JP2010273980A - 椅子の座又は背もたれ - Google Patents

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正嗣 藤江
Yutaka Takeuchi
裕 竹内
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Abstract

【課題】ウォータクッションを使用した座において着座者の身体安定性や自然な感触を確保しつつ、廃棄後の環境負荷も低減する。
【手段】座は、樹脂製のインナーシェル1とウォータクッション2と弾性材製の第2クッション体3とから成っている。ウォータクッション2は堰体9〜12,16〜18と室20〜23とを有して凹凸の外観を呈している。インナーシェル1にはウォータクッション2と嵌り合うように凸部26と凹部27とが形成されている。インナーシェル1に対するウォータクッション2の座りが良いことと、ウォータクッション2の凹凸が身体に反映されないこととにより、身体の安定性が高い。第2クッション体3は中空ポリエステル繊維を素材とした不織布を使用できるため、リサイクルが容易で廃棄後の環境負荷が小さい。
【選択図】図2

Description

本願発明は、椅子の座又は背もたれに関するものである。
椅子の座及び背もたれには様々な構造のものがあるが、事務用椅子を見ると、樹脂製の基板(インナーシェル)の表面にクッション体を重ね配置した構造のものが多い。敢えて述べるまでもないが、クッション体はクロス等の表皮材で覆われている。また、クッション体としては一般にウレタンが多用されている。ウレタンは身体への当たりの柔らかさを確保するという点では優れているが、圧縮によって弾性変形するに過ぎないため、弾性クッションのみでは身体の凹凸へのフィット性は必ずしも十分でない場合がある。
座を例に取ると、クッション性を向上させるための1つの方策として、樹脂製の座板(座インナーシェル)を体圧で沈み込み変形させることが行われており、その一例として本願出願人の出願に係る特許文献1には、座板のうち特に着座者の座骨が当たる部分を中心にした箇所に多数のスリットを形成することが開示されている。
他方、主としてフィット性という点から、柔軟な袋体の内部に水を充填したウォータクッションを座や背もたれに適用することも提案されている。水(液体)は自在に形が変化するが体積は変化しない特性を持っており、ウォータクッションはこの水の特性によって人の身体に倣って変形するようになっており、このためフィット性に優れている。
しかし、外周を封止しただけの袋体に水を充填したに過ぎないウォータクッションでは、着座時に水が瞬間的に移動して着座時の緩衝機能が低いのみならず、身体の僅かな動きで水が過敏に動くため着座者の身体がユラユラ動く現象が生じて安定性に欠けるという問題点があった。
そこで、袋体の内部を複数の領域に区分することが提案されており、その例として特許文献2には、座用のウォータクッションにおいて、袋体を前後方向に延びる堰体と略左右方向に延びる堰体との群で複数の領域に区分し、各領域をオリフィス部で連通させて水の流れを制御することが開示されている。また、特許文献2には、ウレタン等の弾性材からなる弾性クッションをウォータクッションに重ねて使用することも開示されている。
特開2000−93250号公報 特開2008−43429号公報
ウォータクッションのような流体クッションを特許文献2の構成にすると、隣り合った領域がオリフィス部を介して連通していることによって着座時の瞬間的な水の移動が規制されるため、着座時の緩衝性(クッション性)を高めることができ、更に、臀部支持領域が独立していることで臀部のホールド性が高くなるため、単に周囲のみを溶着したものに比べると姿勢の安定性とフィット性とを向上できる。
他方、ウォータクッションに弾性クッションを重ねて使用すると、ウォータクッションの冷たさを遮断できる利点や、違和感のない感触を得ることができる利点、或いは見た目も良くなるといった利点があるが、ウレタン製のクッションは弾力性や耐久性に優れているものの、廃棄後はリサイクルが困難で焼却せざるを得ないため環境負荷が大きいという問題や通気性に劣るという問題があった。
また、ウォータクッションは堰体を設けると必然的に凹凸ができることになり、このため、全体にわたって等しい厚さの弾性クッションを使用すると、ウォータクッションの凹凸がそのまま弾性クッションに反映されてしまって着座者に違和感(突き上げ感)を与えることがあった。
更に、例えば座を例にとると、従来は、座板(インナーシェル)はスリットのような穴の存在は別にして基本的には凹凸がない平滑面になっていてこれに凹凸のあるウォータクッションが載る構造になっているため、非着座状態ではウォータクッションのうち堰体とその近傍部は座板から浮いた状態になり、すると、着座によってある領域が押し潰されると他の領域は膨れる傾向を呈することになって「座りが悪い」という現象が生じ、その結果、着座によってウォータクッションの凹凸がより顕著に表れてこれが身体の突き上げ感を招来していると懸念される。
更に述べると、着座者の身体の安定性を考察する場合、座を例にとると、座板に対するウォータクッションの安定性の問題とウォータクッションに対する身体の安定性との問題との2つの問題を検討せねばならないが、従来は、座とウォータクッションとの関係には特段の注意は払われていなかったと言える。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、ウレタンを使用することなくこれを凌駕するクッション性・フィット性が確保された座又は背もたれを提供することを第1の主目的とする。更に本願発明は、座板等の基板とクッション体との好適な関係を提供することを第2の主目的としており、この第2の主目的は、第1の主目的と一体のもとして又は独立したものとして本願で開示されている。
本願発明は椅子の座又は背もたれに係り、この座又は背もたれは、着座者の体圧を支える強度メンバーとしての基板と、前記基板の体圧支持面に重なった第1クッション体と、前記第1クッション体に重なった第2クッション体とを備えている。そして、請求項1の発明では、前記第1クッション体は、表裏シートから成る柔軟な袋体の内部に流体が充填された流体クッションである一方、前記第2クッション体は、ポリエステル製の無数の中空化繊を絡み合わせて互いの交絡部を溶着している不織布が使用されている。
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1クッション体の内部には表裏シートを溶着して形成された堰体が配置されており、このため前記第1クッション体は凹凸の外観を呈している一方、前記基板には、前記第1クッション体が全体的に又は部分的に嵌まり込む凹所が形成されている。
請求項3の発明は、前記第1クッション体は面的な広がりと厚さ方向との両方において基板の凹所に全体的に嵌まり込んでおり、このため、着座前の状態において、前記第1クッション体のうち第2クッション体と重なる表面部は凹凸が殆どないか又は裏面よりは遙かに小さい高低差の凹凸になっており、更に、前記第2クッション体は全体にわたって厚さが等しい板状になっている。請求項4の発明は、請求項1〜3のうちの何れかにおいて、前記基板のうち少なくとも体圧が強く掛かる部分を、着座者の体圧によって膨出変形し得る変形許容部と成している。
さて、ウレタンは原料を型に充填して発泡・架橋させることで多孔質構造になるが、気泡が独立しているため通気性に劣る。他方、無数の繊維が絡まった構造体として不織布があり、これは通気性に優れている。しかし、化繊を素材にした通常の不織布は耐久性に劣っていて「へたり」が生じやすいと共に弾力性も高くないのが実情である。
他方、ポリエステルの中空繊維を素材とした不織布が開発されており、この中空ポリエステル繊維製不織布を椅子のクッション体に適用すると、ポリエステルは再利用が容易であるため廃棄後の処理に要する環境負荷が小さいという利点や、繊維を中空構造にすることで耐久性や弾力性も向上できる利点があると言える。しかし、中空ポリエステル繊維製不織布は他の不織布に比べると耐久性・弾力性は高いがウレタンに対しては劣っており、このため、椅子の座用クッション体のように大きな荷重が作用する箇所に使用する場合は、ウレタン製に単に置き換えできるとは言い難いのが実情である。
これに対して本願発明では、不織布製クッション体は単独ではなく第1クッション体たる流体クッションと併用するものであるため、ポリエステル製不織布の問題である耐久性・弾力性は流体クッションでカバーすることができ、かつ、流体クッションのみを単独で使用した場合に生じる可能性がある安定性の欠如や違和感等の問題も解消又は著しく改善できる。従って請求項1の発明によると、流体クッションを使用することによる高いフィット性・クッション性は確保しつつ、廃棄後の環境負荷を抑制した状態で、通気性を向上できる利点や安定性を向上できる利点、或いは身体に対する違和感のない自然な感触を確保できる利点を享受できるのである。
流体クッションの内部に堰を設けて流体の流れを制御する構造にすると、違和感のない自然な感触を得ることができると共に安定性も向上できる利点があるが、請求項2の構成を採用すると流体クッションはその全体にわたって基板に密着した状態が保持されるため、基板に対する流体クッションの「座り」が良くなり、その結果、第2クッション体をさほど厚くしなくても人の身体を安定的に支持できる。
更に述べると、流体クッションに複数の領域があって凹凸形状になっている一方で基板が平滑であると、流体クッションは体圧で部分的に押圧されると自在に変形することになり、このため流体クッションが過剰に変形して身体が不安定になるのであるが、請求項2の発明では流体クッションは基板の凹所に部分的又は全体的に嵌まっていることで変形が抑制されているため、流体クッションの凹凸が人の身体にダイレクトに伝わることを防止するために第2クッション体を分厚くする必要がないのであり、しかも、基板の凹みを身体の丸みに合わせることで安定性をより一層向上できるである。
流体クッション(第1クッション体)は面的な広がりと厚さ方向の広がりとを持っているが、請求項2の発明の「部分」「全体」はそれぞれ面的な広がりと厚さ方向の広がりとの両方を含んでいる。すなわち、全面にわたって基板の凹所に嵌まり込でいる場合と一部の面積において基板の凹所に嵌まり込んでいる場合、及び、厚さ方向の全体にわたって基板の凹所に嵌まり込んでいる場合と厚さ方向の一部が基板の凹所に嵌まり込んでいる場合とを含んでおり、従って、「全面+全厚」「全面+部分厚」「部分面積+全厚」「部分面積+部分厚」の4つのパタ−ンを含んでいる。
そして、請求項3の発明は第2クッション体が「全面+全厚」の範囲で基板の凹所に嵌まっているため、第2クッション体を等厚の板状(シート状と呼んでもよい)に形成しても身体が部分的に突き上げられるような現象は生じない。従って、第2クッション体には特段の加工を施す必要は無いのであり、それだけコストダウンを図ることができる。
請求項4のように基板に変形許容部を設けると、流体クッション(第1クッション体)をできるだけ薄い構造にしつつ(換言すると容積を小さくしつつ)高いクッション性を確保できるため、身体安定性の更なる向上や流体クッションの薄型化による耐久性の向上を図ることができる。
実施形態を示す図で、(A)は座の破断平面図、(B)は座板の平面図である。 (A)は図1(A)のIIA-IIA 視断面図、(B)は図1(A)のIIB-IIB 視断面図、(C)は別例図である。 (A)は第2クッション体の材料の部分斜視図、(B)〜(D)は第2〜第4実施形態及び参考例を示す図である。 第5〜第7実施形態及び参考例を示す図である。 参考例を示す図で、(A)は第3参考例の縦断側面図、(B)は第4参考例の縦断側面図、(C)は(B)は第5参考例の縦断正面図である。
次に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は座に適用している。なお、以下の説明で、方向を特定する用語として「前後」「左右」の文言を使用するが、この文言は着座した人を基準にしている。
(1).第1実施形態の構造
座は樹脂製のインナーシェル(座板)1を備えており、インナーシェル1の上面に、第1クッション体として流体クッションの一例としてのウォータクッション2が配置されており、かつ、ウォータクッション2の上面には弾性材製の第2クッション体3が重ね配置されている。第2クッション体3の表面はクロス等の張り地(図示せず)で覆われている。インナーシェル1は支持手段に取り付けるためのキャッチ部を有するが、本実施形態では省略している。
図1に示すように、座は平面視で略四角形に近い形状になっており、このため、座1は左右2つのフロントコーナ部4と左右二つのリアコーナ部5とを有している。両コーナ部4,5は丸みを帯びている。図2(A)に示すように、インナーシェル1は人の身体にフィットするように正面視では上向き凹状になっており、かつ、図2(B)に示すように、前部は着座者の大腿部を突き上げないように下向きに曲がっている。インナーシェル1は、例えばポリプロピレンのような樹脂を素材にした射出成形法で製造されている。
ウォータクッション2は、上下シート6,7を溶着して構成された袋体の内部に水を充填した基本構造になっている(図面では水には符号は付していない。)。上下シート6,7はEVA樹脂のような強靱な不透水性樹脂からなっており、熱盤による溶着や高周波又は超音波を用いた溶着などで周囲をライン状に接合することで袋体と成されている。なお、袋体2は上下対称及び左右対称の形状になっていて上下左右の方向性はない。従って、シート6,7に関する上下の区分は説明の便宜のためのものである。水には不凍液のような補助成分を添加することがあるが、本願では、何らかの成分が添加された混合水も単に水と称している。
ウォータクッション2を構成する袋体の外周の溶着部を符号8で示している。ウォータクッション2のうち左右側部の略前半部には、外周の溶着部8の外側に広がる余白部9が存在している。余白部9は手前側に行くに従って左右幅が大きくなっている。敢えて述べるまでもないが、余白部9はなくてもよい。
袋体の内部は、上下シート6,7を溶着して形成された複数の堰体によって複数のエリアに区分されている。まず、左右中間部には、前後方向に長く延びる主センター堰体10と、その手前に配置された前部センター堰体11と、主センター堰体10の後ろに配置された後部センター堰体12とが形成されており、これらのセンター堰体10,11,12で袋体は左右のエリアに大きく区分されている。前部センター堰体11の手前には、外周シール部9と一体になって後ろ向きに突出した補助センター堰体13が形成されている。隣り合ったセンター堰体10〜13の間と後部センター堰体12の後ろとはセンターオリフィス部14になっており、水はセンターオリフィス部14を介して左右のエリアに自在に移動できる。
主センター堰体10は上下シート6,7を環状に溶着することで形成されている。本実施形態のウォータクッション2はインナーシェル1に固定する必要はないが、インナーシェル1に固定することも可能である。固定する場合は、主センター堰体10の箇所や余白部9を固定部に利用したらよい。
袋体における左右2のエリアには、袋体の手前側寄りに配置した第1サイド堰体16、その後ろに配置した第2サイド堰体17、その後ろに配置した第3サイド堰体18の3本の堰体が形成されている。第1サイド堰体16と第2サイド堰体17とは袋体の手前側にずれて配置されており、左右外側に行くに従って後ろにずれるように平面視げ傾斜又は湾曲している。他方、第3サイド堰体16は着座者の座骨を囲うように平面視で主センター堰体10に向けて凹状(或いは外向き凸状)に形成されている。
サイド堰体16〜18の群とセンター堰体10〜13との間にはサイドオリフィス部19が空いている。そして、袋体の内部は、第3サイド堰体18と主センター堰体10とで囲われた第1室20、その手前に配置された3つの前室21、第1室20の後ろに位置したリア室22、サイド堰体16〜18の群の左右外側に位置したサイド室23とに区分されている。敢えて述べるまでもないが、上記の区分構造は一例であり、他の様々な区分構造を採用できる。また、本願発明は内部を区分していない(従って堰体を有しない)ウォータクッションも使用できるのである。
ウォータクッション2は、その内部に堰体の群を形成したことにより、各室が上下に突出して堰体の箇所が凹んだ凹凸の形態になっている。そして、インナーシェル1は、各堰体10〜13,16〜18に対応したセンター凸部24及びサイド凸部25と、ウォータクッション2の各室20〜23が嵌まり込む凹部26とを有しており、このためインナーシェル1はウォータクッション2と嵌まり合う凹凸形状になっている。そして、インナーシェル1における各凹部26の深さをこれに嵌まるウォータクッション2の室の厚さに揃えることにより、ウォータクッション2の全体がインナーシェル1における凹部26の群に嵌まり込むように設定している。
(2).第1実施形態のまとめ
ウォータクッション2の堰体は上下のシート6,7を溶着することで形成されるので、無負荷状態では各堰体(及び外周シール部8)は袋体の厚さ方向の中間部に位置するのが一般的であるが、インナーシェル1における各凹部26の深さがウォータクッション2の室の厚さと略同じであるため(換言すると、インナーシェル1の凸部24,25の高さがウォータクッション2の室の高さと略同じであるため)、ウォータクッション2の各堰体と外周シール部8とは上側にずりあがった状態になっており、その結果、ウォータクッション2の上面は凹凸が殆どない平滑に近い状態になっている。
そして、上面が平滑に近い状態になっているウォータクッション2に第2クッション体3を重ねているため、第2クッション体3は全体にわたって等厚の板状であってもウォータクッション2の凹凸を身体に感じることはないのである。第2クッション体3は、ポリエステル製の無数の中空化繊を絡み合わせて互いの交絡部を溶着した構造であり、成形することも可能であるが、図3(A)に示す原反3′を打ち抜いてそのまま使用できる。
図2では第2クッション体3を従来のウレタン製クッションと同じ程度の厚さに表示しているが、図3(A)に示すようなシート状の材料を使用することにより、従来の半分程度の厚さにすることが可能になる。なお、インナーシェル1を凹凸形状にした点を主たる特徴として捉えると第2クッション体3の材質に限定はなくなり、この場合は第2クッション体3として従来のウレタンも使用できる(この点は他の実施形態も同じである。)。
人が着座すると、一般には主室20に大きな押圧力が作用し、その結果、主室20の容積が減少して水は他の室に流れ移動する。この水の移動によって袋体が変形して人の身体にフィットする。そして、本実施形態では、ウォータクッション2はインナーシェル1の凹部26に嵌まり込んでいるため「座り」が良い状態になっており、このため身体を安定的に支持できる。また、インナーシェル1の凹部26のうち主室20に対応した部分に着座者の臀部が嵌まるような状態になるため、凹部26は着座者の姿勢安定機能も有しており、その結果、身体の安定性をより一層向上できる。
なお、着座前の状態ではインナーシェル1の凸部24,25の箇所にはウォータクッション2の水層は存在しないが、着座によってウォータクッション2の主室20に押圧力がかかると主室20の水が他の室に移動し、これによって他の室は膨れあがるので、インナーシェル1の凸部24,25の箇所が第2クッション体を介して身体に突き上げ感として作用することはない。このため、第2クッション体3はできるだけ薄型化できる。
インナーシェル1にウォータクッション2の第3サイド堰体18に対応してサイド凸部25を設けるに当たって、図2(C)に変形例として示すように、第3サイド堰体18の後部18aに対応した部分は凸部25を設けない構成とすることも可能である。このように構成すると、体格の大きい人が着座しても凸部25の感触が伝わることはない。
(3).他の実施形態
図3(B)以下では他の構造を例示している。このうち図3(B)に示す第2実施形態は、ウォータクッション2における左右の領域を前後4つの室27,28,29,30に区分してオリフィス部で連通させた場合において、インナーシェル1の凹部26の深さ(或いは凸部24,25の高さ)をウォータクッション2がその厚さ方向の半分程度嵌まる寸法に設定し、更に、第2クッション体3の下面にはウォータクッション2の各室27〜30と嵌合する下向き凹所31を形成している。
なお、第2クッション体3に凹所31を形成していると表現することに代えて、第2クッション体3にウォータクッション2の堰体に嵌まり合う突起を形成していると表現したり、第2クッション体3の下面をウォータクッション2に嵌合するように凹凸形状に形成していると表現したりすることも可能である。
この第2実施形態では、水層がインナーシェル1の仮想上面の上方にはみ出た状態になっているため、着座者がインナーシェル1の凸部24,25を感じるような不具合は皆無となり、しかも、第2クッション体3の下面にはウォータクッション2の押圧力が均等に作用するため、着座者がウォータクッション2の凹凸を感じることもない。
図3(C)に示す第3実施形態では、ウォータクッション2の内部を後部室32と前後2つの前部室33とに分けてオリフィス部によって連通した場合において、前部室33の厚さ(深さ)よりも後部室32の厚さを厚くして、2つの前部室33はその全体をインナーシェル1の凹部26に嵌め込み、後部室32は厚さの半分程度を凹部26から上向きに突出させている。また、第2クッション体3には、ウォータクッション2の後部室28が嵌まる凹所31を形成している。
図3(D)に示す第4実施形態では、ウォータクッション2と第2クッション体3との間に中間シート34を介在せしめ、中間シート34にウォータクッション2の各室が嵌まる穴35を空けており、これにより、第2クッション体3に凹所31を形成したのと同等の効果を得ている。この第4実施形態は、第2クッション体3及び中間シート34とも等厚の原反を使用できるためコスト面で有利である。中間シート34を複数枚使用することも可能である。また、中間シート34は不織布のような多孔質軟質材や樹脂シートなど各種のものを使用できる。
図4(A)に示す第5実施形態では、座の後半部のみにウォータクッション2を配置して、インナーシェル1にはウォータクッション2の全体が嵌まる凹部26を形成している。第2クッション体3は全体にわたって等厚に形成している。図4(B)に示す第6実施形態は第5実施形態の変形例であり、インナーシェル1の凹部の深さをウォータクッション2の厚さの半分程度に設定し、第2クッション体3にはウォータクッション2が嵌まる凹所31(或いは凹凸)を形成している。
図4(C)に示す第7実施形態は第2実施形態の変形例であり、インナーシェル1のうち着座者の臀部が載る部分を、着座者の体圧で下向きに沈み込み変形するような変形許容部1aと成している。着座者の体圧で下向きに沈み込み変形させることは、特許文献1のように多数のスリットを形成することで実現できる。そして、多数のスリットを形成した場合にウォータクッション2を構成する袋体が悪影響を受けることを防止するためには、ウォータクッション2とインナーシェル1との間に、PET樹脂製のシートのような撓み変形自在でかつある程度の腰がある補助シート36を介在させたらよい。
(4).参考例
図4(D)(E)に示すのは参考例である。このうち図4(D)に示す第1参考例は、インナーシェル1は平滑に形成されていてウォータクッション2を非流体式の第2クッション体3及び第3クッション体37で上下から挟み、かつ、第2クッション体3と第3クッション体37とにウォータクッション2が嵌まる凹所31を形成している。この参考例でもウォータクッション2は座りが良くて身体の安定性に優れている。
図4(E)に示す第2参考例では、インナーシェル1のうち着座者の臀部が載る部分に下向きの凹部26を形成して、クッション体37には凹部26に嵌まる下向き凸部37aを形成している。インナーシェル1の凹部26は、スリットを形成する等して一点鎖線で示すように体圧で沈み込み変形する構造とするのが好ましい。
図5では、インナーシェル1の一部のみを覆う部分クッション体2′を形成して、これをインナーシェル1の凹部26に嵌め込んだ実施形態を示している。この場合、部分クッション体2′の材質や構造には限定はなく、流体クッションでもよいしウレタン等の弾性体性クッションでもよい。部分クッション体2′は露出させたままでもよいし、クロス等の表皮材で覆ってもよい。
そして、図5(A)に示す第3参考例では、インナーシェル1のうち着座者の臀部が載る後部のみに凹部26を形成して、この凹部26のみに部分クッション体2′を配置している。凹部26と部分クッション体2′とは左右に分離していてもよいし、左右に一連に連続していてもよい。凹部26は左右に分離して部分クッション体2′は一連に連続した形態と成すことも可能である。部分クッション体2′は実線で示す状態ではインナーシェル1から上向きに突出しているが、一点鎖線で示すようにインナーシェル1と同一面を成すように設定したり、二点鎖線で示すようにインナーシェル1の表面から凹む状態に形成したりすることも可能である。
図5(B)の第4参考例では、実線で示す状態では凹部26を前端部と後部との前後2箇所に形成している。一点鎖線で示すように前後3箇所に形成することも可能である。もちろん、前後方向にずれた4箇所以上の部位に設けることも可能である。各凹部26と各部分クッション体2′とを左右に連続させたり分断らせたりすできることは第3参考例と同じである。図5(C)の第5参考例ではインナーシェル1に左右の凹部26を分離して設け、各凹部26にそれぞれ独立した状態でクッション体2′を配置している。
(5).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、座は必要に応じて様々な平面視形状を選択できる。また、本願発明でいう椅子にはベンチやソファーなど各種のものが含まれる。流体クッションの流体としては水の他にオイルやゲル状物質など様々なものを使用できる。空気を使用することも可能である。また、本願発明は椅子の背もたれ及び他の身体支持具にも適用できる。
本願発明は椅子の座及び背もたれに適用してその有用性を発揮できるのもであるから、産業上利用できる。
1 基板の一例としての座のインナーシェル
2 流体クッションの一例としてのウォータクッション
3 第2クッション体
6,7 ウォータクッションの袋体を構成するシート
8 ウォータクッションの外周シール部
10〜13,16〜18 堰体
14,19 オリフィス部
20〜23,27〜30,32,33 室

Claims (4)

  1. 椅子の座又は背もたれであって、着座者の体圧を支える強度メンバーとしての基板と、前記基板の体圧支持面に重なった第1クッション体と、前記第1クッション体に重なった第2クッション体とを備えており、
    前記第1クッション体は、表裏シートから成る柔軟な袋体の内部に流体が充填された流体クッションである一方、前記第2クッション体は、ポリエステル製の無数の中空化繊を絡み合わせて互いの交絡部を溶着している不織布である、
    椅子の座又は背もたれ。
  2. 前記第1クッション体の内部には表裏シートを溶着して形成された堰体が配置されており、このため前記第1クッション体は凹凸の外観を呈している一方、前記基板には、前記第1クッション体が全体的に又は部分的に嵌まり込む凹所が形成されている、
    請求項1に記載した椅子の座又は背もたれ。
  3. 前記第1クッション体は面的な広がりと厚さ方向との両方において基板の凹所に全体的に嵌まり込んでおり、このため、着座前の状態において、前記第1クッション体のうち第2クッション体と重なる表面部は凹凸が殆どないか又は裏面よりは遙かに小さい高低差の凹凸になっており、更に、前記第2クッション体は全体にわたって厚さが等しい板状になっている、
    請求項2に記載した椅子の座又は背もたれ。
  4. 前記基板のうち少なくとも体圧が強く掛かる部分を、着座者の体圧によって膨出変形し得る変形許容部と成している、
    請求項1〜3のうちの何れかに記載した椅子の座又は背もたれ。
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