JP2010246231A - モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラシレスモータのロータ回転速度が急激に変化する場合でも、逆方向へトルクが発生することのないよう制御する。
【解決手段】ロータ角度位置検出部162は、ロータの電気角を所定の検出電気角である60度毎に検出可能なホールセンサ5からの検出信号を受け取り離散的に検出ロータ角θrを出力する。ロータ角度推定部162は、検出ロータ角θrに基づき電気角推定値θreを算出する。このとき検出ロータ角θrに対して電気位相角だけずれた電気角から、さらに回転方向へ60度だけ回転した電気角までの範囲内に、回転磁界方向を示す電気角が制限されるような制限値を設け、電気角推定値θreがこの制限値を超えないようにする。そうすれば推定ロータ角度θreに基づき発生される回転磁界の電気角が現実のロータ7の磁界の電気角より進むことがないので、逆方向へのトルクの発生を防止できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ブラシレスモータの制御を行うモータ制御装置、および当該モータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。電動パワーステアリング装置の電動モータには従来からブラシモータが広く使用されているが、信頼性および耐久性の向上や慣性の低減などの観点から、近年ではブラシレスモータも使用されている。
この3相のブラシレスモータが使用されている電動パワーステアリング装置では、座標変換によるベクトル制御などでブラシレスモータを駆動する方法が一般的である。この方法では、ロータの現時点での回転位置であるロータ角度を検出するため、ホール素子を含む位置検出センサ(ホールセンサ)が用いられることが多い。このホールセンサは、永久磁石からなるロータの周囲には、例えば120度または60度の間隔で3個が配置され、これら3個のホールセンサから出力された検出信号に基づき電気角60度毎のロータ角度の変化が検出される。
ここで、電気角60度毎の検出情報のみでは、現時点での正確なロータ角度を得ることができないので、当該検出信号に基づき、現時点でのロータ角度を推定する計算が行われるのが一般的である。例えば、検出信号における直前の検出時点からその前の検出時点までの時間間隔と、直前の検出時点からの経過時間とに基づき、現時点でのロータ角度が推定される。
この推定されたロータ角度が不正確であると、脱調やモータ効率の悪化を引き起こすので、推定のための計算を高速に行うことで現時点での正確なロータ角度を算出する構成など、従来よりさまざま工夫がなされている。
このような現時点でのロータ角度を算出する構成として、例えば特許文献1には、ロータ位相検出手段により検出されるロータ位相をモータ電流の検出値に応じて進相または遅相させる制御を行うことにより、モータへの通電位相を決定するモータ制御装置の構成が開示されている。
特開2000−209886号公報
しかし、ロータの回転速度が急激に変化することが多い電動パワーステアリング装置において、ホールセンサからの検出信号における直前の検出時点からその前の検出時点までの時間間隔に基づいて単純に現時点でのロータ角度を推定する計算を行うと、現実のロータ角度と大きなずれを生じる可能性がある。このようなずれにより、モータのステータにより生成される回転磁界が異常となり、アシストトルクが低下したり、さらには逆方向へアシストトルクが発生する可能性が生じる。特に、この逆方向へトルクが発生する可能性はできる限り解消されることが好ましい。
そこで本発明では、ロータの回転速度が急激に変化する場合でも、逆方向へトルクが発生することのないよう制御を行うモータ制御装置、およびこれを備えた電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、複数相の巻線からなるステータによる回転磁界で永久磁石を有するロータを回転させることによりブラシレスモータを駆動するモータ制御装置であって、
前記ロータの電気角を所定の検出電気角毎に検出可能なように周方向に所定の間隔を空けて配置される複数の検出素子を有し、当該複数の検出素子からの検出信号に応じて前記ロータの電気角を前記所定の検出電気角毎に離散的に検出するロータ角度検出手段と、
前記ロータ角度検出手段により離散的に検出される前記ロータの電気角に基づき、前記ロータの現時点における電気角推定値を算出するロータ角度推定手段と、
前記ロータの磁束方向に対して所定の電気位相角をなすべき前記複数相のステータによる磁界を回転させるよう、前記ブラシレスモータに供給すべき電流の量を示す指令電流値と、前記ロータ角度推定手段により算出される前記電気角推定値とに基づき、前記ブラシレスモータを制御する指令電圧のレベルを求める制御手段と、
前記制御手段で求められるレベルの電圧に応じて前記ブラシレスモータを駆動するモータ駆動手段と
を備え、
前記ロータ角度検出手段により直前に検出された前記ロータの電気角に対して前記電気位相角だけずれた電気角から、さらに回転方向へ前記検出電気角だけ回転した電気角までの範囲内に、前記複数相のステータによる回転磁界方向を示す電気角を制限することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記ロータ角度推定手段は、前記複数相のステータによる回転磁界方向を示す電気角が前記範囲を超えないように、前記推定値に制限を設けることを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記ロータ角度推定手段は、前記ロータ角度検出手段により離散的に検出される前記ロータの電気角に対して、回転方向に応じて前記検出電気角を加算または減算した電気角を制限値とし、回転方向へ当該制限値を超えないよう前記推定値を算出することを特徴とする。
第4の発明は、第1から第3までのいずれか1つの発明に記載のモータ制御装置を備えた、電動パワーステアリング装置である。
上記第1の発明によれば、ロータ角度検出手段により直前に検出されたロータの電気角に対して電気位相角だけずれた電気角から、さらに回転方向へ検出電気角だけ回転した電気角までの範囲内に、複数相のステータによる回転磁界方向を示す電気角を制限する。このことにより、ロータの回転速度が急激に変化する場合でも、推定ロータ角度に基づき発生される回転磁界の電気角が現実のロータ磁界の電気角より進むことがないので、逆方向へトルクが発生することのないよう制御を行うモータ制御装置を提供することができる。
上記第2の発明によれば、ロータ角度の推定値に制限値を設けることにより、ロータの回転速度が急激に変化する場合でも、推定ロータ角度に基づき発生される回転磁界の電気角が現実のロータ磁界の電気角より進むことがないので、逆方向へトルクが発生することのないよう制御を行うモータ制御装置を提供することができる。
上記第3の発明によれば、検出されるロータの電気角に対して、回転方向に応じて検出電気角を加算または減算した電気角を制限値とし、回転方向へ当該制限値を超えないよう推定値を算出することで、ロータの回転速度が急激に変化する場合でも、逆方向へトルクが発生することのないよう制御を行うモータ制御装置を提供することができる。
上記第4の発明によれば、逆方向へトルクが発生することのないよう制御を行うモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示す概略図である。 上記実施形態に係る電動パワーステアリング装置を制御的観点から見た構成を示すブロック図である。 上記実施形態におけるロータ角度検出値に基づくロータ角度推定の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態における逆トルクを生じる回転磁界が発生される例を示すモータの軸方向に対する垂直断面図である。 上記実施形態における好適な回転磁界が発生される例を示すモータの軸方向に対する垂直断面図である。 上記実施形態における好適な回転磁界が発生される別例を示すモータの軸方向に対する垂直断面図である。 上記実施形態において、推定ロータ角度が59度でありロータの現実の電気角が1度である場合の回転磁界およびロータの磁界それぞれの磁極位置が示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態(およびその他の各実施形態)に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両の構成と共に示す概略図である。図1に示す電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1、減速機2、トルクセンサ3、車速センサ4、位置検出センサであるホールセンサ5、および、電子制御ユニット(Electronic Control Unit :以下、ECUという)10を備えたコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置である。
図1に示すように、ステアリングシャフト102の一端にはハンドル(ステアリングホイール)101が固着されており、ステアリングシャフト102の他端はラックピニオン機構103を介してラック軸104に連結されている。ラック軸104の両端は、タイロッドおよびナックルアームからなる連結部材105を介して車輪106に連結されている。運転者がハンドル101を回転させると、ステアリングシャフト102は回転し、これに伴いラック軸104は往復運動を行う。ラック軸104の往復運動に伴い、車輪106の向きが変わる。
電動パワーステアリング装置は、運転者の負荷を軽減するために、以下に示す操舵補助を行う。トルクセンサ3は、ハンドル101の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクTを検出する。車速センサ4は、車速Sを検出する。
ホールセンサ5は、ホール素子を含むホールICからなり、ブラシレスモータ1のロータの回転位置Pを検出する。なお、後述するようにこのホールセンサは、連続的にロータの位置を検出可能ないわゆるリニア形式のホールセンサではなく、離散的にロータの位置を検出するスイッチ形式(オンオフ形式)のホールセンサである。
ECU10は、車載バッテリ100から電力の供給を受け、操舵トルクT、車速Sおよび回転位置Pに基づきブラシレスモータ1を駆動する。ブラシレスモータ1は、ECU10によって駆動されると、操舵補助力を発生させる。減速機2は、ブラシレスモータ1とステアリングシャフト102との間に設けられる。ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力は、減速機2を介して、ステアリングシャフト102を回転させるように作用する。
この結果、ステアリングシャフト102は、ハンドル101に加えられる操舵トルクと、ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力の両方によって回転する。このように電動パワーステアリング装置は、ブラシレスモータ1で発生した操舵補助力を車両のステアリング機構に与えることにより操舵補助を行う。
このような本実施形態に係る電動パワーステアリング装置では、ブラシレスモータ1を駆動する制御装置(モータ制御装置)に特徴がある。そこで以下では、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置に含まれるモータ制御装置について説明する。
<2.モータ制御装置の構成>
図2は、上記電動パワーステアリング装置における制御装置であるECU10の構成を示すブロック図である。このECU10は、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略記する)20とモータ駆動部とから構成される。マイコン20は、その内部のメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより、車速演算部184と、目標電流演算部114と、減算器122,124と、d軸電流PI制御部126と、q軸電流PI制御部128と、d−q/3相交流座標変換部132と、符号反転加算器134と、3相交流/d−q座標変換部138と、ロータ角度位置検出部162と、ロータ角度推定部164とからなるモータ制御部として機能する。目標電流演算部114には、基本アシスト制御部180とモータ電流指令値演算部188とが含まれている。モータ駆動部は、モータ制御部としてのマイコン20から出力される電圧指令値に基づき3相のブラシレスモータ1を駆動するハードウェア(回路)であり、PWM信号生成回路150と、モータ駆動回路152と、U相電流検出器156と、V相電流検出器154とから構成される。
ハンドル101が操作されると、トルクセンサ3によって検出される操舵トルクTがECU10に入力されるとともに、車速センサ4によって検出される車速信号SもECU10に入力される。車速演算部184では、車速信号Sに基づいて車速Vが算出される。
ロータ角度位置検出部162は、ブラシレスモータ1に取り付けられたホールセンサ5から出力されるセンサ信号に基づいて、ブラシレスモータ1のロータである永久磁石の回転位置すなわち電気角θrを離散的に検出する。ホールセンサ5の具体的な取り付け位置や検出角度については後述する。
ロータ角度推定部は、ロータ角度位置検出部162によって検出された電気角θrに対して、現時点におけるロータ角度を正確に推定する演算を行うことにより、この電気角θrを推定された電気角θreに補正し出力する。この推定演算については詳しく後述する。なお、本実施形態ではロータの極対数が1であるため、この電気角θre(電気角θr)は機械角に一致している
基本アシスト制御部180は、アシストマップと呼ばれる、操舵トルクと目標電流値とを対応づけるテーブルを参照し、操舵トルクTと車速Vとに基づいて、ブラシレスモータ1に流すべき目標電流値Itを決定する。モータ電流指令値演算部188は、目標電流値Itに基づいて、q軸電流指令値iq*を出力する。このq軸電流指令値iq*は、ブラシレスモータ1が発生すべきトルクに対応する電流値であり、減算器124に入力される。一方、d軸電流指令値id*は、トルクに関与しないのでid*=0として、減算器122に入力される。
U相電流検出器156およびV相電流検出器154は、それぞれモータのU相、V相の巻き線(本明細書では単に「U相、V相」という)に流れる電流を検出し、U相電流検出値iuとV相電流検出値ivとをそれぞれ電圧信号で出力する。これらのU相電流検出器156およびV相電流検出器154は、モータ駆動回路152からブラシレスモータ1へ繋がる線に対して配置されるが、モータ駆動回路152内の各駆動用素子と接地点との間に配置されてもよい。
3相交流/d−q座標変換部138は、ロータの電気角θreに基づいて、U相電流検出値iuおよびV相電流検出値ivを、d−q座標上の値であるd軸モータ電流値idおよびq軸モータ電流値iqに変換する。このd軸モータ電流値idおよびq軸モータ電流値iqは、減算器122および減算器124にそれぞれ入力される。
減算器122では、d軸電流指令値id*とd軸モータ電流値idとの偏差id*−idが出力される。そして、d軸電流PI制御部126では、その偏差id*−idに基づく比例積分演算によって、d軸電圧指令値vd*が出力される。一方、減算器124では、q軸電流指令値iq*とq軸モータ電流値iqとの偏差iq*−iqが出力される。そして、q軸電流PI制御部128では、その偏差iq*−iqに基づく比例積分演算によって、q軸電圧指令値vq*が出力される。
d−q/3相交流座標変換部132では、ロータの電気角θreに基づいて、d軸電圧指令値vd*およびq軸電圧指令値vq*を、3相交流座標上の値であるU相電圧指令値vu*およびV相電圧指令値vv*に変換する。そして、符号反転加算器134は、U相電圧指令値vu*およびV相電圧指令値vv*からW相電圧指令値vw*を算出する。
PWM信号生成回路150は、U相電圧指令値vu*、V相電圧指令値vv*、W相電圧指令値vw*を受け取り、それらの指令値に応じてデューティ比の変化するPWM信号Su、Sv、Swを生成する。モータ駆動回路152では、そのPWM信号Su、Sv、Swによってスイッチング素子がオン/オフされ、それにより、デューティ比に応じた電圧vu、vv、vwがブラシレスモータ1のU相、V相、W相にそれぞれ印加される。
<3.ロータ角度推定部の動作>
<3.1 全体の動作>
次に、本実施形態におけるロータ角度推定部164の角度推定処理について説明する。図3は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置における、ロータ角度検出値に基づくロータ角度推定の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は所定の制御間隔で繰り返し行われるものとする。
ステップS10において、このモータ制御装置に備えられるロータ角度推定部164は、ホールセンサ5からのセンサ信号を入力されるロータ角度位置検出部162によって算出され離散的に与えられる検出ロータ角度θrを受け取った否かを判定する。ホールセンサの信号検出により検出ロータ角度θrを受け取らない場合には(ステップS10:No)、処理はステップS14に進む。
また、ホールセンサの信号検出により離散的に与えられる検出ロータ角度θrを受け取った場合には(ステップS10:Yes)、ロータ角度推定部164は、受け取ったロータ角度(以下「検出ロータ角度」という)θrを推定値としてのロータ角度(以下「推定ロータ角度」という)θreに代入し(ステップS12)、推定ロータ角度θreを出力して角度推定動作を終了する。この出力された推定ロータ角度θreが3相交流/d−q座標変換部138およびd−q/3相交流座標変換部132に与えられることについては前述した。なお、この角度推定動作が終了すると、所定の制御間隔を空けて(直ちに)次の角度推定動作が開始され、上記ステップS10の処理が開始される。
ここで、ロータ角度位置検出部162によって算出される上記検出ロータ角度θrは、図4ないし図6に示されるようにホールセンサ5の取り付け位置に応じて定まる。以下、図4ないし図6を参照して説明する。
<3.2 ロータ角度の検出動作>
図4は、逆トルクを生じる回転磁界が発生される例を示すモータの軸方向に対する垂直断面図であり、図5は、好適な回転磁界が発生される例を示すモータの軸方向に対する垂直断面図であり、図6は、好適な回転磁界が発生される別例を示すモータの軸方向に対する垂直断面図である。
これらの図に示されるように、ホールセンサ5は、3つのホールセンサ5a〜5cからなり、これらは3つのステータ6a〜6cの直上に取り付けられている。これらのホールセンサ5a〜5cは、ロータ7の磁極(N極またはS極)が最も接近した時、すなわち対応するステータ6a〜6cの直上に位置する時にセンサ信号を出力する。なお、図中においてセンサ信号を出力するホールセンサには斜線が付されている。
また、3つのステータ6a〜6cが発生する合成磁束による回転磁界の磁極は点線の丸で囲まれたNまたはSの記号により表されている。例えば図4では、回転磁界のN極はロータ7のN極より図中の矢印で示される回転方向の下流側にあり、回転磁界のS極もロータ7のS極より回転方向の下流側にある。したがって、この場合には、互いの磁極に反発力が生じるため回転方向とは逆方向にトルクが生じてしまう。このような回転磁界の磁極位置は異常であるため、このような逆トルクが生じないようステータ6a〜6cの発生磁界が制御されることになる。
そこで図5に示されるように、回転磁界のN極はロータ7のN極より回転方向上流側に電気角で90度回転した位置にあり、同様に回転磁界のS極もロータ7のS極より回転方向上流側に電気角で90度回転した位置にあれば、すなわち回転磁界がロータ7の磁界に対して90度遅れた電気位相角を有していれば、回転磁界のN極はロータ7のN極と反発しかつロータ7のS極を吸引し、また回転磁界のS極はロータ7のS極と反発しかつロータ7のN極を吸引するので、もっとも高いトルク効率でロータ7を回転させることができる。本実施形態では、このように上記電気位相角は90度に設定される。
もっとも、ロータ7を回転させるためには上記電気位相角は必ずしも90度である必要はなく、例えば弱め磁束制御を行う場合には、上記電気位相角は90度よりもさらに進められるように設定される。なお、位相角を進めるとは、ロータ7の回転方向と逆方向へ角度を加算することである。
ここで、図5に示されるように、斜線を付されたホールセンサ5aは、ロータ7のN極を検出しており、ロータ角度位置検出部162に対してセンサ信号が送られる。ロータ角度位置検出部162は、ホールセンサ5aの取り付け位置から、当該センサ信号を受け取った時の検出ロータ角度θrは0度であることを判別することができるので、ロータ角度推定部164に対して検出ロータ角度θrである0度を与える。
さらに、ロータ7が60度回転すると、図6に示されるように斜線を付されたホールセンサ5cは、ロータ7のS極を検出しており、ロータ角度位置検出部162に対してセンサ信号が送られる。ロータ角度位置検出部162は、ホールセンサ5cの取り付け位置(および直前に検出された検出ロータ角度θr)から、当該センサ信号を受け取った時の検出ロータ角度θrは60度であることを判別することができるので、ロータ角度推定部164に対して検出ロータ角度θrである60度を与える。
このように、ロータ7が60度回転する毎に、3つのホールセンサ5a〜5cによりロータ7のN極またはS極を検出することができるので、ロータ角度位置検出部162は、ロータ角度推定部164に対して検出単位角度である60度毎に(離散的に)検出ロータ角度θrを与える。したがって、ステップS12において上述したように検出ロータ角度θrが与えられる場合には、その検出ロータ角度θrは正確であってそのまま推定ロータ角度θreとしてよいが、その値は離散的にしか得られないためその間の値を以下のように推定する必要がある。
<3.3 ロータ角度の推定動作>
ステップS14において、ロータ角度推定部164は、ロータ角度位置検出部162による2回前の検出時点t1から直前(1回前)の検出時点t2までの時間ΔT1に基づき、当該時点間におけるロータ7の角速度ω(=60/ΔT1)を算出し、この角速度ωを上記検出時点t2からの経過時間ΔT2に対して乗算し、この乗算値を直前に検出された検出ロータ角度θrに加算することにより、推定ロータ角度θre(=(60/ΔT1)・ΔT2+θr)を算出する。
このように、ロータ角度推定部164は、時刻t1からt2までの間のロータ7の角速度ωが現時点まで同じ速度で維持されていると仮定することにより、推定ロータ角度θreを求めている。このため、ロータ7の角速度ωが急激に減少した場合には、現時点でのロータ7の電気角の変化量が急激に減少しているにもかかわらず、上記算出方法に基づき得られる推定ロータ角度θreの変化量は従前のままであるため、現実のロータ7の電気角から推定ロータ角度θreが大きく乖離してしまうことがある。その結果、図4に示すような逆トルクが発生する可能性が生じる。そこで、以下に示すように推定ロータ角度θreに制限を設ける。
<3.4 推定ロータ角度の制限動作>
ステップS16において、ロータ角度推定部164は、推定ロータ角度θreが検出ロータ角度θrに所定の制限値Lim(ここでは60度)を加算した値よりも大きいか否かを判定し、大きくない場合には(ステップS16:No)、続くステップS18の処理へ進み、大きい場合には(ステップS16:Yes)、検出ロータ角度θrに所定の制限値Limを加算した値を推定ロータ角度θreに代入し(ステップS20)、その推定ロータ角度θreを出力して角度推定動作を終了する。
続いてステップS18において、ロータ角度推定部164は、推定ロータ角度θreが検出ロータ角度θrから上記制限値Limを減算した値よりも小さいか否かを判定し、小さくない場合には(ステップS18:No)、制限値Limを超えて大きく乖離していないといえるので、算出された推定ロータ角度θreを補正することなくそのまま出力して角度推定動作を終了する。また、減算値よりも小さい場合には(ステップS18:Yes)、検出ロータ角度θrから制限値Limを減算した値を推定ロータ角度θreに代入し(ステップS22)、その推定ロータ角度θreを出力して角度推定動作を終了する。
以上のようにステップS16〜S22では、ロータ7が図5に示す右回りの回転方向(以下、正回転という)の場合には、推定ロータ角度θreを直前に検出ロータ角度θrから60度正回転した値以下となるよう制限し、左回りの回転方向(以下、逆回転という)の場合には、推定ロータ角度θreを直前に検出ロータ角度θrから60度逆回転した値以上となるよう制限している。このように制限すれば、図4に示すような逆トルクが発生する可能性を解消することができる。以下、図5ないし図7を参照して説明する。
ここで図5に示す位置、すなわち検出ロータ角度θrが0度である場合の直後から、ロータ7が正回転をして、図6に示す位置、すなわち検出ロータ角度θrが60度である場合の直前までの間、前述したようにロータ7の現実の電気角を直接検出することはできない。しかし、少なくともロータ7の現実の電気角は0度から60度までの間にあるので、推定ロータ角度θreがこの間のどの位置にあっても、回転磁界がロータ7の磁界に対して90度進んだ電気位相角を有している限り、図4に示すような逆トルクが発生することはない。したがって、制限値Limを60度、すなわちホールセンサ5による検出単位角度に設定すれば、逆トルクが発生する可能性を完全に解消することができる。
例えば、図7には、推定ロータ角度θreが60度の直前(ここでは59度)でありロータ7の現実の電気角が0度の直後(ここでは1度)である場合の回転磁界およびロータ7の磁界それぞれの磁極位置が示されている。ただし位置関係を見やすくするため図中のロータ7の回転角度は実際よりも大きく示されている。このように推定ロータ角度θreとロータ7の現実の電気角との差が58度あることにより、回転磁界がロータ7の磁界に対して32度進んだ電気位相角を有する状態となっているが、さらに電気位相角が32度遅れることがない限り逆トルクが発生することはない。このように、制限値Limを検出単位角度である60度に設定して推定ロータ角度θreを制限すれば、逆トルクが発生する可能性を完全に解消することができる。
なお、制限値Limを90度とした場合でも、上述のように回転磁界がロータ7の磁界に対して最大で0度進んだ電気位相角を有する状態となるにすぎないので、結局、制限値Limを、回転磁界がロータ7の磁界に対して有するべき電気位相角以下に設定すれば、逆トルクが発生する可能性が解消することができる。
また、弱め磁束制御が行われる場合には、回転磁界がロータ7の磁界に対して有する電気位相角が90度よりも進められるので、この場合には弱め磁束制御における最大の電気位相角以下になるよう制限値Limを設定すれば、逆トルクが発生する可能性が解消することができる。
<4.効果>
以上のように、ロータ角度推定部164は、推定ロータ角度θreを算出する際、ホールセンサ5の検出単位角度である60度を制限値Limとして設定し、直前の検出ロータ角度θrに制限値Limを加算した値を超えないよう制限する。このことにより、ロータの回転速度が急激に変化する場合でも、推定ロータ角度θreに基づき発生される回転磁界の電気角が現実のロータ7の磁界の電気角より進むことがないので、逆方向へトルクが発生することのないよう制御を行うモータ制御装置を提供することができる。
<5.変形例>
上記一実施形態では、スイッチ方式のホールセンサ5を用いたが、離散的な値を出力する位置検出センサであってそのために角度推定が必要であるものであればよく、例えば交番検知型のホールセンサが用いられてもよい。なおその場合にはホールセンサの取り付け位置は図4の場合とは異なるが、ロータ7の位置を離散的に検出可能であれば、ホールセンサの取り付け位置や数などは周知の様々な組み合わせを採用することができる。
上記実施形態では、ロータ角度推定部164により算出される推定ロータ角度θreに対して制限値を設けるが、逆方向へトルクが発生することのないよう、モータ電流指令値演算部188から出力されるq軸電流指令値iq*、またはq軸電流PI制御部128から出力されるq軸電圧指令値vq*を制限してもよい。
上記一実施形態におけるモータ1は3相のブラシレスモータであるが、n相(nは4以上の整数)のブラシレスモータであってもよい。またロータ7の極対数は1であるが、2以上であってもよい。
20…マイコン

Claims (4)

  1. 複数相の巻線からなるステータによる回転磁界で永久磁石を有するロータを回転させることによりブラシレスモータを駆動するモータ制御装置であって、
    前記ロータの電気角を所定の検出電気角毎に検出可能なように周方向に所定の間隔を空けて配置される複数の検出素子を有し、当該複数の検出素子からの検出信号に応じて前記ロータの電気角を前記所定の検出電気角毎に離散的に検出するロータ角度検出手段と、
    前記ロータ角度検出手段により離散的に検出される前記ロータの電気角に基づき、前記ロータの現時点における電気角推定値を算出するロータ角度推定手段と、
    前記ロータの磁束方向に対して所定の電気位相角をなすべき前記複数相のステータによる磁界を回転させるよう、前記ブラシレスモータに供給すべき電流の量を示す指令電流値と、前記ロータ角度推定手段により算出される前記電気角推定値とに基づき、前記ブラシレスモータを制御する指令電圧のレベルを求める制御手段と、
    前記制御手段で求められるレベルの電圧に応じて前記ブラシレスモータを駆動するモータ駆動手段と
    を備え、
    前記ロータ角度検出手段により直前に検出された前記ロータの電気角に対して前記電気位相角だけずれた電気角から、さらに回転方向へ前記検出電気角だけ回転した電気角までの範囲内に、前記複数相のステータによる回転磁界方向を示す電気角を制限することを特徴とする、モータ制御装置。
  2. 前記ロータ角度推定手段は、前記複数相のステータによる回転磁界方向を示す電気角が前記範囲を超えないように、前記推定値に制限を設けることを特徴とする、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記ロータ角度推定手段は、前記ロータ角度検出手段により離散的に検出される前記ロータの電気角に対して、回転方向に応じて前記検出電気角を加算または減算した電気角を制限値とし、回転方向へ当該制限値を超えないよう前記推定値を算出することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のモータ制御装置を備えた、電動パワーステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016002888A (ja) * 2014-06-17 2016-01-12 本田技研工業株式会社 車両用ブレーキ装置、および、電気角検出方法

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