JP2010270697A - 燃料噴射量制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インジェクタが経時劣化していることを推定可能な燃料噴射量制御装置を提供する。
【解決手段】インジェクタ22の劣化が進行している可能性があると判定された際に、1つの気筒11に対する燃料噴射を休止し、燃料噴射される残りの気筒11に対して回転速度補正制御(ISC制御)を行う。そして、このISC制御による回転速度補正量Qiscの合計値を、休止している気筒11に対して休止直前に噴射された推定実燃料噴射量Qsであると推定する。さらに、この休止運転を各気筒11に対して順次行い、記憶回路40aに記憶された休止直前に噴射された指令噴射量Qfinと推定実燃料噴射量Qsとを比較して、指令噴射量Qfinと推定実燃料噴射量Qsとの間に乖離がある場合に、インジェクタ22の劣化が進行していると推定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の気筒を有する多気筒型の内燃機関に適用されて、各気筒の燃焼室に噴射される燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御装置に関する。
従来、コモンレールに蓄圧した高圧燃料を、多気筒型のディーゼルエンジン(内燃機関)の各気筒に噴射供給する、いわゆるコモンレール式燃料噴射システムが知られている。この種のコモンレール式燃料噴射システムに適用される燃料噴射量制御装置では、エンジンの運転状態に応じて要求される駆動トルクを発生させるための基本噴射量を制御するとともに、各種の補正制御を行うことでエンジン騒音の低減、燃費向上等を図っている。
例えば、アイドリング運転時には、エンジン回転数を目標回転数に維持するためのアイドリング回転速度補正制御(いわゆるISC補正制御)や気筒毎の回転速度変動を平滑化するため気筒間不均量補正制御(いわゆるFCCB補正制御)等が行われている。さらに、特許文献1では、これらのISC補正制御およびFCCB補正制御を、8気筒のディーゼルエンジンにて精度良く実行するための燃料噴射量制御装置が開示されている。
特開2005−155601号公報
ところで、一般的な燃料噴射量制御装置では、具体的に、上述の各種制御によって各気筒の燃焼室内に噴射する最終的な指令噴射量を算出し、この指令噴射量とコモンレール内の燃料圧力とに基づいて、インジェクタの電磁弁へ駆動電圧を印可する通電時間を決定している。なお、インジェクタはそれぞれの気筒毎に配置されて、電磁弁に駆動電圧が印可されている間に、各燃焼室内へ燃料を噴射するものである。
そして、燃料噴射量制御装置が、通電時間を変化させてインジェクタの開弁時間(噴射時間)を変化させることによって、各燃焼室内に噴射される実際の燃料噴射量を制御している。この際、通電時間と実際の燃料噴射量との相関関係には、個々のインジェクタの機械的精度等によってバラツキが生じ得るが、このバラツキが所定の許容範囲内となるように、インジェクタ単品によって保証されている。
しかしながら、内燃機関を長期間使用していると、インジェクタの機械的摺動部の摩耗や異物の付着等の経時劣化によって、上記のバラツキが許容範囲外となってしまうことがある。換言すると、燃料噴射量制御装置が指令噴射量となるように通電時間を決定しても、インジェクタから噴射される実際の燃料噴射量が、最終的な指令噴射量に対して大きく乖離してしまうことがある。
このような指令噴射量と実際の燃料噴射量との乖離は、エンジン騒音の増大、燃費悪化の原因となるだけでなく、エンジンの運転状態に応じて要求される駆動トルクを発生させることができなくなるという問題を引き起こす原因になる。
上記点に鑑みて、本発明は、インジェクタが経時劣化していることを推定可能な燃料噴射量制御装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、インジェクタの経時劣化が生じても指令噴射量と実際の燃料噴射量との乖離を抑制可能な燃料噴射量制御装置を提供することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、複数の気筒(11)を有する多気筒型の内燃機関(10)に適用され、少なくとも内燃機関(10)の回転数が所定の目標回転数(Nidl)となる運転状態時に、内燃機関(10)に要求される駆動トルクを発生させるために必要な基本噴射量(Q)を決定する基本噴射量決定手段と、複数の気筒(11)毎の回転速度変動を平滑化するように、複数の気筒(11)毎に、基本噴射量(Q)に対する気筒間不均量補正量(Qfccb)を算出する気筒間不均量補正手段と、内燃機関(10)の回転数が目標回転数となるように、複数の気筒(11)一律に、基本噴射量(Q)に対する回転速度補正量(Qisc)を算出する回転速度補正手段とを備え、基本噴射量(Q)、気筒間不均量補正量(Qfccb)および回転速度補正量(Qisc)から算出された指令噴射量(Qfin)に基づいて、複数の気筒(11)のそれぞれに対して燃料を噴射する複数のインジェクタ(22)を順次駆動することによって、複数の気筒(11)に噴射供給される燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御装置であって、
複数の気筒(11)毎の指令噴射量(Qfin)を記憶する指令噴射量記憶手段(40a)と、複数の気筒(11)のうち、1つの気筒(11)に対するインジェクタ(22)の燃料噴射を順次休止させ、燃料噴射される他の気筒(11)に対する回転速度補正量(Qisc)の合計値に基づいて、休止している1つの気筒(11)に対して休止直前に噴射された推定実燃料噴射量(Qs)を推定する気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)とを備えることを特徴とする。
これによれば、気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)を備えているので、休止している1つの気筒に対して休止直前に噴射された推定実燃料噴射量(Qs)を推定することができる。
より詳細には、気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)が1つの気筒に対するインジェクタ(22)の燃料噴射を休止させると、回転速度補正手段が、内燃機関(10)の回転数が目標回転数(Nidl)となるように、燃料噴射される他の気筒(11)に対する回転速度補正量(Qisc)を増加させる。
この際、内燃機関(10)の回転数を目標回転数とするためには、各気筒(11)に噴射される実際の燃料噴射量の合計値は、1つの気筒を休止させる前後で略同等となる。つまり、燃料噴射される他の気筒(11)に対する回転速度補正量(Qisc)の合計値は、休止している1つの気筒(11)に対して休止直前に噴射された実際の燃料噴射量と略同等の値となる。
従って、燃料噴射される他の気筒(11)に対する回転速度補正量(Qisc)の合計値に基づいて、推定実燃料噴射量(Qs)を推定できる。そして、推定実燃料噴射量(Qs)と指令噴射量記憶手段(40a)に記憶された休止直前の1つの気筒(11)に対する指令噴射量とを比較することで、インジェクタ(22)が経時劣化していることを推定できる。
さらに、1つの気筒(11)を順次休止させるので、休止している1つの気筒(11)および燃料噴射させる他の気筒(11)のいずれが経時劣化していた場合であっても、いずれかの気筒(11)を休止させれば、回転速度補正量(Qisc)の合計値と休止直前の1つの気筒(11)に対する指令噴射量との間に乖離が生じるので、内燃機関(10)全体としていずれかのインジェクタ(22)に経時劣化が発生していることを推定できる。
すなわち、インジェクタが経時劣化していることを推定可能な燃料噴射量制御装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の燃料噴射量制御装置において、気筒間不均量補正量(Qfccb)が予め定めた基準気筒間不均量補正量(Qfccb)以上となったときに、インジェクタ(22)の劣化が進行している可能性があると判定する劣化進行判定手段(S1)を備え、気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)は、劣化進行判定手段(S1)がインジェクタ(22)の劣化が進行している可能性があると判定した際に、推定実燃料噴射量(Qs)を推定することを特徴とする。
これによれば、劣化進行判定手段(S1)を備えているので、不必要に気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)が推定実燃料噴射量(Qs)を推定すること抑制できる。
請求項3に記載の発明のように、請求項1または2に記載の燃料噴射量制御装置において、具体的に、気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)は、他の気筒(11)に対する回転速度補正量(Qisc)の合計値そのものを推定実燃料噴射量(Qs)としてもよい。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料噴射量制御装置において、指令噴射量記憶手段(40a)に記憶された1つの気筒(11)に対する休止直前の指令噴射量(Qfin)から推定実燃料噴射量(Qs)を減算した値を学習噴射量(Qg)とする学習噴射量決定手段(S7)と、指令噴射量(Qfin)に学習噴射量(Qg)を加算する学習噴射量補正手段(S9)とを備えることを特徴とする。
これによれば、学習噴射量決定手段(S7)を備えているので、指令噴射量(Qfin)と実際の燃料噴射量との差(乖離)を学習噴射量(Qg)として定量的に決定できる。そして、学習噴射量補正手段(S9)が、基本噴射量(Q)に学習噴射量(Qg)を加算するので、指令噴射量(Qfin)と実際の燃料噴射量との乖離を抑制できる。
すなわち、インジェクタ(22)の経時劣化が生じても指令噴射量(Qfin)と実際の燃料噴射量との乖離を抑制可能な燃料噴射量制御装置を提供できる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料噴射量制御装置において、インジェクタ(22)は、予め定められた噴射順序で複数の気筒(11)に対して燃料噴射するようになっており、インジェクタ(22)が所定の気筒(11)に噴射した次に噴射する気筒(11)と、気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)がこの所定の気筒(11)を休止させた次に休止させる気筒(11)は、異なっていることを特徴とする。
これによれば、気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)が休止させる気筒(11)の順序が、燃料噴射させる気筒(11)の順序と一致してしまうことを回避して、気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)が、推定実燃料噴射量(Qs)を推定する際に、内燃機関(10)が停止してしまうことを回避できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
一実施形態におけるコモンレール式燃料噴射システムの全体構成図である。 一実施形態におけるディーゼルエンジンの気筒配列を説明する模式図である。 一実施形態における燃料噴射量学習制御を示すフローチャートである。 一実施形態における学習実行条件を示すブロック図である。 一実施形態における学習状態フラグの変化を示すタイムチャートである。 (a)は、一実施形態における燃料噴射量学習制御を行う直前の指令噴射量を示す説明図であり、(b)は、一実施形態における休止運転後の指令噴射量を示す説明図である。 一実施形態における学習中止条件を示すブロック図である。
図1〜7により、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の燃料噴射量制御装置が適用された車両用のディーゼルエンジン10(内燃機関)に係るコモンレール式燃料噴射システムの全体構成図である。本実施形態では、ディーゼルエンジン10として、4つの気筒(シリンダ)11を有する4気筒型のものを採用している。
ディーゼルエンジン10の各気筒11内には、気筒11内を往復運動するピストン12が配置されており、各気筒11内空間のうちピストン12の頂面側に、軽油等の燃料を燃焼させる燃焼室13が形成されている。そして、ピストン12の往復運動が、コンロッド14を介して、クランクシャフト15の回転運動として出力される。なお、図1では、図示の明確化のため1つの気筒のみを示し、他の気筒を省略している。
次に、本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムにおいて、各気筒11の燃焼室13内に燃料を供給する燃料供給系について説明する。このコモンレール式燃料噴射システムでは、燃料供給系として、高圧燃料を蓄えるコモンレール21、コモンレール21に蓄えられた高圧燃料を各燃焼室13に噴射するインジェクタ22、コモンレール21に高圧燃料を供給するサプライポンプ23、低圧燃料を蓄える燃料タンク24等を備えている。
コモンレール21は、サプライポンプ23から供給された高圧燃料を目標レール圧Pfinに保持して蓄える畜圧手段である。なお、目標レール圧Pfinは、インジェクタ22からの燃料噴射圧力が、ディーゼルエンジン10の運転状態に応じた最適な圧力となるように、後述する電子制御装置(以下、ECUという)40によって決定される。
さらに、コモンレール21には、コモンレール21内の燃料圧力が予め定めた上限値を超えたときに開弁してコモンレール21の燃料圧力を逃がすプレッシャリミッタ21aが取り付けられている。プレッシャリミッタ21aより流出した燃料は、燃料配管21bを介して、燃料タンク24に戻される。
インジェクタ22は、コモンレール21内に蓄えられた高圧燃料をディーゼルエンジン10の各燃焼室13内に噴射供給する燃料噴射手段である。このインジェクタ22は、各燃焼室13内に高圧燃料を噴射する燃料噴射ノズル22a、この燃料噴射ノズルを開閉する電磁弁22b等を有して構成される。
燃料噴射ノズル22aには、高圧配管21cを介してコモンレール21内の高圧燃料が供給される。コモンレール21から供給された燃料のうちインジェクタ22から噴射されない余剰燃料は、燃料配管22cを介して、燃料タンク24へ戻される。また、インジェクタ22の作動は、ECU40から出力される駆動信号によって制御される。
具体的には、ECU40から出力された駆動信号は、駆動回路ユニット(以下、EDUという)41へ入力され、EDU41は入力された駆動信号に応じてインジェクタ22の電磁弁22bに対して駆動電圧を印可する。そして、電磁弁22bに駆動電圧が印可される通電時間が、インジェクタ22の開弁時間(噴射時間)となり、この開弁時間とコモンレール21内の燃料圧力とによって、インジェクタ22から各燃焼室13内に噴射される燃料噴射量が決定される。
つまり、ECU40では、開弁時間の長さとタイミングを変化させることによって、各燃焼室13内に噴射される燃料噴射量およびその噴射時期を制御している。なお、図1では、図示の明確化のためインジェクタ22を1つのみ記載しているが、4気筒型のディーゼルエンジン10では、4つの気筒11のシリンダヘッドに対して各1つずつ、合計4つのインジェクタ22が配置されている。
サプライポンプ23は、燃料タンク24に蓄えられた低圧燃料を吸入してコモンレール21内へ高圧燃料を圧送する燃料圧送手段である。具体的には、サプライポンプ23は、燃料タンク24から燃料を汲み上げる低圧ポンプ部であるフィードポンプ部23a、フィードポンプ部23aから吐出された燃料をさらに加圧してコモンレール21へ圧送する高圧ポンプ部23b、フィードポンプ部23aから高圧ポンプ部23bへ供給される燃料流量を調整する吸入調量弁23c等を有して構成される。
フィードポンプ部23aは、その吸入側に接続された吸入配管24aを介して、燃料タンク24から低圧燃料を汲み上げて、吸入調量弁23c側へ供給するものである。なお、本実施形態では、フィードポンプ部23aとして、後述する高圧ポンプ部23bのカム軸23dに連結されて作動するトロコイド式ポンプを採用している。また、吸入配管24aには、燃料タンク24から吸入された燃料を濾過して異物を除去するフィルタ24bが配置されている。
吸入調量弁23cは、弁開度を調整することによって、燃料通路面積を連続的に変更可能に構成されたリニアソレノイド式の電磁弁である。この吸入調量弁23cの作動は、ECU40から出力される制御電流によって制御される。具体的には、ECU40は、高圧ポンプ部23bがコモンレール21に対して必要吐出量を圧送できるように、吸入調量弁23cの弁開度を制御する。
高圧ポンプ部23bは、ディーゼルエンジン10によって回転するカム軸23d、カム軸23dから駆動力が伝達されてシリンダの内部を往復変位する変位部材であるプランジャ等を有して構成される。なお、本実施形態の高圧ポンプ部23bでは、プランジャがカム軸23dの径方向に対向して2個設けられており、2個のプランジャを交互に作動させて燃料の吸入および圧送を行う、いわゆるタンデム構成を採用している。
そして、高圧ポンプ部23bにて加圧された燃料は、供給配管23eを介してコモンレール21へ供給される。さらに、サプライポンプ23は、機械的機構によってフィードポンプ部23a下流側の燃料圧力が予め定めた値になるように調整する燃料調圧弁であるリターンバルブ23f、コモンレール21(供給配管23e)側から高圧ポンプ部23b側へ燃料が逆流することを防止する逆止弁であるデリバリバルブ23g等を有して構成されている。
次に、コモンレール式燃料噴射システムにおいて、各気筒11の燃焼室13内に空気を吸気し、燃焼室13内から燃料ガス(排ガス)を排気する吸排気系について説明する。本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムでは、吸排気系として、吸入した外気(吸気)を各燃焼室13内へ導く吸気管31、燃焼室1にて燃焼した燃焼ガス(排気)を排出する排気管32、燃焼室13内に吸入される吸気を加圧するターボ過給機33、排気を吸気管31側へ循環させるEGR通路34等を備えている。
吸気管31の吸気流れ途中には、吸気通路面積を調整して各燃焼室13内へ供給する吸気量を調整するための吸気絞り弁である電動式のスロットルバルブ(図示せず)が配置されている。このスロットルバルブの作動は、ECU40から出力される制御信号によって制御される。
ターボ過給機33は、吸気管31内に配置されたコンプレッサ33a、および、排気管32内に配置されてタービン軸を介してコンプレッサ33aに連結された排気タービン33b等を有して構成される。そして、排気の有する流体エネルギにて排気タービン33bを回転させることによって、コンプレッサ33aを回転駆動して、吸気管31に導入された吸気を圧縮する。
また、吸気管31のうちターボ過給機33のコンプレッサ33aの吸気流れ下流側には、コンプレッサ33aにて圧縮されて昇温した空気を外気と熱交換させて冷却するインタークーラ35が配置されている。さらに、排気管32のうちターボ過給機33の排気タービン33bの排気流れ下流側には、排気中のHCやCOの酸化反応を促進することにより排気の浄化を行う酸化触媒36等が配置されている。
EGR通路34は、排気管32のうち排気タービン33bの上流側から排気の流れを分岐して、分岐した排気を吸気管31のうちインタークーラ35の下流側の吸気に循環合流させる通路である。これにより、吸気中の酸素濃度を低下させて窒素酸化物の発生を抑制する。さらに、EGR通路34の吸気管31側には、EGR通路34の開度を調整して、排気の循環量を制御するEGRバルブ34aが配置されている。EGRバルブ34aの作動は、ECU40から出力される制御信号によって制御される。
次に、本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムにおける電気制御系について説明する。ECU40は、制御処理や演算処理を行うCPUおよびプログラムやデータ等を記憶するROMおよびRAM等の記憶回路40aを含む周知のマイクロコンピュータ、各種制御機器への制御信号を出力する出力回路、各種センサの検出信号が入力される入力回路、並びに、電源回路等から構成されている。
具体的には、ECU40の出力側には、前述したインジェクタ22へ駆動電圧を印可するEDU41、サプライポンプ23の吸入調量弁23c、EGRバルブ34a等が接続され、ECU40は、これらの機器の作動を制御する。従って、ECU40のうち、特に、インジェクタ22の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェアを含む)およびEDU41が本実施形態の燃料噴射量制御装置を構成する。
一方、ECU40の入力側には、マグネットピックアップからなるクランクポジションセンサ42および気筒判別センサ44等の検出信号が入力される。具体的には、クランクポジションセンサ42は、クランクシャフトに連結されて回転するパルスロータ43の外周に形成された複数の歯部との距離に応じて回転パルス信号を発生する回転速度検出手段である。ECU40では、この回転パルス信号のパルス間隔からエンジン回転数Neを検出する。
気筒判別センサ44は、カムシャフト18に連結されて回転するパルスロータ45の外周に形成された複数の歯部との距離に応じて気筒判別パルス信号を発生する気筒判別手段である。なお、カムシャフトは、偏心回転して各気筒11のインテークバルブ16およびエキゾーストバルブ17を駆動するカムを有し、クランクシャフトが2回転する間に1回転する回転軸である。また、パルスロータ45の歯部は、各気筒11のピストン12の所定の位置に対応した部位に設けられている。
さらに、ECU40の入力側には、アクセル開度Accpを検出するアクセル開度センサ46、コモンレール21内の燃料圧力Npcを検出するコモンレール圧力センサ47、吸気管31のうちコンプレッサ33aよりも吸気流れ上流側に配置されて吸気量を計測する吸気量センサ48、吸気管31のうちインタークーラ35よりも吸気流れ下流側に配置されて吸気圧を検出する吸気圧センサ49、ディーゼルエンジン10を冷却する冷却水温度Twを検出する冷却水温度センサ(図示せず)、スロットルバルブの弁開度を検出するスロットルポジションセンサ(図示せず)等のセンサ群が接続される。
次に、本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムの基本的作動について説明する。ディーゼルエンジン10が図示しないスタータにより始動された後、図示しないイグニションスイッチがON(投入)されると、ECU40が、その記憶回路40aに記憶された制御プログラムを実行する。これにより、ECU40は、ディーゼルエンジン10の運転状態に応じて、各気筒11の燃焼室13内に対して各インジェクタ22から噴射供給される最終的な指令噴射量Qfin、目標レール圧Pfin、噴射タイミング等を決定する。
具体的には、ECU40は、エンジン回転数Neとアクセル開度信号Accpに基づいて、予め記憶回路40aに記憶されている制御マップを参照して、ディーゼルエンジン10に要求させる駆動トルクを発生させるための各インジェクタ22の基本噴射量Qを決定する。従って、本実施形態のECU40は、基本噴射量決定手段としての機能実現手段を備える。さらに、ECU40は、基本噴射量Qに、後述する各種補正量Qfccb、Qisc等を加算した値を各インジェクタ22に対する最終的な指令噴射量Qfinとして決定する。
さらに、ECU40は、指令噴射量Qfinおよびエンジン回転数Neに基づいて、燃料噴射圧力、すなわちコモンレール21内の目標燃料圧力である目標レール圧Pfinを決定する。さらに、ECU40は、コモンレール21内の燃料圧力Npcが、目標レール圧Pfinとなるように、サプライポンプ23の吸入調量弁23cへの制御電流を、フィードバック制御手法等によって決定する。これにより、サプライポンプ23の高圧ポンプ部23bから必要吐出量の燃料がコモンレール21内へ圧送される。
さらに、ECU40は、指令噴射量Qfin、エンジン回転数Ne、コモンレール21内の燃料圧力Npc、冷却水温度Tw等に基づいて、予め記憶回路40aに記憶されている制御マップを参照して、EDU41から各インジェクタ22の電磁弁22bへの駆動電圧を印可する通電時間に相当する指令噴射期間を決定する。
この際、本実施形態のECU40では、ディーゼルエンジン10の各気筒11に燃料を複数回に分けて噴射させる、いわゆるマルチ噴射制御を行っている。より具体的には、1つの気筒11の1周期(吸気行程−圧縮行程−爆発行程−排気行程)のうち、圧縮行程および膨張行程中にインジェクタ22を複数回駆動させることによって、メイン噴射の前に複数回のパイロット噴射を行い、メイン噴射の後に複数回のアフター噴射を行っている。これにより、ディーゼルエンジン10の排気低減および騒音低減を図っている。
次に、ECU40が実行する基本噴射量Qに対する補正制御について説明する。以下に説明する補正制御は、ディーゼルエンジン10の回転数が所定の目標回転数Nidlとなるように維持される運転状態時であるアイドリング運転時に実行される。
まず、ECU40は、クランクポジションセンサ42が出力する回転パルス信号の時間間隔の変動と気筒判別センサ44が出力する気筒判別パルス信号に基づいて、各気筒11の爆発行程時における回転速度変動を検出する。そして、各気筒11の回転速度変動の検出値と全気筒11の回転速度変動の平均値との差に応じて、各気筒11間の回転速度変動を平滑化するように、各気筒11毎に気筒間不均量補正量Qfccbを算出する。この制御は、気筒間不均量補正制御あるいはFCCB制御と呼ばれる。
また、ECU40は、エンジン回転数Neが、アイドリング運転時の目標回転数Nidlとなるように、全気筒11に対して一律に回転速度補正量Qiscを算出する。なお、この制御は回転速度補正制御あるいはISC制御と呼ばれる。従って、本実施形態のECU40は、気筒間不均量補正手段および回転速度補正手段としての機能実現手段を備える。
本実施形態のコモンレール式燃料噴射システムでは、上記の基本的作動によって決定された指令噴射量Qfinの燃料を各気筒11に噴射供給するように、各気筒11のインジェクタ22を順次駆動させる。より詳細には、図2に示すように直列配置された各気筒11のうち、#1→#3→#4→#2の順に燃料を噴射供給することで、各気筒11において吸気行程−圧縮行程−爆発行程−排気行程が繰り返される。これにより、各気筒11のピストン12が往復運動を行い、クランクシャフト15から車両走行動力となる回転運動が出力される。
さらに、本実施形態のECU40では、ディーゼルエンジン10を長期間作動させたときのようにインジェクタ22の劣化が進行している可能性がある場合に、インジェクタ22が経時劣化していることを推定し、さらに、インジェクタ22の経時劣化によって指令噴射量Qfinと実際に各燃焼室13へ噴射される燃料噴射量とが乖離してしまうことを抑制するための燃料噴射量学習制御を行う。
この燃料噴射量学習制御については、図3のフローチャートを用いて説明する。図3に示す燃料噴射量学習制御ルーチンは、イグニションスイッチがONとなった後に、通常運転時に実行されるメインルーチンに対して、所定の時間間隔毎に実行されるサブルーチンである。
まず、図3のステップS1では、燃料噴射量学習制御を実行するか否かを判定する。具体的には、図4に示す学習実行条件が成立する場合は、燃料噴射量学習制御を実行し、成立しない場合は燃料噴射量学習制御を実行せずにメインルーチンに戻る。
図4に示す学習実行条件とは、(A)アイドリング運転時であること:アイドリング運転時であることは、上述したディーゼルエンジン10の運転状態を検出する各種センサ群の検出値のうち、例えば、コモンレール21内の燃料圧力Npc、エンジン回転数Ne、アクセル開度Accp等の値に基づいて判定できる。
(B)エンジン安定状態であること:エンジン安定状態であることとは、アイドリング運転時の目標回転数Nidlからエンジン回転数Neを減算した値の絶対値が、予め定めた所定値以内になっていることである。従って、エンジン回転数Neの値に基づいて判定できる。
(C)学習状態フラグが0であること、および、各気筒11に対する気筒間不均量補正量Qfccbが予め定めた所定値以上であることの少なくとも一方を満たすこと:学習状態フラグとは、図5に示すように、燃料噴射量学習制御が未完了であること(=0)、実行中であること(=1)、完了していること(=2)を示す制御フラグであり、ECU40の記憶回路40aに記憶されている。
そして、上記(A)〜(C)の全ての条件を満たす場合は、インジェクタ22の劣化が進行している可能性があるものとして、学習状態フラグを1とし、ステップS2へ進む。従って、本実施形態のECU40は、劣化進行判定手段としての機能実現手段を備え、具体的には、制御ステップS1が劣化進行判定手段を構成する。
ステップS2では、ECU40が、燃料噴射量学習制御を実行する直前に、各燃焼室13に対する指令噴射量Qfinを記憶回路40aに記憶する。従って、本実施形態のECU40は、指令噴射量記憶手段としての機能実現手段を備え、具体的には、RAM等の記憶回路40aが指令噴射量記憶手段を構成する。
次に、ステップS3へ進み、4つの気筒11のうち1つの気筒11に対するインジェクタ22からの燃料噴射を休止して、残りの3つの気筒11に対してインジェクタ22からの燃料噴射を行ってディーゼルエンジン10を作動させる休止運転を実行する。次のステップS4では、上述した回転速度補正制御(ISC制御)を実行して、燃料噴射される3つの気筒11のそれぞれの指令噴射量Qfinに対して回転速度補正量Qiscを一律に加算する。
そして、ステップS5にて、エンジン安定状態になっているか否かを判定して、エンジン安定状態になっていないと判定された場合は、ステップS4へ戻り、再び回転速度補正制御(ISC制御)を実行する。一方、ステップS5にて、エンジン安定状態になっていると判定された場合は、ステップS6にて、休止させた1つの気筒に対して休止直前に噴射されたと推定される推定実燃料噴射量Qsを推定する。
ステップS6にて実行される推定実燃料噴射量Qsの推定の詳細については、図6に基づいて説明する。まず、図6(a)は、燃料噴射量学習制御を行う直前の各気筒11に対する指令噴射量Qfinを示す説明図である。例えば、#1の気筒11に対する指令噴射量Qfinは、基本噴射量Qの10mm3/stに対して気筒間不均量補正量Qfccbと回転速度補正量Qiscの合計値1mm3/stが加算され、合計11mm3/stとなっている。
同様に、#2〜#4の各気筒11に対する指令噴射量Qfinは、それぞれ10mm3/st、12mm3/st、8mm3/stとなっている。これらの#1〜#4の各気筒11に対する指令噴射量Qfinは、前述の制御ステップS2にて、ECU40の記憶回路40aに記憶される値である。
次に、図6(b)は、例えば、制御ステップS3にて、#1の気筒11に対するインジェクタ22からの燃料噴射を休止した後、制御ステップS5にて、エンジン安定状態となっていると判定された際の各気筒11に対する指令噴射量Qfinを示す図である。#1の気筒11については、インジェクタ22からの燃料噴射を休止しているので、指令噴射量Qfinは、0mm3/stである。
これに対して、#2〜#4の各気筒11に対する指令噴射量Qfinは、制御ステップS4の回転速度補正制御(ISC制御)によって、一律に3mm3/stずつ加算されている。つまり、制御ステップS3にて、#1の気筒11に対するインジェクタ22からの燃料噴射を休止すると、ディーゼルエンジン10の回転数が目標回転数Nidlとなるように、燃料噴射される#2〜#4の各気筒11に対する回転速度補正量Qiscを増加させる。
この際、ディーゼルエンジン10の回転数を所定の目標回転数Nidlとするためには、各気筒11に噴射される実際の燃料噴射量の合計値は、1つの気筒を休止させる前後で略同等となる。従って、燃料噴射される#2〜#4の気筒11に対する回転速度補正量Qiscの合計値(本実施形態では、3mm3/st×3気筒分=9mm3/st)は、休止している#1の気筒11に対して休止直前に噴射された実際の燃料噴射量に略同等となる。
そこで、本実施形態の制御ステップS6では、燃料噴射される#2〜#4の気筒11に対する回転速度補正量Qiscの合計値(9mm3/st)そのものを、#1の気筒11に対して休止直前に噴射されたと推定される推定実燃料噴射量Qsとしている。そして、推定実燃料噴射量Qs(9mm3/st)とECU40の記憶回路40aに記憶された休止直前の#1の気筒11に対する指令噴射量Qfin(11mm3/st)とを比較する。
この際、推定実燃料噴射量Qsと休止直前の#1の気筒11に対する指令噴射量Qfinが一致していれば、#1の気筒11用のインジェクタ22が経時劣化していないと推定できる。一方、推定実燃料噴射量Qsと休止直前の#1の気筒11に対する指令噴射量Qfinが乖離していれば、#1の気筒11用のインジェクタ22が経時劣化していると推定できる。
換言すると、図6に示す例では、#1の気筒11用のインジェクタ22には経時劣化が生じており、ECU40が11mm3/st(指令噴射量Qfin)の燃料を燃焼室13へ噴射供給するように、EDU41に対して駆動信号を出力しても、実際には、9mm3/st(推定実燃料噴射量Qs)しか燃焼室13へ噴射供給されていないことが推定される。
次に、ステップS7へ進み、学習噴射量Qgを決定する。具体的には、ステップS3で休止した1つの気筒11について、記憶回路40aに記憶された休止直前の1つの気筒11に対する指令噴射量Qfinから推定実燃料噴射量Qsを減算した値を学習噴射量Qgとする。図6に示す例では、休止直前の#1の気筒11に対する指令噴射量Qfinである11mm3/stから推定実燃料噴射量Qsである9mm3/stを減算した2mm3/stが学習噴射量Qgとなる。
次のステップS8では、#1〜#4の全ての気筒11について学習噴射量Qgが決定されたか否かを判定し、全ての気筒11について学習噴射量Qgが決定されていないと判定された場合は、ステップS3へ戻り、次の気筒11を休止させて、休止させた気筒11についての推定実燃料噴射量Qsの推定と学習噴射量Qgの決定が順次実行される。
本実施形態では、休止させる気筒の順序を#1→#2→#4→#3としている。これにより、ECU40が所定の気筒11のインジェクタ22に燃料噴射させた次に燃料噴射させる気筒11と、制御ステップS3が所定の気筒11を休止させた次に休止させる気筒11が異なる順序となっている。
一方、ステップS8にて、全ての気筒11について学習噴射量Qgが決定されていると判定された場合は、学習状態フラグを2としてステップS9へ進む。ステップS9では、メインルーチンにて、学習状態フラグが2となっている場合には各気筒11の指令噴射量Qfinに対して学習噴射量Qsを加算するように制御ルーチンを変更して、学習噴射量Qgを反映させる。
従って、本実施形態のECU40は、気筒毎噴射量推定手段としての機能実現手段を備え、具体的には、制御ステップS3〜S6、S8が気筒毎噴射量推定手段を構成する。さらに、ECU40は、学習噴射量決定手段としての機能実現手段を備え、具体的には、制御ステップS7が学習噴射量決定手段を構成する。さらに、ECU40は、学習噴射量補正手段としての機能実現手段を備え、具体的には、制御ステップS9が学習噴射量補正手段を構成する。
なお、上述の燃料噴射量学習制御ルーチンが実行されている間、すなわち、学習状態フラグが1になっている場合は、燃料噴射量学習制御ルーチンとは別に、学習制御中止ルーチンも実行される。この学習制御中止ルーチンでは、図7に示す条件を満たす場合は、燃料噴射量学習制御を直ちに中止してメインルーチンを実行するとともに、学習状態フラグを0にする。
図7に示す条件とは、(D)コモンレール21内の燃料圧力Npcの単位時間当たりの変動量が予め定めた所定量を超えたとき、(E)エンジン回転数Neの単位時間当たりの変動量が予め定めた所定量を超えたとき、(F)燃料噴射量学習制御ルーチンが実行されてから予め定めた所定時間を経過したとき、のうち少なくとも1つを満たしたときである。
本実施形態の燃料噴射量制御装置は上記の如く作動するので、気筒毎噴射量推定手段としての制御ステップS3〜S6、S8によって、インジェクタが経時劣化していることを推定できる。すなわち、インジェクタが経時劣化していることを推定可能な燃料噴射量制御装置を提供することができる。
さらに、1つの気筒11を順次休止させるので、休止している1つの気筒11および燃料噴射させる他の気筒11のいずれが経時劣化していた場合であっても、いずれかの気筒11を休止させれば、回転速度補正量Qiscの合計値と休止直前の1つの気筒11に対する指令噴射量Qfinとの間に乖離が生じるので、ディーゼルエンジン10全体として、いずれかのインジェクタ22に経時劣化が発生していることを推定できる。
さらに、学習噴射量決定手段としての制御ステップS7によって、指令噴射量Qfinと実際の燃料噴射量との差(乖離)を学習噴射量Qgとして定量的に決定できる。そして、学習噴射量補正手段としての制御ステップS9によって、指令噴射量Qfinに学習噴射量Qgを加算するので、指令噴射量Qfinと実際の燃料噴射量との乖離を抑制できる。すなわち、インジェクタ22に経時劣化が生じても指令噴射量Qfinと実際の燃料噴射量との乖離を抑制可能な燃料噴射量制御装置を提供できる。
さらに、学習状態フラグが2となっている場合に、各気筒11の指令噴射量Qfinに対して学習噴射量Qsを加算するように制御ルーチンを変更して、学習噴射量Qgを反映させるので、燃料噴射量学習制御の実行後は、速やかにディーゼルエンジン10をエンジン安定状態として、エンジン騒音の低減、燃費向上等を図ることができる。
さらに、上述の(A)〜(C)の全ての条件を満たす場合に、燃料噴射量制御装置が不必要に推定実燃料噴射量Qsを推定し、学習噴射量Qgを決定することを回避できる。さらに、気筒毎噴射量推定手段としての制御ステップS3〜S6、S8が休止させる気筒11の順序が、燃料噴射させる気筒11の噴射順序と一致してしまうことを回避しているので、推定実燃料噴射量Qsを推定する際に、ディーゼルエンジン10が停止してしまうことを回避できる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、直列4気筒型のディーゼルエンジン10に燃料噴射量制御装置を適用した例を説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、6気筒型、8気筒型等の多気筒型のエンジンであれば適用可能である。また、気筒配列についても直列型に限定されずV型、水平対向型等に適用可能である。
(2)上述の実施形態では、エンジン回転数Neとアクセル開度信号Accpに基づいてディーゼルエンジン10の運転状態を判定して基本噴射量Qを決定しているが、基本噴射量Qの決定は、これに限定されない。
例えば、コモンレール21内の燃料圧力Npc、冷却水温度Tw、その他の運転状態検出用の各種センサ(吸気量センサ48、吸気圧センサ49、燃料温度を検出する燃料温度センサ、大気圧を検出する大気圧センサ、外気温を検出する外気温センサ、スロットルポジションセンサ等)からの検出信号を用いて、基本噴射量Qを決定してもよい。指令噴射量Qfin、目標レール圧Pfin、噴射タイミング等についても同様である。
(3)上述の実施形態では、学習実行条件(A)としてアイドリング運転時であることをコモンレール21内の燃料圧力Npc、エンジン回転数Ne、アクセル開度Accp等の値に基づいて判定する例を説明したが、アイドリング運転時であることの判定は、これに限定されない。
例えば、シフトポジションを検出するポジションセンサ(スイッチ)を設け、イグニションスイッチがONとなった後に、シフトポジションが「N」ニュートラル、「P」パーキングになっている場合は、アイドリング運転時であると判定してもよい。さらに、車両走行速度を検出する車速センサの検出値が0km/hとなっている場合は、アイドリング運転時であると判定してもよい
(4)上述の実施形態において気筒毎噴射量推定手段を構成する制御ステップS6では、燃料噴射される気筒11に対する回転速度補正量Qiscの合計値そのものを、休止させた気筒11の推定実燃料噴射量Qsとしているが、もちろん、回転速度補正量Qiscの合計値に対して補正係数を乗算する等の補正を行った値を推定実燃料噴射量Qsとしてもよい。
(5)上述の実施形態では、休止直前の気筒11に対する指令噴射量Qfinと推定実燃料噴射量Qsとに乖離が生じた際に、当該気筒11のインジェクタ22が経時劣化が生じているものとして学習噴射量Qgを決定しているが、休止直前の気筒11に対する指令噴射量Qfinと推定実燃料噴射量Qsとに乖離が生じた際に、これをユーザに警告する警告手段を設けてもよい。例えば、警告手段としての警告ランプを点灯させて、ユーザにインジェクタ22の交換を促すようにしてもよい。
(6)上述の実施形態では、学習中止条件(D)〜(E)を採用しているが、学習中止条件は、これに限定されない。例えば、シフトポジションが「N」ニュートラル、「P」パーキング以外になった場合、車速センサの検出値が0km/hより大きくなった場合等に学習中止条件が成立したものとしてもよい。
10 内燃機関
11 気筒
22 インジェクタ
40 ECU
40a 記憶回路

Claims (5)

  1. 複数の気筒(11)を有する多気筒型の内燃機関(10)に適用され、
    少なくとも前記内燃機関(10)の回転数が所定の目標回転数(Nidl)となる運転状態時に、前記内燃機関(10)に要求される駆動トルクを発生させるために必要な基本噴射量(Q)を決定する基本噴射量決定手段と、
    前記複数の気筒(11)毎の回転速度変動を平滑化するように、前記複数の気筒(11)毎に、前記基本噴射量(Q)に対する気筒間不均量補正量(Qfccb)を算出する気筒間不均量補正手段と、
    前記内燃機関(10)の回転数が前記目標回転数となるように、前記複数の気筒(11)一律に、前記基本噴射量(Q)に対する回転速度補正量(Qisc)を算出する回転速度補正手段とを備え、
    前記基本噴射量(Q)、前記気筒間不均量補正量(Qfccb)および前記回転速度補正量(Qisc)から算出された指令噴射量(Qfin)に基づいて、前記複数の気筒(11)のそれぞれに対して燃料を噴射する複数のインジェクタ(22)を順次駆動することによって、前記複数の気筒(11)に噴射供給される燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御装置であって、
    前記複数の気筒(11)毎の前記指令噴射量(Qfin)を記憶する指令噴射量記憶手段(40a)と、
    前記複数の気筒(11)のうち、1つの気筒(11)に対する前記インジェクタ(22)の燃料噴射を順次休止させ、燃料噴射される他の気筒(11)に対する回転速度補正量(Qisc)の合計値に基づいて、休止している前記1つの気筒(11)に対して休止直前に噴射された推定実燃料噴射量(Qs)を推定する気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)とを備えることを特徴とする燃料噴射量制御装置。
  2. 前記気筒間不均量補正量(Qfccb)が予め定めた所定値以上となったときに、前記インジェクタ(22)の劣化が進行している可能性があると判定する劣化進行判定手段(S1)を備え、
    前記気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)は、前記劣化進行判定手段(S1)が前記インジェクタ(22)の劣化が進行している可能性があると判定した際に、前記推定実燃料噴射量(Qs)を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射量制御装置。
  3. 前記気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)は、前記他の気筒(11)に対する回転速度補正量(Qisc)の合計値を前記推定実燃料噴射量(Qs)とすることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射量制御装置。
  4. 前記指令噴射量記憶手段(40a)に記憶された前記1つの気筒(11)に対する休止直前の前記指令噴射量(Qfin)から前記推定実燃料噴射量(Qs)を減算した値を学習噴射量(Qg)とする学習噴射量決定手段(S7)と、
    前記指令噴射量(Qfin)に前記学習噴射量(Qg)を加算する学習噴射量補正手段(S9)とを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料噴射量制御装置。
  5. 前記インジェクタ(22)は、予め定められた噴射順序で前記複数の気筒(11)に対して燃料噴射するようになっており、
    前記インジェクタ(22)が所定の気筒(11)に噴射した次に噴射する気筒(11)と、前記気筒毎噴射量推定手段(S3〜S6、S8)がこの所定の気筒(11)を休止させた次に休止させる気筒(11)は、異なっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料噴射量制御装置。
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