JP2010270673A - ターボチャージャ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関の排気ガスによりタービンインペラを回転駆動させるとともに、そのタービンインペラに連結されたベアリングで軸支されたタービン軸を回転させ、そのタービン軸の回転駆動によって圧縮機を作動させて気体を圧縮し、高圧になった気体を内燃機関に供給するターボチャージャであって、前記ベアリングの一方の側面に対向して設けられた潤滑油の噴出孔と、前記ベアリングの他方の側面に対向して設けられた空間部と、その空間部に連通して設けられた潤滑油の排出通路とを有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
なお、特許文献1に示されるターボチャージャは、可変容量型のターボチャージャである。この可変容量型のターボチャージャは、タービンインペラの回転軸周りに所定の間隔を保って配列された複数のノズルベーンを有している。そして、各ノズルベーンは、アクチュエータに接続されたリンク機構を介して駆動される駆動機構により傾動されて各ノズルベーン間の開度が調整され、タービンインペラに供給される排気ガスの流量を調整することができるように構成されている。
可変容量型のターボチャージャは、上述のように、ノズルベーンの傾動の調整によりタービンインペラに供給される排気ガスの流速を変化させることができるので、低回転のときでも高圧になった気体を内燃機関に供給することが可能となる。したがって、可変容量型のターボチャージャがガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の車載用のエンジンに用いられる場合は、低回転域から高回転域までの広い範囲に亘り低燃費化等の性能向上や出力向上等を実現させることができる特長を有している。
特に、従来のターボチャージャのベアリングは、ベアリングハウジング内に挿入されたオイルフィルムダンパー(OFD(Oil Film Damper))と呼ばれる部材内に装着され、そのオイルフィルムダンパーがダンパー押さえによってベアリングハウジングに保持されるように構成されているので、そのダンパー押さえにより供給された潤滑油の流れが遮られ、ベアリングに汚染物が蓄積され易いという課題があった。
上記構成からなるターボチャージャにおいて、ベアリングの他方に設けられた空間部は、ベアリングの一方の側面側に設けられた噴出孔から供給された潤滑油を排出するように作用する。
上記構成からなるターボチャージャにおいては、タービン軸が回転駆動すると、ベアリングの他方の側面側で受けた潤滑油が、その回転駆動に同伴されて空間部を旋回する。そして、空間部と排出通路とが径方向で連通するため、該回転に伴う遠心力で勢いよく潤滑油を排出通路に排出するよう作用する。
上記構成からなるターボチャージャは、ベアリングに供給された潤滑油をダンパー押さえに設けられている空間部から排出するように作用する。
上記構成からなるターボチャージャは、ベアリングに供給された潤滑油をオイルフィルムダンパーを受け止める円筒空間部の側壁面に設けられている空間部から排出するように作用する。
上記構成からなるターボチャージャは、ベアリングに供給された潤滑油をダンパー押さえに設けられている空間部と、オイルフィルムダンパーを受け止める円筒空間部の側壁面に設けられている空間部とから排出するように作用する。
また、本発明に係るターボチャージャは、空間部がタービン軸周りに沿って設けられており、空間部と排出通路とがタービン軸の径方向において連通しているため、タービン軸の回転に伴う遠心力を用いて勢いよく潤滑油を排出通路に排出でき、排油性が高まる。このため、潤滑油の流れが良好となり、汚染物を蓄積させることがない。
また、本発明に係るターボチャージャは、潤滑油を排出する空間部をオイルフィルムダンパーを保持するダンパー押さえに設けるようにしているので、そのダンパー押さえを利用して容易に実施することができる。
そして、本発明に係るターボチャージャは、潤滑油を排出する空間部をオイルフィルムダンパーを受け止める円筒空間部の側壁面に設けるようにしているので、その側壁面を利用して容易に実施することができる。
さらに、本発明に係るターボチャージャは、潤滑油を排出する空間部をオイルフィルムダンパーを保持するダンパー押さえと、オイルフィルムダンパーを受け止める円筒空間部の側壁面に設けるようにしているので、ダンパー押さえ及び側壁面を利用して容易に実施することができる。
この可変容量型のターボチャージャTは、ベアリングハウジング1a、タービンハウジング1b及びコンプレッサハウジング1cからなるハウジング1を有している。このうち、ベアリングハウジング1aは中央部分に位置し、タービンハウジング1bはベアリングハウジング1aの一端側(図示の例では左端側)周縁部に締結ボルトを介して設けられ、コンプレッサハウジング1cはベアリングハウジング1aの他端側(図示の例では右端側)周縁部に締結ボルトを介して設けられている。
タービン軸2の一端側(図示の例では左端側)にはタービンインペラ3が一体的に連結され、他端側(図示の例では右端側)にはコンプレッサインペラ4が一体的に連結されている。なお、タービンインペラ3はタービンハウジング1b内に配置され、コンプレッサインペラ4はコンプレッサハウジング1c内に配置されるように構成されている。
さらに、コンプレッサハウジング1cは、コンプレッサインペラ4の径方向外側で略環状に形成されるコンプレッサスクロール流路9が形成されていているとともに、このコンプレッサスクロール流路9は、ディフューザ流路8と連通されている。なお、コンプレッサスクロール流路9は、図示しないエンジンの吸気口と連通されている。
上記構成からなる可変ノズルユニットNは、少ない部品点数で高精度の可変ノズルユニットを低コストで実現することができる特長を有している。
この可変容量型のターボチャージャTおいて、図示しないエンジンの排気口から排出された排気ガスはタービンスクロール流路5に導入される。そして、その導入された排気ガスは、シュラウドリング10及びノズルリング11間に導入されたのち、タービンハウジング出口6から排出される。
他方、アクチュエータAは、エンジンの回転数応じて動作される。すなわち、タービンスクロール流路5に導入される排気ガスの流量に応じてアクチュエータAが作動される。アクチュエータAの動作は、駆動レバー19を介して駆動軸16を回転させ、その駆動軸16の端部に設けられた駆動用伝達リンク17を介して駆動リング15を回転駆動させる。この駆動リング15が回転駆動することにより、各同期用伝達リンク14を介して各ノズルベーン12の角度を同期して傾動(可変)させ、シュラウドリング10及びノズルリング11間の開口面積が変化させられる。そして、この開口面積の変化により、タービンインペラ3に供給される排気ガスの流量が調節される。
図中、20aは第1ベアリング、20bは第2ベアリングであり、後述するオイルフィルムダンパー(以下、「OFD」という。)内に装着されている。
なお、図4(a)において、破線で示される小さい丸印は、後述する第2ベアリング20bに潤滑油を供給するための噴出孔27aの位置を示している。すなわち、この噴出孔の位置は、図4(a)において、タービン軸2の回転方向が反時計方向の場合、垂直線を中心にして所定の角度(図示の例ではθ)だけ、回転方向前方側に位置している。
なお、ターボチャージャTが低速回転のとき、第1ベアリング20aの回転に伴う同伴力が弱くなり、噴出孔27aから供給された潤滑油が時計方向に流れ、潤滑油が有効に利用されることなく排出されるのを防止するため、図6に示されるように、時計方向に向かうに従って流路幅(流路面積)の小さくなる凹部23a1´のようにしてもよい。また、回転方向前方が開口面積の小さい切欠部23a´のようにしてもよい。
また、スプリング26の設けられている空間に残存する潤滑油は、OFD21の中央下部に設けられた開口21c、及びこの開口21cに対向するベアリングハウジング1aに設けられた開口29を介して空間1a´に排出される。この空間1a´に排出された潤滑油は、図示しない油回収手段に回収される。
例えば、上述の例では、ターボチャージャは、可変容量型のターボチャージャとしたが、可変ノズルユニットNを持たないターボチャージャとすることもできる。
Claims (4)
- 内燃機関の排気ガスによりタービンインペラを回転駆動させるとともに、そのタービンインペラに連結されたベアリングで軸支されたタービン軸を回転させ、そのタービン軸の回転駆動によって圧縮機を作動させて気体を圧縮し、高圧になった気体を内燃機関に供給するターボチャージャであって、
前記ベアリングの一方の側面に対向して設けられた潤滑油の噴出孔と、
前記ベアリングの他方の側面に対向して設けられた空間部と、
前記空間部に連通して設けられた潤滑油の排出通路と、
を有することを特徴とするターボチャージャ。 - 前記空間部は、前記タービン軸周りに沿って設けられており、
前記空間部と前記排出通路とは、前記タービン軸の径方向において連通していることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。 - 前記ベアリングは、前記タービン軸の軸方向に対して所定の間隔を保って設けられた第1ベアリング及び第2ベアリングからなり、
前記空間部は、前記第1ベアリング及び第2ベアリングを装着し、かつ、ハウジングに設けられた円筒空間部に挿入されたオイルフィルムダンパーをそのハウジングに保持するダンパー押さえに設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のターボチャージャ。 - 前記ベアリングは、前記タービン軸の軸方向に対して所定の間隔を保って設けられた第1ベアリング及び第2ベアリングからなり、
前記空間部は、前記第1ベアリング及び第2ベアリングを装着し、かつ、ハウジングに設けられた円筒空間部に挿入されたオイルフィルムダンパーを受け止めるその円筒空間部の側壁面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のターボチャージャ。
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