[0035] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[0036] 照明システムILは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0037] 支持構造MTはパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0038] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0039] パターニングデバイスMAは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0040] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0041] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0042] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0043] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源SOとリソグラフィ装置とは、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0044] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えてもよいし、又は考えなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、又はリソグラフィ装置とは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、イルミネータILをその上に搭載できるように構成することもできる。任意選択として、イルミネータILは着脱式であり、別に提供されてもよい(例えば、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって)。
[0045] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分Cの間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0046] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0047] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0048] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
[0049] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0050] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0051] 投影システムの最終要素と基板との間に液体を提供する構成は、少なくとも2つの一般的カテゴリに分類される。これらは、浴槽タイプ構成と局所液浸システムである。浴槽タイプ構成では、実質的に基板の全体及び任意選択として基板テーブルの一部が液体の浴槽内に浸漬される。いわゆる局所液浸システムでは、液体が基板の局所区域にのみ提供される液体供給システムが使用される。局所液浸システムでは、液体によって充填された空間は、平面視で基板の上面より小さい。空間内の液体、望ましくは、基板に接触している空間内の液体は、基板が空間の下を移動する間、投影システムに対して実質的に静止している。液浸液によって充填された区域を局所液浸区域と呼んでもよい。
[0052] 本発明のある実施形態が指向する別の構成は、オールウェット液浸システムである。オールウェット液浸システムでは、液体が閉じ込められない。この構成では、実質的に基板の上面全体と基板テーブルの全部又は一部が液浸液に覆われる。少なくとも基板を覆う液体の深さは小さい。液体は、基板上の液体の薄膜などの層又は膜であってもよい。図2〜図5の液体供給デバイスのいずれもそのようなシステムで使用することができる。しかし、封止特徴部が存在しないか、活性化されていないか、通常のものより効率が落ちるか、又はその他の点で液体を局所区域にのみ封止する効果がない。
[0053] 図2〜図5には、4つの異なるタイプの局所液体供給システムが示されている。図2〜図4に開示された液体供給システムについては上記の通りである。提案されている別の構成は、液体供給システムに流体閉じ込め構造を提供する構成である。流体閉じ込め構造は、投影システムの最終要素と基板テーブルとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在していてもよい。そのような構成を図5に示す。流体閉じ込め構造は、投影システムに対してXY平面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)には相対的に多少動くことができる。流体閉じ込め構造と基板表面との間に封止が形成される。ある実施形態では、封止は、ガスシールなどの非接触封止である。
[0054] 図5は、投影システムPSの最終要素と基板テーブルWT又は基板W、あるいはその両方によって画定される面との間の空間11の境界の少なくとも一部に沿って延在するバリア部材又は液体閉じ込め構造を形成する本体12を備えた局所液体供給システム又は流体ハンドリング構造又はデバイスを概略的に示す。(以下の説明で、基板Wの表面という表現は、明示的に断りのない限り、追加的に又は代替的に、基板テーブルWTの表面も意味することに留意されたい)。
[0055] 流体ハンドリングデバイスは、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間11内に閉じ込められるように、基板Wへのガスシール16などの非接触封止を投影システムPSのイメージフィールドの周囲に形成することができる。ガスシール16は、ガス、例えば、空気又は合成空気によって形成されるが、ある実施形態では、N2又は他の不活性ガスによって形成される。ガスシール16内のガスは、加圧下で入口15を介して本体12と基板Wとの間のギャップに提供される。ガスは、出口14を介して抽出される。そのようなシステムが、米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。空間11は、投影システムPSの最終要素の下に位置し、それを取り囲む本体12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、投影システムPSの下の空間11、及び液体入口開口13によって本体12内に流し込まれる。液体は、液体出口開口13によって除去することができる。図5の断面図で、矢印は、流体閉じ込め構造内の開口へ流入しそこから流出する流体のフローの方向を示す。
[0056] 図5の例は、液体が任意の一時点で基板Wの上面の局所区域にのみ提供されるいわゆる局所区域構成である。例えば、米国特許出願公開US2006−0038968号に開示された単相抽出器(2相モードで動作するか否かを問わず)を使用する流体ハンドリングシステムを含む他の構成も可能である。しかし、本発明のある実施形態は、液浸液が閉じ込められないオールウェット液浸リソグラフィ装置に関する。
[0057] 投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11全体にわたってある方向に流体フローを可能にする多くのタイプの流体ハンドリング構造が配置されている。例えば、流体ハンドリングシステムでは、フローは、空間11を取り囲む表面に画定された複数の開口(例えば、入口及び出口)によって達成することができる。フローは、開口を通して液体を選択的に供給及び/又は抽出することにより調整して所望のフローを生成することができる。流量は、1つ又は複数の開口を通して流量を変更することにより変更することができる。したがって、図5に示す実施形態に類似しているある実施形態では、液体開口13は、本体12によって閉じ込められた空間11内の液体の貫通フローのための複数の開口を備えていてもよい。開口は、空間11を取り囲んでいてもよい表面に画定されている。液体は、開口を通して供給又は除去して所望の方向の、例えば、空間11を横切るフローを提供することができる。液体が空間に供給される開口を一組の供給開口と呼んでもよい。液体を除去することができる開口を一組の除去開口と呼んでもよい。ある実施形態では、オールウェットシステムが使用されていて、そのため除去開口がない場合がある。図2及び図3の実施形態に示すように、開口の各々の組は、各々がそこを通る液体のフローのための開口が画定された表面を有する複数の本体と考えることができる。
[0058] いかなる局所液体供給システムにも付きまとう困難は、液浸液のすべてを封じ込め、基板が投影システムの下を移動する際に基板上に液浸液の一部が残らないようにすることが難しいということである。そのような局所区域液体供給システム内の液体の損失を回避するために、基板が液体供給システムの下を移動する速度を制限しなければならない。これは、液浸リソグラフィ装置内で高いNA値を生成することができる液浸液(特に水以外の液体)の場合に特にあてはまる。そのような液体は、水よりも表面張力が低く、粘度が高い傾向がある。メニスカスの崩壊速度は粘度に対する表面張力に応じて上下するため、高NA液体を封じ込めることははるかに困難である。基板の一定の区域上にのみ液体を残留させると、基板の一定の区域上にのみ残留した液浸液が蒸発して基板全体で温度が変動し、重なりエラーが発生することがある。追加的に又は代替的に、液浸液が蒸発するにつれて、乾燥する汚れ(汚染又は微粒子の)が蒸発後に基板W上に残留することがある。追加的に又は代替的に、液体は、基板上のレジスト内に拡散し、基板の上面の光化学の不調和が発生することがある。これらの問題は、例えば、液浸液として水又は高NA液体が使用される時に発生することがある。浴槽タイプの解決策(すなわち、基板が容器内の液体に浸漬される)は、これらの問題の多くを解決するであろう。しかし、本明細書で説明するように、従来の浴槽タイプの解決策の1つ又は複数の問題(例えば、浴槽タイプの解決策では、液浸装置内の基板スワップが特に困難であること、及び/又は封じ込められていない液浸液の層の十分な制御を行うことが困難であること)が依然として残っている。本発明のある実施形態は、これらの1つ又は複数の問題、及び/又は本明細書に記載していない1つ又は複数の他の問題を扱う。
[0059] 本発明のある実施形態は、オールウェット液浸装置で使用される流体ハンドリング構造に適用することができる。オールウェット実施形態では、例えば、投影システムの最終要素と基板との間に液体を閉じ込める閉じ込め構造から液体が漏出できるようにすることにより、流体は基板テーブルの一部又は上面全体を覆うことができる。オールウェット実施形態の流体ハンドリング構造の一例は、参照により本明細書に組み込むものとする2008年9月2日出願の米国特許出願US61/136,380号に記載されている。
[0060] 図6に示す実施形態では、局所液体供給システムLSSを使用して基板Wの上部の投影システムPSの下に液体を供給する。その区域内に液体のフローが生成される。このために、例えば、図5に示すような、またその変形形態を含む、図2〜図5に示すタイプのような局所液体供給システムを含む任意の局所液体供給システムを使用することができる。しかし、局所液体供給システムLSSと基板Wとの間に形成された封止を特に入念に作成する必要はなく、実際、なくてもよい。すなわち、液体は閉じ込められない。例えば、バリア部材12の底部側にある構成要素のすべてが図5の実施形態でなくてもよい。液体の膜又は層17が図6に示すように基板Wの上面の全体をほぼ覆うようにこの設計が選択されている。基板テーブルWTの上面は、液体の層17内に完全に、又は部分的に覆われていてもよい。米国特許出願公開US2008/0073602号は、基板Wの上面全体が液体の膜17内に覆われるいくつかのその他の実施形態を開示する。本発明は、米国特許出願公開US2008/0073602号で開示されたすべての液体供給システムに適用することができることが理解されよう。
[0061] ある実施形態によれば、図6に示すように、液浸液は、基板テーブルWTの縁部400から排出することができる。図7に示すように、基板テーブルWTはエッジ面407を有する。エッジ面407は、基板テーブルWTの平坦な上面450に結合されたエッジ表面である(例えば、図8を参照)。基板テーブルWTは、平坦な上面450上に保持及び/又は支持されている。
[0062] 図6は、ある実施形態の基板テーブルWTの断面の概略構成を示す。断面は、例えば、スキャン方向又はステップ方向に切り取ることができる。例えば、エッジ面407の形状は、断面が切り取られる平面によって変化してもよい。これを以下に説明する。図6に示すように、液浸液は、縁部400から外に流れることができる。液体は、縁部400から排出されて縁部400の下に位置する溝500内に落ちる。ある実施形態では、液体は縁部400の全面から排出することができる。
[0063] 図6から分かるように、投影システムPSと基板Wとの間の区域に液浸液が供給される。液体は、基板Wの上面全体にわたって液体供給システムLSSの下に漏れることができる。さらに、液浸液は、基板テーブルWTの上面に流出又は漏出することができる。その後、液体は、エッジ面407の少なくとも一部の上の縁部400の上を通って溝500内に流出又は漏出することができる。その後、液体は溝500から除去される。
[0064] 図6に示す実施形態では、液体の層17が基板W及び基板テーブルWTの上面に形成される。露光中、この液体の層17は、基板W及び基板テーブルWTと共に移動する。このために液体の層17を移動させ加速することが必要である。通常、液体供給システムLSSを介して液浸液を供給して高速の流量で液体の層17を形成することが望ましい。液体の層17への及び/又は液体の層17からの熱伝達を低減することができるため、これは有利である。さらに、基板のスループットを上げるには、基板テーブルWT及び基板Wの迅速な運動(迅速な加速を含む)が望ましい。この基板W及び基板テーブルWTの迅速な運動には、基板テーブルWTの縁部400での、また液体の層17がエッジ面407上を流れる場所での液体の層17の迅速な運動(迅速な加速/減速を含む)が必要である。
[0065] 液体の層17内の大きい流量及び/又は基板Wと基板テーブルWTの迅速な運動は、エッジ面407上の液浸液を制御される形で除去することが難しいことを意味する。特に、液滴が液体の層17から除去されることがある。これらの液滴は、液浸リソグラフィ装置のおそらくはきわめて重要な構成要素上に跳ねかかり又は落下することがある。例えば、液滴は、位置決め(もしくはメトロロジー)システム及び/又はセンサ上に落下することがある。その結果、これらの構成要素は、意図した形で動作するのを停止したり動作できなくなる場合がある。例えば、液滴は、蒸発して熱負荷を発生させることがある。追加的に又は代替的に、液滴は、液浸リソグラフィ装置上に機械的及び/又は光学的な悪影響を与えることがある。追加的に又は代替的に、微細な液浸液の液滴(又は霧状の液滴)が形成され、霧を形成することがある。そのような霧状の液滴は、周囲の湿度を上昇させることがある。霧状の液滴によって、液体の層17と流体連通する液浸リソグラフィ装置の任意の場所に液滴が形成されることがある。
[0066] 追加的に又は代替的に、エッジ面407の上を流れる液体が十分に制御されない場合、波などの擾乱が液体の層17内に形成されることがある。そのような擾乱は、露光放射ビームが通過する領域内などの液体の層17の光学特性を変えることがある。擾乱は、基板の露光、例えば、露光の繰り返し再現性及び/又は精度に悪影響を与えることがある。
[0067] 基板テーブルWTの幾何学構造が液浸液のフローに影響する場合がある。平面視での基板テーブルWTの一定の形状及び/又はエッジ面407の断面の一定の形状、及び/又はそれらの組合せから、より安定した液体のフローが生成されることがある。その結果、より安定した液体の層17が生成されることがある。
[0068] 図7は、ある実施形態による基板テーブルWTの平面図を示す。基板テーブルWTは外周縁400を有する。基板テーブルWTのエッジ面407は、内側の点線と外側の実線400の間の区域によって示されている。図7で、基板テーブルWTの隣の2つの矢印110、120は、それぞれスキャン方向110、ステップ方向120を示す。
[0069] ある実施形態では、基板テーブルWTは、ステップ方向120よりもスキャン方向110の方が長い。これは、基板テーブルWTの加速などの運動が、ステップ方向120よりもスキャン方向110で大きくなるためである。これは、液浸液の層17のより大きい不安定性及び/又は擾乱がステップ方向120よりもスキャン方向110で生成されることがあるという意味である。したがって、基板テーブルWTをスキャン方向110に伸長させることは、スキャン方向110の液体の層17内のあらゆる擾乱(波などの)の伝搬及び/又は形成を低減するのを助ける。例えば、スキャン方向110の伸長は、液体の層17内に形成されるあらゆる擾乱が露光放射ビームが通過する区域11内の液浸液への伝搬を阻止するのを助ける。
[0070] 図7に示すようなある実施形態では、基板テーブルWTの縁部400(本明細書では、外周400とも呼ばれる)の曲率半径は連続的である。したがって、平面視で基板テーブルWTの縁部400の曲率半径の不連続性はない。不連続性を含まない基板テーブルWTの縁部400という表現は、不連続性をほとんど含まない基板テーブルWTの縁部400の可能性を含むことが理解されよう。したがって、曲率半径の不連続性を含まない縁部400という表現は、曲率半径の微小な及び/又は重要でない不連続性を含む縁部400の可能性を含む。これは、基板テーブルWTの縁部400には鋭い角がないことを意味する。しかし、これは、曲率半径が縁部400全体の周囲で一定である(ある実施形態では、そうであってもよいが)ということを必ずしも意味しない。例えば、図7に示す実施形態では、縁部400の曲率半径は常に変化しているが、不連続性はない。ある実施形態では、基板テーブルWTの縁部400の平面視の形状は、長円及び/又は楕円形であってもよい。
[0071] 基板テーブルWTは、任意の適したサイズであってもよい。例えば、基板テーブルWTのスキャン方向110の長さは、400mm〜700mmの範囲から選択することができる。ある実施形態では、基板テーブルWTのスキャン方向110の長さは、500mm〜600mmの範囲から選択することができる。ある実施形態では、基板テーブルWTのスキャン方向110の長さは、約526mmであってもよい。基板テーブルWTのステップ方向120の幅は、300mm〜500mmの範囲から選択することができる。ある実施形態では、基板テーブルWTのステップ方向120の幅は、350mm〜450mmの範囲から選択することができる。ある実施形態では、基板テーブルWTのステップ方向120の幅は、約398mmであってもよい。基板テーブルWTのスキャン方向110及びステップ方向120の平面に垂直な方向の奥行きは、5mm〜25mmの範囲から選択することができる。ある実施形態では、基板テーブルWTのスキャン方向110及びステップ方向120の平面に垂直な方向の奥行きは、10mm〜20mmの範囲から選択することができる。ある実施形態では、基板テーブルWTのスキャン方向110及びステップ方向120の平面に垂直な方向の奥行きは、約16mmであってもよい。
[0072] 基板テーブルWTの縁部400の不連続性の欠如の結果、擾乱(例えば、不安定性及び/又は波)のエッジ面407上の形成及び/又は、例えば、図7の縁部400と破線の間に示す区域内の液浸液の層17への伝搬を低減又は解消する。例えば、角及び/又は鋭い屈曲の形状の、基板テーブルWTの縁部400のプロファイル内に不連続性(例えば、実質的な不連続性)を有することは、液浸液が基板テーブルWTのエッジ面407上を流れる際の液浸液内に擾乱が生成される結果をもたらす。
[0073] ある実施形態では、基板テーブルWTの縁部400上の任意の地点の平面視の最小曲率半径は、特定の値より大きくてもよい。基板テーブルWTの縁部400上の任意の地点の平面視の最小曲率半径に下限値を設定することで、液浸液がエッジ面407上を流れる際の液浸液内に生成及び/又は伝搬される擾乱及び/又は不安定性を低減することができる。これは、基板テーブルWTの最大速度及び/又は加速度を増大することができるということを意味する。
[0074] ある実施形態では、基板テーブルWTの縁部400上の任意の地点の最小曲率半径は、約10mmである。そのような最小曲率半径によって、許容できないレベルの擾乱力が形成されず、及び/又は基板テーブルWTのディウェッティングが発生することなく露光中に使用可能な基板テーブルWTの速度は、約0.8m/sであってもよい。
[0075] ある実施形態では、基板テーブルWTの縁部400上の任意の地点の最小曲率半径は、約30mmである。そのような最小曲率半径によって、許容できないレベルの擾乱力が形成されず、及び/又は基板テーブルWTのディウェッティングが発生することなく露光中に使用可能な基板テーブルWTの速度は、約1.1m/sであってもよい。
[0076] ある実施形態では、基板テーブルWTの縁部400上の任意の地点の最小曲率半径は、約80mmである。そのような最小曲率半径によって、許容できないレベルの擾乱力が形成されず、及び/又は基板テーブルWTのディウェッティングが発生することなく露光中に使用可能な基板テーブルWTの速度は、約1.6m/sであってもよい。
[0077] ある実施形態では、液浸リリソグラフィ装置は、基板W及び基板テーブルWTの上部に液浸液の層17を形成する液浸液を供給するように構成された流体ハンドリング構造を備える。例えば、流体ハンドリング構造は、図6に示す液体供給構造LSSを含んでいてもよい。流体ハンドリング構造は下面を含んでいてもよい。流体ハンドリング構造のこの下面は、基板W及び/又は基板テーブルWTに対向するため、対向面又は下向き対向面と呼ぶことができる。
[0078] 流体ハンドリング構造の下向き対向面の外側縁部(又は外周)は、平面視で基板テーブルWTの外側縁部400のほぼ上部にあってもよい。したがって、投影システムPSの光軸周りの各々の角位置で、基板テーブルWTの縁部400は、流体ハンドリング構造の外側縁部の同等な位置に対応していてもよい。ある実施形態では、基板テーブルWTの縁部400の平面視の瞬間的な曲率半径は、同等の角位置にある流体ハンドリング構造の下向き対向面の外周上の地点の瞬間的な曲率半径より大きくてもよい。言い換えれば、縁部400の瞬間的な曲率半径は、その真上にあるか又はそれに対向する流体ハンドリング構造の外周の瞬間的な曲率半径より大きくてもよい。そのような構成は、さらに液浸液の層17内の波などのあらゆる擾乱の形成を低減するのを助ける。代替的に又は追加的に、この構成はさらに、形成されるあらゆる擾乱を減衰させる(すなわち、伝搬を低減する)のを助ける。
[0079] 図7に示し上述したようなある実施形態では、基板テーブルWTの縁部400の平面視の曲率半径は、角位置と共に連続的に変化する。例えば、縁部400は、楕円形状、特に長円形状を形成してもよい。これは、さらに、液浸液内の擾乱の形成及び/又は伝搬を低減するのを助ける。追加的に又は代替的に、連続的に変化する曲率半径は、基板テーブル、例えば、エッジ面407のより均質なウェッティングを促進する(及び/又は再ウェッティングを低減する)のを助ける。これは、例えば、エッジ面407上を流れる際に液浸液の層17から離れる液滴を低減するのを助ける。図7に示すような、そのような実施形態では、スキャン方向110又はステップ方向120の基板テーブルWTの運動中、平面視で屈曲した縁部400は、基板テーブルWTと共に液体を運動方向に引っ張るのを助ける。これは、例えば、基板テーブルWTのディウェッティングを低減するのを助ける。
[0080] しかし、ある実施形態では、縁部400の曲率半径は、投影システムPSの光軸周りの角位置と共に連続的に変化することは必須ではない。例えば、図10に示すように、ある実施形態による基板テーブルWTは、直線部分640を有していてもよい。ある実施形態では、これらの直線部分640は、スキャン方向110に整列していてもよい。スキャン方向110に任意の直線部分640を整列させる利点は、ステップ工程よりもスキャン工程中により大きく、及び/又はより頻繁な加速を提供することができるという点である。したがって、スキャン方向110の液体の加速は、ステップ方向120の液体の加速よりも大きく、及び/又は頻繁である。したがって、液浸液の散乱(液滴の形成など)に関連する問題は従来、スキャン方向110よりもステップ方向120で重要でなかった。図10に示す実施形態では、基板テーブルWTの縁部600の曲率半径は、角位置と共に連続的に変化しない。例えば、曲率半径は、縁部600の直線部分640に沿って変化しない。図10に示す実施形態の基板テーブルWTの縁部600は、曲率半径の不連続性がほとんどない。基板テーブルWTは、平坦な上面650を有していてもよい。
[0081] 図7及び図10に示す基板テーブルWTの平面視の形状は、スキャン方向110及びステップ方向120に関して対称である。しかし、これはそうでなくてもよい。いくつかの実施形態では、基板テーブルWTの平面視の形状は、スキャン軸110及び/又はステップ軸120に関して非対称であってもよい。これは、さらに、液浸液内のあらゆる擾乱の伝搬及び/又は形成を拡散及び/又は低減するのを助ける。
[0082] 図8aは、図7のA−Aで示す平面で切った基板テーブルWTの断面図を示す。言い換えれば、図8aは、基板テーブルWTの幾何学的中心を通過しステップ方向120に垂直な平面内で切り取った断面の基板テーブルWTのエッジ面407を少なくとも通って延在するエッジプロファイルを示す。図8aに示す断面が切り取られる平面A−Aは、スキャン方向110に平行である。平面A−Aは、スキャン方向110と投影システムPSの光軸に平行である。
[0083] 図8aに示すように、エッジ面407の平面A−Aを通る断面のエッジプロファイル410は、基板テーブルWTの平坦な部分450から連続的に延在していてもよい。基板テーブルWTの平坦な部分450は、投影システムの光軸にほぼ垂直である。基板W(図7には図示していないが破線内にある)は、基板テーブルWTの平坦な部分450上に保持又は支持されている。例えば、基板テーブルWTは、図6の断面図に示すような引き込み位置に基板Wを保持又は支持することができる。基板Wの上面(すなわち、露出面)は、基板テーブルWTの表面(例えば、平坦な部分450)と同一面であってもよい。
[0084] 図8aに示すエッジプロファイル410は、基板テーブルWTの縁部400に垂直の方向に距離X1にわたって延在する。言い換えれば、図8aに示すエッジプロファイルは、スキャン方向110に距離X1にわたって延在する。ある実施形態では、X1は、10mm〜70mmの範囲から選択される。ある実施形態では、X1は、20mm〜60mmの範囲から選択される。ある実施形態では、X1は、30mm〜50mmの範囲から選択される。ある実施形態では、エッジプロファイル410がスキャン方向110に延在する距離X1は、約40mmである。
[0085] ある実施形態では、スキャン方向のエッジプロファイル410は平滑な曲線である、すなわち、曲率半径の不連続性がない。しかし、これは必須ではない。図9aは、代替実施形態の平面A−Aから切り取られたエッジプロファイル510を示す。図9aに示すエッジプロファイル510は、各々が異なる曲率半径を有する3つの離散的な部分又は区分を有する。図9aに示す実施形態は各々が異なる曲率半径を有する3つの異なる部分を有するが、代替実施形態は、別の数の部分、例えば、2つの部分、4つの部分、5つの部分、6つの部分、7つの部分、又は8つ以上の部分を有していてもよい。
[0086] 図9aに示すエッジプロファイル510では、10mm〜40mmの範囲から、例えば、約25mmの半径r1aを選択してもよい。5mm〜15mmの範囲から、例えば、約10mmの半径r1bを選択してもよい。2mm〜10mmの範囲から、例えば、約5mmの半径r1cを選択してもよい。ある実施形態では、r1a>r1b>r1cであるが、これは必須ではない。ある実施形態では、エッジプロファイル510(又は410)の少なくとも一部は曲線でなくてもよい。すなわち、無限曲率半径を有していてもよい。
[0087] 図9aに示す実施形態のエッジプロファイル510は、X1と表示された距離にわたって延在する。図9aに示す値X1が表すことができる値の範囲は、図8aに示すエッジプロファイル410に関して上述したX1の値の範囲と同じであってもよい。
[0088] 図8bは、図7でB−Bとして示した平面で切った基板テーブルWTの断面図を示す。言い換えると、図8bは、基板テーブルWTの幾何学的中心を通過しスキャン方向110に垂直な平面内で切り取った断面の基板テーブルWTのエッジ面407を少なくとも通って延在するエッジプロファイルを示す。図8bに示す断面が切り取られる平面B−Bは、ステップ方向120に平行である。平面B−Bは、ステップ方向120と投影システムPSの光軸に平行である。
[0089] 図8bに示すように、エッジ面407の平面B−Bを通る断面のエッジプロファイル420は、基板テーブルWTの平坦な部分450から連続的に延在している。
[0090] 図8bに示すエッジプロファイル420は、基板テーブルWTの縁部400に垂直の方向に距離X2にわたって延在する。言い換えれば、図8bに示すエッジプロファイルは、ステップ方向120に距離X2にわたって延在する。図7に示すように、ステップ方向120は、図8aに示すエッジプロファイル410が提供されるスキャン方向に垂直である。ある実施形態では、X2は、5mm〜15mmの範囲から選択される。ある実施形態では、エッジプロファイル420がステップ方向120に延在する距離X2は、約10mmである。
[0091] ある実施形態では、ステップ方向のエッジプロファイル420は平滑な曲線である、すなわち、曲率半径の不連続性がない。しかし、これは必須ではない。図9bは、代替実施形態の平面B−Bから切り取られたエッジプロファイル520を示す。図9bに示すエッジプロファイル520は、各々が異なる曲率半径を有する2つの離散的な部分又は区分を有する。図9bに示す実施形態は、各々が異なる曲率半径を有する2つの異なる部分を有するが、代替実施形態は、別の数の部分、例えば、3つの部分、4つの部分、5つの部分、6つの部分、7つの部分、又は8つ以上の部分を有していてもよい。
[0092] 図9bに示すエッジプロファイル520では、5mm〜15mmの範囲から、例えば、約10mmの半径r2aを選択してもよい。2mm〜8mmの範囲から、例えば、約5mmの半径r2bを選択してもよい。ある実施形態では、r2a>r2bであるが、これは必須ではない。ある実施形態では、エッジプロファイル520(又は420)の少なくとも一部は曲線でなくてもよい。すなわち、無限曲率半径を有していてもよい。
[0093] 図9bに示す実施形態のエッジプロファイル520は、X2と表示された距離にわたって延在する。図9bに示す値X2が表すことができる値の範囲は、図8bに示すエッジプロファイル420に関して上述したX2の値の範囲と同じであってもよい。
[0094] ある実施形態では、エッジプロファイルがスキャン方向(すなわち、ステップ方向に垂直な平面A−A内で)延在する距離X1は、エッジプロファイル420、520がステップ方向120(すなわち、スキャン方向110に垂直な平面B−Bを通る断面内で)延在する距離より大きい。ある実施形態では、長さX1は、距離X2の1.5〜10倍の長さの範囲から選択される。ある実施形態では、長さX1は、距離X2の2〜8倍の長さの範囲から選択される。ある実施形態では、長さX1は、距離X2の3〜6倍の長さの範囲から選択される。ある実施形態では、長さX1は、距離X2の4〜5倍の長さの範囲から選択される。
[0095] 同様に、参照番号410(図8a)及び510(図9a)で示されるエッジプロファイルのスキャン方向の長さは、参照番号420(図8b)及び520(図9b)で示されるエッジプロファイルのステップ方向の長さより大きくてもよい。
[0096] 上記のように、動作時の基板テーブルWTの運動、例えば、速度及び/又は加速度は、一般にステップ方向120よりもスキャン方向110の方が大きくてもよい。ステップ方向120にエッジプロファイル420、520を延在させる距離(X2)よりも大きい距離(X1)にわたってスキャン方向110にエッジプロファイル410、510を延在させることで、液浸液の層17内のスキャン方向110に生成される擾乱(不安定性及び/又は波)が低減される。これは、例えば、液浸液は、エッジ面407上を流れる際にほぼ水平方向からほぼ垂直方向へ方向転換するより大きい距離を有するためである。追加的に又は代替的に、ステップ方向120よりもスキャン方向110の方でエッジプロファイル410、420、510、520をより大きく延在させることで、形成される波などのあらゆる擾乱がスキャン方向110でより有効に拡散又は減衰させる。スキャン方向110の方が運動が大きいために、スキャン方向110に形成されるいかなる波もステップ方向120の波よりも強い、例えば、振幅が大きいという理由から、このことは妥当である。
[0097] スキャン方向及びステップ方向に関してエッジ面407のエッジプロファイル410、420について上述してきた。ある実施形態では、エッジ面407に沿ったエッジプロファイル410のスキャン方向110の運動からプロファイル420のステップ方向120の運動への遷移は滑らかであってもよい。これは、例えば、エッジ面407のあらゆる断面にほとんど不連続性がないということを意味する。しかし、これはそうでなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エッジ面407にある程度不連続性があってもよい。
[0098] 図7に示すようなある実施形態では、エッジ面407の断面の長さは、断面を切り取った平面が、平面A−Aから平面B−Bに、例えば、2つの平面A−A及びB−Bの交点の軸を中心に回転する際に連続して低減してもよい。断面の平面が回転する中心になるこの軸は、基板テーブルWTの平坦な部分450に垂直で基板テーブルWTの幾何学的中心を通る軸であってもよい。平面A−Aで切ったエッジプロファイルから平面B−Bで切ったエッジプロファイルまでの長さの減少は連続的であってもよい。すなわち、断面の長さは突然変化しなくてもよい。これは、さらに、液浸液内の擾乱(波など)の生成を防止及び/又は低減するのを助ける。追加的に又は代替的に、この構成は、例えば、エッジ面407上を流れる際に液浸液内に生成される波などのあらゆる擾乱を抑止し、減衰させ、又は拡散させるのを助ける。
[0099] エッジ面407の断面(平面A−A、平面B−B、又は平面A−A、B−Bの間の任意の平面で切った)の正確なエッジプロファイル410、420、510、520は、基板テーブルの予想運動プロファイル(例えば、速度及び/又は加速度)に依存していてもよい。例えば、エッジプロファイル410、510の断面A−Aは、スキャン方向110の予想運動プロファイルに基づいて選択してもよい。エッジプロファイル420、520の断面B−Bは、ステップ方向120の予想運動プロファイルに基づいて選択してもよい。
[00100] 本明細書に記載する任意の特徴を他の1つ又は複数の特徴と組み合わせてもよいことを理解されたい。例えば、基板テーブルWTの幾何学的構造の任意の特徴を本明細書に記載する基板テーブルWTの1つ又は複数の他の互換特徴と組み合わせてもよい。例えば、本明細書に記載する任意の断面エッジプロファイル(例えば、図8a、図8b、図9a及び図9bに関連して説明した断面エッジプロファイル)を、本明細書に記載する基板テーブルWTの任意の平面視の形状(例えば、図7及び図10に関連して説明した形状)と組み合わせてもよい。さらに、本発明のある実施形態は、任意の好適な方法で、例えば、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルとして、基板テーブルを備える液浸リソグラフィ装置として、及び/又はデバイス製造方法として提供することができる。
[00101] 基板Wの露光後に、基板テーブルWT(基板Wがその上に支持されていてもよい)を投影システムの下から除去することができる。しかし、露光中に液浸液内に浸漬された1つ又は複数の表面上に液浸液が残ることがある。そのような表面は、例えば、基板テーブルWT、基板W、センサ551、552、553、554、及び/又は基板テーブルWTが搭載される位置決めテーブルの一部であってもよい。図示していない覆い(例えば、カバー板)を液浸液に暴露された上記の1つ又は複数の表面に提供してもよい。覆いは、液浸液に浸漬されていた表面の表面特性を変更することができる。
[00102] 露光の完了後に基板Wの露光中に液浸液によって覆われていた表面に残っている液浸液(例えば、液浸液の層)を除去することが望ましい。表面から液浸液を除去するために、乾燥ユニットを提供してもよい。そのような乾燥ユニットは、専用乾燥ユニットであってもよい。
[00103] 図11は、露光後に液浸リソグラフィ装置の表面から液浸液を除去するために使用することができる乾燥ユニット700の一例を示す。図11に示す具体的な乾燥ユニット700の例は、2つのアーム710、720を備える。高速ガス(大気又は窒素)をアーム710,720の全長の一部(例えば、ほぼ全体)に沿って供給することができる。高速ガスは、除去されている液浸液の層にほぼ垂直な方向に供給することができる。したがって、例えば、図11(及び図12)に示す例では、ページにほぼ垂直な方向に高速ガスを供給することができる。
[00104] 図11及び図12に示す例では、液浸液の層が除去される表面と乾燥ユニット700との間の相対運動がある。これは、乾燥ユニット700、液浸液の層が除去される表面、又はその両方を動かすことで達成することができる。図11及び図12に示す例では、液浸液の層が除去される表面は、矢印760の方向に乾燥ユニット700に向かって、またその下を移動する。
[00105] 図11に示す網掛け区域は、液浸液の層で覆われた領域を示す。図12から分かるように、表面が乾燥ユニット700の下を移動すると、乾燥領域740(網掛けがない区域)が生成される。乾燥ユニット700の下を通過しようとする領域730は、液浸液(例えば、液浸液の層)に覆われたままである。
[00106] 図11及び図12に示す例では、乾燥ユニット700と乾燥中の表面との間のギャップ(すなわち、図11及び図12のページに垂直な)は、50〜500μmの範囲内、望ましくは100〜200μmの範囲内にあり、又は望ましくは約150μmであってもよい。
[00107] 液浸液の層が移動する表面の相対速度(例えば、図11の基板テーブルWTの矢印760の方向の運動)は、0.1m/s〜2m/s、望ましくは0.2m/s〜1.5m/s、望ましくは0.4m/s〜1m/s、又は望ましくは約0.8m/sであってもよい。
[00108] 図11及び図12に関連して説明する装置及び方法は、専用乾燥ユニットの一例である。さらに、又は別の専用乾燥ユニットを提供してもよい。例えば、液浸液の抽出によって液浸液が除去される乾燥ユニットを提供することができる。例えば、液体の出口、例えば、ダクト又は導管による抽出で液浸液を除去することができる。代替及び/又は同様の乾燥ユニットがその全体が参照によって本明細書に組み込むものとする2008年12月8日出願の米国特許出願US2008−0007704号及び米国特許出願第61/193,576号に記載されている。
[00109] しかし、単一の乾燥ステップで表面から液浸液の層を除去する方法及び装置には欠点がある。例えば、図11及び図12に関連して説明した乾燥ユニット700が有効に動作するには、大量のガスの流量を供給しなければならない。大量のガスの流量は、表面から液浸液のほぼ全部を除去するのに十分でなければならない。液浸液が残っていると、例えば残留液体が蒸発する際の熱吸収、及び/又は残留液浸液が蒸発する表面に残る汚れなどのエラー及び/又は不具合が発生することがある。
[00110] 大量のガスの流量が含まれるため、乾燥ユニット700と液浸液の層との間に相対運動が起こる際に液滴が液浸液の層から分離される大きい危険がある。言い換えれば、液浸液の跳ねかけが発生することがある。これは、乾燥ユニット700が乾燥されている表面の溝の上部に位置する時に特に問題である。そのような溝は、表面の間のギャップによって形成されることがある。例えば、そのような溝は、センサ551、552、553、554と基板テーブルWTとの間のギャップによって形成されることがある。追加的に又は代替的に、乾燥ユニット700の大量の流量によって、例えば、乾燥ユニット700のガスの勢いが表面に影響して乾燥中の表面が擾乱の力を受けることがある。追加的に又は代替的に、乾燥ユニット700を使用した表面の乾燥によって、液体が除去される際に大きな熱負荷が乾燥中の表面にかかることがある。
[00111] 液浸液が液体出口を通して表面から抽出される上記の代替乾燥ユニットは、通常、液体を合理的な時間内に除去するために高速の抽出速度を必要とする。次に、その結果、乾燥中の表面に大きい擾乱力がかかる。追加的に又は代替的に、表面の乾燥によって、乾燥工程で表面に大きい熱負荷がかかることがある。追加的に又は代替的に、抽出ノズル(基板に極めて接近している必要がある)がその近さのために基板を締め付けることがある。これによって、追加の擾乱力及び/又は不正確さが生まれることがある。
[00112] 表面の乾燥に関連して上に概説した1つ又は複数の問題は、表面から大量の液浸液を除去する欲求によって悪化する可能性があることが理解されよう。例えば、通常、厚さがほぼ1mmの液浸液の層を表面から除去する必要がある。したがって、これらの乾燥ステップ中に表面から除去する必要がある液浸液の量を低減することが望ましい。
[00113] ある実施形態では、装置は、例えば図11及び図12に関連して上述した乾燥ステップの前に乾燥前ステップを実行するように構成されている。そのような乾燥前ステップを図13及び図14に関連して本明細書で説明する。
[00114] なお、図11〜図14に示す基板テーブルWTは、図7に関連して上述したのと同じ一般的な形態を有する。しかし、図11〜図14に関連して説明する液浸リソグラフィ装置の表面からの液浸液の層の除去に関連する装置及び方法は、任意の形状の基板テーブルWT、基板テーブルWTを位置決めする位置決めデバイス、又は実際、例えば、基板Wの露光中に液浸液で少なくとも部分的に覆われるか液浸液に浸漬される任意の構成要素(又はその表面)に適用することができることが理解されよう。
[00115] 図13は、基板W、及び液浸液の層に大部分が覆われたセンサ551、552、553、554などの様々な構成要素を含む基板テーブルWTを示す。液浸液の層は、網掛け区域で示されている。図13は、液浸液の層が除去された区域810(実際、区域810は、基板Wの表面の一部である)を示す。乾燥区域810と液浸液の層との間の界面は、線825で示されている。
[00116] 図13の内部の円形区域800は、液浸液がアクティブに除去された局所区域を表す。任意の非貫入方法を用いて局所区域800から液浸液をアクティブに除去することができる。例えば、非貫入方法は、液浸液の層を物理的なオブジェクトにアクティブに接触させるステップを含まない方法であってもよい。
[00117] 液浸液がアクティブに除去された局所区域は、トリガを用いて生成又は起動することができる。例えば、液浸液がアクティブに除去された局所区域800は、トリガであるガス噴流を用いて生成することができる。ガス噴流は、高速ガス噴流又は低速ガス噴流である。ガス噴流は、例えば、大気又は窒素ガスを含む噴流であってもよい。ガス噴流は、断面が円形又はほぼ円形であってもよい。
[00118] したがって、表面から液浸液を除去するために、トリガは、液浸液がアクティブに除去される局所区域800を生成しなければならない。さらに、局所区域は、トリガが除去された時にディウェッティングされた区域(すなわち、液浸液が除去された区域)が崩壊するのではなく、成長することができるだけの大きさがなければならない。
[00119] トリガが除去された時にディウェッティングされた区域が崩壊するのではなく、成長するために、液浸液がアクティブに除去される局所区域800のサイズは、一定のサイズより大きくなければならない。このサイズは、例えば、液浸液の層が形成される静的後退接触角(SRCA)と液浸液の層の厚さhによって変化してもよい。1つの関係(説明のためだけのもので限定的ではない)は、ディウェッティングされた区域が崩壊するのではなく、成長するために必要な局所区域800のクリティカルディメンションd(例えば、直径)が、
によって与えられるという関係である。
[00120] 局所区域800の直径d(ガス噴流が液浸液の層と接触する地点でのガス噴流の直径にほぼ等しい)は、所与の液浸液の厚さ及び/又は所与の静的後退接触角の場合にディウェッティングを液浸液内に伝搬させるのに好適である。ある実施形態では、ガス噴流の直径は、0.5mm〜10mmの範囲内、望ましくは1mm〜5mmの範囲内、又は望ましくは約4mmであってもよい。純粋に単なる例として、4mmを超える直径を備えた局所区域800を生成するのに好適なガス噴流(例えば、液浸液の表面に接触する地点の直径が4mmを超えるガス噴流)は、約70°の静的後退接触角を備えた約1mmの液浸液の層の場合に、ディウェッティングされた区域を崩壊ではなく成長させるのに十分であるはずである。
[00121] トリガとして作用するガス噴流は、局所区域800から液浸液を除去する(すなわち、ディウェッティングする)だけの能力がなければならない。これに関して、液浸液の表面に接触する地点のガス噴流の速度は、2ms−1〜35ms−1の範囲内、望ましくは3ms−1〜10ms−1の範囲内、又は望ましくは約4ms−1であってもよい。局所区域800内の液浸液の層が形成される表面をディウェッティングするガス噴流の有効性は、以下の式で与えられるウェーバー数(We)によって表すことができる。
ここで、
ρ:ガス噴流流体の密度
V:ガス噴流の速度
L:ガス噴流のクリティカルディメンション、例えば直径
σ:液浸液と周囲ガスの間の界面の表面張力
[00122] ウェーバー数は、1〜10の範囲内であってもよい。通常、表面張力(σ)は72mN/mであってもよく、密度(ρ)は1.2kg/m3であってもよい。したがって、純粋に単なる例として、液浸液の表面に接触する地点の直径が4mmのガス噴流の場合、約4ms−1より大きいガス噴流速度は約1のウェーバー数を与える。したがって、約4ms−1より大きいガス噴流速度は、約1より大きいウェーバー数を与える。
[00123] ガス噴流ノズルの出口でのガス噴流の速度は、液浸液の表面に接触する地点のガス噴流の速度より大きくてもよい。これは、ガス噴流の直径はガス噴流がガス噴流ノズルから離れるに従って増大するためである。例えば、ノズル直径dとノズル出口からの距離zのガス噴流の直径bの実験による関係は、以下の式で与えられる。
b=d+0.75×z
[00124] ガス噴流ノズルの直径dは、例えば、0.5mm〜2mmの範囲内、望ましくは0.75mm〜1.5mmの範囲内、又は望ましくは約1mmであってもよい。ノズルへの出口でのガスの速度は、例えば、10ms−1〜70ms−1の範囲内、望ましくは20ms−1〜65ms−1の範囲内、又は約40ms−1であってもよい。ノズルへの出口のガス噴流の速度は、液浸液に接触する地点の所望のガス噴流パラメータ(例えば、速度及び寸法)を与えるように必要に応じて70ms−1より大きいか又は10ms−1より小さくてもよいことが理解されよう。したがって、ガス噴流の出口でのマッハ数は、例えば、0.01〜0.3の範囲内であってもよく、又は望ましくは0.05〜0.2の範囲内であってもよいが、その他の値(これより大きいか又は小さい値)も可能である。純粋に単なる例として、液浸液の表面に接触する地点のガス噴流速度が4ms−1で、ガス噴流ノズルと液浸液の表面との距離が3mmで、液浸液の表面に接触する地点のガス噴流の直径が約4mm(すなわち、ウェーバー数が約1)の場合、ノズル出口でのガス噴流の速度は約20.9ms−1で、関連付けられたマッハ数が約0.06である。通常、ガス噴流ノズルと液浸液の表面との距離は、例えば、0.5mm〜5mmの範囲内、望ましくは1mm〜4mmの範囲内、望ましくは2mm〜3mmの範囲内、又は約2.15mmであってもよいが、これらの範囲外の他の距離も可能である。
[00125] 除去される液浸液の層の表面に対して約90°の角度でガス噴流を供給することができる。
[00126] ガス噴流を供給する任意の好適な手段を使用することができる。例えば、ノズルを用いてガス噴流を生成することができる。ガス噴流を生成するために高圧ガスをノズルに供給することができる。任意の好適な場所にガス噴流を生成する装置を提供することができる。例えば、基板テーブルWTの通常の経路、例えば、基板Wの露光後に基板テーブルWTがたどるように構成された経路に沿ってガス噴流を供給することができる。したがって、液浸リソグラフィ装置の測定フレームからガス噴流を供給することができる。追加的に又は代替的に、投影システムと乾燥ユニット、例えば、図11及び図12に関連して上述した乾燥ユニット700との間の液浸リソグラフィ装置内のある位置(すなわち、基板Wが露光される区域)からガス噴流を供給することができる。
[00127] 動作時に、液浸液の層にガス噴流を短い時間供給し、次に、停止することができる。例えば、液浸液の層にガス噴流を5秒未満、望ましくは2秒未満、望ましくは1秒未満、又は望ましくは0.5秒未満供給することができる。
[00128] この離散的な時間間隔だけ液浸液の層の表面にガス噴流を供給することで、局所区域に乾燥領域を生成するように局所区域から液浸液がアクティブに除去される。最初、この乾燥領域はガス噴流の断面と同じサイズ(又はほぼ同じサイズ)である。図13で、この初期乾燥領域は領域800として示されている。
[00129] この局所区域から液浸液がアクティブに除去されることで、乾燥領域810と液浸液の層との間に界面825が形成される。この界面825は、液浸液の層を通して外側へ伝搬する。界面825のこの伝搬を矢印811、812、813及び814で図13に示す。したがって、ガス噴流800によって初期乾燥区域が生成されると、界面825の伝搬によって液浸液の層が表面から自動的にほぼ除去される。言い換えれば、表面全体への界面825の伝搬によってディウェッティングが実行される。
[00130] 液浸液が除去されている表面全体への界面825の伝搬速度は、液浸液が除去されている表面の1つ又は複数の特性によって変化することがある。例えば、界面825の伝搬速度は、疎油性の増大(例えば、疎水性の増大)と共に増大することがある。これに関して、カバーの表面、例えば、カバープレートを液浸液を除去する1つ又は複数の表面に供給することができる。例えば、基板テーブルWTの上面に疎水性のカバープレートを提供してもよい。
[00131] 追加的に又は代替的に、液浸液が除去されている表面全体への界面825の伝搬速度は、除去されている液浸液の層の厚さによって変化することがある。例えば、伝搬速度は、除去されている液浸液の層の厚さが減少するにつれて増大することがある。液浸液の層の厚さは、例えば、露光及び/又は露光後の排水中に使用する流量によって変化することがある。
[00132] 初期局所乾燥領域800を生成するために別の装置及び/又は方法ステップを使用することができる。例えば、初期乾燥領域800を生成するために液浸液の層の表面に放射ビームを提供することができる。そのような放射ビームは、レーザビームであってもよい。そのような実施形態では、レーザビームは、初期局所800を生成又は起動するトリガと呼んでもよい。
[00133] そのようなレーザビーム(赤外線レーザビームでもよい)は、熱毛管効果を生成することができる。したがって、レーザビームが入射する液浸液の層は、局所的に擾乱される。これによって液体の層は、レーザビームの入射地点で分散(したがって薄肉化)することがある。この拡張は、レーザビームによって引き起こされる局所加熱の結果である。液浸液がアクティブに除去されている局所区域800は、局所加熱による液浸液の層の局所分散(したがって薄肉化)と蒸発の増大の一方又は両方による放射ビームによって誘起されることがある。
[00134] そのような実施形態で使用される放射ビーム(レーザビームなどの)の波長は、液体の層が形成される表面(例えば、基板W、又は基板テーブルWT)を損傷しないように適切な波長及び/又は強度でなければならない。したがって、例えば、十分に短い吸収長を有する放射を使用することができる。
[00135] 追加又は代替実施形態では、音波(例えば、局所音波)を用いて液浸液がアクティブに除去される局所乾燥領域800を生成することができる。
[00136] 図13で、液浸液が除去されて乾燥領域を生成する初期局所区域は、それを生成するためのトリガと同じか、又はほぼ同じ形状である。上記のように、そのようなトリガは、例えば、ガス噴流又はレーザビームなどの放射ビーム、又は音波である。したがって、例えば、局所乾燥領域は、最初は図13に表示800で示すような円形領域であってもよい。
[00137] ある実施形態では、液浸液の層内に局所乾燥区域800を生成するためのトリガ(例えば、ガス噴流又は放射ビーム)の打撃の中心と液浸液の層との間に相対運動があってもよい。そのようなシステムの一例を図14に示す。図14で、液浸液の層(及びそれが形成される表面)は、トリガに対して矢印820の方向に移動する。この結果、トリガは、液浸液の層に沿って通過して液浸液がトリガによってアクティブに除去される細長い局所区域が形成される。液浸液の層及びそれが形成される表面がトリガに対して移動する相対速度は、0.1m/s〜5m/sの範囲内、望ましくは0.2m/s〜3m/sの範囲内、望ましくは0.5m/s〜2m/sの範囲内、又は望ましくは約1m/sであってもよい。
[00138] 図14に示すように、トリガの打撃の中心と液浸液の層との間に上記のような相対運動がある場合、乾燥領域830と残りの液浸液の層との間に界面826が形成できる。図13に示す界面825と同様、図14に示す界面826は、矢印815及び816で示す界面にほぼ垂直な方向に伝搬する。液浸液は(上記の相対運動のために)図14の例で線から除去されるため、界面826はほぼ直線的である。界面は、液浸液内に伝搬してほぼV状の乾燥領域を形成する。
[00139] 図13及び図14に関連して上記の方法及び装置を使用することで、図11及び図12に示すような乾燥ユニットが必要になる前に液浸液の層のほとんどが除去される。例えば、ある実施形態では、90%を超える液浸液が図13及び図14に関連して上記技術を用いて該当する表面から除去される。ある実施形態では、ほぼ99%又はそれ以上の液浸液の層を図13及び図14に関連して上記技術を用いて表面から除去することができる。これは、図13及び図14に関連して本明細書に記載した乾燥前ステップのために、図11及び図12に示す乾燥ユニットを用いて除去しなければならない液浸液ははるかに少ないことを意味する。図11及び図12に示す乾燥ユニット700(又は同等の専用乾燥ユニット)によって除去する必要がある液浸液ははるかに少ないため、上記の多数の問題を低減又は解消することができる。例えば、乾燥ユニット700に供給されるガスの大量の流量を大幅に低減することができるが、これはより少ない量の液体を除去するからである。液浸液が液体出口から抽出されるある実施形態では、除去される液体の流量を大幅に低減することは可能であろう。
[00140]
ある実施形態によれば、基板上にパターン付放射ビームを投影する投影システムを有する液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルであって、投影システムは光軸を有し、
基板テーブルは、露光中に基板を支持し、液浸液を基板から落下させて投影システムの光軸に垂直なほぼ平坦な部分から延在する基板テーブルの縁部領域上に流すように構成され、縁部領域は、
基板テーブルの幾何学的中心を通過し、基板の平面内の第1の方向に垂直な第1の平面内で切り取った断面の第1のエッジプロファイルであって、曲線を含む第1のエッジプロファイルと、
基板テーブルの幾何学的中心を通過し、基板の平面内の第2の方向に垂直な第2の平面内で切り取った断面の、第1のエッジプロファイルとは異なる第2のエッジプロファイルであって、曲線を含む第2のエッジプロファイルと、
を有し、
第1のエッジプロファイルは、第2のエッジプロファイルより長い基板テーブルが提供される。
[00141] ある実施形態では、第1の方向はステップ方向であり、第2の方向はスキャン方向である。
[00142] ある実施形態では、縁部領域は、第1及び第2のエッジプロファイルの間の滑らかな遷移を有する。
[00143] ある実施形態では、第1及び第2の平面の交点を通過する平面内で切り取った断面の縁部領域のエッジプロファイルは、第2の平面の位置から第1の平面の位置まで、交点を中心に平面が回転するにつれて連続的に長さが増大する。
[00144] ある実施形態では、第1のエッジプロファイルは、第2のエッジプロファイルよりも1.5〜10倍だけ長い。
[00145] ある実施形態では、第1のエッジプロファイルは、第2の方向に30mm〜50mmの範囲内で延在する。
[00146] ある実施形態では、第1のエッジプロファイルは、ほぼ平坦な部分からの第2の方向の距離と共に減少する曲率半径を有する連続的な曲線である。
[00147] ある実施形態では、第1のエッジプロファイルは、各々が異なる曲率半径を有する複数の曲線区分を有する。
[00148] ある実施形態では、第1のエッジプロファイルの各々の曲線区分は、一定の曲率半径を有し、隣接する曲線区分の曲率半径は、ほぼ平坦な部分からの第2の方向の距離と共に減少する。
[00149] ある実施形態では、第1のエッジプロファイルは、
約25mmの曲率半径を有する基板テーブルのほぼ平坦な部分に隣接する第1の曲線区分と、
約10mmの曲率半径を有する第1の曲線区分に隣接する第2の曲線区分と、
約5mmの曲率半径を有する第2の曲線区分に隣接する第3の曲線区分と、
を含む。
[00150] ある実施形態では、第2のエッジプロファイルは、ほぼ平坦な部分からの第2の方向の距離と共に減少する曲率半径を有する連続的な曲線である。
[00151] ある実施形態では、第2のエッジプロファイルは、各々が異なる曲率半径を有する複数の曲線区分を有する。
[00152] ある実施形態では、第2のエッジプロファイルの各々の曲線区分は、一定の曲率半径を有し、隣接する曲線区分の曲率半径は、ほぼ平坦な部分からの第1の方向の距離と共に減少する。
[00153] ある実施形態では、第2のエッジプロファイルは、
約10mmの曲率半径を有する基板テーブルのほぼ平坦な部分に隣接する第1の曲線区分と、
約5mmの曲率半径を有する第1の曲線区分に隣接する第2の曲線区分と、
を含む。
[00154] ある実施形態では、平面視で、基板テーブルの外周に曲率半径の不連続性がない。
[00155] ある実施形態では、第1及び第2のエッジプロファイルは、基板及び/又は基板テーブルに供給される液浸液が縁部領域上を滑らかに流れるような形状を有し、第1及び第2のプロファイルの形状は、それぞれ第2及び第1の方向の基板テーブルの予想加速及び/又は速度に基づく。
[00156] ある実施形態によれば、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルであって、露光中に基板を支持し、液浸液を基板から落下させて基板テーブルの縁部領域上に流すように構成され、平面視で、基板テーブルの外周に曲率半径の不連続性がない基板テーブルが提供される。
[00157] ある実施形態では、平面視で、基板テーブルの外周は、第1の方向より第2の方向の方が長い。
[00158] ある実施形態では、平面視で、基板テーブルの外周は、連続的に変化する曲率半径を有する。
[00159] ある実施形態では、平面視で、基板テーブルの外周は、楕円形状及び/又は長円形状である。
[00160] ある実施形態では、平面視で、基板テーブルの外周は、すべての地点で30mmより大きい曲率半径を有する。
[00161] ある実施形態では、平面視で、基板テーブルの外周は、すべての地点で80mmより大きい曲率半径を有する。
[00162] ある実施形態では、平面視で、基板テーブルの外周は、第2の方向に平行な直線部分を含む。
[00163] ある実施形態では、本明細書に開示する基板テーブルを備える液浸リソグラフィ装置が提供される。
[00164] ある実施形態では、液浸リソグラフィ装置は、パターン付放射ビームを基板上に投影する投影システムをさらに備え、投影システムは光軸を有する。
[00165] ある実施形態では、液浸リソグラフィ装置は、液浸液を供給して基板を液浸液で覆うように配置された流体ハンドリング構造であって、基板及び/又は基板テーブルに対向する対向面を有するバリア部材を備える流体ハンドリング構造をさらに備え、
平面視で、基板テーブルの外周が、光軸周りの同等の角位置にある対向面の外周上の地点の曲率半径より大きい瞬間的な曲率半径をすべての地点で有する液浸リソグラフィ装置が提供される。
[00166] ある実施形態によれば、液浸リソグラフィ装置用の基板テーブルであって、基板テーブルは、
基板を支持するように構成された基板支持体であって、基板テーブルの外周が基板支持体の表面に平行な平面内に画定される基板支持体と、
テーブルの外周の少なくとも一部の周囲の縁部領域と、
基板支持体と縁部領域との間のほぼ平面の部分であって、縁部領域が、平面の部分及び/又は基板支持体に垂直な平面内のエッジプロファイルを有するほぼ平面の部分と、
を有し、
エッジプロファイルは、テーブルの外周の一部に沿って連続的に変化し、エッジプロファイルは、基板及び/又は基板テーブルに供給される液浸液が基板テーブルのほぼ平面の部分から落下して縁部領域上を滑らかに流れるように構成される基板テーブルが提供される。
[00167] ある実施形態では、テーブルの外周の少なくとも一部は曲線である。
[00168] ある実施形態では、テーブルの外周の少なくとも一部は、連続的に変化する曲率半径を有する。
[00169] ある実施形態では、エッジプロファイルの少なくとも一部は曲線である。
[00170] ある実施形態では、エッジプロファイルは、テーブルの外周からの変位と共に増大する曲率半径を有する。
[00171] ある実施形態では、エッジプロファイルの一部分は、基板支持体及び/又は平面部分にほぼ垂直である。
[00172] ある実施形態では、エッジプロファイルの少なくとも一部は、平面であり、この平面部分に対して角度をなす。
[00173] ある実施形態によれば、デバイス製造方法であって、
基板テーブル及び/又は基板テーブルによって保持された基板に液浸液を供給するステップであって、基板テーブルは、露光中に基板の平面に平行なほぼ平坦な部分から延在する縁部領域を有し、縁部領域は、
基板テーブルの幾何学的中心を通過し、基板の平面内の第1の方向に垂直な第1の平面内で切り取った断面の第1のエッジプロファイルであって、曲線を含む第1のエッジプロファイルと、
基板テーブルの幾何学的中心を通過し、基板の平面内の第2の方向に垂直な第2の平面内で切り取った断面の、第1のエッジプロファイルとは異なる第2のエッジプロファイルであって、曲線を含む第2のエッジプロファイルとを有し、
第1のエッジプロファイルが第2のエッジプロファイルより長いステップと、
液浸液を基板から落下させて基板テーブルの縁部領域上に流すステップと、
液浸液を通してパターン付放射ビームを基板上に投影して基板のターゲット部分を露光するステップと、
を含むデバイス製造方法が提供される。
[00174] ある実施形態によれば、デバイス製造方法であって、
基板テーブル及び/又は基板テーブルによって保持された基板に液浸液を供給するステップであって、基板テーブルは、平面視で、曲率半径の不連続性がない外周を有するステップと、
液浸液を基板から落下させて基板テーブルの縁部領域上に流すステップと、
液浸液を通してパターン付放射ビームを基板上に投影して基板のターゲット部分を露光するステップと、
を含むデバイス製造方法が提供される。
[00175] ある実施形態によれば、デバイス製造方法であって、
基板テーブル及び/又は基板テーブルによって保持された基板に液浸液を供給するステップであって、基板テーブルは、
基板を支持するように構成された基板支持体であって、基板テーブルの外周が基板支持体の表面に平行な平面内に画定される基板支持体と、
テーブルの外周の少なくとも一部の周囲の縁部領域と、
基板支持体と縁部領域との間のほぼ平面の部分とを有し、縁部領域は、平面の部分及び/又は基板支持体に垂直な平面内のエッジプロファイルを有し、エッジプロファイルは、テーブルの外周の一部に沿って連続的に変化し、エッジプロファイルは、基板及び/又は基板テーブルに供給される液浸液が基板テーブルのほぼ平面の部分から落下して縁部領域上を滑らかに流れるように構成されるステップと、
液浸液を基板から落下させて基板テーブルの縁部領域上に流すステップと、
液浸液を通してパターン付放射ビームを基板上に投影して基板のターゲット部分を露光するステップと、
を含むデバイス製造方法が提供される。
[00176] ある実施形態によれば、液浸リソグラフィ装置の表面に形成された液浸液の層から液浸液を除去する方法であって、
液浸液の層との間に界面を有する乾燥領域を生成するように、表面の局所区域から液浸液をアクティブに除去するステップと、
乾燥領域の面積が増大し、液浸液の層の面積が減少するように、界面を液浸液の層を通して伝搬させるステップと、
を含む方法が提供される。
[00177] ある実施形態では、液浸液を表面の局所区域からアクティブに除去するステップは、液浸液の層の表面に乾燥領域を形成する場所にガス噴流を供給するステップを含み、上記ガス噴流の強度は上記乾燥領域を生成するのに十分である。
[00178] ある実施形態では、ガス噴流は、断面が円形であり、0.5mm〜10mmの範囲内の直径を有する。
[00179] ある実施形態では、ガス噴流は、液浸液の層の表面に1秒未満供給される。
[00180] ある実施形態では、ガス噴流を生成するために大気又は窒素が使用される。
[00181] ある実施形態では、液浸液を表面の局所区域からアクティブに除去するステップは、液浸液の層の表面に乾燥領域を形成する場所に放射ビームを提供するステップを含み、上記放射の強度は上記乾燥領域を生成するのに十分である。
[00182] ある実施形態では、上記放射ビームは、レーザビームである。
[00183] ある実施形態では、上記方法は、液浸液の層が除去されている表面とガス噴流及び/又は放射ビームとの間の相対運動をさらに提供し、それによって、液浸液が細長い局所区域からアクティブに除去されるように、ガス噴流及び/又は放射ビームが入射する液体の表面上の位置を変化させる。
[00184] ある実施形態では、相対運動の速度は、0.1m/s〜5m/sの範囲内である。
[00185] ある実施形態では、上記方法は、基板テーブル、基板、センサ、投影システムに対して基板テーブルを移動させるように配置されたポジショナ、又は露光中に液浸液に暴露される構成要素の表面を覆うように配置されたカバープレートのうち少なくとも1つの表面から液浸液の層を除去するステップをさらに含む。
[00186] ある実施形態では、上記方法は、
液浸液が除去されている表面を乾燥させるステップであって、局所区域から液浸液をアクティブに除去した後で乾燥が実行されるステップと、
界面を液浸液の層を通して伝搬させるステップとをさらに含み、乾燥ステップが表面からあらゆる残留液浸液を完全に除去するように構成されている。
[00187] ある実施形態によれば、液浸リソグラフィ装置の表面に形成された液浸液の層から液体を除去するように構成された液体除去装置であって、液浸液の層との間に界面を有する乾燥領域を生成するように、表面の局所区域から液浸液を除去するように構成されたトリガデバイスを備える液体除去装置が提供される。
[00188] ある実施形態では、上記トリガデバイスは、乾燥領域を生成するように液浸液の層の表面に局所ガス噴流を供給するように構成されたガス供給ユニットを備える。
[00189] ある実施形態では、上記トリガデバイスは、乾燥領域を生成するように液浸液の層の表面に放射ビームを提供するように構成された放射ビーム発生器を備える。
[00190] ある実施形態では、液浸リソグラフィ装置の表面を乾燥させるように構成された乾燥装置であって、
液体除去装置と、
液体除去装置の動作後に残留する表面からあらゆる液浸液を完全に除去するように構成された乾燥ユニットと、
を備える乾燥装置が提供される。
[00191] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[00192] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか一つ、又はその組み合わせを指す。
[00193] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[00194] 1つ又は複数のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するコントローラは各々、又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは各々、又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ又は複数のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って動作することができる。
[00195] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に液浸液が槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面区域のみに提供されるか、基板及び/又は基板テーブル上に閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、それに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸液を閉じ込めることができない、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
[00196] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組み合わせでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数の気体入口、1つ又は複数の気体出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ又は複数の液体出口の組み合わせを備えてよい。実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでよい。液体供給システムは任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。
[00197] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。