JP2010236429A - 過給機付き直噴エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】燃費を改善しつつNOx排出量をより効果的に低減する。
【解決手段】吸入空気を加圧する過給機(25,30)と、燃焼室5に直接燃料を噴射するインジェクタ10とを備えた本発明のエンジンでは、少なくともエンジンの温間時における理論空燃比に対する空気過剰率λが、エンジン負荷の全域でλ=2以上に設定され、エンジンの低負荷域では圧縮自己着火による燃焼が実行される一方、エンジンの高負荷域では、負荷の増大に伴い上記過給機(25,30)による過給量が増大されることで上記空気過剰率λがλ=2以上に維持される。
【選択図】図6

Description

本発明は、吸入空気を加圧する過給機と、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタとを備えた過給機付き直噴エンジンに関する。
従来、下記特許文献1に示されるように、吸入空気量が所定値以下の運転領域では予め定められたリーンな固定空燃比(例えば25前後)で運転され、吸入空気量が上記所定値を越えた運転領域では上記固定空燃比よりも大きい可変リーン空燃比で運転させるように構成された火花点火式のガソリンエンジンが知られている。
具体的に、下記特許文献1に開示されたガソリンエンジンでは、少なくとも上記可変リーン空燃比で運転される運転領域で、過給機を用いて吸入空気を加圧することにより、空燃比を上記固定空燃比よりもさらに増大させる(リーンにする)ようにしている。これにより、広範な運転域でリーンな空燃比が実現され、燃料消費量やNOx排出量がより低減されるという利点が得られる。
特開2005−30255号公報
ところで、上記特許文献1では、リーンな空燃比下で燃焼性をどのように確保するかという点について特に言及されていないが、火花点火式のガソリンエンジンにおいて希薄燃焼(リーンバーン)を実現させるには、インジェクタから燃焼室に直接燃料を噴射して成層燃焼を行わせることが多い。すなわち、インジェクタから燃焼室の内部に高圧の燃料を直接噴射し、噴射した燃料を点火プラグの近傍に片寄らせて燃焼可能な空燃比の層を形成することにより、燃焼室全体としてリーンな空燃比を実現させつつ燃焼性を確保するようにしている。
しかしながら、上記のように局所的にリッチな雰囲気を点火プラグ付近に形成することにより混合気を燃焼させるようにした場合には(成層燃焼)、燃焼温度が上昇してNOxの生成が促進されることにより、十分なNOx低減効果が得られなくなるという問題がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、燃費を改善しつつNOx排出量をより効果的に低減することが可能な過給機付き直噴エンジンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、吸入空気を加圧する過給機と、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタとを備えた過給機付き直噴エンジンであって、少なくともエンジンの温間時における理論空燃比に対する空気過剰率λが、エンジン負荷の全域でλ=2以上に設定され、エンジンの低負荷域では圧縮自己着火による燃焼が実行される一方、エンジンの高負荷域では、負荷の増大に伴い上記過給機による過給量が増大されることで上記空気過剰率λがλ=2以上に維持されることを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、エンジン負荷の全域でλ=2以上のリーンな空燃比が維持され、しかもエンジンの低負荷域では燃焼効率の高い圧縮自己着火燃焼が行われるようになっているため、燃料消費量を効果的に削減できるとともに、混合気の燃焼温度をエンジン負荷の全域で低めに抑えることにより、燃焼室から排出されるNOxの量をより効果的に低減できるという利点がある。
また、本発明は、吸入空気を加圧する過給機と、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタとを備えた過給機付き直噴エンジンであって、エンジンの圧縮比を可変的に設定する圧縮比調整手段と、筒内の燃焼圧力の上昇率を制御するdp/dθ制御手段とを備え、少なくともエンジンの温間時における空燃比が、エンジン負荷の全域で理論空燃比よりもリーンな空燃比に設定され、エンジンの低負荷域を含む第1の運転領域では、上記圧縮比調整手段により圧縮比が高めに設定された状態で圧縮自己着火による燃焼が行われる一方、上記第1の運転領域よりも高負荷側の第2の運転領域では、上記圧縮比調整手段により圧縮比が低めに設定されるとともに、上記dp/dθ制御手段により燃焼圧力の上昇率が緩和され、かつ上記過給機による過給量が増大された状態で、圧縮自己着火による燃焼が行われることを特徴とするものである(請求項2)。
本発明によれば、エンジンの低負荷域を含む第1の運転領域で、圧縮比を高くして燃焼室内の高温・高圧化を図ることにより、理論空燃比よりもリーンな空燃比下で燃焼効率の高い圧縮自己着火燃焼を行わせるようにしたため、燃料消費量を効果的に削減しつつ、混合気の燃焼温度を低く抑えて燃焼室から排出されるNOxの量をより低減することができる。一方、上記第1の運転領域よりも高負荷側の第2の運転領域では、過給量を増大させることにより実現されるリーンな空燃比下で圧縮自己着火燃焼を行わせることにより、燃料消費量やNOx排出量の低減を図りながら、負荷に応じた高いエンジン出力を適正に確保できるという利点がある。
また、第2の運転領域で圧縮自己着火燃焼を行わせる際に、圧縮比を低下させるとともに燃焼圧力の上昇率を緩和させるようにしたため、筒内温度・圧力の最大値を圧縮比に比例して低減できるとともに、燃焼圧力の急上昇を防止してそれにより生じる燃焼騒音(ディーゼルノックに似た大きな騒音)を効果的に防止できるという利点がある。
上記構成において、好ましくは、上記圧縮比調整手段は、吸気弁の閉じ時期を変更することで圧縮比を制御するものであり、上記第2の運転領域で圧縮比が低めに設定される際には、上記圧縮比調整手段により、上記吸気弁の閉じ時期が吸気下死点に対し多めにシフトされる(請求項3)。
この構成によれば、吸気弁の閉じ時期を変更するだけの比較的簡単な構成で、適正にエンジンの圧縮比を調整できるという利点がある。
また、上記構成において、好ましくは、上記dp/dθ制御手段は、上記インジェクタからの燃料の噴射時期を変更することで燃焼圧力の上昇率を制御するものであり、上記第2の運転領域で上記燃焼圧力の上昇率が緩和される際には、上記dp/dθ制御手段により、上記燃料の噴射時期が混合気の燃焼を緩慢化させるような時期に変更される(請求項4)。
この構成によれば、燃料の噴射時期を変更して燃焼を緩慢化させることにより、燃焼圧力の上昇率を適正に緩和して燃焼騒音の発生を効果的に防止できるという利点がある。
この場合、より好ましくは、上記第2の運転領域で上記燃焼圧力の上昇率が緩和される際に、上記dp/dθ制御手段により燃焼の噴射時期が複数回に分割される(請求項5)。
このように、燃料を複数回に分割して噴射するようにした場合には、複数回の圧縮自己着火燃焼が連続的に引き起こされるため、トータルとして大きな燃焼エネルギーを生じさせて負荷に応じた適正なエンジン出力を確保しながら、燃焼圧力が急激に上昇することにより生じる燃焼騒音を効果的に防止できるという利点がある。
本発明において、好ましくは、エンジンの低負荷域では、負荷の増大に伴い、理論空燃比に対する空気過剰率λがλ=2以上の範囲で徐々にリッチ側に変更され、エンジンの高負荷域では、上記インジェクタからの燃料の噴射量が増大されかつ上記過給機による過給量が増大されることにより、上記空気過剰率λがλ=2以上に維持される(請求項6)。
この構成によれば、エンジン負荷の全域でλ=2以上のリーンな空燃比を維持しつつ、燃料噴射量や過給量の制御によりエンジン負荷に応じた適正なエンジン出力を確保できるという利点がある。
以上説明したように、本発明の過給機付き直噴エンジンによれば、燃費を改善しつつNOx排出量をより効果的に低減することができる。
本発明の一実施形態にかかる過給機付き直噴エンジンの全体構成を示す図である。 エンジン本体の断面図である。 上記エンジンの制御系を示すブロック図である。 上記エンジンの制御時に参照される制御マップの一例を示す図である。 エンジン負荷に応じた有効圧縮比の変化を示す図である。 エンジン負荷に応じた空燃比の変化を示す図である。 エンジン負荷に応じた過給量の変化を示す図である。 燃料を一括で噴射した場合に生じる燃焼圧力の変化を示す図であり、(a)が燃料噴射量を、(b)が燃焼圧力をそれぞれ示している。 燃料を2回に分割して噴射した場合に生じる燃焼圧力の変化を示す図であり、(a)が燃料噴射量を、(b)が燃焼圧力をそれぞれ示している。 燃料を3回に分割して噴射した場合に生じる燃焼圧力の変化を示す図であり、(a)が燃料噴射量を、(b)が燃焼圧力をそれぞれ示している。 図6〜図10に示したような圧縮比や空燃比、過給量、噴射時期等の制御により実現される燃焼の形態を負荷と燃焼期間との関係で示す図である。 過給機を備えない自然吸気エンジンにおいて圧縮自己着火による燃焼が可能な領域を示す図である。 高負荷域で燃焼を一括噴射した場合に生じる燃焼圧力の上昇率を示す図である。 本発明の他の実施形態を説明するための図である。
図1は、本発明の一実施形態にかかる過給機付き直噴エンジンの全体構成を示す図であり、図2は、そのエンジン本体1の具体的構成を示す断面図である。これらの図に示されるエンジンは多気筒ガソリンエンジンであり、そのエンジン本体1には複数の気筒(図示の例では4つの気筒1A〜1D)が設けられ、各気筒1A〜1Dにはそれぞれピストン2(図2)が嵌挿されている。ピストン2はコネクティングロッド4を介してクランク軸3と連結されており、上記ピストン2の往復運動に応じて上記クランク軸3が軸回りに回転するようになっている。
上記ピストン2の上方には燃焼室5が形成され、燃焼室5に吸気ポート6および排気ポート7が開口し、各ポート6,7を開閉する吸気弁8および排気弁9がエンジン本体1の上部に設けられている。なお、図例のエンジンはいわゆるダブルオーバーヘッドカムシャフト式(DOHC)エンジンであり、各気筒につき上記吸気弁8および排気弁9がそれぞれ2つずつ設けられている。そして、これら吸気弁8および排気弁9の上方に、クランク軸3と連動して回転するカム軸40,41(図2)が設けられ、各カム軸40,41にそれぞれ取り付けられた複数のカム40a,41aにより、上記吸排気弁8,9が個別に開閉駆動されるようになっている。
上記エンジン本体1には、吸気弁8の閉じ時期を変更可能にするバルブタイミング可変機構(Variable Valve Timing Mechanism)としてのVVT42が設けられている。
上記VVT42は、例えば位相式の可変機構からなり、上記クランク軸3に対する吸気用のカム軸40の回転位相を、エンジンの運転状態に応じて変更し得るように構成されている。このVVT42の構造は従来から種々知られているためその詳細な説明は省略するが、例えばタイミングベルトを介してクランク軸の回転が伝動されるカムプーリとカム軸との間に、両者を相対回転可能とする位相変更用部材が組み込まれ、この部材が油圧もしくは電動で駆動される構造となっている。
なお、バルブタイミング可変機構として、バルブリフト量を変更することで吸気弁8の閉じ時期を変更する可変機構を設けてもよい。また、このようなバルブリフト量の可変機構と、上述した位相式の可変機構とを組み合わせて用いることにより、有効圧縮比の変更制御と吸排気弁8,9のオーバーラップ量の制御とを同時に行い得るようにしてもよい。
また、図2に示すように、エンジン本体1には、そのクランク軸3の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ61と、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサ62と、燃焼室5の圧力を検出する筒内圧センサ63とが設けられている。
図1および図2に示すように、上記エンジン本体1には、燃焼室5に直接燃料を噴射するインジェクタ10と、燃焼室5に着火用の火花を放電する点火プラグ11とが、各気筒につきそれぞれ1つずつ設けられている。なお、図示の例では、燃焼室5を吸気側の側方から臨むようにインジェクタ10が設けられるとともに、燃焼室5を上方から臨むように点火プラグ11が設けられている。
上記点火プラグ11は、火花放電用の電力を生成する点火回路装置12と電気的に接続されており、この点火回路装置12からの給電に応じて、上記点火プラグ11から所定のタイミングで火花が放電されるようになっている。なお、当実施形態では、上記点火プラグ11からの火花放電を連続して複数回実施するいわゆる多重点火が可能な構成となっている。
上記インジェクタ10については、通常のガソリンエンジンに使用されるインジェクタの燃料噴射圧力よりもかなり大きな圧力で燃料(ガソリン)を噴射し得る構造となっている。具体的に、通常の直噴ガソリンエンジンで用いられるインジェクタの噴射圧力が20MPa程度であるのに対し、当実施形態のインジェクタ10は、100MPa以上の高い噴射圧力で燃料を噴射し得るように構成されている。
上記のように燃料を高圧化して噴射するには、その噴射方式として、例えばディーゼルエンジンの分野で最近用いられているコモンレール方式(燃料供給ポンプから圧送された燃料を蓄圧用のコモンレールで高圧化した上でインジェクタに供給する方式)を採用することが考えられる。もちろん、100MPa以上の高圧の噴射圧力が得られるものであれば、上記コモンレール方式に限らず各種方式を採用可能である。
また、上記インジェクタ10は、その先端のノズル部に複数の噴射口が設けられた多噴口型のインジェクタとして構成されている。これは、高圧化された燃料を複数の噴射口から分散して噴射することにより、燃焼室5内での燃料の微粒化を促進するためである。
さらに、上記インジェクタ10から必要な時期に正確に燃料を噴射し得るようにするため、当実施形態では、上記インジェクタ10として、例えばコモンレール式ディーゼルエンジン等の分野で既に実用化されているピエゾ素子(圧電素子)を用いたインジェクタが使用される。すなわち、当実施形態のエンジンでは、所定の運転領域で燃料を複数回に分けて噴射するなど、精密な燃料噴射制御が必要であるため(詳細は後述する)、飛躍的な速さでON/OFFの切り替えが可能なピエゾ素子を用いた電子制御式のインジェクタが上記インジェクタ10として使用される。これにより、インジェクタ10から噴射される燃料の噴射時間や噴射タイミングをより高い精度で制御することが可能になる。
また、一般的なガソリンエンジンと異なる特徴として、当実施形態のエンジンは、その圧縮比がかなり高めに設定されている。具体的には、通常の直噴ガソリンエンジンの幾何学的圧縮比が約9〜11程度であるのに対し、当実施形態のエンジンは、幾何学的圧縮比が約18に設定されている。なお、吸気弁8の閉タイミングに基づき定まる実質的な圧縮比(有効圧縮比)については、後述するように、圧縮比18以下の範囲で可変的に設定される。
図1および図2を用いて再びエンジンの全体構成について説明する。上記エンジン本体1の吸気ポート6および排気ポート7には、吸気通路13および排気通路19がそれぞれ接続されている。
上記吸気通路13は、燃焼用の空気を燃焼室5に供給するための通路であり、図1に示すように、気筒別に分岐した複数の分岐通路部14と、その上流側に共通に設けられた共通通路部15とを有している。
上記排気通路19は、上記燃焼室5で生成された既燃ガス(排気ガス)を排出するための通路であり、上記吸気通路13と同様、気筒別に分岐した複数の分岐通路部20と、その下流側に共通に設けられた共通通路部21とを備えている。
上記吸気通路13の共通通路部15のうち、後述するコンプレッサ27よりも上流側には、上記共通通路部15を通過する吸入空気の流量を検出するエアフローセンサ60が設けられている。
また、共通通路部15には、吸入空気量を調節するスロットル弁16が設けられている。このスロットル弁16は、アクチュエータ17により開閉駆動される電子制御式のスロットル弁である。すなわち、運転者により踏み込み操作される図外のアクセルペダルにアクセル開度センサ64(図3)が設けられ、当該センサの検出値(つまりアクセルペダルの検出開度)や、エンジンの運転状態等に応じて、後述するECU50(図3)が適切なスロットル弁16の開度を演算するとともに、その開度に応じた駆動信号が上記アクチュエータ17に入力されてスロットル弁16が開閉駆動されるようになっている。
図1に示すように、当実施形態のエンジンには、大型過給機25および小型過給機30からなる2つの過給機が設けられている。
上記大型過給機25は、排気通路19の共通通路部21に設けられたタービン26と、吸気通路13の共通通路部15に設けられたコンプレッサ27と、これらタービン26およびコンプレッサ27どうしを連結する連結軸28とを有しており、排気ガスのエネルギーを受けて上記タービン26が回転すると、これと連動してコンプレッサ27が高速回転することにより、上記吸気通路13を通過する空気(吸入空気)が加圧されて燃焼室5へと圧送されるようになっている。なお、上記コンプレッサ27は比較的大型のインペラからなり、このような大型のコンプレッサ27により吸気を圧縮する上記大型過給機25は、排気ガスのエネルギーが大きい高回転・高負荷域で主に高い過給性能を発揮する。
上記小型過給機30は、排気通路19の共通通路部21に設けられたタービン31と、吸気通路13の共通通路部15に設けられたコンプレッサ32と、これらタービン31およびコンプレッサ32どうしを連結する連結軸33と、この連結軸33を回転駆動する電動モータ34とを有している。なお、上記小型過給機30のコンプレッサ32は、上記大型過給機25のコンプレッサ27よりも小型のインペラから構成されている。このため、排気ガスのエネルギーがあまり大きくない運転領域でも、上記コンプレッサ32が比較的容易に回転して吸気を加圧する。また、例えば低回転・低負荷域から加速等により負荷が急激に高まったような場合には、上記電動モータ34が必要に応じて作動することにより、上記コンプレッサ32の回転がアシストされて素早い応答性で過給が行われるようになっている。
上記排気通路19の共通通路部21には、上記小型過給機30のタービン31をバイパスするための第1バイパス配管35が設けられている。この第1バイパス配管35には第1バイパスバルブ36が設けられており、当該バルブ36の開閉に応じて排気経路が切り替えられるようになっている。すなわち、上記第1バイパスバルブ36が閉弁されると、排気ガスがタービン31に流入してタービン31およびコンプレッサ32が回転駆動される一方、上記バイパスバルブ36が開弁されると、排気ガスが主に第1バイパス配管35を通過する(つまりタービン31をバイパスする)ことにより、上記タービン31等の回転が抑制されるようになっている。
同様に、上記吸気通路10の共通通路部15には、上記小型過給機30のコンプレッサ32をバイパスするための第2バイパス配管37が設けられている。この第2バイパス配管37には第2バイパスバルブ38が設けられており、当該バルブ38の開閉に応じて吸気経路が切り替えられるようになっている。すなわち、上記第2バイパスバルブ38が閉弁されると、吸入空気が上記コンプレッサ32に流入して加圧される一方、上記バイパスバルブ38が開弁されると、吸入空気が主に第2バイパス配管37を通過してコンプレッサ32をバイパスするようになっている。
また、上記吸気通路13の共通通路部15におけるコンプレッサ32よりも下流側には、過給により温度上昇した空気を冷却するためのインタークーラ18が設けられている。
図3は、エンジンの制御系を示すブロック図である。本図に示されるECU50は、エンジンの各部を統括的に制御するための制御装置であり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。
上記ECU50には、各種センサ類からの検出信号が入力される。すなわち、ECU50は、上記エアフローセンサ60、エンジン回転速度センサ61、水温センサ62、筒内圧センサ63、およびアクセル開度センサ64と電気的に接続されており、これら各種センサ類からの検出信号が上記ECU50に逐次入力されるようになっている。
また、上記ECU50は、上記インジェクタ10、点火プラグ11用の点火回路装置12、スロットル弁16用のアクチュエータ17、小型過給機30用の電動モータ34、第1・第2バイパスバルブ、およびVVT42とも電気的に接続されており、これらの装置にそれぞれ駆動用の制御信号を出力するように構成されている。
図4は、上記ECU50がエンジンを制御する際に参照する制御マップを示す図である。本図において、高回転・高負荷域を除く比較的広範な領域に設定されたHCCI領域Aは、圧縮自己着火による燃焼が実行される運転領域であり、これ以外の領域に設定されたSI領域Bは、火花点火による燃焼が実行される運転領域である。すなわち、HCCI領域Aでは、吸気行程時等に燃料が噴射されることで生成された混合気が圧縮上死点の前後で自着火するように燃焼が制御される一方、SI領域Bでは、点火プラグ11からの火花点火により混合気が強制的に着火されることで燃焼が起きるようになっている。
上記HCCI領域Aは、圧縮比や空燃比等の燃焼条件の相違に応じてさらに2つの領域A1,A2に分けられる。すなわち、両領域A1,A2のうち、低負荷側を第1HCCI領域A1、高負荷側を第2HCCI領域A2とすると、これら第1・第2HCCI領域A1,A2では、圧縮比や空燃比等の燃焼条件が変更された上で、いずれも圧縮自己着火による燃焼が行われるようになっている。当実施形態では、このように燃焼条件を種々変更しながら圧縮自己着火による燃焼を行わせることで、圧縮自己着火が可能な運転領域を比較的高負荷側まで拡大するようにしている。なお、本発明の構成との対応関係としては、上記第1HCCI領域A1が本発明にかかる第1の運転領域に相当し、上記第2HCCI領域A2が本発明にかかる第2の運転領域に相当する。
再び図3に戻って、上記ECU50が有する具体的な機能について説明する。ECU50は、その主な機能要素として、バルブタイミング制御手段51、インジェクタ制御手段52、点火制御手段53、過給制御手段54、および運転状態判定手段55を有している。
上記バルブタイミング制御手段51は、上記VVT42の動作を制御することにより、吸気弁8の閉じ時期をエンジンの運転状態に応じて適宜変更するものである。すなわち、吸気弁8は、通常、吸気下死点の遅角側の近傍(吸気下死点をわずかに過ぎたタイミング)で閉じられるが、エンジンの運転状態によっては、上記バルブタイミング制御手段51によりVVT42が駆動されて上記吸気弁8の閉じ時期が吸気下死点よりも大幅に遅く設定される。これにより、圧縮行程の実質的な開始時期が遅らされ、エンジンの実質的な圧縮比(有効圧縮比)が低下する。このことから、当実施形態では、エンジンの圧縮比を可変的に設定するための手段(本発明にかかる圧縮比調整手段)が、上記吸気弁8の閉じ時期を変更するVVT42と、その動作を制御するバルブタイミング制御手段51とにより構成されている。なお、上述したように、当実施形態のエンジンの幾何学的圧縮比が約18であることから、上記VVT42およびバルブタイミング制御手段51からなる圧縮比調整手段により、有効圧縮比は約18以下の範囲で可変的に設定される。
上記インジェクタ制御手段52は、上記インジェクタ10による燃料の噴射動作を制御することにより、上記インジェクタ10から燃焼室5に噴射される燃料の噴射時間(噴射量)や噴射時期を制御するものである。特に、圧縮比がかなり高めに設定されている当実施形態のエンジンにおいて、上記インジェクタ制御手段52は、インジェクタ10からの燃料の噴射時期を運転状態に応じて適宜変更することにより、筒内の燃焼圧力(混合気の燃焼により生じる筒内圧力)の上昇率を制御する役割を担っている。
すなわち、圧縮比が通常のガソリンエンジンよりもかなり高く、しかも圧縮自己着火による燃焼が比較的広範な運転領域で行われる当実施形態のエンジンでは、その高負荷域において、筒内の燃焼圧力が急上昇することにより大きな騒音や振動が発生するおそれがある。そこで、上記インジェクタ制御手段52は、エンジン負荷が高まったときに、上記インジェクタ10からの燃料の噴射時期を、燃焼室5内での燃焼が緩慢化されるような時期に変更することにより、上記燃焼圧力の上昇率を低下させるように構成されている。以上のことから、当実施形態では、燃焼室5内の燃焼圧力の上昇率を制御するための手段(本発明にかかるdp/dθ制御手段)が、インジェクタ10による燃料の噴射動作を制御する上記インジェクタ制御手段52により構成されている。
上記点火制御手段53は、上記点火回路装置12から点火プラグ11への給電を制御することにより、上記点火プラグ11による火花放電のタイミング等を制御するものである。
上記過給制御手段54は、上記電動モータ34や第1・第2バイパスバルブ36,38の動作を制御することにより、上記大型過給機25および小型過給機30により過給される空気の量(過給量)を制御するものである。
上記運転状態判定手段55は、上記各種センサ60〜64の検出値に基づくエンジン負荷(要求トルク)や回転速度等から特定されるエンジンの運転状態が、図4に示した制御マップの中でどの位置に相当するかを判定するものである。この判定結果は、上述した各制御手段51〜54が行う制御の内容に反映される。すなわち、上記運転状態判定手段55によりエンジンの運転状態が逐次判定されると、その判定結果に応じた条件でエンジンの各部(例えばVVT42、インジェクタ10、点火回路装置12、電動モータ34等)を駆動する制御が、上記バルブタイミング制御手段51、インジェクタ制御手段52、点火制御手段53、および過給制御手段54によりそれぞれ実行されるようになっている。
図5〜図7は、エンジン負荷に応じた圧縮比(有効圧縮比)、空燃比、過給量の制御例を示す図である。なお、これらの図に例示される圧縮比や空燃比等の値は、基本的にエンジンの温間時(エンジンの冷却水の温度が所定値以上であるとき)において設定される値であり、エンジンの冷間時にはその値が必要に応じ適宜変更されるものとする。
具体的に、図5〜図7では、エンジンの運転状態が、図4の制御マップ上でラインLのように変化した場合に、上記圧縮比や空燃比等がどのように変化するかが示されている。図4のラインLは、HCCI領域Aが存在する回転速度域においてエンジン負荷が無負荷から最高負荷まで変化する様子を表わしている。このため、エンジンは、まず圧縮自己着火による燃焼で運転され、負荷の増大に伴って火花点火による燃焼に移行することになる。
まず、図5を用いて圧縮比(有効圧縮比)の変化について説明する。なお、図5では、第1HCCI領域A1と第2HCCI領域A2との境界となる負荷点をP、第2HCCI領域A2とSI領域Bとの境界となる負荷点をQ、SI領域Bの上限である最高負荷点をMとしてそれぞれ表わしている。
図5に示すように、当実施形態における圧縮比は、第1HCCI領域A1における有効圧縮比が約18に維持される一方、第2HCCI領域A2では、負荷の増大とともに有効圧縮比が18から15程度まで徐々に下げされ、また、SI領域Bでは、有効圧縮比が14程度までさらに下げられる。具体的には、図5の原点(無負荷状態)から、第1HCCI領域A1と第2HCCI領域A2との境界である負荷点Pに至るまで、有効圧縮比が一律に約18(つまり幾何学的圧縮比とほぼ同じ値)に維持される一方、上記負荷点Pよりも高負荷側では、有効圧縮比が徐々に下げられ、上記第2HCCI領域A2とSI領域Bとの境界である負荷点Qで、約15まで低下する。そして、上記負荷点Qを境に有効圧縮比がさらに14程度まで下げられ、その後は最高負荷点Mまで14のまま維持される。
上記のように、負荷点Pよりも高負荷側にあたる第2HCCI領域A2およびSI領域Bで有効圧縮比が徐々に下げられるのは、筒内温度や筒内圧力の過上昇による騒音やノッキングの発生等を防止するためである。なお、上記のような圧縮比の変化特性は、上記バルブタイミング制御手段51およびVVT42による吸気弁8の閉じ時期の制御によって得ることができる。
次に、図6を用いて空燃比の変化について説明する。本図によれば、第1HCCI領域A1で、理論空燃比に対する空気過剰率λが、λ=2〜3程度の間で変動的に設定される一方、第2HCCI領域A2およびSI領域Bでは、上記空気過剰率λがλ=2(もしくはこれを越える近傍値)のまま一定に維持される。すなわち、図6によれば、エンジン負荷の全域で、空気過剰率λ=2以上というリーンな空燃比が維持されるようになっている。
具体的には、まず無負荷状態における空気過剰率λがλ≒3に設定され、そこから負荷の増大とともに空気過剰率λが徐々に低下して(つまり空燃比がリッチにされ)、第1HCCI領域A1と第2HCCI領域A2との境界である上記負荷点Pでλ≒2になる。一方、上記負荷点Pよりも高負荷側にあたる第2HCCI領域A2およびSI領域B(つまり負荷点Pから最高負荷点Mまでの範囲)では、空気過剰率λがλ≒2のまま一定に維持される。なお、このような空燃比の変化特性は、上記インジェクタ制御手段52によるインジェクタ10からの燃料噴射量の制御によって得ることができる。
次に、過給量については、図7に示すように、第1HCCI領域A1における過給量が低めに設定される(つまり自然吸気に近い吸気が行われる)一方、第2HCCI領域A2およびSI領域Bでは、負荷の増大とともに過給量が大幅に増大される。すなわち、当実施形態では、第2HCCI領域A2およびSI領域Bで、理論空燃比に対する空気過剰率λがλ≒2のまま変化しないため、このようなリーンな空燃比を維持しつつエンジン出力を適正に確保する(つまり燃料噴射量を増大させる)には、上記両領域A2,Bで多量の空気を燃焼室5に送り込む必要があり、そのための措置として過給量が大幅に増大される。
具体的には、上記第2HCCI領域A2およびSI領域Bにおける空気過剰率λがλ≒2一定であるため、最大で自然吸気時の2倍以上の空気を過給により燃焼室5に圧送することで、理論空燃比のときと同様もしくはそれ以上の出力を得ることができる。このため、当実施形態では、最大で自然吸気時の2倍以上の空気を燃焼室5に供給できるように、上記大型過給機25および小型過給機30の過給特性が設定されている。
なお、図7に示したような過給特性を得るために、上記大型過給機25および小型過給機30は、例えば以下のように使い分けられる。すなわち、エンジンの回転速度がある程度高い場合には、負荷の増大に伴って大型過給機25が回転し始め、この大型過給機25の作用で中負荷から高負荷にわたり過給量が大幅に増大することにより、図7のような過給特性が得られる。このため、エンジン回転速度が高いときは、基本的に小型過給機30を作動させる必要はなく、上記第1・第2バイパスバルブ36,38は両方とも開弁される。一方、エンジン回転速度が低い場合には、負荷が増大しても大型過給機25があまり作動せず、十分な過給効果が得られないため、上記第1・第2バイパスバルブ36,38の両方を閉じて小型過給機30を作動させる必要がある。小型過給機30は応答性に優れるため、エンジン回転速度が低くても負荷の増大とともに十分なスピードで回転し、これによって上記と同様の過給特性が得られる。このとき、必要に応じて電動モータ34が作動して小型過給機30の回転がアシストされる。
ここで、圧縮自己着火が起きる条件について簡単に考察する。圧縮自己着火が起きるか否かは、温度、圧力、空燃比等からなる複数のパラメータに依存する。具体的には、温度、圧力が高い方が圧縮自己着火が起き易く、また、空燃比がリッチな方が圧縮自己着火が起き易い。
図12には、上記のような圧縮自己着火の特性を理解するための参考として、過給機を備えない自然吸気エンジンにおいて圧縮自己着火による燃焼が可能な領域が示されている。本図において、横軸は空気過剰率λ、縦軸は有効圧縮比を示しており、図中のラインSは、化学反応計算に基づき算出された圧縮自己着火燃焼の下限ラインを示している。すなわち、この下限ラインSよりも上側(高圧縮比側)の領域であれば、理論上、圧縮自己着火を引き起こすことが可能である。なお、ここでの下限ラインSは、内部EGR量(圧縮自己着火を促進するために部分的に燃焼室5に残留される既燃ガスの量)がゼロという条件で行われた化学反応計算に基づくものである。
また、自然吸気エンジンの場合、吸気量が限界に達してからは燃料の増加につれて空燃比がリッチ化され、このような空燃比の増減により出力が調整されるため、横軸のλの値はエンジン負荷に比例して設定される。つまり、λが大きく空燃比がリーンな横軸右側では負荷が小さく、λが小さく空燃比がリッチな横軸左側では負荷が大きいことになる。
図12の下限ラインSによれば、空燃比がリーンになる(つまりλが大きくなる)低負荷側ほど、圧縮自己着火を起こすために大きな圧縮比が必要となることが分かる。すなわち、空燃比がリーンであると圧縮自己着火が起き難くなるため、このようなリーンな空燃比下で圧縮自己着火を起こすには、有効圧縮比を高めて燃焼室の高温・高圧化を図る必要がある。ただし、有効圧縮比を高め過ぎると、燃焼反応が急峻になって騒音等の問題が生じる。図12の破線のラインS’は、騒音面から想定される圧縮比の上限を表わしている。この上限ラインS’は、圧縮自己着火の下限ラインSの比較的近傍に位置しており、このことから、圧縮自己着火は、上記下限ラインSのできるだけ近傍で起こすことが望ましいと言える。
以上のような圧縮自己着火の特性を踏まえて、当実施形態において実行される圧縮自己着火燃焼の内容をより具体的に検証する。まず、エンジンの低負荷側に設定された上記第1HCCI領域A1では、図5および図6に示したように、有効圧縮比が約18、理論空燃比に対する空気過剰率λがλ≒2〜3に設定される。また、上記第1HCCI領域A1では、図7に示したように、過給量はあまり高められず、自然吸気に近い状態で吸気が行われる。
図12から理解できるように、上記のような燃焼条件では、本来、圧縮自己着火を自然に引き起こすことは困難である。すなわち、図12によれば、λが2よりも大きいリーンな空燃比下では、理論上、有効圧縮比を18よりも大きい値(例えば20程度)まで高めなければ圧縮自己着火は引き起こされない。これに対し、上記第1HCCI領域A1では、λ>2というリーンな空燃比下でも有効圧縮比が約18一定とされているため、燃焼室5内の温度・圧力が圧縮自己着火を引き起こすのに十分なレベルまで高まらず、失火が起きるおそれがある。
そこで、当実施形態では、上記のような条件下でも確実に圧縮自己着火を引き起こすために、少なくとも第1HCCI領域A1のうちの低負荷側の領域では着火アシストを行う。着火アシストとは、圧縮自己着火が始まる前に点火プラグ11から補助的に火花放電して圧縮自己着火を促進するというものである。これにより、上記第1HCCI領域A1における圧縮自己着火燃焼が安定的に行われ、失火が確実に防止される。
次に、第2HCCI領域A2について説明すると、第2HCCI領域A2では、図5および図6に示したように、有効圧縮比が負荷の増大に応じて18から15へと徐々に低減される一方、空気過剰率λはλ≒2で一定とされる。また、上記第2HCCI領域A2では、図7に示したように、負荷の増大に応じて過給量が増大される。
このような燃焼条件下であれば、上記第1HCCI領域A1のときと異なり、着火アシストに頼らなくても圧縮自己着火が確実に引き起こされると考えられる。すなわち、上記第2HCCI領域A2では、エンジンにかかる負荷が高く(つまり燃焼エネルギーが大きく)、かつ過給量が多いため、燃焼室5が比較的高温・高圧化することにより、着火アシストなしでも自然に圧縮自己着火が引き起こされると考えられる。
ただし、上記第2HCCI領域A2では、特にその高負荷側の領域において、圧縮自己着火による燃焼圧力が急激に上昇することにより、例えばディーゼルノックに似た比較的大きな燃焼騒音が発生するおそれがある。すなわち、第1HCCI領域A1よりも高負荷側に設定された上記第2HCCI領域A2では、負荷に応じた多量の燃料がインジェクタ10から噴射されることにより、燃焼により生じるトータルのエネルギーが相対的に大きく、しかも、このような大きな燃焼エネルギーが短期間の間に生じることにより、図13の実線波形に示すように、筒内の燃焼圧力が急激に上昇すると考えられる。すると、クランク角1°の間にどれだけ燃焼圧力が上昇するかを示す燃焼圧力の上昇率dp/dθが、第1HCCI領域A1での燃焼時(破線で示す)に比べてかなり大きくなり、このような圧力上昇率の増大に起因した大きな燃焼騒音が生じるおそれがある。
もちろん、当実施形態では、このような燃焼騒音の発生を抑制するために、第2HCCI領域A2での有効圧縮比を18から15まで徐々に低下させるようにしているが(図5参照)、このように有効圧縮比を低下させるだけでは上記燃焼圧力の上昇率(dp/dθ)を十分に抑制するには至らず、燃焼騒音が依然発生してしまうおそれがある。
そこで、当実施形態では、上記第2HCCI領域A2における少なくとも高負荷側の領域において、インジェクタ10からの燃料噴射を複数回に分けて実行することにより、比較的エネルギーの低い燃焼を連続的に行わせ、全体として燃焼圧力の上昇率(dp/dθ)を低下させるようにしている。
次に、上記のような燃料の分割噴射について詳しく説明するが、その前に、1回の燃料噴射で圧縮自己着火を行わせる上記第1HCCI領域A1での燃焼形態について説明する。
図8(a)(b)は、上記第1HCCI領域A1で噴射される燃料とそれにより生じる燃焼圧力の変化を、圧縮上死点後のクランク角との関係で示す図である。本図に示すように、上記第1HCCI領域A1では、所定量の燃料が吸気行程中に1回噴射され(図8(a)のI)、その後の所定のクランク角範囲にわたって上記燃料が十分に空気と撹拌・混合されることにより、燃焼室5内に均一な混合気が生成される。そして、生成された混合気が圧縮行程を経て高温・高圧化することにより、圧縮上死点の少し手前で圧縮自己着火燃焼が起き(図8(b)のJ)、圧縮上死点を挟んだ所定範囲にわたって燃焼圧力が上昇する。このとき、必要な場合には(特に第1HCCI領域A1の低負荷側では)、混合気の自着火をアシストするために、点火プラグ11による着火アシストが行われる。
一方、第2HCCI領域A2では、特にその高負荷側の領域で燃料噴射量が多くなるため、図8(a)のように一度に燃料を噴射すると、エネルギーの大きい燃焼が短期間の間に起きて燃焼騒音の原因になる。そこで、上記第2HCCI領域A2における少なくとも高負荷側の領域では、図9(a)(b)に示すように、燃料を複数回に分割して噴射することにより、複数回の圧縮自己着火を連続的に行わせる。なお、図9(a)(b)では、燃料の噴射を2回に分けて行う例が示されている。
すなわち、図9(a)(b)の例では、まず、必要な燃料噴射量(エンジン負荷に応じた燃料噴射量)に満たない少量の燃料が、吸気行程中に1回噴射される(図9(a)のI1)。すると、これに応じたピーク圧力の低い圧縮自己着火燃焼が、圧縮上死点の手前で発生する(図9(b)のJ1)。次に、この1回目の圧縮自己着火燃焼(J1)が起きるのに合わせて、上記1回目の燃料噴射(I1)よりも多い量の燃料が、2回目の燃料噴射により供給される(I2)。これにより、上記1回目の圧縮自己着火燃焼(J1)よりもピーク圧力の高い圧縮自己着火燃焼(J2)が、上記1回目の燃焼に連続して発生する。
なお、上記のように、1回目の圧縮自己着火燃焼(J1)が起きるのに合わせて、2回目の燃料噴射(I2)を行うという動作は、筒内圧センサ63の検出値に基づくECU50の制御により実現される。すなわち、1回目の圧縮自己着火燃焼(J1)が起きると、燃焼室5の圧力が瞬間的に上昇するため、この圧力の上昇が上記筒内圧センサ63により検出される。すると、この筒内圧センサ63からの検出信号を受けたECU50(より具体的にはそのインジェクタ制御手段52)が、インジェクタ10に対し瞬時に駆動信号を出力し、この駆動信号を受けたインジェクタ10から、2回目の燃料噴射として所定量の燃料が噴射される。もちろん、上記1回目の圧縮自己着火燃焼(J1)が終了する前に2回目の燃料噴射(I2)を完了させるには、インジェクタ10に対し優れた出力応答性が求められるが、当実施形態では、インジェクタ10として、ピエゾ素子を用いた電子制御式のインジェクタが用いられているため、上記のような精密な燃料噴射制御も問題なく行うことができる。
図9(a)(b)に示したように、上記第2HCCI領域A2では、燃料を分割噴射して複数回の圧縮自己着火燃焼を連続的に行わせるようにしたため、あたかも燃焼期間の長い1回の燃焼が起きたとき(図9(b)の破線参照)と同じような圧力分布が得られ、トータルとして大きな燃焼エネルギーを生じさせて負荷に応じた適正なエンジン出力を確保しながら、燃焼圧力が急激に上昇することで生じる燃焼騒音を効果的に防止することができる。
ただし、図9(a)(b)のように燃料噴射を2回に分割しただけでは、例えば第2HCCI領域A2のうち最も高負荷側の領域(SI領域Bに近い領域)において、十分に騒音抑制効果が得られない場合も想定される。そこで、このような場合には、燃料噴射の分割回数をさらに増やしてやればよい。
図10(a)(b)には、燃料噴射を3回(I1,I2,I3)に分割した場合に起きる圧縮自己着火燃焼(J1,J2,J3)が例示されている。このように、分割回数を3回に増やすようにした場合には、2回に分割したときよりもさらに大きな燃焼エネルギーが確保されるとともに、燃焼圧力の急上昇がより効果的に抑制される。したがって、上記第2HCCI領域A2の範囲がかなり高負荷側まで拡大されている場合でも、負荷の増大に応じて上記燃料噴射の分割回数を増やすことにより、負荷に応じたより高いエンジン出力を確保しながら、燃焼騒音を効果的に防止することができる。
なお、図9および図10の例では、圧縮自己着火による燃焼圧力の急上昇を抑制する(つまり燃焼を緩慢化させる)ために、燃料を複数回に分割して噴射する分割噴射を実行するようにしたが、燃焼を緩慢化させるための方策はこれに限られない。例えば、図8に示したように1回の燃料噴射を行う場合であっても、この燃料の噴射時期をリタードさせれば、圧縮自己着火が相対的に起き難くなるため、燃焼をある程度緩慢化させて燃焼時期の長期化を図ることができる。もちろん、このような噴射時期のリタードにより燃焼を緩慢化させようとした場合、燃料を分割噴射する場合よりも得られる効果は低いが、ある程度の負荷域までであれば、上記噴射時期のリタードにより燃焼の緩慢化を図ることが可能である。
また、図9および図10に示したように燃料を複数回に分割して噴射する場合、1回目の圧縮自己着火燃焼(J1)が起きる前に実行される燃料噴射(I1)は、必ずしも1回でなくてもよく、複数回に分けてもよい。以下では、このような噴射を行う場合も想定し、1回目の圧縮自己着火燃焼(J1)よりも前に行われる燃焼噴射(I1)を前段噴射、1回目の圧縮自己着火燃焼(J1)以後に行われる燃焼噴射(図9(a)のI2、または図10(a)のI2,I3)のことを後段噴射という。
ここで、負荷の増大とともにエンジン出力を高めるには、燃料の噴射量を負荷に応じて増大させる必要があるが、上記のように燃料を複数回に分割して噴射する場合、前段噴射(I1)による燃料の噴射量は負荷にかかわらずほぼ一定に維持することが望ましい。
すなわち、上記第2HCCI領域A2では、負荷の増大とともに過給量が多くされ、これに伴い燃焼室5に流入する吸気量が増大するため、前段噴射(I)による燃料の噴射量(前段噴射量)を一定にすれば、負荷が高くなるほど上記前段噴射量に基づく空燃比はリーンになる。これにより、1回目の圧縮自己着火燃焼(J1)により発生する熱量が少なくなり、後段噴射(例えば図9(a)のI2)を実行するときの燃焼室5の温度・圧力が抑制される。この結果、後段噴射に基づく2回目以降の圧縮自己着火燃焼(例えば図9(a)のJ2)において、その反応速度が急峻になるのを抑制でき、燃焼圧力の急上昇による燃焼騒音の発生を効果的に防止することができる。
しかしながら、燃料の分割噴射により燃焼騒音を防止するといっても限界があり、より多量の燃料を噴射する必要のあるエンジンの最高負荷域付近まで圧縮自己着火燃焼を継続させれば、より激しい燃焼が起きて大きな燃焼騒音が発生することが想定される。そこで、当実施形態では、図4等に示したように、エンジンの最高負荷域付近に設定されたSI領域Bにおいて、火花点火によりコントロールされた燃焼を行わせ、上記のような燃焼騒音の発生を防止するようにしている。
最後に、上記SI領域Bでの燃焼形態について簡単に説明する。SI領域Bでは、点火プラグ11からの火花点火により混合気が強制的に着火されて燃焼する。ただし、図6に示すように、エンジンの最高負荷域に近い上記SI領域Bでも、理論空燃比に対する空気過剰率λはλ≒2のままであり、通常通りの火花点火では失火が起きるおそれがある。
そこで、当実施形態では、点火プラグ11から連続して複数回放電する多重点火をSI領域Bにおいて行う。具体的には、点火プラグ11から放電された火花の中にさらに火花を打ち込むといった連続的な火花放電を行って火炎核のエネルギーを増大させることにより、確実に燃焼を生起させる。
また、図5に示したように、上記SI領域Bでは、上記第1・第2HCCI領域A1,A2のときと異なり、有効圧縮比が14程度まで下げられる。これにより、筒内温度・圧力の過上昇が抑制されるため、多重点火により混合気の確実な着火を図りながら、ノッキング等の異常燃焼を防止することができる。
なお、上記SI領域Bでの燃料噴射の回数は基本的に1回でよいが、例えばエンジンの最高負荷運転時には、上記第2HCCI領域A2のときと同様に、燃料を複数回に分割して噴射してもよい。このように、燃料を分割噴射すれば、噴射した燃料と筒内の吸気とが効率よくミキシングされて燃料の気化が促進されるため、その気化潜熱により混合気が冷却されてノッキング等の異常燃焼が防止されるという効果が期待できる。
また、燃料噴射に伴い筒内に強い乱れが生成されるため、火炎伝播速度が向上してノッキング等の異常燃焼が防止されるという効果も期待できる。
図11は、以上のようなエンジンの各運転領域(A1,A2,B)に応じた圧縮比や空燃比、過給量、噴射時期等の制御により実現される燃焼の形態を負荷と燃焼期間との関係で示す図である。本図によれば、エンジン負荷にかかわらず、圧縮上死点の前後にわたる所定のクランク角範囲で燃焼が起きている。特に、エンジンの中高負荷域(第2HCCI領域A2およびSI領域B)では、分割噴射や多重点火等が実行されるとともに、有効圧縮比が下げられることで、燃焼の緩慢化が図られ、それによって燃焼期間が長期化していることが分かる。これにより、燃焼圧力の上昇率(dp/dθ)が低減され、燃焼騒音が効果的に抑制される。
一方、図11において破線で示す領域は、従来通りの圧縮自己着火燃焼を高負荷域まで継続させた場合の燃焼期間を示している。なお、ここでいう従来通りの圧縮自己着火燃焼とは、吸排気弁8,9を共に閉じる所謂ネガティブオーバーラップ期間を排気行程中に設けて所定量の既燃ガスを燃焼室5に残留させ(内部EGR)、このような内部EGRにより高温化した燃焼室5に直接燃料を噴射することにより、混合気を自着火させるというものである。このような内部EGRを利用した圧縮自己着火燃焼では、負荷が高まるにつれて燃焼反応が過敏になり、短期間のうちに燃焼が完了してしまう。すると、燃焼圧力の上昇率が高くなり過ぎて大きな燃焼騒音が起きるため、エンジンの低負荷域でしか圧縮自己着火燃焼を行わせることができないという問題があった。これに対し、上記実施形態では、内部EGRを利用することなく、有効圧縮比や燃料の噴射時期等を適宜調整することで圧縮自己着火燃焼を制御するようにしたため、上記のような燃焼騒音の発生を効果的に防止しつつ、圧縮自己着火燃焼で運転可能な領域(第1・第2HCCI領域A1,A2)をより高負荷側まで拡大することができる。
以上説明したように、当実施形態の過給機付き直噴エンジンでは、エンジンの低負荷域を含む第1HCCI領域A1で、有効圧縮比を18程度まで高くして燃焼室5内の高温・高圧化を図ることにより、空気過剰率λ≒2〜3という極めてリーンな空燃比下で燃焼効率の高い圧縮自己着火燃焼を行わせるようにしたため、燃料消費量を効果的に削減しつつ、混合気の燃焼温度を低く抑えて燃焼室5から排出されるNOxの量をより低減することができる。一方、上記第1HCCI領域A1よりも高負荷側の第2HCCI領域A2では、過給量を増大させることで空気過剰率λをλ≒2に維持するとともに、このようなリーンな空燃比下で圧縮自己着火燃焼を行わせることにより、燃料消費量やNOx排出量の低減を図りながら、負荷に応じた高いエンジン出力を適正に確保できるという利点がある。
また、上記実施形態では、第2HCCI領域A2で圧縮自己着火燃焼を行わせる際に、有効圧縮比を18から15程度まで低下させ、かつ、燃料の分割噴射等を行って燃焼の緩慢化を図るようにしたため、筒内温度・圧力の最大値を圧縮比に比例して低減できるとともに、燃焼圧力が急激に上昇するのを燃焼の緩慢化により抑制でき、燃焼圧力の急上昇により生じる燃焼騒音(ディーゼルノックに似た大きな騒音)を効果的に防止できるという利点がある。
しかも、上記実施形態では、火花点火により混合気を着火させるSI領域Bをも含めて、エンジン負荷の全域でλ=2以上のリーンな空燃比が維持されるようになっているため、混合気の燃焼温度をエンジン負荷の全域で低めに抑えることができ、燃焼室5から排出されるNOxの量をより効果的に低減することができる。
特に、上記実施形態に示したように、上記第1・第2HCCI領域A1,A2において圧縮比を通常のガソリンエンジンよりも高めに(当実施形態では15〜18程度に)設定し、これによって高温・高圧化した燃焼室5で圧縮自己着火燃焼を行わせるようにした場合には、例えば圧縮自己着火を促進するための措置として、所定量の既燃ガスを燃焼室5に残留させる内部EGRを行う必要がないため、混合気の比熱比が低下することがなく、より大きな燃費改善効果が得られるという利点がある。
すなわち、有効圧縮比をε、混合気の比熱比をκとすると、オットーサイクルエンジンの理論熱効率ηは、下式(1)で表すことができる。
η=1−(1/εκ−1)・・・(1)
したがって、有効圧縮比εを一定とすると、混合気の比熱比κが大きい方が理論熱効率ηが高くなり、より燃費が改善すると考えられる。
上記比熱比κは、気体分子を構成する原子数が多いほど小さくなる。例えば、空気(新気)に主に含まれるN2やO2等の2原子分子よりも、CO2等の3原子分子の方が比熱比κが小さい。このため、内部EGRにより多量の既燃ガスを燃焼室5に残留させると、燃焼により生成されたCO2等の3原子分子が燃焼室5内の混合気に多く含まれることになり、その分だけ混合気の比熱比κが低下する。すると、上記式(1)による理論熱効率ηが低下し、燃費が悪化してしまうことが想定される。これに対し、上記実施形態では、圧縮自己着火のために内部EGRを利用する必要がないため、上記のような比熱比κの低下を招くことがなく、より大きな燃費改善効果が期待できる。
また、上記実施形態では、第2HCCI領域A2で有効圧縮比を18から15程度に低下させる操作を、吸気弁8の閉じ時期を吸気下死点に対し遅らせることで行うようにしたため、吸気弁8の閉じ時期を変更するだけの比較的簡単な構成で、適正にエンジンの圧縮比を調整できるという利点がある。
例えば、ピストン2のストローク量(圧縮上死点の位置)を変更することにより、エンジンの幾何学的圧縮比を変更することも考えられるが、このようにすると、ピストン2のストローク量を変更可能にするための機構として、クランク軸3の周辺に各種リンク機構等を設ける必要が生じ、構造が複雑化するという問題がある。これに対し、上記実施形態では、VVT42およびバルブタイミング制御手段51からなる圧縮比調整手段により吸気弁8の閉じ時期を吸気下死点に対し遅らせ、これによって圧縮比を調整するようにしたため、より簡単な構成で圧縮比を調整できるという利点がある。
また、上記実施形態では、第2HCCI領域A2での燃焼圧力の上昇率を緩和するために、インジェクタ制御手段52(dp/dθ制御手段)による制御に基づき例えば燃料の噴射時期を複数回に分割し、これによって燃焼の緩慢化を図るようにしたため、燃料の噴射時期を変更することにより燃焼圧力の上昇率を適正に緩和でき、燃焼騒音の発生を効果的に防止できるという利点がある。
また、上記実施形態では、先端のノズル部に複数の噴射口を有した多噴口型のインジェクタ10がエンジン本体1に設けられ、このインジェクタ10から上記複数の噴射口を介して100MPa以上の高圧の燃料が燃焼室5に噴射されるようになっているため、燃料をより微粒化して混合気の燃焼性を効果的に向上させることができるという利点がある。
しかも、上記第2HCCI領域A2で燃料が複数回に分割して噴射される際には、特に後段噴射のときに、ごく短時間のうちに燃料を噴射して分散させる必要が生じるが、上記のように多噴口型のインジェクタ10から燃料を高圧噴射して微粒化を図るようにした場合には、より短時間で燃料が分散および気化霧化するため、分割噴射された燃料を都度確実に燃焼させることができ、上記第2HCCI領域A2での燃焼制御性をより効果的に向上させることができるという利点がある。
なお、上記実施形態では、エンジンの低負荷側に設定された第1HCCI領域A1において、点火プラグ11から補助的に火花放電する着火アシストを行うことにより、λ≒2〜3、有効圧縮比約18という条件下で混合気を半強制的に圧縮自己着火させるようにしたが、上記第1HCCI領域A1での有効圧縮比をさらに高めることにより、着火アシストなしでも圧縮自己着火が起きるように構成してもよい。
例えば、幾何学的圧縮比を約20に設定するとともに、上記第1HCCI領域A1での有効圧縮比を、負荷の増大に応じて20から18程度まで徐々に引き下げるようにすれば、上記のような着火アシストなしでも圧縮自己着火が起きるようになると考えられる。
また、上記実施形態のように着火アシストを行うようにした場合でも、λ≒3という極めてリーンな空燃比に設定される無負荷近傍の運転領域では、たとえ着火アシストを行っても圧縮自己着火を引き起こすことが困難な場合も想定される。そこで、このような運転領域では、燃焼形式を成層燃焼に切り替え、点火プラグ11の近傍に局所的にリッチな空燃比を形成して火花点火により強制的に混合気を着火させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エンジンの最高負荷域付近に設定されたSI領域Bで、λ≒2というリーンな空燃比下で火花点火による燃焼を行わせるために、上記点火プラグ11から火花を連続して複数回放電する多重点火を行うようにしたが、エンジンの高負荷域でのリーン燃焼を実現するには、点火プラグ11の放電によりできるだけ大きなエネルギーを混合気に供給すればよく、そのための具体的方策は上記のような多重点火に限られない。
例えば、航空機用ジェットエンジン等で実用化されているプラズマジェット点火を採用することが考えられる。図14は、このようなプラズマジェット点火を行うための点火プラグ111および点火回路装置112の構成例を示す図である。
上記点火回路装置112は、点火プラグ111に火花放電用の電力を供給する点火コイル115と、この点火コイル115の2次側に接続されたプラズマ発生用のプラズマ放電回路116とを有している。プラズマ放電回路116は、例えば600V程度の高電圧を生成可能な昇圧回路等からなる高圧電源116aと、この高圧電源116aから供給される電荷を蓄えるためのコンデンサ116bと、ダイオード116cとを有している。
上記点火回路装置112からの給電によりプラズマジェット点火を行う際には、まず、通常の火花点火と同じく点火コイル115の1次側で電流を遮断することにより、その2次側に数万ボルトにのぼる高電圧を発生させるとともに、これに伴い上記点火プラグ111の電極間に火花放電が発生するのと同時に、上記プラズマ放電回路116のコンデンサ116bから電荷を一気に放出させる。すると、上記点火プラグ111の電極間に極めて大きな放電エネルギーが瞬時に供給され、これにより生成されたプラズマが燃焼室5に噴出されることになる。
こうして燃焼室5に噴出するプラズマは、高エネルギーのラジカル種であり、非常に活性が高いことから、混合気への点火性に優れるものである。このようなプラズマジェット点火を利用すれば、上記SI領域Bでの混合気の着火性をより確実に高められると考えられる。
また、上記実施形態では、図1および図2に示したように、各気筒1A〜1Dに対し点火プラグ11を1つずつ設けたが、より着火性を高めるために、1気筒ごとに複数の点火プラグ11を設けてもよい。例えば、図1および図2の例では、燃焼室5の上部および側部に点火プラグ11およびインジェクタ10を一つずつ設けたが、これら点火プラグ11およびインジェクタ10の両方を、燃焼室5の上部に近接して配置するとともに、2つ目の点火プラグを燃焼室5の側部に増設するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、インジェクタ10として、ピエゾ素子を用いた電子制御式のインジェクタを設けたが、優れた応答性でON/OFFを切り替え可能なものであればよく、例えば高速型のソレノイド式インジェクタであってもよい。
また、上記実施形態では、第2HCCI領域A2およびSI領域Bにおいて吸気弁8の閉じ時期を吸気下死点に対し遅めに設定することにより、エンジンの有効圧縮比を幾何学的圧縮比(当実施形態では約18)よりも低下させるようにしたが、エンジンの有効圧縮比を下げるには、吸気弁8の閉じ時期を吸気下死点に対し所定量シフトさせればよく、そのシフト方向は遅角側および進角側のいずれでもよい。例えば、上記実施形態とは逆に、吸気弁8の閉じ時期を吸気下死点に対し早めたとしても、吸気量がその分減少することで有効圧縮比が低下する。
また、上記実施形態では、エンジンの低負荷域を含む第1HCCI領域A1で、理論空燃比に対する空気過剰率λを負荷の増大とともにλ≒3からλ≒2まで徐々に低下させ、上記第1HCCI領域A1よりも高負荷側の第2HCCI領域A2およびSI領域Bで、空気過剰率λをλ≒2に維持することにより、エンジン負荷の全域でλ≒2以上のリーンな空燃比を維持するようにしたが、先にも述べたように、このようなリーンな空燃比を維持可能なのは、基本的にエンジンの温間時であり、着火性が悪いエンジンの冷間時には、必要に応じλを2未満に低下させて空燃比をリッチ側に変更するとよい。さらに、エンジンの温間時であっても、排気通路19に設けられる図外の排ガス浄化触媒の温度が活性化温度まで達していないような状況では、触媒を活性化させてその浄化性能を維持するために、一時的に空燃比をリッチ側に変更して排気ガスの温度を高めるようにしてもよい。
5 燃焼室
8 吸気弁
10 インジェクタ
25 大型過給機(過給機)
30 小型過給機(過給機)
42 VVT(圧縮比調整手段の一要素例)
51 バルブタイミング制御手段(圧縮比調整手段の一要素例)
52 インジェクタ制御手段(dp/dθ制御手段の一要素例)
A1 第1HCCI領域(第1の運転領域)
A2 第2HCCI領域(第2の運転領域)

Claims (6)

  1. 吸入空気を加圧する過給機と、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタとを備えた過給機付き直噴エンジンであって、
    少なくともエンジンの温間時における理論空燃比に対する空気過剰率λが、エンジン負荷の全域でλ=2以上に設定され、
    エンジンの低負荷域では圧縮自己着火による燃焼が実行される一方、エンジンの高負荷域では、負荷の増大に伴い上記過給機による過給量が増大されることで上記空気過剰率λがλ=2以上に維持されることを特徴とする過給機付き直噴エンジン。
  2. 吸入空気を加圧する過給機と、燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタとを備えた過給機付き直噴エンジンであって、
    エンジンの圧縮比を可変的に設定する圧縮比調整手段と、
    筒内の燃焼圧力の上昇率を制御するdp/dθ制御手段とを備え、
    少なくともエンジンの温間時における空燃比が、エンジン負荷の全域で理論空燃比よりもリーンな空燃比に設定され、
    エンジンの低負荷域を含む第1の運転領域では、上記圧縮比調整手段により圧縮比が高めに設定された状態で圧縮自己着火による燃焼が行われる一方、上記第1の運転領域よりも高負荷側の第2の運転領域では、上記圧縮比調整手段により圧縮比が低めに設定されるとともに、上記dp/dθ制御手段により燃焼圧力の上昇率が緩和され、かつ上記過給機による過給量が増大された状態で、圧縮自己着火による燃焼が行われることを特徴とする過給機付き直噴エンジン。
  3. 請求項2記載の過給機付き直噴エンジンにおいて、
    上記圧縮比調整手段は、吸気弁の閉じ時期を変更することで圧縮比を制御するものであり、
    上記第2の運転領域で圧縮比が低めに設定される際には、上記圧縮比調整手段により、上記吸気弁の閉じ時期が吸気下死点に対し多めにシフトされることを特徴とする過給機付き直噴エンジン。
  4. 請求項2または3記載の過給機付き直噴エンジンにおいて、
    上記dp/dθ制御手段は、上記インジェクタからの燃料の噴射時期を変更することで燃焼圧力の上昇率を制御するものであり、
    上記第2の運転領域で上記燃焼圧力の上昇率が緩和される際には、上記dp/dθ制御手段により、上記燃料の噴射時期が混合気の燃焼を緩慢化させるような時期に変更されることを特徴とする過給機付き直噴エンジン。
  5. 請求項4記載の過給機付き直噴エンジンにおいて、
    上記第2の運転領域で上記燃焼圧力の上昇率が緩和される際には、上記dp/dθ制御手段により燃焼の噴射時期が複数回に分割されることを特徴とする過給機付き直噴エンジン。
  6. 請求項1または2記載の過給機付き直噴エンジンにおいて、
    エンジンの低負荷域では、負荷の増大に伴い、理論空燃比に対する空気過剰率λがλ=2以上の範囲で徐々にリッチ側に変更され、エンジンの高負荷域では、上記インジェクタからの燃料の噴射量が増大されかつ上記過給機による過給量が増大されることにより、上記空気過剰率λがλ=2以上に維持されることを特徴とする過給機付き直噴エンジン。
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