JP2010270619A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば内燃機関の負圧を利用せずに、キャニスタのパージ処理を確実に実施する。
【解決手段】蒸発燃料処理装置は、冷媒を循環させる冷媒循環回路(500a)を有するエアコンシステム(500)と、燃料を貯留する燃料タンク(300)で生じる蒸発燃料を吸着可能なキャニスタ(400)と、冷媒循環回路からキャニスタへ冷媒を導入可能な冷媒導入手段(610、611)と、冷媒導入手段によってキャニスタに導入された冷媒を、この導入された冷媒によってキャニスタから脱離した蒸発燃料と共に、混合体として冷媒循環回路に戻す冷媒戻し手段(620)と、冷媒戻し手段によって冷媒循環回路に戻された混合体に含まれる蒸発燃料を液化して、燃料タンクに還流させる燃料還流手段(630、640)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸発燃料を処理するための蒸発燃料処理装置の技術分野に関する。
内燃機関の燃料タンクで発生する蒸発燃料(以下、「ベーパ」と適宜称する)を処理するための蒸発燃料処理装置として、活性炭等の吸着材を収容したキャニスタを燃料タンクに接続する装置が知られている(例えば特許文献1から3参照)。例えば、特許文献1には、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を冷却器で冷却して液化し燃料タンクに戻すことでキャニスタへの蒸発燃料の流入量を減らす装置が開示されている。特許文献2には、キャニスタから導出した蒸発燃料を加圧した後に急膨張させることにより急冷して液化させる装置が開示されている。特許文献3には、空調用エアコンシステム回路で得られる冷気により蒸発燃料を冷却液化して、再び燃料タンク内に戻す装置が開示されている。
上述したようなキャニスタを使用する場合、吸着材の吸着能力には限界があるため、吸着材が飽和する前に吸着材からベーパを放出させるパージ処理が必要となる。パージ処理は、一般に、キャニスタに大気を取り込んで吸着材からベーパを放出させ、その放出されたベーパを含んだパージガスを内燃機関の負圧を利用して吸気系に導入することにより実施されている。
特開平6−147029号公報 特開2002−122047号公報 特開昭63−212756号公報
駆動源として内燃機関及びモータを備えるハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)では、モータの駆動力のみを使用したEV(Electric Vehicle)走行を行うことが可能であり、内燃機関の始動頻度は低下する傾向にある。とりわけプラグインハイブリッド車両(PHV:Plug in Hybrid Vehicle)のように、EV走行が主たる走行モードとなり得るハイブリッド車両においてはその傾向は顕著である。このため、ハイブリッド車両においては、上述したような内燃機関の負圧を利用したパージ処理が実施可能となる期間が減少するため、パージ処理を実施することが困難になるという技術的問題点がある。また、駆動源として内燃機関のみを備える車両においても、燃費の向上を目的として内燃機関の負圧が低下する傾向にあるため、上述したような内燃機関の負圧を利用したパージ処理を実施することが困難になる。
他方、上述した特許文献1或いは3に開示された装置では、車両クーラ或いは空調用エアコンシステムを利用して、その冷媒或いは冷気と蒸発燃料との間で熱交換を行わせることにより、蒸発燃料を冷却するので、蒸発燃料を十分に冷却することができず、蒸発燃料を液化することが困難になるおそれがある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えば内燃機関の負圧を利用せずに、キャニスタのパージ処理を確実に実施可能な蒸発燃料処理装置を提供することを課題とする。
本発明の蒸発燃料処理装置は上記課題を解決するために、冷媒を循環させる冷媒循環回路を有するエアコンシステムと、燃料を貯留する燃料タンクで生じる蒸発燃料を吸着可能なキャニスタと、前記冷媒循環回路から前記キャニスタへ前記冷媒を導入可能な冷媒導入手段と、前記冷媒導入手段によって前記キャニスタに導入された冷媒を、該導入された冷媒によって前記キャニスタから脱離した蒸発燃料と共に、混合体として前記冷媒循環回路に戻す冷媒戻し手段と、前記冷媒戻し手段によって前記冷媒循環回路に戻された前記混合体に含まれる蒸発燃料を液化して、前記燃料タンクに還流させる燃料還流手段とを備える。
本発明の蒸発燃料処理装置は、例えば車両に搭載され、例えば内燃機関の燃料を貯留する燃料タンク内で発生した蒸発燃料(即ち、ベーパ)を吸着可能なキャニスタを備える。燃料タンクとキャニスタとは蒸発燃料通路を介して接続されており、ベーパが燃料タンクからキャニスタに流入して吸着される。エアコンシステムは、当該蒸発燃料処理装置が搭載される車両の車室内の空調を行う空調システム(即ち、エアコンディショニングシステム)であり、例えば自然冷媒である二酸化炭素(CO2)等の冷媒を循環させる冷媒循環回路を有している。冷媒循環回路は、典型的には、互いに冷媒通路を介して接続されたコンプレッサ(圧縮器)、コンデンサ(凝縮器)、膨張弁及びエバポレータ(蒸発器)を有している。
本発明では特に、冷媒導入手段及び冷媒戻し手段を備える。冷媒導入手段は、冷媒循環回路からキャニスタへ冷媒を導入可能に構成され、例えば、冷媒循環回路の冷媒通路とキャニスタとを連通させる冷媒導入通路を有している。冷媒戻し手段は、キャニスタに導入された冷媒を、キャニスタから脱離した蒸発燃料と共に、混合体として冷媒循環回路に戻すことが可能に構成され、例えば、キャニスタと冷媒循環回路の冷媒通路とを連通させる冷媒戻し通路を有している。よって、冷媒導入手段によって冷媒をキャニスタに導入することにより、キャニスタ(より具体的には、キャニスタが有する吸着材)に吸着されていた蒸発燃料をキャニスタから脱離させることができる。即ち、冷媒循環回路からキャニスタに冷媒導入手段によって導入された冷媒によって、キャニスタに吸着されていた蒸発燃料をキャニスタから脱離(或いは放出)させるパージ処理を実施することが可能となる。キャニスタから脱離した蒸発燃料と冷媒とを含む混合体は、冷媒戻し手段によって冷媒循環回路に戻される。
更に本発明では特に、冷媒戻し手段によって冷媒循環回路に戻された混合体に含まれる蒸発燃料を液化して、燃料タンクに還流させる燃料還流手段を備える。燃料還流手段は、例えば、冷媒循環回路における膨張弁及びエバポレータ間に設けられ、混合体から蒸発燃料を液化して分離する気液分離器と、該気液分離器によって液化され分離された蒸発燃料を燃料タンクに戻す燃料回収通路とを有する。よって、冷媒循環回路に戻された混合体に含まれる、冷媒によってキャニスタから脱離した蒸発燃料を、液状の燃料として燃料タンクに確実に回収することができる。ここで、本発明によれば、エアコンシステムの冷媒循環回路中に蒸発燃料を冷媒と共に混合体として流して、この混合体に含まれる蒸発燃料を例えば気液分離器によって液化するので、例えば、仮に、エアコンシステムの冷媒或いは冷気と蒸発燃料との間で熱交換を行わせることにより、蒸発燃料を冷却し液化する場合と比較して、蒸発燃料を液化する効率を向上させることができる。加えて、本発明によれば、エアコンシステムの冷却能力の低下を殆ど或いは全く招かない。
以上のように、本発明によれば、例えば内燃機関の負圧を利用せずに、エアコンシステムの冷媒を利用してキャニスタのパージ処理を確実に実施することができ、更に、このパージ処理によってキャニスタから脱離した蒸発燃料を液化して燃料タンクに回収することができる。
本発明の蒸発燃料処理装置の一態様では、前記冷媒循環回路は、互いに冷媒通路を介して接続されたコンプレッサ、コンデンサ、膨張弁及びエバポレータを有し、前記燃料還流手段は、前記冷媒循環回路における前記膨張弁及び前記エバポレータ間に設けられ、前記混合体から蒸発燃料を液化して分離する気液分離器と、前記気液分離器によって分離された蒸発燃料を前記燃料タンクに戻す燃料回収通路とを有する。
この態様によれば、冷媒循環回路において混合体が膨張弁によって低温且つ低圧にされた状態で、この混合体から気液分離器によって蒸発燃料を液化して、燃料回収通路によって燃料タンクに戻すことができる。
尚、冷媒循環回路では、コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁及びエバポレータは、冷媒がコンプレッサ、コンデンサ、膨張弁及びエバポレータをこの順に循環するように、互いに接続されている。コンプレッサ(即ち、圧縮器)は、冷媒(例えば二酸化炭素)を圧縮する。冷媒は、コンプレッサによって圧縮されることにより高温且つ高圧の状態になる。コンデンサ(即ち、凝縮器)は、コンプレッサによって圧縮された冷媒を凝縮する(即ち、液化する)。冷媒は、コンデンサによって凝縮されることにより低温且つ高圧の状態になる。膨張弁は、コンデンサによって凝縮された冷媒を、絞り膨張によって減圧する。冷媒は、膨張弁によって減圧されることにより低温且つ低圧の状態になる。エバポレータ(即ち、蒸発器)は、膨張弁によって減圧された冷媒を蒸発させる(言い換えれば、気化させる)。冷媒は、エバポレータによって蒸発させられることにより高温且つ低圧の状態になる。
上述した冷媒循環回路がコンプレッサ、コンデンサ、膨張弁及びエバポレータを有する態様では、前記冷媒導入手段は、前記冷媒循環回路における前記エバポレータの下流側であって前記コンプレッサの上流側に位置する冷媒通路と前記キャニスタとを連通させる冷媒導入通路を有していてもよい。
この場合には、エバポレータを通過した後の高温且つ低圧の状態にある冷媒を冷媒導入手段によってキャニスタに導入することができる。よって、キャニスタに吸着している蒸発燃料を、高温且つ低圧の状態にある冷媒によってキャニスタから脱離させることができる。即ち、高温且つ低圧の状態にある冷媒によってパージ処理を実施することができる。よって、冷媒をキャニスタに導入することによるキャニスタの温度の低下を抑制でき、キャニスタから蒸発燃料が脱離しにくくなることを抑制できる。従って、キャニスタから蒸発燃料を効率良く脱離させることができる。即ち、パージ処理の効率を向上させることができる。
上述した燃料還流手段が燃料回収通路を備える態様では、前記燃料還流手段は、前記燃料回収通路に設けられ、前記燃料回収通路を開閉可能なリターン開閉弁を更に有していてもよい。
この場合には、例えば燃料タンク内が負圧である場合にリターン開閉弁を開弁状態とすることにより、気液分離器によって分離された蒸発燃料(即ち、液化された蒸発燃料、つまり燃料)を効果的に燃料タンクに戻すことができる。
本発明の蒸発燃料処理装置の他の態様では、前記冷媒導入手段によって前記キャニスタに導入される前記冷媒の温度と、前記冷媒還流手段によって前記冷媒循環回路に戻される前記混合体の温度との温度差を検出する温度差検出手段と、前記温度差検出手段によって検出された温度差が所定の基準温度差以下である場合には、前記冷媒循環回路から前記キャニスタへの前記冷媒の導入が停止されるように、前記冷媒導入手段を制御する冷媒導入制御手段とを更に備える。
この態様によれば、エアコンシステムの冷媒を利用したパージ処理を無駄に実施してしまうことを回避できる。ここで、冷媒循環回路からキャニスタに導入される冷媒の温度と、キャニスタから冷媒循環回路に戻される混合体の温度との温度差が殆ど或いは全くない場合には、キャニスタに蒸発燃料が吸着されていないと考えられる。
尚、所定の基準温度差は、例えば、キャニスタに吸着されている蒸発燃料が殆ど或いは実践上全く無いと推定される、冷媒循環回路からキャニスタに導入される冷媒の温度とキャニスタから冷媒循環回路に戻される混合体の温度との温度差の上限値として、実験的、経験的、シミュレーション等により定めればよい。
上述した燃料還流手段がリターン開閉弁を有する態様では、前記冷媒戻し手段は、前記キャニスタと前記冷媒循環回路とを連通させる冷媒戻し通路と、前記冷媒戻し通路に設けられ、前記冷媒戻し通路を開閉可能な冷媒開閉弁とを有し、前記燃料タンク及び前記キャニスタの少なくとも一方の内部の圧力を検出する圧力検出手段と、前記冷媒が前記燃料タンク及び前記キャニスタに導入されることにより前記燃料タンク及び前記キャニスタが加圧状態となるように、前記冷媒導入手段、前記冷媒開閉弁及び前記リターン開閉弁を制御した後、前記圧力検出手段によって検出される圧力に基づいて前記燃料タンク及び前記キャニスタの少なくとも一方に異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段とを更に備えてもよい。
この場合には、キャニスタ及び燃料タンクを含むシステムを検査対象システムとして、エアコンシステムの冷媒を利用して、穴あき等の異常を検出する検査を行うことが可能である。
本発明の蒸発燃料処理装置の他の態様では、前記キャニスタに吸着されている前記蒸発燃料の吸着量の推定値に応じて前記エアコンシステムを起動するエアコン制御手段を更に備える。
この態様によれば、エアコン制御手段は、キャニスタに吸着されている蒸発燃料の吸着量の推定値(即ち、キャニスタに吸着されていると推定される蒸発燃料の吸着量)が例えば所定の基準吸着量よりも多く、パージ処理が必要である場合であって、エアコンシステムが動作していない場合に、エアコンシステムを起動する(言い換えれば、エアコンシステムを強制的に作動させる)。よって、パージ処理が必要な場合に、エアコンシステムの冷媒を利用したパージ処理を確実に実施することが可能となる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
第1実施形態に係る蒸発燃料処理装置を備えた車両の模式図である。 車両の動作状態毎の作動弁の開閉状態を示す表である。 出入り口温度差に基づくパージ処理の停止制御について説明するためのフローチャートである。 第1実施形態における穴あき検出の流れを示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る蒸発燃料処理装置について、図1から図4を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る蒸発燃料処理装置を備えた車両の全体構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る蒸発燃料処理装置を備えた車両の模式図である。
図1において、本実施形態に係る蒸発燃料処理装置を備えた車両10は、エンジン200、燃料タンク300、キャニスタ400、エアコンシステム500及びECU100を備えている。
エンジン200は、車両10の駆動源として機能する内燃機関であり、ガソリンを燃料とするガソリンエンジンである。エンジン200は、そのシリンダ内部で燃料と吸入空気(即ち、外界から導かれる空気)との混合気を燃焼させると共に、爆発力に応じて生じる内部のピストン運動を回転運動に変換することで車両10を駆動可能に構成されている。尚、エンジン200は、ガソリンエンジンに限られず、軽油を燃料とするディーゼルエンジン又はアルコールとガソリンとの混合燃料を使用可能なバイフューエルエンジン等であってもよい。
エンジン200には、そのシリンダ内部に外界から吸入空気を導くための吸気通路210が設けられている。この吸気通路210には、エアクリーナ220が配設されており、外界から吸入される空気が浄化される。吸気通路210におけるエアクリーナ220の下流側(シリンダ側)には、シリンダ内部への吸入空気量を調節するスロットルバルブ212が配設されている。エンジン200では、吸気通路210によって外部から吸入された吸入空気と、燃料噴射装置であるインジェクタ214から噴射された燃料とが混合され(即ち、混合気を形成し)、この混合気が燃焼される。
燃料タンク300は、エンジン200の燃料を貯留するための燃料タンクである。燃料タンク300には、燃料タンク300内に燃料を供給するためのパイプであるインレットパイプ310が設けられている。インレットパイプ310の給油口311には、フューエルキャップ312が着脱可能に取り付けられている。インレットパイプ310の給油口311と反対側の端部には、燃料タンク300内の燃料がインレットパイプ310を逆流し燃料タンク300から給油口311側に流れることを防止する、逆止弁313が設けられている。インレットパイプ310の給油口311の近傍には、ベントライン320が接続されている。ベントライン320は、給油時に、燃料タンク300内の蒸発燃料(即ち、ベーパ)をインレットパイプ310の給油口311付近まで戻し、大気が給油口11から燃料タンク300内に入り込む量を低減するために設けられている。
燃料タンク300内には、フューエルポンプ330及び残量センサ340が配設されている。フューエルポンプ330は、燃料タンク300内に貯留された燃料を吸い上げることが可能に構成されたポンプ装置である。フューエルポンプ330には、エンジン200のインジェクタ214に至るフィードパイプ350が連結されており、フューエルポンプ330によって吸い上げられた燃料は、フィードパイプ350を介してインジェクタ214に供給される。残量センサ340は、フロート式の液面高センサであり、燃料タンク300における燃料の残量を数値化して検出することが可能に構成されている。残量センサ340は、ECU100と電気的に接続されている。残量センサ340によって検出された燃料の残量は、ECU100により一定又は不定の周期で参照される。
燃料タンク300の上部には、後述するキャニスタ400と燃料タンク300内の燃料液面上部空間とを連通させる蒸発燃料通路であるエバポライン360が接続されている。エバポライン360と燃料タンク300との接続部には、ORVRバルブ(Onboard refueling vapor recovery valve)371及びCOV(Cut Off Valve)372が設けられている。ORVRバルブ371は、給油時の液面上昇により閉弁し、エバポライン360と燃料タンク300との連通を遮断するように構成されている。また、ORVRバルブ371は、車両転倒時等においてもエバポライン360と燃料タンク300との連通を遮断する構成となっており、エバポライン360を介して燃料タンク300内の燃料が外部に漏洩しない構成となっている。COV372は、ORVRバルブ371と並列配置されており、ORVRバルブ371よりも更に液面が上昇した場合にエバポライン360と燃料タンク300との連通を遮断するように構成されている。COV372は、給油時の液面上昇に際しては、ORVRバルブ371の閉弁後も開弁状態を維持するが、車両旋回による液面の動揺等により液面がCOV372まで到達する場合には閉弁し、エバポライン360と燃料タンク300との連通を遮断するように構成されており、エバポライン360を介して燃料タンク300内の燃料が外部に漏洩しない構成となっている。
燃料タンク300の上面には、圧力センサ345が設けられている。圧力センサ345は、燃料タンク300内の圧力(即ち、タンク内圧)を検出可能に構成された圧力センサである。圧力センサ345は、ECU100と電気的に接続されている。圧力センサ345によって検出されたタンク内圧は、ECU100により一定又は不定の周期で参照される。
エバポライン360には、封鎖弁370が設けられている。封鎖弁370は、開閉動作によりエバポライン360を開放及び封鎖することが可能に構成されたバルブ装置である。封鎖弁370が閉弁状態である場合には、エバポライン360は封鎖され、燃料タンク300とキャニスタ400との連通が遮断される。封鎖弁370は、ECU100に接続されており、その開閉動作がECU100により制御される。エバポライン360における封鎖弁370のキャニスタ400側には、冷媒導入通路610が接続されている。冷媒導入通路610は、後述するエアコンシステム500からキャニスタ400へ冷媒を導入するための管状部材である。尚、冷媒導入通路610の構成については、後に説明を加える。
キャニスタ400は、その内部に、燃料タンク300内で発生する蒸発燃料(即ち、ベーパ)を吸着保持可能な活性炭等の吸着材410を備えた吸着装置である。キャニスタ400は、上述したエバポライン360、大気連通管420及び冷媒戻し通路620の三種類の配管に接続されている。
大気連通管420は、車両10の車外空間(言い換えれば、大気)と連通する管状部材であり、キャニスタ400に接続されている。大気連通管420には、開閉動作により大気連通管420を開閉可能な大気弁421が設けられている。大気弁421が開弁状態である場合には、大気とキャニスタ400とが大気連通管420を介して連通し、大気弁421が閉弁状態である場合には、大気とキャニスタ400との大気連通管420を介した連通が遮断される。大気弁421は、ECU100に接続されており、その開閉動作がECU100により制御される。
冷媒戻し通路620は、エアコンシステム500から上述した冷媒導入通路610を介してキャニスタ400に導入された冷媒を、この導入された冷媒によってキャニスタ400の吸着材410から脱離した蒸発燃料(即ち、ベーパ)と共に、混合体としてエアコンシステム500に戻すための管状部材である。尚、冷媒戻し通路620の構成については、後に説明を加える。
キャニスタ400には、圧力センサ430が設けられている。圧力センサ430は、キャニスタ400内の圧力を検出可能に構成された圧力センサである。圧力センサ430は、ECU100と電気的に接続されている。圧力センサ430によって検出された圧力は、ECU100により一定又は不定の周期で参照される。
エアコンシステム500は、車両10の車室内の空調を行う空調システムであり、例えば自然冷媒である二酸化炭素(CO2)等の冷媒を循環させる冷媒循環回路500aを有している。冷媒循環回路500aは、互いに冷媒通路590を介して接続されたコンプレッサ510、コンデンサ520、膨張弁530及びエバポレータ540を有している。コンプレッサ510、コンデンサ520、膨張弁530及びエバポレータ540は、冷媒がコンプレッサ510、コンデンサ520、膨張弁530及びエバポレータ540をこの順に循環するように(即ち、冷媒が、コンプレッサ510、コンデンサ520、膨張弁530、エバポレータ540、コンプレッサ510、コンデンサ520、…の順に循環するように)、互いに接続されている。尚、図1において、矢印R1、R2、R3及びR4は、冷媒循環回路500aにおける冷媒の流れる方向を示している。
コンプレッサ510は、例えばCO2である冷媒を圧縮する圧縮器である。冷媒は、コンプレッサ510によって圧縮されることにより高温且つ高圧の状態になる。
コンデンサ520は、コンプレッサ510によって圧縮された冷媒を凝縮する(即ち、液化する)凝縮器である。冷媒は、コンデンサ520によって凝縮されることにより低温且つ高圧の状態になる。
膨張弁530は、コンデンサ520によって凝縮された冷媒を、絞り膨張によって減圧する膨張弁(エキスパンジョンバルブ)である。冷媒は、膨張弁530によって減圧されることにより低温且つ低圧の状態になる。
エバポレータ540は、膨張弁530によって減圧された冷媒を蒸発させる(言い換えれば、気化させる)蒸発器である。冷媒は、エバポレータ540によって蒸発させられることにより高温且つ低圧の状態になる。エバポレータ540によって高温且つ低温の状態となった冷媒は、冷媒通路590によってコンプレッサ510に導かれ、コンプレッサ510によって再び圧縮される。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。ECU100は、後述するパージ処理や穴あき検出を制御することが可能に構成されている。
図1において、車両10は、冷媒導入通路610、三方弁611、冷媒戻し通路620、冷媒開閉弁621、気液分離器630、燃料回収通路640及びリターン開閉弁641を更に備えている。
冷媒導入通路610は、上述したように、エアコンシステム500からキャニスタ400へ冷媒を導入するための管状部材である。冷媒導入通路610の一端は、エアコンシステム500の冷媒循環回路500aにおけるエバポレータ540とコンプレッサ510との間(即ち、エバポレータ540の下流側であってコンプレッサ510の上流側)の冷媒通路590と三方弁611を介して接続されている。冷媒導入通路610の他端は、エバポライン360における封鎖弁370よりもキャニスタ400側に接続され、キャニスタ400に連通している。
三方弁611は、冷媒循環回路500aにおけるエバポレータ540とコンプレッサ510との間(即ち、エバポレータ540の下流側であってコンプレッサ510の上流側)の冷媒通路590に設けられ、当該三方弁611とエバポレータ540との間の冷媒通路590(590a)を、当該三方弁611とコンデンサ510との間の冷媒通路590(590b)、又は冷媒導入通路610に選択的に連通させることが可能に構成された三方弁である。言い換えれば、三方弁611は、エバポレータ540を通過した冷媒が流れる方向を、コンプレッサ510に向かう方向(以下、「エアコン側方向」と適宜称する)と、キャニスタ400に向かう方向(以下、「キャニスタ側方向」と適宜称する)との間で切り替え可能に構成された三方弁である。三方弁611は、ECU100に接続されており、その動作がECU100により制御される。
冷媒戻し通路620は、上述したように、エアコンシステム500から冷媒導入通路610を介してキャニスタ400に導入された冷媒を、この導入された冷媒によってキャニスタ400の吸着材410から脱離したベーパと共に、混合体としてエアコンシステム500に戻すための管状部材である。冷媒戻し通路620の一端は、キャニスタ400と連通している。冷媒戻し通路620の他端は、エアコンシステム500の冷媒循環回路500aにおける三方弁611よりコンプレッサ510側の冷媒通路590(590b)に連通している。
冷媒開閉弁621は、冷媒戻し通路620に設けられ、開閉動作により冷媒戻し通路620を開閉可能に構成されたバルブ装置である。冷媒開閉弁621が開弁状態である場合には、キャニスタ400と冷媒通路590bとが冷媒戻し通路620を介して連通し、冷媒開閉弁621が閉弁状態である場合には、キャニスタ400と冷媒通路590bとの冷媒戻し通路620を介した連通が遮断される。冷媒開閉弁621は、ECU100に接続されており、その開閉動作がECU100により制御される。
気液分離器630は、冷媒循環回路500aにおける膨張弁530及びエバポレータ540間に設けられ、冷媒とベーパとを含む混合体からベーパを液化して分離することが可能に構成された気液分離器である。言い換えれば、気液分離器630は、膨張弁530を通過した後の混合体を冷媒と燃料(即ち、液化されたペーパ)とに分離し、冷媒をエバポレータ540側に流入させると共に燃料を燃料回収通路640に流入させることが可能に構成された気液分離器である。
燃料回収通路640は、気液分離器630によって液化して分離されたベーパ(即ち、燃料)を燃料タンク300に戻すための管状部材である。燃料回収通路640の一端は、気液分離器630に接続されている。燃料回収通路640の他端は、エバポライン360における封鎖弁370よりも燃料タンク300側に接続され、燃料タンク300に連通されている。
リターン開閉弁641は、燃料回収通路640に設けられ、開閉動作により燃料回収通路640を開閉可能に構成されたバルブ装置である。リターン開閉弁641が開弁状態である場合には、気液分離器630と燃料タンク300とが燃料回収通路640を介して連通し、リターン開閉弁641が閉弁状態である場合には、気液分離器630と燃料タンク300との燃料回収通路640を介した連通が遮断される。リターン開閉弁641は、ECU100に接続されており、その開閉動作がECU100により制御される。
次に、本実施形態に係る蒸発燃料処理装置の動作について、図1に加えて図2から図4を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る蒸発燃料処理装置によるキャニスタのパージ処理について、図1から図3を参照して説明する。
図2は、車両10の動作状態毎の、封鎖弁370、大気弁421、冷媒開閉弁621、三方弁611及びリターン開閉弁641(以下、これらをまとめて「作動弁」と適宜称する)の開閉状態を示す表である。
図2に示す表において、列C1は、車両10が走行状態であり、エアコンシステム500が作動中(即ちON状態)であり、OBD(On-Board Diagnostics:自己故障診断)の一つとしての後述する穴あき検出が実行されている場合の各作動弁の開閉状態を示している。列C2は、車両10が走行状態であり、エアコンシステム500が作動中であり、穴あき検出が実行されていない場合の各作動弁の開閉状態を示している。列C3は、車両10が走行状態であり、エアコンシステム500が作動していない(即ちOFF状態である)場合の各作動弁の開閉状態を示している。列C4は、車両10が給油中である場合の各作動弁の開閉状態を示している。列C5は、車両10が駐車中である場合の各作動弁の開閉状態を示している。
図2において、列C5に示すように、車両10が駐車中である場合には、封鎖弁370は閉弁状態とされ、燃料タンク300とキャニスタ400との連通が遮断される。これにより、車両10の駐車中に燃料タンク300内で発生したベーパを燃料タンク300内に封じ込めることができる。よって、キャニスタ400がベーパを吸着するのを抑制することができる。尚、車両10が駐車中である場合には、大気弁421及び冷媒開閉弁621はそれぞれ閉弁状態とされ、三方弁611は、「エアコン側」とされ(即ち、エバポレータ540を通過した冷媒の流れる方向がエアコン側方向となるようにECU100によって制御され)、リターン開閉弁640は、基本的には閉弁状態とされ、タンク内圧が負圧時に開弁状態とされる。
一方、列C4に示すように、車両10が給油中である場合には、大気へのベーパの放出を低減するため、封鎖弁370は開弁状態とされ、燃料タンク300とキャニスタ400とが連通する。これにより、燃料タンク300内で発生したベーパは、エバポライン360によってキャニスタ400に導かれ、キャニスタ400の吸着材410に吸着される。尚、車両10が駐車中である場合には、大気弁421は開弁状態とされ、冷媒開閉弁621は閉弁状態とされ、三方弁611は「エアコン側」とされ、リターン開閉弁640は、閉弁状態とされる。
ここで、キャニスタ400の吸着材410がベーパを吸着する吸着能力には限界があるため、上述したように車両10の給油中に吸着材410に吸着されたベーパを、吸着材410から脱離或いは放出させるパージ処理を実施する必要がある。
本実施形態では特に、上述したように、車両10は、冷媒導入通路610、三方弁611、冷媒戻し通路620、冷媒開閉弁621、気液分離器630、燃料回収通路640及びリターン開閉弁641を備えているので、エアコンシステム500の冷媒を利用してパージ処理を確実に実施することが可能である。
本実施形態では、パージ処理は、車両10が走行状態であり、エアコンシステム500が作動中であり、後述する穴あき検出が実行されていない場合に実施される。パージ処理が実施される際(即ち、車両10が走行状態であり、エアコンシステム500が作動中であり、穴あき検出が実行されていない場合)には、図2の列C2に示すように、封鎖弁370は閉弁状態とされ、大気弁421は閉弁状態とされ、冷媒開閉弁621は開弁状態とされ、三方弁611は「キャニスタ側」とされ(即ち、エバポレータ540を通過した冷媒の流れる方向がキャニスタ400側となるようにECU100によって制御され)、リターン開閉弁641は、基本的には閉弁状態とされ、タンク内圧が負圧時に開弁状態とされる。
図1及び図2において、このように各作動弁がパージ処理用の開閉状態(即ち、図2の列C2に示す開閉状態)とされると、先ず、エバポレータ540を通過した後の冷媒は、三方弁611及び冷媒導入通路610によってキャニスタ400に導入される。よって、キャニスタ400の吸着材410に吸着しているベーパを、冷媒循環回路500aからキャニスタ400に導入された冷媒によって、吸着材410から脱離させることができる(即ち、キャニスタ400のパージ処理を実施できる)。次に、キャニスタ400に導入された冷媒と、この冷媒によって吸着材410から脱離したベーパとの混合体は、冷媒戻し通路620によって冷媒循環回路500aの冷媒通路590bに戻される。次に、冷媒循環回路500aに戻された混合体は、コンプレッサ510、コンデンサ520及び膨張弁530を順番に通過した後に、気液分離器630によって冷媒と燃料とに分離される。気液分離器630によって分離された冷媒は、エバポレータ540に流入し、気液分離器630によって分離された燃料は、燃料回収通路640に流入する。燃料回収通路640に流入した燃料は、基本的には閉弁状態とされるリターン開閉弁641によって燃料回収通路640内に一時的に留められ、タンク内圧が負圧時にリターン開閉弁641が開弁状態とされることにより燃料タンク300に戻される。
このように、本実施形態によれば、エアコンシステム500の冷媒を利用してパージ処理を実施することができる。よって、例えば、エンジン200が停止される期間或いは回数が長い或いは多いためやエンジン200の負圧が低いために、エンジン200の負圧を利用したキャニスタ400のパージ処理を実施することが困難である場合であっても、キャニスタ400のパージ処理を確実に実施することができる。更に、仮に、エンジン200の負圧を利用したパージ処理を行う場合に必要となる、パージ処理に伴う燃料補正(例えばインジェクタ214から噴射する燃料の噴射量などの補正)を行う必要がないので、エンジン200の空燃比制御性を向上させることができる。加えて、冷媒循環回路500aに戻された混合体に含まれる、冷媒によってキャニスタ400から脱離したベーパを、液状の燃料として燃料タンク300に確実に回収することができる。
図1において、本実施形態では特に、冷媒導入通路610は、冷媒循環回路500aにおけるエバポレータ540の下流側であってコンプレッサ510の上流側に位置する冷媒通路590とキャニスタ400とを連通させるように構成されている。よって、エバポレータ540を通過した後の高温且つ低圧の状態にある冷媒を冷媒導入通路610によってキャニスタ400に導入することができる。従って、キャニスタ400に吸着しているベーパを、高温且つ低圧の状態にある冷媒によってキャニスタ400から脱離させることができる。即ち、高温且つ低圧の状態にある冷媒によってパージ処理を実施することができる。これにより、冷媒をキャニスタ400に導入することによるキャニスタ400の温度の低下を抑制でき、キャニスタ400からベーパが脱離しにくくなることを抑制できる。従って、キャニスタ400からベーパを効率良く脱離させることができる。即ち、パージ処理の効率を向上させることができる。
更に、本実施形態では特に、上述したように燃料回収通路640にリターン開閉弁641が設けられており、リターン開閉弁641は、タンク内圧が負圧である場合に開弁状態となるようにECU100によって制御される。よって、気液分離器630によって液化されたベーパ(即ち、燃料)を、燃料回収通路640及びリターン開閉弁641を介して効果的に燃料タンク300に戻すことができる。
加えて、本実施形態では特に、ECU100は、キャニスタ400に吸着されているベーパの吸着量の推定値(即ち、キャニスタ400の吸着材410に吸着されていると推定されるベーパの吸着量)が所定の基準吸着量よりも多く、パージ処理が必要である場合であって、エアコンシステム500が作動していない場合には、エアコンシステム500を起動する(言い換えれば、エアコンシステム500を強制的に作動させる)ように構成されている。よって、パージ処理が必要な場合に、上述したようなエアコンシステム500の冷媒を利用したパージ処理を確実に実施することが可能となる。尚、キャニスタ400に吸着されている吸着量の推定値を得る態様(言い換えれば、キャニスタ400に吸着されている吸着量を推定する推定態様)としては、公知の各種態様を採用することができる。例えば、タンク内圧、燃料タンク300内の燃料の温度及び封鎖弁370の開弁期間に基づいてECU100が吸着量の推定値を得るようにしてもよいし、キャニスタ400におけるベーパの吸着量を直接検出し得るように構成された検出手段がキャニスタ400に設けられ、その検出結果をECU100が吸着量の推定値として参照するようにしてもよい。
尚、図2において、列C3に示すように、車両10が走行状態であり、エアコンシステム500が停止中である場合には、封鎖弁370、大気弁421及び冷媒開閉弁621はそれぞれ閉弁状態とされ、三方弁611は「エアコン側」とされ、リターン開閉弁640は、基本的には閉弁状態とされ、タンク内圧が負圧時に開弁状態とされる。
図1において、本実施形態では特に、キャニスタ400には、冷媒導入通路610によってキャニスタ400に導入される冷媒の温度(以下、「入口温度」と適宜呼ぶ)と、冷媒戻し通路620によって冷媒循環回路500aに戻される混合体の温度(以下、「出口温度」と適宜呼ぶ)とを検出可能な温度センサ650が設けられている。更に、ECU100は、温度センサ650によって検出された、キャニスタ400に導入される冷媒の温度と冷媒循環回路500aに戻される混合体の温度との温度差が所定の基準温度差以下である場合には、冷媒循環回路500aからキャニスタ400への冷媒の導入が停止されるように、三方弁611を制御する(即ち、三方弁611は「エアコン側」とされる)。つまり、ECU100は、入口温度と出口温度との温度差に基づいてパージ処理の停止制御を行う。よって、エアコンシステム500の冷媒を利用したパージ処理を無駄に実施してしまうことを回避できる。ここで、入口温度と出口温度との温度差が殆ど或いは全くない場合には、キャニスタ400にベーパが吸着されていないと考えられる。尚、以下では、入口温度と出口温度との温度差を「出入り口温度差」と適宜称することとする。温度センサ650は、ECU100と共に、本発明に係る「温度差検出手段」の一例を構成する。
このような出入り口温度差に基づくパージ処理の停止制御について、図3を参照して説明を加える。
図3は、出入り口温度差に基づくパージ処理の停止制御について説明するためのフローチャートである。
図3において、先ず、パージ処理の要求があるか否かがECU100によって判定される(ステップS110)。即ち、上述したキャニスタ400のパージ処理が実施中であるか否かがECU100によって判定される。
パージ処理の要求がないと判定された場合(即ち、パージ処理が実施中でないと判定された場合)には(ステップS110:No)、例えば所定時間後に再び、パージ処理の要求があるか否かがECU100によって判定される(ステップS110)。
一方、パージ処理の要求があると判定された場合(即ち、パージ処理が実施中であると判定された場合)には(ステップS110:Yes)、上述した出入り口温度差が測定される(ステップS120)。即ち、入口温度(即ち、冷媒導入通路610によってキャニスタ400に導入される冷媒の温度)と出口温度(即ち、冷媒戻し通路620によって冷媒循環回路500aに戻される混合体の温度)との温度差である出入り口温度差が温度センサ650によって検出され、この検出された出入り口温度差がECU100によって参照される。
次に、出入り口温度差があるか否かがECU100によって判定される(ステップS130)。即ち、温度センサ650によって検出された出入り口温度差が、所定の基準温度より大きいか否かがECU100によって判定される。具体的には、温度センサ650によって検出された出入り口温度差が所定の基準温度差より大きい場合には、ECU100は、「出入り口温度差がある」と判定し、温度センサ650によって検出された出入り口温度差が所定の基準温度差以下である場合には、ECU100は、「出入り口温度差がない」と判定する。
出入り口温度差があると判定された場合には(ステップS130:Yes)、パージ処理が継続される(ステップS140)。即ち、出入り口温度差がある場合には、ECU100は、パージ処理が実行されるように、各作動弁を制御する(つまり、各作動弁を図2における列C2に示される開閉状態のまま維持する)。
出入り口温度差がないと判定された場合には(ステップS130:No)、パージ処理が停止される(ステップS150)。即ち、出入り口温度差がない場合には、ECU100は、パージ処理が停止されるように、各作動弁を制御する(例えば、三方弁611を「キャニスタ側」から「エアコン側」に切り替える)。
このように、ECU100は、出入口温度差に基づいてパージ処理の停止制御を行うので、エアコンシステム500の冷媒を利用したパージ処理を無駄に実施してしまうことを回避できる。
次に、本実施形態における穴あき検出について、図1及び図2に加えて図4を参照して説明する。
本実施形態における「穴あき検出」とは、キャニスタ400及び燃料タンク300を含むシステムを検査対象システムとして、検査対象システムに穴あき等の異常があるか否かを判定する検査であり、言い換えれば、検査対象システムにおけるリークの発生を検出するための検査(つまり、検査対象システムにリークを発生させる穴があいているか否かを判定する検査)である。
本実施形態では特に、ECU100は、エアコンシステム500の冷媒が燃料タンク300及びキャニスタ400に導入されることにより燃料タンク300及びキャニスタ400が加圧状態となるように、各作業弁を制御した後、圧力センサ430によって検出される圧力に基づいて検査対象システムに異常が発生しているか否かを判定することが可能に構成されている。よって、キャニスタ400及び燃料タンク300を含むシステムを検査対象システムとして、エアコンシステム500の冷媒を利用して穴あき検査を行うことが可能である。
図4は、本実施形態における穴あき検出の流れを示すフローチャートである。
図4において、先ず、穴あき検出の要求があるか否かがECU100によって判定される(ステップS210)。即ち、穴あき検出を行うべき所定の実行条件が満たされているか否かがECU100によって判定される。
穴あき検出の要求がないと判定された場合には(ステップS210:No)、例えば所定時間後に再び、穴あき検出の要求があるか否かがECU100によって判定される(ステップS210)。
一方、穴あき検出の要求があると判定された場合には(ステップS210:Yes)、先ず、大気弁421、冷媒開閉弁621及びリターン開閉弁641がECU100によってそれぞれ閉弁状態とされる(ステップS220)。
次に、ECU100によって、封鎖弁370が開弁状態とされると共に三方弁611が「キャニスタ側」とされる(ステップS230)。これにより、冷媒循環回路500aにおける冷媒通路590(590b)とキャニスタ400と燃料タンク300とが互いに連通し、冷媒循環回路500aの冷媒がキャニスタ400及び燃料タンク300に導入される。ここで、大気弁421、冷媒開閉弁621及びリターン開閉弁641がそれぞれ閉弁状態とされているので、冷媒循環回路500aの冷媒がキャニスタ400及び燃料タンク300に導入されることにより、キャニスタ400及び燃料タンク300が加圧状態となる。尚、図2の列C1は、穴あき検査の実行中において、このように冷媒循環回路500aの冷媒がキャニスタ400及び燃料タンク300に導入される際の各作動弁の開閉状態を示している。
次に、三方弁611が「エアコン側」とされ、検査対象システムの圧力変化の測定がECU100によって開始される(ステップS240)。即ち、ECU100は、キャニスタ400に設けられた圧力センサ430によって検出される圧力を所定期間中に複数回参照することにより、キャニスタ400及び燃料タンク300を含む検査対象システム内の圧力の変化を測定する。
次に、検査対象システムに圧力変化があるか否かがECU100によって判定される(ステップS250)。即ち、ECU100は、所定期間中に圧力センサ430によって検出された圧力が所定の基準変化量よりも多く変化したか否かを判定する。尚、所定の基準変化量は、検査対象システムに穴あき等の異常が殆ど或いは実践上全く無いと推定される場合に生じ得る検査対象システム内の圧力の変化量の上限値として、実験的、経験的、シミュレーション等により定めればよい。
検査対象システムに圧力変化がないと判定された場合には(ステップS250:No)、検査対象システムは正常であるとECU100によって判定される(ステップS300)。
検査対象システムに圧力変化があると判定された場合には(ステップS250:Yes)、封鎖弁370がECU100によって閉弁状態とされる(ステップS260)。
次に、キャニスタ400に圧力変化があるか否かがECU100によって判定される(ステップS270)。即ち、ECU100は、封鎖弁370を閉弁状態とした後に、所定期間中に圧力センサ430によって検出される圧力が変化するか否かを判定する。
キャニスタ400に圧力変化がある場合には(ステップS270:Yes)、キャニスタ400に穴あき等の異常が発生しているとECU100によって判定される(ステップ280)。
一方、キャニスタ400に圧力変化がない場合には(ステップS270:No)、燃料タンク300に穴あき等の異常が発生しているとECU100によって判定される(ステップS290)。即ち、キャニスタ400及び燃料タンク300を含む検査対象システムに圧力変化がある場合(ステップS250)において、封鎖弁370が閉鎖されることにより検査対象システムの封鎖弁370よりキャニスタ400側と燃料タンク300側との連通が遮断された(ステップS260)後に、キャニスタ400側の圧力変化がないときには(ステップS270:No)、ECU100は、検査対象システムのうち封鎖弁370よりも燃料タンク300側に圧力変化があり、燃料タンク300側に穴あき等の異常が発生していると判定する。
このように、本実施形態によれば、キャニスタ400及び燃料タンク300を含むシステムを検査対象システムとして、エアコンシステム500の冷媒を利用して穴あき検査を行うことが可能である。
尚、本実施形態では、ECU100による検査対象システムの圧力変化の測定が、キャニスタ400に設けられた圧力センサ430によって検出される圧力に基づいて行われる例を挙げて説明したが、ECU100による検査対象システムの圧力変化の測定は、燃料タンク300に設けられた圧力センサ345によって検出される圧力に基づいて行われてもよい。この場合、ECU100は、検査対象システムに圧力変化があると判定した場合には、封鎖弁370を閉弁状態とした後に、燃料タンク300に圧力変化があるか否かを判定し、圧力変化があるときには、燃料タンク300に穴あき等の異常があると判定し、圧力変化がないときには、キャニスタ400に穴あき等の異常があると判定する。
以上説明したように、本実施形態によれば、例えばエンジン200の負圧を利用せずに、エアコンシステム500の冷媒を利用してキャニスタ400のパージ処理を確実に実施することができ、更に、このパージ処理によってキャニスタ400から脱離したベーパを液化して燃料タンク300に回収することができる。加えて、キャニスタ400及び燃料タンク300を含むシステムを検査対象システムとして、エアコンシステム500の冷媒を利用して穴あき検出を行うことが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う蒸発燃料処理装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
100…ECU、200…エンジン、300…燃料タンク、360…エバポライン、370…封鎖弁、400…キャニスタ、421…大気弁、500…エアコンシステム、500a…冷媒循環回路、510…コンプレッサ、520…コンデンサ、530…膨張弁、540…エバポレータ、610…冷媒導入通路、611…三方弁、620…冷媒戻し通路、621…冷媒開閉弁、630…気液分離器、640…燃料回収通路、641…リターン開閉弁

Claims (7)

  1. 冷媒を循環させる冷媒循環回路を有するエアコンシステムと、
    燃料を貯留する燃料タンクで生じる蒸発燃料を吸着可能なキャニスタと、
    前記冷媒循環回路から前記キャニスタへ前記冷媒を導入可能な冷媒導入手段と、
    前記冷媒導入手段によって前記キャニスタに導入された冷媒を、該導入された冷媒によって前記キャニスタから脱離した蒸発燃料と共に、混合体として前記冷媒循環回路に戻す冷媒戻し手段と、
    前記冷媒戻し手段によって前記冷媒循環回路に戻された前記混合体に含まれる蒸発燃料を液化して、前記燃料タンクに還流させる燃料還流手段と
    を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 前記冷媒循環回路は、互いに冷媒通路を介して接続されたコンプレッサ、コンデンサ、膨張弁及びエバポレータを有し、
    前記燃料還流手段は、
    前記冷媒循環回路における前記膨張弁及び前記エバポレータ間に設けられ、前記混合体から蒸発燃料を液化して分離する気液分離器と、
    前記気液分離器によって分離された蒸発燃料を前記燃料タンクに戻す燃料回収通路と
    を有する請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記冷媒導入手段は、前記冷媒循環回路における前記エバポレータの下流側であって前記コンプレッサの上流側に位置する冷媒通路と前記キャニスタとを連通させる冷媒導入通路を有する請求項2に記載の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記燃料還流手段は、前記燃料回収通路に設けられ、前記燃料回収通路を開閉可能なリターン開閉弁を更に有する請求項2又は3に記載の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記冷媒導入手段によって前記キャニスタに導入される前記冷媒の温度と、前記冷媒還流手段によって前記冷媒循環回路に戻される前記混合体の温度との温度差を検出する温度差検出手段と、
    前記温度差検出手段によって検出された温度差が所定の基準温度差以下である場合には、前記冷媒循環回路から前記キャニスタへの前記冷媒の導入が停止されるように、前記冷媒導入手段を制御する冷媒導入制御手段と
    を更に備える請求項1から4のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
  6. 前記冷媒戻し手段は、前記キャニスタと前記冷媒循環回路とを連通させる冷媒戻し通路と、前記冷媒戻し通路に設けられ、前記冷媒戻し通路を開閉可能な冷媒開閉弁とを有し、
    前記燃料タンク及び前記キャニスタの少なくとも一方の内部の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記冷媒が前記燃料タンク及び前記キャニスタに導入されることにより前記燃料タンク及び前記キャニスタが加圧状態となるように、前記冷媒導入手段、前記冷媒開閉弁及び前記リターン開閉弁を制御した後、前記圧力検出手段によって検出される圧力に基づいて前記燃料タンク及び前記キャニスタの少なくとも一方に異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と
    を更に備える請求項4に記載の蒸発燃料処理装置。
  7. 前記キャニスタに吸着されている前記蒸発燃料の吸着量の推定値に応じて前記エアコンシステムを起動するエアコン制御手段を更に備える請求項1から6のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
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