JP2010259603A - 洗濯乾燥機 - Google Patents

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康博 松井
Shinji Ueno
真司 上野
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功 桧山
Shizuo Yamaoka
静夫 山岡
Shinichi Kaji
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Abstract

【課題】脱水運転において、バスタオル1枚や洗濯ネットに入った衣類は脱水起動しにくい。そのような衣類でも脱水起動を確実に行うことを目的とする。
【解決手段】衣類を収容するドラム(8)と、前記ドラムを内包する外槽(10)と、前記ドラムを回転駆動する駆動機構(9)と、前記ドラム内に空気を送り込む送風手段(22)と、脱水運転初期に衣類のバランス状態を判断するバランス状態判断手段(48)と、前記バランス状態判断手段により前記駆動機構を制御する駆動機構制御手段(51)とを備え、前記バランス状態判断手段により高速回転できないようなバランス状態のときには脱水運転を中止し、再度脱水を起動し直す制御を前記制御手段により講じる洗濯乾燥機において、前記制御手段により脱水を再度起動し直した場合に前記送風手段(22)により前記ドラム(8)内に空気を送り込みながら脱水起動を行う。
【選択図】図6

Description

本発明は、洗濯乾燥機の脱水工程に関する。
洗濯乾燥機は、洗い工程、すすぎ工程が終了し、衣類を干す前、もしくは乾燥工程の前に、衣類から水分をできるだけ取り除くために脱水工程を行う。ドラムの側面にはたくさんの小さな穴があいており、脱水工程では、ドラムを高速に回転させて、衣類の遠心脱水を行っている。ここで、遠心脱水を行うにあたり、衣類がドラム内で均等に分散されていないと、大きなアンバランスを高速回転させることになるため、アンバランスに発生する遠心力によりドラムの異常振動を引き起こす。
異常振動を起こさないために、アンバランス量を検知し、アンバランス量が大きい場合には、脱水起動を中断する制御等が組まれている。特に、一枚のバスタオルやバスマット、複数の衣類を洗濯ネットに入れた場合や、絡まりやすい衣類が多い場合などは、衣類を均等にドラムの壁面に張り付けることが困難であるため、アンバランスを検知し脱水起動の中断と再起動を繰り返す。場合によっては、脱水起動ができず水分を多く含んだまま脱水エラーとして脱水工程を中断・終了させてしまうこともある。
これに対し、特許文献1では、一枚のバスタオル等の少量の衣類に対して、ドラム内に風を送り込むことで水分を奪い、重量を軽くすることが開示されている。
特開2007−175370号公報
しかしながら、少量の衣類であってもドラム壁面に均等に広がりやすいものもあり、特許文献1に記載のドラム式洗濯機は、そのような場合にまでヒータや送風装置を稼動させるため、従来なら必要のないエネルギーが使用される。また、風を送り込むために送風装置を稼動させる必要があり、不必要な騒音も発生する。
また、少量の衣類ではなくても、洗濯ネットに入れられた衣類や、絡まりやすい衣類等の場合には、特許文献1に記載のドラム式洗濯機は対処できない。
本発明は、脱水起動しにくい衣類に対して、脱水起動を行うことを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る洗濯乾燥機は、衣類を収容するドラムと、前記ドラムを内包する外槽と、前記ドラムを回転駆動する駆動機構と、前記ドラム内に空気を送り込む送風手段と、脱水運転初期に衣類のバランス状態を判断する手段と、前記駆動機構および前記送風手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、脱水の際に前記バランス状態を判断する手段の判断結果に基づいて、脱水運転を再度起動し直す制御を講じる洗濯乾燥機であって、前記制御手段により脱水運転を再度起動し直す場合に、前記送風手段により前記ドラム内に空気を送り込むことを特徴とする。
本発明に係る洗濯乾燥機によれば、脱水起動しにくい衣類に対して、効果的に水分を除去することができ、衣類の重量を軽減し、脱水起動しやすくなる。
本発明に係る洗濯乾燥機によれば、脱水起動しにくい衣類に対して、脱水起動を行うことができる。
本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機を示す外観図である。 本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示すために筐体の一部および外槽を切断して示した右側面図である。 本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示すために筐体の一部および外槽を切断して示した左側面図である。 本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の制御装置の構成を示す図である。 第1の実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の通常脱水運転時のフローを示す図である。 第1の実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の送風脱水運転時のフローを示す図である。 通常脱水運転および送風脱水運転による衣類の重量の変化を示す図である。 第2の実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機における操作・表示パネルを示す図である。 第2の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機の脱水運転時のフローを示す図である。 第3の実施形態に係る洗濯乾燥機の内部構造を示す右側面図である。 第3の実施形態に係る洗濯乾燥機の通常脱水運転時のフローを示す図である。 第3の実施形態に係る洗濯乾燥機の送風脱水運転時のフローを示す図である。
以下、本発明を実施するための実施形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
本説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
≪第1実施形態≫
図1は、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機を示す外観図である。
<ドラム式洗濯乾燥機>
図1に示すように、ドラム式洗濯乾燥機の外郭を構成する筐体1は、ベース1hの上に取り付けられており、左右の側板1a、1bと、前面カバー1cと、背面カバー1d(図2参照)と、上面カバー1eと、下部前面カバー1fとで構成されている。左右の側板1a、1bは、コの字型の上補強材(図示せず)、前補強材(図示せず)、後補強材(図示せず)で結合されており、ベース1hを含めて箱状の筐体を形成し、ドラム式洗濯乾燥機の筐体として十分な強度を有している。
ドア2は、前面カバー1cの略中央に設けた衣類を出し入れするための投入口を塞ぐためのものであり、前補強材(図示せず)に設けたヒンジ(図示せず)で開閉可能に支持されている。ドア開放ボタン2aを押すことでロック機構(図示せず)が外れてドア2が開き、ドア2を前面カバー1cに押し付けることでロックされて閉じる。前補強材(図示せず)は、後述する外槽10の開口部10b(図2参照)と同心に、衣類を出し入れするための円形の開口部を有している。
筐体1の上部中央に設けた操作・表示パネル3は、電源スイッチ4と、操作スイッチ5と、表示器6とを備える。また、操作・表示パネル3は、筐体1下部に設けた制御装置7(図2参照)と電気的に接続している。
洗剤容器は、筐体1内の上部左側に設けており、前部開口から引き出し式の洗剤トレイ15を装着する。洗剤容器は、筐体1の上補強材に固定されている。
洗剤容器の後方には、給水弁16(図示せず)や風呂水給水ポンプ(図示せず)、水位センサ(図示せず)など給水に関連する部品を設けてある。また洗剤容器は、外槽10(図2参照)に接続されている。給水弁16は多連弁で、洗剤容器、水冷除湿機構(図示せず)へ給水する。給水弁16の他端は上面カバー1eに設けてあり、水道栓からの給水ホース接続口16aとなっている。また、上面カバー1eには、風呂の残り湯の吸水ホース接続口17も設けてある。
図2は、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示すために筐体の一部および外槽を切断して示した右側面図であり、図3は、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の内部構造を示すために筐体の一部および外槽を切断して示した左側面図である。
図2および図3に示すように、ドラム8は回転可能に支持されており、その外周壁に通水および通風のための多数の貫通孔を有し、前側端面に衣類を出し入れするための開口部8aを設けてある。開口部8aの外側には、ドラム8と一体の流体バランサ8cを備えている。外周壁の内側には、軸方向に延びるリフタ8bが複数個設けてあり、洗濯、乾燥時にドラム8を回転すると、衣類はリフタ8bと遠心力で外周壁に沿って持ち上がり、重力で落下するような動きを繰り返すタンブリング動作を行う。ドラム8の回転中心軸は、水平または開口部8a側が高くなるように、水平に対して0〜30°程度傾斜している。
円筒状の外槽10は、ドラム8を同軸上に内包し、前面は開口し、後側端面の外側中央にモータ9を備える。モータ9の回転軸9aは、外槽10を貫通し、ドラム8と結合している。また、モータ9は、その回転を検出するホール素子あるいはフォトインタラプタなどで構成される回転検出装置43を備える。
外槽10の前面の開口部には、外槽カバー10aを設け、外槽10内への貯水を可能としている。外槽カバー10aの前側中央には、衣類を出し入れするための開口部10bを設けてある。開口部10bと前補強材(図示せず)に設けた開口部は、ゴム製のベローズ11で接続しており、ドア2を閉じることで外槽10を水封する。
外槽10の底面最下部には、排水口が設けてあり、排水ホース12と接続している。排水口と排水ホース12との間には排水弁12aが設けてあり、排水弁12aを閉じて給水することで外槽10に水を溜め、また、排水弁12aを開いて外槽10内の水を機外へ排出することができる。
外槽10は、下側をベース1hに固定されたサスペンション13(コイルばねとダンパで構成)で防振支持されている。また、外槽10の上側は上部補強部材に取り付けた補助ばね(図示せず)で支持されており、外槽10の前後方向への倒れを防ぐ。また、外槽10の下部には、外槽10の振動を検知する振動センサ14を備える。
乾燥ダクト18は、筐体1の背面内側に縦方向に設置され、ダクト下部は外槽10の背面下方に設けた吸気口10cにゴム製の蛇腹管B(18a)で接続される。乾燥ダクト18内には、水冷除湿機構(図示せず)を内蔵しており、給水弁16(図示せず)から水冷除湿機構へ冷却水を供給する。冷却水は乾燥ダクト18の壁面を伝わって流下し吸気口10cから外槽10に入り排水口から排水ホース12を通り機外へ排出される。
乾燥ダクト18の上部は、筐体1内の上部右側に前後方向に設置したフィルタダクト19に接続している。フィルタダクト19の前面には開口部を有しており、この開口部に引き出し式の乾燥フィルタ20を挿入してある。乾燥ダクト18からフィルタダクト19へ入った空気は、乾燥フィルタ20のメッシュフィルタ部20aに流入し、糸くずが除去される。なお、乾燥フィルタ20の掃除は、乾燥フィルタ20を引き出してメッシュフィルタ部20aを取り出して行う。
また、フィルタダクト19の乾燥フィルタ20挿入部の下面には開口部が設けてあり、この開口部により、フィルタダクト19と吸気ダクト21とが接続している。
さらに、吸気ダクト21の他端は、送風ユニット22の吸気口と接続している。
送風ユニット22は、駆動用のファンモータ22a、ファン羽根車(図示せず)、ファンケース22bで構成されている。また、ファンケース22bにはヒータ23が内蔵されており、ファン羽根車から送られる空気を加熱する。
送風ユニット22の吐出口は、送風ダクト24に接続する。送風ダクト24は、ゴム製の蛇腹管A(24a)を介して外槽カバー10aに設けた吹き出し口25に接続している。本実施例では、送風ユニット22が筐体1内の上部右側に設けてあるので、吹き出し口25は外槽カバー10aの右斜め上の位置に設け、吹き出し口25までの距離を極力短くするようにしてある。
このように、ドラム8内の空気は、ドラム8の壁面の貫通孔から外槽10に抜け、外槽10の背面下方に設けた吸気口10cから蛇腹管B(18a)、乾燥ダクト18、フィルタダクト19、吸気ダクト21、送風ユニット22の吸気口へと吸い込まれ、送風ユニット22の吐出口から蛇腹管A(24a)を介して吹き出し口25からドラム8内に風を送り込む循環風路が形成される。
また、フィルタダクト19には、洗濯乾燥機の筐体1の内部であり、循環風路の外部の空気を取り入れるための開口部19a、ならびに開口部19aを塞ぐ吸気弁19bを備える。吸気弁19bは、回転軸を中心に回転することで開口部19aが開く構造である。また、吸気弁19bの回転軸を回転させる吸気弁モータ19cが併設されている。
<乾燥工程>
本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の洗い工程、すすぎ工程、脱水工程の後に行われる乾燥工程における乾燥運転時の風の流れは図2に示す矢印のようになる。
送風ユニット22を運転し、ヒータ23に通電すると、送風ダクト24、蛇腹管A(24a)を通り吹き出し口25からドラム8内に高速の温風が吹き込み(矢印31)、湿った衣類に当たり、衣類を温め衣類から水分が蒸発する。
高温高湿となった空気は、ドラム8に設けた貫通孔から外槽10に流れ、吸気口10cから蛇腹管B(18a)を通り乾燥ダクト18に吸い込まれ、乾燥ダクト18を下から上へ流れる(矢印32)。乾燥ダクト18の壁面には、水冷除湿機構からの冷却水が流れ落ちており、高温高湿の空気は冷却水と接触することで冷却除湿され、低温低湿の空気となりフィルタダクト19へ入る。
フィルタダクト19へ入った低温低湿の空気は、乾燥フィルタ20のメッシュフィルタ20aを通ることにより糸屑が取り除かれ、吸気ダクト21を通り、送風ユニット22に吸い込まれる(矢印33)。
そして、送風ユニット22から送り出された空気がヒータ23で再度加熱され、高速の温風がドラム8内に吹き込むように循環する。
このとき、フィルタダクト19に設けた吸気弁19bは閉じており、空気は循環風路内を循環する。
さらに、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機では、ドラム8内に吹き込む温風の速度を非常に高めている。これは乾燥時のしわつきを抑制するためであり、衣類を引っ張り伸ばす程度の風速で温風を吹き込む。そのため風速は50m/s以上が望ましい。この風速を作り出すため、ファンは高速で回転させる必要があり、10000rpm以上の回転速度で回転する。このように高速で回転させるため、十分な強度が必要であり、ファン羽根車は金属で作られる。
また、送風ユニット22から吹き出された風は吹き出し口25でさらに加速させることが望ましく、吹き出し口25の先端は、蛇腹管A(24a)との接続部より狭められている。
<制御装置7>
図4は、本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の制御装置の構成を示す図である。
図4に示すように制御装置7は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと記す)41を中心に構成される。これに予め記録されたプログラムにより、操作スイッチ5、振動センサ14、回転検出装置43、モータ9に流れる電流を検出するモータ電流検出装置44からの入力に基づき、表示器6、給水弁16、排水弁12a、モータ9、ファンモータ22a、吸気弁モータ19c、ヒータ23を制御し、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の動作を行う。これらの制御はクロック46により時間・タイミングを測りながら行われる。
マイコン41は、布量演算部47、アンバランス量演算部48、閾値データベース49、運転パターンデータベース50、運転制御部51、回転速度演算部52を備える。
回転速度演算部52は、回転検出装置43の信号およびクロック46からドラム8の回転速度を把握する。
運転制御部51は、回転速度演算部52等からの信号を基に現在の運転状態を把握し、運転パターンデータベース50や閾値データベース49と比較し、モータ9やファンモータ22a等を動作させる。
<脱水工程>
本実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の脱水工程における脱水運転について説明する。
まず、従来の課題について再度説明する。
洗濯乾燥機は、洗い工程およびすすぎ工程が終了した後、ドラム8を高速に回転させて衣類の脱水を行う脱水工程を行う。洗濯運転のみの場合は、脱水工程終了後に洗濯を終了させ、使用者が衣類を干す。また、洗濯・乾燥運転の場合は、脱水工程終了後に乾燥工程に移行し、湿った衣類をヒータ23およびファンモータ22aを駆動し、温風により衣類を乾かして洗濯・乾燥を終了させる。
脱水工程終了後に衣類からしっかりと水が抜けていないと、衣類を乾かすために時間がかかってしまうことや、十分に乾ききらないことがある。また、乾燥工程に移行させる場合は、ヒータ23等の使用する電気エネルギーを多く必要とするため、不経済である。そのため、ドラム8を高速で回転させて衣類をしっかり遠心脱水させる必要がある。
ここで、高速でドラム8を回転させるためには、ドラム8内の衣類のアンバランスを小さくする必要がある。アンバランスが大きい場合、遠心力が大きく発生し、サスペンション13で支持されたドラム8ならびに外槽10が大きく振動し、大きな騒音となる。また、高速回転まで回転速度を上昇させる間には共振回転速度があり、共振回転速度付近ではドラム8ならびに外槽10が過大に振動し、筐体壁などに衝突するような異常振動となる場合もある。そのため、アンバランスを小さい状態にして、遠心脱水を起動させる必要があり、ドラム8内の衣類をきれいに分散させる必要がある。
なお、共振回転速度は、サスペンション13で弾性支持されたドラム8、モータ9、外槽10、ドラム8内の衣類等の重量によって決定される。
しかし、ドラム8内の衣類をきれいに分散させることは困難であり、従来の洗濯乾燥機における脱水工程においては、アンバランスが大きい場合は脱水起動を中断し、再起動する制御を行っている。これは、たとえ一回できれいに分散されなくても数回再起動させれば、いずれは衣類をドラム8内にバランスよく分散させることができ、高速回転による遠心脱水が可能となるという考えに基づく。
しかし、バスタオルやバスマット1枚だけの場合や、複数の衣類を洗濯ネットに入れた場合や、袖の長い衣類など絡まりやすい衣類を多数含む場合は、きれいに衣類がドラム8の壁面に分散しにくく、アンバランス状態になりやすい。また、数回再起動しても、アンバランス状態が解消せず、きれいに分散させることが難しい。
そこで、本実施形態の動作を図5および図6を用いて具体的に説明する。
図5は、第1の実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の通常脱水運転時のフローを示す図であり、図6は、第1の実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の送風脱水運転時のフローを示す図である。
この動作は、運転パターンデータベース50に基づき制御され、各モータ等の動作機器は運転制御部51から制御信号により作動される。
また、衣類をしっかり遠心脱水するために必要な高速回転速度を900rpm、共振回転速度を150rpm及び200rpmとして説明する。
<通常脱水運転>
洗い・すすぎ工程が終了した後、脱水工程をスタートさせる(ステップS1)。まず、排水弁12aを開け、外槽10内の排水を開始する(ステップS2)。また、脱水起動を中断した回数をカウントするカウンタnとカウンタmを0に設定し、後述する許容起動回数M1の初期値を設定する(ステップS3)。
なお、後述するように、カウンタnは衣類をドラム8の壁面から剥がれ落ちるようにドラム8を回転させた回数をカウントし、カウンタmはドラム8の回転を停止させた回数をカウントするものである。
後述するステップS29およびステップS31でカウントされる脱水起動を中断した回数をカウントするカウンタmが許容起動回数M1以上の場合(ステップS4でNo)、起動しにくい衣類であると判断し、送風脱水運転へ移行させる(ステップS5)。許容起動回数M1は後で行われる布量判定により決められるが、初期値としては4回程度を設定している。
一方、設定した許容起動回数M1より小さい場合(ステップS4でYes)、脱水起動を開始し、まずは、ほぐし運転を行う(ステップS6)。ほぐし運転とは、洗い・すすぎ工程におけるドラム8の回転時間より短い時間間隔でドラム8を45rpm程度で正転・反転させ、衣類をほぐす動作のことである。45rpm程度で回転させると衣類はドラム8の壁面に張り付くことなく、持ち上げられた衣類が重力によりドラム8の底部に落下するタンブリング状態になる。この動作を行うと衣類が少しずつ分離され、分散しやすい状態になる。
また、ほぐし動作と同時に布量の検知も行う(ステップS7)。この布量検知は、モータ電流検出装置44からの信号を基に布量演算部47により検出する。布量が増加することによりドラム8を回転させるための負荷が大きくなり、モータ9に流れるモータ電流が多く必要になることから、モータ電流により布量を検知する。
このように衣類をほぐした後、ドラム8の回転速度を徐々に上げ、110rpmまで上昇させる(ステップS8)。回転速度を徐々に上げることで60rpmを超えたあたりから衣類が徐々にドラム8の壁面に張り付いて行き、バランスよく分散される。110rpmは、外槽10の第1の共振回転速度150rpmより若干低い回転速度であり、外槽10が共振して大きく振動する回転速度ではない。
この状態で6秒間程度の短い時間維持させ(ステップS9)、アンバランス量uを測定する(ステップS10)。アンバランス量uの測定は、回転速度演算部52とモータ電流検出装置44からの信号に基づき、アンバランス量演算部48により検出する。アンバランス量uが大きいとアンバランスを下から上方向に持ち上げるときには負荷が大きく、回転速度の低下が見られると同時に、大きなトルクが必要になる。逆にアンバランスを上から下方向に回すときには負荷が減り、回転速度の上昇が見られると同時に、トルクが小さくなる。このように、アンバランスにより回転速度とトルクに変動が見られ、この変動の大きさからアンバランス量uを検知する。
アンバランス量uが閾値データベース49にあらかじめ設定されている許容アンバランス量U1より小さい場合は(ステップS11でYes)、第1の共振回転速度を通過させて、回転速度を170rpmまで上昇させる(ステップS12)。170rpmは第2の共振回転速度200rpmより若干低い回転速度であり、外槽10が共振せず大きな振動になりにくい回転速度である。
170rpmで5秒程度維持し(ステップS13)、衣類から水を抜くのと同時に、衣類から抜けた水が外槽10の外に排出されるのを待つ。急激に回転速度を上げてしまうと、衣類から抜ける水と、外槽10の外に排出させる水が釣り合わずに、外槽10とドラム8の間に溜まってしまう。このような状態でドラム8を回転させ続けると、洗濯水に残っている洗剤がドラム8にかき混ぜられ発泡してしまい、泡がドラム8の回転の抵抗となり、脱水エラーとなる。
このため少し時間をおいた後、回転速度をさらに上昇させる(ステップS14)。この回転速度の上昇中にアンバランス量uの測定をさらに行う(ステップS15)。ステップS10においてもアンバランス量uの測定を行ったが、回転速度が上がったことより、衣類から水分も抜け、また、衣類もさらにドラム8の壁面に押し付けられるため、アンバランス状態が異なる場合もあり、再度検出する必要がある。ここでのアンバランス検出方法は、振動センサ14の信号をアンバランス量演算部48により検出する方法である。アンバランスが大きいと外槽10の振動が大きくなるため、その大きさを検出することでアンバランス量uを測定することができる。
ステップS16ではステップS11と同じく、測定されたアンバランス量uと閾値データベース49にあらかじめ設定されている許容アンバランス量U1を比較する。
測定されたアンバランス量uが閾値データベース49にあらかじめ設定されている許容アンバランス量U1より小さい場合(ステップS16でYes)、第2の共振回転速度を通過させて、最終脱水回転速度である900rpmまで上昇させる(ステップS17)。この900rpmを6分間維持し(ステップS18)、回転速度を低下させ、停止し(ステップS19)、排水弁12aを閉じ(ステップS20)、脱水を終了させる(ステップS21)。
ただし、ステップS11でアンバランス量uが所定の許容アンバランスU1以上の場合(ステップS11でNo)、回転速度を上昇させずに、脱水の再起動を行う。このとき布量により運転を変化させる。ステップS7で検知した布量が少量でない場合(ステップS22でNo)、許容起動回数M1を4に設定し(ステップS23)、布量が少量の場合(ステップS22でYes)、許容起動回数M1を3に設定する(ステップS24)。
この許容起動回数M1は、布量が少量の場合のほうが、それ以外の場合に比べて少なく設定される。布量が少量の場合、バスタオル1枚やバスマット1枚の場合も想定され、この場合は通常のほぐし運転ではアンバランス状態を修正させることが困難であり、その場合は早めに送風脱水運転に移行させることが望ましい。ただし、少量といっても、タオルが2、3枚程度の場合等も考えられ、この場合は通常のほぐし運転によるアンバランス修正で十分であり、送風脱水運転にする必要はない。送風脱水運転については後述するが、通常脱水運転では使わないファンを回転させるため、余分な電力を使用するとともに、送風による騒音も発生し、あまり望ましくない運転となる。
後述するステップS27でカウントされる脱水起動を中断した回数をカウントするカウンタnが3より小さい場合(ステップS25でYes)、回転速度を40rpmまで低下させ、衣類がドラム8の壁面から剥がれ落ちるように回転させ、衣類のアンバランス状態を修正する(ステップS26)と共に、カウンタnを1加算する(ステップS27)。
その後、衣類がドラム8の壁面に張り付いた状態となる110rpmまで再度上昇させ(ステップS8)、アンバランス量uの判定を行い、第1の共振回転速度を通過させるかどうか判定する。
衣類が壁面から剥がれ落ちる再起動動作はカウンタnでカウントされ、この再起動動作を3回行った場合、つまりカウンタnが3以上になった場合(ステップS25でNo)、衣類の絡みがひどいため、ほぐし動作が必要であると判断し、ドラム8の回転を停止し(ステップS28)、カウンタnを0に戻し、カウンタmを1加算し(ステップS29)、ステップS4に戻って、ほぐし運転から再度脱水起動を行う(ステップS6)。
このほぐし運転からの再起動動作はカウンタmでカウントされ、ステップS23またはステップS24で設定した許容起動回数M1の数だけ繰り返したら(ステップS4)、送風脱水運転に移行させる(ステップS5)。
また、ステップS16でアンバランス量uが所定の許容アンバランスU1以上の場合(ステップS16でNo)、ドラム8の回転を停止し(ステップS30)、カウンタnを0に戻し、カウンタmを1加算する(ステップS31)。ステップS4に戻り、その後はほぐし運転(ステップS6)から再起動させる。
<送風脱水運転>
図5のステップS5の送風脱水運転について図6を用いて説明する。送風脱水運転とは、バランスがとりにくい衣類に対して送風することで、衣類から水分の除去を促進し、許容アンバランス以下に重量を軽減させて、脱水起動可能にする運転である。
送風脱水起動を開始したら(ステップS41)、まず、脱水起動を中断した回数をカウントするカウンタnを0に設定する(ステップS42)。
次に、マイコン41の運転パターンデータベース50に沿って、ファンモータ22aを運転制御部51により駆動させ、ファンを回転させ(ステップS43)、衣類に風を吹きつける。風速は速い方が衣類から水を蒸発および押し出す効果が高く、望ましい。そのため、本実施形態の乾燥運転と同様に高速の風を吹きつける。特に、衣類が引っ張り伸ばされるくらいの風の勢いがあるということは、衣類自体を変形させる力が作用していることであり、衣類から水を押し出す効果が非常に高い。よって、風速は乾燥運転時とほぼ同じ50m/s以上が望ましい。
次に、マイコン41は、吸気弁モータ19cを駆動させ、吸気弁19bを回転させ、開口部19aを開ける(ステップS44)。
前述のように、乾燥運転時は、この吸気弁19bは閉まっており、ファンから押し出された空気はドラム8、乾燥ダクト18を通り、ファンへ吸い込まれるように循環している。
しかし、送風脱水運転時は、ファンの上流側に設けられた吸気弁19bを開けることで、ファンは乾燥ダクト18からの空気ではなく、開口部19aを通る洗濯乾燥機本体内の空気を吸い込むようになる。また、図3に示すように、吸気弁19bの略中心を回転させることで、吸気口となる開口部19aを作り出すとともに、吸気弁19bの一部がフィルタダクト19内に侵入し、フィルタダクト19を閉塞する。このようにすると、フィルタダクト19からファンへの空気の流れを抑制し、ドラム8内の空気を循環させずに洗濯乾燥機本体内の空気を吸い込み、衣類に吹き当てることができる。
衣類に吹き当てられた空気は、衣類をドラム8の壁面に押し付ける力を発生し、遠心脱水による衣類からの水の抜けを良くするとともに、衣類表面からの蒸発を促進させる。
衣類から水が蒸発することでドラム8内の空気は徐々に湿度が高くなり、衣類からの水の蒸発が鈍くなる。この湿度の上昇を抑えるために、空気を循環させずに、湿度の低い空気を循環風路外から吸い込む。そのため吸気弁19bを空けることが望ましい。
また、脱水起動を繰り返したモータ9は発熱しており、その熱は洗濯乾燥機本体内に溜まっている。この熱を吸い込んで衣類に与えることで、さらに蒸発が加速される。そのため、開口部19aは洗濯乾燥機本体内で、モータ9よりできるだけ高い位置に設けることが望ましい。
さらに、開口部19aの面積は乾燥した空気をより多く吸気できるように、フィルタダクト19の断面積の半分以上あるほうが望ましい。
なお、開口部19aは乾燥ダクト18(水冷除湿機構)より先にあるほうが望ましい。開口部19aを乾燥ダクト18に設けた場合、乾燥工程の乾燥運転時に乾燥ダクト18には冷却水が流れるため、開口部19aを吸気弁19bにより水が漏れないようにしっかりと密閉する必要があるが、しっかり密閉すると、吸気弁19bの開閉に大きなトルクが必要になり、吸気弁モータ19cが大型化してしまう。
また、吹き当てられた空気により衣類をドラム8の壁面に押し付ける力を強くするために、ドラム8の底面にはドラム8の壁面に設けた小さい貫通穴を設けないほうが望ましい。ドラム8の底面にも貫通穴が開いていると、風がドラム8の底面から抜けてしまい、衣類をドラム8の壁面に押し付ける力が少なくなり、衣類から水を押し出す量が少なくなる。
次に、マイコン41からヒータ23に通電させる(ステップS45)。ヒータ23によりファンから吹き出した空気を加熱し、衣類およびそれに含まれる水を温める。温められた空気を衣類に吹き当てることにより、衣類から水の蒸発が促進され、また、水の粘度を下げることができ遠心脱水による水の抜けも良くなるため、ヒータ23に通電させ吹き当てる空気を加熱したほうが望ましい。しかし、電力の使用量が多くなるためヒータ23に通電させなくてもよい。もしくは乾燥工程の乾燥運転時に使用する電力より少なくした電力をヒータ23に通電させることが望ましい。
次に、ほぐし運転を行う(ステップS46)。また、ほぐし運転と同時に布量判定も行う(ステップS47)。
ここで、布量が少ない場合は(ステップS48でYes)、回転速度を120rpmまで上昇させ(ステップS49)、布量が少量でない場合は(ステップS48でNo)、回転速度を110rpmまで上昇させる(ステップS50)。
布量が少ない場合、重量も少なく、サスペンション13で支持された衣類を含む被支持部の重量は軽くなる。また、先に示した通常脱水運転の110rpmの回転により遠心脱水効果が作用し、ある程度水が抜けて軽くなっている。このように重量を軽くしたことにより、共振を起こす回転速度が、一般的な使用状況での共振回転速度より高くなる。そのため、同じアンバランス量、同じ回転速度でも振動が小さく、さらに回転速度を高めることができる。
このように、回転速度を高くすることにより遠心脱水効果を高め、衣類から多く水を抜くことができる。また、衣類表面と空気の相対速度も増し、より蒸発の効果が高められる。よって、バスタオル1枚やバスマット1枚等の場合はより重量を軽くすることができ、脱水起動しやすくなる。
次に、布量により異ならせて設定した回転速度で60秒間回転させる(ステップS51)。この第1の共振回転速度の手前の回転速度における回転時間は、通常脱水運転時のそれ(110rpmで6秒)に比べて長くする。長くすることより遠心脱水効果を高める。
また、ドラム8の内面に張り付いた衣類の表面を十分蒸発させるのに必要な時間を稼ぐようにする。時間が短いと衣類表面の蒸発が十分されないうちにほぐされ、別の表面に変わり、効果的でない。
さらに、衣類を張り付けた状態のまま一定速度で回転させたほうが、タンブリング動作時より少ないトルクでモータ9を駆動することができ、省電力で運転することができる。
加えて、頻繁にほぐし動作を行うことにより衣類同士が擦れて衣類が傷みやすくなるが、これを解消させることができる。
なお、このときのドラム8の回転方向は吹き出し口25から吹き出される風に対して向かい風になるように回転させる。本実施形態では吹き出し口25は右斜め上に位置し、風は左下に向けて吹き出される。この風に対して向かい風となるようにドラム8を左回りに回転させる。このように向かい風となるように回転させることで、衣類表面と空気の相対速度が増し、より蒸発の効果が高められる。
この回転速度で回転させている間にアンバランス量uの測定を行う(ステップS52)。ステップS51による遠心脱水効果および蒸発効果により水分が抜けた後の状態でのアンバランス量uを測定するため、この測定はステップS51の回転時間の終盤で行われる。
また、前述のとおりこの回転速度の時間は通常脱水運転時より長いため、判定の時間も長くすることができる。低速回転の場合、流体バランサ8c内の液体が安定した位置に留まっておらず、アンバランス量uに誤差が生じる。しかし、判定の時間を長く取ることにより、測定したアンバランス量uを平均化することができ、測定誤差が少なくなり、より安全に脱水起動させることができる。よって、判定時間を長くすることが望ましい。
このように測定したアンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2より小さい場合(ステップS53でYes)、第1の共振回転速度を通過させるように170rpmまで回転速度を上昇させる(ステップS54)。送風脱水運転時の許容アンバランス量U2は通常脱水時の許容アンバランス量U1より大きくすることが望ましい。通常脱水運転により起動しにくいものであると判定していため、多少アンバランス量が大きく、振動が大きくなっても、脱水エラーで途中終了するよりは望ましいと判断し、第1の共振回転速度を通過させ、高速脱水させるようにする。
次に、170rpmで5秒程度維持し(ステップS54,ステップS55)、回転速度をさらに上昇させる(ステップS56)。この回転速度の上昇中にアンバランス量uの測定をさらに行う(ステップS57)。このアンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2より小さければ(ステップS58でYes)、500rpmまで上昇を続け、第2の共振回転速度を通過させる(ステップS59)。
第1および第2の共振回転速度を通過し終えたので、異常振動となるほど大きな振動は発生しないため、高速遠心脱水できると判断し、水の抜けを良くする為の送風を停止させる。まずはヒータ23を停止し(ステップS60)、吸気弁を閉じ(ステップS61)、ファンを停止する(ステップS62)。このようにすることにより、脱水起動を成功させるために余分に必要としたファン回転による騒音とヒータによる電力の消費を抑える。
次に、高速遠心脱水へと移行させ、900rpmでドラム8を回転させる(ステップS63)。この回転を6分間維持する(ステップS64)。これにより、衣類から脱水できたと判断し、ドラム8の回転を停止させ(ステップS65)、排水弁12aを閉じ(ステップS66)、脱水工程を終了させる(ステップS67)。
また、ステップS53の判定において、アンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2以上の場合(ステップS53でNo)、共振回転速度の通過時に異常振動を引き起こすと判断し、通常脱水運転と同様に回転の上昇を中断させ、再起動させる。
後述するステップS70でカウントされる脱水起動を中断した回数をカウントするカウンタnが3より小さい場合(ステップS68でYes)、40rpmまで回転速度を低下させ(ステップS69)、衣類をドラム8の壁面からはがし、タンブリング状態にさせると同時に、カウンタnを1加算した後(ステップS70)、ステップS48に戻り、再度回転速度120rpmもしくは110rpmまで上昇させ(ステップS49、ステップS50)、衣類をドラム8の壁面に張り付け直す。
一方、カウンタnが3以上の場合(ステップS68でNo)、ドラム8の回転を停止させ(ステップS71)、カウンタnを0に戻し(ステップS72)、ステップS46に戻り、ほぐし運転から再起動させる(ステップS46)。
また、ステップS58の判定において、アンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2以上の場合(ステップS58でNo)、通常脱水と同様にドラム8の回転を停止させ(ステップS73)、カウンタnを0に戻し(ステップS74)、ほぐし運転から再起動させる(ステップS46)。
このような制御動作を繰り返すことにより、衣類から水分を取り除き、たとえバランスが取りにくい衣類でも重量を軽くし、脱水起動を可能にすることができる。
この送風脱水運転の効果を図7に示す。図7は、通常脱水運転および送風脱水運転による衣類の重量の変化を示す図である。縦軸は衣類の重量を示し、横軸は脱水時間を示す。
ドラム8を110rpmまで回転させ、アンバランスを検知し再起動を繰り返し続ける状態に対して、送風した場合(通常脱水)と送風していない場合(送風脱水起動)を比較した実験結果である。なお、本実験の送風脱水運転では、ヒータ23を駆動させずにファンだけを回転させている。
この結果から、通常脱水運転ではある程度の時間までは重量が低下しているが、その後はほとんど低下しないことがわかる。一方、送風脱水運転による衣類の重量は時間とともに低下し続けていることがわかる。
よって、風を吹きつけることにより、効果的に衣類から水分を取り除くことができ、重量を軽くし、許容アンバランス量以下にすることができ、脱水を起動させることが可能であることがわかる。
また、脱水起動開始の初期の段階(楕円で囲んだ範囲)において、通常脱水運転および送風脱水運転による衣類の重量にはほとんど差が見られない。これは、脱水の初期の段階では遠心力による水抜き効果が、風による蒸発効果より強いためと考えられる。その後、時間が経つにつれて遠心脱水による効果が薄れ、送風による蒸発効果が強く現れ、結果的に送風脱水運転のほうが衣類重量をより低下できたと考えられる。
また、脱水初期の段階では衣類に水が多く、重たく、水に作用する遠心力も大きい。そのため、衣類から水が良く抜ける。この状態に対して衣類に風を送り込んでも、遠心力の方が風による押し付け力よりはるかに大きく、脱水効果が現れにくい。しかし、ある程度再起動を繰り返すと、衣類から水が抜けて軽くなり、水に作用する遠心力が小さくなり、水の抜けが悪くなる。このような状態に対して、風を送り込み、衣類を押し付ける力をプラスすると、水を外に押し出す力が顕著に増え、脱水効果を高めることができたと考えられる。
これらのことから、脱水起動開始直後から送風してもあまり効果が得られないと考える。よって、ある程度遠心脱水効果で衣類から水を除去した後、送風させることにより、効率よく衣類の重量を低下できると考える。
脱水開始直後から送風させると、脱水効果があまりないにもかかわらず、ファンの回転による騒音や余分な電力の使用を伴うことになり望ましくない。
本実施形態の通常脱水運転において、きれいに分散されずにひたすら再起動を繰り返せば、再起動回数はカウンタnが3回まで、カウンタmが4回までの計12回行うことになる。12回行うと5〜10分程度時間が経過する。この時間は、図7の楕円で囲んだ範囲に相当する。
よって、本実施形態の制御により、遠心力の脱水効果の高い区間において風を送らずに低速脱水を繰り返す通常脱水運転を行い、風による蒸発効果ならびに衣類の押し付け効果の高い区間に対して送風脱水運転を行うことができる。すなわち、本実施形態のように脱水の初期の段階では通常脱水運転を行い、通常脱水運転では起動できない場合に対して、送風脱水起動を適用するほうが望ましい。
また、図5に示す通常脱水運転において、ステップS22で布量が少ない場合、ステップS24で許容起動回数を少なくし、早めに送風脱水運転に移行させる。その理由は先にも説明したが、布量が少ない場合はバスタオル1枚等の場合が想定され、その場合にはドラム内でバランスよく分散しにくく、再起動を数多く繰り返して、タンブリング動作により布を傷める、布の目が詰まることを防ぐためであると同時に、布量が少なければ、衣類が保持している水分も少なく、早い時間で遠心脱水効果も弱くなり、送風による押し出し効果が利き始める時間帯も早くなるためである。このようにすることで、効率よく脱水でき、衣類の重量を軽くし、アンバランス量を減らし、脱水起動させることができる。
なお、本実施形態の制御を行えば、たとえきれいに分散されなくても、徐々に衣類の重量を軽くして起動できるが、再起動を繰り返しているうちに遠心脱水とほぼ同じ脱水効果が得られた時点で脱水を停止してもよい。その判定手段は、布量検知の結果や、脱水経過時間を用いるとよい。
≪第2実施形態≫
次に、第2の実施形態を図8および図9に示す。
図8は、第2の実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機における操作・表示パネルを示す図である。
この洗濯乾燥機上部前面に配された操作・表示パネル3には、表示器6、複数の操作スイッチ5が配されている。操作スイッチ5には、スタートボタン5aと、コース選択ボタンとして、洗濯コースボタン5b、洗濯〜乾燥コースボタン5c、乾燥コースボタン5dと、時間および回数設定ボタンとして、洗いボタン5e、すすぎボタン5f、脱水ボタン5gを有している。
また、この操作スイッチ5には、使用者がボタンを操作することで、脱水が起動しやすくなる動作を意図的に洗濯乾燥機側に指示できる起動優先ボタン操作を有している。脱水ボタン5gを3秒以上長く押し続けると、表示器6に起動優先が示され、脱水において、起動優先動作が指示される。この動作は、洗濯コース、洗濯〜乾燥コースにおいて、少なくても最終脱水運転に適用される。また、脱水のみを選択した場合にも適用される。
図9は、本発明の第2の実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機の脱水運転時のフローを示す図である。
脱水工程をスタートさせ(ステップS81)、起動優先動作が指示されていなければ(ステップS82でNo)、図5に示す通常脱水運転を行う(ステップS83)。
起動優先動作が指示されていれば(ステップS83でYes)、排水弁12aを開け(ステップS84)、ほぐし運転を開始する(ステップS85)。その後、ドラム8の回転速度を上昇させながら、衣類をドラム8の壁面に張り付かせ、第1の共振回転速度の手前の110rpmまで上昇させる(ステップS86)。
ここで、ドラム8を110rpmで60秒間回転させ続ける(ステップS87)。これは、通常脱水運転より長い時間であり(図5ステップ9参照)、時間を長くすることで、遠心脱水の効果を有効に作用させる。
また、回転させている間にアンバランス量uの測定が行われ(ステップS88)、このアンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2以上の場合(ステップS89でNo)、ドラム8の回転を停止し(ステップS90)、送風脱水運転を行う(ステップS91)。このとき所定の許容アンバランス量U2は送風脱水運転時のそれと同じであり、通常脱水運転時の許容アンバランス量U1より大きく設定する。なお、送風脱水運転および通常脱水運転は第1の実施形態と同じであり、説明を省略する。
一方、アンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2より小さい場合は(ステップS89でYes)、第1の共振回転速度を通過させてドラム8の回転速度を170rpmまで上昇させ(ステップS92)、その状態で5秒維持し(ステップS93)、衣類から水を抜くのと同時に、衣類から抜けた水を外槽10の外に排出されるのを待つ。
その後、ドラム8の回転速度を上昇させながら(ステップS94)、振動センサ14によりアンバランス量uを測定し(ステップS95)、このアンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2以上の場合(ステップS96でNo)、回転を停止し(ステップS97)、送風脱水運転を行う(ステップS98)。
一方、ステップS96でアンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2より小さい場合は(ステップS96でYes)、第2の共振回転速度を通過させて回転速度を900rpmまで上昇させ(ステップS99)、その状態で6分間維持し高速遠心脱水を行う(ステップS100)。
その後、ドラム8の回転を停止し(ステップS101)、排水弁12aを閉じ(ステップS102)、脱水工程を終了させる(ステップS103)。
以上のように、起動優先動作が指示された場合、まずは低速回転での時間を長くして遠心脱水による水抜き効果を効かせた後、送風脱水運転に移行させる。これにより効率的にかつ確実に脱水起動を行うことができる。
また、起動優先動作が指示された場合、共振回転速度を通過できないアンバランス状態と判断した場合には、ドラム8の回転を停止し送風脱水運転に移行させる。これにより、送風脱水運転に移行するまでのタンブリング動作やほぐし動作を少なくすることができ、タンブリング動作やほぐし動作による衣類の擦れ、傷みを低減させることもできる。
さらに、起動優先動作が指示された場合であっても、アンバランス量が所定値より小さく共振回転速度を通過できた場合には、送風脱水運転に移行せず、高速遠心脱水を行う。これにより、送風による騒音や電力の消費を抑えることができる。
≪第3実施形態≫
次に、第3の実施形態について、図10から図12を用いて説明する。本実施形態は、縦型の洗濯乾燥機を対象としたものである。
図10は、第3の実施形態に係る洗濯乾燥機の内部構造を示す右側面図である。
図11は、第3の実施形態に係る洗濯乾燥機の通常脱水運転時のフローを示す図である。図12は、第3の実施形態に係る洗濯乾燥機の送風脱水運転時のフローを示す図である。
図10において、筐体61の上面には外蓋62と給水口63が設けられている。筐体61内には外槽64がサスペンション65により弾性支持されている。この外槽64の内側には洗濯槽(ドラム)66が回転可能に設けられている。この洗濯槽66の底部には、洗濯物を攪拌するためのパルセータ67が回転可能に設けられている。また、洗濯槽66の壁面には空気ならびに水が通過できるように貫通孔が多数設けられている。外槽64の下には、洗濯槽66ならびにパルセータ67を回転させるためのモータ68を備える。また、モータ68と外槽64の間にクラッチ69を備え、モータ68の回転を洗濯槽66もしくはパルセータ67に切り替えて伝える。
また、外槽64の後方に除湿ダクト70が設けられ、除湿ダクト70に外槽64の空気を送り込むための吸気口64aが外槽64の下方に設けられている。除湿ダクト70の吸気口64aとは反対側の口にファンユニット71が設けられ、除湿ダクト70内の空気がファンユニット71に吸い込まれる。ファンユニット71は、ファン72とファンモータ77で構成され、ファンモータ77によりファン72は駆動される。ファンユニット71の吐出側にヒータ73が設けられ、その先は断面積を縮小させながら外槽64に繋がっている。外槽64の上面には、外槽64内の空気を逃がさないように、内蓋74が設けられている。
このように、洗濯槽66内の空気は、洗濯槽66の壁面の貫通孔から外槽64に抜け、外槽64の背面下方に設けた吸気口64aから除湿ダクト70、ファンユニット71の吸気口へと吸い込まれ、ファンユニット71の吐出口から洗濯槽66内に風を送り込む循環風路が形成される。
また、給水口63の先には外槽64内へ洗濯用の水を供給するための主給水弁や、除湿ダクト70内の水冷除湿機構(図示せず)へ除湿用の冷却水を供給するため冷却水弁を多連にした給水弁75が設けられている。外槽64の底部に排水弁76が設けられ、排水弁76を開けることにより洗濯水ならびに冷却水を洗濯乾燥機外に排水する。
除湿ダクト70の下流側で冷却水の供給部より上側に、外槽64の外側の空気を取り込む開口部70a、ならびに開口部70aを塞ぐ吸気弁70bを備える。吸気弁70bは、回転軸を中心に回転し、開口部70aが開く構造である。また、吸気弁70bの回転軸を回転させる吸気弁モータ70cを併設する。
またモータ68には、その回転を検出するホール素子あるいはフォトインタラプタなどで構成される回転検出装置78を備える。また、外槽64の底部には、振動センサ80を備える。
筐体61内には、モータ68、クラッチ69、ファン72、ヒータ73などを制御する制御装置79を設ける。制御装置79は第1の実施形態の図4に示すものとほぼ同じであり、説明は省略する。
この洗濯乾燥機の脱水を制御するフローを図11および図12に示す。
<通常脱水運転>
洗い・すすぎ工程が終了した後、脱水工程をスタートさせる(ステップS201)。
排水弁76を開け、外槽64内部の排水を開始する(ステップS202)。
脱水起動を中断した回数をカウントするカウンタmを0に設定する(ステップS203)。
後述するステップS221およびステップS223でカウントされる脱水起動を中断した回数をカウントするカウンタmがあらかじめ設定された許容起動回数(本フローチャートでは3回としてある。)以上の場合(ステップS204でNo)、脱水起動しにくい衣類であると判断し図12に示す送風脱水運転へ移行させる(ステップS205)。
一方、カウンタmが設定した許容起動回数(本フローチャートでは3回としてある。)より少ない場合(ステップS204でYes)、まず、ほぐし運転を行う(ステップS206)。
ほぐし運転とは、洗い・すすぎ工程におけるパルセータ67の回転時間より短い時間間隔でパルセータ67を正転・反転させ、衣類をほぐす動作のことである。パルセータ67を小刻みに動かすことで、衣類は洗濯槽66内に均一に分散される。
このように衣類をほぐした後、モータ68により洗濯槽66の回転速度を徐々に上げながら(ステップS207)、アンバランス量uの測定を行う(ステップS208)。
60rpm付近に第1の共振回転速度があり、アンバランス量uが大きい場合には、外槽64が共振して筐体1に激しく接触し、異常振動を引き起こす。
アンバランス量の測定は、振動センサ80の出力に基づき制御装置79内のマイコンで算出される。
アンバランス量uが閾値データベース49にあらかじめ設定されている許容アンバランス量U1より小さい場合(ステップS209でYes)、共振を通過させて、洗濯槽66の回転速度を170rpmまで上昇させる(ステップS210)。170rpmは、第2の共振回転速度200rpmより若干低い回転速度であり、大きな振動になりにくい回転速度である。170rpmで5秒程度維持し(ステップS211)、衣類から水を抜くのと同時に、衣類から抜けた水が外槽64の外に排出されるのを待つ。このように少し時間をおいた後、洗濯槽66の回転速度をさらに上昇させる(ステップS212)。この回転速度の上昇中にアンバランス量uの測定をさらに行う(ステップS213)。このアンバランス量uが閾値データベース49にあらかじめ設定されている許容アンバランス量U1より小さい場合(ステップS214でYes)、最終脱水回転速度である900rpmまで上昇させ高速遠心脱水を行う(ステップS215)。
この900rpmを6分間維持し(ステップS216)、これにより衣類から十分水が抜けたと判断し、洗濯槽66の回転を停止し(ステップS217)、排水弁76を閉じ(ステップS218)、脱水工程を終了させる(ステップS219)。
ただし、ステップS209でアンバランスが所定の許容アンバランスU1以上の場合(ステップS209でNo)、洗濯槽66の回転を停止させ(ステップS220)、カウンタmを1加算し(ステップS221)、脱水の再起動を行う。
このとき、ほぐし運転から再度脱水起動を行う(ステップS206)。このほぐし運転からの再起動動作はカウンタmで制御され、あらかじめ設定されている許容起動回数(本フローチャートでは3回としてある。)以上繰り返したら(ステップS204でNo)、送風脱水運転に移行させる(ステップS205)。
また、ステップS214においても、アンバランスが所定の許容アンバランスU1以上の場合(ステップS214でNo)、洗濯槽66の回転を停止させ(ステップS222)、カウンタmを1加算し(ステップS223)、脱水の再起動を行う。
このときも、ほぐし運転から再度脱水起動を行う(ステップS206)。このほぐし運転からの再起動動作はカウンタmで制御され、あらかじめ設定されている許容起動回数(本フローチャートでは3回としてある。)以上繰り返したら(ステップS204でNo)、送風脱水運転に移行させる(ステップS205)。
<送風脱水運転>
ステップS205の送風脱水運転について図12を用いて説明する。
送風脱水運転を開始したら(ステップS241)、まず、ファンモータ77を駆動させ、ファン72を回転させる(ステップS242)。吸気弁モータ70cを駆動させ、吸気弁70bを回転させ、開口部70aを開ける(ステップS243)。第1の実施形態と同様に、開口部70aは洗濯乾燥機本体内で、モータ68よりできるだけ高い位置に設けることが望ましい。また開口部70aの面積は乾燥した空気をより多く吸気できるように、除湿ダクト70の断面積の半分以上あるほうが望ましい。
次に、ヒータ73に通電させる(ステップS244)。ヒータ73によりファン72から吹き出した空気を加熱して洗濯槽66内の衣類に吹き当て、衣類およびそれに含まれる水を温める。温度が高くなると蒸発が促進され、また、水の粘度を下げることができ、遠心脱水による水の抜けも良くなる。よって、ヒータ73に通電させたほうが望ましいが、電力の使用量が多くなるためヒータ73に通電させなくてもよい。もしくは乾燥運転時に使用する電力より少なくした電力でヒータ73に通電させることが望ましい。
次にほぐし運転を行う(ステップS245)。その後、洗濯槽66の回転速度を45rpmまで上昇させ(ステップS246)、洗濯槽66を60秒間回転させる(ステップS247)。
この回転速度で回転させている間にアンバランス量uの測定を行う(ステップS248)。この測定は、ステップS247の回転の終盤に行う。
このように測定したアンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2より小さい場合(ステップS249でYes)、第1の共振回転速度を通過させ、さらに洗濯槽66の回転速度を170rpmまで上昇させる(ステップS250)。送風脱水運転時の許容アンバランス量U2は通常脱水運転時の許容アンバランス量U1より大きくすることが望ましい。通常脱水運転では起動しにくいものであると判定していため、多少アンバランス量が大きく、振動が大きくなっても高速脱水させるようにする。
次に170rpmで5秒程度維持し(ステップS251)、回転速度をさらに上昇させる(ステップS252)。この回転速度の上昇中にアンバランス量uの測定をさらに行う(ステップS253)。このアンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2より小さければ(ステップS254でYes)、洗濯槽66の回転速度を500rpmまで上昇を続け、第2の共振回転速度を通過させる(ステップS255)。共振通過後には、異常振動となるほど大きな振動は発生しないため、高速遠心脱水できると判断し、水の抜けを良くする為の送風を停止させる。まず、ヒータ73への通電を停止し(ステップS256)、吸気弁70bを閉じ(ステップS257)、ファン72を停止する(ステップS258)。このようにすることにより、通常脱水運転では発生しないファン回転による騒音とヒータ通電による電力消費を抑える。
次に高速遠心脱水へと移行させ、900rpmで洗濯槽66を回転させる(ステップS259)。この回転を6分間維持する(ステップS260)。これにより、脱水できたと判断し、洗濯槽66の回転を停止させ(ステップS261)、排水弁76を閉じ(ステップS262)、脱水工程を終了させる(ステップS263)。
また、ステップS249の判定において、アンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2以上の場合(ステップS249でNo)、共振通過時に異常振動を引き起こすと判断し、洗濯槽66の回転を停止させ(ステップS264)、ほぐし運転から再起動させる。
また、ステップS254の判定において、アンバランス量uが所定の許容アンバランス量U2以上の場合、通常脱水運転と同様に洗濯槽66の回転を停止させ(ステップS265)、ほぐし運転から再起動させる。
以上、本発明は、脱水起動しにくい衣類に対して、低い回転速度である程度水を抜いた後に送風することが特徴であり、これにより効率よく衣類から水を抜き、無駄な電力消費を抑えながら、脱水起動させることができる。
また、外槽64および循環風路外から、特に洗濯乾燥機の筐体61内部の空気を吸い込むことで、蒸発を促進させることができ、より衣類の重量を低減でき、脱水起動させやすくなる。
また、送風脱水運転時に、共振回転速度以下の低速回転速度で回転している時間を、通常脱水運転時のそれより長くすることで、遠心力効果ならびに蒸発効果を高め、より衣類の重量を低減でき、脱水起動させやすくなる。
3 操作・表示パネル(操作パネル)
5 操作スイッチ(ボタン)
8 ドラム
9 モータ(駆動機構)
10 外槽(ドラム式)
19a 開口部
19b 吸気弁(開閉弁)
22 送風ユニット(送風手段)
47 布量演算部
48 アンバランス量演算部(バランス状態を判断する手段)
51 運転制御部(制御手段)
64 外槽(縦型)
66 洗濯槽(ドラム)
70b 吸気弁(開閉弁)
70a 開口部
72 ファン(送風手段)

Claims (8)

  1. 衣類を収容するドラムと、
    前記ドラムを内包する外槽と、
    前記ドラムを回転駆動する駆動機構と、
    前記ドラム内に空気を送り込む送風手段と、
    脱水運転初期に前記衣類のバランス状態を判断する手段と、
    前記駆動機構および前記送風手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    脱水の際に前記バランス状態を判断する手段の判断結果に基づいて、脱水運転を再度起動し直す制御を講じる洗濯乾燥機であって、
    前記制御手段により脱水運転を再度起動し直す場合に、
    前記送風手段により前記ドラム内に空気を送り込む
    ことを特徴とする洗濯乾燥機。
  2. 前記外槽内の空気を前記送風手段により循環する循環風路をさらに備え、
    前記循環風路内に、前記外槽の外の空気を取り込むための開口部と、前記開口部を自動的に開閉する開閉弁とを備え、
    脱水運転初期の低速回転時に前記開閉弁を開けて前記循環風路内に前記外槽の外の空気を取り込み、前記送風手段により前記ドラム内に空気を送り込む
    ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥機。
  3. 前記開閉弁は、
    前記送風手段の吸込口の手前側、かつ前記駆動機構より上方に設ける
    ことを特徴とする請求項2に記載の洗濯乾燥機。
  4. 前記制御手段により脱水運転を再度起動し直した場合に、
    前記バランス状態を判断する手段により前記ドラムを高速回転できないようなバランス状態かを判断する回転速度付近で回転させる時間を、前記脱水運転を再度起動し直す前における回転させる時間より長くする
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機。
  5. 布量を検知する手段をさらに備え、
    前記制御手段により脱水運転を再度起動し直した場合でかつ、前記布量を検知する手段により検知した結果が少量の場合、脱水運転初期の脱水回転速度を、再度起動し直す前の回転速度より高くする
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機。
  6. 前記布量を検知する手段を備え、
    前記布量を検知する手段により検知した結果が少量の場合、前記送風手段により前記ドラム内に空気を送り込む脱水運転を行うまでの再起動回数を少なくする
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機。
  7. 洗濯乾燥機の動作を指示する操作パネルに脱水を起動しやすくするためのボタンもしくはボタン操作をさらに備え、
    前記ボタンおよびボタン操作をした場合、
    最初の脱水運転を再度起動し直した場合に、
    前記送風手段により前記ドラム内に空気を送り込む
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の洗濯乾燥機。
  8. 前記ボタンおよびボタン操作をした場合に、
    前記バランス状態を判断する手段により前記ドラムを高速回転できないようなバランス状態かを判断する回転速度付近で回転させる時間を、前記ボタンおよびボタン操作をしなかった通常の場合におけるそれより長くする
    ことを特徴とする請求項7に記載の洗濯乾燥機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017006573A (ja) * 2015-06-26 2017-01-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 洗濯機
JP2017086662A (ja) * 2015-11-13 2017-05-25 東芝ライフスタイル株式会社 洗濯機
CN112575531A (zh) * 2019-09-27 2021-03-30 青岛海尔洗衣机有限公司 衣物处理设备及其控制方法

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