JP2010228544A - 車両用サスペンション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の「車両用駆動輪構造」は、揺動抑制のために駆動用モータを2つ設けていることから、駆動用モータが1つの場合に比べて消費エネルギが増大してしまうことが避けられなかった。
【解決手段】車輪15の回転軸と車体とを連結するトレーリングアーム11と車体とを、互いに揺動可能に連結するトルクコントロールロッド12とモータケース13とを介して連結して、車両側面視においてトルクコントロールロッド12の延在方向延長線がトレーリングアーム11の延在方向延長線と交わるように配置する。
【選択図】図1

Description

この発明は、インホイールモータを採用した車両に備えられる車両用サスペンション装置に関する。
従来、車両の各車輪(ホイール)に配置した電気モータにより直接車輪を駆動するインホイールモータが知られているが、一般論として、インホイールモータを採用すると、インホイールモータの駆動反力に起因する車両上下方向の力が発生するため、車体が車両上下方向に変位して車両姿勢が変動してしまうことになる。
そこで、1車輪当たり2つの駆動モータを設け、それぞれのモータの駆動反力によって車輪の上方向及び下方向に力を発生させることにより、揺動を抑制する車両姿勢制御機能を付与する「車両用駆動輪構造」(特許文献1参照)が知られている。
特開2007−269209号公報
しかしながら、従来の「車両用駆動輪構造」は、揺動抑制のために駆動用モータを2つ設けていることから、駆動用モータが1つの場合に比べて消費エネルギが増大してしまうことが避けられなかった。
この発明に係る車両用サスペンション装置は、車輪の回転軸と車体とを連結する懸架部材と車体とを、互いに揺動可能に連結する第1リンク部材と第2リンク部材とを介して連結して、車両側面視において第1リンク部材の延在方向延長線が懸架部材の延在方向延長線と交わるように配置する。
この発明によれば、リンク機構により、モータの駆動反力によって生じる車輪の上下方向力を低減しているので、消費エネルギが増大することなく車両のピッチング挙動を抑制することができる。
この発明の第1実施の形態に係る車両用サスペンション装置の構成を示す右輪を側方から見た説明図である。 図1の車両用サスペンション装置の構成を示す右輪を上方から見た説明図である。 この発明に係る車両用サスペンション装置と比較するために、一般的な後輪用トーションビームアクスル式サスペンションにおける駆動時の車輪上下力発生状況を示す、右輪を側方から見た比較説明図である。 図1の車両用サスペンション装置の標準姿勢時における車輪上下力発生状況を示す、右輪を側方から見た説明図である。 図4の標準姿勢状態から車輪が車体に対し上方へフルストロークしたフルバウンド状態における車輪上下力発生状態を示す、右輪を側方から見た比較説明図である。 図4の標準姿勢状態から車輪が車体に対し下方へフルストロークしたフルリバウンド状態における車輪上下力発生状態を示す、右輪を側方から見た比較説明図である。 この発明の第2実施の形態に係る車両用サスペンション装置の構成を示す右輪を側方から見た説明図である。 この発明の第3実施の形態に係る車両用サスペンション装置の構成を示す右輪を側方から見た説明図である。 図8の車両用サスペンション装置の構成を示す右輪を上方から見た説明図である。
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、この発明の第1実施の形態に係る車両用サスペンション装置の構成を示す右輪を側方から見た説明図である。図2は、図1の車両用サスペンション装置の構成を示す右輪を上方から見た説明図である。
図1及び図2に示す、車両用サスペンション装置10は、例えば、後輪用のトーションビームアクスル式サスペンションであり、トレーリングアーム(懸架部材)11、トルクコントロールロッド(第1リンク部材)12、モータケース(第2リンク部材)13、及びモータ(回転原動機)14を備えており、車両(図示しない)の車輪(一例として、右側の車輪を図示)15を懸架している。車輪15は、ディスクホイール(ホイール)16と、ホイール16に装着されたタイヤ17を有している。
トレーリングアーム11は、車両前後方向に延在し、車軸(回転軸)を内包するアクスル部材18(図2参照)に軸支された車輪15と、車体(図示しない)とを連結しており、一体形成されたギヤボックス部19を備えると共に、トーションビーム20と一体化されている(図2参照)。なお、図1,2において、車軸は、軸芯cのみを図示する。このトレーリングアーム11は、ブッシュ21を介して揺動自在に車体に取り付けられており、トレーリングアーム11と一体的に形成されたアクスル部材18には、ホイール16を回動自在に支持するハブベアリング22が装着されている(図2参照)。ギヤボックス部19のブッシュ21側とは反対側の下端部は、ショックアブソーバ23a及びコイルスプリング23bを介して車体に連結されている(図1参照)。
トルクコントロールロッド12は、一端が、第1ボールジョイント24aを介して回動自在に、車体に位置決め固定されると共に、他端が、第2ボールジョイント24bを介して回動自在に、後述するモータケース13のロッド取付部13aに連結されて、車体から車両前後方向に延在しており、車体に対し他端側が自在に揺動するように連結されている。なお、トルクコントロールロッド12の延在方向は、車両前後方向の前方或いは後方の何れでも良い。
モータケース13は、頂部にロッド取付部13aを有する側面視略三角形状に形成されており、内部に組み込まれたモータ14のモータ主軸(駆動軸)を作動点として自在に回動するように、トレーリングアーム11に固定されている。トレーリングアーム11に固定されたモータケース13の、トレーリングアーム11の上方に突出するロッド取付部13aには、トルクコントロールロッド12の他端が回動自在に連結されている。
つまり、トルクコントロールロッド12は、車体から車両前後方向に延在する第1リンク部材として機能し、トルクコントロールロッド12と連結されたモータケース13は、トレーリングアーム11から車両上下方向に延在する第2リンク部材として機能する。このため、モータケース13は、一端(上端部)に連結されたトルクコントロールロッド12と、他端(下端部)が固定されたトレーリングアーム11により、車体に対しリンク接続されることになり、リンク機構による幾何学的中心を有する回動動作を行う。なお、上記構成は、右車輪について説明したものであるが、右車輪と対称配置の同一構成である左車輪についても同様に適用される。
モータ14は、モータ主軸を介して回転駆動力(トルク)を出力する。出力された回転駆動力は、トレーリングアーム11の一部を構成するギヤボックス部19に格納された減速機構によってトルク増幅された後、車輪15のホイール主軸に伝達され、車輪15を回転駆動する(図1,2参照)。ギヤボックス部19に格納された減速機構は、ピニオンギヤ25a、ピニオンギヤ25aに噛合するアイドルギヤ25b、アイドルギヤ25bに噛合する出力ギヤ25cにより構成されている。ここで、ピニオンギヤ25a、アイドルギヤ25b、出力ギヤ25cが、駆動伝達装置に対応する。また、ピニオンギヤ25a、アイドルギヤ25b、出力ギヤ25cの替わりに、モータ主軸の回転駆動力をホイール主軸にチェーンやベルトを介して伝達してもよい。
そして、トレーリングアーム11とトルクコントロールロッド12は、トレーリングアーム11の延在方向延長線、即ち、車両側面視におけるモータケース13の中心とトレーリングアーム11の車体取付部の中心(ブッシュ21の中心)とを結ぶ直線Lと、トルクコントロールロッド12の延在方向延長線、即ち、車両側面視における第1ボールジョイント24aの中心Tと第2ボールジョイント24bの中心Tとを結ぶ直線Lが交わるように、配置されている(図1参照)。
次に、この発明に係る車両用サスペンション装置10の作用について説明する。
ここで、一般的な後輪用トーションビームアクスル式サスペンションにおいて、駆動時に車輪(ホイール)上下力が発生するメカニズムを説明する。
図3は、この発明に係る車両用サスペンション装置と比較するために、一般的な後輪用トーションビームアクスル式サスペンションにおける駆動時の車輪上下力発生状況を示す、右輪を側方から見た比較説明図である。
図3に示すように、一般的な後輪用トーションビームアクスル式サスペンション1は、トーションビーム一体型のトレーリングアーム(懸架部材)2により、車輪3を懸架している。トレーリングアーム2は、回転軸取付部2aに、車輪3の回転軸(アクスル)4を回動自在に支持し、車両前後方向に延在して配置されており、一端をブッシュ5を介して、他端をショックアブソーバ6a及びコイルスプリング6bを介して、それぞれ車体(図示しない)に取り付けられている。
この一般的な後輪用トーションビームアクスル式サスペンション1において、車輪駆動時、車輪3に装着されたタイヤ3aは、タイヤ3aの接地面G/Lから反作用力Fを受ける。これにより、タイヤ3aの回転軸、即ち、タイヤ中心には、軸力F及び回転力Mが入力されることになる。ここで、FはFに等しい力である。
このFは、車両側面視において、車輪中心から、車輪3の動きを決定している車体に対するサスペンション1の回転中心Cに向かう方向成分Fと、鉛直方向成分Fに分解することができる。
また、反作用力Fを受ける部位は、車輪3の駆動形態によって異なることから、駆動系をバネ上に搭載しドライブシャフトで車輪3に駆動力を伝達する車両では、Mをバネ上で受けるのに対し、インホイールモータシステム等の、駆動系をバネ下に搭載する車両の場合、Mをバネ下で受けることになる。このため、駆動系をバネ下に搭載する車両の場合、車輪3の中心からサスペンションの回転中心Cまでの距離Lをモーメントアーム長とした偶力が車輪3に作用して、Fが車輪上下力となる。
つまり、鉛直方向成分Fは、車輪上下力の構成成分の一つであり、モータの駆動によってホイールセンタ(車輪3回転中心)である車軸上に発生する、車両上方向への力(スクワット力)或いは車両下方向への力(アンチスクワット力)となる。
偶力が車輪3に作用したとき、一般的な後輪用トーションビームアクスル式サスペンション1(図3参照)では、構造上、車輪3の中心からサスペンションの回転中心Cまでの距離Lを十分に確保することができないため、前述の偶力による車輪上下力が必要以上に大きくなってしまい、その結果、車両加速時に不自然なリアのリフトアップ挙動が発生してしまう。
このような、一般的な後輪用トーションビームアクスル式サスペンション1に対し、この発明に係る車両用サスペンション装置10の具体的な作用について説明する。
図4は、図1の車両用サスペンション装置の標準姿勢時における車輪上下力発生状況を示す、右輪を側方から見た説明図である。図4に示すように、サスペンション装置10において、比較例(図3参照)の場合と同様に、車輪15に駆動力が発生すると、ホイールセンタ(車輪回転中心)Wには、タイヤが受ける反作用力Fによる軸力F及び回転力Mが発生することになる。また、車輪15は、バネ下に搭載されたモータ14によって駆動されるため、Mも、Fと同様に、タイヤ/サスペンション系で反力として受けることになる。
ここで、Mは、ギヤボックス部19に格納された減速機構のギヤ比分の変換トルクMとして、サスペンション装置10が受けることになる。具体的には、モータケース13が、車輪15を支持するトレーリングアーム11とトルクコントロールロッド(第1リンク部材)12を介して、変換トルクMを受け止める。
これは、トルクコントロールロッド12の関節点、即ち、ボールジョイント24aの中心Tとボールジョイント24bの中心Tを結ぶ線と、モータ回転軸心Cとサスペンションの回転中心Cを繋いだ線との交点Cを瞬間回転中心とする仮想リンクが、変換トルクMを受けるのと、等価であると考えることができる。
よって、モータ回転軸心Cには、駆動トルク反力Mとモーメントアーム長Lによる偶力FR1(=M/L)が入力され、これにレバー比をかけたFR2が、車輪15に上下力として作用することになる。
つまり、サスペンション回転中心Cからモータ回転軸心C迄の距離をL、サスペンション回転中心CからホイールセンタW迄の距離をLとして、
FR×L=FR×L
∴FR=FR×L/L
となる。このFRは、FRに起因する、アクスル部材(回転軸)18に対し車両上下方向に作用する力である。
ここで、FとFR2が等しくなるようにすると、車両加速時のモータ駆動力による車輪上下力は発生せず、車両重心に作用する慣性力による前後輪荷重移動分のみとなる。よって、FとFR2の和で荷重移動による力をキャンセル(相殺)するように設定すれば、車輪15に作用する上下力によってもたらされる定常的なホイールストローク(車輪上下動)を、確実に抑制することができる。
車輪上下力の構成成分であるFは、
=f(FV1)+f(FV2
と表すことができる。なお、fは、関数を示し、FV1はモータの回転駆動力、FV2は車体のピッチ変位により車軸に発生する上下力である。
V1は、タイヤ接地面G/Lの駆動力F(=F)、FとFとが成す角度θ、車輪一個の重量W、車両前後方向の加速度Gとして、
V1=F×tanθ
=W×G
で求められ、FV2は、タイヤの接地面G/Lから車両の重心位置までの距離H、車両全体の重量W、車両のホイールベースDとして、
×W×G=D×FV2×2
∴FV2=W×G×H/2D
で求められる。
図5は、図4の標準姿勢状態から車輪が車体に対し上方へフルストロークしたフルバウンド状態における車輪上下力発生状態を示す、右輪を側方から見た比較説明図である。図5に示すように、車輪15が車体に対し上方へフルストロークしたフルバウンド状態においては、サスペンション回転中心Cに対するホイールセンタWの相対高さが、標準姿勢状態から更に高くなることで、FとFとが成す角度θが、更に大きくなり、Fも大きくなる。
また、モータケース13は、トレーリングアーム11と共に車体に対し上方へ持ち上げられるため、トルクコントロールロッド12のモータケース13側の関節点Tは、トルクコントロールロッド12の車体側の関節点Tよりも相対的に高い位置となり、トルクコントロールロッド12に下反角が大きく発生する。このとき、トレーリングアーム11の延在方向延長線とトルクコントロールロッド(第1リンク部材)12の延在方向延長線との交点Cの位置は、車輪15の静止位置に対し、モータケース(第2リンク部材)13とトレーリングアーム11との連結点(モータ回転軸心C)より車両前後方向前側に位置する。
トルクコントロールロッド12に下反角が大きく発生することにより、モータ回転軸心Cに入力する偶力FR1に起因するモーメントアーム長Lが標準状態よりも小さくなり、偶力FR1の効果を強めることになる。よって、大きくなったFを相殺することが可能になり、車輪15のバウンド時にも安定した挙動を維持することができる。
図6は、図4の標準姿勢状態から車輪が車体に対し下方へフルストロークしたフルリバウンド状態における車輪上下力発生状態を示す、右輪を側方から見た比較説明図である。図6に示すように、車輪15が車体に対し下方へフルストロークしたフルリバウンド状態においては、サスペンションの回転中心Cに対するホイールセンタWの相対高さ関係が、フルバウンド状態(図5参照)と逆転し、Fと方向成分Fとが成す角度θが、上反角を形成する。これにより、Fの極性は反転し、車輪15をバウンドさせる方向に作用する。
また、モータケース13は、トレーリングアーム11と共に車体に対し下方へ変位するため、トルクコントロールロッド12のモータケース13側の関節点Tは、トルクコントロールロッド12の車体側の関節点Tよりも相対的に低い位置となり、トルクコントロールロッド12に上反角が発生する。このとき、トレーリングアーム11の延在方向延長線とトルクコントロールロッド(第1リンク部材)12の延在方向延長線との交点Cの位置は、車輪15の静止位置に対し、モータケース(第2リンク部材)13とトレーリングアーム11との連結点(モータ回転軸心C)より車両前後方向後側に位置する。
トルクコントロールロッド12に上反角が発生することにより、モータケース13の瞬間回転中心Cは、ホイールセンタWよりも車両後方側となって、モータ回転軸心Cに入力する偶力FR1の極性も標準状態に対し反転し、車輪15をバウンドさせる方向に作用する。これにより、Fを相殺することが可能になり、車輪15のリバウンド時にも安定した挙動を維持することができる。
また、トルクコントロールロッド12とモータケース13のジオメトリ設定により、ホイールストロークに応じて、それに抗するようにホイール標準姿勢に上下力を作用させることも可能になる。これは、車両加速時の車体ロール剛性を向上させる効果がある。
上述したように、この発明に係る車両用サスペンション装置10は、モータケース13を介してモータ14が装着されるサスペンション部材であるトレーリングアーム11に対するモータ14の配置を幾何学的構成により工夫して、モータ14の駆動反力に起因する上下方向の力を低減する向きの力、即ち、モータ回転軸心Cに入力する偶力FR1を発生させている。この結果、2個のモータを用いる等、追加のエネルギが必要な動力源を利用すること無しに、モータ14の駆動反力によって生じる車輪15の上下方向力を低減し、車両のピッチング挙動を抑制することができる。
また、モータケース13が、トレーリングアーム11及びトルクコントロールロッド12と共に構成するリンク機構の第2リンク部材として機能することにより、部品点数を削減してレイアウト成立性を高めることができる。
また、ギヤボックス部19により、モータ14をホイール主軸に対し車両前後方向前側に配置して、モータ主軸とホイール主軸をギアで連結することにより、質量が大きいモータ14を、トレーリングアーム11の車体側連結点近傍に位置させているため、トレーリングアーム11が車両上下方向に揺動したときに発生するモータ14の慣性質量を小さくすることができる。これにより、トレーリングアーム11の揺動時の追従性が向上するので、操縦安定性能の向上を図ることができる。
(第2実施の形態)
図7は、この発明の第2実施の形態に係る車両用サスペンション装置の構成を示す右輪を側方から見た説明図である。図7に示すように、車両用サスペンション装置30は、モータケース13に組み込まれたモータ14を、車輪15と同軸に配置しており、その他の構成及び作用は、第1実施の形態における車両用サスペンション装置10(図1,2参照)と同様である。
車両用サスペンション装置30は、モータ14のモータ回転主軸(駆動軸)が、車輪15のアクスル部材(回転軸)18(図2参照)と同軸に、且つ、回動自在になるようにモータ14を配置しており、これに対応して、モータケース13も、ギヤボックス部19に重なるように配置されている。つまり、車両用サスペンション装置30にあっては、第1実施の形態における車両用サスペンション装置10が、回転駆動力入力軸と減速後出力軸を平行配置したギヤボックス部19に代えて、回転駆動力入力軸と減速後出力軸を同軸に配置した遊星減速機構31を備えている。
この場合、サスペンション回転中心Cからモータ回転軸心C迄の距離Lとサスペンション回転中心CからホイールセンタW迄の距離Lが、同一(モータ回転軸心CとホイールセンタWが一致)になるので、
FR=FR×L/L=FR×1
となる。
遊星減速機構は、中心のサンギヤ31aと外周のリングギヤ31bの間に配置されて、サンギヤ31aを中心として自転しつつ公転する複数(3個を例示)のプラネタリギヤ31cを有しており、この遊星減速機構によって必要な減速比を確保している。また、モータ14の仕様によってはモータ14によるダイレクトドライブも可能である。
この配置においても、Fは、第1実施の形態と同様の特性となり、トルクコントロールロッド(第1リンク部材)12の配置を適正化することで、所望の車輪上下力を生成することができる。
また、例えば、マルチリンクのような、サスペンションの回転中心Cが仮想的な瞬間回転中心になる他形式のサスペンションにおいても、第2実施の形態に係る車両用サスペンション装置30と同様の要領で、所望の車輪上下力を設定することができる。
上述したように、この発明に係る車両用サスペンション装置30は、モータケース13のトレーリングアーム11との連結部を、車輪15のアクスル部材(回転軸)18に対し同軸、且つ、回動自在に連結しているので、部品点数を削減してレイアウト成立性を高めることができる。
(第3実施の形態)
図8は、この発明の第3実施の形態に係る車両用サスペンション装置の構成を示す右輪を側方から見た説明図である。図9は、図8の車両用サスペンション装置の構成を示す右輪を上方から見た説明図である。図8及び図9に示すように、車両用サスペンション装置35は、トルクコントロールロッド(第1リンク部材)12に代えて、スタビライザーバー36を有しており、その他の構成及び作用は、第1実施の形態における車両用サスペンション装置10(図1,2参照)と同様である。
スタビライザーバー36は、車両幅方向に延びる、例えば棒状体により形成されたスタビライザー捻り部36bの両端部を車両前後方向に屈曲して形成した捩れレバー部(モーメントレバー部)36aを有している。各捩れレバー部36aは、その先端をボールジョイント24bに連結しており、ボールジョイント24bを介して回動可能に、左右各車輪側のモータケース13のロッド取付部13aに取り付けられている。
このスタビライザーバー36は、スタビライザブッシュ37aを介して装着されたスタビライザブラケット37bにより、車体に固着されており、左右輪で共通となるトルクコントロールロッド12の側面視における車体側関節点T1を、スタビライザーバー36の回動軸心としている。つまり、スタビライザーバー36の捩れレバー部36aによりトルクコントロールロッド(第1リンク部材)12を構成している。
そして、捩れレバー部36aの先端を、モータケース13のロッド取付部13aに取り付けたことで、モータケース(第2リンク部材)13がスタビライザーバー36のコネクティングロッドとして機能することになる。
上述したように、この発明に係る車両用サスペンション装置35は、トルクコントロールロッド12を、左右両車輪間に配置したスタビライザーバー36の車輪15と連結する捩れレバー部36aによって構成し、スタビライザーバー36のコネクティングロッドを、モータケース13により構成することで、車両にアンチロール機能を付加することになるので、アンチロール機能を備えた専用部材を配置するために新たに車両スペースを占有することなく、車両にアンチロール機能を確保することができる。
この発明によれば、モータの駆動反力に起因する上下方向の力を低減する向きの力を発生させて、モータの駆動反力によって生じる車輪の上下方向力を低減することにより、消費エネルギが増大することなく車両のピッチング挙動を抑制することができるので、車両用サスペンション装置に最適である。
10,30,35 車両用サスペンション装置
11 トレーリングアーム
12 トルクコントロールロッド
13 モータケース
13a ロッド取付部
14 モータ
15 車輪
16 ディスクホイール
17 タイヤ
18 アクスル部材
19 ギヤボックス部
20 トーションビーム
21 ブッシュ
22 ハブベアリング
23a ショックアブソーバ
23b コイルスプリング
24a 第1ボールジョイント
24b 第2ボールジョイント
25a ピニオンギヤ
25b アイドルギヤ
25c 出力ギヤ
31 遊星減速機構
31a サンギヤ
31b リングギヤ
31c プラネタリギヤ
36 スタビライザーバー
36a 捩れレバー部
36b スタビライザー捻り部
37a スタビライザブッシュ
37b スタビライザブラケット

Claims (6)

  1. 車両前後方向に延在し、車輪の回転軸と車体とを連結する懸架部材と、
    前記懸架部材に固定され、前記車輪の回転軸に回転駆動力を出力する回転原動機と、
    前記車体に揺動自在に連結し、前記車体から車両前後方向前側または後側に延在する第1リンク部材と、
    前記懸架部材に揺動自在に連結し、前記懸架部材から車両上下方向上側に延在して、前記第1リンク部材に揺動可能に連結する第2リンク部材と、
    を備え、
    前記第1リンク部材を、車両側面視において前記第1リンク部材の延在方向延長線が前記懸架部材の延在方向延長線と交わるように配置した車両用懸架装置。
  2. 前記懸架部材の延在方向延長線と前記第1リンク部材の延在方向延長線との交点の位置は、車両停車状態における前記車輪の位置に対し、車両上下方向上側に変位する場合は前記第2リンク部材と前記懸架部材との連結点より車両前後方向前側に位置し、車両上下方向下側に変位する場合は前記連結点より車両前後方向後側に位置する請求項1に記載の車両用懸架装置。
  3. 前記第2リンク部材は、前記回転原動機を組み込んだ原動機ケースである請求項1または2に記載の車両用懸架装置。
  4. 前記回転原動機を、前記車輪の回転軸に対し車両前後方向前側に配置し、前記回転原動機の駆動軸と前記車輪の回転軸を、駆動伝達装置を介して連結した請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用懸架装置。
  5. 前記原動機ケースの前記懸架部材との連結部を、前記車輪の回転軸に対し同軸、且つ、回動自在に連結した請求項3に記載の車両用懸架装置。
  6. 前記車両用懸架装置は、車両幅方向に延在するスタビライザー捻り部と、該スタビライザー捻り部から車両上下方向に延在するモーメントレバー部とを備えるスタビライザーバーを備え、
    前記第1リンク部材は、前記車体に揺動自在に連結する替わりに、前記モーメントレバー部に連結する請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用懸架装置。
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