JP2010262813A - 照明装置及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】直線偏光成分の光量が大きな照明光を出射できる照明装置を提供する。
【解決手段】光源10と、光源10からの光を側面から入射させて、表面から出射させる導光板20と、導光板20の裏面側に配置される反射手段30と、を備えた照明装置1であって、導光板20は、表面の法線に対して傾斜した出射角度で輝度又は光度のピークを有するように光を出射し、前記導光板20は、複屈折性を有して、輝度又は光度のピークとなる出射角度で出射される光の一部は、導光板20の表面における臨界角よりも小さな角度で表面に斜めに入射して導光板内に反射された後、導光板20の裏面側へ向かい導光板の裏面及び反射手段で反射して再び前記表面に戻る際に、P偏光成分がS偏光成分よりも多くなるように偏光成分が変換されて、表面から出射される光である、ことを特徴とする照明装置1。
【選択図】図1
【解決手段】光源10と、光源10からの光を側面から入射させて、表面から出射させる導光板20と、導光板20の裏面側に配置される反射手段30と、を備えた照明装置1であって、導光板20は、表面の法線に対して傾斜した出射角度で輝度又は光度のピークを有するように光を出射し、前記導光板20は、複屈折性を有して、輝度又は光度のピークとなる出射角度で出射される光の一部は、導光板20の表面における臨界角よりも小さな角度で表面に斜めに入射して導光板内に反射された後、導光板20の裏面側へ向かい導光板の裏面及び反射手段で反射して再び前記表面に戻る際に、P偏光成分がS偏光成分よりも多くなるように偏光成分が変換されて、表面から出射される光である、ことを特徴とする照明装置1。
【選択図】図1
Description
本発明は、導光板を備えた照明装置、さらに当該照明装置をバックライトとして備える表示装置に関する。
表示装置は情報を視覚的に人間に伝えるメディアであり、高度な情報社会となった現代では、人間、社会にとって重要な存在となっている。特に液晶表示装置は近年性能が著しく向上し、携帯電話からパーソナルコンピューターさらには大画面テレビ等の表示装置として採用されている。液晶表示装置は一般に液晶表示パネルと、その背面に配置して液晶表示パネルに光を照射するバックライト(照明装置)とから構成される。
液晶表示パネルは、バックライトから出射する光の透過光量を調節することで画像を表示する。液晶表示パネルとしては、偏光板を備え、液晶層に入射する光の偏光状態を制御することで映像表示を行うものが、比較的低い駆動電圧でコントラスト比の高い映像が得られることから望ましい。このような液晶表示パネルとしては、例えばTN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、ECB(Electrical Controlled Birefringence)方式などを用いることができる。また、広視野角を特長とするIPS(In Plane Switching)方式、VA(Vertical Aligned)方式を用いることができる。いずれの方式であっても、液晶表示パネルは、一対の透明基板と、これら透明基板の間に挟持される液晶層と、各透明基板の液晶層とは反対側の面にそれぞれ配置した一対の偏光板とを有し、液晶層に入射する光の偏光状態を変化させることで光の透過量を制御して画像を表示する。
偏光板は、所定の直線偏光成分を吸収し、これと振動面が直交する直線偏光を透過する機能を有する。このため、液晶表示パネルに照射される光が無偏光の場合には、液晶表示パネルを構成する偏光板が照明光の少なくとも50%を吸収する。つまり、液晶表示装置では、バックライトから出射する光が無偏光の場合には、照明光の約半分が偏光板で吸収され損失となっている。このため、液晶表示パネルを構成する偏光板がバックライトからの照明光を吸収する割合を減らすことが、より明るい画像、または、低消費電力な液晶表示装置を実現するうえで重要である。
液晶表示装置のバックライトには、エッジライト方式(導光体方式)、直下方式(反射板方式)等があり、特に薄型のバックライトを実現する場合にはエッジライト方式が用いられる。
エッジライト方式のバックライトは、導光板と呼ばれる板状の透明板や、導光板の端部に備えられた線状または点状の光源、導光板から出射する光の進行方向を調整するプリズムシートと呼ばれる光学シート、拡散シートなどを備える。導光板は、光源からの光を面状に広げる機能を有する。導光板から出射する光は、一般に、導光板の光出射面(表面)の垂線(法線)方向に対し、60〜80度傾いた方向に輝度、又は光度の最大値(ピーク)を有する。また、導光板から出射する光のうち、輝度または光度が最大となる角度(ピーク角度)、及びこの近傍の角度で出射する光は、p偏光成分がs偏光成分よりも多い光となることが知られている。
特許文献1には、導光板の表面に高屈折率層を設けることで、p偏光とs偏光の反射率の差を増大させ、p偏光成分の割合をさらに増加させる面光源装置が記載されている。この文献ではさらに導光板の表面側(光出射面側)、または裏面側に光学軸が45°の位相差板を設けることで偏光変換が起こりp偏光の割合をさらに増加することができると述べられている。この場合、照明装置からの照明光は偏光の偏りを有するため、液晶表示装置のバックライトに利用することで、光利用効率を改善できると述べられている。
導光板から出射する光は、一般に、導光板の光出射面の垂線(法線)方向に対して60〜80度傾いた方向に輝度または光度が最大となる角度(ピーク角度)を有し、このピーク角度、及びこの近傍の角度で出射する光は、p偏光成分がs偏光成分よりも多い光となることが知られている。これは、導光板と空気との界面におけるp偏光成分とs偏光成分の透過率の違いに起因するものと考えられる。
例えば、屈折率が1.57の透明体から構成される導光板において、導光板の表面(光出射面)から角度76度(導光板の光出射面の垂線(法線)方向に対する角度)で出射する光について検討すると、計算上、導光板内において無偏光の光は、p偏光に対する偏光度が23%の光になって導光板から出射する。
ここで、導光板あるいはプリズムシートなどから出射する光の輝度を、検光子(偏光板)を回転させながら、検光子を通して測定したときの最大輝度をImax、最小輝度をIminとすると、偏光度ρは次式式(1)で表される。
本明細書では特に検光子の吸収軸とp偏光とが互いに直交するときの輝度をIpmax、互いに平行なときの光の輝度をIpminとし、p偏光に対する偏光度(p偏光の偏光度)ρpを次式式(2)で定義する。
しかしながら、p偏光の偏光度は実測では約14%であり、上記の計算上の値である23%よりも低くなる。これは、空気と導光板との界面で反射して導光板内に戻る光は、出射光とは逆にp偏光成分が少なく、s偏光成分が多いことが原因と考えられる。つまり、導光板内を進む光は無偏光、つまりp偏光成分とs偏光成分が同じ割合であると仮定した場合よりも、実際にはs偏光成分がp偏光成分よりも多い光であるため、導光板から出射する光は計算値よりもp偏光の偏光度が低くなったと考えられる。このため、導光板から出射する光のp偏光の偏光度を向上するには導光板内を進むs偏光をp偏光に効率よく変換することが有効と考えられ、従来は、光学軸(遅相軸)が45°の位相差板を導光板の表面側(光出射面側)、または裏面側に設けることで偏光変換を起してp偏光の割合をさらに増加することが検討されていた。
本願発明者は、導光板において効率よく偏光変換が行われるための複屈折性について検討した。具体的には図5に示すモデルを想定し、導光板20内部を表面24側から裏面25側に向うs偏光が、裏面25及び反射手段30で反射して再び表面24に戻る際、どの程度p偏光に変換されるかを評価した。すなわち、導光板の表面24をp偏光強度が0の状態で出発した光について、裏面25及び反射手段30で反射して再び表面24に戻ったときのp偏光強度を評価するものであり、p偏光強度が1になれば、s偏光が完全にp偏光に変換されることを示す。このp偏光強度は、p偏光の光量に関する指標である。
図31は、従来技術、つまり、導光板が遅相軸角度45度(または、135度)、位相差1/4波長の複屈折性を備える場合の光の進行角度(極角β)とp偏光強度の関係を示す。ここで、遅相軸の角度は導光板の光入射面の長手方向を0度とし、反時計回りに定義するものである。この場合において、導光板内を導波する光の主たる進行方向は90度となり、導光板は、屈折率が1.57の透明体から構成される。そして、図31で示すように、導光板に設ける位相差板の遅相軸が45度の場合、導光板の光出射面の法線方向に対する傾き角度(極角)β=0度から25度程度まではp偏光強度は0.95を超えて高い効率で偏光変換ができる。しかし、実際に導光板から出射した際、高い偏光度が得られる光は、導光板内部を進行するときの角度が、極角β=35度から39度の光である。この極角β=35°〜39°は、臨界角よりも小さな角度であり、かつ約33°となるブリュースター角近傍の角度でもあるため、s偏光とp偏光との反射率の差が大きくなる角度の範囲である。つまり、導光板内部の光進行角度のうち、照明装置が高いp偏光強度を得て光利用効率を向上するために考慮すべき角度範囲は上記の角度範囲(35度から39度)であり、従来技術ではこの角度範囲で進行する光に対して十分な考慮がなされていなかった。このため、図31で示すように、光進行角度が極角β=38度以上において、p偏光強度は0.4以下と低く、高い効率で偏光変換がされていない。
本発明は上記課題を考慮してなされたものであって、その目的の一つは、導光板から出射する光の偏光度を効率よく高める(p偏光成分の割合を効率よく高める)ことができる導光板を実現することで、所定の直線偏光成分の光量が大きな照明光を出射できる照明装置を提供することにある。また、本発明の別の目的の一つは、このような照明装置を用いて、明るく低消費電力な液晶表示装置を実現することにある。本発明のその他の目的や課題と新規な特徴については、本明細書の記述及び添付図面を参照して明らかにする。
上記課題を解決するため、本発明に係る照明装置は、光源と、前記光源からの光を側面から入射させて、表面から出射させる導光板と、前記導光板の裏面側に配置される反射手段と、を備えた照明装置であって、前記導光板は、前記表面の法線に対して傾斜した出射角度で輝度又は光度のピークを有するように光を出射し、前記導光板は、複屈折性を有して、前記出射角度で出射される光の一部は、前記導光板の前記表面における臨界角よりも小さな角度で前記表面に斜めに入射して前記導光板内に反射された後、前記裏面側へ向かい、前記裏面及び前記反射手段で反射して再び前記表面に戻る際に、P偏光成分がS偏光成分よりも多くなるように偏光成分が変換されて、前記表面から出射される光である、ことを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかる液晶表示装置は、照明装置と、前記照明装置からの光の透過量を制御して画像を表示する液晶表示パネルと、を備える液晶表示装置であって、前記照明装置は、光源と、前記光源からの光を側面から入射させて、表面から出射させる導光板と、前記導光板の裏面側に配置される反射手段と、を備え、前記導光板からは、前記表面の法線に対して所定の角度傾斜した出射角度において輝度又は光度のピークを有するように光が出射され、前記導光板は、複屈折性を有して、前記出射角度で出射される光の一部は、前記導光板の前記表面における臨界角よりも小さな角度で前記表面に斜めに入射して前記導光板内に反射された後、前記裏面側へ向かい、前記裏面及び前記反射手段で反射して再び前記表面に戻る際に、p偏光成分がs偏光成分よりも多くなるように偏光成分が変換されて、前記表面から出射される光であって、前記液晶表示パネルの前記照明装置側に配置される偏光板の透過軸は、前記出射角度で出射される光のp偏光成分と平行に設けられる、ことを特徴とする。
本発明によれば、直線偏光成分の光量が大きな照明光を出射する照明装置を実現することができる。さらに、この照明装置を用いることで、明るく低消費電力な液晶表示装置を実現することができる。
まず、本発明の一実施形態に係る照明装置が備える主な構成のいくつかについて、その概略を説明する。本実施形態に係る照明装置は、少なくとも、光源と、この光源を一方の側面に備え、当該側面から入射する光を表面(光出射面)から出射させる導光板と、少なくとも2つの斜面を有し、その稜線が一方向(光が入射する導光板の端面に沿った方向)に延びるプリズム列を備える光学シート(以下、プリズムシートとも呼ぶ)と、導光板の裏面(光出射面の反対側の面)の側に設けられる反射手段と、を含んで構成される。
本実施形態に係る照明装置が備える主な構成は、以下の通りである。
(構成1)導光板の光出射面から出射する光のうち、輝度または光度がピーク(或いは最大値)となる光の出射角度が、導光板の光出射面の垂線方向に対し、60〜80度傾くような導光板を用いる。
(構成2)導光板の表面では、表面における臨界角よりも小さな入射角度で入射した光は、その一部が反射される。この反射された光は、s偏光成分の割合が高く、導光板内部を斜めに進行して裏面側に向かい、さらに裏面及び反射手段で反射されて再び導光板内部を斜めに進行して再び表面側に到達する。導光板には、複屈折性が備えられて、当該反射された光が、導光板の表面側と裏面側の間を斜めに進行して往復する際に、p偏光成分の割合がs偏光成分の割合よりも高くなるように偏光成分が変換される。具体的には、s偏光成分がp偏光成分に90%以上の高い効率で変換されるような複屈折性を備える。
(構成3)反射手段は、導光板の裏面において形成される。具体的には、その反射面を導光板の裏面に直接形成するか、透明な媒体(屈折率が空気よりも大きく導光板よりも小さい透明部材もしくは、空気層による空隙)を介して設置する。空隙を設ける場合には、裏面から30nm未満の空隙を設けて設置するか、もしくは、導光板の裏面から50nmから240nmの空隙を設けて設置する。
(構成4)光学シート(プリズムシート)は、輝度または光度がピークとなる出射角度となる導光板からの光が入射した際に、当該光を正面方向(導光板光出射面の垂線方向)に屈折するためのプリズム列を、導光板側の面、または、その反対側の面に備える。さらにプリズムシートは、導光板から出射する輝度や光度がピークとなる出射角度の光が、プリズムシートを通過する際に、位相差を生じさせない透明体で構成される。
(構成5)導光板は、光源からの光を導光する薄板状の透明体を含んで構成されて、さらに導光板の表面には、薄板状の透明体よりも屈折率が高い高屈折率層がさらに形成される。この際、高屈折率層の屈折率をnhとし、高屈折率層が表面に形成された導光板において、輝度または光度が最大となる出射角度で出射する光が高屈折率層内を進むときの角度(導光板の光出射面に垂直な方向からの傾き角度)をγとすると、高屈折率層の厚さdhは、式(3)を満たすと良い(mは整数)。
上記構成により、本実施形態に係る照明装置は以下の通り作用する。
構成1により、導光板から出射する出射光は、導光板と空気との界面におけるp偏光成分とs偏光成分の透過率の違いにより、p偏光成分の割合が多い出射光を得ることができる。例えば、輝度のピーク角度(輝度がピークとなる光の出射角度)が75〜80°である導光板では、輝度のピーク角度において、p偏光成分の割合が多い出射光を得ることができる。
この際、導光板と空気との界面ではs偏光成分の反射が大きい。したがって、輝度のピーク角度に対応する入射角度で導光板の表面に入射した光のうち、反射されて導光板内を進む光は、s偏光成分が多くなる。これに対し、構成2では、導光板内部を表面側から裏面側に向かい、再び表面側に戻る光において、s偏光成分がp偏光成分に高い効率で変換される。
構成3は、導光板の裏面において、導光板の表面に向けて光を反射するための構成である。これについては後述する。
構成4により、導光板から出射する輝度または光度がピークとなる角度の光がプリズムシートに入射して、正面方向に出射する際に、この光は偏光状態が維持されて、なるべく変化させられずにプリズムシート内を進行することができる。このため、プリズムシートを通過するp偏光は、p偏光の状態が維持される。特にプリズム列を導光板とは反対側の面に備える場合は、プリズムシートに入射する光は、プリズムシートの導光板側の面とその反対側の面の2箇所において空気との界面で屈折する。この屈折の際、p偏光成分の透過率はs偏光成分よりも高くなるため、プリズムシートから出射する光は、プリズムシートに入射する光よりもp偏光成分が多い光となる。
また、構成5は、輝度または光度がピークとなる角度で導光板から出射する光が、導光板と空気との界面を通過するときのp偏光成分の透過率を増加し、s偏光成分の反射率を増加するものである。このため、輝度または光度がピークとなる角度で導光板から出射する光は、よりp偏光成分が多い光となる。導光板と空気との界面で反射したs偏光成分が、導光板内部でp偏光成分へ効率よく変換されることで、p偏光成分の割合がより高い光を出射する導光板を実現することができる。構成1〜3を前提として、その他の構成4〜5の一部、または、全てを備える照明装置を用いることにより、所定の直線偏光成分(p偏光成分)の光量が大きな照明光を得ることができる。
上記では、本発明の一実施形態に係る照明装置が備える主な構成の概略を説明した。以下、本発明の実施の形態について図面を参照してさらに説明するが、種々の変更は可能であり、本発明は、上述及び後述する実施形態の内容に限られるものではない。また、後述するいくつかの例については、組み合わせて用いられることとしてもよい。
[照明装置]
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置1の主要構成を示す断面図である。また、図2は照明装置1の概略構成を示す平面図である。なお、図2には、以降の説明における方位角θの定義も図示されている。本実施形態に係る照明装置1は、薄型で、所定の偏光成分の割合が大きい照明光を出射することができるものであって、液晶表示装置のバックライトとして好適である。バックライトは、液晶表示パネル(不図示)の表示領域に対して、その背面側から光を照射するので、表示領域を過不足なく照明するため、その光出射面は表示領域とほぼ同じ形状とすることが望ましい。なお、図2においては、後述するプリズムシート50における稜線方向51dも示される。
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置1の主要構成を示す断面図である。また、図2は照明装置1の概略構成を示す平面図である。なお、図2には、以降の説明における方位角θの定義も図示されている。本実施形態に係る照明装置1は、薄型で、所定の偏光成分の割合が大きい照明光を出射することができるものであって、液晶表示装置のバックライトとして好適である。バックライトは、液晶表示パネル(不図示)の表示領域に対して、その背面側から光を照射するので、表示領域を過不足なく照明するため、その光出射面は表示領域とほぼ同じ形状とすることが望ましい。なお、図2においては、後述するプリズムシート50における稜線方向51dも示される。
照明装置1は、導光板20と、導光板20の一方の端面の近傍に配置される光源10と、導光板20の裏側に設けられ、光反射手段として機能する反射シート30と、導光板20の表側にその略全面を覆うように配置されて光路変換手段として機能するプリズムシート50と、を含んで構成される。また、必要に応じて、図1で示す照明装置1のように、通過する光を拡散する機能を有する拡散シート40をプリズムシート50の表側に配置しても良い。図1においては、導光板20から出射した光の光路の一例が、一点鎖線で示されている。なお、本明細書では、照明装置1からの光が出射する方向(図1における紙面上側であって液晶表示パネルが配置される側)を表側、その反対方向(図1における紙面下側であって液晶パネルが配置される側の反対側)を裏側と定義する。また、実際に照明装置を構成するには、フレームなどの機械的構造物や、光源を発光させるために必要な電源、配線などの電気的構造物が必要であるが、これらの部分については一般的な手段を用いればよく、本明細書での詳細な説明は省略する。
光源10は、小型、高発光効率、低発熱といった条件を満たすものを用いると良く、このような光源としては蛍光ランプや発光ダイオード(LED;Light Emitting Diodes)が好適である。以下では、光源10として発光ダイオードを用いる場合を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。光源10として発光ダイオードを用いる場合、発光ダイオードは点状の光源であるため、導光板20の端面に必要に応じた個数(図2では3個が図示されているが、本発明はこれに限定されるものではない)を並べて配置する。あるいは、発光ダイオードからの光を線状光源に変換する光学素子を発光ダイオードと導光板20の間に配置するようにしても良い。いずれにしても光源10は導光板20の一つの端面側に配置される。
なお、光源10としては白色の光を発する発光ダイオードを用いることができる。このような発光ダイオードの一例としては、青色の発光と、この青色の光で励起され黄色の光を発する蛍光体とを組み合わせることで白色発光を実現する発光ダイオードがある。あるいは、青色または紫外線の発光と、この光で励起され発光する蛍光体とを組み合わせることで、青色、緑色及び赤色に発光ピーク波長を有する白色発光を実現する発光ダイオードを用いてもよい。
また、照明装置1を備える表示装置が加法混色によりカラー表示を実現する場合には、光源10として、赤色、青色、緑色の三原色を発光する発光ダイオードを用いると良い。例えば照明光の照射対象としてカラー液晶表示パネルを用いる場合、液晶表示パネルのカラーフィルタの透過スペクトルに対応した発光ピーク波長を有する光源を用いることで、色再現範囲が広い表示装置が実現できる。あるいは、カラーフィールドシーケンシャルによりカラー表示を実現する場合は、液晶表示パネルに光損失の原因であるカラーフィルタが必要ないため、赤色、青色、緑色の三原色を発光する発光ダイオードを用いることで光の損失が少なく色再現範囲が広い表示装置が実現できる。
光源10は、配線を通じて電源及び点灯/消灯を制御する制御手段(いずれも不図示)に接続される。
図3は本実施形態に係る照明装置1の断面構造の一部を示す概略断面図である。導光板20は、光源10から出射して一方の側面(端面)から入射した光を導波させつつ、その一部を表側に出射させることで、光を面状に出射させる機能を有するものである。このため、導光板20は可視光に対して透明な略矩形となる板状部材から構成され、端面から入射して導光板20内を導波する光を表側に出射させるための構造を備える。光源10によって導光板20の側面から入射された光は、導光板20の内部を導波(伝播)する。
導光板20内で反射を繰り返して導波する光を、表面から出射させる構造としては、例えば導光板20の裏側の面に、微細な段差や、凹凸形状、レンズ形状などを形成したり、あるいは白色顔料によるドット印刷を施したりするなどの、導光体内を導波する光の進行角度を変える構造により実現することができる。導光板20の製造コストや導光板20から出射する光の効率を考慮すると、導光板20の裏側に導光板20内を導波する光の進行角度を変化させる微細な形状を形成することが望ましい。ここでいう微細な形状は、導光体内を導波する光の進行角度を変えることができる傾斜面を備えるものであれば良く、段差、凹凸、レンズ状などの形状により実現できる。本実施形態では以下、導光板20内を導波する光を表側に出射させるための構造として、導光板の裏面に光の進行角度を変えることができる微細な傾斜面を有した傾斜面部26を備える場合を説明する。
導光板20は、可視光に対して透明で、複屈折性を備えることが重要であり、その材料として、例えばポリカーボネート系樹脂、環状オレフィン系樹脂などを用いることができる。複屈折性を備える導光板20としては、例えば、一軸延伸した透明樹脂を基材とし、その表側または裏側の面に導光板内を導波する光を表側に出射させるための微細な構造を転写することで実現できる。或いは、射出成型で導光板20を形成する場合には、樹脂の流動方向に沿って生じる内部の残留応力を利用することで複屈折性を備えるようにしてもよい。なお、アクリル系樹脂などから構成する光学的に等方な導光板20の表側または裏側に、位相差フィルムを張り合わせることで複屈折性を備えるようにしても良い。この場合においても、位相差フィルム内を斜めに進行して往復することとなるため、本実施形態で導光板20を構成する薄板状の透明体に与える複屈折性と同様に、ピーク角度で導光板20から出射する光のp偏光成分をS偏光成分よりも増大させるような複屈折性を位相差フィルムに付与すればよい。
導光板20が有する複屈折性としては、面内に屈折率の異方性を有する一軸異方性であれば良く、その複屈折性の条件は、位相差(一般に屈折率異方性Δnとその厚さdの積Δnd)と遅相軸角度で規定できる。なお、導光板20が備える複屈折性の具体的な条件は、他の構成との関係で最適な条件が異なるので、後述するより具体的な構成の説明で詳述する。また、本発明は、導光板20が有する複屈折性として2軸異方性を除外するものではない。
ここで、図2に示すように、本実施形態における方位角θは、照明装置1を平面的に見て、導光板20の端面のうち光源10を配置する端面の長手方向を0°としてその反時計回り方向の角度として定義する。このため、導光板20の遅相軸角度は図4に示すとおり、方位角θで定義される。すなわち、光源10から出射して、導光板20に入射し、導光板20内を進む光の主たる進行方向の方位角は90°となる。
図5は、導光板20及び反射手段30の一部断面図である。図5の図中左側には不図示の光源10が配置される。また、図5では、導光板20の表側から出射する光の極角α(出射角度α)は、導光板20の光出射面(すなわち表側の面)の垂線(法線)方向を0°とし、当該垂線方向からの傾きとして定義する。同様に導光板内を進む光の極角β(進行角度β)についても、導光板20の光出射面(すなわち表側の面)の垂線(法線)方向を0°とし、当該垂線方向からの傾きとして定義する。
本実施形態に係る照明装置1においては、光源10からの光が導光板20の一方の端面から入射する場合に、その表側から出射する光の量に関する指標値(例えば輝度や光度)が、方位角θがほぼ90°で出射角度αが65°〜80°の方向において最大値となるような導光板20を用いる。このような導光板20は、その裏側の面に導光板20の光出射面に対する傾斜角度が0.5〜3°程度となる傾斜面を有した傾斜面部26を複数箇所に形成することで実現できる。なお、傾斜面部26によって局所的に段差となる部分が裏面において形成され、傾斜面部26と他の傾斜面部26との間隔・ピッチが数十μmから百数十μmとなるように形成される。
導光板20から出射する光の輝度や光度がピーク(最大値)となる光の出射角度が、導光板20の光出射面の垂線(法線)方向に対して傾いている場合、当該出射角度で出射する光は、p偏光成分の割合が大きくなる。ここで、図5に例示されるように、導光板20から、出射角度αで出射する光L1のうち、導光板20の光出射面の垂線(法線)と光L1の進行方向とを含む面内に光の電気ベクトルの振動方向が含まれる直線偏光成分がp偏光成分として、このp偏光成分と電気ベクトルの振動方向が直交する直線偏光成分がs偏光成分として定義され、s偏光成分は紙面に対して垂直となる。なお、前述したように、導光板20から出射する光L1の輝度や光度が最大値となるのは、光L1の進行方向の方位角θ=90°の場合なので、以下ではこの方向に進む光に着目することとする。そして、特にことわりが無い限り、導光板20の光出射面の垂線(法線)と方位角θ=90°方向を含む面内に光の電気ベクトルの振動方向が含まれる直線偏光をp偏光、これと電気ベクトルの振動方向が直交する直線偏光をs偏光とする。このように、導光板20の光出射面の垂線方向に対して傾いた方向に出射する光において、p偏光成分がs偏光成分よりも多くなるのは、導光板20と空気層(図中AIRと表記)との界面で光が屈折する際にp偏光とs偏光の透過率が異なることに起因するものであって、一般的に知られていることである。
本実施形態では、導光板20として、平均屈折率が1.5705のポリカーボネートを使用し、方位角θ=90°において、光L1の輝度が最大となる出射角度αが76°、光度が最大となる出射角度αが68°である導光板20の例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、導光板20としては屈折率が1.46〜1.6程度の透明体を利用することができる。本実施形態における導光板20の場合、出射角度α=76°の光においては、導光板20と空気(AIR)との界面を光が通過する際、そのp偏光とs偏光の透過率の違いから出射光のp偏光の偏光度ρpは約23%となる。より具体的には、p偏光はその88%が透過し、s偏光は45%しか透過しないため、導光板20と空気との界面で反射して導光板20内に残る光はs偏光成分がp偏光成分の約4.6倍となる。
さらに図3に示すとおり、導光板20は、薄板状の透明体と、該透明体よりも高屈折率の部材を含んで構成されて、導光板20の表面には、層状に高屈折率の部材(以下、高屈折率層21と呼ぶ)が形成される。高屈折率層21が設けられることで、導光板20から出射する光のp偏光成分を増加することができる。高屈折率層21はその厚さdhが、導光板20から出射する光の輝度または光度が最大となる角度に対して以下の条件を満たすように形成すると良い。つまり、高屈折率層21の屈折率をnhとし、導光板20から出射する光のうち輝度または光度が最大となる角度で出射する光が高屈折率層21内を進む角度(導光板20の光出射面に垂直な方向からの傾き角度)をγとすると、厚さdhは、上述した式(3)を満たせば良い。この上述した式(3)では、λは光の波長、mは0以上の整数である。波長λは、可視光の波長であって、例えば視感度が高い550nmの値を用いればよい。なお、高屈折率層21の厚さdhは、mの値を1以上の整数として得られる値であってもよいが、厚さdhが大きくなると、高屈折率層21を構成する透明体の屈折率の波長依存性の影響が大きくなるため、m=0として算出される厚さdhを選択することが望ましい。
また、表1は、出射角度α=76°の光に対する高屈折率層21の材質及びその屈折率と、最適な厚さの関係を示すものである。表1においては、さらに各条件において、導光板の屈折率を1.5705とした場合に、導光板と空気との界面でのp偏光の透過率(表中、p透過率)、s偏光の反射率(表中、s反射率)を併記している。尚、以後の説明では、特にことわりがない場合、導光板の(平均)屈折率は1.5705の場合についての説明である。
表1で示すように、高屈折率層21を形成すると、p偏光成分は透過率が向上し、s偏光成分は反射率が向上するため、導光板20から出射する光はよりp偏光成分の割合が多い光となる。高屈折率層21はその屈折率が高くなると、さらにその効果が大きくなる。高屈折率層21として比較的安価に実現可能なのは紫外線硬化樹脂だが、屈折率を他の材料よりも高くすることが難しい。一方、SiN,Ta2O5,TiO2,ZnSなどの材料は屈折率が高くできるため大きな効果が得られるがコストが高くなる。このため、実際に適用する場合にはコストと効果のバランスでその製品にあった条件を選択すればよい。
ここで、図3のように高屈折率層21を形成した場合であっても、導光板20に適切な複屈折性が無い場合には、実際に導光板20から出射する光のp偏光成分の量は、導光板20と空気との界面のp偏光とs偏光の反射の違いから予測される値よりも低くなる。これは、導光板20と空気との界面で反射して導光板20内に残る光はs偏光成分がp偏光成分よりも多いので、導光板20内を導波する光はs偏光成分が多い光となっているためと考えられる。例えば、高屈折率層21として、屈折率2.0の層を形成した場合には、p偏光はその95%が透過し、s偏光は32%しか透過しない。このため、導光板20と空気との界面で反射して導光板20内に残る光は、s偏光成分がp偏光成分の13.6倍となる。従って、導光板20から出射する光のp偏光成分の量を増やすには、導光板20内に残るs偏光をp偏光に効率よく変換することが極めて有効と考えられる。
また、導光板20の裏側には、反射手段30が配置される。反射手段30は、導光板20の裏側へ出射する光を導光板20側へ反射して戻す機能を有し、導光板20の裏側へ出射する光を有効利用するために用いられる。反射手段30としては、高い反射率を有する反射面を、樹脂板または高分子フィルム等の支持基材上に形成した反射部材を用いることができる。反射部材における反射面は、支持基材上にアルミニウム、銀等の反射率の高い金属薄膜を蒸着法やスパッタリング法等により成膜したり、支持基材上に増反射膜となるように誘電体多層膜を形成したり、あるいは支持基材上に光反射性の塗料をコートするなどの方法で形成することができる。また、反射面は、屈折率の異なる透明媒体を複数層積層することで反射手段30として機能するようにしたものであってもよい。
ここで特に、導光板20は、複屈折性が付与されて、導光板20内に残るs偏光がp偏光に効率よく変換される。本願発明者らは導光板20内に残るs偏光をp偏光に効率よく変換するため、図5において、導光板20内部を表面24側から裏面25側に向うs偏光が、裏面25及び反射手段30で反射して再び表面24に戻る際(図中、実線で示す光路)に、どの程度p偏光に変換されるかをシミュレーションにより検討した。具体的には導光板20の表面24をp偏光強度が0(換言するとs偏光強度が1)の状態で出発した光が、裏面25及び反射手段30で反射して再び表面24に戻ったときのp偏光の強度で評価した。つまり、この評価において、p偏光強度が1になれば、s偏光が完全にp偏光に変換されることを示す。
以下においては、本願発明者らが検討した、導光板20とその裏面に配置する反射手段30の各形態と、これに対応する導光板20の複屈折性の条件についてさらに述べる。
[導光板とその裏面に配置する反射手段の形態1]
図6は、導光板20と反射手段30との間の空隙dair(図5参照)と、p偏光強度との関係を示すグラフであり、導光板20内を進む光の進行角度β=38度の場合を示す。尚、β=38度に進む光は、導光板20から出射する際の出射角度αが約76度となる光であって輝度のピーク角度に進む光である。本実施形態において、輝度、或いは光度のピーク角度の近傍となる出射角度は、導光板20内部から表面24に入射する入射角度βが35度〜39度の範囲に概ね対応し、この35度〜39度の範囲を特に考慮すべき角度範囲としている。また、図6のグラフは、波長550nmの光において導光板20の複屈折性の条件が、位相差141nm、遅相軸角度52度の場合を示しており、位相差137.5nm、遅相軸角度45度の場合についても併記した。
図6は、導光板20と反射手段30との間の空隙dair(図5参照)と、p偏光強度との関係を示すグラフであり、導光板20内を進む光の進行角度β=38度の場合を示す。尚、β=38度に進む光は、導光板20から出射する際の出射角度αが約76度となる光であって輝度のピーク角度に進む光である。本実施形態において、輝度、或いは光度のピーク角度の近傍となる出射角度は、導光板20内部から表面24に入射する入射角度βが35度〜39度の範囲に概ね対応し、この35度〜39度の範囲を特に考慮すべき角度範囲としている。また、図6のグラフは、波長550nmの光において導光板20の複屈折性の条件が、位相差141nm、遅相軸角度52度の場合を示しており、位相差137.5nm、遅相軸角度45度の場合についても併記した。
尚、導光板20の複屈折性の条件である位相差141nm、遅相軸角度52度は、導光板20内を進む光の進行角度βのうち、特に考慮すべき角度範囲であるβ=35〜39度で進む光に対し、導光板20の表面24から裏面25に向かうs偏光が、裏面25において略円偏光となる条件である。そして略円偏光となった光が、裏面25から進行角度βで進行して再び表面24に戻ることにより、p偏光に変換される。
図6で示すように、空隙dairが0に近づく程、p偏光強度が高くなっており、s偏光のp偏光への変換効率が高まることが分かる。従って、導光板20の裏面25と反射手段30との空隙dairは0とすることが望ましい。
ここで、図7は、本発明の一実施形態に係る照明装置の導光板20と反射手段30の一部断面図である。本実施形態では同図で示すように、導光板20の裏面25と反射手段30の間には空隙を設けずに、導光板20と反射手段30とを密着させた構造となっている(形態1)。このため、導光板20の裏面に形成する光の進行角度を変えるための微細な傾斜面部26は、導光板20の内側に凹む構造で形成される。
このような構造は、導光板20の裏面25に反射手段30を直接形成する、或いは、導光板20の屈折率と同等の透明な接着剤もしくは粘着剤(不図示)を介して反射手段30を導光板20の裏面25に固定することで実現できる。反射手段30としては鏡面反射する反射部材を用いる。
具体的には、導光板20の裏面25に反射手段30を直接形成する場合には、反射手段30はアルミニウム、銀等の反射率の高い金属薄膜を蒸着法やスパッタリング法等により導光板20の裏面に成膜することで実現できる。或いは、増反射膜となるように誘電体多層膜を形成したり、光反射性の塗料をコートするなどの方法で形成することができる。
また、導光板20の裏面25に反射手段30を固定する場合の反射手段30としては、具体的には、高い反射率を有して鏡面反射する面を、樹脂板または高分子フィルム等の支持基材上に形成したものを用いることができる。反射面は、支持基材上にアルミニウム、銀等の反射率の高い金属薄膜を蒸着法やスパッタリング法等により成膜したり、支持基材上に増反射膜となるように誘電体多層膜を形成したり、あるいは支持基材上に光反射性の塗料をコートするなどの方法で形成することができる。また、反射面は、屈折率の異なる透明媒体を複数層積層することで反射手段として機能するようにしたものであってもよい。このような反射手段30は導光板20の裏面25との間に実質的に空隙がない状態を実現するため、導光板20と同等の屈折率を有する透明な粘着剤、もしくは接着剤として機能する材料を導光板20の裏面25と反射手段30との間に充填すれば良い。
図8は、導光板20内を進む光(波長550nm)の進行角度βとp偏光強度の関係を示すグラフである。図8のグラフ中で、太線及び細線で示されたデータは、導光板20の複屈折性の条件として、位相差141nm、遅相軸角度52度の場合(太線)と、位相差137.5nm、遅相軸角度45度の場合(細線)のp偏光強度を示しており、いずれの場合も、導光板20と反射手段30との間には空隙を設けない図7に示すような構造である場合である。また、図8のグラフにおいては、従来技術の場合(点線)についても併記した。
図8に示すとおり、導光板20の裏面25と反射手段30との空隙dairを0とし、導光板20の複屈折性の条件を位相差141nm、遅相軸角度52度とすることで、導光板20内を進む光の進行角度βにおいて考慮すべき角度範囲である35度から39度では、p偏光強度がほぼ1.0となり、極めて高い効率でs偏光からp偏光への変換を実現できる。このため、導光板20から出射する光はよりp偏光が多い光となり、所望の直線偏光成分が多い光を出射する照明装置を実現することができる。
尚、p偏光強度は0.9以上であれば、実用上有益な効果が得られるため、本発明はその範囲を除外するものではない。従って、導光板20の裏面25と反射手段30との空隙dairを0とすれば、導光板20の複屈折性の条件が位相差137.5nm、遅相軸角度45度であっても導光板内を進む光の進行角度βのうち、特に考慮すべき角度範囲(35度から39度)においてp偏光強度を0.9以上とすることができる。
図9は波長550nmの光において、導光板20と反射手段30との間の空隙dairを0とし、導光板20の位相差を141nmとしたときの、導光板20の遅相軸角度θとp偏光強度の関係を示すグラフであり、導光板20の位相差137.5nmの場合についても併記した。
この場合、導光板20の遅相軸角度の最適条件は約52度である。p偏光輝度が0.99以上であれば最適条件とほぼ同等の効果得られるため、導光板20と反射手段30との間の空隙dairが0となる場合の遅相軸角度の望ましい範囲は50度から54度の範囲である。また、p偏光強度は0.9以上であれば、実用上有益な効果が得られるため、導光板20と反射手段30との間の空隙dairが0となる場合の導光板20の遅相軸角度の範囲は43度から60度である。なお、本実施形態においては、導光方向であるθ=90度の方位角において約64度から約80度の角度範囲の中から出射する輝度又は光度がピークとなる光に着目している。遅相軸の方位は、この輝度又は光度のピークとなる光線の方位角(光の主たる進行方向)に対して、時計回り又は反時計回りに38度となる方位(図4の定義における遅相軸角度では52度又は128度)が最適条件であり、36度から40度の範囲となる方位が望ましい範囲、30度から47度となる範囲が実用上有益な効果が得られる範囲となる。
図10は波長550nmの光において、導光板20と反射手段30との間の空隙dairを0とし、導光板20の遅相軸角度を52度としたときの、導光板20の位相差とp偏光強度の関係を示すグラフであり、導光板20の遅相軸角度45度の場合についても併記した。
この場合、導光板20の位相差の最適条件は約141nmである。この値は比視感度が高く、この評価で着目している波長550nmに対し、1/4波長×1.025という値である。また、p偏光輝度が0.99以上であれば最適条件とほぼ同等の効果が得られるため、導光板20と反射手段30との間の空隙dairが0となる場合の位相差の望ましい範囲は約132nmから約149nmの範囲である。この範囲はこの評価で着目している波長550nmに対し、1/4波長×0.96から1/4波長×1.08の範囲である。また、p偏光強度は0.9以上であれば、実用上有益な効果が得られるため、空隙dairが0となる場合の導光板20の位相差の範囲は1/4波長×0.9から1/4波長×1.2の範囲内(約124nmから約165nmの範囲内)である。
尚、導光板20の遅相軸角度が45度の場合は、どのような位相差にしても、p偏光強度は0.95を超えることができず、最高の偏光変換効率を実現することができない。しかしながら、導光板20の裏面25と反射手段30との空隙を0にすれば、実用上有益な効果が得られるp偏光強度0.9以上を達成することができる。
尚、導光板20の裏面25と反射手段30との間に空隙が存在しても、この空隙が30nm未満であれば、反射手段30と導光板20とが密着して形成される場合と同様に導光板20の遅相軸角度や位相差を設けることで、同様の効果が得られる。
[導光板とその裏面に配置する反射手段の形態2]
上記形態1では、導光板20の裏面25と反射手段30との空隙が0であり、導光板20の裏面25に密着して反射手段30が設けられる。
上記形態1では、導光板20の裏面25と反射手段30との空隙が0であり、導光板20の裏面25に密着して反射手段30が設けられる。
この場合において、導光板20内を全反射することにより導波していた光は、導光板20の裏面25において、反射手段30の反射率に応じた損失を生じる。つまり、全反射で導波する光は、全反射が原理的には反射率100%となるため、反射による損失は生じないが、反射手段30での反射は、一般に反射率が100%未満であり、反射において光の損失を生じる。
そこで、図11及び図12で示すように、導光板20の裏面25と反射手段30との間に、一定の厚みの空隙を設けるようにしてもよい(形態2)。図11、及び図12は、いずれも本発明の一実施形態に係る照明装置1の導光板20と反射手段30の構造を示す一部断面図であり、導光板20の裏面25と反射手段30の間に一定の空隙35を設ける構造となっている。
図11は、導光板20の裏面に形成する光の進行角度を変えるための微細な傾斜面部26が導光板20の内側に凹む構造となる場合を示し、必要に応じて導光板20の裏面25と反射手段30との間の空隙35を一定に保つための突起部を、スペーサー28として配置する。スペーサー28は導光板20の裏面25側に導光板20と一体成形することができ、スペーサー28の位置は、傾斜面部26に隣接し、さらに傾斜面部26からみて光源10とは反対側となるに位置に設けることが望ましい。この場合、スペーサー28は、導光板20内を導波する光に対して、傾斜面部26の陰となる部分に配置できるため、スペーサー28を備えることによる光学性能への悪影響を抑制できる。
導光板20の裏面25に配置する反射手段30は高い反射率を有し、鏡面反射する面を、支持基材上に形成した反射部材を用いることができる。反射面は、支持基材上にアルミニウム、銀等の反射率の高い金属薄膜を蒸着法やスパッタリング法等により成膜したり、支持基材上に増反射膜となるように誘電体多層膜を形成したり、あるいは支持基材上に光反射性の塗料をコートするなどの方法で形成することができる。或いは、反射面として、屈折率の異なる透明媒体を複数層積層することで反射手段30として機能するようにしたものであってもよい。
支持基材としては、樹脂板または高分子フィルム等を用いることができるが、導光板の裏面25と反射手段30との空隙を一定に保つために、支持基材としてガラス板や金属板など、表面の平坦性が高くて変形し難い材質を選択することが望ましい。
図12は、本発明の一実施形態に係る照明装置の導光板20と反射手段30の構造を示す一部断面図である。
図12は、導光板20の裏面25に形成する光の進行角度を変えるための微細な傾斜面部26が導光板20の外側に張り出す構造となっている場合を示し、必要に応じて導光板20の裏面25と反射手段30との間の空隙35を一定に保つためのスペーサー28を配置する。スペーサー28は、導光板20の裏面側に導光板20と一体成形することができ、その位置は、傾斜面部26に隣接し、さらに傾斜面部26からみて光源10と同じ側となるに位置に設けることが望ましい。このため、導光板20の裏面の微細な傾斜面部26が導光板20の外側に張り出す構造の場合には、傾斜面部26と一体的に形成されて、スペーサー28が裏面25から凸状にせり出して平坦な部分を形成し、当該平坦な部分から、光源10が配置されている側の反対側の方向に裏面25に連なる斜面が形成されることにより、傾斜面部26が形成される。
この場合、スペーサー28は導光板20内を導波する光のうち、傾斜面部26の斜面に入射する光を妨げにくい位置に配置できるため、スペーサー28を備えることによる光学性能への悪影響を抑制できる。
図13は、図11または図12に示す照明装置のように、導光板の裏面25と反射手段30との間に一定の空隙35を設けた照明装置1において、導光板20内を進む光(波長550nm)の進行角度βとp偏光強度の関係を示すグラフである。図13におけるグラフの中で太線で示されたデータは、導光板20の裏面25と反射手段30との空隙35の厚さdairを140nmとし、導光板20の複屈折性の条件を位相差210nm、遅相軸角度68度とする場合である。尚、図13のグラフでは比較のため、従来技術の場合(点線)についても併記した。
図13に示すとおり、導光板20の裏面25と反射手段30との間に一定の空隙140nmを設け、導光板の複屈折性の条件を位相差210nm、遅相軸角度68度とすることで、考慮すべき角度範囲(入射角度β=35度から39度)におけるp偏光強度が0.9以上となり、高い効率でs偏光からp偏光への変換を実現できる。このため、導光板20から出射する光はよりp偏光が多い光となり、所望の直線偏光成分が多い光を出射する照明装置を実現することができる。
つまり、導光板20の裏面25と反射手段30との間に空隙が存在しても、この空隙を一定の厚さに制御し、導光板20の複屈折性が適切な条件を満たせば、導光板20内を進む光のうち、考慮すべき角度(入射角度β=35度〜39度)で進む光が、導光板20の表面24から裏面25側へ向かい、再び表面24に戻る際、s偏光成分がp偏光成分により高い効率で変換される。このため、導光板20から出射する光はよりp偏光が多い光となり、所望の直線偏光成分が多い光を出射する照明装置1を実現することができる。
図14は、導光板20内を進む光(波長550nm)において、導光板20の表面24から裏面25側へ向かうs偏光が、再び表面24に戻る際のp偏光強度と、導光板20の裏面25と反射手段30との間の空隙35の厚さdairとの関係を示すグラフである。この際、導光板20の複屈折性の条件は導光板の位相差が210nm、遅相軸角度が68度である。
以下においては、導光板20内を進む光の進行角度βのうち、特に重要なβ=36度から38度に着目する。β=36度に進む光は、導光板から出射する際の角度αが約67度となる光であり、光度のピーク角度に相当する。また、β=38度に進む光は、導光板20から出射する際の出射角度αが約76度となる光であり、輝度のピーク角度に相当する。
図14に示すとおり、導光板20内を進む光の進行角度のうち、特に考慮すべき角度β=36度と38度において、実用上有益な効果が得られるp偏光強度0.9以上を満たすには、導光板20の裏面25と反射手段30との間の空隙35の厚さdairは50nm(0.05μm)から240nm(0.24μm)の範囲にすることが必要である。
図15は、導光板20の裏面25と反射手段30との間の空隙35の厚さdair=140nm、導光板20の位相差210nmの条件において、導光板20の遅相軸角度θとp偏光強度の関係を示すグラフであり、導光板20内を進む光(波長550nm)の角度β=36度と38度の場合について示している。
この場合、導光板20の遅相軸角度の最適条件は約68度である。導光板20内を進む光の進行角度のうち、特に考慮すべき角度β=36度と38度において、実用上有益な効果が得られるp偏光強度0.9以上を満たす導光板の遅相軸角度の範囲は64度から71度である。
図16は、導光板20の裏面25と反射手段30との間の空隙35の厚さdair=140nmであって、導光板20の遅相軸角度68度となる条件において、導光板20の位相差とp偏光強度の関係を示すグラフであり、導光板20内を進む光(波長550nm)の角度β=36度と38度の場合について示している。
この場合、導光板20の位相差の最適条件は約210nmである。この値は比視感度が高く、この評価で着目している波長550nmに対し、1/4波長×1.53という値である。
導光板20内を進む光の進行角度のうち、特に考慮すべき角度β=36度と38度において、実用上有益な効果が得られるp偏光強度0.9以上を満たす導光板の位相差の範囲は186nmから240nmである。この範囲はこの評価で着目している波長550nmに対し、1/4波長×1.35から1/4波長×1.75の範囲である。
このようにして導光板20の裏面25と反射手段30との間に、一定の厚みの空隙が存在する場合に、裏面25における反射による損失を少なくしつつ、p偏光の偏光度が高い光を出射する導光板20を実現することができる。
[導光板とその裏面に配置する反射手段の形態3]
上記の導光板20と反射手段30の形態1及び形態2では、導光板20の裏面25と反射手段30との空隙を0にする場合と、一定の距離(厚み)の空隙を設ける場合について説明した。形態2の場合は、導光板20の裏面25と反射手段30との間に、一定の距離の空隙を設けるため、導光板20内を進む光は全反射を繰り返しながら進むことが可能となり、損失の低減が期待できる。ただし、この場合は、導光板20の裏面25と反射手段30との間の空隙の距離は、高い精度で管理する必要がある。
上記の導光板20と反射手段30の形態1及び形態2では、導光板20の裏面25と反射手段30との空隙を0にする場合と、一定の距離(厚み)の空隙を設ける場合について説明した。形態2の場合は、導光板20の裏面25と反射手段30との間に、一定の距離の空隙を設けるため、導光板20内を進む光は全反射を繰り返しながら進むことが可能となり、損失の低減が期待できる。ただし、この場合は、導光板20の裏面25と反射手段30との間の空隙の距離は、高い精度で管理する必要がある。
図17は、本発明の一実施形態に係る照明装置1の導光板20と反射手段30の構造を示す一部断面図である。同図で示すように、導光板20の裏面25と反射手段30の間には、その屈折率が導光板20よりも小さく、空気よりも大きい透明部材37を設けてもよい(形態3)。
導光板20の裏面には、導光板20内を進む光の進行角度を変えるための微細な傾斜面部26が備えられる。傾斜面部26は、傾斜面部26での反射における損失を抑えるため、導光板の内側に凹む構造とし、透明部材37との間に空隙36を設けることが望ましい。
透明部材37は可視光の吸収が小さく、その屈折率が導光板20よりも小さく、空気より大きいものを選択する。これは、導光板20の裏面と反射手段30との間に導光板20よりも屈折率が低い透明部材を設けると、導光板20内を進む光の一部が導光板20の裏面と透明部材との界面で全反射するため、反射手段での反射による光の損失が抑制できるからである。一方、空気よりも屈折率が高い透明部材を設けると、導光板20裏面と反射手段30との間の距離の変動に対する偏光変換効率の変動が抑制され、より安定した高い偏光変換効率が実現できるからである。
例えば、導光板20として屈折率1.5705のポリカーボネートを用いる場合、透明部材37の屈折率ntmとしては、1<ntm<1.5705の範囲から選択する。
尚、透明部材37の屈折率は、その値が小さくなると、導光板20裏面と反射手段30との距離の変動(つまり、透明部材37の厚さの変動)に対する偏光変換効率の変化が大きくなる。一方、透明部材37の屈折率が大きくなると、導光板20内を進む光が反射手段30で反射する確率が高くなるため、導光板20内を進む光の損失が大きくなる。
つまり、導光板20内を進む光の損失と、偏光変換効率の安定性との間にはトレードオフの関係がある。このトレードオフ関係は、導光板20の面積や厚みにより状況が変わるため、一概に最適な屈折率ntmを決めることはできない。但し、現実的な材料の使用を考慮すると、低い方の屈折率はフッ素系材料の使用を考慮すると1.3程度となる。また、高いほうの屈折率については導光板20として屈折率が1.46〜1.6程度のアクリル系樹脂を用いる場合を考慮すると、透明部材37の屈折率ntmとしては、1.3≦ntm≦1.45の範囲から選択することが現実的である。また、反射手段30としては高い反射率を有し、鏡面反射する面を、樹脂板または高分子フィルム等の支持基材上に形成した反射部材を用いることができる。反射面は、支持基材上にアルミニウム、銀等の反射率の高い金属薄膜を蒸着法やスパッタリング法等により成膜したり、支持基材上に増反射膜となるように誘電体多層膜を形成したり、あるいは支持基材上に光反射性の塗料をコートする等により形成することができる。また、反射面は、屈折率の異なる透明媒体を複数層積層することで反射手段30として機能するようにしたものであってもよい。
反射手段30は導光板20の裏面25に透明部材37を介して設置する。この透明部材37として、導光板20よりも屈折率が低い透明な粘着剤、もしくは接着剤として機能する透明材料を用いることにより、導光板20の裏面25に反射手段30を固定するとよい。
或いは、導光板20の裏面25に予め形成した透明部材37上に反射手段30を直接形成しても良い。この場合、反射手段30はアルミニウム、銀等の反射率の高い金属薄膜を蒸着法やスパッタリング法等により透明部材37上に成膜することで実現できる。或いは、増反射膜となるように誘電体多層膜を形成したり、光反射性の塗料をコートするなどの方法で形成することができる。
図18は導光板20内を進む光(波長550nm)の進行角度βとp偏光強度の関係を示すグラフである。図18において太線及び細線で示されたデータは、図17において説明した構造において、透明部材37の屈折率が1.4、導光板の屈折率が1.5705の場合であり、点線は従来技術の場合である。また、導光板20の複屈折性の条件としては、位相差141nm、遅相軸角度52度の場合と、位相差137.5nm、遅相軸角度45度の場合を、図18においてそれぞれ太線と細線で示す。
図18に示すとおり、透明部材37の屈折率を1.4とし、導光板20の複屈折性の条件を位相差141nm、遅相軸角度52度とすることで、導光板20内を進む光の進行角度βのうち、考慮すべき角度範囲である35度から39度では、p偏光強度がほぼ1.0となり、極めて高い効率でs偏光からp偏光への変換を実現できる。このため、導光板20から出射する光はよりp偏光が多い光となり、所望の直線偏光成分が多い光を出射する照明装置1を実現することができる。
尚、p偏光強度は0.9以上であれば、実用上有益な効果が得られるため、本発明はその範囲を除外するものではない。従って、透明部材37の屈折率を1.4とすれば、導光板20の複屈折性の条件が位相差137.5nm、遅相軸角度45度であっても導光板20内を進む光の進行角度βのうち、特に考慮すべき角度範囲(35度から39度)においてp偏光強度を0.9以上とすることができる。
図19は波長550nmの光において、透明部材37の屈折率を1.4とし、導光板20の位相差を137.5nmとしたときの、光の進行角度β=38°の光に対する導光板20の遅相軸角度θとp偏光強度の関係を示すグラフである。
図19の場合、導光板20の遅相軸角度の最適条件は約52度である。p偏光輝度が0.99以上であれば最適条件とほぼ同等の効果得られるため、屈折率が1.4である透明部材37が反射手段30と導光板20の間に介在するときの、導光板20の遅相軸角度の望ましい範囲は50度から53度の範囲である。また、p偏光強度は0.9以上であれば、実用上有益な効果が得られるため、この場合の屈折率が1.4である透明部材37が反射手段30と導光板20の間に介在するときの導光板20の遅相軸角度で実用上有益な効果が得られる範囲は44度から59度である。
図20は波長550nmの光において、透明部材37の屈折率を1.4とし、導光板20の遅相軸角度を52度としたときの、光の進行角度β=38°の光に対する導光板20の位相差とp偏光強度の関係を示すグラフである。
図20の場合、導光板20の位相差の最適条件は141〜142nmである。この値は比視感度が高く、この評価で着目している波長550nmに対し、1/4波長×1.025から1/4波長×1.033という値である。また、p偏光輝度が0.99以上であれば最適条件とほぼ同等の効果得られるため、導光板20の位相差の望ましい範囲は約135.5nmから149nmの範囲である。この範囲はこの評価で着目している波長550nmに対し、1/4波長×0.98から1/4波長×1.08の範囲である。
図21は、波長550nmの光において、透明部材37の屈折率を1.4とし、導光板の遅相軸角度を52度、位相差を142nmとしたときの、光の進行角度β=38°の光に対する透明部材37の厚さとp偏光強度の関係を示すグラフである。かかる条件の下では、図示の通り、透明部材37の厚さ、すなわち、導光板の裏面25と反射手段30との距離が変動しても、p偏光強度の値は0.99以上を維持する。つまり、導光板の裏面25と反射手段30との距離について特別な管理をしなくても、高い効率でs偏光からp偏光への変換を実現できる。このため、例えば、製造上のばらつきで、導光板20の裏面25と反射手段30との距離が変動しても、導光板20から出射する光としてp偏光が多い光がより安定的に得られるため、所望の直線偏光成分が多い光を出射する照明装置をより確実に生産することができる。
尚、透明部材37の屈折率は導光板20の屈折率に近ければ近い程、その厚さの違いによるp偏光強度の変動は小さくなる。このため、例えば透明部材37の屈折率が1.45の場合は、遅相軸角度を52度、位相差を141〜142nmとすれば、透明部材37の厚さによらず、p偏光強度が0.99以上となり高い効果が得られる。つまり、透明部材37の屈折率が1.45の場合にも、透明部材37の屈折率が1.4の場合と同様の遅相軸角度及び位相差の条件で高い偏光変換の効果が得られる。
図22は、導光板内を進む光(波長550nm)の進行角度βとp偏光強度の関係を示すグラフである。図22は、図17で説明した構造において、透明部材37の屈折率が1.3、導光板の屈折率が1.5705の場合の光の進行角度とp偏光強度の関係であり、比較のため従来技術についても併記した(点線)。また図22において、導光板の複屈折性の条件としては、位相差141nm、遅相軸角度52度の場合(太線)と、位相差137.5nm、遅相軸角度45度の場合(細線)を示す。
図22に示すとおり、透明部材37の屈折率を1.3とし、導光板の複屈折性の条件を位相差141nm、遅相軸角度52度とすることで、導光板内を進む光の進行角度βのうち、考慮すべき角度範囲である35度から39度の角度範囲では、p偏光強度が高い値となり、高い効率でs偏光からp偏光への変換を実現できる。このため、導光板20から出射する光はよりp偏光が多い光となり、所望の直線偏光成分が多い光を出射する照明装置を実現することができる。
尚、p偏光強度は0.9以上であれば、実用上有益な効果が得られるため、本発明はその範囲を除外するものではない。従って、透明部材37の屈折率を1.3とすれば、導光板20の複屈折性の条件が位相差137.5nm、遅相軸角度45度であっても導光板20内を進む光の進行角度βのうち、特に考慮すべき角度範囲(35度から39度)においてp偏光強度を0.9以上とすることができる。
図23は、波長550nmの光において、透明部材37の屈折率を1.3とし、導光板20の位相差を137.5nmとしたときの、光の進行角度β=38°の光に対する導光板20の遅相軸角度θとp偏光強度の関係を示すグラフである。
この場合、導光板20の遅相軸角度の最適条件は51〜52度である。p偏光強度が0.9以上であれば、実用上有益な効果が得られるため、形態3の導光板20の遅相軸角度の範囲は44度から59度である。
図24は波長550nmの光において、透明部材37の屈折率を1.3とし、導光板20の遅相軸角度を52度としたときの、光の進行角度β=38°の光に対する導光板20の位相差とp偏光強度の関係を示すグラフである。
この場合、導光板20の位相差の最適条件は141〜142nmである。この値は比視感度が高く、この評価で着目している波長550nmに対し、1/4波長×1.025から1/4波長×1.033という値である。以上により、透明部材37の屈折率が1.4もしくは1.3のいずれの場合においても、導光板20において遅相軸角度と位相差を同様に設定することで、p偏光強度が高い光が得られる。
図25は、波長550nmの光において、透明部材37の屈折率を1.3とし、導光板の遅相軸角度を52度、位相差を141nmとしたときの、光の進行角度β=38°の光に対する透明部材37の厚さとp偏光強度の関係を示すグラフである。図25で示す通り、上記の条件では、透明部材37の厚さ、すなわち、導光板の裏面25と反射手段30との距離が変動しても、p偏光強度の値は0.97以上を維持する。つまり、透明部材37を介在させることにより導光板の裏面25と反射手段30との距離について特別な管理をしなくても、高い効率でs偏光からp偏光への変換を実現できる。このため、例えば、製造上のばらつきで、導光板の裏面25と反射手段30との距離が変動しても、導光板20から出射する光としてp偏光が多い光がより安定的に得られるため、所望の直線偏光成分が多い光を出射する照明装置をより確実に生産することができる。
図26は、波長550nm、進行角度β=38°の光において、導光板20の裏面と反射手段30との距離と、p偏光強度の関係を示すグラフである。図26では、透明部材37の屈折率を1.3、導光板20の遅相軸角度を52度、位相差を141nmの場合を太線で、透明部材37の屈折率を1.4、導光板の遅相軸角度を52度、位相差を142nmの場合を細線で示し、比較のための従来技術の場合を鎖線で示している。鎖線で示される従来技術の場合は、導光板20の裏面と反射手段30の間が空気層であり、導光板20の遅相軸角度を45度、位相差を137.5nmである。
図26で示す通り、透明部材37の厚さ(すなわち、導光板の裏面25と反射手段30との距離)が変動しても、p偏光強度の値は高い値を維持している。このため、例えば透明部材37の屈折率が1.3という低い値であっても、従来技術と比べれば、s偏光からp偏光への変換を極めて高いレベルで安定的に実現できる。
尚、導光板の裏面25と反射手段30との間に透明部材37を設けた場合、導光板20内を進む光の一部は導光板20の裏面と透明部材37との界面で全反射するため、導光板の裏面に直接反射手段30を設ける場合よりも光の損失が抑制される。また、透明部材37の屈折率が1.3、つまり導光板との屈折率差が約0.27であれば、図25に例示するとおり、p偏光強度は透明部材37の厚みに関わらず0.97以上と高い値を維持する。このため、高い偏光変換効率を安定して得るためには透明部材37の屈折率と、導光板20の屈折率の差は0.27以下とすることが望ましい。
以上において、導光板20及び反射手段30の形態1〜3について説明した。本実施形態では導光板20の裏面に反射手段30が直接形成される(形態1)としているが、光の損失低減や製造の観点からは形態3が望ましい。導光板20の複屈折性は、上述したように導光板20内を斜めに進行する光に着目して与えられている。したがって、遅相軸が、光源が配置されている側面の長手方向と反時計回りに(あるいは時計回りに)45度以上の角度をなすように、もしくは、位相差が、着目する波長の1/4よりも大きくなるように付与される。また、この遅相軸角度及び位相差については、反射手段30と導光板20の裏面25との間隔や、間に介在する透明媒体の屈折率に応じて設定される。なお、上記では視感度の高い550nmの波長の光線に着目して(すなわちλ=550nmとして)位相差を決定しているが、光源10が有する発光分布や分光特性においてピークとなる波長に着目して、位相差を決定してよい。なお、上記では導光板20の表面24及び裏面25は互いに平行となるように形成されて、例えば図5で示すように、表面24に対する入射角度β及び裏面25に対する入射角度βが等しい角度となるため、これらを進行角度βとして説明している。しかし、表面24に対して裏面がわずかに傾斜することで楔状に形成されていてもよい。この場合には表面24に対する入射角度βと裏面25に対する入射角度βが図5で示すような同じ角度には厳密にはならないが、裏面25の表面24に対する傾斜がわずかなものであるため、上述したのと同様に、導光板20に複屈折性を備えさせるようにすることでp偏光強度を高くすることが出来る。
[導光板の表面側に形成されるプリズムシート]
次に導光板20よりも表面側の構造について説明する。図1で示すように、導光板20の表側には、その全面を覆うようにプリズムシート50が配置される。プリズムシート50は、導光板20から出射する光の進行方向を変化させる光路変換手段として機能する。また、本実施形態においてプリズムシート50は、導光板20から出射し、プリズムシート50の裏側から当該プリズムシート50に入射する光の偏光度を高める機能も有する。
次に導光板20よりも表面側の構造について説明する。図1で示すように、導光板20の表側には、その全面を覆うようにプリズムシート50が配置される。プリズムシート50は、導光板20から出射する光の進行方向を変化させる光路変換手段として機能する。また、本実施形態においてプリズムシート50は、導光板20から出射し、プリズムシート50の裏側から当該プリズムシート50に入射する光の偏光度を高める機能も有する。
プリズムシート50は、少なくとも2つの斜面を有し、その稜線が一方向に延びるプリズム列を複数備えている。図2に例示する通り、プリズムの稜線の方向は、導光板20の光源10が配置される側の端面の長手方向と平行な方向(すなわち、方位角が0°の方向)である。また、プリズムシート50は、プリズム列の形成面が表側(液晶表示パネル側)を向くように配置される。プリズムの形状は、導光板20から出射する、輝度または光度がピークとなる角度の光が入射した際に、その進行方向がほぼ正面方向(導光板20の光出射面の垂線方向)に屈折するように、形成される。さらにプリズムシート50は、導光板20から出射する輝度または光度がピークとなる角度の光がプリズムシート50を通過する際、特にそのp偏光に対して位相差を生じさせない透明体により構成する。
次に、プリズムシート50のより具体的な例について、図27及び図28を参照して説明する。図27は、本発明の一実施形態に係る照明装置1の一部を示す概略断面図であり、図1の断面図において特にプリズムシート50、及びその周辺部を拡大した説明図である。また、図18は、本発明の一実施形態に係るプリズムシート50の表側の面に形成されるプリズム51の詳細な形状の一例を示す断面図である。
プリズムシート50としては、透明なフィルムを基材52とし、その表面にプリズム51を列状に形成したものを用いることが生産性など産業上の有用性を考慮すると現実的である。基材52としては、プリズムシート50を通過する光のp偏光成分に位相差が生じない透明体を用いる。これは、導光板20から出射し、プリズムシート50を通過するp偏光に変化が生じてp偏光成分が損失することを抑制するためである。
具体的には、例えば基材52として、トリアセチルセルロースフィルムや無延伸のポリカーボネートフィルムなど、少なくとも面内の屈折率異方性がほとんどない光学的に等方な透明体を用いることができる。あるいは、ポリカーボネート系樹脂やオレフィン系樹脂などからなるフィルムを一方向に延伸することで面内に屈折率の一軸異方性を持つ透明体を用いることができる。但し、この場合は、プリズムシート50を通過するp偏光に位相差が生じないようにするため、プリズムシート50を配置する際、基材52の遅相軸の角度を方位角θ=0°、またはθ=90°とすることが重要である。
プリズムシート50の基材52としては、比較的安価で取り扱いやすいPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いることが産業上は極めて有用である。ただし、PETフィルムは2軸異方性を有するため、PETフィルムを基材52として用いる場合、プリズムシート50を通過するp偏光に位相差が生じないようにするために特別の配慮が必要となる。
図29は、PETフィルムを想定する2軸異方性の透明体(主屈折率:nx=1.68、ny=1.62、nz=1.47、厚さ50μm)にp偏光(すなわち、方位角θ=90°方向を含む面内に光の電気ベクトルの振動方向が含まれる直線偏光)を入射したときの、極角α=76°におけるp偏光の透過率のシミュレーション結果である。具体的に、図29は、入射する光の進行方向(方位角)と、相対輝度により表される光の透過率と、の関係を示している。また、図29には、透明体の遅相軸角度の条件として方位角135°、0°、及び90°の3種類のパターンを併記した。同図に示されるように、2軸異方性の透明体では、遅相軸角度を0°または90°とすることで、所定の極角で方位角90°方向に進むp偏光において、位相差が生じてp偏光成分が少なくなるということがない。さらに、遅相軸角度を0°とすることで、方位角90°を含むより広い方位角の範囲で、p偏光に生じる位相差が小さくなり、p偏光の損失が抑制される。
透明体をプリズムシート50の基材52として用いる場合、導光板20から出射する光の角度分布を考慮すると、プリズムシート50を通過する光として特に検討すべき角度範囲は、方位角θ=0°±15°、視野角α=60°〜80°の範囲である。このため、プリズムシート50の基材52としてPETフィルムのような2軸異方性の透明体を用いる場合は、その遅相軸角度を方位角0°、または90°とする、すなわち、プリズム51の稜線方向と遅相軸角度を平行、または直交にすることが望ましい。さらに、上記の通り、遅相軸角度を0°とすれば、方位角90°を含んだより広い方位角範囲でp偏光に生じる位相差が小さくなり、より多くのp偏光をプリズムシート50から出射させることができるようになるため、プリズム51の稜線方向と遅相軸角度は平行にすることがより望ましい。なお、より高い効果を得るには、プリズムの稜線方向と遅相軸角度は上記条件に一致させることが望ましいが、実際の製品ではばらつきが生じて角度がずれることが考えられ、この場合は±5°程度の変動であれば許容される。
このようにプリズムシート50の基材52として2軸異方性の透明体を用いる場合に、遅相軸角度が0°のときと90°のときで効果に大きな差が生じることは、プリズムシート50の基材52として一軸異方性の透明体を用いる場合に、遅相軸角度が0°であっても90°のときと同様にp偏光の損失が抑制されることと対照的である。
図28は、プリズムシート50の表側の面に形成されるプリズム51の詳細な形状の一例を示す断面図である。本実施形態では、プリズム51の稜線と直交する方位角において視野角α(極角α)を変えたときに生じる色の変化を抑制するために、以下の手段を採用する。つまり、プリズム51の断面形状は2種類の主たる傾斜角度を備える複数の斜面を含んで構成されており、プリズムの頂点からみて相対的に光源から遠い側の部分が、少なくとも3つの斜面から構成され、そのうちの少なくとも一つの斜面は他の斜面に対してプリズムシート50の光出射面からみて逆向きの傾きを有する。
上記2種類の主たる傾斜角度とは、プリズム51の頂点からみて、相対的に光源から遠い側の斜面と、近い側の斜面の角度であり、特に導光板20から出射する光のうち輝度や光度がピークとなる角度の光がプリズムシート50に入射したとき、この光を正面方向に屈折させる傾斜角度と、この光が直接はほとんど入射しない傾斜角度のことである。本実施形態では、プリズム51は5つの斜面(SS1〜SS5)を組み合わせた断面形状をしている。このうち、導光板20から出射する輝度や光度が最大となる角度の光がプリズムシート50に入射したとき、この光が入射する主たる傾斜角度を有する斜面がSS1とSS3である。また、導光板20から出射する輝度や光度が最大となる角度の光がプリズムシート50に入射したとき、この光が入射しない主たる傾斜角度を有する斜面がSS4である。斜面SS2は、導光板20から出射する輝度や光度がピークとなる角度の光が入射する斜面ではあるが、斜面SS1及びSS3とは異なる方向に光を屈折するものであり、斜面SS1及びSS3とは逆向きの傾きを有する。また、斜面SS5は、プリズム51の先端が鋭角になると製造上、不具合が生じやすくなるので、プリズム51の先端が鋭角になることを回避するために形成する斜面である。
プリズム列のピッチ、及び、プリズムの高さとしては、数十μm程度が実用的である。プリズム51の具体的な寸法及び傾斜角度は、プリズムシート50の基材52やプリズム51を構成する透明体の屈折率に応じて、光学シミュレーション等を駆使して選択すれば良い。
また、本実施形態では、プリズム全体の幅w1は35μm、高さh1は約25μmであり、主たる傾斜角度のうち、導光板20から出射する光のうち輝度や光度が最大(ピーク)となる角度の光がプリズムシートに入射したとき、この光を正面方向に屈折させる斜面の傾斜角度bは約69°、導光板20から出射する光のうち輝度や光度がピークとなる角度の光が入射しない斜面の傾斜角度aは約58°とする。このほかの寸法は、図18の図中で定義する幅w2が約6μm、w3が約12μm、高さh2が約13μm、h3が約9μm、h4が約25μm、角度cが80°である。
プリズム51の形状を上記の通りとした場合、プリズムシート50の基材52の平均屈折率を1.65とし、プリズム51の屈折率を1.68とすれば、導光板20から出射する光のうち角度α=77°の光に対し、プリズムシート50の斜面SS1及びSS3から出射する光の角度δは0.5°となり、ほぼ照明装置1の正面に出射する。あるいは、基材52の平均屈折率を1.65とし、プリズム51の屈折率を1.64とすれば、導光板20から出射する光の光度が最大となる角度α=68°の光に対し、プリズムシート50の斜面SS1及びSS3から出射する光の角度δは0.2°となり、ほぼ正面に出射する。
なお、導光板20から出射する輝度及び光度が最大値となる角度の光の一部は、プリズムシート50に入射して、出射する際、斜面SS2を通過する。この際、導光板20から出射する光の大部分は、光源10を配置した方位(方位角270°)に向かって屈折するが、斜面SS2を通過する一部の光は逆の方位(方位角90°)に向かって屈折する。この場合、プリズムシート50を構成する透明体の屈折率の波長依存性に起因して、光の屈折の際に生じる色の変化の一部が平均化される。従って、透明体の屈折率の波長依存性に起因して生じるので、このような色の変化を抑制することができる。
プリズム51としては、透明で光学的に等方な透明体、あるいは、これを通過するp偏光に対し、有害な位相差を生じさせない透明体を用いる。これはプリズムシート50の基材52と同様、導光板20から出射して、プリズムシート50を通過するp偏光に変化が生じてp偏光成分が損失することを抑制することで、プリズムシート50からよりp偏光成分の割合が大きい光を出射するためである。
上記要件を満たすものであれば、プリズム51を構成する透明体としては紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂など、いずれの透明体を用いても良い。また、所望の屈折率を実現するために、必要に応じて、酸化チタンなどの透明で屈折率が高い微粒子を含有させても良い。この場合は、少なくとも可視波長域の光に対する散乱が小さくなるように、微粒子の直径は数nm〜数十nm程度とすることが望ましい。
プリズムシート50の裏側の面には、必要に応じてs偏光増反射手段53が設けられる。s偏光増反射手段53は、導光板20から出射する光のうち、少なくとも輝度や光度が最大値となる角度の光がプリズムシート50に入射する際に、s偏光成分をより多く反射するために設けられる。すなわち、s偏光増反射手段53は、s偏光増反射手段53がなく、プリズムシート50の裏側の面が導光板20の光出射面と平行で平坦な基材52だけで形成される場合と比較して、導光板20から所定の角度傾いて出射する光のs偏光成分をより多く反射する機能を有する。なお、プリズムシート50に垂直に入射する光に対しては、s偏光とp偏光とで反射率が異なる必要は無い。ここで、垂直に入射する光に対してs偏光成分をより多く反射するような構造を実現するには、例えば屈折率異方性が異なる層を複数積層する必要がある。この場合は厚みが増加し、コストが高くなることが考えられる。一方、本実施形態では、s偏光増反射手段53は、特に導光板20から出射する光のうち、少なくとも輝度や光度が最大値となる角度の光に対して、s偏光成分をより多く反射する構造であればよい。つまり、s偏光増反射手段53は、プリズムシート50に斜めに入射する光に対してs偏光成分をより多く反射すれば良い。s偏光増反射手段53は、後述のとおり、プリズムシート50に対する単層の形成、またはその表面形状の変更により実現が可能なため、垂直に入射する光に対してs偏光成分をより多く反射する構造よりも厚みの増加やコストの上昇を小さく抑えられる。
s偏光増反射手段53としては、プリズムシート50の基材52よりも屈折率が高い透明な層を一層、その厚さdsが、導光板20から出射する光の輝度または光度が最大となる角度に対して以下の条件を満たすように形成すると良い。つまり、s偏光増反射手段53の屈折率をnsとし、導光板20から出射する光のうち輝度または光度が最大となる角度でプリズムシート50に入射した光がs偏光増反射手段53内を進む角度(導光板20の光出射面に垂直な方向からの傾き角度)をεとすると、厚さ(膜厚)dは、式(4)を満たせば良い。
ここで、λは光の波長、mは整数である。波長λは、可視光の波長であって、例えば視感度が高い550nmの値を用いればよい。なお、s偏光増反射手段53の膜厚dsは、mの値を1以上の整数として得られる値であってもよいが、膜厚dが大きくなると、s偏光増反射手段53を構成する透明体の屈折率の波長依存性の影響が大きくなるため、m=0として算出される値を膜厚dsとして選択することが望ましい。
尚、s偏光増反射手段53としては、導光板の表側に形成する高屈折率層と同じ材料を用いることができる。s偏光増反射手段53として、プリズムシート50の基材52よりも屈折率が高い材料を一層、形成する場合、s偏光増反射手段53として用いる透明体の屈折率nsが高くなると、プリズムシート50入射時のp偏光成分の損失(反射)は低減し、s偏光成分はより多く反射されるため、プリズムシート50を透過する光としてはp偏光成分の割合がより高い光が得られるようになる。特に、プリズムシート50の裏側の最表面の屈折率を高くすることで、導光板20から出射する光のうち、輝度や光度が最大となる角度に対して、ブリュースター角の条件を満たす状態、あるいはブリュースター角の条件により近い状態にして、プリズムシート50裏面でのp偏光成分の反射損失を無くすか、あるいは極めて小さくすることができる。
また、プリズムシート50裏面で反射したs偏光は、導光板20及び反射手段30を経由して再びプリズムシート50に入射するが、導光板20を通過する際、導光板20が備える複屈折性により、その偏光状態が変化する。この光はp偏光成分を含む光となり、プリズムシート50を通過して照明光として利用される。つまり、プリズムシート50の裏面で反射するs偏光の少なくとも一部がp偏光に変換され、照明光として利用できるため、p偏光成分の光量を増加することができる。
ただし、s偏光増反射手段53として用いる透明体の屈折率nsが高くなると、膜厚dのばらつきに対するp偏光及びs偏光の反射率の変動が大きくなるため、製造上のマージンは小さくなる。したがって、s偏光増反射手段53として用いる透明体の屈折率はプリズムシート50の基材52に対して、0.2から0.7の範囲で大きくすることが現実的である。
なお、図1で示すように、プリズムシート50の表側には必要に応じて拡散シート40を配置しても良い。拡散シート40はプリズムシート50を出射した光を拡散することで、出射角度の分布を広げる、あるいは、輝度の面内均一性を高める機能を有する。拡散シート40としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)等の透明な高分子フィルムの表面に凹凸を形成したもの、あるいは透明媒体中に当該透明媒体とは屈折率の異なる透光性の微粒子を混合した拡散層を高分子フィルムの表面に形成したもの、あるいは板もしくはフィルム内部に気泡を混入して拡散性を持たせたもの、あるいはアクリル樹脂等の透明部材中に白色顔料を分散させた乳白色部材等が使用できる。また、プリズムシート50のプリズム形成面は傷が付きやすいため、拡散シート40をプリズムシート50の保護層として機能させても良い。
なお、拡散シート40としてPETやPCといった光学異方性を有するフィルムを使用する場合は、その遅相軸の角度を方位角θ=0°、または90°とすることで、プリズムシート50を出射するp偏光の状態を維持するようにすることが、所定の直線偏光成分の光量が大きい照明光を実現するために重要である。
[液晶表示装置]
上記においては、図1で示すような、光源10と、導光板20と、反射手段30と、プリズムシート50と拡散シート40とを含む照明装置について説明した。以下においては、この照明装置をバックライトとして用いて、導光板20等の表面側に液晶表示パネルを配置することによって構成される液晶表示装置について説明する。
上記においては、図1で示すような、光源10と、導光板20と、反射手段30と、プリズムシート50と拡散シート40とを含む照明装置について説明した。以下においては、この照明装置をバックライトとして用いて、導光板20等の表面側に液晶表示パネルを配置することによって構成される液晶表示装置について説明する。
図30は、本実施形態に係る液晶表示装置の概略構造を示す断面図である。
本実施形態に係る液晶表示装置は、画像情報に基づき光の透過光量を制御することで画像を表示する液晶表示パネル2と、これを背面から照明する照明装置1とから構成される。液晶表示パネル2としては、入射する光の透過光量を調節することで画像を表示する液晶表示パネル2を用いることができ、特に長寿命でマトリクス表示が可能な液晶表示パネル2を用いることができる。具体的に、液晶表示パネル2は、照明装置1と組み合わせて、照明装置1からの光の透過光量を調整することで映像を表示する透過型、あるいは半透過反射型の液晶表示パネル2であってよい。なお、液晶表示パネル2にはパッシブ駆動方式やアクティブ駆動方式など各種の方式があるが、これらの詳細な構成や動作については周知であるのでここではその説明は省略する。
液晶表示パネル2としては、偏光板を備え、液晶層に入射する光の偏光状態を制御することで映像表示を行う方式が、比較的低い駆動電圧でコントラスト比の高い映像が得られることから望ましい。このような液晶表示パネルとしては例えばTN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、ECB(Electrical Controlled Birefringence)方式などを用いることができる。また、広視野角を特長とするIPS(In Plane Switching)方式、VA(Vertical Aligned)方式を用いることができる。また、液晶表示パネル2は、上記方式を応用した半透過反射型の液晶表示パネルであってもよい。以下では、液晶表示パネル2としてアクティブマトリクス方式のものを用いる場合の概要を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
液晶表示パネル2は、平坦かつ透明で光学的に等方なガラス、あるいはプラスチックからなる第1の透明基板110及び第2の透明基板111を有する。第1の透明基板110には、カラーフィルタや、ポリイミド系高分子からなる配向膜(いずれも不図示)が積層されている。第2の透明基板111には、マトリクス状に配置した複数の画素を形成する電極、信号電極、走査電極、薄膜トランジスタ等からなるスイッチング素子、配向膜など(いずれも不図示)が形成されている。
2枚の透明基板110、111はその配向膜形成面を向かい合わせ、図示しないスペーサ−により一定の間隙を設けた状態で枠状のシール材300によりその周囲を接着されることで、内部に空間を形成する。この空間に液晶を封入し、封止することで液晶層200が設けられる。液晶層200を構成する液晶分子の長軸の配向方向は、2枚の透明基板110、111上に形成された配向膜に施される配向処理により規定される。
第1の透明基板110及び第2の透明基板111の液晶層200とは反対側の面には、それぞれ第1の偏光板210及び第2の偏光板211が配置される。第1の偏光板210及び第2の偏光板211としては、例えば延伸したポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させることにより偏光機能を付与した膜の両面に、トリアセチルセルロースの保護層を施したものを用いることができる。なお、第1の偏光板210及び第2の偏光板211は、それぞれ第1の透明基板110及び第2の透明基板111に、図示しない透明な接着剤により固定すると良い。なお、偏光板と透明基板との間には、液晶表示パネル2の液晶表示モードに応じて、図示しない適切な位相差層を含んでもよい。
液晶表示パネル2は、第2の透明基板111と第1の透明基板110とが重なる領域内に、照明装置1からの光の透過量を変調することで2次元画像を形成する表示領域を備える。第2の透明基板111は第1の透明基板110よりも大きな基板であり、第2の透明基板111の第1の透明基板110側の面上であって、第1の透明基板110に覆われない領域には画像信号などの映像情報を電気的信号として外部から受け取るための領域を有する。つまり、液晶表示パネル2は、第2の透明基板111上であって、第1の透明基板110が重なっていない領域にフレキシブルプリント回路板(FPC)400を備え、このFPC400を介して外部と電気的に接続される。また、この領域には必要に応じてドライバとして機能する半導体チップ(不図示)が実装されてもよい。
ここで、液晶表示パネル2が備える第1の偏光板210及び第2の偏光板211のそれぞれの直線偏光の吸収軸の向きは、照明装置1を構成するプリズムシート50におけるプリズム51の稜線方向に応じて定められることとする。具体例として、液晶表示パネル2の照明装置1側に配置する第2の偏光板211の吸収軸は、平面的に見て、プリズム51の稜線方向に対して平行な向きとし、その反対側に配置する第1の偏光板210の吸収軸は、プリズム51の稜線方向に対して直交する向きとする。
この構成において、照明装置1から出射した光は液晶表示パネル2に照射される。液晶表示パネル2に照射される光のうち第2の偏光板211を通過した光は、液晶層200を通過して第1の偏光板210に入射する。この際、映像情報発生部(不図示)から伝えられる映像情報に対応した電界を液晶層に印加することで液晶分子の方向を変えることが出来る。この作用により液晶層200を通過する光の偏光状態が変化して、第1の偏光板210を透過する光の量が制御され、外部から入力される映像情報に応じた画像が表示される。
ここで、照明装置1から出射する光は、上記の通り、照明装置1を構成するプリズムシート50におけるプリズム51の稜線方向に対し、直交する方向に電気ベクトルの振動面を有する直線偏光(p偏光)が多い光である。このため、液晶表示パネル2の照明装置1側に配置される第2の偏光板211の吸収軸を、上述したようにプリズム51の稜線方向と平行にすると、第2の偏光板211で吸収され、損失となる光の量を小さくすることができる。つまり、照明装置1から出射する光に対する液晶表示パネル2の透過率が向上するので、より明るい画像表示を実現できるという効果がある。あるいは、同じ明るさの画像表示であれば、透過率が向上する分、照明装置(バックライト)の電力が下げられるという効果がある。
1 照明装置(バックライト)、2 液晶表示パネル、10 光源、20 導光板、21 高屈折率層、22 光入射面、24 表面、25 裏面、26 傾斜面部、 28 スペーサー、30 反射手段(反射シート)、35 空隙、37 透明部材、40 拡散シート、50 プリズムシート、51 プリズム、52 基材、53 s偏光増反射手段、110 第1の透明基板、111 第2の透明基板、200 液晶層、210 第1の偏光板、211 第2の偏光板。
Claims (27)
- 光源と、
前記光源からの光を側面から入射させて、表面から出射させる導光板と、
前記導光板の裏面側に配置される反射手段と、を備えた照明装置であって、
前記導光板は、前記表面の法線に対して傾斜した出射角度で輝度又は光度のピークを有するように光を出射し、
前記導光板は、複屈折性を有して、
前記出射角度で出射される光の一部は、前記導光板の前記表面における臨界角よりも小さな角度で前記表面に斜めに入射して前記導光板内に反射された後、前記裏面側へ向かい、前記導光板の裏面及び前記反射手段で反射して再び前記表面に戻る際に、P偏光成分がS偏光成分よりも多くなるように偏光成分が変換されて、前記表面から出射される光である、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項1に記載の照明装置であって、
前記光源は、前記導光板内を伝播するように、前記導光板の側面から光を入射させ、
前記導光板の裏面には、所定の角度傾斜した微小な傾斜面を有する傾斜面部が複数箇所に形成されて、
前記傾斜面部は、前記導光板内を伝播する光を、前記臨界角よりも小さな角度で前記表面に入射させるように反射する、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項2に記載の照明装置において、
前記反射手段は、層状に形成される反射部材であって、
前記導光板と前記反射部材との間には、透明な媒体が介在するように設けられ、
前記導光板は、前記透明な媒体の厚みと屈折率に応じた複屈折性を有する、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項3に記載の照明装置において、
前記透明な媒体は、前記導光板の屈折率よりも小さく空気の屈折率よりも大きな屈折率を有する透明部材である、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項4に記載の照明装置において、
前記透明部材の屈折率は、1.3以上1.45以下である、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項3に記載の照明装置において、
前記光源は、波長λの光を含み、
前記導光板は、光学異方性を有し、その遅相軸と、前記導光板の前記光源が配置される端面の長手方向となす角度θが45度よりも大きくなるように、もしくは、その位相差Rがλ/4よりも大きくなるように、複屈折性が設けられる、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項5に記載の照明装置において、
前記光源は、波長λの光を含み、
前記導光板は、光学異方性を有し、その遅相軸が前記導光板の前記光源が配置される側面の長手方向となす角度θが、44°≦θ≦59°であり、その位相差Rがλ/4×0.98≦R≦λ/4×1.08を満たす、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項7に記載の照明装置において、
前記導光板は、その遅相軸は、前記導光板の前記光源が配置される端面の長手方向となす角度θが、50°≦θ≦53°であり、その位相差Rが、λ/4×1.025≦R≦λ/4×1.033を満たす、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項8に記載の照明装置において、
前記導光板の遅相軸は、前記導光板の前記光源が配置される端面の長手方向となす角度θが52°であり、位相差Rが、λ/4×1.025≦R≦λ/4×1.033を満たす、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項3に記載の照明装置において、
前記透明な媒体は、屈折率が略1.0となる空気であって、
前記反射部材と前記導光板の裏面の間に、前記透明な媒体により空隙が形成される、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項10に記載の照明装置において、
前記空隙の厚みは、50nm以上240nm以下である、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項11に記載の照明装置において、
前記光源は、波長λの光を含み、
前記導光板は一軸異方性を有し、その遅相軸が前記導光板の前記光源が配置される端面の長手方向となす角度θは、64°≦θ≦71°であり、位相差Rがλ/4×1.35≦R≦λ/4×1.75を満たす、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項10に記載の照明装置において、
前記傾斜面部は、前記導光板の裏面から凹状に窪んで形成されて、
前記導光板の裏面には、前記導光板と前記反射部材との間における前記空隙を維持するスペーサーが少なくとも1つ形成され、
前記スペーサーは、前記傾斜面部のいずれかと隣接して、該傾斜面部に対して前記光源が配置されている側の反対側に配置される、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項10に記載の照明装置において、
前記傾斜面部は、前記導光板の裏面から凸状に突出して形成されて、
前記導光板の裏面には、前記導光板と前記反射部材との間における前記空隙を維持するスペーサーが少なくとも1つ形成され、
前記スペーサーは、前記傾斜面部のいずれかと隣接して、該傾斜面部に対して前記光源が配置されている側に配置される、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項2に記載の照明装置において、
前記反射手段は、前記導光板の裏面に密着して層状に形成される反射部材である、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項10に記載の照明装置において、
前記空隙の厚みは、30nm未満である、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項15又は16に記載の照明装置において、
前記光源は、波長λの光を含み、
前記導光板は一軸異方性を有し、その遅相軸が前記導光板の前記光源が配置される端面の長手方向となす角度θが、43°≦θ≦60°であり、位相差Rがλ/4×0.9≦R≦λ/4×1.2を満たす、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項17に記載の照明装置において、
前記導光板の遅相軸は、前記導光板の前記光源が配置される端面の長手方向となす角度θが、50°≦θ≦54°であり、位相差Rがλ/4×0.96≦R≦λ/4×1.08を満たす、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項18に記載の照明装置において、
前記導光板の遅相軸は、前記導光板の前記光源が配置される端面の長手方向となす角度θが52°であり、位相差Rがλ/4×1.025を満たす、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項2に記載の照明装置において、
前記導光板は、
複屈折性を有する薄板状の透明体と、
前記透明体よりも屈折率が高い高屈折率材と、を含み、
前記導光板の前記表面は、前記薄板状の透明体に前記高屈折率材が層状に形成されて構成される、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項20に記載の照明装置において、
前記光源は、波長λの光を含み、
前記高屈折率材は、前記導光板の前記表面から前記出射角度で出射する波長λの光に応じた厚みと屈折率を有する、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項2に記載の照明装置において、
前記導光板の前記表面の側には、光学シートが配置され、
前記光学シートは、
前記導光板から前記出射角度で出射して、前記導光板側の面に対して所定の入射角で入射するp偏光に対して、位相差を生じさせない透明体により構成される基材を含み、
前記光学シートにおける前記導光板側の面、もしくはその反対側の面には、少なくとも2つの斜面を有してその稜線が前記導光板の前記光源が配置される端面の長手方向と平行となるプリズム列が形成される、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項22に記載の照明装置において、
前記光学シートにおける前記基材を構成する透明体の遅相軸は、前記プリズム列の稜線方向に対して略平行又は略直交する、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項22に記載の照明装置において、
前記光学シートにおける前記基材を構成する透明体は2軸異方性を有し、その遅相軸は、前記プリズム列の稜線方向に対して略平行又は略直交する、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項22に記載の照明装置において、
前記光学シートは、その前記導光板とは反対側の面に前記プリズム列を備えるとともに、前記基材の前記導光板側の面には、前記導光板から出射して、該導光板側の面に所定の角度から入射する光に対して、そのs偏光成分を反射して、前記光学シート内を透過する光のp偏光成分の割合を高めるs偏光増反射手段を備える、
ことを特徴とする照明装置。 - 請求項25に記載の照明装置において、
前記s偏光増反射手段は、前記出射角度に応じた厚さを有するとともに前記光学シートの基材より屈折率の高い透明材料の層により構成される、
ことを特徴とする照明装置。 - 照明装置と、前記照明装置からの光の透過量を制御して画像を表示する液晶表示パネルと、を備える液晶表示装置であって、
前記照明装置は、
光源と、
前記光源からの光を側面から入射させて、表面から出射させる導光板と、
前記導光板の裏面側に配置される反射手段と、を備え、
前記導光板からは、前記表面の法線に対して所定の角度傾斜した出射角度において輝度又は光度のピークを有するように光が出射され、
前記導光板は、複屈折性を有して、
前記出射角度で出射される光の一部は、前記導光板の前記表面における臨界角よりも小さな角度で前記表面に斜入射して前記導光板内に反射された後、前記表面から前記反射手段を介して前記導光板内を斜めに進行して往復する際に、p偏光成分がs偏光成分よりも多くなるように偏光成分が変換されて、前記表面から前記出射角度で出射される光であって、
前記液晶表示パネルの前記照明装置側に配置される偏光板の透過軸は、前記出射角度で出射される光のp偏光成分と平行に設けられる、
ことを特徴とする液晶表示装置。
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