JP2008282691A - マイクロ波加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常は加熱室内全体の均一加熱を実現しつつ、目的に応じて局所集中加熱をも実現するマイクロ波加熱装置を提供する。
【解決手段】本発明のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波発生手段32と、導波管33と、被加熱物を収納する加熱室と、前記マイクロ波を放射するための複数の回転アンテナ38,39と、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段40,41と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段10と、前記マイクロ波発生手段および前記駆動手段を制御する制御手段411を有し、前記制御手段は、食品判別部102を有し、前記複数の回転アンテナのうち少なくとも一つの回転アンテナの放射指向性の強い部位を前記食品判別部で食品と判別した箇所の前記温度分布検出手段の検出結果に基づき決定した向きに制御する構成としたものである。
【選択図】図13

Description

本発明は、被加熱物を誘電加熱するマイクロ波加熱装置に関するものである。
代表的なマイクロ波加熱装置である電子レンジは、代表的な被加熱物である食品を直接的に加熱できるので、なべや釜を準備する必要がない簡便さでもって生活上の不可欠な機器になっている。これまで、電子レンジは、マイクロ波が伝搬する加熱室のうち食品を収納する空間の大きさが、幅方向寸法および奥行き方向寸法がおおよそ300〜400mm前後、高さ方向寸法がおおよそ200mm前後のものが、一般に普及している。
近年においては、食材を収納する空間の底面をフラットにし、さらに幅寸法を400mm以上として奥行き寸法よりも比較的大きくし、食器を複数個並べて加熱できるように利便性を高めた横幅が広い加熱室形状を持った製品が実用化されている。
ところで、電子レンジが使用するマイクロ波の波長は約120mmであり、加熱室内には強弱の電界分布(以下、電波分布と称す)が生じ、さらには被加熱物の形状やその物理特性の影響が相乗されて加熱むらが発生することが知られている。特に、上述した幅方向寸法が大きい加熱室にあっては、複数の食器に載置された食品を同時に加熱するために加熱の均一性を従来以上に高める必要がある。
従来、この種のマイクロ波加熱装置は、一つの放射アンテナを備えそのアンテナを回転駆動させるものであったが、加熱室の中央部を局所的に加熱することが困難であった。そこで、加熱の均一性を高める方策として、複数の放射アンテナを備えるもの、あるいは複数の高周波攪拌手段を備えるものが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、庫内が広くても常に大量の食品を加熱するとは限らず、たとえばマグカップ一杯の牛乳をあたためるときは、庫内全体を均一に加熱せずとも牛乳にのみ集中させるほうが効率的と考えられる。
また、複数の食品を同時に加熱する場合でも、たとえば冷凍食品と室温の食品とを同時に加熱する場合のように、食品の温度に差があれば、低温の食品のみを集中的に加熱したい場合がある。さらに幕の内弁当のようなものであれば、一つの入れ物に加熱したくない食品(漬物、サラダ、デザートなど)が含まれており、加熱すべき食品(ごはん、おかずなど)のみを集中的に加熱したいという場合がある。
このような場合は、全体均一加熱ではなく局所集中加熱できる機能が必要となる。このために複数の放射アンテナを切り替えるとともに停止位置を制御するなどして集中加熱するものが提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−259646号公報 特許第3617224号公報
特許文献1、2を参考にすれば、まず、横幅が広い加熱室であれば左右に複数の放射アンテナを配置すれば加熱室内全体の均一加熱を実現できそうである。また、局所への集中加熱については、例えば放射アンテナを停止させることでユニポールアンテナの先端方向にある程度なら集中させることができる。しかしながら、どの程度集中させられるかが問
題であり、通常は加熱室内全体の均一加熱を実現しつつ、目的に応じて局所集中加熱をも実現するということは、現実的な構成としては難しいものであった。特に加熱室内に置かれた食品のみを効率よく、かつ、温度ムラなく加熱することは困難であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、通常は加熱室内全体の均一加熱を実現しつつ、目的に応じて局所集中加熱をも実現するマイクロ波加熱装置を提供することを目的とする。
本発明のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段からマイクロ波を伝送する導波管と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記導波管から前記加熱室に前記マイクロ波を放射するための複数の回転アンテナと、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段と、前記マイクロ波発生手段および前記駆動手段を制御する制御手段を有し、前記制御手段は前記温度分布検出手段の検出した各温度から各検出領域が食品か非食品かを判別する食品判別部を有し、前記複数のアンテナのうち少なくとも一つの回転アンテナを放射指向性の強い部位を前記食品判別部で食品と判別した各検出領域の温度に基づき決定した向きに制御する構成としたものである。
この構成により、温度分布検出手段が検出した各検出領域が食品か非食品かを食品判別部が判別し、そして食品と判定した各検出領域の温度に基づいて複数のアンテナのうち少なくとも一つの回転アンテナの放射嗜好性の強い部位の向きを制御する。そうすることで、庫内底面や食器ではなく、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
また本発明のマイクロ波加熱装置は、前記制御手段は、前記加熱室内の特定の領域に対して前記回転アンテナの放射指向性の強い部位を向けるときの前記回転アンテナの角度を記憶するアンテナ角度記憶部を有し、前記温度分布検出手段が検出した各検出領域の温度のうち前記食品判別部が食品と判定した各検出領域の低温部分に前記回転アンテナの放射指向性の強い部位を向ける構成としたものである。
この構成により、食品判別部が食品と判定した検出領域のうち低温部分を抽出し、その低温部分に放射指向性の強い部位を向けるときの回転アンテナの角度をアンテナ角度記憶部から選択して回転アンテナの角度を制御するので、低温部分の温度は上昇し、それを繰り返すことで食品全体の温度が均一にできる。
また本発明のマイクロ波加熱装置は、前記食品判別部は、前記温度分布検出手段が検出する各検出領域の温度の単位時間あたりの上昇率を計算し所定上昇率より大きければ食品と判別する構成としたものである。
この構成により、単位時間当たりの温度上昇率の大きい部分、すなわちマイクロ波を吸収しやすく温度上昇する部分は食品として判別し、温度上昇率の小さい部分、すなわちマイクロ波を吸収しにくく温度上昇しにくい部分は庫内底面や食器などの非食品として判別することで、適切に食品判別でき、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
また本発明のマイクロ波加熱装置は、前記食品判別部は、前記温度分布検出手段が検出した温度と前記温度分布検出手段が加熱開始初期に検出した温度との温度差のうち最大温
度差に所定比率を乗算した値より加熱開始初期に検出した温度との温度差が大きい領域を食品と判別する構成としたものである。
この構成により、加熱開始初期からの温度上昇が大きい部分、すなわちマイクロ波を吸収しやすく温度上昇する部分は食品として判別し、加熱開始初期からの温度上昇が小さい部分、すなわちマイクロ波を吸収しにくく温度上昇しにくい部分は庫内底面や食器などの非食品として判別することで、適切に食品判別でき、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
また本発明のマイクロ波加熱装置は、前記食品判別部は、前記温度分布検出手段が検出する温度のうち最高温度が所定温度を超えたときに食品判別を確定させる構成としたものである。
一般に食品は温度上昇して水の沸騰温度に近づくにしたがって、温度上昇は止まってしまうものであるが、この構成により、最高温度が所定温度を超えたときに食品判別を確定するので、食品の温度上昇が止まってしまう前に食品判別を確定させることができ、誤った食品判別をしてしまうことを防止でき、適切に食品判別でき、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
また本発明のマイクロ波加熱装置は、前記食品判別部は、加熱開始時点からの経過時間を計時するタイマーを有し、前記タイマーが所定時間経過を計時したら食品判別を確定させる構成としたものである。
この構成により、加熱開始時点から所定時間経過を計時したら食品判別を確定させるので、食品の温度上昇が止まってしまう前に食品判別を確定させることができ、誤った食品判別をしてしまうことを防止でき、適切に食品判別でき、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
また本発明のマイクロ波加熱装置は、前記食品判別部は、前記温度分布検出手段が検出する各検出領域の初期温度が所定の温度より低ければ食品と判別する構成としている。
この構成により、冷凍食品のようにマイクロ波を吸収しにくく温度上昇しにくい食品を確実に食品と判別することができ、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
本発明によれば、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できるマイクロ波加熱装置を提供することができる。
第1の発明のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段からマイクロ波を伝送する導波管と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記導波管から前記加熱室に前記マイクロ波を放射するための複数の回転アンテナと、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段と、前記マイクロ波発生手段および前記駆動手段を制御する制御手段を有
し、前記制御手段は前記温度分布検出手段の検出した各温度から各検出領域が食品か非食品かを判別する食品判別部を有し、前記複数のアンテナのうち少なくとも一つの回転アンテナを放射指向性の強い部位を前記食品判別部で食品と判別した各検出領域の温度に基づき決定した向きに制御する構成としたものである。
この構成により、温度分布検出手段が検出した各検出領域が食品か非食品かを食品判別部が判別し、そして食品と判定した各検出領域の温度に基づいて複数のアンテナのうち少なくとも一つの回転アンテナの放射嗜好性の強い部位の向きを制御する。そうすることで、庫内底面や食器ではなく、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
第2の発明のマイクロ波加熱装置は、前記制御手段は、前記加熱室内の特定の領域に対して前記回転アンテナの放射指向性の強い部位を向けるときの前記回転アンテナの角度を記憶するアンテナ角度記憶部を有し、前記温度分布検出手段が検出した各検出領域の温度のうち前記食品判別部が食品と判定した各検出領域の低温部分に前記回転アンテナの放射指向性の強い部位を向ける構成としたものであり、食品判別部が食品と判定した検出領域のうち低温部分を抽出し、その低温部分に放射指向性の強い部位を向けるときの回転アンテナの角度をアンテナ角度記憶部から選択して回転アンテナの角度を制御するので、低温部分の温度は上昇し、それを繰り返すことで食品全体の温度が均一にできる。
第3の発明のマイクロ波加熱装置は、前記食品判別部は、前記温度分布検出手段が検出する各検出領域の温度の単位時間あたりの上昇率を計算し所定上昇率より大きければ食品と判別する構成としたものであり、単位時間当たりの温度上昇率の大きい部分、すなわちマイクロ波を吸収しやすく温度上昇する部分は食品として判別し、温度上昇率の小さい部分、すなわちマイクロ波を吸収しにくく温度上昇しにくい部分は庫内底面や食器などの非食品として判別することで、適切に食品判別でき、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
第4の発明のマイクロ波加熱装置は、前記食品判別部は、前記温度分布検出手段が検出した温度と前記温度分布検出手段が加熱開始初期に検出した温度との温度差のうち最大温度差に所定比率を乗算した値より加熱開始初期に検出した温度との温度差が大きい領域を食品と判別する構成としたものであり、加熱開始初期からの温度上昇が大きい部分、すなわちマイクロ波を吸収しやすく温度上昇する部分は食品として判別し、加熱開始初期からの温度上昇が小さい部分、すなわちマイクロ波を吸収しにくく温度上昇しにくい部分は庫内底面や食器などの非食品として判別することで、適切に食品判別でき、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
第5の発明のマイクロ波加熱装置は、前記食品判別部は、前記温度分布検出手段が検出する温度のうち最高温度が所定温度を超えたときに食品判別を確定させる構成としたものである。一般に食品は温度上昇して水の沸騰温度に近づくにしたがって、温度上昇は止まってしまうものであるが、この構成により、最高温度が所定温度を超えたときに食品判別を確定するので、食品の温度上昇が止まってしまう前に食品判別を確定させることができ、誤った食品判別をしてしまうことを防止でき、適切に食品判別でき、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
第6の発明のマイクロ波加熱装置は、前記食品判別部は、加熱開始時点からの経過時間
を計時するタイマーを有し、前記タイマーが所定時間経過を計時したら食品判別を確定させる構成としたものであり、加熱開始時点から所定時間経過を計時したら食品判別を確定させるので、食品の温度上昇が止まってしまう前に食品判別を確定させることができ、誤った食品判別をしてしまうことを防止でき、適切に食品判別でき、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
第7の発明のマイクロ波加熱装置は、前記食品判別部は、前記温度分布検出手段が検出する各検出領域の初期温度が所定の温度より低ければ食品と判別する構成としてあり、冷凍食品のようにマイクロ波を吸収しにくく温度上昇しにくい食品を確実に食品と判別することができ、実際に加熱したい食品の温度分布に基づいて回転アンテナを制御できるので、目的に応じて局所集中加熱を実現でき、自在に食品の温度分布を制御できる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1から図3は本発明に係る代表的なマイクロ波加熱装置である電子レンジ31の構成図で、図1は正面から見た断面構成図、図2は図1のA−A’断面構成図、図3は図1のB−B’断面構成図である。
図1に示すように、電子レンジ31は、代表的なマイクロ波発生手段であるマグネトロン32から放射されたマイクロ波を伝送する導波管33と、導波管33の上部に接続され幅方向寸法(約410mm)が奥行き方向寸法(約315mm)より大きい形状の加熱室34と、代表的な被加熱物である食品(図示せず)を載置するため加熱室34内に固定され、セラミックやガラスなどの低損失誘電材料からなるためにマイクロ波が容易に透過できる性質の載置台35と、加熱室34内の載置台35より下方に形成されるアンテナ空間37と、導波管33内のマイクロ波を加熱室34内に放射するため、導波管33からアンテナ空間37にわたり、加熱室34の幅方向に対して対称位置に取り付けられた二つの回転アンテナ38、39と、回転アンテナ38、39を回転駆動できる代表的な駆動手段としてのモータ40、41と、モータ40、41を制御して回転アンテナ38、39の向きを制御する制御手段411と、各回転アンテナ38、39の回転の原点を検出する原点検出機構を構成するフォトインタラプタ36と、加熱室34内の温度分布を検出する温度分布検出手段である赤外線センサ10とを有する。
また、電子レンジ31は、図2に示すようにドア64を備えている。そして、設定手段63がドア64の下部に配置されている。設定手段63は、使用者が、食品や調理内容に応じて様々な調理メニューを選択できるものである。この選択結果に基づき、制御手段411はマグネトロン32やモータ40、41を制御することができる。
回転アンテナ38、39は、放射指向性を有する構成である。本実施の形態1の電子レンジ31は、回転アンテナ38、39のうちの少なくとも一方の放射指向性の強い部位を所定の向きに制御して特定の食品を集中加熱する構成としている。具体的にどのように制御しているかについては後述する。
また、回転アンテナ38、39は、導波管33と加熱室底面42との境界面に設けられた直径約30mmで略円形の結合孔43、44を貫通する直径約18mmで略円筒状の導電性材料から成る結合部45、46と、結合部45、46の上端にかしめや溶接などで電気的に接続されて一体化され、概ね垂直方向よりも水平方向に広い面積を有する導電性材料から成る放射部47、48とを備える。
また、回転アンテナ38,39は、結合部43、44の中心が回転駆動の中心となるようにモータ40、41のシャフト49、50に嵌合された構成としている。放射部47、48は回転の方向に対して形状が一定ではないために放射指向性がある構成としている。
回転アンテナ38、39の回転の中心は加熱室34内の中心から略等距離に配置する。この構成により、アンテナが一つの構成では通常は加熱しにくい加熱室内の中央付近を、回転アンテナ38、39の放射指向性の強い部分を中央付近に向けることにより加熱可能とするものである。
導波管33は、図3のように上から見てT字型を成し、左右対称な形状であるため、マグネトロン32から結合部45、46までの距離が等しく、かつ結合部45、46は加熱室34の幅方向に対しても対称位置に取り付けられているので、マグネトロン32から放射されるマイクロ波は導波管33、回転アンテナ38、39を介して加熱室34内にほぼ均等に分配される。
放射部47、48は同一の形状で、放射部上面51、52が略四辺形にRを有する形状で、そのうち対向する2辺には加熱室底面42側に曲げられた放射部曲げ部53、54を有し、その2辺の外側へのマイクロ波の放射を制限する構成である。加熱室底面42と放射部上面51、52までの距離は約10mm程度とし、放射部曲げ部53、54は、それよりも約5mm程度低い位置に引き下げられている。
そして,残る2辺は結合部45、46から端部までの水平方向の長さが異なり、結合部の中心からの長さが75mm程度の端部55、56、結合部の中心からの長さが55mm程度の端部57、58を構成している。また端部の幅方向の寸法はいずれも80mm以上としている。この構成において回転アンテナ38、39は、結合部45、46から端部57、58の方向への放射指向性を強くすることができる。
この構成において一般的な食品を均一に加熱する場合は、従来の電子レンジと同様、特に置き場所にこだわる必要はなく、回転アンテナ38、39も従来同様に一定回転させてよい。一方、集中加熱する場合は、加熱室34内の中央付近を加熱する場合、制御手段411は、図4に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の略中央という所定の向きに向けるように制御する。
回転アンテナ38、39の端部57、58が加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の略中央を向くとき、端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射されその方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
また、加熱室34内の左側付近を加熱する場合、制御手段411は、図5に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、左向き(加熱室34をドア64側から見て左側)に向けるように制御する。
回転アンテナ38、39の端部57、58が、両方とも、加熱室34をドア64側から見て左側を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射されその方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
同様に、加熱室34内の右側付近を加熱する場合、制御手段411は、図6に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、右向き(加熱室34をドア64側から見て右側)に向けるように制御する。
回転アンテナ38、39の端部57、58が両方とも、加熱室34をドア64側から見て右側を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射されその方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
また、加熱室34内の前方中央付近を加熱する場合、制御手段411は、図7に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の前方(加熱室34内の中央前方付近)に向けるように制御する。
図7に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58が、加熱室34内の中央前方付近を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射されその方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
また、加熱室34内の後方中央付近を加熱する場合、制御手段411は、図8に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の後方(加熱室34内の中央後方付近)に向けるように制御する。
図8に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58が、加熱室34内の中央後方付近を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射されその方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
以上のように、本実施の形態1の電子レンジ31は、局所的に加熱したい場所に応じて回転アンテナの向きを制御するものであり。回転アンテナ38、39を所定の向きに向けるためには、モータ40、41としてステッピングモータを用いるとか、あるいは一定回転のモータであっても基準位置を検出して通電時間を制御するなどの手段が考えられる。
本実施の形態1の電子レンジ31では、モータ40、41としてステッピングモータを用いており、各モータのシャフト40、41にそれぞれ原点検出機構を設けている。図9は図1のD−D’断面図であり、この原点検出機構は、図9に示すように、シャフトを中心軸とする円板36aと、フォトインタラプタ36とにより構成される。円板36aには、矩形状のスリット36bが設けられている。
円板36aは、回転アンテナ38、39を回転させるモータのシャフト49、50の軸にそれぞれ共通に取り付けられていて、発光素子と受光素子とを備えたフォトインタラプタ36の光路を遮るように回転するものである。
この構成により、スリット36bがフォトインタラプタ36の光路を通過するときは、前記光路を遮るものが無いので、スリットの通過時点を検出することができる。従って、スリット36bの位置を回転アンテナ38、39の原点と設定しておくことで、各モータに取り付けられたフォトインタラプタ36により回転アンテナの原点を検出することができるものである。
また、制御手段411は、原点検出機構で検出できる原点を基準として、回転アンテナ38、39の指向性の強い部分を局所加熱箇所に集中させるときの回転アンテナ38、39の角度(停止位置)を予め記憶しているアンテナ角度記憶部を有している。回転アンテナ38、39の動作を制御して局所加熱を実行する際には、アンテナ角度記憶部の情報が参照される。
なお、ここまで、回転アンテナが二つの場合について説明してきたが、回転アンテナの数はこれに限られず二個以上の複数個でも良く、例えば、図10に示すように、三つの回転アンテナを有する構成としても良い。図10に示す状態では、各回転アンテナの端部が、加熱室内の中央付近を向いており、その中央付近に位置する食品を集中的に加熱することができる。
次に、図11を参照して、本実施の形態1の電子レンジ31が備える温度検出手段について説明する。この温度検出手段は、基板19上に一列に並んで設けられた複数の赤外線検出素子13と、基板19全体を収納するケース18と、ケース18を赤外線検出素子13が並んでいる方向と垂直に交わる方向に移動させるステッピングモータ11と、を備えるものである。
基板19上には、赤外線検出素子13を封入する金属製のカン15と、赤外線検出素子の動作を処理する電子回路20とが設けられている。また、カン15には赤外線が通過するレンズ14が設けられている。また、ケース18には、赤外線を通過させる赤外線通過孔16と、電子回路20からのリード線を通過させる孔17とが設けられている。
この構成により、ステッピングモータ11が回転運動することで、ケース18を、赤外線検出素子13が一列に並んでいる方向とは垂直方向に移動させることができる。
図12は、図1中のC−C’断面における赤外線温度検出スポットを説明する図である。図に示すように、本実施の形態1の電子レンジ31は、温度検出手段のステッピングモータ11が往復回転動作することにより、加熱室34内のほぼ全ての領域の温度分布を検出することができるものである。
具体的には、例えば、まず図12中のA1〜A4の領域の温度分布を、温度検出手段が有する一列に並んだ温度検出素子13(例えば、赤外線センサ)が同時に検出する。次に、ステッピングモータ11が回転動作しケース18が移動するとき、温度検出素子13がB1〜B4の領域の温度分布を検出する。さらに、ステッピングモータ11が回転動作してケース18が移動するとき、温度検出素子13がC1〜C4の領域の温度分布を検出し、同様に、D1〜D4の領域の温度分布が検出される。
また、上述の動作に続けて、ステッピングモータ11が逆回転することで、D1〜D4の領域側から、C1〜C4、B1〜B4、A1〜A4の順に、温度分布を検出する。温度分布検出手段は、以上の動作を繰り返すことで、加熱室34内の全体の温度分布を検出することができる。
次に、図13を参照して、制御手段411の概略構成を説明する。制御手段411は、回転アンテナ38、39の動作を制御するアンテナ制御部101と、加熱室34内に載置された被加熱物が食品であるか否かを判定する食品判別部102と、加熱処理の終了を判定する加熱終了判定部103とを有する構成である。
食品判別部102は、冷凍食品であることを判定する食品Aポイント判定部104と、常温食品であることを判定する食品Bポイント判定部105とを有する。また加熱開始初期の温度分布を記憶する初期温度分布記憶部106を有する。冷凍食品かどうかを判定する食品Aポイント判定部104は加熱開始初期の温度分布を検出し、そのときに予め定めた冷凍判定温度(例えば0℃)より低温の箇所は食品と判定する。また常温食品であることを判定する食品Bポイント判定部105は、検出した温度分布と初期温度分布記憶部106で記憶している初期温度分布との差を算出し、その差に基づき食品かどうかを判定す
るものである。これは温度を検出した領域が、被加熱物を載せる載置台であるのか又は加熱対象である食品であるのかを判定するのであるが、載置台はマイクロ波を透過してほとんど温度上昇しないが、食品はマイクロ波を吸収して温度上昇しやすい、その特性の違いにより判別するものである。
加熱終了判定部103は、例えば、被加熱物の温度分布のうち最高温度が予め設定された設定温度を超えるときに加熱処理を終了すると判定する判定条件や、食品と判定した箇所の平均温度が設定温度を越えるときに加熱処理を終了する判定条件や、また、被加熱物の最高温度が所定温度に到達するのに要する時間を測定し、その要した時間の一定の割合(例えば50%)を追加加熱時間として加熱処理し、その後追加加熱時間が終了したときに加熱処理を終了したり、またはそれらの組合わせの構成等により、加熱処理の終了を判定するものである。
アンテナ制御部101は、低温部抽出部107とアンテナ角度記憶部108を有する。アンテナ角度記憶部108には、例えば図4から図8に示すような一部分にマイクロ波を集中させて部分的な温度上昇をさせるためのアンテナの角度を予め記憶している。赤外線センサ10から温度分布情報を入力し、そのうち食品判別部102で食品と判定した箇所の温度検出箇所のうち低温部分を抽出する。アンテナ制御部101は低温部抽出部107で抽出した食品の低温部分を集中加熱できるアンテナ角度をアンテナ角度記憶部108から選び、その角度にアンテナを停止するなど制御する。
例えば低温部分が、図12中のB2、B3、C2、C3のいずれかであれば、回転アンテナ38、39が中央を加熱する向き、すなわち図4に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。また、低温部分が、図12中のB1、C1のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が左方向を加熱する向き、すなわち図5に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。また、最低温度箇所が、図12中のB4、C4のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が右方向を加熱する向き、すなわち図6に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。また、低温部分が、図12中のA2、A3のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が前方を加熱する向き、すなわち図7に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。また、低温部分が、図12中のD2、D3のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が後方を加熱する向き、すなわち図8に示した向きに回転アンテナ38、39を停止させる。そうすることで、低温部分の温度が上昇し、全体の温度が均一になる。
しかし、回転アンテナが所定の位置に停止したまま加熱室内にマイクロ波を放射しつづけると、回転アンテナ自体が昇温し過ぎて融解する恐れがある。この点を鑑みて、アンテナ制御部101は、回転アンテナを目標角度(停止位置)を中心として所定角度(例えば、±5度)程度往復揺動させるものである。これにより、局所的加熱効果に影響を与えることなく回転アンテナの劣化を防止することができる。また、マイクロ波放射中に回転アンテナが停止しつづけることで、回転アンテナの一部にマイクロ波が集中しすぎて、過剰加熱することを防止する。
次に、本実施の形態1の電子レンジ31の動作について図14のフローチャートを参照して説明する。加熱を開始すると、まず赤外線センサ10により初期の温度分布、即ち各温度検出箇所の初期温度T0を検出する(S201)。次に食品ポイントA判定部104が各検出箇所の初期温度T0が所定温度TAより低いかどうかを判定することで冷凍食品かどうかを判定する(S202)。すなわち冷凍判定温度(例えば0℃)より低い箇所は、庫内載置台ではなく冷凍食品が載置されていると判断して食品ポイントAと判定する。
次に赤外線センサ10により温度分布、即ち各温度検出箇所の温度を検出する(S20
3)。このとき、加熱開始からすでに予め定めた所定時間(例えば3分)をまだ経過していなくて(S204−No)、且つ検出した温度の最高温度Tmaxが予め定めた所定温度TC(例えば60℃)より高くなければ(S205−No)、食品ポイントB判定を行う(S206)。食品ポイントB判定は食品ポイントB判定部105により、常温の食品を判定するもので、S203で検出した温度TとS201で検出した初期温度T0との差を算出し、更に経過時間tで除算することで、単位時間当たりの温度上昇率を算出する。この算出値が予め設定した温度上昇率ΔTBより大きければ、その温度検出箇所は常温の食品であると判定する。
所定時間がすでに経過しているか(S204−Yes)、または最高温度Tmaxが所定温度TCより高ければ(S205−Yes)、食品ポイントB判定を行わずに、アンテナ制御を行う(S207)。そして加熱終了判定部103により加熱終了するかどうかを判定し、まだ加熱終了しないのであればS203に戻って温度分布検出からの処理を繰り返し、加熱終了するのであれば、マグネトロン32を停止して加熱を終了する。
ここで、食品ポイントB判定は繰り返し行うので、常温食品のポイントは変化し続ける。それはノイズなどで誤った食品ポイント判定をしても次には訂正される効果がある。そして最高温度が所定温度を超えるか、所定時間経過後は、食品ポイントB判定を行わないのは、その前の最後に食品ポイントB判定した箇所で確定させるものである。それは食品が高温になってくるにしたがって、温度上昇率は緩やかになってくるものであり、そうすると単位時間当たりの温度上昇率は徐々に小さな値になってくる。小さくなると食品ポイントB判定で非食品という判定になってしまう。つまり食品ポイントが減少してやがてなくなってしまうことを防止するためである。
次に図14のアンテナ制御S207について、図15のフローチャートを用いて説明する。前記した説明で食品ポイントAまたは食品ポイントBと判定した温度検出箇所のうち最も低い温度の箇所を抽出する(S301)。
その最低温度箇所が図12中のB2、B3、C2、C3のいずれかの領域であるか否かを判定する(S302)。最低温度箇所がB2、B3、C2、C3のいずれかの領域であった場合は(S302−Yes)、アンテナ制御部101は、回転アンテナ38、39が加熱3室34内の中央を加熱する向き、すなわち図4に示した停止位置をアンテナ角度記憶部108から選び、そこに回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S308)。
最低温度箇所がB2、B3、C2、C3のいずれの領域でもなかった場合は(S302−No)、続けて、食品箇所のうち最低温度箇所がB1、C1のいずれかであるか否かを判定する(S303)。
最低温度箇所がB1、C1のいずれかの領域であった場合は(S303−Yes)、アンテナ制御部101は、回転アンテナ38、39が加熱室34内の左方向を加熱する向き、すなわち図5に示した停止位置をアンテナ角度記憶部108から選び、そこに回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S309)。
最低温度箇所がB1、C1のいずれの領域でもなかった場合は(S303−No)、続けて、食品箇所のうち最低温度箇所がB4、C4のいずれかであるか否かを判定する(S304)。
最低温度箇所がB4、C4のいずれかの領域であった場合は(S304−Yes)、アンテナ制御部101は、回転アンテナ38、39が加熱室34内の右方向を加熱する向き
、すなわち図6に示した停止位置をアンテナ角度記憶部108から選び、そこに回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S310)。
最低温度箇所がB4、C4のいずれの領域でもなかった場合は(S304−No)、続けて、食品箇所のうち最低温度箇所がA2、A3のいずれかであるか否かを判定する(S305)。
最低温度箇所がA2、A3のいずれかの領域であった場合は(S305−Yes)、アンテナ制御部101は、回転アンテナ38、39が加熱室34内の前方向を加熱する向き、すなわち図7に示した停止位置をアンテナ角度記憶部108から選び、そこに回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S311)。
最低温度箇所がA2、A3のいずれの領域でもなかった場合は(S305−No)、続けて、食品箇所のうち最低温度箇所がD2、D3のいずれかであるか否かを判定する(S306)。
最低温度箇所がD2、D3のいずれかの領域であった場合は(S306−Yes)、アンテナ制御部101は、回転アンテナ38、39が加熱室34内の後方向を加熱する向き、すなわち図8に示した停止位置をアンテナ角度記憶部108から選び、そこに回転アンテナ38、39を停止させるように動作制御を実行する(S312)。
最低温度箇所がD2、D3のいずれの領域でもなかった場合は(S306−No)、続けて、アンテナ制御部101は、加熱室34内に電波を攪拌するよう回転アンテナ38、39を一定回転させる(S307)。
アンテナ制御部101は、S307、S308〜S312のいずれかステップを実行する。このアンテナ制御処理は、図14に示すように加熱終了するまで繰り返し行うことになるので、常に低温部分を加熱するように制御が働き、低温部分がなくなり全体が均一な温度分布となる。
(実施の形態2)
次に、本発明のマイクロ波加熱装置の動作の第2の実施形態について図16のフローチャートを参照して説明する。
加熱を開始すると、まず赤外線センサ10により各温度検出箇所の初期温度T0を検出し(S401)、次に食品ポイントA判定部104が各検出箇所の初期温度T0が所定温度TAより低いかどうかを判定することで冷凍食品かどうかを判定する(S402)。次に赤外線センサ10により各温度検出箇所の温度を検出する(S403)。ここまでは第1の実施の形態と同様である。
次に食品判別部102は各温度検出箇所の検出温度と初期温度との温度差を算出し、その中で最大の温度差、すなわち最大の温度上昇箇所の温度上昇値ΔTmaxを抽出する(S404)。この最大温度上昇値ΔTmaxが予め定めた設定値ΔTC(例えば50K)より大きくなければ(S405−No)、食品ポイントB判定を行う(S406)。食品ポイントB判定は食品ポイントB判定部105により、常温の食品を判定するもので、S404で算出した各温度検出箇所の検出温度と初期温度との温度差が最大温度上昇値ΔTmaxに所定の比率α(例えば0.5)を乗算した値より大きければ、その温度検出箇所は常温の食品であると判定する。
最大温度上昇値ΔTmaxが予め定めた設定値ΔTCより大きければ(S405−Ye
s)、食品ポイントB判定を行わずに、アンテナ制御を行う(S407)。そして加熱終了判定部103により加熱終了するかどうかを判定し、まだ加熱終了しないのであればS403に戻って温度分布検出からの処理を繰り返し、加熱終了するのであれば、マグネトロン32を停止して加熱を終了する。アンテナ制御S407については前記した図5のとおりである。
ここで、第1の実施形態と同様に、食品ポイントB判定は繰り返し行うので、常温食品のポイントは変化し続ける。最大温度上昇値ΔTmaxが予め定めた設定値ΔTCより大きければ食品ポイントB判定を行わないのは、その前の最後に食品ポイントB判定した箇所で確定させるものである。それは食品が高温になってくるにしたがって、温度上昇は緩やかになってくるものであり、ΔTmaxは変化しなくなってくる。しかし、例えば載置台など食品でない部分でも少しずつは温度上昇するので、ΔTmaxが変化しなくなると、やがては載置台も食品ポイントと判定してしまうことになる。そのことを防止するために最大温度上昇値ΔTmaxが予め定めた設定値ΔTCより大きくなったところで食品ポイントを確定させる。
以上のように、本実施の形態1、形態2の電子レンジ31は、二つの回転アンテナにより加熱室34内の特定の箇所を集中的に加熱することができるものであり、加熱処理中に食品を判定し、その食品の温度分布を検出し、その食品の低温部分である最低温度箇所にスポットを当てて局所的に加熱することができるので、食品をムラなく加熱処理することができる。
なお、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、図15において説明したアンテナ制御の動作については、食品の最低温度箇所を探索する順序はこれに限られず、結果として食品全体を探索するものであれば他の順序で実行しても良い。
以上のように、本発明は、加熱室内の温度分布を検出して、その検出温度から食品を判別し、加熱室に配置された回転アンテナの放射指向性の強い部位を食品と判定した部分の検出温度から所定の向きに制御して集中加熱することができるので、食品に代表される各種誘電体の加熱、解凍、陶芸加熱、乾燥、焼結、或いは生体化学反応等の用途にも適用することができるものである。
本発明の実施の形態1のマイクロ波加熱装置を正面から見た断面構成図 同マイクロ波加熱装置を側面から見た断面構成図(図1中のA−A’断面図) 同マイクロ波加熱装置を上から見た断面構成図(図1中のB−B’断面図) 加熱室内の中央付近を局所加熱するときの回転アンテナの向きを説明する図 加熱室内の左側を局所加熱するときの回転アンテナの向きを説明する図 加熱室内の右側を局所加熱するときの回転アンテナの向きを説明する図 加熱室内の前方を局所加熱するときの回転アンテナの向きを説明する図 加熱室内の後方を局所加熱するときの回転アンテナの向きを説明する図 回転アンテナの原点検出機構を説明する図(図1中のD−D’断面図) 三つの回転アンテナを有する構成のマイクロ波加熱装置の平面断面図 温度分布検出手段の概略断面構成図 図1中のC−C’断面における赤外線温度検出スポットを説明する図 制御手段411の概略構成図 制御手段411の動作を説明するフローチャート アンテナ制御部101の動作を説明するフローチャート 制御手段411の実施の形態2の動作を説明するフローチャート
符号の説明
10 赤外線センサ(温度分布検出手段)
31 電子レンジ(マイクロ波加熱装置 )
32 マグネトロン(マイクロ波発生手段 )
33 導波管
34 加熱室
38、39、 回転アンテナ
40、41 モータ(駆動手段)
102 食品判別部
108 アンテナ角度記憶部
411 制御手段

Claims (7)

  1. マイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段からマイクロ波を伝送する導波管と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記導波管から前記加熱室に前記マイクロ波を放射するための複数の回転アンテナと、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段と、前記マイクロ波発生手段および前記駆動手段を制御する制御手段を有し、前記制御手段は前記温度分布検出手段の検出した各温度から各検出領域が食品か非食品かを判別する食品判別部を有し、前記複数のアンテナのうち少なくとも一つの回転アンテナの放射指向性の強い部位を前記食品判別部で食品と判別した各検出領域の温度に基づき決定した向きに制御する構成としたマイクロ波加熱装置。
  2. 制御手段は、加熱室内の特定の領域に対して回転アンテナの放射指向性の強い部位を向けるときの前記回転アンテナの角度を記憶するアンテナ角度記憶部を有し、温度分布検出手段が検出した各検出領域の温度のうち食品判別部が食品と判定した各検出領域の低温部分に前記回転アンテナの放射指向性の強い部位を向ける請求項1記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 食品判別部は、温度分布検出手段が検出する各検出領域の温度の単位時間あたりの上昇率を計算し所定上昇率より大きければ食品と判別する請求項1記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 食品判別部は、温度分布検出手段が検出した温度と前記温度分布検出手段が加熱開始初期に検出した温度との温度差のうち最大温度差に所定比率を乗算した値より加熱開始初期に検出した温度との温度差が大きい領域を食品と判別する請求項1記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 食品判別部は、温度分布検出手段が検出する温度のうち最高温度が所定温度を超えたときに食品判別を確定させる請求項3または4記載の加熱装置。
  6. 食品判別部は、加熱開始時点からの経過時間が所定時間経過したら食品判別を確定させる請求項3または4記載の加熱装置。
  7. 食品判別部は、温度分布検出手段が検出する各検出領域の初期温度が所定の温度より低ければ食品と判別する請求項1記載のマイクロ波加熱装置。
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