JP2010255872A - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器 Download PDF

Info

Publication number
JP2010255872A
JP2010255872A JP2009103521A JP2009103521A JP2010255872A JP 2010255872 A JP2010255872 A JP 2010255872A JP 2009103521 A JP2009103521 A JP 2009103521A JP 2009103521 A JP2009103521 A JP 2009103521A JP 2010255872 A JP2010255872 A JP 2010255872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
flat plate
rotating antenna
heated
heating chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009103521A
Other languages
English (en)
Inventor
Sachi Tanaka
佐知 田中
Mitsuru Honma
満 本間
Noriyuki Daito
紀之 大都
Tetsuo Kubota
哲男 窪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Appliances Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Appliances Inc filed Critical Hitachi Appliances Inc
Priority to JP2009103521A priority Critical patent/JP2010255872A/ja
Publication of JP2010255872A publication Critical patent/JP2010255872A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B40/00Technologies aiming at improving the efficiency of home appliances, e.g. induction cooking or efficient technologies for refrigerators, freezers or dish washers

Landscapes

  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)
  • Electric Ovens (AREA)
  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)

Abstract

【課題】回転アンテナを備えた加熱調理器において、マイクロ波を均一に照射して加熱ムラを低減した均一加熱と、特定の被加熱物にマイクロ波を集中させる局所加熱の両立を可能とする。
【解決手段】食品を加熱する加熱室2と、加熱室2の下方に配置されたマグネトロン51と、マグネトロン51で発生したマイクロ波を伝播する導波管52と、導波管52と加熱室2の間に設けられた結合孔53と、結合孔53を貫通させた中心導体56と、中心導体56に連結された誘電体軸55と、誘電体軸55を駆動するアンテナモータ54と、中心導体56に電気的に接続された導体平板で構成される回転アンテナ60を備え、該回転アンテナ60は、回転中心から放射状に6枚の平板を60度間隔で配置した外形を有し、平板のうち1枚の平板A61の回転中心からの長さを他の平板B62の回転中心からの長さよりも短くする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、食品を加熱する加熱手段と、該加熱手段を制御する制御手段とを備えたオーブンレンジなどの加熱調理器に関するものである。
近年、この種の加熱調理器においては、より多くの被加熱物(食品)を一度に加熱することができるように加熱室の容量を大きくしている。
また、食品を取り出しやすくするために、加熱室の形状は従来の立方体に近い形状から、横に長い直方体形状とすることが多くなってきている。
さらに、加熱室内に載置された食材をムラなく加熱することが重視されており、特にマイクロ波を利用して食品の加熱を行う加熱調理器においては、食品の加熱ムラを低減するために様々な工夫がなされている。
例えば、食品を載置する載置台を回転させることによって被加熱物を回転させ、一方向から照射されるマイクロ波を食品の周囲に均一に照射することにより、食品の加熱ムラを低減する構造の加熱調理器が知られている。
また、最近では、より大きな食品に対応できるように、加熱室の内部を広くして加熱室の外にマイクロ波を拡散する回転アンテナを設け、加熱室内の電解分布を変化させることにより被加熱物の加熱ムラを防止することが行われており、回転アンテナの形状や制御方法を工夫することで更に加熱ムラを低減することが試みられている。
例えば、特許文献1に記載されたものは、加熱室下部の高周波供給室内に回転アンテナを設けた高周波加熱装置であり、該加熱装置では、前記回転アンテナを一定速度で回転させながら被加熱物の加熱を行うことで、加熱室内の被加熱物を均一に加熱するものである。
また特許文献2に記載されたものは、回転アンテナの外側に突部分を設け、赤外線センサで加熱室内の食品の温度情報を検出し、該食品の温度の低い部分に突部分が向くように回転アンテナを一時的に停止させる高周波加熱装置である。
このものは、回転アンテナに設けた突部分にマイクロ波が集中しやすいことを利用して、その突部分を温度の低い食品に向けて回転アンテナを停止することにより、温度の低い食品を集中的に加熱し、形状や重量の異なる食品を複数個一度に同じ温度に加熱するものである。
また特許文献3に記載されたものは、回転アンテナに加えて、該回転アンテナと並行に補助アンテナを加えた電子レンジであり、前記回転アンテナよりも外径サイズの大きい補助アンテナを設けることにより、従来の外径寸法に制限を受けていた回転アンテナよりも外径が小さく指向性を高めた回転アンテナを採用することが可能となり、加熱室内のマイクロ波分布をより自由に制御することが可能である。
また特許文献4に記載されたものは、金属円板の周囲から放射状に複数枚の金属片を張り出して回転アンテナを構成した高周波加熱装置である。
この加熱装置においては、前記した回転アンテナを用いることにより、加熱室の中心にマイクロ波を集中させながら電界強度が時間変化するため、加熱効率を高くするとともに加熱むらを低減でき、またドア側からのマイクロ波の漏洩を防止できる。
特開2002−110339号公報 特開2002−324660号公報 特開2002−231437号公報 特開2002−299036号公報
近年の加熱調理器においては、加熱室の容量の拡大に伴い、加熱室内の食品をムラなく加熱するだけでなく、加熱室内の一部分だけを局所加熱したいというニーズが高まってきている。
例えば、加熱室内への食品の載置方法も多様化しており、加熱室の中央以外の場所に食品が載置されることや、複数の食品を載置して一度に加熱することが多くなり、食品を加熱室内のどこに置いても食品を効率良く加熱することが求められている。
また、加熱室内に温度や容量の異なる複数の食材を収納することも増加しており、例えば冷凍食品と冷蔵食品を同時に加熱して同じ温度になるように加熱したいという要望も増加している。
また、地球環境保護意識の高まりから、加熱調理器に省エネ性能が求められるようになってきている。食品を少ないエネルギーで加熱調理するためには、マイクロ波を食品に集中させて加熱することが必要である。
このように、広い加熱室に比較的小さな食品を載置して加熱する場合でも、該食品を載置している範囲だけを集中して加熱することや、温度が低く温まりにくい食品を集中的に加熱することなど、加熱室の特定の一部分だけを局所加熱することが求められてきている。
一方で、奥行きと幅がほぼ等しい長さだった加熱室に比べて、奥行きと幅の長さが大きく異なる直方体形状の加熱室においては、加熱室の奥行き方向と幅方向においてマイクロ波の分布が異なり、加熱ムラが生じやすい。
また、加熱室の容量拡大に伴い、加熱調理の対象となる食品の量や大きさも拡大しており、従来よりも更なる加熱ムラの低減が求められている。
以上のように、加熱室内の容量の拡大に伴い、マイクロ波による加熱には加熱室の全体をムラなく加熱する均一加熱と、加熱室の一部分を集中加熱する局所加熱がより一層求められるようになってきている。
しかしながら、従来の加熱室内をムラなく加熱する構造の加熱調理器においては、均一加熱と局所加熱の両立は困難であった。
例えば、特許文献1に示すように、回転中心から放射状に6枚の平板を60度間隔で配置し、前記6枚の平板のうち、隣り合う3枚の平板の回転中心からの長さを他の3枚の平板の回転中心からの長さよりも短くした回転アンテナ形状では、回転アンテナを回転させることによって被加熱物の加熱ムラを低減することは可能だが、回転アンテナの一部にのみマイクロ波を集中させにくい構造であるため、指向性が弱く、加熱室内の特定の位置を集中的に加熱することは難しかった。
特許文献1には、回転アンテナが特定角度の場合に一時停止することによりマイクロ波を集中させると記載されているが、短い平板3枚,長い平板3枚で構成されている場合には、マイクロ波が3枚の短い平板に分散して集中するため、回転アンテナ自体の指向性が弱くなり、回転アンテナを停止しても加熱室の一部にマイクロ波を集中させることが難しい。
また、特許文献2においては、赤外線センサを利用することで、温度の低い食品にマイクロ波を集中させて温度ムラを均一になるように加熱する旨記載されているが、このものは、回転中心から放射状に6枚の平板を略均等長さで60度間隔で配置しているため、突部にマイクロ波が集中する傾向はあるものの指向性はあまりなく、加熱室内の一部分にマイクロ波を集中させにくいことから、加熱分布を制御しにくいものである。
また、赤外線センサを利用することにより、温度の低い食品にマイクロ波を集中させるように加熱すると、被加熱物が加熱室内の温度より低温の間は被加熱物にマイクロ波が集中するが、被加熱物がある程度高温になって周囲に被加熱物が載置されていない場合には、被加熱物にマイクロ波が集中しないような制御を行うため、加熱ムラは低減されるが被加熱物の加熱効率は低下することがあった。
さらに、オーブン加熱などを使用した後、加熱室が高温の状態では赤外線センサは被加熱物の状態を計測しにくく、被加熱物を効率良く加熱することができなかった。
また、特許文献3に示すように、回転アンテナに加えて補助アンテナを設けた場合には、回転軸周囲の構造が複雑になり、回転アンテナの製造や制御が難しい。
また、補助アンテナを設けない場合に比べて回転アンテナと駆動部の体積が大きくなり、加熱調理器の内部に収納しにくいため必要以上に加熱調理器が大きくなったり、逆に加熱室容積が圧迫されて小さくなったりすることがあった。
さらに、回転アンテナと補助アンテナに分かれてマイクロ波が伝播するため、加熱室内のムラは低減しやすいが、特定の被加熱物を集中的に加熱することは難しかった。また、構造が複雑であるため製造コストも高くなる欠点があった。
また、特許文献4に示すように、回転中心から放射状に6枚の平板を均等長さで60度間隔で配置しているものでは、加熱室の中心部分にマイクロ波を集中させることはできるが、広い加熱室の特定の一部分を集中的に加熱することは難しかった。
さらに、従来の容量が小さい加熱調理器においては、食品は加熱室の中央に置かれることがほとんどであったため、食品が加熱室の中央に置かれていることを想定してマイクロ波加熱を行っても問題はなかったが、最近のように、加熱室の容量が拡大した加熱調理器においては、食品が加熱室の中央に置かれていることを想定してマイクロ波が加熱行うと、食品が加熱室の中央に置かれない場合は食品にマイクロ波が集中せず、加熱しにくいものであった。
また、加熱室内に複数の食品が収納されている場合には、食品にマイクロ波が集中しにくく、加熱される食品と加熱されにくい食品があった。
本発明は上記の課題のうち、少なくとも1つを解決するものである。
本発明は上記の課題を解決するためになされるものであり、請求項1では、加熱調理器の本体と、前記食品を加熱する加熱室と、該加熱室の下方に配置され該加熱室内の食品を加熱するマイクロ波を発生するマグネトロンと、該マグネトロンで発生したマイクロ波を伝播する導波管と、該導波管と前記加熱室の間に設けられた結合孔と、該結合孔を貫通させた中心導体と、該中心導体に連結された誘電体軸と、該誘電体軸を駆動する駆動部と、該中心導体に電気的に接続された導体平板で構成される回転アンテナを備え、該回転アンテナは、回転中心から放射状に6枚の平板を60度間隔で配置し、前記6枚の平板のうち1枚の平板の回転中心からの長さを他の平板の回転中心からの長さよりも短くしたものである。
請求項2では、前記回転アンテナの回転中心からの長さが短い1枚の平板を平板A、他の平板を平板Bとすると、平板Aの回転中心からの長さがマイクロ波波長の1/4と略同一長さであり、平板Bの回転中心からの長さがマイクロ波波長の1/2と略同一長さとしたものである。
請求項3では、前記回転アンテナを構成する前記平板Aと平板Bの幅がマイクロ波波長の1/4から1/8の長さとしたものである。
請求項4では、前記加熱室の下部に食品の重量と位置を検知するための複数の重量検知手段を備え、前記回転アンテナの平板Aが被加熱物の重心側に位置したとき、前記回転アンテナの駆動を一時的に停止するものである。
本発明の請求項1によれば、回転アンテナを構成する1枚の短い平板にマイクロ波が集中するような指向性を持たせることができるため、回転アンテナを回転させている間は被加熱物を均一加熱し、回転アンテナを停止させている間は一方向を強く加熱するなど、被加熱物の加熱状態を制御しやすい。
また、平板を6枚設けているのに対し、その中の1枚のみ回転中心からの長さが短いため、1枚の短い平板からマイクロ波をより強く照射することが可能である。よって、特定方向にマイクロ波を照射しやすく、局所加熱を制御しやすい。また、被加熱物にマイクロ波を集中させることにより、加熱効率を向上できる。
また、回転アンテナが強い指向性を持つ形状であることから、被加熱物の載置位置に関わらず、加熱室内のどこに被加熱物を置いても均一加熱や集中加熱の制御が可能となる。
また、それぞれの平板の間隔が60度であることから、各平板間の電波的な干渉を抑制でき、1枚の短い平板から照射されるマイクロ波の指向性が高められる。
請求項2によれば、回転アンテナを構成する平板Aの回転中心からの長さがマイクロ波波長の1/4と略同一長さであり、平板Bの回転中心からの長さがマイクロ波波長の1/2と略同一長さであることから、平板Aの先端で電界強度が最大になり、平板Bの先端ではマイクロ波による電界強度が小さくなる。よって、回転アンテナにより照射されるマイクロ波は、平板Bからはほとんど照射されず、ほとんどのマイクロ波が平板Aから照射されるため、回転アンテナの指向性を更に強くすることができ、局所加熱を行いやすい。
また、平板Aの回転中心からの長さがマイクロ波波長の1/4と略同一長さであることから、平板Aの先端の電界強度が最大となり、平板Aからマイクロ波を効率良く照射できるため、被加熱物の加熱効率を向上させることができる。
また、平板Bの回転中心からの長さがマイクロ波波長の1/2と略同一長さであることから、平板Bの先端の電界強度はほぼゼロであり、平板A以外の部分からマイクロ波が照射されにくいため、回転アンテナから照射される回転アンテナを回転させることにより効率の良い均一加熱が可能である。
また、平板Aと平板Bの間の角度は60度であり、平板Bの回転中心からの長さがマイクロ波波長の1/2と略同一長さの場合、平板Aと平板Bの先端同士の距離がマイクロ波波長の1/2と略同一長さとなり、平板Aと平板Bの先端での電波の干渉を最小にできるため、平板Aから照射するマイクロ波が弱められずに外部に照射でき、被加熱物を効率良く加熱することが可能である。
また、回転アンテナの外形をマイクロ波波長と略同一長さ程度にでき、回転アンテナの性能を維持、向上しつつ、形状を小型化できる。
請求項3によれば、平板Aと平板Bの幅がマイクロ波波長の1/4より短いことから、マイクロ波は平板Aと平板Bの幅方向にはほとんど伝送されず、回転アンテナの中心方向から放射状に外周に向かう方向にのみマイクロ波が伝送される。また、平板Aと平板Bの幅がマイクロ波波長の1/8より長いことから、マイクロ波が平板Aや平板Bの先端に集中しすぎることによって生じるスパークを防止できる。
よって、スパークを防止して安全性を確保した上で、マイクロ波を回転アンテナの外周方向にのみ伝送することができ、これにより、より多くのマイクロ波を外部に照射して加熱効率を向上させることができる。
請求項4によれば、被加熱物の重量と位置を検知するための重量検知手段を設けて、回転アンテナの平板Aが被加熱物の重心側に位置したときに該回転アンテナの駆動を一時停止することにより、載置した被加熱物のうち量が多くあたたまりにくい部分を集中的に加熱できる。
また、複数の被加熱物を一度に加熱している場合には、より重い被加熱物を集中的に加熱することにより、複数の被加熱物を一度にムラなく加熱することが可能となる。
また、1個の被加熱物を加熱している場合は、被加熱物の載置位置にマイクロ波を集中させるため、載置位置に関わらず、加熱室内のどこに被加熱物を置いても効率良く加熱することが可能である。
さらに、大きな被加熱物を加熱している場合でも、被加熱物のより重量の重い部分を集中的に加熱することによって、全体の加熱ムラを緩和できる。
本発明の第一実施例における回転アンテナ形状の平面図である。 本発明の第一実施例による加熱調理器の分解斜視図である。 本発明の第一実施例による加熱調理器の前面断面図である。 本発明の第一実施例を用いた加熱時のマイクロ波吸収率計算結果の説明図である。
以下、本発明の加熱調理器を、加熱手段として熱風ヒータを備えた家庭用電気式オーブンレンジを例にとって説明する。
尚、本発明は、マイクロ波を照射するマグネトロンを備えていれば、蒸気を発生させる機能を搭載したスチームオーブンレンジなどの他の家庭用調理器や、スチームコンベクションオーブンなどの業務用調理器,ガスオーブンなどの加熱調理器にも適用できる。
本発明による第一実施例の加熱調理器について、図1〜図3を参照して説明する。
図において、本実施例の加熱調理器1は、加熱室2と、加熱室2の下方に設けられた機械室3とをキャビネット11で覆った構造であり、加熱室2内に食品を載置することで加熱調理を行う加熱調理器である。加熱室2の前方にはドア4が設けられており、ドア4を開閉することで加熱室2内部への食品の出し入れを行う。
加熱室2下方には導波管52が配置されており、導波管52の端部にマグネトロン51が設置されている。導波管52と加熱室2の間には結合孔53が設けられており、結合孔53を貫通する形で中心導体56が設けられ、中心導体56の上部には回転アンテナ60が配置されている。
本実施例における中心導体56は円柱形状、回転アンテナ60は平板形状で、いずれも金属製でお互いに固定されており、電気的に接続されている。よって、マグネトロン51で発生したマイクロ波は、導波管52内を伝送し、結合孔53と中心導体56からなる同軸経路を介して加熱室2内に供給され、回転アンテナ60によって加熱室2内に拡散されながら照射される。
中心導体56には誘電体軸55が連結されており、誘電体軸55は導波管52の外部に設置された駆動部であるアンテナモータ54に接続されている。誘電体軸55はフッ素樹脂などの誘電率の低い材料によって構成されていることから、マイクロ波に影響を与えにくく、導波管52内部のマイクロ波の伝播を妨げない。よって、アンテナモータ54を駆動し、誘電体軸55を介して中心導体56と回転アンテナ60を回転させることにより、加熱室2内におけるマイクロ波分布を制御することが可能である。
本実施例における回転アンテナ60の形状は図1に示す形状である。
本実施例では厚さ1mmのアルミ板を用いているが、金属製の平板であれば厚さや材質は特に問わない。
回転アンテナ60は、幅20mm×長さ30mmの長方形の平板A61を1枚と、幅20mm×長さ60mmの長方形の平板B62を5枚組み合わせた形状であり、1枚の平板A61と5枚の平板B62を60度間隔で中心導体56を基点として放射状に配置した形状である。
また、中心導体56は直径15mmの円柱形状であり、1枚の平板A61と5枚の平板B62を組み合わせた中心位置に接合されている。よって、本実施例における回転アンテナ60は、駆動部であるアンテナモータ54を回転させることによって、中心導体56を中心として回転する構成である。
マグネトロン51から発生されるマイクロ波の周波数が2450MHzの場合、マイクロ波の波長は約122mmであり、平板A61の長さ30mmはマイクロ波波長の約1/4、平板B62の長さ60mmはマイクロ波波長の約1/2である。
よって、本実施例による回転アンテナ60は、平板A61の先端に電界が集中し、平板A61側からマイクロ波を照射する特性がある。そのため、回転アンテナ60を固定した場合は平板A61側に多くのマイクロ波を照射することで平板A61側の被加熱物を強く加熱し、回転アンテナ60を回転させた場合は加熱室2の全体を均一に加熱することが可能である。
このように6枚の平板が放射状に均等配置されており、そのうち1本が短い平板であることが本実施例の特徴である。また、各平板間の角度は60度であり、平板A61と平板B62の先端におけるマイクロ波の干渉はほとんどないため、平板A61からマイクロ波が強く遠くまで照射されやすい。
ここで、平板の幅がマイクロ波波長の約1/4である30mm以上の場合は、平板の幅方向(回転アンテナの円周方向)にもマイクロ波が伝送されるようになることで平板の長さ方向(回転アンテナの外周方向)にマイクロ波が伝送されにくくなり、回転アンテナ60の外側にマイクロ波が照射されにくくなる。また平板の幅がマイクロ波波長の約1/8である15mm以下の場合は電界が集中しすぎてスパークする危険性が高くなる。よってマイクロ波周波数が2450MHzの場合は、本実施例のように平板A61と平板B62の幅は20mm程度が適当である。
また、本実施例のように平板A61の長さをマイクロ波波長の約1/4、平板B62の長さをマイクロ波波長の約1/2にすることで、平板A61からマイクロ波が照射されやすくなる。
図4に、直径150mm,高さ75mmのガラス容器に285mlの水を入れて加熱した場合の水のマイクロ波吸収率分布を計算した結果を示す。
上段が特許文献1の図2に記載された3枚の短片と3枚の長片を組み合わせた形状の回転アンテナを採用した場合の結果であり、下段が本実施例による1枚の平板A61と5枚の平板B62を組み合わせた形状の図1に示す回転アンテナ60を用いた場合の結果である。
図4の上段に示すように、短片が3枚の場合はマイクロ波吸収率の分布変動が少なく、アンテナ角度に応じてマイクロ波吸収率が増加と減少を繰り返すため、被加熱物を均一に加熱することや、特定部分を集中的に加熱することが困難である。
これに対して、図4下段の本実施例による回転アンテナ60では、回転アンテナ60の回転角度に応じてマイクロ波が集中する部分(点線で囲んだ部分イ)が回転中心を中心として回転移動していることが確認され、かつ、どの角度によっても全体のマイクロ波吸収率の変動が小さいため、効率良くマイクロ波を照射できるとともに、回転アンテナ60を固定した場合は平板A61側の被加熱物が集中的に加熱され、回転アンテナ60を回転させた場合は全体が均一に加熱される。
よって、特許文献1に記載されている短片と長片を3枚ずつ組み合わせた形状よりも、本実施例による回転アンテナ60が加熱室2内のマイクロ波分布を制御しやすく、集中加熱や均一加熱の状態を制御しやすい。
また、加熱室2の下方にはテーブルプレート21と、テーブルプレート21の下部に位置するように重量センサ31が設けられており、重量センサ31によってテーブルプレート21上に載置された食品の重量を検知し、食品を加熱する構造である。
重量センサ31は、前面側左右に2個、後部側中央に1個、合計3個設置されていることから、テーブルプレート21上の食品重量に加えて載置位置を検出することも可能である。
よって、テーブルプレート21上に載置された被加熱物の重心位置を検出し、重心位置方向に回転アンテナ60の平板A61側を向けた状態で、駆動部であるアンテナモータ54を一時的に停止することにより、被加熱物の載置位置を集中加熱することが可能である。また、複数の被加熱物が載置された場合でも、より重量の重い被加熱物に対して集中加熱を行うことにより、複数の被加熱物を均一に加熱することが可能である。
また、従来の加熱ムラを低減することを重視した指向性の低いアンテナ形状では、被加熱物の載置位置を集中加熱することが難しかったが、本実施例によるアンテナ形状は、従来の回転アンテナと異なり、指向性が非常に高い形状であり、回転アンテナ60を停止することにより、被加熱物を局所的に集中加熱することが可能である。また、回転アンテナ60を回転させることにより、集中加熱する範囲を移動できるため、全体を均一に加熱することも可能である。
また、使用者の指示により、加熱室2の特定の位置を集中加熱することも可能である。例えば、温度の異なる2品の食品を加熱する場合、初期温度の低い食品の位置を指示して温度の低い食品と高い食品の加熱の程度を変化させることで、2品の食品を同程度の温度に加熱することが可能である。
また、加熱したい食品と加熱したくない食品が混在している場合でも、加熱したい食品の場所を使用者が指示したり、予め決められている特定の位置に加熱したい食品を配置することにより、加熱したくない食品をほとんど加熱せずに、加熱したい食品だけを集中的に加熱することも可能である。
また、本実施例による回転アンテナ60は、平板A61の方向に強く遠くまでマイクロ波を照射しやすい。そのため、奥行きと横幅の長さが異なる形状の加熱室2において、回転アンテナ60の回転中心からの距離が比較的長い側面付近の被加熱物に対しても、マイクロ波を集中させやすい。
また、回転アンテナ60の直径は、マイクロ波の波長と略同一の約120mm程度で済むため、加熱室2の底面の大きさに対して回転アンテナ60が小さく、回転アンテナ60の周囲に重量センサ31などの部品を配置するのが容易である。
また、回転アンテナ60に孔を設けない構造とすることにより、従来の孔を設けた回転アンテナと比較して低コストで製造することが可能である。
よって、本実施例による回転アンテナ60は、低コストで加熱ムラの低減と加熱効率の向上,局所加熱性能の向上が可能である。
機械室3には加熱手段や送風手段の制御を行う制御手段やその他の加熱手段等が収納されている。また、ドア4は加熱室2の前面に上開き向きに配置しているが、ドア4の開閉方向は横向きでも良く、ドア4の位置や向きも特に規定しない。
また、本実施例による加熱調理器1には加熱手段として、加熱室2の上面に平面ヒータ32,加熱室2の背面に熱風ヒータ(図示せず),加熱室2の下方にマグネトロン51を備えている。加熱室2上面に設置された平面ヒータ32は、面全体が発熱するヒータであり、食品上方から輻射加熱により食品を加熱する加熱手段である。加熱室2の背面に設置された熱風ヒータは、近傍に送風手段を備え、熱風ヒータにより加熱された空気を熱風として加熱室2内に供給することで、強制対流加熱により食品を加熱する。加熱室2の下方に設置されたマグネトロン51は、マイクロ波を発生させ、加熱室2内に供給することにより被加熱物を加熱することができる。
また、加熱室2の前方のドア4には設定手段(図示せず)を備えている。使用者は設定手段を操作することにより加熱調理器1に調理メニューや加熱調理温度,方法を指示することができる。尚、本実施例における設定手段の位置はドア4であるが、設定手段の位置はドア4以外の部分に設けても良く、位置や操作方法は問わない。
次に、本実施例による加熱調理方法を説明する。
まず、1つの被加熱物を加熱調理する場合は、加熱調理器1のドア4を開けて加熱室2の下部のテーブルプレート21に被加熱物を載置し、ドア4を閉めて設定手段により加熱調理器1に加熱調理を指示する。
加熱調理開始時からマグネトロン51によって発生したマイクロ波は、導波管52を伝送して結合孔53と中心導体56の間の同軸回路から加熱室2内に伝送される。加熱調理開始とともにアンテナモータ54が駆動し、誘電体軸55とそれに接続された中心導体56,回転アンテナ60が回転する。
これとともに、テーブルプレート21の下部に配置された3つの重量センサ31がテーブルプレート21上に載置された被加熱物の重量と位置を検出し、被加熱物の重量に応じて加熱時間を自動的に決定する。
回転アンテナ60が回転して平板B62側が被加熱物の位置を向いた時、一時的にアンテナモータ54の駆動を停止すると、回転アンテナ60の回転が停止し、回転アンテナ60の平板B62側から強くマイクロ波が照射されるため、被加熱物にマイクロ波が集中し、被加熱物は効率よく加熱される。
ここで、一時的な駆動停止時間は任意の値であるが、長すぎると加熱室2内の意図しない部分に局所加熱が生じることがあるため、停止時間は数秒〜十数秒程度であり、停止時間終了後に再度アンテナモータ54が駆動し、回転アンテナ60も回転する。
また、次に回転アンテナ60の平板B62側が被加熱物側に向いたときに、再度アンテナモータ54を停止して回転アンテナ60を停止する。これを加熱終了時間まで繰り返すことにより、被加熱物にマイクロ波を集中させて効率良く加熱を行うことができる。また、被加熱物の重心がテーブルプレート21の中央である場合は、アンテナモータ54を停止させずに回転アンテナ60を常時回転させながら加熱を行うため、加熱ムラのない加熱調理が可能である。
また、2つの被加熱物を加熱調理する場合も同様に、3つの重量センサ31によって被加熱物の重量と位置を検出し、回転アンテナ60の平板B62をより重い被加熱物に向けた状態でアンテナモータ54を停止させる。これにより、2つの被加熱物のうち温まりにくい被加熱物により多くのマイクロ波を集中させて、2つの被加熱物を同じような仕上がりにすることができる。また、2つの被加熱物の重量が同程度の場合は重心が中心になるため、両方をムラなく加熱することができる。
また、大きな1つの被加熱物を加熱する場合は、被加熱物の重心位置がテーブルプレート21の中央になるため、回転アンテナ60を常時回転させて、ムラなく加熱することができる。
ここで、設定手段に加熱位置を設定する機能を備えれば、使用者が設定手段によって加熱位置を指示することにより、回転アンテナ60を指示位置で停止し、使用者が指示する位置を集中的に加熱することも可能であり、大きな被加熱物の一部分を加熱することも可能である。
このように、本実施例による回転アンテナ60を用いて、被加熱物の重量と位置を検出して加熱調理を制御することにより、被加熱物の数に寄らず、テーブルプレート21上のどの位置に被加熱物を載置したとしてもその位置にマイクロ波を集中させるため、載置位置や重量によらずに効率良く加熱が可能である。
また、回転アンテナ60を直径120mmの放射状に平板を配置した形状から1箇所の平板の長さを短くした形状とすることにより、回転アンテナ60によって照射できる周波数2450MHzのマイクロ波の照射指向性が強まり、回転アンテナ60を固定した場合は指向性が強い方向を集中的に加熱し、回転アンテナ60を回転させた場合は効率良くマイクロ波を照射しながら加熱ムラを低減できる。
よって、本実施例の加熱調理器においては、加熱室内の局所加熱と均一加熱を自由に制御することが可能であり、加熱ムラを低減し、加熱効率を向上させることができる。
1 加熱調理器
2 加熱室
3 機械室
21 テーブルプレート
31 重量センサ
51 マグネトロン
52 導波管
53 結合孔
55 誘電体軸
56 中心導体
60 回転アンテナ
61 平板A
62 平板B

Claims (4)

  1. 加熱調理器の本体と、該本体内に配置され食品を加熱する加熱室と、該加熱室の下方に配置され前記食品を加熱するマイクロ波を発生するマグネトロンと、該マグネトロンで発生したマイクロ波を伝播する導波管と、該導波管と前記加熱室の間に設けられた結合孔と、該結合孔を貫通させた中心導体と、該中心導体に連結された誘電体軸と、該誘電体軸を駆動する駆動部と、該中心導体に電気的に接続された導体平板で構成される回転アンテナを備え、
    該回転アンテナは、回転中心から放射状に6枚の平板を60度間隔で配置し、前記6枚の平板のうち1枚の平板の回転中心からの長さを他の平板の回転中心からの長さよりも短くしたことを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記回転アンテナの回転中心からの長さが短い1枚の平板を平板A、他の平板を平板Bとすると、平板Aの回転中心からの長さがマイクロ波波長の1/4と略同一長さであり、平板Bの回転中心からの長さがマイクロ波波長の1/2と略同一長さであることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. 前記回転アンテナを構成する前記平板Aと平板Bの幅がマイクロ波波長の1/4から1/8の長さであることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の加熱調理器。
  4. 前記加熱室の下部に食品の重量と位置を検知するための複数の重量検知手段を備え、前記回転アンテナの平板Aが被加熱物の重心側に位置したとき、前記回転アンテナの駆動を一時的に停止することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の加熱調理器。
JP2009103521A 2009-04-22 2009-04-22 加熱調理器 Withdrawn JP2010255872A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009103521A JP2010255872A (ja) 2009-04-22 2009-04-22 加熱調理器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009103521A JP2010255872A (ja) 2009-04-22 2009-04-22 加熱調理器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010255872A true JP2010255872A (ja) 2010-11-11

Family

ID=43316997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009103521A Withdrawn JP2010255872A (ja) 2009-04-22 2009-04-22 加熱調理器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010255872A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021174630A (ja) * 2020-04-22 2021-11-01 三菱電機株式会社 加熱調理器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021174630A (ja) * 2020-04-22 2021-11-01 三菱電機株式会社 加熱調理器
JP7313312B2 (ja) 2020-04-22 2023-07-24 三菱電機株式会社 加熱調理器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5116260B2 (ja) 高周波加熱装置
JP5310741B2 (ja) マイクロ波加熱調理器
WO2004014107A1 (ja) 高周波加熱装置
JP2009129844A (ja) 加熱調理器
JP2008258091A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2008166090A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2010255872A (ja) 加熱調理器
JP2014052152A (ja) 加熱調理器
JP2017053533A (ja) 加熱調理器
JP5028821B2 (ja) マイクロ波加熱装置
JP2010002170A (ja) 加熱調理器
JP2008282691A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2009277559A (ja) 加熱調理器
JP5593710B2 (ja) マイクロ波加熱調理器
JP5274531B2 (ja) 加熱調理器
WO2022044719A1 (ja) 高周波加熱調理器
JP2013057508A (ja) 加熱調理器
TWI701411B (zh) 加熱調理器
JP2010127469A (ja) マイクロ波加熱装置
JP4882427B2 (ja) マイクロ波加熱装置
JP3558041B2 (ja) 高周波加熱装置
WO2008084668A1 (en) Microwave oven
JP2008282693A (ja) マイクロ波加熱装置
JP2007078302A (ja) 高周波加熱調理装置
JP4457430B2 (ja) 高周波加熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120703