JP2010232431A - 容量式物理量検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己診断信号を印加して検出用バネ部を変位させ、可動電極に擬似的な加速度を発生させることにより自己診断を行う自己診断機能を有する容量式加速度センサにおいて、検出用バネ部の剛性が高くなっても、自己診断を適切に行えるようにする。
【解決手段】可動電極23の変位方向であるx軸方向には弾性的に変位しないがx軸とは直交するy軸方向には弾性的に変位可能な固定電極用バネ部32、42を介して、固定電極31、41を第1シリコン基板11に支持し、静電引力によって固定電極用バネ部32、42を弾性的に変位させることにより、y軸方向にて可動電極23と固定電極31、41との対向面積が増加する方向に、固定電極31、41を変位させる固定電極変位手段60を備え、この固定電極変位手段60によって、加速度検出時よりも可動電極23と固定電極31、41との対向面積を増加させた状態で自己診断を行うようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、加速度や角速度、圧力などの物理量の印加時にバネ部の弾性的な変位によって可動電極を変位させ、可動電極とこれに対向する固定電極との間の容量変化に応じて物理量する容量式物理量検出装置に関し、特に、可動電極に擬似的な物理量を発生させて自己診断を行うようにしたものに関する。
従来より、物理量を検出する容量式物理量検出装置において、自己診断を行うようにしたものとしては、例えば特許文献1や特許文献2に記載のものが提案されている。このものは、半導体基板に対して半導体プロセスにより、各電極やバネ部を形成してなるものである。
具体的には、このものは、支持基板と、支持基板に支持され物理量の印加に応じて所定方向へ変位するバネ機能を有する検出用バネ部と、検出用バネ部に一体に形成され検出用バネ部の弾性的な変位によって所定方向に変位可能な可動電極と、支持基板に支持され可動電極に対向して配置された固定電極と、を備えて構成されている。
さらに、この検出装置には、周期的に変化する信号であって物理量を検出するための検出信号と周期的に変化する信号であって自己診断を行うための自己診断信号とを切り替えて、可動電極と固定電極との間に印加する信号印加手段と、可動電極と固定電極とからなる容量の変化に応じた電圧を出力するC−V変換回路とが備えられている。
そして、この検出装置においては、検出信号の印加中に発生する容量の変化に応じて物理量を検出し、自己診断信号の印加によって検出用バネ部を弾性的に変位させることにより、可動電極に擬似的な物理量を発生させ、この擬似的な物理量を検出することで自己診断を行うようにしている。
特開2001−91535号公報 特開2003−121457号公報
ところで、上記した従来の容量式物理量検出装置においては、目的等に応じて検出バネ部の剛性を高くする必要がある。たとえば、物理量として高いレンジの加速度を検出する場合には、検出バネ部のバネ剛性を高くすることが必要となる。
ここで、自己診断については、可動電極と固定電極との間に静電気力を作用させ、これによって発生する可動電極の変位を電圧に変換することで、自己診断を行っていたが、検出バネ部のバネ剛性が高くなると、自己診断時における可動電極の変位量が小さくなり、自己診断に必要な出力を得ることができなくなってしまう。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、自己診断信号を印加して検出用バネ部を変位させ、可動電極に擬似的な物理量を発生させることにより自己診断を行う自己診断機能を有する容量式物理量検出装置において、検出用バネ部の剛性が高くなっても、自己診断を適切に行えるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、検出用バネ部(22)に一体に形成された可動電極(23)と固定電極(31、41)との間に周期的に変化する信号を印加して、これら両電極からなる容量の変化に応じた電圧を出力することにより物理量を検出するようにし、物理量を検出するための検出信号と自己診断を行うための自己診断信号とを切り替えて印加し、該自己診断信号の印加によって検出用バネ部(22)を変位させ可動電極(23)に疑似的な物理量を発生させるようにした容量式物理量検出装置において、さらに以下のような点を特徴としている。
・可動電極(23)の変位方向(x)には弾性的に変位しないが当該変位方向(x)とは直交する方向(y)には弾性的に変位可能な固定電極用バネ部(32、42)を介して、固定電極(31、41)を支持基板(11)に支持すること。
・静電引力によって固定電極用バネ部(32、42)を弾性的に変位させることにより、上記直交する方向(y)にて可動電極(23)と固定電極(31、41)との対向面積が増加する方向に、固定電極(31、41)を変位させる固定電極変位手段(60)を備えること。
・この固定電極変位手段(60)によって、物理量を検出するときよりも可動電極(23)と固定電極(31、41)との対向面積を増加させた状態で自己診断を行うようにしたこと。本発明は、これらの点を特徴としている。
それによれば、自己診断を行うときには、可動電極(23)と固定電極(31、41)との対向面積が大きくなり、当該両電極(23、31、41)間の容量も大きくなるので、検出感度が向上し、検出用バネ部(22)の剛性が高くなっても、自己診断を適切に行うことが可能となる。
ここで、請求項2および請求項3に記載の発明では、請求項1の容量式物理量検出装置において、さらに次のような点を特徴としている。
・可動電極(23)と一体に形成され、可動電極(23)とともに所定方向(x)に変位する錘部(21)を備え、この錘部(21)と離れて対向するように、固定電極用バネ部(32、42)を支持基板(11)に支持する固定電極支持部(30a、40a)を備えること。
・可動電極(23)の変位方向である所定方向をx軸方向、上記所定方向とは直交する方向であって固定電極(31、41)が固定電極用バネ部(32、42)によって変位する方向をy軸方向とし、これらx軸方向およびy軸方向と直交する方向をz軸方向としたとき、可動電極(23)を、錘部(21)から固定電極支持部(30a、40a)側に突出しy軸方向に沿って延びる柱状をなすものとし、固定電極(31、41)を、固定電極用バネ部(32、42)から錘部(21)側に突出しy軸方向に沿って延びる柱状をなすものとし、可動電極(23)および固定電極(31、41)においてy軸方向に延びる側面同士を対向させ、当該対向する側面同士の間に容量を形成したこと。
そして、上記柱状をなす可動および固定電極の場合、さらに請求項2では、x軸およびy軸を含む平面であるxy平面に沿った可動電極(23)の平面形状および固定電極(31、41)の平面形状を、ともに、根元部と突出先端部との間で幅が一定である細長矩形状としている。
この構成は、たとえば加速度センサ等に用いられる櫛歯状の可動および固定電極の構成に適用して好ましいものであり、自己診断時には、互いに対向する両電極(23、31、41)の側面同士の対向面積が増加するものとなる。
また、上記柱状をなす可動および固定電極の場合、請求項3のように、xy平面に沿った可動電極(23)の平面形状を、錘部(21)側から突出先端部側に行くにつれて細くなっている楔形状とし、xy平面に沿った固定電極(31、41)の平面形状を、固定電極用バネ部(32、42)側から突出先端部側に行くにつれて細くなっている楔形状としてもよい。
この楔形状の構成の場合、自己診断時に可動電極(23)と固定電極(31、41)との対向面積を増加させたときに、物理量検出時よりも、可動電極(23)と固定電極(31、41)との電極間隔が縮まり、これら電極間の容量を大きくすることができ、自己診断の検出感度の向上が図れる。
また、請求項4に記載の発明のように、請求項2または請求項3に記載の容量式物理量検出装置においては、固定電極用バネ部(32、42)は、x軸方向に沿って延び固定電極支持部(30a、40a)に連結された第1の梁(32a、42a)と、この第1の梁(32a、42a)とはy軸方向にて離れて配置されるとともにx軸方向に沿って延び固定電極(31、41)に連結された第2の梁(32b、42b)と、これら第1及び第2の梁のx軸方向における両端部を連結する連結部(32c、42c)とを備える細長の枠形状をなすものであって、第1の梁(32a、42a)と第2の梁(32b、42b)との間隔が変化するように、弾性的に変位するものであってもよい。
それによれば、固定電極用バネ部(32、42)の占有スペースを極力小さくすることができ、装置の小型化の点で有利である。
また、請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載の容量式物理量検出装置においては、固定電極変位手段(60)は、固定電極用バネ部(32、42)の第2の梁(32b、42b)に対してy軸方向にて離間して対向配置された静電引力発生用電極(61)を備えており、この静電引力発生用電極(61)に電圧を印加することにより、第2の梁(32b、42b)に静電引力を作用させて、固定電極用バネ部(32、42)を弾性的に変位させるものであるものにできる。
それによれば、請求項4の固定電極用バネ部(32、42)の構成に好適な固定電極変位手段(60)が提供される。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1実施形態に係る半導体加速度センサの概略平面図である。 図1中のA−A概略断面図である。 図1中のB―B概略断面図である。 図1中のC―C概略断面図である。 第1実施形態に係る固定電極変位手段の模式的な構成を示す図である。 図5に示す固定電極変位手段の作動を説明するための概略平面図である。 図1に示すセンサにおける回路手段の具体的構成を示す図である。 図7に示す回路手段の通常動作時の作動説明に供する信号波形図である。 図7に示す回路手段の自己診断時の作動説明に供する信号波形図である。 本発明の第2実施形態に係る固定部および固定電極変位手段の模式的な構成を示す図である。 図10に示す固定電極変位手段の作動を説明するための概略平面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、容量式物理量検出装置として、差動容量式の半導体加速度センサに本発明を適用したものである。この半導体加速度センサは、例えば、エアバッグ、ABS、VSC等の作動制御を行うための自動車用加速度センサやジャイロセンサ等に適用できる。
図1は、本実施形態に係る半導体加速度センサ100の概略平面構成を示す図、図2は、図1中の一点鎖線A−Aに沿った模式的な断面構造を示す図、図3は、図1中の一点鎖線B−Bに沿った模式的な断面構造を示す図、図4は、図1中の一点鎖線C−Cに沿った模式的な断面構造を示す図である。
半導体加速度センサ(以下、単にセンサという)100は、半導体基板10に周知のマイクロマシン加工を施すことにより形成される。ここでは、センサ100を構成する半導体基板10は、図2に示す様に、第1の半導体層としての第1シリコン基板11と第2の半導体層としての第2シリコン基板12との間に、絶縁層としての酸化膜13を有する矩形状のSOI基板10である。本実施形態では、第1シリコン基板11は支持基板として構成されている。
第2シリコン基板12には、当該第2シリコン基板12をエッチングしてパターニングすることにより、可動部20及び固定部30、40よりなる櫛歯形状を有する梁構造体が形成されている。
これら可動部20及び固定部30、40には、支持基板としての第1シリコン基板11に固定されて支持されるアンカー部20a、30a、40aが備えられている。ここでは、これら各アンカー部20a〜40aは、酸化膜13を介して第1シリコン基板11に支持されている(図2、図4参照)。
また、可動部20及び固定部30、40のうち各アンカー部20a〜40a以外の部位については、その直下の酸化膜13が犠牲層エッチング等によりに除去されており、第1シリコン基板11から離れた状態とされている。このように可動部20及び固定部30、40は、それぞれのアンカー部20a〜40aにて、第1シリコン基板11に支持されている。
可動部20は、細長矩形状の錘部21と、この錘部21の両端に連結された検出用バネ部22と、錘部21に一体に連結された可動電極23とを備え、検出用バネ部22が可動部20のアンカー部20aに一体に連結された構成となっている。これにより、錘部21、検出用バネ部22及び可動電極23は、支持基板である第1シリコン基板11に支持されるとともに第1シリコン基板11とは離れた状態となっている。
ここで、検出用バネ部22は、平行に配置された2本の梁がその両端で連結された細長の枠形状をなしており、これら梁の長手方向と直交する方向に弾性的に変位するバネ機能を有する。
具体的には、検出用バネ部22は、図1中のx軸方向の成分を含む加速度を受けたときに錘部21をx軸方向へ変位させるとともに、加速度の消失に応じて元の状態に復元させるようになっている。このように、錘部21および可動電極23は、加速度の印加に応じて、所定方向、すなわち検出用バネ部22の変位方向(x軸方向)へ変位可能となっている。
ここで、図1に示されるx軸、y軸、z軸の各方向について述べておく。上述のように、x軸方向は検出用バネ部22の変位方向であるとともに、錘部21および可動電極23の変位方向でもある。
また、y軸方向は、支持基板である第1シリコン基板11の可動部20及び固定部40を支持する支持面(図2〜図4中の第1シリコン基板11の上面)に平行な面内において、x軸方向と直交する方向である。また、z軸方向は、第1シリコン基板11の上記支持面に直交する方向、すなわち、x軸およびy軸を含む平面としてのxy平面に直交する方向である。
本実施形態では、可動電極23は、検出用バネ部22の変位方向であるx軸方向と直交するy軸方向に沿って、錘部21の両側面から互いに反対方向へ突出し、当該y軸方向に延びる柱状をなしている。図1では、可動電極23は、錘部21の上側及び下側のそれぞれにおいてy軸方向に沿って突出して形成されている。
本実施形態では、各可動電極23は、図2に示されるように、第1シリコン基板11上にて当該第1シリコン基板11とは離れて配置されているため、錘部21とともに検出用バネ部22の変位方向であるx軸方向へ変位可能となっている。
固定部30、40は、錘部21を挟んで錘部21のy軸方向における一方側と他方側とにそれぞれ設けられており、図1中の上側に位置する第1の固定部30と、図1中の下側に位置する第2の固定部40とよりなる。そして、これら両固定部30、40は互いに電気的に独立したものとされている。なお、図3、図4では、第2の固定部40を示しているが、第1の固定部30もこれと同様の構成である。
各固定部30、40は、アンカー部30a、40aと、これに一体に連結された固定電極用バネ部32、42および固定電極31、41とを有した構成となっている。なお、第1の固定部30側の固定電極31を第1の固定電極31とし、第2の固定部40側の固定電極41を第2の固定電極41とする。
各アンカー部30a、40aは、固定部30、40を第1シリコン基板11の上記支持面に固定・支持するものであり、図4に示されるように、第1シリコン基板11の支持面上に、酸化膜13を介して支持されている。
そして、固定電極用バネ部32、42は、固定電極支持部としてのアンカー部30a、40aに連結され当該アンカー部30a、40aを介して第1シリコン基板11に支持されている。また、固定電極31、41は、固定電極用バネ部32、42から錘部21側に突出する柱状をなしている。つまり、固定電極31、41は、固定電極用バネ部32、42を介してアンカー部30a、40aに片持ち状に支持された状態となっている。
そして、図3、図4に示されるように、各固定電極31、41および固定電極用バネ部32、42の直下では、酸化膜13は除去されており、各固定電極31、41および固定電極用バネ部32、42は、第1シリコン基板11上にて当該第1シリコン基板11とは離れて配置されている。
ここで、固定電極31、41と可動電極23とは、所定の検出間隔50を介して対向しており、この検出間隔50において加速度検出のための容量が形成されている。ここでは、図1に示されるように、可動電極23は、錘部21から固定部のアンカー部30a、40a側に突出し、y軸方向に沿って延びる柱状をなすものである。
一方、固定電極31、41は、固定電極用バネ部32、42から錘部21側に突出し、y軸方向に沿って延びる柱状をなすものである。そして、図1に示されるように、xy平面に沿った可動電極23の平面形状および固定電極31、41の平面形状は共に、根元部と突出先端部との間で幅が一定である細長矩形状とされている。
つまり、本実施形態では、可動および固定の両電極23、31、41は、互いに幅が一定のストレートな柱状をなしている。そして、可動電極23および固定電極31、41においてy軸方向に延びる側面同士が上記検出間隔50を介して平行な状態で対向しており、当該対向する側面同士の間に上記加速度検出のための容量が形成されている。
また、固定電極用バネ部32、42は、第1シリコン基板11上で弾性的に変位可能な状態で、アンカー部30a、40aを介して第1シリコン基板11に支持されている。この固定電極用バネ部32、42は、可動電極23の変位方向であるx軸方向には弾性的に変位しないがx軸方向とは直交するy軸方向には弾性的に変位可能なものである。
具体的には、本実施形態の固定電極用バネ部32、42は、図1、図4に示されるように、上記検出用バネ部22と同様の2本の梁よりなるものであり、上記検出用バネ部22をxy平面内で90度回転させた構成に相当するものである。
すなわち、固定電極用バネ部32、42は、x軸方向に沿って延びる2本の第1の梁32a、42aおよび第2の梁32b、42bを、互いにy軸方向にて離れて配置するとともに、これら第1及び第2の梁32a、42a、32b、42bのx軸方向における両端部を連結部32c、42cによって連結してなる細長の枠形状をなしている。そして、第1の梁32a、42aの中間部にアンカー部30a、40aを一体に連結し、第2の梁32b、42bの中間部に固定電極31、41が一体に連結されている。
そして、この固定電極用バネ部32、42においては、第1の梁32a、42a、第2の梁32b、42bおよび連結部32c、42cの各部が弾性変形可能とされており、y軸方向に沿った第1の梁32a、42aと第2の梁32b、42bとの間隔が大きくなったり、小さくなったりするように弾性的な変位が行われるようになっている。そうすることで、固定電極31、41とこれを支持するアンカー部30a、40aとのy軸方向に沿った距離が変化するようになっている。
こうして、本実施形態の固定電極用バネ部32、42は、可動電極23の変位方向であるx軸方向への動きについては拘束されるが、固定電極31、41が固定電極用バネ部32、42によって変位する方向であるy軸方向への動きについては自由度を有するように、弾性力を発揮するものとされている。
また、本実施形態のセンサ100には、各固定部30、40について、固定電極用バネ部32、42を弾性的に変位させて固定電極31、41を変位させる固定電極変位手段60が設けられている。図5は、この固定電極変位手段60および第2の固定部40の模式的な構成を示す図である。なお、第1の固定部30およびこれに設けられる固定電極変位手段60については、図5と同様である。
固定電極変位手段60は、固定電極用バネ部32、42の近傍に設けられた静電引力発生用電極61と、この静電引力発生用電極61に電圧を印加する静電引力発生回路62とを備えて構成されている。
この静電引力発生用電極61は、図1、図3、図5に示されるように、固定電極用バネ部32、42において固定電極31、41側に位置する第2の梁32b、42bに対して、y軸方向にて離間して対向配置されている。
この静電引力発生用電極61は、半導体基板10における梁構造体20〜40と同様に、第2シリコン基板12をマイクロマシン加工することにより形成されるものであり、各アンカー部20a、30a、40aと同様に、酸化膜13を介して第1シリコン基板11に固定され支持されている。
この静電引力発生用電極61は、第2の梁32b、42bとの対向面積を大きくするために、第2の梁32b、42bとの対向面積の方が固定電極31、41との対向面積よりも大きくなるような形状とされている。ここでは、上記xy平面に沿った静電引力発生用電極61の平面形状は、図1、図5に示されるように、第2の梁32b、42bに沿った長辺を持つ長方形をなしている。
また、静電引力発生回路62は、半導体基板10の外部に設けられた後述のパッケージに収納された回路基板などに備えられたものであり、静電引力発生用電極61に対して印加する電圧のオン・オフが切り替え可能なものである。この静電引力発生回路62と静電引力発生用電極61とは、半導体基板10に設けられた図示しない配線やパッドを介して、ワイヤボンディングやバンプ接合などにより電気的に接続されている。
図6は、この固定電極変位手段60の作動を説明するための概略平面図であり、(a)はセンサ100の全体を概略的に示し、(b)は第2の固定部40を部分的に拡大して示している。
なお、図6(a)では、検出用バネ部22がx軸方向に沿って図中の左方向に変位している状態とされている。また、図6では、固定電極31、41及び固定電極用バネ部32、42は、静電引力の印加前の状態を破線で示し、印加後の状態を実線で示している。また、図6(b)では、第2の固定部40について示してあるが、第1の固定部30についても、図6(b)と同様である。
本実施形態では、静電引力発生回路62によって静電引力発生用電極61に電圧を印加することにより、静電引力発生用電極61と固定電極用バネ部32、42における第2の梁32b、42bとの間に、y軸方向の成分を含む静電引力が作用する。
すると、図6に示されるように、第2の梁32b、42bが静電引力発生用電極61側に引きつけられ両梁32a、42aと32b、42bとの間隔が大きくなるように、固定電極用バネ部32、42がy軸方向に沿って弾性的に変位する。それとともに、固定電極31、41は、y軸方向に沿って錘部21に近づく方向に変位する。
そのため、検出間隔50においては、静電引力印加前よりも印加後の方が、可動電極23と固定電極31、41との対向面積が増加する。このときx軸方向の加速度が印加されると、当該対向面積が増加した状態のままで、検出用バネ部22の作用によって可動電極23はx軸方向に変位する。
そして、静電引力発生回路62からの電圧の供給を停止すれば、上記静電引力は消失し、この静電引力の消失に応じて、固定電極用バネ部32、42は元の状態に復元し、固定電極31、41も静電引力印加前の位置に戻るようになっている。こうして、固定電極31、41は、静電引力の印加に応じて、固定電極用バネ部32、42の変位方向であるy軸方向へ変位可能となっている。
このように、固定電極変位手段60は、固定電極用バネ部32、42を弾性的に変位させることにより、y軸方向にて可動電極23と固定電極31、41との対向面積が増加する方向に、固定電極31、41を変位させるものとして構成されている。
また、図示しないが、半導体基板10の適所には、可動電極23と電気的に接続された可動電極パッド23a(後述の図7参照)、および、固定電極31、41と電気的に接続された固定電極パッド31a、41a(後述の図7参照)が形成されている。そして、これら各パッドにより、可動電極23及び固定電極31、41は、後述する回路手段200(後述の図7参照)と接続されるようになっている。
また、図示しないが、本センサ100を構成する半導体基板10は、パッケージに設置されており、このパッケージには、上記した固定電極変位手段としての静電引力発生回路62や回路手段200を構成する回路基板や回路チップなどが収納されている。そして、この回路手段200と上記の各電極パッド23a、31a、41aとは、ワイヤボンディングやバンプ接合等により電気的に接続されている。
次に、本実施形態のセンサ100における加速度検出および自己診断の作動について述べる。図7は、本センサ100に設けられた上記回路手段200の構成を示す図である。この回路手段200は、C−V変換回路(スイッチドキャパシタ回路)210及びスイッチ回路220を有する。
本センサ100においては、第1の固定電極31と可動電極23との検出間隔50に第1の容量CS1が形成され、第2の固定電極41と可動電極23との検出間隔50に第2の容量CS2が形成されている。
そして、加速度を受けると、検出用バネ部22のバネ機能により、アンカー部20aを除く可動部20全体が一体的にx軸方向へ変位し、可動電極23の変位に応じて上記各容量CS1、CS2が変化する。そして、上記検出回路200は、可動電極23と固定電極31、41による差動容量(CS1−CS2)の変化に基づいて加速度を検出する。
C−V変換回路210は、可動電極23と固定電極31、41とからなる容量CS1、CS2の変化を電圧に変換して出力するもので、演算増幅器211、コンデンサ212、及びスイッチ213から構成されている。
演算増幅器211の反転入力端子は、可動電極パッド23aを介して可動電極23に接続されており、反転入力端子と出力端子との間には、コンデンサ212およびスイッチ213が並列に接続されている。また、演算増幅器211の非反転入力端子には、スイッチ回路220を介してV/2の電圧とV1の電圧のいずれかが入力される。
スイッチ回路220は、C−V変換回路210における演算増幅器211の非反転入力端子に、図示しないそれぞれの電圧源からのV/2の電圧とV1(V/2とは異なる)の電圧のいずれかを入力するもので、スイッチ221とスイッチ222から構成されている。スイッチ221とスイッチ222は、一方が閉じているときに他方が開くようになっている。
また、回路手段200は図示しない制御回路を有しており、この制御回路は、固定電極パッド31aから、一定振幅Vで周期的に変化する搬送波P1を第1の固定電極31へ入力し、固定電極パッド41aから、搬送波P1と位相が180°ずれ且つ同一振幅Vである搬送波P2を第2の固定電極41へ入力する。
また、この制御回路は、上記の各スイッチ213、221、222の開閉を所定のタイミングにて制御できるようになっている。本実施形態では、この制御回路と上記スイッチ回路220とにより、信号印加手段が構成される。
上記構成においてその作動を説明する。まず、加速度を検出する検出信号を印加する状態(通常動作時)について図8に示す信号波形図を参照して説明する。
信号印加手段としての上記制御回路から出力される搬送波P1(例えば、周波数100kHz、振幅0〜5V)は、図8に示すように、期間φ1を1周期(例えば10μs)としてハイレベルとローレベルが変化する一定振幅の矩形波信号となっており、搬送波P2は、搬送波P1に対して電圧レベルが反転した矩形波信号となっている。
また、通常動作時では、上記の各搬送波P1及びP2が各固定電極31、41へ印加されているとき、スイッチ回路220においてスイッチ221は閉、スイッチ222は開になっている。それによって、演算増幅器211の非反転入力端子にV/2の電圧が印加され、可動電極23にはV/2(例えば2.5V)の一定電圧(可動電極信号)が印加されている。
この状態において加速度が印加されていない場合には、第1の固定電極31と可動電極23との電位差、及び、第2の固定電極41と可動電極23との電位差は、共にV/2となり、第1の固定電極31と可動電極23との間の静電気力、及び、第2の固定電極41と可動電極23との間の静電気力は、略等しく釣り合っている。
また、通常動作時では、C−V変換回路220において、スイッチ213は図8に示すタイミングで開閉される。このスイッチ213が閉のとき(期間φ2)、コンデンサ212がリセットされる。一方、スイッチ213が開のときに、加速度検出が行われる。つまり、期間φ1のうち期間φ2以外の期間が加速度を検出する期間である。この検出期間において、C−V変換回路220からの出力電圧V0は、次の数式1で示される。
(数1)
V0=(CS1−CS2)・V’/Cf
ここで、V’は両パッド31a及び41a間、即ち、両固定電極31及び41の間の電圧であり、Cfはコンデンサ212の容量である。
加速度が印加されると、第1の容量CS1と第2の容量CS2とのバランスが変化する。すると、上記数式1に基づき容量差(CS1−CS2)に応じた電圧が、加速度が印加されていないときの出力V0にバイアスとして加わった形で出力V0(例えば0〜5V)として出力される。この出力V0は、この後、増幅回路やローパスフィルタ等を備えた信号処理回路(図示せず)にて信号処理され、加速度検出信号として検出される。
次に、自己診断時の作動について、図9に示す信号波形図を参照して説明する。信号印加手段としての上記制御回路により、図9に示す様に、一定振幅V(図示例では振幅0〜5V)の矩形波信号である搬送波P1及びP2が入力される。ここで、期間φ3(例えば100μs)において、搬送波P1と搬送波P2とは、互いに電圧レベルが反転した一定電圧信号(例えば搬送波P1が0V、搬送波P2が5V)となっている。
また、この期間φ3では、上記の各搬送波P1及びP2が各固定電極31、41へ印加されているとき、スイッチ回路220においてスイッチ221は開、スイッチ222は閉になっている。そのため、演算増幅器211の非反転入力端子へ、V/2とは異なるV1(例えば3V)の電圧が印加され、可動電極23には、この電圧V1が可動電極信号として印加されている。
可動電極23に電圧V1を加えた場合、上記通常動作時における静電気力の釣り合いが崩れ、可動電極23は、両固定電極31、41のうち可動電極23との間の電位差が大きい方の固定電極へ引き寄せられる。図9に示す例では、第1の固定電極31の方へ引き寄せられるように、検出用バネ部22がたわみ、それと一体的に可動電極23が擬似的に変位する。
このように、期間φ3は、可動電極23に擬似的な加速度を発生させる期間である。なお、期間φ3においては、C−V変換回路220のスイッチ213は閉であるため、コンデンサ212がリセット状態にある。
次に、期間φ4(例えば10μs)は、上記図8に示した期間φ1と同様の信号波形を、可動電極23と固定電極31、41との間に印加することにより、直前の期間φ3にて発生した擬似的な加速度(物理量)を検出する期間である。
つまり、C−V変換回路220のスイッチ213を開とし、コンデンサ212を加速度検出可能な状態と同じにし、上記通常動作時と同様の搬送波P1及びP2を印加する。また、スイッチ回路220においてスイッチ221を閉、スイッチ222を開として可動電極23にV/2(例えば2.5V)の一定電圧を駆動電極信号として印加する。
すると、この期間φ4にて、例えば第1の固定電極31の方へ引き寄せられていた可動電極23が元の位置に戻ろうとするため、この容量変化に応じてC−V変換回路220のコンデンサ212に電荷が発生し、期間φ3にて発生した擬似的な加速度を検出することができる。
このように、期間(φ3+φ4)を1周期とした自己診断信号(上記搬送波及び可動電極信号)を可動電極23と固定電極31、41との間に印加することにより、自己診断が可能となっている。
ここで、本実施形態では、さらに自己診断時には、上記図6に示したように、固定電極変位手段60によって、加速度を検出するときよりも可動電極23と固定電極31、41との対向面積を増加させた状態とする。そして、この状態で上記した擬似的な加速度の検出を行うのである。
具体的には、自己診断を行う期間である上記期間(φ3+φ4)において、静電引力発生回路62から静電引力発生用電極61に電圧を印加しつつ、上記同様に自己診断の制御を行うようにする。また、上記期間(φ3+φ4)以外の期間では、当該電圧の印加を停止するようにする。当該電圧のオン・オフの切り替えは、一般的なスイッチング回路などにより容易に行える。
このように本実施形態によれば、自己診断を行うときには、加速度検出時よりも可動電極23と固定電極31、41との対向面積を増加させるので、当該両電極23、31、41間の容量も大きくすることができる。その結果、加速度検出時よりも検出感度の向上が図れる。
そのため、検出用バネ部22の剛性が高くなって、擬似的な加速度を発生させるときに可動電極23の変位量が小さくなっても、自己診断の感度を確保することができ、適切な自己診断が可能となる。
また、本実施形態では、可動電極23は直接的には錘部21に支持され、固定電極31、41は直接的には固定電極用バネ部32、42に支持されている。そして、これら可動及び固定の両電極23、31、41は、自身の支持部から相手側の支持部へ向かって突出する幅が一定のストレートな柱状をなし、互いの側面が対向して検出間隔50を構成している。
この場合、上記図1では、対向する可動及び固定電極23、31、41の組が、錘部21の上下両側にそれぞれ1組設けられたものであったが、錘部21の上側で複数組設けられていてもよい。そのような場合、このような柱状の電極が複数個かみ合った櫛歯状の電極構成とされ、そのときも、同様に固定電極変位手段を設ければ、上記同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、上述したように、固定電極用バネ部32、42を、平行に配置された2本の梁32a、32b、42a、42bがその両端で連結された細長の枠形状をなし、当該各梁の長手方向と直交するy軸方向に弾性的に変位するバネ機能を有するものとしている。そのため、センサ100における固定電極用バネ部32、42の占有スペースを極力小さくすることができ、体格の小型化の点で有利である。
また、このような2本の梁よりなる固定電極用バネ部32、42に対して、本実施形態の固定電極変位手段60は、第2の梁32b、42bに離間して対向配置された静電引力発生用電極61を備え、これに電圧を印加することにより第2の梁32b、42bに静電引力を作用させるという好適な構成を実現している。
上記2本の梁よりなる固定電極用バネ部32、42においては、長く延びる第2の梁32b、42bは静電引力を作用させる部位としては適所である。そこで、上記例では、静電引力発生用電極61を上記した平面長方形をなすものとし、その長辺部分を第2の梁32b、42bに対向させ、短辺部分を固定電極31、41に対向させることで、第2の梁32b、42bに作用する静電引力がより大きくなるようにしている。
なお、本実施形態では、自己診断時に、電極に対して、その共振周波数における加振を複数回行うことで、検出間隔50に挟まっている異物の除去を行うことも可能である。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係る半導体加速度センサの要部の概略平面構成を示す図であり、本センサにおける第2の固定部40および固定電極変位手段60の模式的な構成を示している。なお、第1の固定部30についても図10と同様である。
また、図11は、本センサにおける固定電極変位手段60の作動を説明するための概略平面図であり、(a)はセンサの全体を概略的に示し、(b)は第2の固定部40を拡大して示している。
なお、図11(a)では、検出用バネ部22がx軸方向に沿って図中の左方向に変位している状態を示し、また、図11では、固定電極31、41及び固定電極用バネ部32、42は、静電引力の印加前の状態を破線で示し、印加後の状態を実線で示している。また、図11(b)では、第2の固定部40について示してあるが、第1の固定部30についても、図11(b)と同様である。
本実施形態は、上記第1実施形態に比べて、可動電極23および固定電極31、41の形状が相違するものであり、この相違点を中心に述べることとする。
図10、図11に示されるように、本実施形態においても、錘部21は、可動電極23と一体に形成され、可動電極23とともにx軸方向に変位する。また、図11(a)では省略しているが、上記図1と同様に、本実施形態のセンサにおいても、錘部21と離れて対向するように、固定電極支持部としてのアンカー部30a、40aが備えられており、当該アンカー部30a、40aは、固定電極用バネ部32、42を上記第1シリコン基板11に支持している。
そして、図10、図11において、x軸方向は、可動電極23の変位方向として、y軸方向は、x軸と直交する方向であって固定電極31、41が固定電極用バネ部32、42によって変位する方向として、z軸方向は、x軸方向およびy軸方向と直交する方向として、それぞれ示されている。
ここで、本実施形態では、可動電極23は、錘部21から固定部のアンカー部30a、40a側に突出しy軸方向に沿って延びる柱状をなすものであるが、x軸およびy軸を含む上記xy平面に沿った可動電極23の平面形状は、錘部21側の根元部から突出先端部側に行くにつれて細くなっている楔形状とされている。
また、固定電極31、41は、固定電極用バネ部32、42から錘部21側に突出しy軸方向に沿って延びる柱状をなすものであるが、上記xy平面に沿った固定電極31、41の平面形状は、固定電極用バネ部32、42側の根元部から突出先端部側に行くにつれて細くなっている楔形状とされている。
そして、可動電極23および固定電極31、41においてy軸方向に延びる側面同士が検出間隔50を介して対向しており、これら側面同士の間に加速度検出のための容量が形成されているが、本実施形態では、これら側面同士はy軸に対して傾斜した配置とされつつ、互いに平行な関係にある。
そのため、本実施形態においても、自己診断を行うときには、固定電極変位手段60からの静電引力の印加によって、固定電極31、41をy軸方向に沿って錘部21に近づく方向に変位させ、加速度検出時よりも可動電極23と固定電極31、41との対向面積を増加させるので、当該両電極23、31、41間の容量を大きくすることができる。
また、本実施形態では、可動電極23およびこれに対向する固定電極31、41を、幅が一定のストレートな柱状ではなく、ともに根元部側から突出先端部側に行くにつれて先窄まりとなる楔形状としている。
そのため、静電引力印加前の状態よりも静電引力印加後の状態の方が、可動電極23と固定電極31、41とのx軸方向に沿った距離が小さくなる。つまり、検出間隔50が縮まる。その結果、当該両電極間の容量を大きくすることができ、自己診断の検出感度の向上が図れる。
(他の実施形態)
なお、上記第1実施形態に示した例では、通常動作時と自己診断時とで、可動電極23に印加する電圧を変えて可動電極23を擬似的に変位させているが、固定電極31、41に印加する搬送波P1、P2において電圧を変えることにより、可動電極23を擬似的に変位させ、自己診断を行うようにしてもよい。
また、固定電極用バネ部32、42としては、上記同様、可動電極23の変位方向であるx軸方向には弾性的に変位しないがx軸方向とは直交するy軸方向には弾性的に変位可能なバネ機能を有するものであればよく、上記図に示されるような梁形状以外にも、どのような形状でもかまわない。
また、本発明は上記半導体加速度センサに適用するものに限らず、圧力センサ、ヨーレートセンサなどの静電容量式の物理量検出装置にも同様に適用することができる。
11 支持基板としての第1シリコン基板
21 錘部
22 検出用バネ部
23 可動電極
30a 固定電極支持部としての第1の固定部のアンカー部
31 第1の固定電極
32 第1の固定部の固定電極用バネ部
32a 第1の固定部の固定電極用バネ部における第1の梁
32b 第1の固定部の固定電極用バネ部における第2の梁
32c 第1の固定部の固定電極用バネ部における連結部
40a 固定電極支持部としての第2の固定部のアンカー部
41 第2の固定電極
42 第2の固定部の固定電極用バネ部
42a 第2の固定部の固定電極用バネ部における第1の梁
42b 第2の固定部の固定電極用バネ部における第2の梁
42c 第2の固定部の固定電極用バネ部における連結部
60 固定電極変位手段
61 静電引力発生用電極
210 C−V変換回路
220 信号印加手段

Claims (5)

  1. 支持基板(11)と、
    前記支持基板(11)に支持され、物理量の印加に応じて所定方向(x)へ変位するバネ機能を有する検出用バネ部(22)と、
    前記検出用バネ部(22)に一体に形成され前記検出用バネ部(22)の弾性的な変位によって前記所定方向(x)に変位可能な可動電極(23)と、
    前記支持基板(11)に支持され、前記可動電極(23)に対向して配置された固定電極(31、41)と、
    周期的に変化する信号であって前記物理量を検出するための検出信号と周期的に変化する信号であって自己診断を行うための自己診断信号とを切り替えて、前記可動電極(23)と前記固定電極(31、41)との間に印加する信号印加手段(220)と、
    前記可動電極(23)と前記固定電極(31、41)とからなる容量の変化に応じた電圧を出力するC−V変換回路(210)とを備え、
    前記検出信号の印加中に発生する前記容量の変化に応じて前記物理量を検出し、
    前記自己診断信号の印加によって前記検出用バネ部(22)を弾性的に変位させることにより前記可動電極(23)に疑似的な物理量を発生させるようになっている容量式物理量検出装置において、
    前記固定電極(31、41)は、前記可動電極(23)の変位方向である前記所定方向(x)には弾性的に変位しないが前記所定方向(x)とは直交する方向(y)には弾性的に変位可能な固定電極用バネ部(32、42)を介して、前記支持基板(11)に支持されており、
    静電引力によって前記固定電極用バネ部(32、42)を弾性的に変位させることにより、前記所定方向(x)とは直交する方向(y)にて前記可動電極(23)と前記固定電極(31、41)との対向面積が増加する方向に、前記固定電極(31、41)を変位させる固定電極変位手段(60)が備えられており、
    前記固定電極変位手段(60)によって、前記物理量を検出するときよりも前記可動電極(23)と前記固定電極(31、41)との対向面積を増加させた状態で前記自己診断を行うようにしたことを特徴とする容量式物理量検出装置。
  2. 前記可動電極(23)と一体に形成され、前記可動電極(23)とともに前記所定方向(x)に変位する錘部(21)が備えられており、
    この錘部(21)と離れて対向するように、前記固定電極用バネ部(32、42)を前記支持基板(11)に支持する固定電極支持部(30a、40a)が備えられており、
    前記可動電極(23)の変位方向である前記所定方向をx軸方向、前記所定方向とは直交する方向であって前記固定電極(31、41)が固定電極用バネ部(32、42)によって変位する方向をy軸方向とし、これらx軸方向およびy軸方向と直交する方向をz軸方向としたとき、
    前記可動電極(23)は、前記錘部(21)から前記固定電極支持部(30a、40a)側に突出し前記y軸方向に沿って延びる柱状をなすものであり、
    前記固定電極(31、41)は、前記固定電極用バネ部(32、42)から前記錘部(21)側に突出し前記y軸方向に沿って延びる柱状をなすものであり、
    前記可動電極(23)および前記固定電極(31、41)において前記y軸方向に延びる側面同士が対向しており、当該対向する側面同士の間に前記容量が形成されるものであり、
    前記x軸および前記y軸を含む平面であるxy平面に沿った前記可動電極(23)の平面形状および前記固定電極(31、41)の平面形状はともに、根元部と突出先端部との間で幅が一定である細長矩形状であることを特徴とする請求項1に記載の容量式物理量検出装置。
  3. 前記可動電極(23)と一体に形成され、前記可動電極(23)とともに前記所定方向(x)に変位する錘部(21)が備えられており、
    この錘部(21)と離れて対向するように、前記固定電極用バネ部(32、42)を前記支持基板(11)に支持する固定電極支持部(30a、40a)が備えられており、
    前記可動電極(23)の変位方向である前記所定方向をx軸方向、前記所定方向とは直交する方向であって前記固定電極(31、41)が固定電極用バネ部(32、42)によって変位する方向をy軸方向とし、これらx軸方向およびy軸方向と直交する方向をz軸方向としたとき、
    前記可動電極(23)は、前記錘部(21)から前記固定電極支持部(30a、40a)側に突出し前記y軸方向に沿って延びる柱状をなすものであり、
    前記固定電極(31、41)は、前記固定電極用バネ部(32、42)から前記錘部(21)側に突出し前記y軸方向に沿って延びる柱状をなすものであり、
    前記可動電極(23)および前記固定電極(31、41)において前記y軸方向に延びる側面同士が対向しており、当該対向する側面同士の間に前記容量が形成されるものであり、
    前記x軸および前記y軸を含む平面であるxy平面に沿った前記可動電極(23)の平面形状は、前記錘部(21)側から突出先端部側に行くにつれて細くなっている楔形状であり、
    前記xy平面に沿った前記固定電極(31、41)の平面形状は、前記固定電極用バネ部(32、42)側から突出先端部側に行くにつれて細くなっている楔形状であることを特徴とする請求項1に記載の容量式物理量検出装置。
  4. 前記固定電極用バネ部(32、42)は、前記x軸方向に沿って延び前記固定電極支持部(30a、40a)に連結された第1の梁(32a、42a)と、この第1の梁(32a、42a)とは前記y軸方向にて離れて配置されるとともに前記x軸方向に沿って延び、前記固定電極(31、41)に連結された第2の梁(32b、42b)と、これら第1及び第2の梁の前記x軸方向における両端部を連結する連結部(32c、42c)とを備える細長の枠形状をなすものであって、
    前記第1の梁(32a、42a)と前記第2の梁(32b、42b)との間隔が変化するように、弾性的に変位するものであることを特徴とする請求項2または3に記載の容量式物理量検出装置。
  5. 前記固定電極変位手段(60)は、固定電極用バネ部(32、42)の前記第2の梁(32b、42b)に対して前記y軸方向にて離間して対向配置された静電引力発生用電極(61)を備えており、
    この静電引力発生用電極(61)に電圧を印加することにより、前記第2の梁(32b、42b)に前記静電引力を作用させて、前記固定電極用バネ部(32、42)を弾性的に変位させるものであることを特徴とする請求項4に記載の容量式物理量検出装置。
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