JP4160786B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、消費電流をきめ細かに制御することによって、乾燥時間の短縮化を図った縦形洗濯乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、一般家庭に供給されている交流電圧は100vに統一されているため、電気機器の消費電力を高める最も容易な方法は、電流を増加させることである。ところが、この電流についても、一般家庭におけるコンセントは15アンペア(A)容量のものに標準化されているため、これ以上の電流を必要とする場合には、専用の配線を設ける等の電気工事が必要となってしまう。従って、一般の家電製品は、電気工事を避けるために、その消費電力(この場合、電流値)を15Aに抑えている。家庭用洗濯乾燥機も、その消費電力を該容量内に抑えている。
【0003】
洗濯乾燥機のような熱機器においては、消費電力(この場合、電流値)がそのまま乾燥時間に反映されるため、該容量の限度いっぱいの電流を使うようにするのが好ましい(発熱量の増大による乾燥時間の短縮化という観点からは)。しかし、洗濯乾燥機に使用されているPTCヒータの特性は、個々の製品ごとのバラツキが大きく(図10に示すように±6%)、また、同一のPTCヒータであっても使用条件によって特性が大きく変化する(0.06A/℃)。たとえば、温度が高いほど抵抗が大きくなるため、電源電圧(実効電圧)が同じであっても、外気温度が低いとヒータ自体の温度も低めとなっい電流値が大きくなる。また、外気温度が一定であっても、電源電圧(実効電圧)が低いほど大きな電流が流れる。
【0004】
そのため、設計の際には、このような変動分を考慮せざるを得ず、設計上、上記内容いっぱいの電力を使用するわけにはいかなかった。
【0005】
例えば、通常の洗濯乾燥機においては、図10に示すように、外気温20℃、電源電圧100vの条件下で、消費電力が所定値(1170w)以下になるように設計されている。これは、想定使用条件{外気温度0〜30(℃)、電源電圧90〜110(v)、PTCヒータバラツキ±6%}内における最大電流値が15Aを越えないようにする観点から決定されるものである。なお、該想定使用条件の範囲内における最大電流は、外気温0℃、電源電圧90vにおいて得られている。
【0006】
また、縦形洗濯乾燥機の乾燥においては、ドラム式と異なり、外槽内に設置した洗濯兼脱水槽や該洗濯兼脱水槽の底部に設置した回転体の回転数をいくつか異なったもので乾燥するために、全電流で制御するとなると異なった回転数の最大電流を考慮しなければならず、外気温20℃、電源電圧100vの条件下、消費電力(1170w)を更に1アンペア(A)100w下げた(1070w)にしなければならない。従って、電流制御を行わないと最も使用頻度の高い外気温20℃、電源電圧100vの条件下で乾燥時間が長いものとなっている。
【0007】
なお、PTCヒータ(Positibe Temperature Coefficent)とは、チタン酸バリウム(BaTiO3)を主成分とした酸化物半導体セラミックであり、その材料組成によってキュリー点(抵抗急変温度)を任意の温度にできるものである。現在、定温発熱体、電流制御素子、温度センサなどに広く用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、使用頻度の高い外気温20℃、電源電圧100vの条件下で乾燥時間が長いものとなっている。従って、使用頻度の高い領域(外気20℃付近)での乾燥時間の短縮化を図ることが重要であり、新しい乾燥方法が求められていた。
【0009】
本発明の目的は、電流のきめ細かな制御を行うことによって乾燥時間の短縮化を図った縦形洗濯乾燥機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被乾燥物を収納する洗濯脱水兼乾燥槽および回転体を回転駆動する駆動装置と、ヒータで加熱された熱風を洗濯兼脱水槽内に送り込んで空気を加熱する加熱手段と、この加熱手段によって加熱された空気を上記洗濯脱水兼乾燥槽に送り込む送風手段を備えた縦形洗濯乾燥機において、ヒータ電流値(全電流からヒータ電流以外を除く)を検出する電流検出手段と、周囲温度を検出する温度検知手段と電源電圧検出手段と前記送風手段の駆動源である送風ファンモータの回転検出手段を備え、全電流値が15(A)を越えないよう、運転開始時の周囲温度、電源電圧より、予め定められたヒータ電流値になるように、送風ファンモータの回転数(送風量)を制御するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態である洗濯乾燥機を縦断面して示す模式図である。
【0012】
1は、外郭を構成する枠体である。2は、洗濯兼脱水槽であり、その周壁に通水穴2aを有し、その上縁部に流体バランサー3を備え、底部の内側には回転自在に回転体4を設置する。回転体4は、大径(洗濯兼脱水槽2の直径の90%以上が望ましい)で周縁部を立ち上げるようにわん曲させた形状で、低位領域に通水穴4aを設ける。5は、前記洗濯兼脱水槽2を内包する外槽であり、底部の外側には駆動装置6を鋼板製の取り付けベース7によって取り付け、外枠1の上端部の四隅から防振支持装置8によって懸垂するように支持する。
【0013】
駆動装置6は、駆動電動機と電動操作クラッチ機構と遊星歯車減速機構を内蔵し、洗濯兼脱水槽2を静止させた状態で回転体4を回転(撹拌モード)させ、洗濯兼脱水槽2と回転体4をそれぞれ反対方向に回転(洗濯モード)させ、洗濯兼脱水槽2と回転体4を一体的に同一方向に回転(脱水・乾燥モード)させるような選択的な駆動機能を有する。
【0014】
衣類投入開口9aを形成した上面カバー9は、枠体1の上部開口を覆うように該開口端縁に嵌め込み、フロントパネル10およびバックパネル11と共に取り付けねじによって枠体1に取り付ける。
【0015】
上面カバー9とフロントパネル10の間に形成されるフロントパネルボックス12には、電源スイッチ13と入力スイッチ群および表示素子群を備えた操作パネル14と、外槽5内の水位に応じた水位信号を発生する水位センサ15と、コントロールユニット16を内蔵する。これらは、制御装置を構成する。
【0016】
上面カバー9とバックパネル11の間に形成されるバックパネルボックス17には、洗濯水給水手段と高濃度洗剤液生成手段を横並びに設置するように内蔵する。
【0017】
洗濯水給水手段は、入水側を水栓接続口18に接続し、出水側を注水口19に接続した主給水電磁弁20によって構成する。
【0018】
高濃度洗剤液生成・供給手段は、補助給水電磁弁22から洗剤溶解容器21に少量の洗剤溶解水を供給し、この洗剤溶解容器21内に投入されている粉末合成洗剤を撹拌しながら前記洗剤溶解水で溶解して高濃度洗剤液を生成する。洗剤溶解容器21は、給水口19に連なる溢水部(図示省略)を有し、生成した高濃度洗剤液を更なる給水(希釈給水)によって希釈して増量することにより前記溢水部から溢水させて注水口19に供給する。高濃度洗剤液を生成するための洗剤溶解水は、洗剤溶解容器21の溢水部から溢水しない程度の少量に設定し、希釈給水時には、洗濯物に浸沈させるのに好ましい洗剤濃度に希釈するために、主給水電磁弁20も開放して追加の希釈水を注水口19に供給するように構成する。
【0019】
洗剤溶解容器21に仕上剤投入器を付設したときには、仕上剤を流し出すための補助給水電磁弁22aを設ける。
【0020】
温風供給手段は、図1に示すように、外槽2下部の5aから吸い込んだ空気をダクト27を通ってヒ−タ29で加熱して吹き出し口30から吹き出すものである。
【0021】
温風循環乾燥手段は、外槽5の底部近くの側壁に形成した吸い出し口5aから該外槽5の後側の外壁面に沿って垂直状態で上向きに伸びるように形成して前記吸い出し口5aから浸入した洗濯水を堰き止める水冷除湿ダクト23と、この水冷除湿ダクト23内の上部に位置して該ダクト内に冷却水を供給する冷却散水部24と、洗濯運転における外槽5の水位よりも高い位置で折り返して該外槽5の外壁面に沿って該外槽5の下側に向かって垂直に伸びる下降風路ダクト25と、外槽5の下側の空間に配置されて前記下降風路ダクト25から空気を吸い込んで循環空気を生成する循環ファン26と、この循環ファン26の吐出口から外槽5の外壁面に沿って上方向に垂直状態に伸びる上昇風路ダクト27と、外槽上カバー28上に設置されて前記上昇風路ダクト27から送り込まれる循環空気を加熱するヒータ(PTCヒータ)29と、ヒータ29によって加熱された循環空気を洗濯兼脱水槽2内に向けて吹き込む吹き出し口30を備える。
【0022】
下降風路ダクト25内には湿度検知手段である湿度センサ40と第1温度センサ41を設置し、ヒータ29の下流側の風路内には第2温度センサ42を設置し、コントロールユニット16内に第3温度センサ66を設置している。
【0023】
また、水冷除湿ダクト23の上部から下降風路ダクト25への折り返し部に糸屑捕集フィルタ(図示省略)を設置する。
【0024】
前記水冷除湿ダクト23,下降風路ダクト25および上昇風路ダクト27は、外槽5の後側の外壁面に該外槽5の周方向に並べて実装する。
【0025】
そして、この温風循環乾燥手段は、洗濯後に外槽5内の洗濯水を排水し、洗濯兼脱水槽2を高速回転させて脱水した後に、前半は高速回転させながら、中盤は低速回転させながら、後半は攪拌させながら、循環ファン26を運転することによって、外槽5および洗濯兼脱水槽3内の湿潤空気を吸い出し口5aから吸い出し、水冷除湿ダクト23内を上昇させる過程において冷却散水部24から該水冷除湿ダクト23内に供給される冷却水によって冷却して除湿する。その後、冷却除湿した空気は、下降風路ダクト25を下降させて循環ファン26に吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダクト27とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込み、ヒータ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して逆向きに吹き込む。このように洗濯兼脱水槽2に吹き込まれた循環空気は、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38に触れて該洗濯物38を乾燥する。
【0026】
上面カバー9に形成した衣類投入開口9aは、外蓋31によって開閉自在に覆い、外槽上カバー28に形成した開口28aは、内蓋32によって開閉自在に覆うように構成する。
【0027】
外槽5の底に形成した排水口5bは、排水電磁弁33を介して排水ホース34に接続する。エアートラップ5cは、エアーチューブ35を介して前記水位センサ15に接続する。枠体1の下端縁には、四隅に脚36を取り付けた合成樹脂で成形されたベース37を装着する。
【0028】
なお、参照符号38は、洗濯兼脱水槽2内に投入された洗濯物である。
【0029】
図2は、前述した洗濯乾燥機の具体的な構成を示す縦断側面図である。図1の説明と重複する説明は一部省略する。
【0030】
駆動装置6は、駆動電動機61と電動操作クラッチ機構62と遊星歯車減速機構63と中心出力軸64と外側出力軸65を備え、鋼板製の取付けベース7の下面上に一体的に組み立て、この取付けベース7を外槽5の底下面にねじ止めすることにより取り付ける。
【0031】
駆動電動機61は、複数段または無段変速の可逆回転型の電動機とする。この実施の形態においては、検出時に洗濯兼脱水槽2を静止させた状態で回転体4を回転させる回転速度と、湿潤給水時に洗濯兼脱水槽2と回転体4を一体的に回転させる回転速度と、高濃度洗剤液を洗濯物に降りかけて浸沈させるときに洗濯兼脱水槽2および/または回転体4を正転および逆回転を繰り返させる回転速度と、洗濯時に遊星歯車減速機構の太陽歯車を回転させる回転速度と、脱水時に洗濯兼脱水槽2と回転体4を一体的に950rpmで回転させる回転速度と、温風乾燥時に洗濯兼脱水槽2と回転体4を一体的に700rpmと330rpmと100rpmと35rpmで回転させ、回転体4を単独で回転させる回転速度を設定した。
【0032】
遊星歯車減速機構63は、遊星歯車を支持するキャリアを中心出力軸64に結合し、内歯車を外側出力軸65に結合し、太陽歯車を駆動電動機61に直に結合した構成である。
【0033】
そして、電動操作クラッチ機構62は、電動操作機62aによって操作レバー62bを操作することによって、撹拌モードと洗濯モードと脱水・乾燥モードに選択的に設定する。撹拌モードでは、遊星歯車減速機構63の内歯車を静止部材に係合させることによって洗濯兼脱水槽2に静止力を作用させた状態で駆動電動機61の回転力を遊星歯車減速機構63と中心出力軸64を介して回転体4に伝達して該回転体4を回転させて該回転体4に作用する負荷量に基づく布量検出および布質検出を実行させる。洗濯モードでは、遊星歯車減速機構63の内歯車を回転自由にした状態で駆動電動機61によって太陽歯車を回転させることによって該駆動電動機61の回転力を中心出力軸64および外側出力軸65の双方に反対向きに伝達して洗濯兼脱水槽2と回転体4に反対向きに繰り返し正逆回転させて洗濯を実行させる。そして、脱水・乾燥モードでは、遊星歯車減速機構62の内歯車を駆動電動機61と連結状態として該駆動電動機61によって太陽歯車と内歯車を一体的に回転駆動し、中心出力軸64および外側出力軸65を同一方向に回転させて洗濯兼脱水槽2と回転体4に同一方向に低速回転させて湿潤給水を実行させ、高速回転させて遠心脱水を実行させ、各種の速度で回転させて温風乾燥を実行させる構成である。
【0034】
図3は、この縦形洗濯乾燥機の電気的構成を示すブロック図である。
【0035】
電源スイッチ13を介して受電するコントロールユニット16は、マイクロコンピュータ16aを中心にして構成し、電源回路16bと、駆動装置6と主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22と洗剤撹拌電動機39と排水電磁弁33と循環ファン26とヒータ29と冷却散水電磁弁24aへの給電を制御するための半導体交流スイッチング素子(FLS)群を有する駆動回路16cとを備える。
【0036】
前記駆動装置6の駆動電動機61は、固定子巻線61aと回転センサ61bを有し、電動操作クラッチ機構62は、電動操作機62aと動作位置を検出する位置センサ62cを有する。
【0037】
そして、前記駆動回路16cは、駆動装置6における前記駆動電動機61の固定子巻線61aへの給電制御に関しては、正逆回転制御用に2つの半導体交流スイッチング素子(FLS)16c1,16c2を備える。FLS16c1は、正回転給電制御用の半導体スイッチング素子、FLS16c2は逆回転給電制御用の半導体交流スイッチング素子である。この実施の形態において、駆動電動機61の回転速度制御は、固定子巻線61aへの給電をFLS16c1,16c2によって位相制御することによって行うように構成しているが、インバータ駆動のブラシレス電動機を使用する構成においては、PWM制御やPAM制御によって行うように構成することができる。また、駆動装置6における電動操作クラッチ機構62の電動操作機62aへの給電を制御するためのFLS16c3を備える。
【0038】
また、駆動回路16cは、主給水電磁弁20,給水電磁弁22,洗剤撹拌電動機39,排水電磁弁33,循環ファン26,ヒータ29,冷却散水電磁弁24aaへの給電を制御するFLS16c4〜16c10を備える。そして、この駆動回路16cは、マイクロコンピュータ16aからの指示に従ってFLS16c1〜FLS16c10の導通状態を制御して従属する負荷への給電制御を行う。
【0039】
マイクロコンピュータ16aは、更に、前記駆動電動機61の回転センサ61b,電動操作クラッチ機構62の位置センサ62c,外槽5内の洗濯水位を検出する水位センサ15,湿度センサ40,第1,第2,第3温度センサ41,42,66,アンバランス検出センサ43,操作パネル14に接続し、予め組み込まれた制御処理プログラムを実行することにより、操作パネル14の入力スイッチ群14aと水位センサ15と回転センサ61bと位置センサ62cと湿度センサ39と第1,第2,第3温度センサ41,42,66とアンバランス検出センサ43からの信号を取り込み、駆動回路16cを制御することによって、検出,高濃度洗剤液生成,洗濯物湿潤,高濃度洗剤液生成・供給(浸沈),洗い,濯ぎ,脱水および温風乾燥の各運転を実行し、操作パネル14の表示素子群14bを制御することによってその進行状況を表示する。ここで、アンバランス検出センサ43は、洗濯兼脱水槽2を回転させたときに該洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38の分布のアンバランスによって該洗濯兼脱水槽2(外槽5)が所定値以上に大きく振れるのを検出するセンサである。
【0040】
操作パネル14の入力スイッチ群14aは、実行する運転(洗濯・乾燥)の種類を設定するコース設定スイッチや洗濯物(乾燥物)に応じて洗濯および乾燥の実行方法を設定するモード設定スイッチを備える。コース設定スイッチには、洗濯・乾燥コース,洗濯コース,乾燥コースを選択的に設定する設定スイッチを設け、モード設定スイッチには、標準モード,ワイシャツモード,毛布モード,生乾燥モード,ドライモード,仕上げモード,小物乾燥モードを選択的に設定するスイッチを設ける。
【0041】
ここで、洗濯・乾燥コースは、洗いから乾燥までの運転を一貫して実行するコースであり、洗濯コースは、洗いから遠心脱水までの運転を実行するコースであり、乾燥コースは、洗濯および脱水されている洗濯物の乾燥運転のみを実行するコースである。また、標準モードは、各コースの運転を標準的に実行するモードであり、ワイシャツモードは、ワイシャツやブラウスのように皺になり易い洗濯物を対象にして各コースを実行するモードであり、毛布モードは、毛布などの嵩張る洗濯物を対象にして各コースを実行するモードであり、生乾燥モードは、洗濯物の洗濯皺を伸ばす程度に短時間の乾燥までのコースを実行するモードであり、ドライモードは、ドライマークの洗濯物を対象にして各コースを実行するモードであり、仕上げモードは、生乾きの洗濯物を対象にして仕上げの乾燥コースを実行するモードであり、小物乾燥モードは、ズックや帽子などのように型崩れが心配な洗濯物を対象にして乾燥コースを実行するモードである。
【0042】
次に、各運転について説明する。
【0043】
図4は、コントロールユニット16内のマイクロコンピュータ16aが実行する前記各運転のフローチャートである。
【0044】
マイクロコンピュータ16aは、電源スイッチ13が投入されると次のような制御処理を実行する。
【0045】
ステップ401
洗濯兼脱水槽2に洗濯衣類38を投入し、操作パネル14の入力スイッチ群14aを操作して初期設定を行い、洗濯・乾燥開始ボタンスイッチが押されると、各運転の自動制御処理をスタートする。
【0046】
前記初期設定では、前記コースとモードを選択して設定する。ここでは、洗濯.乾燥コースが設定されたときの運転制御を例示する。
【0047】
ステップ402
乾燥運転制御の前処理を行う。第3温度センサ66で外気温度を検出、また、図示していないが電源電圧を検出し、乾燥工程に入るまでマイクロコンピュータ16aに記憶しておく。
【0048】
その後、このデータを使用して乾燥制御を行う。例えば検出した外気温度( 20℃)と電源電圧(100v)の場合を例にとり説明すると、図9に示すように、乾燥運転開始から10分間は、循環ファン26は一定回転制御4000rpmで回り、その後は電流制御領域に入り、図7,図13に示すように、ヒータ電流リミット13.3アンペア(A)を基に、図8に示すオフセット電流を考慮した電流リミットに、循環ファン26は回転制御される。その回転範囲は図6の上限4750rpm、下限3200rpm内で回転制御される。
【0049】
ステップ403
洗濯物38の布量の検出制御処理を行う。この布量検出は、給水前の乾布状態において、駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を撹拌モードに制御し、駆動電動機61を短時間付勢して回転体4を回転駆動し、消勢時の惰性回転における減速特性に基づいて検出する。この検出結果(洗濯物の布量)に基づいて洗い水量および好ましい洗剤濃度の洗い水を生成するための洗剤量を演算して決定し、この洗剤量を表示素子群14bによって表示して相当する量の粉末合成洗剤を洗剤溶解容器21に投入させる。
【0050】
ステップ404
駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と回転体4を低速回転させながら主給水電磁弁20を開いて水道水を注水口19に直に供給して該水道水を洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38上に散布する。洗濯物38は、散布された水道水を吸水して湿潤し、嵩が低減する。このときの水道水の散布量は、検出運転によって検出した洗濯物38の量に応じて制御し、洗濯物38の量が少ないときには少なくし、多くなるにつれて多くなるように制御する。洗濯物38に散布する水道水量は、例えば、洗濯物38の量が4kg未満の場合には4L(リットル)程度,4kg〜8kgの場合には10Lとする。この量の給水は、主給水電磁弁20の開弁時間によって制御する。
【0051】
そして、水道水を洗濯物38内に十分に浸透させるように、必要に応じて、湿潤状態で所定時間据え置くようにする。この据え置き時間は、洗濯物38の量と散布した水道水の量に応じて制御する。散布された水道水を洗濯物38に十分に浸透させるための据え置き時間中は、洗濯兼脱水槽2を停止させた状態にしても良いが、早く浸透させるためには洗濯兼脱水槽2を低速度で回転させると良い。
【0052】
ステップ405
補助給水電磁弁22を開いて洗剤溶解容器21に溢水しない程度の少量の水道水(洗剤溶解水)を供給し、好ましい洗剤濃度の洗い水を生成するために投入した洗剤溶解容器21内の粉末合成洗剤を回転体で撹拌しながら少量の洗剤溶解水で溶解することによって高濃度洗剤液を生成する。洗剤溶解水の量は、洗剤溶解容器21の溢水部から溢水せず、回転体によって粉末合成洗剤を撹拌しながら該粉末合成洗剤を良く溶解するのに好適な水量に設定する。
【0053】
ステップ406
駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を低速運転して洗濯兼脱水槽2と回転体4を低速度で回転させながら補助給水電磁弁22を開いて洗剤溶解容器21に希釈給水することによって高濃度洗剤液を希釈して溢水部から溢水させることにより注水口19に送り込むと共に主給水電磁弁20を開いて注水口19に給水して高濃度洗剤液を好ましい高濃度洗剤液に希釈して洗濯兼脱水槽2内の洗濯物38に降りかけて該洗濯物38に浸沈させる。
【0054】
洗濯物38に浸沈した高濃度洗剤液は、その化学的な高い洗浄力を洗濯物38に作用させて洗浄力を高めることから、洗い運転において洗濯物38に作用させる機械力を減少させて布傷みや布絡みを軽減させることを可能にする。
【0055】
粉末合成洗剤は、汚れを落す界面活性剤と、活性剤を補助するアルカリ剤,ゼオライト,酵素,再付着防止剤などのビルダー、蛍光増白剤などの添加剤を含んでいる。ゼオライトは、水道水に含まれている金属イオンを除去(軟水化)して金属石鹸の生成を抑制することにより、洗い水中の有効な界面活性剤の量の減少を抑制するように機能するが、粉末合成洗剤を多量の水道水に溶解して生成した洗い水では、ゼオライトの量が不足して有効な界面活性剤が大幅に減少してしまう。しかしながら、少量の水道水(洗剤溶解水)で粉末合成洗剤を溶解して生成した高濃度洗剤液(例えば、洗い水の洗剤濃度の10倍の洗剤濃度)は、金属イオンの量が少ないことから、ゼオライトが十分に機能して有効な界面活性剤の減少を極めて少量(約2%程度)に抑制することができる。従って、このような高濃度の洗剤液を洗濯物に降りかけて浸沈させることにより、洗剤液が洗濯物(汚れ衣類)に高速(洗い水の約4倍の速度)で浸透して素早く汚れに到達し、海面活性剤が汚れの乳化,分散を促進し、アルカリ材が油汚れの膨潤,鹸化を促進し、酵素が脂肪や蛋白質の汚れを分解する洗浄力を発揮する。
【0056】
ステップ407
洗濯物38に降りかけた高濃度洗剤液が該洗濯物38内に浸透・浸沈するのを促進するための時間であって、省略することもできる。
【0057】
ステップ408
主給水電磁弁20および補助給水電磁弁22を開いて水道水(洗い水)の給水を開始する。この洗い水の給水は、ステップ402において決定した水量まで行うが、給水の途中で洗濯物38の布量(湿布値),布質を検出するために中断する。この中断水位は、マイクロコンピュータ16aに予め設定された湿布布量および布質検出に適した水位である。
【0058】
ステップ409
湿布布量と布質を検出して洗い水給水量の補正と洗い,濯ぎ,脱水,乾燥運転における制御定数の決定を行う。この布質検出は、所定の低水位で給水を中断して駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を検出モードに制御し、駆動電動機61を短時間付勢して回転体4を回転駆動し、消勢時の惰性回転における第1の減速特性(湿布布量)を検出し、次いで、給水を再開して所定の高水位まで洗い水を補給した後に給水を中断して駆動装置6の駆動電動機61を短時間付勢して回転体4を回転駆動し、消勢時の惰性回転における第2の減速特性を検出し、この第1の減衰特性と第2の減衰特性の差に基づいて洗濯物38の布質を検出する。この布質検出制御は、初期設定により不要になったときには、省略する。そして、布質に応じて、洗いおよび濯ぎ運転における時間と水流(機械的撹拌の強さ)や乾燥運転における制御定数を決定する。
【0059】
ステップ410
ステップ402で決定した水量まで水道水を給水する。この給水により、洗い水は、高濃度洗剤液を更に希釈して洗いに好ましい洗剤濃度となる。これにより、洗濯物38は、洗濯兼脱水槽2内で所定の洗剤濃度の洗い水に浸した状態となり、洗濯兼脱水槽2や回転体4を回転させて洗濯物38に機械的な洗浄力を作用させるのに好適な状態となる。
【0060】
ステップ411
ステップ408において設定した洗い水流と洗い時間の洗い運転を行うように駆動装置6を制御する。この洗い運転においては、駆動装置6は、電動操作クラッチ機構62を洗濯モードに制御し、駆動電動機61を正逆運転を繰り返すことによって洗濯兼脱水槽2と回転体4を反対向きに繰り返し正逆回転させて洗濯物38に機械的な洗浄力を作用させる。洗濯物38に作用させる機械(撹拌)力は、洗濯兼脱水槽2および回転体4の正逆回転のON−OFF時限を調整したり、回転数を調整したり、洗い(撹拌)時間を調整したりすることによって制御することができる。
【0061】
この洗濯乾燥機は、高濃度洗剤液の化学的な高い洗浄力を利用するようにしているので、小さい機械(撹拌)力でも従来の洗浄方式よりも洗濯物38の汚れが良く落ちるようになることから、洗濯物38の傷みや絡みを低減することができる。
【0062】
ステップ412
排水電磁弁33を開いて洗い水を機外に排水する。
【0063】
ステップ413
主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22を開いて濯ぎ水(水道水)を設定水量まで給水する。必要に応じて、補助給水電磁弁22aを開いて仕上剤を混入させる。
【0064】
ステップ414
駆動装置6を制御して濯ぎ運転を実行する。
【0065】
ステップ415
排水電磁弁33を開いて濯ぎ水を機外に排水する。
【0066】
ステップ416
排水電磁弁33を開いたままにして駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を高速運転することによって洗濯兼脱水槽2と回転体4を一体的に950rpmの高速度で回転させることにより洗濯物38の水分を遠心脱水する。この遠心脱水が終了した状態では、洗濯物38は、洗濯兼脱水槽2の側壁に押し付けられて側壁面に付着した状態にある。
【0067】
ステップ417
駆動装置6の電動操作クラッチ機構62を脱水・乾燥モードに制御し、駆動電動機61を運転して洗濯兼脱水槽2と回転体4を回転させながら循環ファン26を運転して外槽5内の空気を吸い出し口5aから吸い出し、水冷除湿ダクト23内を通過するときに冷却散水部24から該水冷除湿ダクト23内に供給する冷却水によって冷却除湿し、下降風路ダクト25を通して循環ファン26に吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダクト27とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込み、ヒータ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して逆向きに吹き込む循環空気を生成し、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物を乾燥する。
【0068】
この温風乾燥運転について、図5〜図13を参照して更に詳しく説明する。
【0069】
この温風乾燥運転は、運転スタートであるステップ402で検出した外気温度と電源電圧を基に、予め設定した所定のタイムスケジュールに従って、前述したように、洗濯兼脱水槽2と回転体4を回転させながら、循環ファン26を運転して洗濯兼脱水槽2(外槽5)内の空気をダクト23,25,27を通して循環させ、冷却散水部24から散水して循環空気を水冷除湿し、水冷除湿した循環空気をヒータ29によって加熱することにより実行するが、設定されているモードや洗濯物38の量や循環空気の湿度(洗濯物38の乾燥度)や温度やアンバランス検出結果に応じて洗濯兼脱水槽2および回転体4の回転制御や循環ファン26の運転制御やヒータ29の発熱制御や冷却散水部24の散水制御を実行する。
【0070】
この温風乾燥運転における洗濯兼脱水槽2の回転は、高速回転速度としての700rpmと、準高速300rpmと、低速回転速度としての100rpmと、超低速回転速度としての35rpmを設定する。これらの各回転速度の具体値は、この値に制約されるものではなく、必要に応じて変更し得る。例えば、布量、布質に応じて変化させることが好ましい。
高速度回転速度による洗濯兼脱水槽2の回転を行う第1の乾燥運転は、乾燥運転の初期の初期加熱段階で行って洗濯物38の遠心脱水と加熱乾燥を促進させるのに好適である。この初期加熱段階では、循環空気の水冷除湿を行わない。準高速度回転速度で洗濯兼脱水槽2を回転させる第2の乾燥運転では、その後に実行する水冷除湿乾燥段階で循環空気が洗濯兼脱水槽2内に満遍なく吹き込まれて洗濯物38に触れるようにするのに好適である。そして、超低速回転速度による洗濯兼脱水槽2の回転は、ワイシャツモードや毛布モードやドライモードや小物乾燥モードにおいて洗濯物38を緩速回転させながら循環空気を吹き込んで乾燥させるのに好適である。 洗濯物38のアンバランスによる洗濯兼脱水槽2(外槽5)の振れは、洗濯兼脱水槽2の回転速度が高いほど大きくなるので、前記準高速回転速度において振れを検出したときには低速回転速度に変更し、低速回転において振れを検出したときには超低速回転速度に変更する速度制御を行うことにより、振れによる不都合(振動や騒音)を軽減しながら温風乾燥を継続する。振れを検出することによって回転速度を低下させたときには、乾燥時間を延長することにより必要な乾燥度まで乾燥させる。
【0071】
温風循環経路(特に糸屑捕集フィルタ)に目詰まりが発生すると循環空気の風量が減少して乾燥効率が低下する。この目詰まり検出は、ヒータ29の前後の循環空気(第1,第2温度センサ41,42の検出温度)の温度差を監視するかヒータ29の消費電流の大きさを監視して行うようにする。循環空気の温度差は、糸屑捕集フィルタが目詰まりして循環空気の風量が減少すると大きくなり、ヒータ29の消費電流は、PTCヒータを使用していることから、糸屑捕集フィルタが目詰まりして循環空気の風量が減少すると少なくなることから、循環空気の温度差またはヒータ29の消費電流の大きさを監視することにより、糸屑捕集フィルタの目詰まりの程度を検出することができる。
【0072】
また、洗濯兼脱水槽2内の空気の温度の過度の上昇は、洗濯物38や洗濯乾燥機の構成部品、特に樹脂成形部品を過熱状態にして傷めることになる。このような過熱を防止するために、吹き出し口30から洗濯兼脱水槽2に吹き込む循環空気の温度(第2温度センサ41の検出温度)が106℃に到達したときにはヒータ29への給電量を減少させるように制御する。
【0073】
また、温風乾燥中に温風が洗濯物38に片寄った状態で当たり続けて該洗濯物38の局部的(表面部分)な乾燥を進めて該部の温度が局部的に上昇するのを防止するためには、乾燥の進行度合いに応じて洗濯物38の入替え(反転)やほぐしを行って温風が該洗濯物38に満遍なく触れるようにすることが望ましい。この洗濯物38の入替え(反転)やほぐしのための撹拌は、洗濯物38の量や乾燥の進行状態(乾燥度や運転時間経過)に応じた撹拌力で行うようにすることが望ましい。撹拌力の強さは、回転体4の回転速度や回転時間によって変えることができる。
【0074】
図5は、標準モードにおける温風乾燥制御のフローチャートであり、第1の制御ルーチンを示している。
【0075】
ステップ501
この温風乾燥運転をスタートするとタイムスケジュールを遂行するための運転タイマーを始動する。
【0076】
ステップ502
洗濯物38の布量に応じた制御ルーチンへの分岐を行う。ここでは、洗濯物38の布量は、洗濯時に検出した布量を採用し、洗濯物の多少を判別するための基準値である2kg以上かどうかによって分岐する。布量が多いときには、ステップ503に移る。
【0077】
ステップ503
回転センサ26aの検出信号を監視しながら循環ファン26を4000rpmで回転するよう制御(オン)する。
【0078】
ステップ504
強発熱モードで発熱するようにヒータ29に給電(オン)し、洗濯兼脱水槽2内の空気を循環させながら加熱する。
【0079】
ステップ505
洗濯兼脱水槽2と回転体4を高速回転速度である700rpmで回転させるように駆動装置6を制御(オン)する。
【0080】
ステップ506
湿度センサ40の検出信号を監視し、所定の基準乾燥度(ここでは、湿度センサ40の抵抗値が20kΩの状態=洗濯物38の乾燥度が95%まで進行した状態に相応する)を検出して制御を分岐する。
【0081】
ステップ507
洗濯物38の乾燥度が基準乾燥度まで進んでいないときには、乾燥運転が所定の時間(洗濯兼脱水槽2を高速回転速度で回転させて洗濯物38の遠心脱水および加熱乾燥を促進させるのに好適な時間であって、ここでは乾燥運転開始から10分に設定)を経過するまで現状を継続する。
ステップ508
乾燥運転時間が10分を経過すると、洗濯兼脱水槽2の回転を止めて静止させ、回転体4を正および逆方向に繰り返し回転させることにより洗濯物38を撹拌して入替え(反転)0.6秒ON,2秒OFFを数回行うように駆動装置6を制御する。この入替えのための回転体4による撹拌力は、洗濯物38の布量に応じて設定し、この制御ルーチンでは布量が多いことから回転体4による撹拌力を比較的に強くする。
【0082】
ステップ509
ステップ402で検出した外気温度(例 20℃)と電源電圧(例 100v)から図6に示す上限4750rpm、下限3200rpm内で循環ファン26を回転させる。図7に示すようにヒータ電流リミットは13.3アンペア(A)とする。従って、ここて゛、いったん下限3200rpm下げて回す。
【0083】
ステップ510
ステップ508からステップ519まで洗濯兼脱水槽2を高速回転速度700rpmなので図8よりオフセット電流1アンペア(A)を考慮し、ヒータ電流がヒータ電流リミット12.3アンペア(A)になるよう電流センサ29aで監視しながら循環ファン26を回転制御する。
【0084】
ステップ511
洗濯兼脱水槽2と回転体4を高速回転速度である700rpmで回転させるように駆動装置6を制御する。
【0085】
ステップ512
湿度センサ40の検出信号を監視し、所定の基準乾燥度(ここでは、湿度センサ40の抵抗値が20kΩの状態=洗濯物38の乾燥度が95%まで進行した状態に相応する)を検出して制御を分岐する。
【0086】
ステップ513
乾燥運転が所定時間(15分)を経過したかどうかを判定する。
【0087】
ステップ514
乾燥運転が所定時間(15分)を経過すると、冷却散水部24から水冷除湿ダクト23内に冷却水を供給することにより循環空気の水冷除湿(水冷除湿乾燥)を開始するように冷却散水電磁弁24aを開放制御(オン)する。
【0088】
ステップ515
ステップ508と同様、洗濯物38を撹拌して入替え(反転)0.6秒ON,2秒OFFを数回を行うように駆動装置6を制御する。
【0089】
ステップ516
ステップ510と同様、洗濯兼脱水槽2を高速回転速度700rpmなので図8よりオフセット電流1アンペア(A)を考慮して循環ファン26はヒータ電流リミットを12.3アンペア(A)になるよう、上限4750rpm、下限3200rpm内にて回転制御される。
【0090】
ステップ517
ステップ511と同様、洗濯兼脱水槽2と回転体4を高速回転速度である700rpmで回転させるように駆動装置6を制御する。
【0091】
ステップ518
ステップ512と同様、湿度センサ40の検出信号を監視し、所定の基準乾燥度(ここでは、湿度センサ40の抵抗値が20kΩの状態=洗濯物38の乾燥度が95%まで進行した状態に相応する)を検出して制御を分岐する。
【0092】
ステップ519
乾燥運転が所定時間(20分)を経過したかどうかを判定する。
【0093】
ステップ520
ステップ515と同様、洗濯物38を撹拌して入替え(反転)0.6秒ON,2秒OFFを数回行うように駆動装置6を制御する。
【0094】
ステップ521
洗濯兼脱水槽2と回転体4をここから準高速回転速度である300rpmで回転させるように駆動装置6を制御する。
【0095】
ステップ522
ステップ521からステップ525まで洗濯兼脱水槽2を準高速回転速度300rpmなので図8よりオフセット電流0アンペア(A)を考慮して循環ファン26はヒータ電流リミットを13.3アンペア(A)になるよう回転制御される。
【0096】
ステップ523
ステップ518と同様、湿度センサ40の検出信号を監視し、所定の基準乾燥度(ここでは、湿度センサ40の抵抗値が20kΩの状態=洗濯物38の乾燥度が95%まで進行した状態に相応する)を検出して制御を分岐する。
【0097】
ステップ524
ステップ520の攪拌から4分経過毎に攪拌、洗濯脱水槽回転を繰り返し、ステップ522のセンサ抵抗検知または運転開始から80分経過を待つ。
【0098】
ステップ525
運転開始から80分を経過したかどうかを判定する。
【0099】
ステップ526
ここから連続攪拌を繰り返す。洗濯兼脱水槽2を静止させた状態で回転体4を0.6秒ON回転(撹拌モード)させ1.5秒停止を繰り返す。
【0100】
ステップ527
ステップ526より連続攪拌を繰り返すため、図8よりオフセット電流0.3アンペア(A)を考慮し、循環ファン26はヒータ電流リミットを13.0アンペア(A)になるよう、上限4750rpm、下限3200rpm内にて回転制御される。
【0101】
ステップ528
湿度センサ40の検出信号を監視し、所定の基準乾燥度(ここでは、湿度センサ40の抵抗値が30kΩの状態=洗濯物38の乾燥度が105%まで進行した状態に相応する)を検出して制御を分岐する。
【0102】
ステップ529
この所定時間は、水冷除湿乾燥が望ましい時間であって、ここでは240分に設定する。
【0103】
ステップ530
ステップ528において乾燥度が基準乾燥度まで進んだことを検出し、またはステップ529の乾燥運転が所定時間(240分)を経過すると終了運転を実行する。この終了運転は、ヒータ29の発熱を停止(オフ)させ、洗濯物38の入替え(反転)およびほぐしを所定時間(ここでは10分間を設定)繰り返すように駆動装置6を制御する。その後、駆動装置6,循環ファン26,冷却散水電磁弁24aを停止(オフ)して終了する。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、消費電力(この場合、電流値)容量を限度いっぱい使うことが可能となり、これまでより乾燥時間を50%短縮が図れた縦形洗濯乾燥機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である洗濯乾燥機を縦断面して示す模式図である。
【図2】図1に示した洗濯乾燥機の具体的な構成を示す縦断側面図である。
【図3】図1および図2に示した洗濯乾燥機の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示したコントロールユニット内のマイクロコンピュータが実行する洗濯・脱水および乾燥運転のフローチャートである。
【図5】標準モードにおける温風乾燥制御の制御ルーチンのフローチャートである。
【図6】電源投入時の外気温と電源電圧から乾燥運転の電流制御時の循環ファンの回転数の上限、下限回転数を示す。
【図7】電源投入時の外気温と電源電圧から乾燥運転の電流制御時のリミット電流値を示する。
【図8】オフセット電流値を示す(電源投入時の外気温と電源電圧から乾燥運転の電流制御時のリミット電流値に駆動装置6の洗濯兼脱水槽2と回転体4の動作に応じた電流リミット図7に負のオフセットを設ける。)。
【図9】乾燥開始10分までの一定回転制御と10分以降の一定電流制御を示すタイムチャートである。
【図10】PTCヒータを使用した縦形洗濯乾燥機において、送風機の回転制御による電流制御等を採用しない場合のヒータ最大使用容量を示す(20℃,100v時:900w)。
【図11】PTCヒータを使用した縦形洗濯乾燥機において、洗濯兼脱水槽と回転体のオフセット電流1A(100w)を採用した場合のヒータ最大使用容量を示す(20℃,100v時:1000w)。
【図12】PTCヒータを使用した縦形洗濯乾燥機において、送風機の回転制御による電流制御と洗濯兼脱水槽と回転体のオフセット電流1A(100w)を採用した場合のヒータ最大使用容量を示す(20℃,100v時:1330w)。
【図13】洗濯兼脱水槽の回転乾燥時のヒータリミット電流とオフセット電流の関係を示す。
【符号の説明】
2…洗濯兼脱水槽、4…回転体、6…駆動装置、23…水冷除湿ダクト、24…冷却散水部、24a…冷却散水電磁弁、26…循環ファン、26a…回転センサ、29…ヒータ、29a…電流センサ、40…湿度センサ、41,42,66…温度センサ、61…駆動電動機。
Claims (1)
- 外槽内に設置した洗濯兼脱水槽と、洗濯兼脱水槽の底部に設置した回転体と、前記洗濯兼脱水槽および回転体を回転駆動する駆動装置と、ヒータで加熱された熱風を前記洗濯兼脱水槽内に送り込んで該洗濯兼脱水槽内の被乾燥物を乾燥する乾燥手段を備えた洗濯乾燥機であって、
前記ヒータは、送風手段が送る風の風量に応じて抵抗値が変化するPTCヒータであり、洗濯乾燥機の乾燥時に該洗濯乾燥機に印加されるヒータ電流値を検出するヒータ電流検出装置を備え、全電流値が規定範囲内に収まるように、前記洗濯兼脱水槽回転駆動乾燥時と回転体駆動乾燥時のヒータ電流規定値を別とすることを特徴とする縦形洗濯乾燥機。
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