JP2010269819A - ガラス板梱包体のシート材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ガラス板にとって良好なクッション性を備えるとともに適度な硬さと良好な滑り性を備えたガラス板梱包体のシート材を提供する。
【解決手段】実施の形態のガラス板梱包体10のシート材54は、上層に超高分子量ポリエチレンシート60、中層に弾性発泡ポリウレタンシート62、下層に粘着剤層65を有する粘着シート64からなる3層構造であり、超高分子量ポリエチレンシート60にガラス板Gの下縁が載置され、粘着シート64の粘着剤層65が板材52に貼着される。弾性発泡ポリウレタンシート62によって、ガラス板Gにとって良好なクッション性を得ることができる。超高分子量ポリエチレンシート60によって適度な硬さと良好な滑り性を有する表面性状を得ることができる。
【選択図】図6

Description

本発明はガラス板梱包体のシート材に係り、特に液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の大型ガラス基板及びその製造過程における中間製品の大型ガラス板を梱包するガラス板梱包体であって、梱包されたガラス板の下縁が載置されるクッション機能を備えたシート材に関する。
近年、液晶ディスプレイ用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板等のフラットパネルディスプレイに用いられるガラス板の大型化のニーズが高まっている。従来、このような大型のガラス板を輸送するガラス板梱包体として、特許文献1、2に開示された縦置きのガラス板梱包体が知られている。
このガラス板梱包体は、台座、底板、及び背板等から構成されており、台座の上面には搭載面が形成され、この搭載面は、機械加工により所定の平坦度に仕上げられている。この搭載面上に前記底板が所定の傾斜角度で設置され、この底板上にガラス板の下縁が載置される。背板も同様に前記搭載面上に所定の角度で立設され、この背板にガラス板の面が受けられる。また、ガラス板梱包体には、背板に受けられたガラス板の側方部に当接されてガラス板の側方移動を規制する側方押え部材が設けられているものもある。したがって、ガラス板は、背板の傾斜角度をもって底板上に積載されるとともに側方押え部材によって側方の位置ずれが規制された状態で、すなわち、ガラス板梱包体に対して位置決めされた状態でガラス板梱包体に梱包される。
ところで、特許文献1、2に開示された縦置きのガラス板梱包体に積層したガラス板においては、板厚が薄くなると(例えば、板厚0.4〜1.8mm)、輸送等の振動で、底板と接触しているガラス板の下縁から割れ易くなるという傾向がある。この原因は、ガラス板の板厚が薄いことでガラスの端面に残る切断時の応力が影響していると考えられている。
そこで、ガラス板梱包体の底板上には、ガラス板の端面の割れを防止するために、クッション機能を備えたシート材が貼着されている。特許文献1に開示されたシート材は、弾性率が高く、弾性回復率の高い素材でかつ、ガラス板下縁との摩擦によっても埃が出にくく、脱ガスの少ない材料であるポリエチレン系又はエラストマが使用されている。また、特許文献2に開示されたシート材は、ゴムや発泡性樹脂等のクッション材が使用されている。
特開2005−132490号公報 特開2005−298062号公報
しかしながら、特許文献1、2のシート材は、その素材の性質によりガラス板に対するクッション性は備えているものの、クッション性が良好であるが故に、例えば底板の表面に凹凸があった場合、その凸部にガラス板の下縁がシート材を介して点支持されてしまうことから、その点支持部に応力が集中してガラス板の下縁が割れ易くなるという問題があった。また、シート材の軟質な表面が、振動するガラス板の下縁で削られていき、クッション性が早期に悪化するという問題もあった。
一方、ガラス板をガラス板梱包体に積層していく際に、ガラス板の下部のガラス板同士の間隔がどうしても広がっていく傾向にある。この場合には、背板と対向する側である最も表面側に位置するガラス板を背板側に押し込んでガラス板の下部のガラス板同士の隙間を詰めていく作業を行う。その際、詰められていくガラス板の下縁は、クッション性を備えたシート材にある程度めり込んでいるため滑り性が悪く、過度の力をガラス板に加えるとガラス板の下縁が損傷するという問題があった。このような問題は、輸送時の振動でも発生していた。
したがって、ガラス板のシート材に要求される性能としては、クッション性は勿論のこと、ガラス板の下縁によって容易に削られない表面硬さと、ガラス板の下縁を円滑に滑らせる滑り性表面とを備えることが望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ガラス板にとって良好なクッション性を備えるとともに適度な硬さと良好な滑り性を有する表面性状を備えたガラス板梱包体のシート材を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、上面に搭載面が形成された台座と、前記台座の前記搭載面に所定の角度で傾斜して設けられるとともにガラス板の下縁が支持される底板と、前記底板上に貼着されて前記ガラス板の下縁が載置されるシート材と、前記台座の搭載面に所定の角度で傾斜して立設されたフレーム部材と、前記フレーム部材に取り付けられるとともにガラス板の面を受ける背板とを備えたガラス板梱包体において、前記シート材は、上層に超高分子量ポリエチレンシート、中層に弾性発泡ポリウレタンシート、下層に粘着剤層を有する3層構造であり、前記超高分子量ポリエチレンシートに前記ガラス板の下縁が載置され、前記粘着剤層が前記底板に貼着されることを特徴とするガラス板梱包体のシート材を提供する。
本発明によれば、3層構造のシート材のうち中層の弾性発泡ポリウレタンシートによって、ガラス板にとって良好なクッション性(衝撃吸収性)を得ることができる。この弾性発泡ポリウレタンシートは、圧縮にも強く復元性もよい。また、3層構造のシート材のうち上層の超高分子量ポリエチレンシートによって適度な硬さと良好な滑り性を得ることができる。この超高分子量ポリエチレンシートは、ガラス板の下縁によって削られない程度の適度な硬さと滑りのよい表面性状を有する。
すなわち、本発明のシート材によれば、弾性発泡ポリウレタンシートによってガラス板に加わる輸送時の振動を吸収することができ、かつ、底板表面の凸凹も吸収することができる。また、弾性発泡ポリウレタンシートシートの上層に超高分子量ポリエチレンシートが積層されているため、底板表面の凸凹は弾性発泡ポリウレタンシートを介して超高分子量ポリエチレンシートに転写しない。よって、ガラス板の下縁が凸部で点支持されることに起因するガラス板の下縁の割れを防止できる。なお、弾性発泡ポリウレタンシートの発泡倍率は、ガラス板の質量及び通常考えられる振動の大きさ等に応じて設定されるものである。また、超高分子量ポリエチレンシートの厚さは、弾性発泡ポリウレタンシートによるクッション性を損なわない厚さに設定されるものである。更に、下層の粘着剤層は、片面又は両面に粘着剤層を有する粘着シートによって構成することもできる。
本発明の前記弾性発泡ポリウレタンシートと前記超高分子量ポリエチレンシートとは接着剤によって接着されていることが好ましい。このように弾性発泡ポリウレタンシートと超高分子量ポリエチレンシートとを接着剤で固定した場合は、シート材の交換時において、シート材全体をガラス板梱包体の底板から取り外して交換すればよい。
本発明によれば、前記超高分子量ポリエチレンシートが下面に粘着層を有し、前記弾性発泡ポリウレタンシートが上面に粘着層を有し、前記超高分子量ポリエチレンシートと前記弾性発泡ポリウレタンシートとが前記2つの粘着層を介して積層されていることが好ましい。
本発明の粘着層とは、互いの密着面が水平方向には滑らずに垂直方向では容易に剥離する表面性状を有する層を指す。一方でガラス板の下縁と接触している超高分子量ポリエチレンシートは、必要に応じてその都度メンテナンスが必要で着脱が容易にできることが求められている。したがって、本発明の如く、超高分子量ポリエチレンシートを2つの粘着層を介して弾性発泡ポリウレタンシートに積層すると、超高分子量ポリエチレンシートを弾性発泡ポリウレタンシートに対して垂直方向に剥がすことにより、超高分子量ポリエチレンシートを容易に取り外すことができるので、超高分子量ポリエチレンシートのメンテナンス性が向上する。面取前のガラス板は縁部が粗く、その縁部や縁部から剥離したカレットが超高分子量ポリエチレンシートにダメージを与えて超高分子量ポリエチレンシートの寿命が短くなることが考えられる。本発明では、超高分子量ポリエチレンシートのみを容易に取り外すことができるので、このような面取前のガラス板の梱包体に有効となる。
なお、粘着層の互いの密着面が水平方向に滑る表面性状を有すると、ガラス板の輸送時の振動でガラス板を積載した超高分子量ポリエチレンシートがガラス板梱包体に対して水平方向に位置ずれする場合があるため好ましくない。つまり、ガラス板梱包体からのガラス板の搬出は、吸着部を備えたロボットによって行われるのが一般的であり、上述の如くガラス板を積載した超高分子量ポリエチレンシートの位置がずれると、ロボットの吸着部のガラス板に対する吸着位置がずれてしまうため、その後に行われる工程に悪影響を与える。よって、本発明の如く、互いの密着面が水平方向に滑らない表面性状を粘着層に持たすことにより、上記不具合を解消できる。
本発明では、シート材の上層を超高分子量ポリエチレンシートとしたが、弾性発泡ポリウレタンシートを成型する際に発生する、弾性発泡ポリウレタンシート表面の密度の高いスキン層を超高分子量ポリエチレンシートの代用としてもよい。
以上説明したように本発明のガラス板梱包体のシート材によれば、ガラス板にとって良好なクッション性を備えるとともに適度な硬さと良好な滑り性を備えることができる。
実施の形態のガラス板梱包体の全体斜視図 図1に示したガラス板梱包体の右側面図 図1に示したガラス板梱包体の組立斜視図 図1に示したガラス板梱包体のブラケットの拡大斜視図 図4に示したブラケットの要部拡大図 (A)は第1の実施の形態のシート材の構成を示した説明図、(B)は第2の実施の形態のシート材の構成を示した説明図、(C)は変形例のシート材の構成を示した説明図
以下、添付図面に従って本発明に係るガラス板梱包体のシート材の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態のシート材が取り付けられたガラス板梱包体10の全体斜視図、図2は、図1に示したガラス板梱包体10の右側面図である。なお、図2においては、図1に示した側方押え部材12を省略して示している。このガラス板梱包体10は、特にプラズマディスプレイ用ガラス板を縦置き状態で梱包するものであって、例えば42インチのガラス板を4枚又は6枚取り可能な大サイズのガラス板Gを、図2の二点鎖線で示す合紙14を挟んで梱包するガラス板梱包体であり、ガラス板Gを斜めに立て掛けた状態で梱包する梱包体である。なお、ガラス板梱包体10の用途は、これに限定されるものではなく、多種のガラス板の梱包体として適用することができる。
これらの図に示すガラス板梱包体10は、上面に搭載面16が形成された台座18と、台座18の搭載面16に対し約15°の角度(θ)で傾斜して設けられるとともにガラス板Gの下縁が載置される底板20と、台座18の搭載面16に対し約105°(底板20に対して約90°(θ))の角度で傾斜して立設されたフレーム部材22と、フレーム部材22の前面に取り付けられるとともにガラス板Gの面を受ける背板24とを備えている。
また、ガラス板梱包体10には、底板20を所定の角度をもって支持する底板受け部材26とフレーム部材22を所定の角度をもって支持するフレーム受け部材28とが一体的に構成された略L字状のブラケット30を有している。このブラケット30の平坦な底部32が台座18の平坦な搭載面16に複数本のボルト(リベットでもよい)34、34…によって所定の位置に締結固定されている。
台座18は、長短多数本の鋼材を縦横、高さ方向に溶着することにより構成され、溶着組み立て後に機械加工(研削加工)によってその搭載面16が所定の平坦度に加工されている。また、台座18の前後方向の面にはフォークリフトの爪(不図示)が挿抜される開口部36、36…が形成されている。
一方、図2に示した合紙14は、ガラス板G同士が直接接触するのを防止するためにガラス板G、G…間に挟むシートである。この合紙14は、合紙14が含有する樹脂分がガラス板Gの表面に転写されて紙肌模様や焼けや汚れが生じることを防ぐため、紙の平滑度が20秒以下、好ましくは18秒以下の粗面とされている。これにより、ガラス板Gの表面との接触面積が減少するので、樹脂分の転写を防ぐことができ、また、紙の樹脂分を0.1%以下、好ましくは0.05%以下とすることにより、粗面との複合作用によりガラス板Gの品質を保持することができる。したがって、合紙14によるパーティクル等(パルプや微少樹脂分の屑等)の発生があったとしても、ガラス板Gがガラス板梱包体10に立て掛けられて梱包することと相まって、ガラス板Gの表面にパーティクル等は固着せず、その後のガラス板Gの洗浄等により容易に除去される。
また、合紙14はガラス板Gの表面積よりも大きく、ガラス板Gを載置した際に左右及び上方に合紙14がはみ出た状態となることが好ましい。左右にはみ出た合紙14は、それらを同一方向(背板24の方向または該背板24と対向する方向)にならされて、この後、側方押え部材12、12によってガラス板Gの縦縁に押圧される。このとき、側方押え部材12、12は、合紙14を介してガラス板Gを固定するため、側方押え部材12、12がガラス板Gに直接接触することはなく、搬送中のガラス板Gの損傷を低減できる。なお、ガラス板Gを確実に側方押え部材12、12によって固定することができるように、底板20及び背板24の左右の幅はガラス板Gの幅よりも小さいことが好ましい。これにより、ガラス板Gの上方に突出した合紙14により、ガラス板Gを取り出す際に、合紙14を押えながらガラス板Gを取り出すことができ、搬送中に押し付けられて密着したガラス板Gと合紙14とを容易に分離することができる。
ところで、ブラケット30は、図3の組立斜視図において、矩形の箱体状に組み立てられた台座18の長手方向に沿って所定の間隔をもって5台設置されている。これらのブラケット30、30…は、鋳型による鋳造品であり、各々のブラケット30、30…は同一寸法に製作されている。
ブラケット30は、図4の斜視図に示すように、主として平板状に形成された底部32と、底部32に対して約15°傾斜した底板受け部材26と、底板受け部材26に対して約90°傾斜したフレーム受け部材28とから構成される。また、底部32と底板受け部材26との間には、底板受け部材26にかかる荷重を受ける荷重受け部38が形成され、更に、底部32とフレーム受け部材28との間には、フレーム受け部材28にかかる荷重を受ける荷重受け部40が形成されている。これにより、ブラケット30は、全体として略L字形状に形成されている。また、ブラケット30の軽量化を図るために、底部32とフレーム受け部材28との間に三角形状の開口部42が形成されている。更に、底部32には、ボルト34を挿通するためのボルト用貫通孔44、44…が形成され、更にまた、フレーム受け部材28にも、フレーム受け部材28にフレーム部材22をボルト(図2参照)46、46…によって固定するためのボルト用貫通48、48…が形成されている。
上記の如く製作されたブラケット30、30…は、図3の台座18の搭載面16上において、図2に示す底板20と背板24との交点Pが台座前面エッジラインLに対して同寸法(水平距離寸法a)離れた位置に整列してボルト34、34…により台座18の搭載面16に固定される。
これにより、実施の形態のガラス板梱包体10によれば、各々のブラケット30、30…の前記交点P、P…同士を結んだ図3の直線Aの、台座前面エッジライン(台座背面エッジラインでもよい)Lに対する平行度と高さ寸法(b:図2参照)とが高い精度となっている。また、ブラケット30は鋳物なので、底板受け部材26の傾斜角度(約15°)、及びフレーム受け部材28の傾斜角度(約90°)も高い精度となっている。なお、ブラケット30は鋳物であり、製作後に底板受け部材26とフレーム受け部材28の各面を研削加工する必要がある。このため、その研削加工を容易にすることから、底板受け部材26とフレーム受け部材28との交点P近傍は、図5の如く円弧状に中刳りされている。よって、交点Pは中刳り部50内に位置する仮想点となっている。
一方、底板受け部材26に取り付けられる底板20は、図3の如く矩形状に形成されたアルミニウム製の板材52からなり、この板材52に第1の実施の形態の2枚のシート材54、54が接着されている。また、板材52は、両面接着シート又はリベットによって各ブラケット30、30…の底板受け部材26、26…に取り付けられる。この板材52によって底板20の強度が保持され、その上面に接着されるシート材54、54によってガラス板Gに対するクッション性、適度な硬さ、及び良好な滑り性が高められている。
なお、実施の形態では、シート材54を2枚使用し、これを板材52上に並べて配置したが、これに限定されるものではなく、製造上可能であれば板材52と同サイズの1枚のシート材54を使用してもよい。
また、フレーム受け部材28に取り付けられる背板24は、2枚の樹脂製板材(例えばポリプロピレンからなるプラスチック段ボール)56、56であり、この背板24も板材52と同様に両面接着シート、又はリベットによってフレーム部材22の前面に取り付けられる。
次に、第1の実施の形態のシート材54の特徴について説明する。
このシート材54は図6(A)に示すように、上層に超高分子量ポリエチレンシート60、中層に弾性発泡ポリウレタンシート62、下層に粘着剤層65を有する粘着シート64からなる3層構造であり、超高分子量ポリエチレンシート60にガラス板Gの下縁が載置され、粘着シート64の粘着剤層65が板材52(図3参照)に貼着される。なお、符号66は離型紙であり、この離型紙66を粘着シート64から剥がすことにより粘着シート64の粘着剤層65が露出され、粘着剤層65によって粘着シート64が板材52に接着される。なお、下層の粘着剤層として、実施の形態では粘着剤層65を有する粘着シート64を使用したが、この粘着シート64の代わりに、弾性発泡ポリウレタンシート62の下面に粘着剤層65を直接設けるようにしてもよい。
また、粘着シート64と弾性発泡ポリウレタンシート62は、接着剤63によって貼り付けられ、そして、弾性発泡ポリウレタンシート62と超高分子量ポリエチレンシート60も同様に接着剤61によって貼り付けられている。
第1の実施の形態のシート材54によれば、3層構造のシート材54のうち中層の弾性発泡ポリウレタンシート62によって、ガラス板Gにとって良好なクッション性(衝撃吸収性)を得ることができる。この弾性発泡ポリウレタンシート62は、圧縮にも強く復元性もよい。また、3層構造のシート材54のうち上層の超高分子量ポリエチレンシート60によって適度な硬さと良好な滑り性を得ることができる。この超高分子量ポリエチレンシート60は、ガラス板Gの下縁によって削られない程度の適度な硬さと滑りのよい表面性状を有する。
すなわち、第1の実施の形態のシート材54によれば、弾性発泡ポリウレタンシート62によってガラス板Gに加わる輸送時の振動を吸収することができ、かつ、板材52の表面の凸凹も吸収することができる。また、弾性発泡ポリウレタンシート62の上層に超高分子量ポリエチレンシート60が積層されているため、板材52の表面の凸凹は弾性発泡ポリウレタンシートを介して超高分子量ポリエチレンシート60に転写しない。よって、ガラス板Gの下縁が、板材52の表面の凸部で点支持されることに起因するガラス板Gの下縁の割れを防止できる。
なお、弾性発泡ポリウレタンシート62としては、ポバール興業株式会社製の弾性発泡ポリウレタンシート(商品名:TR4005H)を例示でき、この弾性発泡ポリウレタンシートは、発泡倍率が40倍、厚さが約4.3mm、最大圧縮率が約5%のものである。
また、超高分子量ポリエチレンシート60としては、新作工業製の超高分子量ポリエチレンシート(商品名:Saxinニューライトフィルム(型式50W)、商品名:ニューライトテープ)を例示でき、厚さが約0.5mmであり、その表面の静摩擦係数は0.2〜0.3であり、硬度は68(HDD)でる。
更に、粘着シート64としては、積水化学工業株式会社製の粘着シート(商品名:ダブルタックテープ(型式5761))、又は日立化成ポリマー株式会社製の粘着シート(商品名:感圧形(粘着)両面接着テープ(型式13−710、12−585))を例示でき、厚さは約0.2mmである。したがって、シート材54の厚さは約5mmであり、機能的には5mmあれば十分である。
上述した弾性発泡ポリウレタンシート62の発泡倍率は、ガラス板Gの質量及び通常考えられる振動の大きさ等に応じて設定されるものである。また、超高分子量ポリエチレンシート60の厚さは、弾性発泡ポリウレタンシート62によるクッション性を損なわない厚さに設定されるものである。
また、第1の実施の形態のシート材54は、超高分子量ポリエチレンシート60と弾性発泡ポリウレタンシート62を接着剤61によって接着している。このように接着剤61で接着固定した場合は、シート材54の交換時において、シート材54全体を板材52から取り外して交換する。
図6(B)は、第2の実施の形態のシート材70の構成を示した説明図である。
同図に示すシート材70は、超高分子量ポリエチレンシート60と弾性発泡ポリウレタンシート62を接着剤61で接着せず、2つの粘着層72、74を用いて超高分子量ポリエチレンシート60を弾性発泡ポリウレタンシート62に対して着脱自在に積層したものである。
すなわち、超高分子量ポリエチレンシート60の下面に粘着層72が接着剤71で貼り合わされ、弾性発泡ポリウレタンシート62の上面に粘着層74が接着剤73で貼り合わされている。よって、超高分子量ポリエチレンシート60は、弾性発泡ポリウレタンシート62に2つの粘着層72、74を介して積層されている。粘着層72、74とは、互いの密着面75が水平方向には滑らずに垂直方向では容易に剥離する表面性状を有する層を指す。
ガラス板Gの下縁と接触している超高分子量ポリエチレンシート60は、必要に応じてその都度メンテナンスが必要で着脱が容易にできることが求められている。第2の実施の形態のシート材70の如く、超高分子量ポリエチレンシート60を上下の粘着層72、74を介して弾性発泡ポリウレタンシート62に積層すると、超高分子量ポリエチレンシート60を弾性発泡ポリウレタンシート62に対して垂直方向に剥がすことにより、容易に取り外すことができるので、超高分子量ポリエチレンシート60のメンテナンス性が向上する。
面取前のガラス板は縁部が粗く、その縁部や縁部から剥離したカレットが超高分子量ポリエチレンシート60の表面にダメージを与えて超高分子量ポリエチレンシート60の寿命が短くなることが考えられる。第2の実施の形態では、超高分子量ポリエチレンシート60のみを容易に取り外すことができるので、このような面取前のガラス板の梱包体に有効となる。
また、粘着層72、74の互いの密着面75が水平方向に滑る表面性状を有すると、ガラス板Gの輸送時の振動でガラス板Gを積載した超高分子量ポリエチレンシート60がガラス板梱包体10に対して水平方向に位置ずれする場合があるため好ましくない。つまり、ガラス板梱包体10からのガラス板Gの搬出は、吸着部を備えたロボットによって行われるのが一般的であり、上述の如くガラス板Gを積載した超高分子量ポリエチレンシート60の位置がずれると、ロボットの吸着部のガラス板Gに対する吸着位置がずれてしまうため、その後に行われる工程に悪影響を与える。よって、第2の実施の形態のシート材70の如く、互いの密着面75が水平方向に滑らない表面性状を粘着層72、74に持たすことにより、上記不具合を解消できる。
図6(C)は、変形例のシート材80の構成を示した説明図である。
このシート材80は、弾性発泡ポリウレタンシート62と粘着剤層65を有する粘着シート64の2層構造である。第1及び第2のシート材54、70では、その上層を超高分子量ポリエチレンシート60としたが、シート材80の如く、弾性発泡ポリウレタンシート62を成型する際に発生する、弾性発泡ポリウレタンシート表面の密度の高いスキン層82を超高分子量ポリエチレンシート60の代用とすることができる。
10…ガラス板梱包体、12…側方押え部材、14…合紙、16…搭載面、18…台座、20…底板、22…フレーム部材、24…背板、26…底板受け部材、28…フレーム受け部材、30…ブラケット、32…底部、34…ボルト、36…開口部、38…荷重受け部、40…荷重受け部、42…開口部、44…ボルト用貫通孔、46…ボルト、48…ボルト用貫通、50…中刳り部、52…板材、54…シート材、56…樹脂製板材、60…超高分子量ポリエチレンシート、61…接着剤、62…弾性発泡ポリウレタンシート、63…接着剤、64…粘着シート、65…粘着剤層、66…離型紙、70…シート材、72、74…粘着層、80…シート材、82…スキン層

Claims (3)

  1. 上面に搭載面が形成された台座と、前記台座の前記搭載面に所定の角度で傾斜して設けられるとともにガラス板の下縁が支持される底板と、前記底板上に貼着されて前記ガラス板の下縁が載置されるシート材と、前記台座の搭載面に所定の角度で傾斜して立設されたフレーム部材と、前記フレーム部材に取り付けられるとともにガラス板の面を受ける背板とを備えたガラス板梱包体において、
    前記シート材は、上層に超高分子量ポリエチレンシート、中層に弾性発泡ポリウレタンシート、下層に粘着剤層を有する3層構造であり、前記超高分子量ポリエチレンシートに前記ガラス板の下縁が載置され、前記粘着剤層が前記底板に貼着されることを特徴とするガラス板梱包体のシート材。
  2. 前記弾性発泡ポリウレタンシートと前記超高分子量ポリエチレンシートとは接着剤によって接着されている請求項1に記載のガラス板梱包体のシート材
  3. 前記超高分子量ポリエチレンシートが下面に粘着層を有し、前記弾性発泡ポリウレタンシートが上面に粘着層を有し、前記超高分子量ポリエチレンシートと前記弾性発泡ポリウレタンシートとが前記2つの粘着層を介して積層されている請求項1に記載のガラス板梱包体のシート材。
JP2009123210A 2009-05-21 2009-05-21 ガラス板梱包体のシート材 Pending JP2010269819A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016064960A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 旭硝子株式会社 円滑性改善膜付きガラス板、その製造方法、ガラス板梱包体、およびガラス板の梱包方法
JP2017065726A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 AvanStrate株式会社 素板ガラス梱包装置、素板ガラスの梱包方法、及び素板ガラス梱包体
JP2018043767A (ja) * 2016-09-14 2018-03-22 株式会社タカゾノテクノロジー 薬剤供給装置
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