によれば、穴埋め樹脂とビルドアップ層の樹脂との熱膨張率を一致させることができ、上記第9の発明の効果に加え、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を特に高めることができる。
上記第12の発明によれば、部品の上方周辺における局所的な凹みの発生や部品周囲における空隙の発生を防止して表面平坦度を向上することができる。さらに、原料としてプリプレグを用いてこれを揉み解して得た穴埋め樹脂を用いているので、ビルドアップ層の樹脂との熱膨張率の差が小さく、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を高めることができる。またさらに、粉末状の穴埋め樹脂を用いているので、スルーホール内に穴埋め樹脂を入れる作業が容易であり、余剰の穴埋め樹脂も容易に除去することができ、加熱加圧成形によりビルドアップ層の樹脂と同時に穴埋め樹脂を硬化させることができる。
上記第13および第14の発明によれば、穴埋め樹脂とビルドアップ層の樹脂との熱膨張率を一致させることができ、上記第12の発明の効果に加え、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を特に高めることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の穴埋め樹脂は、プリプレグを揉み解すことにより、粉末状として基材から分離したものである。
プリプレグは、樹脂を基材に塗布または含浸し乾燥して半硬化し、B−ステージとしたものであり、例えば、プリント配線板の材料として従来知られている構成のものを用いることができる。
例えば、プリプレグ用の樹脂組成物をワニスとして調製し、このワニスを基材に塗布または含浸する。そして、乾燥機等により加熱乾燥することにより、A−ステージの樹脂組成物を半硬化状態のB−ステージとしてプリプレグを作製することができる。
プリプレグの基材としては、例えば、ガラスクロス、ガラスペーパー、ガラスマット等のガラス繊維布、クラフト紙、天然繊維布、有機合成繊維布等を用いることができる。
プリプレグの樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。このような熱硬化性樹脂は、樹脂構造に化学的な変性が施されたものであってもよい。また、樹脂と多官能化合物との混合物であってもよい。
プリプレグの樹脂には、その用途に応じて所望の機能を付与させる目的で、本来の性能を損なわない範囲の量で他の成分を配合することができる。このような他の成分としては、例えば、充填材、難燃材、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤等が挙げられる。
充填材としては、例えば、繊維状や球状のものを用いることができ、その具体例としては、シリカ、アルミナ、タルク、雲母、ガラスビーズ、ガラス中空球等が挙げられる。
本発明の穴埋め樹脂は、上記のようなプリプレグを揉み解すことにより得ることができる。プリプレグを揉み解す態様としては、プリプレグを変形させ歪ませることで粉末状の樹脂を揉み出すことができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、プリプレグを折り曲げることで、粉末状の樹脂が基材から分離して取り出され、これを穴埋め樹脂として用いることができる。
このようにして得られた粉末状の穴埋め樹脂は、篩を用いることにより分級して粒径を調整するようにしてもよい。また、すり鉢等を用いてさらに微粒の穴埋め樹脂とすることもできる。
本発明の穴埋め樹脂は、後述する第1の実施形態のように、多層プリント配線板の製造時において内層用回路板のスルーホールに充填される。あるいは、後述する第2の実施形態のように、部品を内蔵する多層プリント配線板の製造時において、部品が実装された内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグを積層した後、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に充填される。
なお、本発明においてスルーホールには、いわゆるビアホールが含まれる。
本発明の穴埋め樹脂を内層用回路板のスルーホールへの充填に用いる場合、穴埋め樹脂の粒径は、少なくとも充填するスルーホールの直径よりも小さくする必要があるが、スルーホールへの充填性を向上させる点からは、穴埋め樹脂の粒径は、好ましくはスルーホールの直径の80%以下、より好ましくは50%以下である。
また、本発明の穴埋め樹脂は、上記のいずれの用途においても、穴埋め樹脂の充填性や、プリプレグを揉み解すことによる穴埋め樹脂の調製の簡便性等を考慮すると、その最大粒径は、好ましくは250μm以下、より好ましくは50〜100μmである。なお、ここで穴埋め樹脂の粒径は、粒子の最大径のことである。
本発明の多層プリント配線板は、以上に説明した穴埋め樹脂を用いて、次のようにして製造される。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、まず、内層用回路板を用意する。内層用回路板は、片面または両面にアディティブ法やサブトラクティブ法等により内層回路が形成されたものである。内層用回路板としては、例えば、複数枚のプリプレグまたは樹脂シートを積層してさらにその上に金属箔または樹脂付き金属箔を積層し、これを加熱加圧成形することにより金属張積層板を得た後、表面の金属箔を回路形成したものを用いることができる。あるいは、金属張積層板に回路形成したものに、プリプレグおよび金属箔、樹脂シートおよび金属箔、または樹脂付き金属箔を積層し、これを加熱加圧成形した後、表面の金属箔を回路形成し、あるいはこの工程を逐次繰り返したものを用いることができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、まず、内層用回路板を用意する。内層用回路板は、片面または両面にアディティブ法やサブトラクティブ法等により内層回路が形成されたものである。内層用回路板としては、例えば、複数枚のプリプレグまたは樹脂シートを積層してさらにその上に金属箔または樹脂付き金属箔を積層し、これを加熱加圧成形することにより金属張積層板を得た後、表面の金属箔を回路形成したものを用いることができる。あるいは、金属張積層板に回路形成したものに、プリプレグおよび金属箔、樹脂シートおよび金属箔、または樹脂付き金属箔を積層し、これを加熱加圧成形した後、表面の金属箔を回路形成し、あるいはこの工程を逐次繰り返したものを用いることができる。
内層用回路板には、スルーホールが形成される、スルーホールの形成は、ドリルで貫通穴を開ける方法により行うことができ、その他、エキシマーレーザ、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等によりスルーホールを形成してもよい。
スルーホールの穴開けによりバリ等が生じた場合には、腐食性の薬品等により適宜バリ取りを行う。その後、めっきによりスルーホール内壁に金属膜を形成して層間接続する。
次に、内層用回路板のスルーホールに穴埋め樹脂を充填する。例えば、内層用回路板の下面にプリプレグおよび金属箔、樹脂シートおよび金属箔、または樹脂付き金属箔を配置した後、内層用回路板の上面に穴埋め樹脂を振り撒き微振動を与えることで、スルーホールに穴埋め樹脂を充填することができる。
その後、内層用回路板の上面の余分な穴埋め樹脂を除去し、次いで内層用回路板の上面にプリプレグおよび金属箔、樹脂シートおよび金属箔、または樹脂付き金属箔を配置し、加熱加圧成形する。これにより、穴埋め樹脂と、内層用回路板の両面に配置されたプリプレグ、樹脂シート、または樹脂付き金属箔より流動する樹脂とによって、スルーホールを充填する。
そして最後に外層の金属箔を回路形成し、あるいは以上の工程を逐次繰り返すことにより配線層を多層化し、最後に外層の金属箔を回路形成することで、各配線層間が電気的に接続された多層プリント配線板が製造される。
以上において、多層プリント配線板の製造に用いられる金属箔としては、導電性の金属箔が好ましい。中でも、容易に入手でき、エッチングも容易であることから、銅箔、アルミニウム箔が好ましく、特に銅箔が好ましい。
金属箔における内層用回路板の外側になる面には、その上に積層されるプリプレグ等の樹脂との密着性を高めるために、粗化処理、カップリング処理等を施すようにしてもよい。
金属箔の厚みは、特に限定されないが、穴埋め樹脂が充填されたスルーホール上の金属箔として厚み100μm以上のもの、特に厚み100μm以上、好ましくは105μm以上の銅箔を用いた内層用回路板は、スルーホールのアスペクト比が高くなる傾向があり、内層用回路板に積層されるビルドアップ用のプリプレグ等の樹脂のみではスルーホールへの樹脂の充填が困難になることから、本発明の穴埋め樹脂を用いることで確実にスルーホールに樹脂を充填することができる。
多層プリント配線板の製造に用いられる樹脂シートは、例えば、樹脂組成物をワニスとして調製し、このワニスを有機フィルムの一方の面にキャスティング法等を用いて塗布し、加熱乾燥することにより、樹脂を半硬化状態(B−ステージ)にして作製することができる。
多層プリント配線板の製造に用いられる樹脂付き金属箔は、例えば、樹脂組成物をワニスとして調製し、このワニスを金属箔の一方の面にロールコーター等を用いて塗布し、加熱乾燥することにより、樹脂を半硬化状態(B−ステージ)にして作製することができる。
本実施形態によれば、穴埋め樹脂を用いることで、局所的な凹みや空隙を生じることなくスルーホールに樹脂を充填することができる。
さらに、原料としてプリプレグを用いてこれを揉み解して得た穴埋め樹脂を用いているので、ビルドアップ層の樹脂との熱膨張率の差が小さく、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を高めることができる。すなわち、ビルドアップ層の樹脂とスルーホール内の樹脂との熱膨張率の差に起因するスルーホール部でのクラックの発生等が抑制され、熱衝撃等による回路破断を抑制することができる。
特に、穴埋め樹脂として、多層プリント配線板の製造に用いられる内層用回路板、プリプレグ、樹脂シート、または樹脂付き金属箔と同一組成の樹脂を用いることで、ビルドアップ層の樹脂との熱膨張率が同一になり、ビルドアップ層の樹脂とスルーホール内の樹脂との熱膨張挙動を共通にすることができる。そのため、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を特に高めることができる。
なお、本発明において穴埋め樹脂と内層用回路板等の樹脂とが同一組成であるとは、少なくとも樹脂成分を含み場合によっては充填材等も含む樹脂原料の主成分が同一であることを示し、好ましくは当該主成分の配合量が実質的に等しいことを示す。例えば、穴埋め樹脂を得るためのプリプレグとして、多層プリント配線板の製造に用いられるプリプレグと同一のものを用いる場合が挙げられる。
なお、内層用回路板に用いられる樹脂と、ビルドアップ工程においてその上に積層されるプリプレグ、樹脂シート、または樹脂付き金属箔とは、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の信頼性を確保するために通常は同一の樹脂が用いられる。
さらに本実施形態によれば、粉末状の穴埋め樹脂を用いているので、スルーホール内に穴埋め樹脂を入れる作業が容易である。そして、液状の穴埋め樹脂や導電ペーストをスルーホールに充填する際にはスクリーン印刷等の設備が必要になり、またスルーホール外の余剰の樹脂を除去するための工程が必要になり、また内層用回路板の表面の回路形成を行った後にスルーホールへの充填を行うとスルーホール外の余剰の樹脂を除去することが困難になる場合があるため回路形成を行う前の金属箔の状態でスルーホールへの充填を行うことが必要な場合もあるが、本実施形態では余剰の穴埋め樹脂を容易に除去することができ、また少量の余剰の穴埋め樹脂が残っても次工程において使用するプリプレグの樹脂と同一であるため問題とならない。そして、加熱加圧成形によりビルドアップ層の樹脂と同時に穴埋め樹脂を硬化させることもできる。そして内層用回路板の表面の回路形成を行った後であっても簡便にスルーホールに穴埋め樹脂を充填することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、部品を内蔵する多層プリント配線板の製造時において、部品が実装された内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグを積層した後、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に穴埋め樹脂を充填する。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、部品を内蔵する多層プリント配線板の製造時において、部品が実装された内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグを積層した後、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に穴埋め樹脂を充填する。
本実施形態における多層プリント配線板の製造においては、まず、1または2以上の部品が実装された内層用回路板を用意する。
内層用回路板に実装される部品としては、例えば、一般に多層プリント配線板に実装される電子部品、電気部品を挙げることができ、具体的には、半導体装置、ベアチップ、チップ状コンデンサ、チップ状インダクタ等が挙げられる。
部品の実装は、例えば、部品の端子を内層用回路板のパッドまたはランドにはんだ付け等により接続することで行うことができる。
一方、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグを用意する。この開口部は、内層用回路板の部品との隙間ができる限り小さくなるようなサイズと形状に形成することが望ましいが、隙間が小さくなると部品実装の際の位置ズレや部品そのものが持つサイズバラツキにより開口部と部品が合致しなくなるため、歩留まり向上の観点からある程度の隙間が必要である。
次に、部品が実装された上記の内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成された上記のプリプレグを積層する。この積層により、内層用回路板の部品はプリプレグの開口部に挿入される。
次に、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に穴埋め樹脂を充填する。例えば、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に穴埋め樹脂を振り撒き微振動を与えることで、この隙間に穴埋め樹脂を充填することができる。
なお、プリプレグの開口部の高さが内層用回路板の部品の高さを上回る場合には、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間から内層用回路板の部品の上面に至るまで、プリプレグの開口部内に穴埋め樹脂を充填するようにしてもよい。
その後、プリプレグの上面の余分な穴埋め樹脂を除去し、次いでプリプレグの上面に金属箔を積層し、加熱加圧成形する。これにより、穴埋め樹脂と、内層用回路板の上に配置されたプリプレグより流動する樹脂とによって、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間を充填する。
そして最後に外層の金属箔を回路形成し、あるいはさらに、その上面にプリプレグおよび金属箔、樹脂シートおよび金属箔、または樹脂付き金属箔を配置し、加熱加圧成形する工程を逐次繰り返すことにより配線層を多層化し、最後に外層の金属箔を回路形成することで、各配線層間が電気的に接続された、部品を内蔵する多層プリント配線板が製造される。
以上において、内層用回路板、金属箔、プリプレグ、樹脂シート、樹脂付き金属箔等の具体的な詳細は前述した第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、穴埋め樹脂を用いているので、部品の上方における局所的な凹みの発生や部品の周囲における空隙の発生を防止して表面平坦度を向上することができる。
さらに、原料としてプリプレグを用いてこれを揉み解して得た穴埋め樹脂を用いているので、ビルドアップ層の樹脂との熱膨張率の差が小さく、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を高めることができる。すなわち、ビルドアップ層の樹脂とスルーホール内の樹脂との熱膨張率の差に起因するスルーホール部でのクラックの発生等が抑制され、熱衝撃等による回路破断を抑制することができる。
特に、穴埋め樹脂として、多層プリント配線板の製造に用いられる内層用回路板またはプリプレグと同一組成の樹脂を用いることで、ビルドアップ層の樹脂との熱膨張率が同一になり、ビルドアップ層の樹脂とスルーホール内の樹脂との熱膨張挙動を共通にすることができる。そのため、熱衝撃等に対する多層プリント配線板の長期の信頼性を特に高めることができる。
さらに本実施形態によれば、粉末状の穴埋め樹脂を用いているので、スルーホール内に穴埋め樹脂を入れる作業が容易であり、余剰の穴埋め樹脂も容易に除去することができ、またプリプレグの樹脂と同一であるため、若干の余剰樹脂の残りは問題とならず、加熱加圧成形によりビルドアップ層の樹脂と同時に穴埋め樹脂を硬化させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
プリプレグ(R−1661、パナソニック電工(株)製、厚み0.2mm)を揉み解すことにより、粉末状の樹脂を基材から分離した。得られた粉末状の樹脂から、後述の内層用回路板のスルーホールの直径の80%以下の粒径のものを篩により分級し、穴埋め樹脂を得た。
<実施例1>
プリプレグ(R−1661、パナソニック電工(株)製、厚み0.2mm)を揉み解すことにより、粉末状の樹脂を基材から分離した。得られた粉末状の樹脂から、後述の内層用回路板のスルーホールの直径の80%以下の粒径のものを篩により分級し、穴埋め樹脂を得た。
一方、次のようにして多層プリント配線板を製造した。両面銅張積層板(R−1766、パナソニック電工(株)製、樹脂厚み1.4mm、銅箔厚み105μm/105μm)に、ドリルで貫通穴を開け、その後貫通穴の側面に銅めっき処理を施して、直径300μm、アスペクト比5.4のスルーホールを50個形成した。
そして両面銅張積層板の両面の銅箔をエッチング処理して内層回路を形成し、内層用回路板を得た。内層回路は、熱サイクル試験用のデイジーチェーン回路とした。
次に、内層用回路板の下面にプリプレグ(R−1661、パナソニック電工(株)製、厚み0.2mm)、および銅箔(厚み35μm)を配置した後、内層用回路板の上面に穴埋め樹脂を振り撒き微振動を与えることで、スルーホールに穴埋め樹脂を充填した。
次に、内層用回路板の上面の余分な穴埋め樹脂を除去し、その後、内層用回路板の上面にプリプレグ(R−1661、パナソニック電工(株)製、厚み0.2mm)、および銅箔(厚み35μm)を配置し、通常の条件にて加熱加圧成形した。その後、外層の銅箔をエッチング処理により回路形成して多層プリント配線板を得た。
<実施例2>
次のようにして多層プリント配線板を製造した。両面銅張積層板(R−1766、パナソニック電工(株)製、樹脂厚み1.4mm、銅箔厚み105μm/105μm)に、ドリルで貫通穴を開け、その後貫通穴の側面に銅めっき処理を施して、直径300μm、アスペクト比8.1のスルーホールを50個形成した。
<実施例2>
次のようにして多層プリント配線板を製造した。両面銅張積層板(R−1766、パナソニック電工(株)製、樹脂厚み1.4mm、銅箔厚み105μm/105μm)に、ドリルで貫通穴を開け、その後貫通穴の側面に銅めっき処理を施して、直径300μm、アスペクト比8.1のスルーホールを50個形成した。
次に、実施例1と同様にして得た穴埋め樹脂を加熱溶融して液状とし、これをスクリーン印刷機を用いて両面銅張積層板のスルーホールの位置にスクリーン印刷し、穴埋め樹脂をスルーホールに充填した。
次に、両面銅張積層板の表面を研磨処理して平滑化した。そして両面銅張積層板の両面の銅箔をエッチング処理して内層回路を形成し、内層用回路板を得た。内層回路は、熱サイクル試験用のデイジーチェーン回路とした。
次に、内層用回路板の両面にプリプレグ(R−1661、パナソニック電工(株)製、厚み0.2mm)、および銅箔(厚み35μm)を配置し、通常の条件にて加熱加圧成形した。その後、外層の銅箔をエッチング処理により回路形成して多層プリント配線板を得た。
<比較例1>
内層用回路板のスルーホールに穴埋め樹脂を充填しなかった以外は、実施例1と同じ条件で多層プリント配線板を得た。
<比較例2>
実施例1において、穴埋め樹脂に代えて市販の樹脂粉末を内層用回路板のスルーホールに充填した。それ以外は実施例1と同じ条件で多層プリント配線板を得た。
<比較例1>
内層用回路板のスルーホールに穴埋め樹脂を充填しなかった以外は、実施例1と同じ条件で多層プリント配線板を得た。
<比較例2>
実施例1において、穴埋め樹脂に代えて市販の樹脂粉末を内層用回路板のスルーホールに充填した。それ以外は実施例1と同じ条件で多層プリント配線板を得た。
実施例および比較例の多層プリント配線板について次の評価を行った。
[穴埋め性]
多層プリント配線板のスルーホールの断面を顕微鏡にて観察し、スルーホール内の樹脂の充填状態を確認した。スルーホール内に樹脂が完全に充填されている場合を○、スルーホール内に空隙がある場合を×として評価した。
[熱サイクル試験]
多層プリント配線板を、−65℃/30分と125℃/30分の条件で1000サイクルの熱サイクルにかけ、熱サイクル後の多層プリント配線板のデイジーチェーン回路の故障率を評価した。
[穴埋め性]
多層プリント配線板のスルーホールの断面を顕微鏡にて観察し、スルーホール内の樹脂の充填状態を確認した。スルーホール内に樹脂が完全に充填されている場合を○、スルーホール内に空隙がある場合を×として評価した。
[熱サイクル試験]
多層プリント配線板を、−65℃/30分と125℃/30分の条件で1000サイクルの熱サイクルにかけ、熱サイクル後の多層プリント配線板のデイジーチェーン回路の故障率を評価した。
評価結果を表1に示す。
表1より、多層プリント配線板のスルーホールを、ビルドアップ層のプリプレグと同じプリプレグを揉み解すことにより得た穴埋め樹脂で充填した実施例1、2では、スルーホールが穴埋めされており、熱サイクル試験において回路の故障は見られなかった。
一方、多層プリント配線板のスルーホールに樹脂を充填しなかった比較例1では、スルーホールが穴埋めされず空隙が残り、一部のサンプルに熱サイクル試験において回路の故障が発生した。
また、多層プリント配線板のスルーホールを市販の樹脂で充填した比較例2では、スルーホールは穴埋めされたが、一部のサンプルにおいて、ビルドアップ層の樹脂とスルーホール内の樹脂との熱膨張挙動の相違によりスルーホールが熱衝撃を受けて回路が破断し、熱サイクル試験において回路の故障が発生した。
<実施例3>
次のようにして多層プリント配線板を製造した。両面銅張積層板(R−1766、パナソニック電工(株)製、樹脂厚み0.1mm、銅箔厚み12μm/12μm)の両面の銅箔をエッチング処理して、部品実装用のパッドを含む内層回路を形成し、内層用回路板を得た。
<実施例3>
次のようにして多層プリント配線板を製造した。両面銅張積層板(R−1766、パナソニック電工(株)製、樹脂厚み0.1mm、銅箔厚み12μm/12μm)の両面の銅箔をエッチング処理して、部品実装用のパッドを含む内層回路を形成し、内層用回路板を得た。
次に、この内層用回路板に部品としてチップのサイズが15mm×15mmのBGAパッケージを内層回路のパッドに実装した。
一方、プリプレグ(R−1661、パナソニック電工(株)製、厚み0.2mm)の内層用回路板の部品が実装された位置に対応する位置をパンチによりくり抜いて、サイズ18mm×18mmの開口部を形成した。
次に、内層用回路板の上に、開口部が形成されたプリプレグを積層し、内層用回路板の部品をプリプレグの開口部に挿入した。
次に、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に、実施例1と同様にして得た穴埋め樹脂を振り撒き微振動を与えることで、穴埋め樹脂を充填し、余分な穴埋め樹脂を除去した。
次に、内層用回路板に積層されたプリプレグの上面に銅箔(厚み12μm)を配置し、通常の条件にて加熱加圧成形した。その後、外層の銅箔をエッチング処理により回路形成して多層プリント配線板を得た。
<実施例4>
実施例3において、プリプレグの開口部のサイズを20mm×20mmとした。それ以外は実施例3と同じ条件で部品内蔵の多層プリント配線板を得た。
<実施例5>
実施例3において、プリプレグの開口部のサイズを24mm×24mmとした。それ以外は実施例3と同じ条件で部品内蔵の多層プリント配線板を得た。
<比較例3>
内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に穴埋め樹脂を充填しなかった以外は、実施例3と同じ条件で多層プリント配線板を得た。
<比較例4>
比較例3において、プリプレグの開口部のサイズを20mm×20mmとした。それ以外は比較例3と同じ条件で部品内蔵の多層プリント配線板を得た。
<比較例5>
比較例3において、プリプレグの開口部のサイズを22mm×22mmとした。それ以外は比較例3と同じ条件で部品内蔵の多層プリント配線板を得た。
<実施例4>
実施例3において、プリプレグの開口部のサイズを20mm×20mmとした。それ以外は実施例3と同じ条件で部品内蔵の多層プリント配線板を得た。
<実施例5>
実施例3において、プリプレグの開口部のサイズを24mm×24mmとした。それ以外は実施例3と同じ条件で部品内蔵の多層プリント配線板を得た。
<比較例3>
内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に穴埋め樹脂を充填しなかった以外は、実施例3と同じ条件で多層プリント配線板を得た。
<比較例4>
比較例3において、プリプレグの開口部のサイズを20mm×20mmとした。それ以外は比較例3と同じ条件で部品内蔵の多層プリント配線板を得た。
<比較例5>
比較例3において、プリプレグの開口部のサイズを22mm×22mmとした。それ以外は比較例3と同じ条件で部品内蔵の多層プリント配線板を得た。
実施例および比較例の多層プリント配線板について次の評価を行った。
[穴埋め性]
多層プリント配線板に内蔵された部品の周囲の断面を顕微鏡にて観察し、部品の周囲における樹脂の充填状態を確認した。部品の周囲に樹脂が完全に充填されている場合を○、部品の周囲に空隙がある場合を×として評価した。
[成形後の表面平坦性]
多層プリント配線板に内蔵された部品の上方における多層プリント配線板の厚み方向の凹みを測定した。
[穴埋め性]
多層プリント配線板に内蔵された部品の周囲の断面を顕微鏡にて観察し、部品の周囲における樹脂の充填状態を確認した。部品の周囲に樹脂が完全に充填されている場合を○、部品の周囲に空隙がある場合を×として評価した。
[成形後の表面平坦性]
多層プリント配線板に内蔵された部品の上方における多層プリント配線板の厚み方向の凹みを測定した。
評価結果を表2に示す。
表2より、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に、ビルドアップ層のプリプレグと同じプリプレグを揉み解すことにより得た穴埋め樹脂を充填した実施例3〜5では、部品の周囲が穴埋めされており、部品の上方における多層プリント配線板の凹みも見られなかった。
一方、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に穴埋め樹脂を充填しなかった比較例3〜5では、部品の周囲が穴埋めされず空隙が残り、部品の上方において多層プリント配線板の凹みが見られた。
Claims (14)
- 多層プリント配線板の製造時において内層用回路板のスルーホールまたは内層回路間に充填される穴埋め樹脂であって、樹脂を基材に塗布または含浸し乾燥して半硬化したプリプレグを揉み解すことにより、粉末状として基材から分離したものであることを特徴とする穴埋め樹脂。
- 内層用回路板に、プリプレグおよび金属箔、樹脂シートおよび金属箔、または樹脂付き金属箔を積層し加熱加圧成形する工程を逐次行うことにより製造される多層プリント配線板であって、多層プリント配線板のスルーホールまたは内層回路間に請求項1に記載の穴埋め樹脂が充填されていることを特徴とする多層プリント配線板。
- 穴埋め樹脂が、多層プリント配線板の製造に用いられる内層用回路板、プリプレグ、樹脂シート、または樹脂付き金属箔と同一組成の樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の多層プリント配線板。
- 穴埋め樹脂を得るためのプリプレグが、多層プリント配線板の製造に用いられるプリプレグと同一のものであることを特徴とする請求項2または3に記載の多層プリント配線板。
- 穴埋め樹脂を充填する内層用回路板の内層回路厚みが100μm以上であることを特徴とする請求項2ないし4いずれか一項に記載の多層プリント配線板。
- 内層用回路板のスルーホールに請求項1に記載の穴埋め樹脂を充填する工程と、内層用回路板に、プリプレグおよび金属箔、樹脂シートおよび金属箔、または樹脂付き金属箔を積層し加熱加圧成形する工程とを含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
- 穴埋め樹脂の粒径が、穴埋め樹脂を充填するスルーホールの直径の80%以下であることを特徴とする請求項6に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 部品を内蔵する多層プリント配線板の製造時において、部品が実装された内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグを積層した後、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に充填される穴埋め樹脂であって、樹脂を基材に塗布または含浸し乾燥して半硬化したプリプレグを揉み解すことにより、粉末状として基材から分離したものであることを特徴とする穴埋め樹脂。
- 部品が実装された内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグおよび金属箔を積層し加熱加圧成形する工程により部品を内蔵した多層プリント配線板であって、内層用回路板の部品の周囲に請求項8に記載の穴埋め樹脂が充填されていることを特徴とする多層プリント配線板。
- 穴埋め樹脂が、多層プリント配線板の製造に用いられる内層用回路板またはプリプレグと同一組成の樹脂であることを特徴とする請求項9に記載の多層プリント配線板。
- 穴埋め樹脂を得るためのプリプレグが、多層プリント配線板の製造に用いられるプリプレグと同一のものであることを特徴とする請求項9または10に記載の多層プリント配線板。
- 部品が実装された内層用回路板に、内層用回路板の部品が実装された位置に対応して開口部が形成されたプリプレグを積層する工程と、内層用回路板の部品とプリプレグの開口部との隙間に請求項8に記載の穴埋め樹脂を充填する工程と、プリプレグの上に金属箔を積層し加熱加圧成形する工程とを含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
- 穴埋め樹脂が、多層プリント配線板の製造に用いられる内層用回路板またはプリプレグと同一組成の樹脂であることを特徴とする請求項12に記載の多層プリント配線板の製造方法。
- 穴埋め樹脂を得るためのプリプレグが、多層プリント配線板の製造に用いられるプリプレグと同一のものであることを特徴とする請求項12または13に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009126853A JP2010278079A (ja) | 2009-05-26 | 2009-05-26 | 穴埋め樹脂とそれを用いた多層プリント配線板ならびにその製造方法 |
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CN107734835A (zh) * | 2017-11-14 | 2018-02-23 | 惠州市兴顺和电子有限公司 | 线路板塞孔压合结构及压合方法 |
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2009
- 2009-05-26 JP JP2009126853A patent/JP2010278079A/ja active Pending
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