JP2010229804A - 硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法及び防火コート剤 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法及び防火コート剤 Download PDF

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Abstract

【課題】安価な水ガラスを利用して、低コストで施工性、防火性に優れた硬質ポリウレタンフォーム断熱層用防火コート剤及びそれを用いた硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法を提供する。
【解決手段】ポリイソシアネート成分とポリオール成分を構造体表面に吹き付け発泡させて該構造体表面に硬質ポリウレタンフォームの断熱層を形成させる硬質ポリウレタンフォームの現場発泡工法において、該断熱層表面に、珪酸塩水溶液と、該珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対し0.1〜10重量部の界面活性剤と1〜70重量部の粘土鉱物系増粘剤とを含有する防火コート剤を付着させることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの断熱層の現場発泡工法。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法及びそれに用いる防火コート剤に関し、詳しくは硬質ポリウレタンフォームの断熱層を形成させ、その断熱層表面に珪酸塩水溶液を主成分とした防火コート層を形成する硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法と、それに用いる防火コート剤に関するものである。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法及び防火コート剤は、建造物の壁、柱、天井、床、その他の構造体に吹き付け形成した硬質ポリウレタンフォームの断熱層表面に、簡易に防火性を付与するための技術として有用である。
断熱パネルや壁材等の断熱構造体を成形する手段として、硬質ポリウレタンフォームを用いることは広く知られている。硬質ポリウレタンフォームよりなる断熱層は、発泡剤、触媒、整泡剤、難燃剤等を含有するポリオール成分とポリイソシアネート成分とを低圧又は高圧の注型機を用いて混合、吐出して発泡成形することができ、建設現場ではスプレー機による吹き付けで効率的な発泡、施工を行うことができる。
近年、マンション等の集合住宅建設現場で、硬質ポリウレタンフォームの断熱層を現場発泡施工する際、現場付近で鋼材の溶接・溶断作業により発生する火花や溶融塊が硬質ポリウレタンフォーム断熱層の表面に接触して着火し、火災の原因となることが問題視されている。
特開2003−253782号公報には、硬質ポリウレタンフォーム断熱層表面にプライマーを塗布し、その上に樹脂モルタルを塗布することにより、硬質ポリウレタンフォーム断熱層の表面に、燃えにくい樹脂モルタル層を設ける方法が提案されている。この方法は、硬質ポリウレタンフォーム断熱層と樹脂モルタル層との空洞部をなくし外部音の伝導を下げることを目的としてプライマーを使用している。しかし、プライマーの塗布やモルタルの混合、塗布等、現場での作業工程が多く、好ましくない。
一方、従来から無機不燃材料として珪酸塩水溶液を用いたコート剤は各種知られており、例えば特開平6−32664号公報には鉄骨用耐火被覆材として、特開平7−26166号公報には金属、合板用の耐熱塗料として、特開2002−274927号公報には左官モルタル用等として、特開2007−247240号公報にはアスベスト飛散防止用バインダーとしての使用がそれぞれ開示されている。
しかしながら、従来において、硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡施工において、防火の目的で硬質ポリウレタンフォーム断熱層の表面に、珪酸塩水溶液を用いてコート層を形成することは行われていない。これは、珪酸塩水溶液は、比較的低粘度であり、ポリウレタンフォームのような有機物表面に対する濡れ性、付着性が悪く、特に壁面のような鉛直方向の面に吹き付け塗布した場合、垂れやすい等の欠点があり、硬質ポリウレタンフォーム断熱層の防火コート剤としての実用化が困難であったことによると推定される。
しかし、硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法においては、前述の如く、硬質ポリウレタンフォーム断熱層の発火防止のための防火被覆のニーズは大きく、低コストで容易に施工可能な現場発泡工法及び防火コート剤が強く望まれている。
特開2003−253782号公報 特開平6−32664号公報 特開平7−26166号公報 特開2002−274927号公報 特開2007−247240号公報
本発明は、上述のような従来技術における課題の解決を図ったものであり、珪酸塩水溶液、中でも安価な水ガラスを利用して、低コストで施工性、防火性に優れた硬質ポリウレタンフォーム断熱層用防火コート剤及びそれを用いた硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法を提供することを課題とする。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、珪酸塩水溶液、特に水ガラスを使用し、特定配合のコート剤とすることによって、硬質ポリウレタンフォーム表面に対する濡れ性、付着性が良好で、特に現場発泡で成形した硬質ポリウレタンフォーム断熱層表面に簡易に無機質の防火コート層を形成して防火性を付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の内容を要旨とする。
[1] ポリイソシアネート成分とポリオール成分を構造体表面に吹き付け発泡させて該構造体表面に硬質ポリウレタンフォームの断熱層を形成させる硬質ポリウレタンフォームの現場発泡工法において、該断熱層表面に、珪酸塩水溶液と、珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対し0.1〜10重量部の界面活性剤と1〜70重量部の粘土鉱物系増粘剤とを含有する防火コート剤を付着させることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法。
[2] 該珪酸塩水溶液が、水ガラスである[1]に記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法。
[3] 該界面活性剤が、少なくとも1種類のアニオン性界面活性剤を含有する[1]又は[2]に記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法。
[4] 該粘土鉱物系増粘剤が、ベントナイト系増粘剤である[1]ないし[3]のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法。
[5] 該防火コート剤が、珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対し、更に造膜助剤として分子量300以下の多価アルコール類を1〜40重量部含有する[1]ないし[4]のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法。
[6] [1]ないし[5]のいずれかに記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法に用いられる防火コート剤。
[7] 珪酸塩水溶液と、珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対して0.1〜10重量部の界面活性剤と1〜70重量部の粘土鉱物系増粘剤とを含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム断熱層用防火コート剤。
本発明の防火コート剤は、珪酸塩水溶液、中でも安価な水ガラスを使用し、珪酸塩水溶液に対して所定量の界面活性剤と粘土鉱物系増粘剤とを含むことにより、有機物、特に硬質ポリウレタンフォームに対する濡れ性、付着性が良好であり、硬質ポリウレタンフォーム断熱層の発泡施工現場において、硬質ポリウレタンフォーム断熱層表面にスプレー装置等で吹き付けるのみで、火花や溶融塊等に対する耐火性に優れた無機質の防火コート層を容易に形成することができ、硬質ポリウレタンフォーム断熱層に優れた防火性を付与することができる。
しかも、この防火コート剤は、珪酸塩水溶液、中でも安価な水ガラスを主成分とするものであり低コストに提供される。また、水系であってVOC規制物質を全く含まないので環境にも適するものである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム断熱層用防火コート剤は、珪酸塩水溶液と、所定量の界面活性剤と粘土鉱物系増粘剤とを含み、更に場合によって特定の造膜助剤を含むものであり、現場発泡工法により硬質ポリウレタンフォーム断熱層を形成した際に、この硬質ポリウレタンフォーム断熱層の表面に防火コート層を形成するために用いられる。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法は、このような防火コート剤を用い、ポリイソシアネート成分とポリオール成分を構造体表面に吹き付け構造体表面に硬質ポリウレタンフォームの断熱層を形成させる現場発泡工法において、該断熱層表面にこの防火コート剤を付着させて防火コート層を形成するものである。
[硬質ポリウレタンフォーム断熱層]
本発明において、防火コート層を形成する被コート面となる硬質ポリウレタンフォーム断熱層は、現場発泡で成形されるものであり、その硬質ポリウレタンフォーム自体には特に制限はないが、通常の硬質ポリウレタンフォームは一度着火すると炎が伝播し易いという性質があり、特に建設現場での施工中の火災が問題となるので、難燃性能の高いイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームが好ましい。
イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームは、公知の方法、例えば、特開2001−181368号公報、特開2001−310925号公報のように、ポリイソシアネート成分と、水やフロン等の発泡剤、触媒、その他の助剤を含有するポリオール成分を混合、反応させ、ポリイソシアネートと水との反応で発生する炭酸ガス、或いは気化したフロンとの併用で発泡させたり、特開2002−47325号公報のように、ポリイソシアネート成分とポリオール成分以外に反応に関与しない二酸化炭素を外部から加えて発泡させる方法等によって得られる。これらは樹脂骨格中にウレタン結合、尿素結合、及びポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の3量化により形成するイソシアヌレート結合を含有するものである。
イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム等の硬質ポリウレタンフォームよりなる断熱層は、公知の方法で、構造体表面に、スプレー装置を用いてポリイソシアネート成分とポリオール成分とを吹き付け、発泡させて成形することができる。
現場発泡におけるスプレー装置のポリイソシアネート成分とポリオール成分の液比(容積比)は制限はないが、通常1:1であり、液の吐出圧力は5〜20MPa、吐出量は2〜25Kg/分の範囲で使用される。
成形された硬質ポリウレタンフォームの断熱層表面は、通常は凹凸のあるスキン層であるが、必要に応じて表面を研磨、研削したり、平滑に加工してもかまわない。また、通常は特に必要ないが、場合によっては防火コート剤の付着力の更なる向上等の目的で、硬質ポリウレタンフォーム断熱層の上面にプライマー等を塗布してもかまわない。
なお、硬質ポリウレタンフォーム断熱層の厚さには特に制限はなく、その施工対象、用途、要求される断熱性等に応じて適宜決定される。
[防火コート剤]
<珪酸塩水溶液>
本発明で使用される珪酸塩水溶液は、塗布、乾燥によって塗膜を形成し加熱しなくても空気中で硬化するものであり、水に溶解可能なものであればいずれも使用できる。また、水に完全に溶解しなくても分散系で安定化しているもの、後述の塗布の前に、容易に再分散し使用時に分離しないものであれば使用できる。また、珪酸塩水溶液は複数の珪酸塩を含んでいてもよい。具体的には珪酸のナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩の水溶液が好ましい。珪酸のカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム等の塩、天然物の珪酸塩白土等、或いはアルキルシリケート類は水に難溶又は不溶であるが、支障のない範囲では使用可能である。珪酸塩水溶液の中では、工業的に汎用で安価に得られる水ガラスが特に好ましい。
本発明の防火コート剤の主成分であり、好ましい珪酸塩水溶液である水ガラスは、珪酸ナトリウム(珪酸ソーダ)の高濃度の均一水溶液であり、液状であればいかなるものでもよいが、JIS K1408規格の1号、2号、3号に準拠した工業製品の中から好適に選ぶことができる。水ガラスは原液をそのまま使用できるが水で希釈しても良く、固形分即ち、加熱残分としては通常30〜60重量%の範囲で使用される。
ここで、水ガラスの固形分は、二酸化珪素と酸化ナトリウムの含有量を合計したものであり、以下のように定義される。
二酸化珪素の含有量は通常、JIS K1408に記載されている蒸発乾固法により求められ、酸化ナトリウムの含有量も通常、JIS K1408に記載されている中和滴定法により求められ、これらを合計したものを水ガラスの固形分とする。水ガラスには微量の不純物が含まれるが、固形分の算出に影響はない。また、二酸化珪素、酸化ナトリウム及び微量の不純物を含んだ形で簡易に二酸化珪素と酸化ナトリウムの合計の含有量を測定する場合は、600〜1000℃で1時間以内程度加熱する強熱減量法を用いることもできる。
また、水ガラスは1種を単独で用いても良いが、2種以上を併用することもできる。粘度調整や常温での塗膜の乾燥性、硬化性等のバランスを考慮し、例えば1号と3号を適当な比率で混合して使用することができる。
<界面活性剤>
界面活性剤は液状、ワックス状、固体、粉体、水溶液、2種類以上の混合物等、いかなる形態のものでもかまわないが、少なくとも1種類のアニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。即ち、アニオン性界面活性剤は珪酸塩水溶液への相溶性が良く、配合液の安定性の点で好ましい。
アニオン性界面活性剤は1種類のみを用いてもよいが、2種類以上を併用してもかまわない。
また、アニオン性界面活性剤に、非イオン性界面活性剤や両性界面活性剤の1種又は2種以上を併用してもかまわない。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、直鎖または分岐アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルファスルフォ脂肪酸エステルナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
それらの中では、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム類が水ガラスに対する相溶性や安定性等の点で好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。また、一般に水系樹脂の濡れ剤として使用されるもの、例えばアセチレングリコールのエチレンオキシド付加物やフッ素系、シリコーン系の界面活性剤も使用できる。
また、両性界面活性剤としては、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
本発明の防火コート剤の界面活性剤の含有量の総量は、界面活性剤の不揮発分として珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対する含有量が0.1〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部である。界面活性剤の含有量が珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対して0.1重量部未満では硬質ポリウレタンフォーム断熱層表面に対する濡れが不十分でハジキを生じ、10重量部を超えると珪酸塩水溶液への相溶性が不足したり塗膜にベトツキが出る。
なお、界面活性剤として、アニオン性界面活性剤と他の界面活性剤とを併用する場合、全界面活性剤中の10重量%以上がアニオン性界面活性剤であることが、アニオン性界面活性剤による安定性の向上効果を十分に得る上で好ましい。
界面活性剤の不揮発分は有効成分でもあり、以下のように定義される。
界面活性剤の不揮発分は、水や溶剤の揮発性成分を除いた部分であり、界面活性剤として働く有効な成分とみなす。有効成分はJIS K5601−1−2等の測定方法に準じて測定することができる。また、有効成分が100%のものを水や溶剤で希釈する場合は、計算値を用いてもよい。
<粘土鉱物系増粘剤>
粘土鉱物系増粘剤としては、水の存在下で構造粘性を発現する珪酸塩鉱物が挙げられる。具体例としては、層状珪酸塩鉱物、リボン状ないし繊維状珪酸塩鉱物、その他の珪酸塩鉱物が挙げられる。
層状珪酸塩鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、カオリン、雲母、ハロイサイト、パイロフィライト、蛇紋石、タルク、緑泥石、バーミキュライト等が挙げられ、これらを成分とする粘土鉱物が好ましい。
また、リボン状ないし繊維状の構造を有する珪酸塩鉱物としては、セピオライト、カーロスターナイト、ワラストナイト、アタパルジャイト等が挙げられる。
粘土鉱物系増粘剤としては、その他、ゼオライト等、公知の珪酸塩鉱物を使用することができる。
これらの粘土鉱物系増粘剤は単独で使用することができるが、併用してもかまわない。
粘土鉱物は天然物、精製物、変性物、または合成物等いずれも使用できるが、モンモリロナイトを主成分とするベントナイトを精製又は変性したものや合成したヘクトライト等が好ましい。変性物には粘土鉱物成分以外に増粘効果や粘度安定性の向上のため、他の増粘剤等の助剤が含まれていてもかまわない。
また、本発明の防火コート剤の主成分として好ましい珪酸塩水溶液である水ガラスは、pHが約11〜13の強アルカリ性であることから、粘土鉱物系増粘剤としてはこのような強アルカリ環境下でも安定かつ増粘効果の大きいものを選ぶことが好ましい。このような要求特性を満たすベントナイト系増粘剤として例えば、ロックウッドアディティブズ社のOPTIGELが好適なものとして挙げられる。
粘土鉱物系増粘剤は珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対する防火コート剤中の含有量が1〜70重量部、好ましくは1〜50重量部となるように用いる。粘土鉱物系増粘剤の含有割合が珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対して1重量部未満では、増粘効果が不足し、70重量部を超えると粘度が高くなり過ぎ、塗布や吹き付けに支障が出る。
<造膜助剤>
本発明においては、珪酸塩水溶液が乾燥して塗膜の形成に際し、硬化収縮や割れの防止等の目的で、必要に応じて造膜助剤を使用することができる。造膜助剤はまた、粘土鉱物系増粘剤との併用で粘度増加に対し優れた相乗効果を示し、防火コート剤の硬質ポリウレタンフォーム断熱層への付着性を高める。
造膜助剤としては、分子量300以下、好ましくは分子量50〜200の多価アルコール類が好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール等のグリコール類、グリセリン等のトリオール類が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。これらの中では珪酸塩水溶液に対する溶解性や配合液の分散安定性の点からエチレングリコール、グリセリンが好ましい。
なお、多価アルコール類であっても分子量が300を超えるものであると、珪酸塩水溶液に対する溶解性が不足し、塗膜形成時に分離するので好ましくない。
防火コート剤中の造膜助剤の含有量は、水溶性珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対して通常1〜40重量部、好ましくは1〜30重量部である。水溶性珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対する造膜助剤の含有量が1重量部未満であると硬化塗膜の硬化収縮防止に効果がなく、40重量部を超えると塗膜の乾燥性が低下する。
<その他の成分>
本発明の防火コート剤は、適用対象面に付着すると、水分の蒸発により塗膜が乾燥し、空気中の炭酸ガスの作用により硬化し、珪酸塩の連続した塗膜を形成した後、更に珪酸官能基の間で架橋反応が進行することにより防火コート層を形成するものであり、特に硬化剤、硬化促進剤の配合は不要であるが、必要に応じ、作業性に支障のない範囲でこれらを配合してもかまわない。また、着色剤、無機フィラー、難燃剤、接着付与剤、その他の助剤を配合してもかまわない。
また、本発明の防火コート剤は、前述の粘土鉱物系増粘剤以外の増粘剤を含んでいてもよく、その場合、粘土鉱物系増粘剤以外の増粘剤としては、水系に用いられる公知の増粘剤、例えばアクリル系増粘剤、ウレタン系増粘剤、セルロース系増粘剤、キサンタンガム等の多糖類、天然由来材料、微粉シリカ等の無機増粘剤、その他、各種のものを用いることができる。
ただし、本発明の防火コート剤がこのような粘土鉱物系増粘剤以外の増粘剤を含む場合、前述の粘土鉱物系増粘剤を用いることによる本発明の効果を有効に得るために、本発明の防火コート剤中の粘土鉱物系増粘剤以外の増粘剤の含有量は、防火コート剤中の粘土鉱物系増粘剤の重量に対して、20重量%以下、特に10重量%以下とし、防火コート剤中の全増粘剤の含有量が珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対して1〜70重量部程度となるようにすることが好ましい。
<調製方法>
本発明の防火コート剤は、必要成分の所定量を混合することにより容易に調製することができる。
また、本発明の防火コート剤は、2液型でもよいが、1液型が好適に用いられ、固形分は配合原料の各固形分から算出でき、通常30〜70重量%で使用する。粘度は通常200〜50000mPa・s/25℃であるが、塗布方法に応じて選択できる。
本発明の防火コート剤は分散液であり、長時間放置すると液が分離することがあるが、使用前に容器を軽く振り混ぜるなどして均一分散液にすることができるため、必ずしも現場にて調合する必要はなく、予め調合したものを問題なく使用することができる。
<施工方法>
本発明の防火コート剤の硬質ポリウレタンフォーム断熱層表面への付着方法は、刷毛塗り、コテ塗り、ヘラ塗り、ロール塗り、スプレー塗布等、いかなる方法でもかまわないが、スプレー装置を使用して塗布することが好ましい。例えば、現場にて圧力空気、圧力ホース、エアーガンを用意すれば、前述の如く防火コート剤を現場で調合する必要なく、その場で簡単に塗布が可能であり、作業効率的にも優れている。
スプレー装置を使用する際のコート剤の粘度は通常200〜5000mPa・s/25℃である。エアスプレーの場合、空気使用量は通常50〜500L/分の範囲であり、通常のスプレーガン又は吸い上げ式のスプレーガンが使用できる。
防火コート剤の塗布量としては、通常、乾燥前の硬質ポリウレタンフォーム断熱層表面への付着量として100〜3000g/mであるが、必要に応じて、一旦乾燥した上に塗り重ねていくこと、即ち、塗布と乾燥とを複数回繰り返して厚塗りすることもできる。また、塗膜の加熱も通常は不要であるが、塗膜の乾燥を速めたい場合は温風の吹き付けや適切な加熱を行うことができる。防火コート剤は硬質ポリウレタンフォームを現場で発泡成形した後に引き続き塗布してもよいし、既に発泡成形してあるものに塗布してもよい。
スプレー機で吹き付け発泡した硬質ポリウレタンフォーム断熱層の表面は通常凹凸状なため、実際には防火コート剤の付着量及び防火コート層の厚さにはムラが出る。また、現場においては付着量や厚さを実測することは困難であるため、別の平滑で浸透しないシート又は板状の被コート材表面に実際と同様に塗布、乾燥して、一定面積当たりの乾燥前と乾燥後の付着重量及び乾燥後の塗膜の厚さを測定する方法を用いることにより、防火コート剤の付着量と厚さを見積もることができる。その方法において、形成される防火コート層の乾燥後の付着量(目付量)としては200〜5000g/mで、その平均の厚さは100〜3000μm程度であることが、防火コート層形成のコストを抑えた上で、十分な防火性を得る上で好ましい。
<適用対象>
本発明の防火コート剤は有機物表面に対する濡れ性、付着性が良好であり、被塗布材は各種樹脂成型品、壁材、木材、その他、各種無機材料等への防火コート層の形成にも有効であるが、それらの中でも特に硬質ポリウレタンフォームの現場発泡における防火コート剤として好適に使用される。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<原料及び防火コート剤の固形分>
水ガラス及び界面活性剤の固形分はメーカー分析値を採用し、防火コート剤の固形分は各原料の固形分から計算した。ここでは、増粘剤の固形分は100重量%、造膜助剤としての多価アルコールは常温乾燥を想定して固形分100重量%として扱った。
<防火コート剤の粘度>
JIS K5600−2−3塗料一般試験方法のコーンプレート粘度計法に準じて、EM型回転粘度計(東機産業社製)で25℃での粘度を測定した。
<塗布用試験片の作成>
スプレーブース内で900×1800mm、厚さ6mmのスレート板を垂直に立て、スプレー装置(ガスマー社製H−20)を使用して、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分の吐出圧力を7MPaに設定し、液比をポリイソシアネート成分:ポリオール成分=1:1容積比としてイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームを吹き重ねて、平均厚さ約30mmの断熱層を設けた。この時の組成は、ポリイソシアネート成分としてコロネート1156(日本ポリウレタン工業社製)171重量部に対し、ポリオール成分として、水酸基価700mgKOH/gのマンニッヒ変性ポリエーテルポリオール(第一工業製薬社製)30重量部、水酸基価295mgKOH/gのm,p−フタル酸系ポリエステルポリオール(東邦理化社製)20重量部、水酸基価250mgKOH/gのp−フタル酸系ポリエステルポリオール(東邦理化社製)50重量部、難燃剤トリスモノクロロプロピルホスフェート(大八化学工業社製)20重量部、シリコーン整泡剤L−5420(東レ・ダウコーニング社製)1重量部、発泡剤としてHFC245fa(セントラル硝子社製)20重量部、HFC365mfc(日本ソルベイ社製)22重量部、水0.5重量部、触媒としてトリエチレンジアミン33重量%溶液(花王社製)1.0重量部、ペンタメチルジエチレントリアミン(花王社製)0.3重量部、オクチル酸カリウム溶液(日本化学産業社製)5.0重量部、オクチル酸鉛溶液(日本化学産業社製)1.0重量部を混合液としたものを使用した。フォーム密度はコア部分で30Kg/mであった。この吹き付け板をバンドソーで約450×450mmに切断して防火コート剤塗布評価用の試験片とした。
<防火コート剤の付着量>
乾燥前の硬質ポリウレタンフォーム断熱層表面への防火コート剤の付着量は、前記試験片のスプレー塗布直後の重量測定から求めた。乾燥後の付着量は、23℃,60%RHで2日乾燥した後の重量測定から求めた。
<防火コート層の平均厚さ>
前述の方法で、試験片作成時に70×150×厚さ0.5mmのSPCC鋼板をダミーとして防火コート剤を同様にスプレー塗布し、23℃,60%RHで2日乾燥後の付着量と厚さから試験片表面に形成された防火コート層の平均厚さを見積もった。
<塗布性評価基準>
塗布性は以下の基準で評価した。
なお、塗膜状態は、防火コート剤塗布後23℃,60%RH乾燥2週間後の塗膜の状態である。
(濡れ性)
○:良好
△:ややハジキあり
×:ハジキが多い
(付着性)
○:良好
△:ややタレあり
×:タレが多い
(塗膜状態)
○:良好
△:一部剥離、脱落
×:剥離、脱落が多い
<耐火性評価方法>
前記のイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームを吹き付けた試験片から100×100mmの試料を切り出して、この試料について、コーンカロリーメーターIII(東洋精機社製)を利用し防火コート剤を塗布したポリウレタンフォーム表面側から50KW/mの輻射熱を10分間当てて表面部分の着火と燃焼の状態を調べ、以下の評価基準で評価した。
(耐火性)
○:60秒を超えて瞬間的に着火はするが直ぐに消え、燃焼は続かない
△:10〜60秒の間で着火し燃焼し続ける
×:10秒以内に着火し炎上する
[実施例1]
水ガラスとして、1号珪酸ソーダ(固形分44.4重量%、富士化学社製)200重量部、3号珪酸ソーダ(固形分38.4重量%、富士化学社製)400重量部の混合物を調製し、これに界面活性剤としてハイテノール325L(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウムの26重量%水溶液、第一工業製薬社製)1.0重量部を混合、溶解した後、増粘剤としてOPTIGEL WX(変性ベントナイト、ロックウッドアディティブズ社製)60重量部を加え、撹拌、分散して本発明の防火コート剤を得た。粘度は7日後にほぼ安定し420mPa・s/25℃であった。
得られた防火コート剤をスプレーガンSSG−20(トラスコ中山社製)を使用し、スプレーブース内で垂直に立てた前記試験片の硬質ポリウレタンフォーム表面に0.4MPaの空気圧で吹き付け塗布した。乾燥前の付着量は重量測定から求めると600g/mであった。コート剤の濡れ性は良好でありハジキ、タレはなく、均一に塗布することができた。23℃,60%RH乾燥2週間後において、コート剤の塗膜は良好に保持されていた。コート剤の組成及び評価結果を表1に示す。
耐火性評価の結果、加熱開始から防火コート剤の発泡がみられ、硬質ポリウレタンフォーム表面からの瞬間的な着火はあったが直ぐに消え、その後燃焼は認められなかった。
[実施例2〜4]
増粘剤を加える前に造膜助剤としてエチレングリコール又はグリセリンを混合、溶解する以外は実施例1と同様の方法で防火コート剤を調製し、吹き付け評価を行った。
防火コート剤の組成、粘度及び評価結果を表1に示すが、濡れ性、付着性は全て良好であり均一に塗布することができた。それぞれ23℃,60%RH乾燥2週間後において、コート剤の塗膜は良好に保持されていた。また、実施例2,3から、エチレングリコールの配合、及び配合量を増すことによって防火コート剤の粘度が大きく増加することがわかった。
耐火性評価の結果、夫々、防火コート剤の発泡がみられ、硬質ポリウレタンフォーム表面からの瞬間的な着火はあったが直ぐに消え、連続した燃焼は認められず、実施例1と合わせ、本発明の防火コート剤の有効性が確認できた。
なお、実施例1〜4において、界面活性剤であるハイテノール325L(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウムの26重量%水溶液、第一工業製薬社製)の使用量を4.0重量部としたこと以外は同配合でそれぞれ防火コート剤を調製し、各々の防火コート剤について、同様に吹き付け評価と耐火性評価を行ったところ、いずれも対応する実施例1〜4と同等の結果が得られた。
Figure 2010229804
[比較例1〜5]
比較例1は防火コート剤を塗布せず、比較例2〜5は実施例1と同様の方法で防火コート剤を調製し、吹き付け評価を行った。防火コート剤の組成、粘度及び評価結果を表2に示す。
比較例2は実施例1の界面活性剤と増粘剤を使用しない例、即ち水ガラスのみの例であるが、防火コート剤は吹き付け時にハジキとタレを生じ、均一な塗膜が得られなかった。比較例3は実施例1の増粘剤を使用しない例であるが、防火コート剤は吹き付け時の濡れ性は良かったが、タレを生じ均一な塗膜が得られなかった。比較例4は実施例2及び3の界面活性剤と造膜助剤を使用しない例であるが、ややハジキとタレを生じ、塗膜の外観は満足できるものではなかった。比較例5は増粘剤を水ガラスの固形分100重量部に対し82重量部を添加した例であるが、粘度が高すぎ流動性がなく塗布に適さなかった。
耐火性評価の結果、防火コート剤を形成しなかった比較例1では、硬質ポリウレタンフォームが表出しているため、直ちに着火、激しく炎上し耐火性が劣る。
水ガラスのみで防火コート層を形成した比較例2では、水ガラスの硬質ポリウレタンフォームに対する濡れ性、付着性が悪いために良好な防火コート層を形成し得ず、耐火性が十分でない。
また、水ガラスに界面活性剤と粘土鉱物系増粘剤の一方のみを配合した比較例3,4でも十分な濡れ性、付着性が両立せず、その結果、耐火性の改善効果は十分ではない。
Figure 2010229804
[実施例5〜8]
実施例1〜4で防火コート剤を塗布して得られた試験片に対して、下記の方法で溶断火玉試験を行い、それぞれ実施例5〜8として評価した。
その結果を表3に示す。
実施例5〜8では、いずれも火玉との接触により試験片表面からの瞬間的な着火はあったが、防火コート層の発泡とともに直ぐに消え、その後燃焼は認められなかった。また、火玉は試験片表面に突き刺さった状態で止まり、冷えて固まった。
<溶断火玉試験>
試験片を、防火コート剤塗布面(ただし、後述の比較例6においては、ポリウレタンフォーム面)を上にして、板面が水平となるように置き、上方50cmの高さから、SS400軟質鋼材をアセチレンバーナーで溶断して、約1000℃の溶融した火玉を、防火コート剤塗布面(ただし、後述の比較例6においては、ポリウレタンフォーム面)に落下させ、着火と燃焼の状態を調べた。火玉防火性の評価は、大きさが平均径約10mmの火玉について行い、以下の評価基準で評価した。
(火玉防火性)
○:瞬間的に着火はするが直ぐに消火し、火玉は表面部分で止まっている
△:着火し、火玉はポリウレタンフォーム層中間までもぐり込み短時間燃焼する
×:着火し、火玉はポリウレタンフォーム層を貫通し燃焼を続ける
Figure 2010229804
なお、実施例1〜4の防火コート剤において、界面活性剤であるハイテノール325L(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウムの26重量%水溶液、第一工業製薬社製)の使用量を4.0重量部としたこと以外は同配合でそれぞれ調製した防火コート剤を用いたこと以外は、実施例5〜8とそれぞれ同様にして溶断火玉試験を行ったところ、いずれも対応する実施例5〜8と同等の結果が得られた。
[比較例6〜9]
比較例1の防火コート剤を塗布していない試験片、及び比較例2〜4で防止コート剤を塗布して得られた試験片を用いて、実施例5〜8と同様にして溶断火玉試験を行い、それぞれ比較例6〜9として評価した。
その結果を表4に示すが、防火コート剤を形成しなかった比較例6、水ガラスのみを用いた比較例7、及び水ガラスに界面活性剤のみを配合した比較例8では、火玉との接触で着火、燃焼し、火玉がポリウレタンフォーム層を貫通して燃焼を続けた。
また、水ガラスに増粘剤のみを配合し、塗膜にハジキのある比較例9では、火玉との接触により着火し、火玉がポリウレタンフォーム層の中間までもぐり込んで短時間燃焼した。
Figure 2010229804
[実施例9〜11]
増粘剤を加える前に増膜助剤としてエチレングリコールを混合、溶解し、増粘剤としてOPTIGEL WXの代わりにOPTIGEL CK(精製ベントナイト、ロックウッドアディティブズ社製)或いはこれと共にPANGEL AD(セピオライト、楠本化成社製)を用いる以外は実施例1と同様の方法で防火コート剤を調製し、同様の方法で吹き付け評価を行うと共に、実施例5〜8と同様の方法で溶断火玉試験を行った。各防火コート剤の組成及び粘度(7日後)と評価結果を表5に合わせて示す。
実施例9〜11では、いずれもコート剤の濡れ性、付着性は良好であり均一に塗布することができた。また、それぞれ23℃,60%RH乾燥2週間後において、コート剤の塗膜は良好に保持されていた。
火玉防火性においては、いずれも火玉との接触により試験片表面からの瞬間的な着火はあったが、防火コート剤の発泡とともに直ぐに消え、その後燃焼は認められなかった。また、火玉は試験片表面に突き刺さった状態で止まり、冷えて固まった。
Figure 2010229804

Claims (7)

  1. ポリイソシアネート成分とポリオール成分を構造体表面に吹き付け発泡させて該構造体表面に硬質ポリウレタンフォームの断熱層を形成させる硬質ポリウレタンフォームの現場発泡工法において、該断熱層表面に、珪酸塩水溶液と、珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対し0.1〜10重量部の界面活性剤と1〜70重量部の粘土鉱物系増粘剤とを含有する防火コート剤を付着させることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法。
  2. 該珪酸塩水溶液が、水ガラスである請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法。
  3. 該界面活性剤が、少なくとも1種類のアニオン性界面活性剤を含有する請求項1又は2に記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法。
  4. 該粘土鉱物系増粘剤が、ベントナイト系増粘剤である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法。
  5. 該防火コート剤が、珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対し、更に造膜助剤として分子量300以下の多価アルコール類を1〜40重量部含有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の硬質ポリウレタンフォーム断熱層の現場発泡工法に用いられる防火コート剤。
  7. 珪酸塩水溶液と、珪酸塩水溶液の固形分100重量部に対して0.1〜10重量部の界面活性剤と1〜70重量部の粘土鉱物系増粘剤とを含有することを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム断熱層用防火コート剤。
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