JP2010242796A - 建設機械用油圧制御回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】腕体を自重で降下させる場合に油圧ポンプの吐出量を低下させることとしながら、更なる燃費の向上を実現させる建設機械用油圧制御回路を提供すること。
【解決手段】ネガティブコントロール式の油圧制御回路100は、ブームシリンダ7のロッドチャンバとボトムチャンバとを接続する再生油路をブーム操作レバー50の下げ方向への操作に応じて開通させるブーム下げ用制御弁56と、第一速ブーム方向制御弁13Rを中立位置に復帰させる切換弁55とを備え、切換弁55は、ブームシリンダ7のボトムチャンバ内の圧力が所定値以上となった場合に、第一速ブーム方向制御弁13Rを中立位置に復帰させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧ポンプの吐出する圧油を油圧シリンダに供給し、一方でその油圧シリンダから圧油タンクに圧油を排出してその油圧シリンダを伸縮させながら、ブーム、アーム又はバケット等の腕体を動作させる建設機械で用いられる油圧制御回路に関し、特に、腕体を重力方向にその自重で降下させる際に油圧ポンプの吐出量を低減することとしながらも、掘削のため負荷に逆らってその腕体を重力方向に積極的に駆動させる際には圧油管路で余分な圧力損失を発生させないようにして燃費向上を図れるようにする建設機械用油圧制御回路に関する。
従来、ネガティブコントロール絞りで発生するネガティブコントロール圧に応じて吐出量を増減させる油圧ポンプと腕体を作動させる油圧シリンダ内を循環する圧油の流れを制御する方向制御弁とを含むネガティブコントロール式の建設機械用油圧制御回路が知られている。
このネガティブコントロール式の建設機械用油圧制御回路は、ユーザがブーム操作レバーを操作すると、ブーム用方向制御弁のスプールをその中立位置から変位させてセンターバイパス通路を絞りネガティブコントロール圧を低下させることで油圧ポンプの吐出量を増大させるようにする。十分な量の圧油でブームを確実に駆動できるようにするためである。
また、建設機械用油圧制御回路の中には、ブーム用油圧シリンダのボトムチャンバ(ブーム下げ時に容積が縮小する側のチャンバ)とロッドチャンバ(ブーム下げ時に容積が膨張する側のチャンバ)とを圧油管路(再生管路)で連通しボトムチャンバ内の圧油を圧油タンクに排出すると同時にロッドチャンバ内に循環(再生)させるようにしたものもある。
この建設機械用油圧制御回路は、腕体をその自重により空中で降下させる場合にはその再生管路を介してボトムチャンバ内の圧油をロッドチャンバ内に再生させるので、油圧ポンプが吐出する圧油をロッドチャンバ内に供給する必要がない。
この点に着目し、ブーム用油圧シリンダのボトムチャンバ内の圧力に応じてセンターバイパス通路を絞る可変絞り機構をそのブーム用方向制御弁のスプール内部に備え、ブームが自重で降下する場合(ボトムチャンバ内の圧力が所定値以上となる場合)にその可変絞り機構を用いてセンターバイパス通路を流れる圧油量を増加させネガティブコントロール圧の低下を抑えることによりブームが自重で降下する際の油圧ポンプの吐出量を低下させるようにした回路も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−089317号公報
しかしながら、特許文献1に記載の回路は、ブームを自重で降下させる場合に再生管路を用いながら油圧ポンプの吐出量を低下させ燃費を向上させることができるものの、ブーム用方向制御弁のP−C開口(油圧ポンプと油圧シリンダとを繋ぐ圧油管路を連通させるスプール上のポート)に設けられた絞りを省略できずにそのまま備えているので、掘削時のように負荷に逆らってブームを重力方向に積極的に駆動させる場合には(そのP−C開口を通じて油圧ポンプが吐出する圧油をブーム用油圧シリンダに流入させる場合には)その絞りで発生する圧力損失を排除できず燃費を悪化させることとなってしまう。
なお、この絞りは、腕体の複合動作(例えば、ブーム及びバケットの同時操作である。)を円滑に行うために必要なものである。この絞りが無ければ、複合動作中にブームを自重で降下させブーム用油圧シリンダのロッドチャンバ(膨張側チャンバ)の圧力が急激に低くなると油圧ポンプからの圧油がそのロッドチャンバに集中的に流れ込んでしまい、バケット用油圧シリンダに流れ込む圧油の量が減少してしまうからである。
上述の点に鑑み、本発明は、腕体を自重で降下させる場合に油圧ポンプの吐出量を低下させることとしながら、更なる燃費の向上を実現させる建設機械用油圧制御回路を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る建設機械用油圧制御回路は、ネガティブコントロール絞りで発生する制御圧に応じて吐出量を増減させる油圧ポンプとブームを作動させる油圧シリンダを循環する圧油の流れを制御する方向制御弁とを含むネガティブコントロール式の建設機械用油圧制御回路であって、前記油圧シリンダの膨張室と縮小室とを接続する再生管路を有し、該再生管路を前記ブームの下げ操作に応じて開通させるブーム下げ用制御弁と、前記油圧シリンダの縮小室内の圧力が所定値以上となった場合に、前記方向制御弁を中立位置に復帰させる中立位置復帰手段と、を備え、前記中立位置復帰手段は、前記ブームの下げ操作に応じて前記ブームが自重で降下する場合に、前記方向制御弁を中立位置に復帰させることを特徴とする。
更に、本発明に係る建設機械用油圧制御回路は、前記中立位置復帰手段が、前記方向制御弁のパイロットポートとパイロット圧を発生させるコントロールポンプとを接続する制御圧管路に配置される切換弁であり、前記切換弁が、第一状態において、前記パイロット圧を前記パイロットポートに伝え、第二状態において、前記パイロットポートにおける前記パイロット圧を解消させるようにしてもよい。
更に、本発明に係る建設機械用油圧制御回路は、前記中立位置復帰手段が、前記油圧シリンダの膨張室内の圧力が所定値未満となった場合に、前記方向制御弁の中立位置への復帰を禁止するようにしてもよい。
更に、本発明に係る建設機械用油圧制御回路は、前記方向制御弁及び前記ブーム下げ用制御弁が、バルブユニットの内部に配置されるようにしてもよい。
更に、本発明に係る建設機械用油圧制御回路は、前記ブーム下げ用制御弁が、前記方向制御弁と直列に配置されるようにしてもよい。
更に、本発明に係る建設機械用油圧制御回路は、前記方向制御弁が、第一速ブーム方向制御弁及び第二速ブーム方向制御弁を含み、前記ブーム下げ用制御弁が、前記第二速ブーム方向制御弁に組み込まれるようにしてもよい。
上述の手段により、本発明は、腕体を自重で降下させる場合に油圧ポンプの吐出量を低下させることとしながら、更なる燃費の向上を実現させる建設機械用油圧制御回路を提供することができる。
本発明に係る建設機械用油圧制御回路が搭載される油圧ショベルの構成例を示す図である。 本発明に係る建設機械に搭載される油圧制御回路の油圧回路図(その1)である。 本実施例のブーム方向制御弁と従来のブーム方向制御弁との間の違いを説明するための図である。 待機モードにおける油圧制御回路の状態を示す図(その1)である。 掘削のために負荷に逆らってブームを下げ方向に操作するときの油圧制御回路の状態を示す図(その1)である。 ブームを自重で降下させるときの油圧制御回路の状態を示す図(その1)である。 弁状態切換処理の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る建設機械に搭載される油圧制御回路の油圧回路図(その2)である。 待機モードにおける油圧制御回路の状態を示す図(その2)である。 掘削のために負荷に逆らってブームを下げ方向に操作するときの油圧制御回路の状態を示す図(その2)である。 ブームを自重で降下させるときの油圧制御回路の状態を示す図(その2)である。 ブームを迅速に上昇させるときの油圧制御回路の状態を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明に係る建設機械用油圧制御回路が搭載される油圧ショベルの構成例を示す図である。図1において、油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2の上に、旋回機構を介して、上部旋回体3をX軸周りに旋回自在に搭載している。
また、上部旋回体3は、前方中央部に、ブーム4、アーム5及びバケット6、並びに、これらを駆動する油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ7、アームシリンダ8及びバケットシリンダ9から構成される掘削アタッチメントを備える。
図2は、本発明に係る建設機械に搭載される油圧制御回路の油圧回路図であり、圧油管路を実線で示し、制御圧管路を破線で示し、制御電流線を斜線付きの線で示す。
油圧制御回路100は、エンジン又は電動モータによって駆動される、一回転当たりの吐出量(cc/rev)が可変である二つの油圧ポンプ10L、10Rから、方向制御弁11L、12L、13L及び15Lを連通するセンターバイパス管路30L、又は、方向制御弁11R、12R、13R、14及び15R、並びにブーム下げ用制御弁56を連通するセンターバイパス管路30Rを経て圧油タンク22まで圧油を循環させる。
方向制御弁11Lは、油圧ポンプ10Lが吐出する圧油を走行用油圧モータ42Lで循環させるために圧油の流れを切り換えるスプール弁(左走行モータ方向制御弁)である。
方向制御弁11Rは、走行直進弁であり、下部走行体2を駆動する走行用油圧モータ42L、42Rと、上部旋回体3の何れかの油圧アクチュエータ(例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9又は旋回用油圧モータ44である。)とが同時に操作された場合に、下部走行体2の直進性を高めるために油圧ポンプ10Lから左右の走行用油圧モータ42L、42Rの双方に圧油を循環させるために圧油の流れを切り換えるスプール弁である。
方向制御弁12Lは、油圧ポンプ10Lが吐出する圧油を旋回用油圧モータ44で循環させるために圧油の流れを切り換えるスプール弁(旋回モータ方向制御弁)であり、方向制御弁12Rは、油圧ポンプ10Rが吐出する圧油を走行用油圧モータ42Rで循環させるために圧油の流れを切り換えるスプール弁(右走行モータ方向制御弁)である。
方向制御弁13L、13Rはそれぞれ、油圧ポンプ10L、10Rが吐出する圧油をブームシリンダ7へ供給し、また、ブームシリンダ7内の圧油を圧油タンク22へ排出するために圧油の流れを切り換えるスプール弁であり、方向制御弁13Rは、ブーム操作レバー50が操作された場合に作動するスプール弁(以下、「第一速ブーム方向制御弁13R」とする。)であり、方向制御弁13Lは、ブーム操作レバー50が所定操作量以上で上げ方向に操作された場合に油圧ポンプ10Lの吐出する圧油をブームシリンダ7のボトムチャンバに合流させるためのスプール弁(以下、「第二速ブーム方向制御弁13L」とする。)である。
方向制御弁14は、油圧ポンプ10Rが吐出する圧油をバケットシリンダ9へ供給し、また、バケットシリンダ9内の圧油を圧油タンク22へ排出するためのスプール弁(バケット方向制御弁)である。
方向制御弁15L、15Rはそれぞれ、油圧ポンプ10L、10Rが吐出する圧油をアームシリンダ8へ供給し、また、アームシリンダ8内の圧油を圧油タンク22へ排出するために圧油の流れを切り換えるスプール弁であり、方向制御弁15Lは、アーム操作レバーが操作された場合に作動するスプール弁(以下、「第一速アーム方向制御弁15L」とする。)であり、方向制御弁15Rは、アーム操作レバーが所定操作量以上で操作された場合に油圧ポンプ10Rの吐出する圧油をアームシリンダ8に合流させるためのスプール弁(以下、「第二速アーム方向制御弁15R」とする。)である。
なお、方向制御弁11L、12L、13L及び15L、並びに、方向制御弁11R、12R、13R、14及び15Rは、バルブユニット内に纏めて格納されているものとする。
センターバイパス管路30L、30Rは、それぞれ、最も下流にある方向制御弁15L、15Rと圧油タンク22との間にネガティブコントロール絞り20L、20Rを備え、油圧ポンプ10L、10Rが吐出した圧油の流れを制限することにより、ネガティブコントロール絞り20L、20Rの上流において、油圧ポンプ10L、10R用の各レギュレータ(油圧ポンプの吐出量を変化させる装置である。)を制御するための制御圧(ネガティブコントロール圧)を発生させる管路である。
破線で示される制御圧管路32L、32Rは、ネガティブコントロール絞り20L、20Rの上流で発生させたネガティブコントロール圧を油圧ポンプ10L、10R用の各レギュレータに伝達するためのネガティブコントロール圧管路である。
油圧ショベル1における何れの油圧アクチュエータも利用されていない場合(以下、「待機モード」とする。)、油圧ポンプ10L、10Rが吐出する圧油は、センターバイパス管路30L、30Rを通ってネガティブコントロール絞り20L、20Rに至り、ネガティブコントロール絞り20L、20Rの上流で発生するネガティブコントロール圧を増大させる。
その結果、油圧ポンプ10L、10Rは、その吐出量を減少させることで、吐出した圧油がセンターバイパス管路30L、30Rを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制するようにする。
一方、油圧ショベル1における何れかの油圧アクチュエータが利用された場合、油圧ポンプ10L、10Rが吐出する圧油は、その油圧アクチュエータに対応する方向制御弁を介してその油圧アクチュエータに流れ込み、ネガティブコントロール絞り20L、20Rに至る量を減少或いは消滅させ、ネガティブコントロール絞り20L、20Rの上流で発生するネガティブコントロール圧を低下させる。
その結果、油圧ポンプ10L、10Rは、その吐出量を増大させ、各油圧アクチュエータに十分な圧油を循環させ、各アクチュエータの駆動を確かなものとする。
上述のような構成により、油圧制御回路100は、待機モードにおいては、油圧ポンプ10L、10Rにおける無駄なエネルギー消費(油圧ポンプ10L、10Rの吐出する圧油がセンターバイパス管路30L、30Rで発生させるポンピングロス)を抑制しながらも、各種油圧アクチュエータを作動させる場合には、油圧ポンプ10L、10Rから必要十分な圧油を各油圧アクチュエータに供給できるようにする。
ブーム操作レバー50は、コントロールポンプ52が吐出する圧油を利用してレバー操作量に応じた制御圧を第一速ブーム方向制御弁13Rのパイロットポート、及び第二速ブーム方向制御弁13Lのパイロットポートに導入させるための装置である。なお、図示されていないが、アーム操作レバー、バケット操作レバー、又は旋回操作レバー等の他の操作レバーも同様の構成を有するものとする。
コントロールポンプ52は、制御用圧油を吐出するための油圧ポンプであり、所定の吐出圧(例えば、4MPaである。)で制御用圧油を継続的に吐出する固定容量型の油圧ポンプである。
メインコントローラ54は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータであり、中立位置復帰手段に対応するプログラムをROMに記憶しながら、中立位置復帰手段に対応する処理をCPUに実行させる。
また、メインコントローラ54は、ブーム操作レバー50を上げ(ブーム上昇)方向に操作した場合に発生する制御圧を測定する圧力センサP1、及び、ブーム操作レバー50を下げ(ブーム下降)方向に操作した場合に発生する制御圧を測定する圧力センサP2の出力に基づいてブーム操作レバー50のレバー操作方向及びレバー操作量を検出する。他の操作レバーについても同様である。
更に、メインコントローラ54は、ブームシリンダ7のボトムチャンバ内の圧力を測定する圧力センサP3の出力に基づいてブーム4が自重で降下しているか否かを判定する。この判定は、ブーム4が自重で降下する場合にブームシリンダ7のボトムチャンバ内の圧力が所定圧以上になるという事実に基づく。アームシリンダ8のロッドチャンバ内の圧力を測定してアーム5の自重降下の有無を判定する場合や、バケットシリンダ9のボトムチャンバ又はロッドチャンバ内の圧力を測定してバケット6の自重降下の有無を判定する場合についても同様である。
更に、メインコントローラ54は、ブームシリンダ7のロッドチャンバ内の圧力を測定する圧力センサP4の出力に基づいてブームシリンダ7のロッドチャンバ内におけるキャビテーション発生の有無を判定する。この判定は、ブームシリンダ7のロッドチャンバ内の圧力が所定圧未満になるとキャビテーションを発生させるおそれがあることに基づく。アームシリンダ8のボトムチャンバ内の圧力を測定してアームシリンダ8のボトムチャンバ内におけるキャビテーション発生の有無を判定する場合や、バケットシリンダ9のボトムチャンバ又はロッドチャンバ内の圧力を測定してバケットシリンダ9のボトムチャンバ又はロッドチャンバ内におけるキャビテーション発生の有無を判定する場合についても同様である。
中立位置復帰手段は、油圧シリンダを循環する圧油の流れを制御する方向制御弁を中立位置に復帰させるための手段であり、例えば、第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポート(ブーム4を下降させる際に用いられるパイロットポートである。)とコントロールポンプ52との間の制御圧管路上に設置された切換弁55を制御して第一速ブーム方向制御弁13Rのパイロットポートに導入された制御圧(パイロット圧)を取り除くようにする。
切換弁55は、メインコントローラ54が出力する制御電流に応じて状態を切り替えるソレノイドバルブであり、例えば、第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートとコントロールポンプ52との間の制御圧管路を開通させる第一状態と、その制御圧管路を遮断しながら第一パイロットポートに掛かるパイロット圧を解消させる第二状態とを切り替えられるようにする。
なお、第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートとコントロールポンプ52との間の制御圧管路にはブーム操作レバー50が設置されており、ブーム操作レバー50が下げ方向に操作された場合にその制御圧管路内の制御圧が上昇する。
ブーム下げ用制御弁56は、ブーム操作レバー50のレバー操作量に応じた制御圧を第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに導入させる制御圧管路から分岐する追加的な制御圧管路を介して導入される制御圧(ブーム操作レバー50のレバー操作量に応じた制御圧に等しい。)に応じて状態を切り替える2ポジション6ポートのスプール弁であり、ブーム操作レバー50が下げ方向に操作されその制御圧管路内の制御圧が所定値以上となった場合に、ブームシリンダ7のボトムチャンバとそのロッドチャンバとを直接的に繋ぐ再生管路を開通させる第一状態と、その制御圧管路内の制御圧が所定値未満の場合にその再生管路を遮断する第二状態とを切り替えられるようにする。
また、ブーム下げ用制御弁56は、第一状態及び第二状態の何れにおいても、センターバイパス管路30Rを開通させるためのポートを備えており、常に、センターバイパス管路30Rを遮断することがない。
図3は、本実施例のブーム方向制御弁と従来のブーム方向制御弁との間の違いを説明するための図であり、図3(A)が本実施例の第一速ブーム方向制御弁13Rを示し、図3(B)が従来のブーム方向制御弁130を示す。
本実施例の第一速ブーム方向制御弁13R及び従来のブーム方向制御弁130は共に、上げ操作時位置、中立位置、下げ操作時位置の三つの切換位置を有する3ポジション6ポートのスプール弁であり、従来のブーム方向制御弁130が、下げ操作時位置において、P−C開口(油圧ポンプとブームシリンダとを繋ぐ圧油管路を開通させるスプール上のポート)及びC−T開口(ブームシリンダと圧油タンクとを繋ぐ圧油管路を開通させるスプール上のポート)のそれぞれに絞り131、132を有し、且つ、P−C開口とC−T開口とを繋ぐ逆止弁を備えた管路133を有する点で、本実施例の第一速ブーム方向制御弁13Rと相違する。
従来のブーム方向制御弁130における絞り131は、腕体の複合動作(例えば、ブーム及びバケットの同時操作である。)を円滑に行うために必要なものであり、この絞りが無ければ、複合動作中にブームを自重で降下させブームシリンダのロッドチャンバの圧力が急激に低くなると油圧ポンプからの圧油がそのロッドチャンバに集中的に流れ込んでしまい、バケットシリンダに流れ込む圧油の量が著しく減少してしまうこととなる。
本実施例に係る油圧制御回路100は、切換弁55を備えることで、従来のブーム方向制御弁130における絞り131が担う機能を不要としている。ブーム4を自重で降下させる場合に第一速ブーム方向制御弁13Rを中立位置とし第一速ブーム方向制御弁13Rとブームシリンダ7とを繋ぐ圧油管路を遮断することで、複合動作中に油圧ポンプ10Rからの圧油がブームシリンダ7のロッドチャンバに流れ込んでしまうのを完全に防止できるためである。
また、従来のブーム方向制御弁130における絞り132及び管路133は、再生管路を形成するために必要なものであり、ブームシリンダのボトムチャンバから圧油タンクに流れる圧油の流れを絞り132で絞ることによりそのボトムチャンバから管路133を経てロッドチャンバに戻る流れを生じさせるようにしている。
本実施例に係る油圧制御回路100は、従来のブーム方向制御弁130における絞り132及び管路133に対応する構造を本実施例におけるブーム下げ用制御弁56に備えることによって、本実施例の第一速ブーム方向制御弁13Rから、従来のブーム方向制御弁130における絞り132及び管路133に対応する構造を取り除くようにしている。
次に、図4〜図6を参照しながら、ブーム4を下げ方向に操作する場合における油圧制御回路100の動作について説明する。
図4〜図6は、図2の油圧回路図からブーム4の操作に関連する構成要素を選択的に抽出した油圧制御回路100の油圧回路図であり、図4は、待機モードにおける状態を示し、図5は、掘削のために負荷に逆らってブーム4を下げ方向に操作するときの状態を示し、図6は、ブーム4を自重で降下させるときの状態を示す。
図4において、メインコントローラ54は、圧力センサP1、P2の出力に基づいてブーム操作レバー50が操作されていないことを検出しており、切換弁55に制御電流を供給していない。
そのため、切換弁55は、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧を第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに伝えられる第一状態にある。
また、ブーム下げ用制御弁56は、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧を受けていないため、再生管路を遮断する第二状態にある。
更に、第一速ブーム方向制御弁13Rは、中立位置にあり、センターバイパス管路30Rを通じて油圧ポンプ10Rが吐出する圧油をネガティブコントロール絞り20Rに到達させ油圧ポンプ10Rの吐出量を低減させている。
一方、図5において、メインコントローラ54は、圧力センサP2の出力に基づいてブーム操作レバー50が下げ方向に操作されたことを検出し、且つ、圧力センサP3の出力に基づいてブームシリンダ7のボトムチャンバ内の圧力が所定値未満であることを検出すると、ブーム4が掘削のために負荷に逆らって下げ方向に動作しているものと判定し、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧が第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに伝わるよう切換弁55に制御電流を供給しないようにする。
また、第一速ブーム方向制御弁13Rは、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧を第一パイロットポートで受けて下げ操作時位置となり、パラレル管路31Rを介して油圧ポンプ10Rが吐出する圧油をブームシリンダ7のロッドチャンバに流入させ、且つ、ブームシリンダ7のボトムチャンバから流出する圧油を圧油タンク22に排出させる。
なお、ブーム下げ用制御弁56は、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧を受けて再生管路を開通させる第一状態となるが、第一速ブーム方向制御弁13Rが下げ操作時位置にあるため、ブームシリンダ7のロッドチャンバの圧力がそのボトムチャンバの圧力よりも高くなっており逆止弁によってその再生管路を遮断する。
また、ブームシリンダ7のボトムチャンバから流出する圧油の大部分は、絞りによる抵抗がない第一速ブーム方向制御弁13RのC−T開口を経て圧油タンク22に排出される。
これにより、油圧制御回路100は、掘削のために負荷に逆らってブーム4を下げ方向に操作するときには、油圧ポンプ10Rが吐出する圧油を何れの絞りを経ることもなくブームシリンダ7に流入させることができ、且つ、ブームシリンダ7から流出する圧油を何れの絞りを経ることもなく圧油タンク22に排出させることができるので、不要な圧力損失を発生させることがない。
更に、図6において、メインコントローラ54は、圧力センサP2の出力に基づいてブーム操作レバー50が下げ方向に操作されたことを検出し、且つ、圧力センサP3の出力に基づいてブームシリンダ7のボトムチャンバ内の圧力が所定値以上であることを検出すると、ブーム4が自重で下げ方向に動作しているものと判定し、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧が第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに伝わらないよう切換弁55に制御電流を供給する。
切換弁55は、第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートとコントロールポンプ52との間の制御圧管路を遮断しながらその第一パイロットポートに掛かるパイロット圧を解消させる第二状態となり、その第一パイロットポートでパイロット圧を発生させている圧油があればその圧油を圧油タンク22に排出する。
その結果、第一速ブーム方向制御弁13Rは、第一パイロットポートにおける制御圧(ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧である。)が取り除かれることで中立位置となり、ブームシリンダ7との間の圧油のやり取りを遮断しながら、センターバイパス管路30Rを通じて油圧ポンプ10Rが吐出する圧油をネガティブコントロール絞り20Rに到達させ油圧ポンプ10Rの吐出量を低減させるようにする。
ブーム下げ用制御弁56は、図5の場合と同様、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧を受けて再生管路を開通させる第一状態となり、ブームシリンダ7のボトムチャンバから流出する圧油をブームシリンダ7のロッドチャンバに再生させる。第一速ブーム方向制御弁13Rが中立位置となり、ブームシリンダ7と第一速ブーム方向制御弁13Rとの間の圧油のやり取りが遮断されるからである。
これにより、油圧制御回路100は、ブーム4を自重で降下させるときには、油圧ポンプ10Rの吐出量を低減させ、燃費を向上させることができる。
なお、メインコントローラ54は、ブーム4を自重で降下させる場合であっても、圧力センサP4の出力に基づいてブームシリンダ7におけるロッドチャンバ内の圧力が所定値未満であることを検出した場合にはキャビテーションが発生するおそれがあると判定し、切換弁55への制御電流の供給を中止して、図5に示す状態を現出させるようにする。ブームシリンダ7のロッドチャンバに十分な圧油を供給できるよう、油圧ポンプ10Rが吐出する圧油をブームシリンダ7のロッドチャンバに流入させるためである。
次に、図7を参照しながら、メインコントローラ54が切換弁55の状態を切り替える処理(以下、「弁状態切換処理」とする。)について説明する。なお、図7は、弁状態切換処理の流れを示すフローチャートであり、メインコントローラ54は、この弁状態切換処理を所定周期で繰り返し実行するものとする。
最初に、メインコントローラ54は、ブーム操作レバー50が下げ方向に操作されたか否かを判定するために、圧力センサP2の出力と閾値TH1とを比較する(ステップS1)。
圧力センサP2の出力が閾値TH1未満でありブーム操作レバー50が下げ方向に操作されていないと判定すると(ステップS1のNO)、メインコントローラ54は、切換弁55に制御電流を供給することなく弁状態切換処理を終了させる(ステップS5)。
これにより、切換弁55は、ブーム操作レバー50のレバー操作量に応じた制御圧をいつでも第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに導入させることができるように制御圧管路を開通させる第一状態となる。
一方、圧力センサP2の出力が閾値TH1以上でありブーム操作レバー50が下げ方向に操作されたと判定すると(ステップS1のYES)、メインコントローラ54は、圧力センサP3の出力(ブームシリンダ7のボトムチャンバ内の圧力)と閾値TH2とを比較してブーム4が自重で降下しているか、或いは、負荷に逆らって動作しているかを判定し、更に、圧力センサP4の出力(ブームシリンダ7のロッドチャンバ内の圧力)と閾値TH3とを比較してブームシリンダ7のロッドチャンバ内でキャビテーション発生のおそれがあるか否かを判定する(ステップS2)。
ブーム4が自重で降下しており、且つ、キャビテーション発生のおそれが無いと判定すると(ステップS2のYES)、メインコントローラ54は、切換弁55に制御電流を供給する。
これにより、切換弁55は、ブーム操作レバー50のレバー操作量に応じた制御圧を第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに導入させないように制御圧管路を遮断しながら第一パイロットポートに掛かるパイロット圧を解消させる第二状態となる。
また、ブーム4が負荷に逆らって動作していると判定するか、或いは、ブーム4が自重で降下してはいるがキャビテーション発生のおそれがあると判定すると(ステップS2のNO)、メインコントローラ54は、切換弁55には制御電流を供給しないようにする。
これにより、切換弁55は、ブーム操作レバー50のレバー操作量に応じた制御圧を第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに導入させるように制御圧管路を開通させる第一状態となる。
以上の構成により、油圧制御回路100は、ブーム4を自重で降下させる場合には第一速ブーム方向制御弁13Rを経由しない再生管路を用い第一速ブーム方向制御弁13Rを中立位置のままとすることにより油圧ポンプ10L、10Rの吐出量を低下させることとしながらも、第一速ブーム方向制御弁13RのP−C開口に絞りを配置しない構成(従来よりも大きなP−C開口径を有する構成)を採ることで掘削時のように負荷に逆らってブーム4を動作させる場合にも(従来のブーム方向制御弁130におけるP−C開口で発生させていた)余分な圧力損失を発生させないようにし、更なる燃費の向上を実現させることができる。
また、油圧制御回路100は、ブーム4を自重で降下させる場合には第一速ブーム方向制御弁13Rを経由しない再生管路を用いることにより、例えばバケット6との複合操作の場合には、バケット6の操作を油圧ポンプ10Rが吐出する圧油で行い、ブーム4の操作を再生管路の圧油で行うこととなるので、バケット6の操作の独立性を高めることができる。
次に、図8〜図12を参照しながら、本発明に係る油圧制御回路の別の実施例について説明する。
図8〜図12に示す油圧制御回路200は、ブーム下げ用制御弁56を第二速ブーム方向制御弁13LA内に組み込んだ点で油圧制御回路100と相違するが、他の点において共通する。
なお、図8は、油圧制御回路200の全体図を示し、図9〜図12は、図8からブーム4の操作に関連する構成要素を選択的に抽出した油圧制御回路200の部分的な油圧回路図を示す。また、図9は、待機モードにおける状態を示し、図10は、掘削のために負荷に逆らってブーム4を下げ方向に操作するときの状態を示し、図11は、ブーム4を自重で降下させるときの状態を示し、図12は、第一速ブーム方向制御弁13R及び第二速ブーム方向制御弁13LAの双方を用いてブーム4を迅速に上昇させるときの状態を示す。
第二速ブーム方向制御弁13LAは、ブーム操作レバー50が下げ方向に操作された場合にブームシリンダ7のボトムチャンバとそのロッドチャンバとを直接的に繋ぐ再生管路を開通させる下げ操作時位置と、ブーム操作レバー50が操作されていない場合或いはブーム操作レバー50が所定操作量未満で上げ方向に操作された場合にセンターバイパス管路30Lを開通させながらその再生管路を遮断する中立位置と、ブーム操作レバー50が所定操作量以上で上げ方向に操作された場合に油圧ポンプ10Lの吐出する圧油をブームシリンダ7のボトムチャンバに合流させる上げ操作時位置とを切り替えるための3ポジション6ポートのスプール弁である。
図9において、メインコントローラ54は、圧力センサP1、P2の出力に基づいてブーム操作レバー50が操作されていないことを検出しており、切換弁55に制御電流を供給していない。
そのため、切換弁55は、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧を第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに伝えられる第一状態にある。
また、第一速ブーム方向制御弁13Rは、中立位置にあり、センターバイパス管路30Rを通じて油圧ポンプ10Rが吐出する圧油をネガティブコントロール絞り20Rに到達させ油圧ポンプ10Rの吐出量を低減させている。
同様に、第二速ブーム方向制御弁13LAは、中立位置にあり、センターバイパス管路30Lを通じて油圧ポンプ10Lが吐出する圧油をネガティブコントロール絞り20Lに到達させ油圧ポンプ10Lの吐出量を低減させている。
一方、図10において、メインコントローラ54は、圧力センサP2の出力に基づいてブーム操作レバー50が下げ方向に操作されたことを検出し、且つ、圧力センサP3の出力に基づいてブームシリンダ7のボトムチャンバ内の圧力が所定値未満であることを検出すると、ブーム4が掘削のために負荷に逆らって下げ方向に動作しているものと判定し、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧が第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに伝わるよう切換弁55に制御電流を供給しないようにする。
また、第一速ブーム方向制御弁13Rは、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧を第一パイロットポートで受けて下げ操作時位置となり、パラレル管路31Rを介して油圧ポンプ10Rが吐出する圧油をブームシリンダ7のロッドチャンバに流入させ、且つ、ブームシリンダ7のボトムチャンバから流出する圧油を圧油タンク22に排出させる。
なお、第二速ブーム方向制御弁13LAは、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧をその第一パイロットポート(ブーム4を下降させる際に用いられるパイロットポートである。)で受けて再生管路を開通させる下げ操作時位置となるが、第一速ブーム方向制御弁13Rが下げ操作時位置にあるため、ブームシリンダ7のロッドチャンバの圧力がそのボトムチャンバの圧力よりも高くなっており逆止弁によってその再生管路を遮断する。
また、ブームシリンダ7のボトムチャンバから流出する圧油の大部分は、絞りによる抵抗がない第一速ブーム方向制御弁13RのC−T開口を経て圧油タンク22に排出される。
これにより、油圧制御回路200は、掘削のために負荷に逆らってブーム4を下げ方向に操作するときには、油圧ポンプ10Rが吐出する圧油を何れの絞りを経ることもなくブームシリンダ7に流入させることができ、且つ、ブームシリンダ7から流出する圧油を何れの絞りを経ることもなく圧油タンク22に排出させることができるので、不要な圧力損失を発生させることがない。
更に、図11において、メインコントローラ54は、圧力センサP2の出力に基づいてブーム操作レバー50が下げ方向に操作されたことを検出し、且つ、圧力センサP3の出力に基づいてブームシリンダ7のボトムチャンバ内の圧力が所定値以上であることを検出すると、ブーム4が自重で下げ方向に動作しているものと判定し、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧が第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに伝わらないよう切換弁55に制御電流を供給する。
切換弁55は、第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートとコントロールポンプ52との間の制御圧管路を遮断しながらその第一パイロットポートに掛かるパイロット圧を解消させる第二状態となり、その第一パイロットポートでパイロット圧を発生させている圧油があればその圧油を圧油タンク22に排出する。
その結果、第一速ブーム方向制御弁13Rは、第一パイロットポートにおける制御圧(ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧である。)が取り除かれることで中立位置となり、ブームシリンダ7との間の圧油のやり取りを遮断しながら、センターバイパス管路30Rを通じて油圧ポンプ10Rが吐出する圧油をネガティブコントロール絞り20Rに到達させ油圧ポンプ10Rの吐出量を低減させるようにする。
第二速ブーム方向制御弁13LAは、図10の場合と同様、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧を受けて再生管路を開通させる下げ操作時位置となり、ブームシリンダ7のボトムチャンバから流出する圧油をブームシリンダ7のロッドチャンバに再生させる。第一速ブーム方向制御弁13Rが中立位置となり、ブームシリンダ7と第一速ブーム方向制御弁13Rとの間の圧油のやり取りが遮断されるからである。
これにより、油圧制御回路200は、ブーム4を自重で降下させるときには、油圧ポンプ10Rの吐出量を低減させ、燃費を向上させることができる。
なお、メインコントローラ54は、ブーム4を自重で降下させる場合であっても、圧力センサP4の出力に基づいてブームシリンダ7におけるロッドチャンバ内の圧力が所定値未満であることを検出した場合にはキャビテーションが発生するおそれがあると判定し、切換弁55への制御電流の供給を中止して、図10に示す状態を現出させるようにする。ブームシリンダ7のロッドチャンバに十分な圧油を供給できるよう、油圧ポンプ10Rが吐出する圧油をブームシリンダ7のロッドチャンバに流入させるためである。
更に、図12において、メインコントローラ54は、圧力センサP1の出力に基づいてブーム操作レバー50が上げ方向に操作されたことを検出すると、ブーム操作レバー50が下げ方向に操作されていないと判定し、ブーム操作レバー50の下げ方向のレバー操作量に応じた制御圧をいつでも第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに導入させることができるように切換弁55に制御電流を供給しないようにする。
そのため、切換弁55は、ブーム操作レバー50を下げ方向に操作した場合に発生する制御圧を第一速ブーム方向制御弁13Rの第一パイロットポートに伝えられる第一状態にある。
また、第一速ブーム方向制御弁13Rは、ブーム操作レバー50を上げ方向に操作した場合に発生する制御圧をその第二パイロットポート(ブーム4を上昇させる際に用いられるパイロットポートである。)で受けて上げ操作時位置となり、油圧ポンプ10Rの吐出する圧油をブームシリンダ7のボトムチャンバに流入させる。
同様に、第二速ブーム方向制御弁13LAは、ブーム操作レバー50を所定操作量以上で上げ方向に操作した場合に発生する制御圧をその第二パイロットポートで受けて上げ操作時位置となり、油圧ポンプ10Lの吐出する圧油をブームシリンダ7のボトムチャンバに合流させる。
これにより、油圧制御回路200は、ブーム操作レバー50が所定操作量以上で上げ方向に操作されたときには、油圧ポンプ10L及び10Rの双方が吐出する圧油を用いてブーム4を迅速に上昇させることができる。
このように、油圧制御回路200は、油圧制御回路100における有利な効果を全て実現しながらも、ブーム下げ用制御弁を第二速ブーム方向制御弁13LAに組み込むことで、油圧制御回路100に比べて、よりシンプルで且つ省スペースな設計を可能にする。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例において、メインコントローラ54は、各種圧力センサの出力に基づいて自重降下を含めたブーム4の動作内容を判定しそのブーム4の動作内容に応じて油圧制御回路内の圧油の流れを最適化するが、その代わりに或いはそれに加えて、各種圧力センサの出力に基づいてアーム5又はバケット6の動作内容を判定しそれらアーム5又はバケット6の動作内容に応じて油圧制御回路内の圧油の流れを最適化するようにしてもよい。
1・・・油圧ショベル 2・・・下部走行体 3・・・上部旋回体 4・・・ブーム 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・ブームシリンダ 8・・・アームシリンダ 9・・・バケットシリンダ 10L、10R・・・油圧ポンプ 11L・・・左走行モータ方向制御弁 11R・・・走行直進弁 12L・・・旋回モータ方向制御弁 12R・・・右走行モータ方向制御弁 13L、13LA・・・第二速ブーム方向制御弁 13R・・・第一速ブーム方向制御弁 14・・・バケット方向制御弁 15L・・・第一速アーム方向制御弁 15R・・・第二速アーム方向制御弁 20L、20R・・・ネガティブコントロール絞り 22・・・圧油タンク 30L、30R・・・センターバイパス管路 31L、31R・・・パラレル管路 32L、32R・・・ネガティブコントロール圧管路 42L、42R・・・走行用油圧モータ 44・・・旋回用油圧モータ 50・・・ブーム操作レバー 52・・・コントロールポンプ 54・・・メインコントローラ 55・・・切換弁 56・・・ブーム下げ用制御弁 100、200・・・油圧制御回路 P1〜P4・・・圧力センサ TH1〜TH3・・・閾値

Claims (6)

  1. ネガティブコントロール絞りで発生する制御圧に応じて吐出量を増減させる油圧ポンプとブームを作動させる油圧シリンダを循環する圧油の流れを制御する方向制御弁とを含むネガティブコントロール式の建設機械用油圧制御回路であって、
    前記油圧シリンダの膨張室と縮小室とを接続する再生管路を有し、該再生管路を前記ブームの下げ操作に応じて開通させるブーム下げ用制御弁と、
    前記油圧シリンダの縮小室内の圧力が所定値以上となった場合に、前記方向制御弁を中立位置に復帰させる中立位置復帰手段と、を備え、
    前記中立位置復帰手段は、前記ブームの下げ操作に応じて前記ブームが自重で降下する場合に、前記方向制御弁を中立位置に復帰させる、
    ことを特徴とする建設機械用油圧制御回路。
  2. 前記中立位置復帰手段は、前記方向制御弁のパイロットポートとパイロット圧を発生させるコントロールポンプとを接続する制御圧管路に配置される切換弁であり、
    前記切換弁は、第一状態において、前記パイロット圧を前記パイロットポートに伝え、第二状態において、前記パイロットポートにおける前記パイロット圧を解消させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建設機械用油圧制御回路。
  3. 前記中立位置復帰手段は、前記油圧シリンダの膨張室内の圧力が所定値未満となった場合に、前記方向制御弁の中立位置への復帰を禁止する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の建設機械用油圧制御回路。
  4. 前記方向制御弁及び前記ブーム下げ用制御弁は、バルブユニットの内部に配置される、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の建設機械用油圧制御回路。
  5. 前記ブーム下げ用制御弁は、前記方向制御弁と直列に配置される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の建設機械用油圧制御回路。
  6. 前記方向制御弁は、第一速ブーム方向制御弁及び第二速ブーム方向制御弁を含み、
    前記ブーム下げ用制御弁は、前記第二速ブーム方向制御弁に組み込まれる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の建設機械用油圧制御回路。
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