JP2010222354A - 自己結合多成分歯科材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に貯蔵後であってさえも、公知のペースト/ペースト系と比較して、改善されたぞうげ質接着特性を示す、ペースト/ペーストベースの自己結合歯科材料を提供すること。
【解決手段】第一のペーストおよび第二のペーストを含有する硬化性多成分歯科材料であって、この第一のペーストは、(i)1種以上の酸基を有さないラジカル重合性モノマーおよび(ii)塩基性充填材を含有し、そしてこの第二のペーストは、(iii)1種以上の酸基含有ラジカル重合性モノマーおよび(iv)非塩基性充填材を含有する。この多成分歯科材料は、少なくともペースト(A)または(B)の中に、ラジカル重合のための少なくとも1種の開始剤(v)を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ペースト/ペーストベースの自己結合歯科材料(好ましくは、固定コンポジット)に関する。
歯科学において、コンポジットベースの固定材料は、頻繁に、歯科修復物(例えば、歯冠、ブリッジ、インレー)を、硬い歯の物質に固定するために使用されている。歯科コンポジットとは一般に、内部に1種以上の充填材が組み込まれた、有機モノマーまたはポリマーのマトリックスからなる多物質系を意味する。硬い歯の物質に満足に結合するために、固定コンポジットは、酸性の歯科用接着促進剤と組み合わせて使用される。すなわち、このコンポジットの塗布前に、硬い歯の物質が、酸性の歯科用接着促進剤で処理される。
歯科用接着促進剤がなしで済まされ、そして固定コンポジットが単独で使用され得る場合、処置手順は単純化される。これらのいわゆる自己結合固定コンポジット、または自己接着固定コンポジットはまた、モノマーマトリックス中に酸モノマーを含有し、これらの酸モノマーは、硬い歯の物質への結合を可能にする。頻繁に、これらは二重硬化系であり、これらは、光により誘導される硬化のための光開始剤に加えて、室温での自己硬化のための開始剤系を含有する。この固定コンポジットの自己硬化は、とりわけ、取り付けられるべき修復物(例えば、歯冠、ブリッジ)が非常に不透明である場合(例えば、酸化ジルコニウム)、または耐光性でさえある場合(例えば、金属)に必要である。
一般に、自己結合固定コンポジットは、粉末/液体ベースの系であり、これらの系は、非常に貯蔵安定性が高い。なぜなら、開始剤系の一部が粉末上にコーティングされ得るからである。粉末/液体系は、使用が複雑であり、そして混合のためのミキサーを必要とし、この(高速での)混合プロセスは、頻繁に、空気の含有をもたらし、そして充填の量に関して、大きい可変性を有さないので、これらの系は、とりわけ好ましい送達形態というわけではない。
ペースト/ペースト調製物は、特別なさらなる装置を必要とせず、そして任意の所望の量の固定材料が、問題なく混合され得るという利点を有する。最近、このベースを有するいくつかの材料が市場に出てきているが、これらの全てに共通して、これらの市販の系のぞうげ質接着特性は、粉末/液体系のぞうげ質接着特性に全く及ばず、そしてこれらのペースト/ペースト調製物のほとんどは、自己硬化後に、引き続く光硬化なしでは、ぞうげ質結合をほとんど示さない。公知のペースト/ペーストベースの固定コンポジットはまた、頻繁に、貯蔵安定性の問題を引き起こす。換言すれば、これらのペーストが長期間にわたり貯蔵された後には、ぞうげ質接着特性がもはや保証されない。
特許文献1および特許文献2は、自己結合性または二重結合性の、自己結合ペースト/ペースト歯科材料を記載する。これらの出願において、特別な開始剤系を使用し、そしてこれらの開始剤系を2つのペーストに分割することにより、貯蔵安定性を改善することが求められた。過酸化水素と特定の置換チオカルバミドとの組み合わせが、特許文献1において使用されており、そして特許文献2においては、酸化剤(例えば、過酸化水素、Cu(II)塩、Fe(III)塩、Co(III)塩、過硫酸塩および過マンガン酸塩)と還元剤(例えば、スルフィン酸塩、チオカルバミド、置換チオカルバミド、アスコルビン酸およびその誘導体、バルビツール酸およびその誘導体、チオバルビツール酸およびその誘導体、Fe(II)塩、Cu(I)塩およびCo(II)塩)との組み合わせが開示されている。一般に、両方の出願において、多数の異なる充填材が、好ましい充填材が強調されることなく記載されており、二成分系のそれぞれのペーストへ充填材の割り当ても、教示の主題ではない。特許文献1および特許文献2に記載されている、硬化後のぞうげ質接着値は、実用的には達成不可能である。具体的には、0〜2MPaのみのそうげ質結合値が、貯蔵後に達成され得る。
欧州特許出願公開第1 479 364号明細書 欧州特許出願公開第1 502 569号明細書
本発明の目的は、特に貯蔵後であってさえも、公知のペースト/ペースト系と比較して、改善されたぞうげ質接着特性を示す、ペースト/ペーストベースの自己結合歯科材料を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
(A)第一のペーストであって、
(i)1種以上の酸基を含まないラジカル重合性モノマーおよび
(ii)充填材
を含有する、第一のペースト、ならびに
(B)第二のペーストであって、
(iii)1種以上の酸基含有ラジカル重合性モノマーおよび
(iv)非塩基性充填材
を含有する、第二のペースト
を含有する硬化性多成分歯科材料であって、該多成分歯科材料は、少なくともペースト(A)または(B)の中に、ラジカル重合のための少なくとも1種の開始剤(v)を含有する、硬化性多成分歯科材料。
(項目2)
塩基性充填材をペースト(A)の中に含有する、上記項目に記載の歯科材料。
(項目3)
1種以上の酸基を有さないラジカル重合性モノマー(vi)をまたペースト(B)の中に含有する、上記項目のいずれかに記載の歯科材料。
(項目4)
非塩基性充填材(ix)をまたペースト(A)の中に含有する、上記項目のいずれかに記載の歯科材料。
(項目5)
自己硬化性であり、そして開始剤(v)、好ましくは過酸化物、特に好ましくは過酸化ベンゾイルを、ペースト(B)の中に含有し、そして活性化剤(vii)、好ましくは塩基性活性化剤、特に好ましくは芳香族アミンをまた、ペースト(A)の中に含有する、上記項目のいずれかに記載の歯科材料。
(項目6)
二重硬化性であり、そしてまた、少なくとも1種の光開始剤(viii)を、少なくともペースト(A)またはペースト(B)の中に含有する、上記項目のいずれかに記載の歯科材料。
(項目7)
前記非塩基性充填材(iv)、および必要に応じて前記非塩基性充填材(ix)もまた、SiO、中性金属塩およびこれらの組み合わせから選択される、上記項目のいずれかに記載の歯科材料。
(項目8)
前記非塩基性充填材(iv)および/または(ix)が、石英、発熱性シリカ、沈降シリカ、ゾル−ゲルシリカ、石英ガラス、希土類金属の中性フッ化物、好ましくは三フッ化イッテルビウム、およびこれらの組み合わせから選択される、上記項目のいずれかに記載の歯科材料。
(項目9)
前記少なくとも1種の酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)が、少なくとも1つのエチレン性不飽和基および少なくとも1つの酸基を含み、該エチレン性不飽和基が、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基およびこれらの組み合わせから選択され、そして該酸基が、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基およびこれらの組み合わせから選択される、上記項目のいずれかに記載の歯科材料。
(項目10)
前記少なくとも1種の酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)が、ラジカル重合性のリン酸二水素エステルまたはリン酸水素エステルである、上記項目のいずれかに記載の歯科材料。
(項目11)
アクリロイル基および/またはメタクリロイル基から好ましくは選択される少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する、少なくとも1種の酸基を有さないラジカル重合性モノマー(i)および/または(vi)を含有する、上記項目のいずれかに記載の歯科材料。
(項目12)
上記項目のいずれかに記載の硬化性多成分歯科材料のペースト(A)とペースト(B)とを、好ましくは0.4:0.6〜0.6:0.4の範囲の体積比、特に好ましくは、0.46:0.54〜0.54:0.46の範囲の体積比で混合する工程を包含する、使用の準備ができた歯科材料の調製プロセス。
(項目13)
歯科学において使用するための、上記項目のいずれかに記載の硬化性多成分歯科材料。
(項目14)
歯科修復物を歯のエナメル質および/またはぞうげ質に固定するための、上記項目のいずれかに記載の硬化性多成分歯科材料。
(項目15)
第一のレザバおよび第二のレザバを有する二重注射器であって、該二重注射器は、上記項目のいずれかに記載の硬化性多成分歯科材料を収容することを特徴とし、ペースト(A)が該第一のレザバに収容され、そしてペースト(B)が第二のレザバに収容される、二重注射器。
(摘要)
第一のペーストおよび第二のペーストを含有する硬化性多成分歯科材料であって、この第一のペーストは、(i)1種以上の酸基を有さないラジカル重合性モノマーおよび(ii)塩基性充填材を含有し、そしてこの第二のペーストは、(iii)1種以上の酸基含有ラジカル重合性モノマーおよび(iv)非塩基性充填材を含有する。この多成分歯科材料は、少なくともペースト(A)または(B)の中に、ラジカル重合のための少なくとも1種の開始剤(v)を含有する。
本発明により、特に貯蔵後であってさえも、公知のペースト/ペースト系と比較して、改善されたぞうげ質接着特性を示す、ペースト/ペーストベースの自己結合歯科材料が提供された。
上記目的は、本発明により、
(A)第一のペーストであって、
(i)1種以上の酸基を含まないラジカル重合性モノマーおよび
(ii)充填材
を含有する、第一のペースト、ならびに
(B)第二のペーストであって、
(iii)1種以上の酸基含有ラジカル重合性モノマーおよび
(iv)非塩基性充填材
を含有する、第二のペースト
を含有する硬化性多成分歯科材料であって、この多成分歯科材料は、少なくともペースト(A)または(B)の中に、ラジカル重合のための少なくとも1種の開始剤(v)を含有する、硬化性多成分歯科材料によって達成される。
本発明はまた、上記硬化性多成分歯科材料のペースト(A)とペースト(B)とを混合することによる、使用の準備ができた歯科材料の調製のためのプロセスに関する。
本発明の主題はまた、歯科学において使用するため、特に、歯科修復物を歯のエナメル質および/またはぞうげ質に固定するための、上記硬化性多成分歯科材料である。上記硬化性多成分歯科材料のペースト(A)とペースト(B)とが混合され、次いで、得られた混合物が硬い歯の物質(すなわち、歯のエナメル質および/またはぞうげ質)に塗布される、プロセスが記載される。
本発明による歯科材料のペースト(A)は、(i)1種以上の酸基を有さないラジカル重合性モノマーおよび(ii)充填材を含有し、一方で、ペースト(B)は、(iii)1種以上の酸基含有ラジカル重合性モノマーおよび(iv)非塩基性充填材を含有する。ペースト(A)は、好ましくは、酸基含有ラジカル重合性モノマーを含有しないか、または1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満のみの量の酸基含有ラジカル重合性モノマーを含有し、そしてペースト(B)は、塩基性充填材を含有しないか、または5重量%未満、好ましくは1重量%未満のみの量の塩基性充填材を含有し、各場合において、それぞれのペーストの総質量に関してである。
好ましい実施形態において、ペースト(B)はまた、酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)に加えて、1種以上の酸基を有さないラジカル重合性モノマー(vi)を含有する。ペースト(B)中の酸基を有さないラジカル重合性モノマーは、ペースト(A)中の酸基を有さないラジカル重合性モノマーと同じであっても異なっていてもよい。ペースト(A)は、充填材(ii)として、非塩基性充填材、好ましくは、塩基性充填材、または塩基性充填材と非塩基性充填材との混合物を含有する。ペースト(A)中の非塩基性充填材は、ペースト(B)中の非塩基性充填材と同じであっても異なっていてもよい。
本発明による多成分歯科材料は、自己硬化性(すなわち、室温で硬化し、低温硬化性ともまた呼ばれる)、光硬化性(すなわち、光での放射により硬化する)および/または熱硬化性(すなわち、高温で硬化する)であり得る。代表的に、この多成分歯科材料は、自己硬化性、または二重硬化性(すなわち、自己硬化性かつ光硬化性)である。
「塩基性充填材」とは、本発明の趣旨の範囲内で、50mlの蒸留水(pH=7)中に、約20℃で、本発明による歯科材料において使用されるような粒子サイズで2gの量で攪拌することにより懸濁される場合に、30分後に、この水のpHを少なくとも8、好ましくは8.5に上昇させる、充填材を意味する。逆に、「非塩基性充填材」とは、50mlの蒸留水(pH=7)中に、約20℃で、本発明による歯科材料において使用されるような粒子サイズで2gの量で攪拌することにより懸濁され得る場合に、30分後に、この水のpHを8未満、好ましくは7.5未満まで上昇させ、そして特に好ましくは、このpHを上昇させない(この場合、pHの低下が許容される)、充填材を意味する。
本発明による歯科材料のペースト(B)、または必要に応じてペースト(A)において使用するために適切な、代表的な非塩基性充填材は、様々な修飾を有する二酸化ケイ素、および天然金属塩である。SiO修飾のうちでも好ましいものは、発熱性シリカ、沈降シリカ、ゾル−ゲルシリカ、石英(特に、天然石英)および石英ガラスである。全てのSiO修飾は、表面処理され得る。表面処理とは、適切なシリコーン、シランおよび/またはシラザン(例えば、ヘキサメチルジシラザン)での慣習的な疎水性化と、アルカリガラスの場合には、以下に記載されるような重合性シランでの表面の官能基化との両方を意味する。天然金属塩の例としては、希土類金属の天然フッ化物(好ましくは、三フッ化イッテルビウム)が挙げられるが、他の金属塩(例えば、硫酸バリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化イットリウムおよびタングステン酸バリウム)もまた挙げられる。
非塩基性充填材の例は、SiOと、ZrO、Taおよび/またはTaとの混合酸化物である。
いわゆる「イソ充填材(isofiller)」(すなわち、硬化したコンポジットを粉砕することにより得られる粉末であって、非塩基性充填材(好ましくは、上に名称を挙げた非塩基性充填材から選択される)を含有する粉末)もまた、適切な非塩基性充填材である。イソ充填材のポリマーマトリックスは、使用される系に存在するモノマーとは異なるモノマーから調製されても同じモノマーから調製されてもよいが、酸基含有モノマーを含まない。必ずしも、イソ充填材において、このイソ充填材が使用される系内に存在する充填材と同じ型の充填材を使用する必要はない。しかし、視覚的な理由で、このことは有利であり得る。
非塩基性充填材は、1つの型の非塩基性充填材からなっても、様々な型の非塩基性充填材(好ましくは、上に名称を挙げたもの)の組み合わせからなってもよい。特に好ましいものは、三フッ化イッテルビウム、沈降シリカ、ゾル−ゲルシリカ、イソ充填材、発熱性シリカ、およびこれらの組み合わせである。適切な充填材の組み合わせの例は、(a)三フッ化イッテルビウムとイソ充填材と発熱性シリカ、および(b)沈降シリカ(またはゾル−ゲルシリカ)と三フッ化イッテルビウムと発熱性シリカである。
本発明による歯科材料のペースト(A)において使用するために適切な好ましい塩基性充填材は、アルカリガラス(例えば、ケイ酸塩ガラス(例えば、アルミノケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、フルオロケイ酸アルミニウムガラスであり、特に、元素の周期表の第1族および第2族の元素を含むガラス(例えば、ケイ酸バリウムガラス、ケイ酸アルミニウムバリウムガラス(例えば、55重量%のSiO、25重量%のBaO、10重量%のBおよび10重量%のAlを含むもの)、ケイ酸ストロンチウムガラス、ケイ酸アルミニウムストロンチウムガラスおよびケイ酸アルミニウムリチウムガラス)))であり、各場合において、対応するフッ化物含有ガラスを含む。
アルカリガラスは、必要に応じて、シラン化され得る。「シラン化」とは、ガラス表面を重合性シランで、例えば、(メタ)アクリレート官能基化シラン(例えば、(メタ)アクリロイルオキシアルキル−トリアルコキシシラン(通常、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリクロロシラン、メタクリロイルオキシ−メチルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルオキシメチルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジクロロシランまたは3−(メタ−アクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン))との反応により、官能基化することを意味する。3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシランが好ましい。
上で定義されたようなイソ充填材であるが、この場合には塩基性充填材(好ましくは、上で名称を列挙したもの由来)を含有するものはまた、本発明の趣旨の範囲内で、塩基性充填材(ii)として適切である。
塩基性充填材は、1つの型の非塩基性充填材からなっても、異なる種類の塩基性充填材(好ましくは、上で名称を列挙したもの)の組み合わせであっても良い。
石英、石英ガラス、アルカリガラスおよびガラスセラミックをベースとする、上に名称を挙げた非塩基性充填材および塩基性充填材は、0.01μm〜10μm、特に好ましくは、0.2μm〜5μm、そして非常に特に好ましくは、0.6μm〜2.0μmの範囲の好ましい重量平均粒子サイズを有する粉末である。発熱性シリカ、沈降シリカ、ゾル−ゲルシリカおよび希土類金属フッ化物をベースとする、上に名称を挙げた非塩基性充填材および塩基性充填材は、10nm〜5μm、特に好ましくは、20nm〜5μm、そして非常に特に好ましくは、40nm〜300nmの範囲の好ましい重量平均粒子サイズを有するナノ粒子または微細粉末である。上に名称を挙げたイソ充填材は、3μm〜100μm、特に好ましくは、3μm〜20μm、そして非常に特に好ましくは、3μm〜10μmの範囲の好ましい重量平均粒子サイズを有する粉末である。上に名称を挙げたSiO混合酸化物の充填材は、100nm〜300nmの範囲の好ましい重量平均粒子サイズを有する粉末である。
酸基を有さないラジカル重合性モノマー(i)および(vi)ならびに酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)は一緒になって、硬化の際にラジカル重合する、本発明による歯科材料の結合剤を作製する。
酸基を有さないラジカル重合性モノマー(i)および(vi)は、好ましくは、少なくとも2個、好ましくは2個〜4個の、ラジカル重合性基(好ましくは、アクリロイル基およびメタクリロイル基)を有する、いわゆる架橋モノマーである。適切な例としては、1,6−ビス[2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニルアミノ]−2,4,4−トリメチルヘキサン(UDMA)、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール(TEGDMA)、ジメタクリル酸ポリエチレングリコール(例えば、PEG−400−ジメタクリレート)、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−フェニル]プロパン(ビス−GMA)、1,6−ビス[2−アクリロイル−オキシエトキシカルボニル−アミノ]−2,4,4−トリメチルヘキサン、ジアクリル酸ジエチレングリコール、ジアクリル酸トリエチレングリコール、ジアクリル酸ポリエチレングリコール(例えば、PEG−400−ジアクリレート)、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、テトラメタクリル酸ペンタエリトリトール、テトラアクリル酸ペンタエリトリトール、プロポキシ化ビスフェノール−A−ジメタクリレートおよびジメタクリル酸ブタンジオール、ジアクリル酸ブタンジオール、ジメタクリル酸1,10−デカンジオール(DMA)、ジアクリル酸1,10−デカンジオール、ジメタクリル酸1,12−ドデカンジオールおよびジアクリル酸1,12−ドデカンジオール(これらは、(メタ)アクリル酸と、対応するジオールまたはポリオールとのエステル交換により得られる)が挙げられる。加水分解耐性架橋モノマーもまた適切であり、これらは例えば、2−(ヒドロキシル−メチル)アクリル酸とジイソシアネートとのウレタン(例えば、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネート);架橋性ピロリドン(例えば、1,6−ビス(3−ビニル−2−ピロリドニル)ヘキサン);市販で入手可能なビスアクリルアミドまたはビス(メタ)アクリルアミド(例えば、メチレンビスアクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、N,N’−ジエチル−1,3−ビス(アクリルアミド)プロパン、1,3−ビス(メタクリルアミド)プロパン、1,4−ビス(アクリルアミド)ブタンおよび1,4−ビス(アクリロイル)ピペラジンであり、これらは、対応するジアミンと(メタ)アクリル酸クロリドとの反応により合成され得る)である。
用語「加水分解耐性」とは、本明細書中で、水中、または水と水混和性溶媒との混合物中で、約20重量%の濃度で、約2.0のpHで37℃で、少なくとも6週間安定な(すなわち、5%未満が加水分解する)モノマーをいう。
異なる架橋性モノマーの混合物(例えば、TEGDMA、ジメタクリル酸PEG−400およびUDMA、ならびに必要に応じてまたプロポキシ化ビスフェノール−A−ジメタクリレートの混合物)が、好ましくは使用される。
1種以上の架橋性モノマーに加えて、1種以上のいわゆる希釈モノマー(これらのモノマーの粘度および良好な溶解度が、これらのモノマーを、重合樹脂を薄めるために適切にするもの)もまた、酸基を有さないラジカル重合性モノマー(i)または(vi)として存在し得る。希釈モノマーは、1つ以上の重合性基を含み得、含む場合には、架橋性モノマーとしてもまた働き得る。
20℃で測定される場合に100mPa・s未満の粘度ηを有する液体モノマーが、好ましくは、本明細書中で、希釈モノマーとして使用される。希釈モノマーの例としては、加水分解安定性のモノ(メタ)アクリレート(例えば、メシチルメタクリレート);2−(アルコキシメチル)アクリル酸(例えば、2−(エトキシメチル)アクリル酸、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸);N−一置換またはN−二置換アクリルアミド(例えば、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドおよびN−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−アクリルアミド)あるいはN−一置換メタクリルアミド(例えば、N−エチルメタクリルアミドおよびN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド)が挙げられる。さらに、N−ビニルピロリドン、2−(メタクリロイルオキシ)−エチルアセトアセテートまたはアリルエーテルが、希釈モノマーとして使用され得る。しかし、多くの場合において、希釈モノマーの存在は、必ずしも、本発明による歯科材料のペースト(A)またはペースト(B)のいずれにおいても、必要ではない。
酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)は、歯科材料の、エナメル質/ぞうげ質への改善された接着を担う。これらは、強酸性のモノマー(接着モノマーとも呼ばれる)であり、これらは第一には、歯科材料を使用する際にエナメル質/ぞうげ質上の軽く汚れた層を除去し、そして第二には、その融解物またはぞうげ質をエッチングし、その結果、これらのモノマーが拡散し得、そして引き続く重合中に、いわゆるポリマータグの形成を伴って、硬化した歯科材料とエナメル質/ぞうげ質との間での強い結合をもたらす。
酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)は、少なくとも1個のエチレン性不飽和基(好ましくは、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基およびこれらの組み合わせから選択される)、ならびに少なくとも1個、好ましくは1個〜4個の酸基を含む。好ましい酸基は、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基および/またはリン酸基であり、これにはそれぞれ、酸性水素原子を依然として含む、部分的にエステル交換された酸基が含まれる。ホスホン酸基および/またはリン酸基を酸基として含む化合物が、特に好ましい。1つより多くの酸基を有する化合物は、異なる酸基を含み得るか、または好ましくは、同じ酸基を含み得る。特に有利な酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)は、重合性のリン酸二水素エステルおよびリン酸水素エステルである。
酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)の適切な例としては、リン酸二水素グリセロール−ジメタクリレート(GDMP)、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリト酸無水物、10−メタクリロイルオキシデシルマロン酸、N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)−N−フェニルグリシン、4−ビニル−安息香酸、リン酸水素2−メタクリロイルオキシエチルフェニル、リン酸二水素10−メタクリロイルオキシデシル(MDP)、リン酸二水素2−メタクリロイルオキシエチル(HEMAホスフェート)、リン酸水素ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)(ジ−HEMAホスフェート)、リン酸二水素2−メタクリロイルオキシプロピル、オキシリン酸ジペンタエリトリトールペンタメタクリロイルおよびリン酸モノ−(1−アクリロイル−ピペリジン−4−イル)−エステルが挙げられる。加水分解安定性の接着モノマー(例えば、4−ビニルベンジルホスホン酸、2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]アクリル酸)ならびにこれらのアミドおよび加水分解安定性エステル(例えば、2−[4−(ジヒドロキシホスホリル)−2−オキサ−ブチル]アクリル酸2,4,6−トリメチルフェニルエステル)、ならびにリン酸二水素(メタ)アクリルアミド(例えば、リン酸二水素6−メタクリルアミドヘキシル、リン酸二水素1,3−ビス(メタクリルアミド)−プロパン−2−イルおよびリン酸二水素1,3−ビス−(N−アクリロイル−N−プロピル−アミノ)−プロパン−2−イル)もまた有利である。さらなる例としては、ホスホン酸モノマー(例えば、ビニルホスホン酸、4−ビニル−フェニルホスホン酸、2−メタクリロイルオキシエチルホスホン酸、2−メタクリルアミドエチルホスホン酸、4−メタクリルアミド−4−メチル−ペンチル−ホスホン酸、2−[2−ジヒドロキシホスホリル)−エトキシメチル]−アクリル酸エチルエステルおよび2,4,6−トリメチルフェニルエステル)が挙げられる。さらに、重合性スルホン酸が、接着モノマーとして適切であり、特に、ビニルスルホン酸、4−ビニルフェニルスルホン酸または3−(メタクリルアミド)プロピルスルホン酸である。
本発明による硬化性多成分歯科材料は、ペースト(A)および/またはペースト(B)の中に、ラジカル重合のための少なくとも1種の開始剤(v)を含有する。すなわち、本発明による歯科材料はまた、異なる開始剤を含有し得、この場合、これらの開始剤は、同じペーストの中または異なるペーストの中のいずれかに存在する。ラジカル重合のための開始剤は、本発明による歯科材料について、熱硬化が好ましいか、自己硬化が好ましいか、放射線硬化が好ましいかに依存して選択される。好ましい実施形態において、本発明による歯科材料は、自己硬化性であり、そして特に好ましい実施形態においては、二重硬化性(すなわち、自己硬化性かつ光化学硬化性)である。放射線硬化性とは、好ましくは可視光により硬化すること、特に、300nm〜550nm、好ましくは400nm〜500nmの波長を有する青色光により硬化することを意味する。
例えば、ベンゾピナコール、2,2’−ジアルキルベンゾピナコールおよび過酸化物(特に、過酸化ベンゾイル)が、熱硬化のための開始剤として適切である。
自己硬化のためには、これらの開始剤は、適切な活性剤(vii)と組み合わせられる。過酸化物(特に、過酸化ベンゾイル)が、好ましくは、自己硬化のための開始剤(v)として使用される。この場合、塩基性活性化剤(好ましくは、還元性アミン、特に好ましくは、芳香族アミン(例えば、N,N−ジメチル−sym−キシリジンまたはN,N−ジメチル−p−トルイジン))が、活性化剤(vii)として働く。さらに、過酸化物と還元剤(例えば、アスコルビン酸、バルビツレートまたはスルフィン酸)とからなるレドックス系もまた、自己硬化のための開始剤/活性化剤の組み合わせとして適切である。望ましくない尚早な重合を防止する目的で、開始剤(v)と活性化剤(vii)とは、別々のペーストの中に存在しなければならないことは、自明である。塩基性活性化剤を含む開始剤/活性化剤の組み合わせ(例えば、過酸化ベンゾイル/芳香族アミン)が使用される場合、活性化剤(vii)はペースト(A)に導入され、そして開始剤(v)はペースト(B)に導入される。
適切な光開始剤(viii)の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾインおよびこれらの誘導体、ならびにα−ジケトンおよびこれらの誘導体(例えば、9,10−フェナントレンキノン、1−フェニル−プロパン−1,2−ジオン、ジアセチルおよび4,4’−ジクロロベンジル)が挙げられる。アシルホスフィン酸オキシド(例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィン酸オキシド)、およびビスアシルホスフィン酸オキシド(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン酸オキシド)もまた適切である。カンファーキノン、2,2−メトキシ−2−フェニル−アセトフェノンまたはα−ジケトンの、各々が還元性アミンの形態の活性化剤(例えば、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エステル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチル−sym−キシリジンまたはトリエタノールアミン)と組み合わせられたものが好ましい。さらに適切な光開始剤は、モノベンゾイルゲルマニウム誘導体またはジベンゾイルゲルマニウム誘導体である。
二重硬化のためには、自己硬化のための開始剤/活性化剤の組み合わせが、光開始剤と組み合わせられる。この場合にはまた、自己硬化のための開始剤と光開始剤との両方のために、共通の活性化剤が使用され得る。
光開始剤(viii)は、ペースト(A)の中に存在してもペースト(B)の中に存在してもよい。塩基性活性化剤(例えば、アミン)が光開始剤(viii)のために使用される場合、活性化剤(vii)は、ペースト(A)に導入される。光で活性化される開始剤系に関して、開始剤と活性化剤とを別々にする必要がないので、開始剤および活性化剤は、同じペーストに導入されても異なるペーストに導入されてもよい。光開始剤は、好ましくは、ペースト(A)に入れられる。
本発明による歯科材料は、好ましくは、添加される溶媒を含有しない。
本発明の多成分歯科材料は代表的に、2成分歯科材料である。従って、好ましくは、ペースト/ペーストベースの2成分歯科材料である。
ペーストとは、本明細書中で、高い固形物含有量を有する固体−液体混合物(懸濁物)を意味する。ペーストは、もはや自由に流動しないが、広がることに対しては耐性である。ペーストは、こね粉のようなコンシステンシーを有する。
本発明による歯科材料のペースト(A)は、各場合においてペースト(A)の総重量に対して、好ましくは、40重量%〜90重量%、特に好ましくは、60重量%〜85重量%、非常に特に好ましくは、65重量%〜80重量%、そして最も好ましくは、70重量%〜80重量%の充填材含有量を有する。充填材全体における非塩基性充填材の重量による百分率は、好ましくは、50%未満、より好ましくは、30%未満である。
本発明による歯科材料のペースト(B)は、各場合においてペースト(B)の総重量に対して、好ましくは、40重量%〜90重量%、特に好ましくは、60重量%〜85重量%、そして非常に特に好ましくは、60重量%〜70重量%の充填材含有量を有する。
ペースト(A)およびペースト(B)の、充填材ではない部分は、以下でマトリックス混合物と呼ばれる。ペースト(A)およびペースト(B)のマトリックス混合物は、本質的に、ラジカル重合性モノマー、ならびに必要に応じて、開始剤、活性化剤およびさらなる任意の成分を含有する。
ペースト(A)のマトリックス混合物は、各場合においてペースト(A)のマトリックス混合物の質量に対して、酸基を有さないラジカル重合性モノマー(i)を、好ましくは88重量%〜100重量%、特に、88重量%〜99.93重量%、特に好ましくは、94重量%〜99.85重量%、そして非常に特に好ましくは、94.9重量%〜99.7重量%の総量で含有する。ペースト(A)のマトリックス混合物は、好ましくは、各場合においてペースト(A)のマトリックス混合物の質量に対して、活性化剤を、0.05重量%〜10重量%、好ましくは、0.1重量%〜5.0重量%、そして特に好ましくは、0.2重量%〜4.5重量%の総量で含有する。ペースト(A)のマトリックス混合物は、各場合においてペースト(A)のマトリックス混合物の質量に対して、好ましくは、光開始剤を、0.02重量%〜2.0重量%、好ましくは、0.05重量%〜1.0重量%、そして特に好ましくは、0.1重量%〜0.6重量%の量で含有する。
ペースト(B)のマトリックス混合物は、結合剤として排他的に、酸基含有ラジカル重合性モノマーを含有し得る。ペースト(B)は、各場合においてペースト(B)のマトリックス混合物の質量に対して、酸基含有ラジカル重合性モノマー(i)を、好ましくは、3重量%〜40重量%、特に好ましくは、4重量%〜30重量%、そして非常に特に好ましくは、5重量%〜15重量%の総量で含有する。ペースト(B)のマトリックス混合物は、任意の酸基を有さないラジカル重合性モノマー(vi)を、好ましくは、60重量%〜96.7重量%、特に好ましくは、70重量%〜95.95重量%、そして非常に特に好ましくは、85重量%〜94.9重量%の総量で含有する。ペースト(B)のマトリックス混合物は、各場合においてペースト(B)のマトリックス混合物の質量に対して、自己硬化のための開始剤(v)を、好ましくは、0.3重量%〜5重量%、好ましくは、0.7重量%〜3重量%、そして特に好ましくは、1.0重量%〜2.0重量%の量で含有する。必要に応じて、ペースト(B)のマトリックス混合物は、自己硬化のための開始剤に加えて、または自己硬化のための開始剤の代わりに、各場合においてペースト(B)のマトリックス混合物の質量に対して、光開始剤(viii)を、0.02重量%〜2.0重量%、好ましくは、0.05重量%〜1.0重量%、そして特に好ましくは、0.1重量%〜0.6重量%の量で含有し得る。
好ましい実施形態は、ペースト(A)が、各場合においてペースト(A)の総重量に対して:
65重量%〜80重量%、特に好ましくは、70重量%〜80重量%の、塩基性充填材(ii)および塩基性充填材(ii)と非塩基性充填材(ix)との組み合わせから選択される充填材、ならびに
20重量%〜35重量%、特に好ましくは、20重量%〜30重量%の、ペースト(A)について上で定義されたマトリックス混合物を含有し、そして
ペースト(B)が、各場合においてペースト(B)の総重量に対して:
60重量%〜70重量%の非塩基性充填材(iv)、および
30重量%〜40重量%の、ペースト(B)について上で定義されたマトリックス混合物を含有する、
歯科材料に関する。
使用の準備ができた歯科材料が、本発明の多成分歯科材料から、ペースト(A)とペースト(B)とを単に混合することにより調製され得る。この混合は、例えば、混合ブロック上でスパチュラを用いて、例えば手で行われ得る。あるいは、2つのペースト(A)およびペースト(B)はまた、二重注射器に導入され得、次いで、使用中に、自動混合カニューレで自動的に混合され得る。ペースト(A)とペースト(B)との混合は、好ましくは、0.4:0.6〜0.6:0.4の範囲、特に好ましくは、0.43:0.57〜0.57:0.43の範囲、非常に特に好ましくは、0.46:0.54〜0.54:0.46の範囲の体積比、そして最も好ましくは、約1:1の体積比で行われる。本発明による歯科材料は、固定コンポジットとして、例えば、歯冠、ブリッジ、歯根ピンおよびインレーの固定のために、使用され得る。本発明による歯科材料は、自己結合性である。すなわち、この歯科材料は、接着促進剤を使用せずに、硬い歯の物質に直接塗布され得る。
本発明による歯科材料は、例えば、以下のように適用される:硬い歯の物質が、調整後にすすがれ、そして空気を吹き付けて軽く乾燥させられる。本発明による歯科材料が、混合直後に、修復物の結合表面に添加され、そしてこの修復物が歯に置かれる。生じる任意の過剰な物質が、重合ランプへの曝露により重合させられ、そして除去される。耐光性修復物の場合には、重合が起こるまで(例えば、少なくとも1分、2分または3分)、この歯科材料が歯にしっかりと押し付けられる。透明な修復物の場合には、この歯科材料は、この修復物を通して重合ランプに曝露され得、従って、この歯科材料は、例えば、1つの部位あたり10秒〜30秒、好ましくは、1つの部位あたり約20秒の曝露時間で、光硬化させられ得る。
驚くべきことに、本発明による、多成分系の個々のペースト間での、塩基性充填材および非塩基性充填材の分布に起因して、公知の自己結合ペースト/ペースト系と比較した、硬化した歯科材料のぞうげ質接着の明らかな改善が達成されることが確証された。本発明による自己結合歯科材料は代表的に、室温での自己硬化後に、少なくとも4MPa、好ましくは、少なくとも5MPa、そして特に好ましくは、少なくとも6.5MPaのぞうげ質接着を有し、そして光硬化後には、少なくとも7MPa、好ましくは、少なくとも8MPa、そして特に好ましくは、少なくとも9.5MPaのぞうげ質接着を有する。
驚くべきことに、充填材と酸マトリックスとの間の相互作用が、ペースト/ペーストベースの正常に作用する自己結合コンポジットについて、決定的な役割を果たすことが見出された。塩基性充填材が酸モノマーマトリックス中に存在する従来技術のコンポジットにおいて、酸接着モノマーと塩基性充填材との相互作用は、見かけ上は、酸モノマーの少なくとも部分的な不活性化をもたらすために充分に強いが、その結果としては、もはや硬い歯の物質を必要な程度までエッチングせず、ぞうげ質接着が低下する。従って、本発明による非塩基性充填材は、酸モノマーとの相互作用に全く参加しないか、または非常にわずかにのみ参加する、充填材である。本発明に関して、好ましくは、酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)と非塩基性充填材(iv)との相互作用は存在しない。充填材と酸モノマーとの間の相互作用が回避されるので、本発明による多成分歯科材料は、非常に良好な貯蔵安定性を有する。すなわち、この歯科材料のぞうげ質接着は、貯蔵後でさえも非常に良好なままである。
リン含有酸モノマー(すなわち、リン酸基またはホスホン酸基を有するモノマー)の場合、この相互作用は、31P分光法により実証され得る。この目的で、CDClが、新たに生成されたペーストに添加され(ペースト:CDClの混合比=1:1)、そしてこの混合物が攪拌され、そして遠心分離される。31P−NMRスペクトルが、上清溶液を用いて記録される。酸マトリックスと充填材との間に相互作用が存在しない場合、強い信号(リン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルの場合には約−1ppm〜2ppm、そしてオルガノホスホン酸およびオルガノホスホン酸モノエステルの場合には−30ppm)が得られ、この信号は、純粋なリン含有化合物の信号に対応する。充填材と酸マトリックスとの間の相互作用は、純粋なリン含有化合物の信号と比較して、ピークの幅広化を生じる。ピークの幅広化をもたらさない任意の充填材が、本発明の趣旨の範囲内において、適切な非塩基性充填材(iv)である。
本発明は、実施例を参照しながら以下により詳細に記載される。百分率は、各場合において、重量による百分率である。
(実施形態の実施例)
以下に示される組成を有する実施例1および2のペーストを、以下のように調製した。他に記載されない限り、全ての値は、重量(重量部)による。最初に、マトリックス混合物を、個々のモノマーを一緒に攪拌することにより調製した。開始剤、および適用可能な場合には活性化剤を、このモノマー混合物に溶解した。このマトリックス混合物を攪拌装置に導入し、そして均質なペーストが存在するまで、充填材を攪拌した。ぞうげ質接着を決定するために、調製した実施例1および2のペースト(A)およびペースト(B)を、各々1:1で混合した(これらの2つのペーストの密度はおよそ同じであったので、1:1の体積比は、本明細書では、およそ1:1の重量比に対応する。)。
(ぞうげ質およびエナメル質への接着の測定)
硬い歯の物質への接着を、いわゆるUltradent法を使用して実施した。この目的で、ウシの歯を、ポリエステル樹脂に包埋した。エナメル質への接着が試験されるのかぞうげ質への接着が試験されるのかに依存して、最も上にあるエナメル質層を水を付けた120グリッドの紙やすりで研磨し、そして水を付けた600グリッドの紙やすりで再度研磨した。ぞうげ質への接着の場合には、120グリッドの紙やすりでの研磨を、ぞうげ質表面が露出するまで行った。接着試験のための試験片を調製する前に、歯の表面を水ですすぎ、そして送風機で軽く乾燥させたが、完全には乾燥させなかった。Tetric EvoCeram(Ivoclar Vivadent AG,Liechtenstein製の光重合性析出材料)を含む、予め重合させたコンポジットの、長さ3mmおよび直径2.3mmのブロックを、歯科用重合ランプ(Bluephase,Ivoclar Vivadent AG,400nm〜500nm)での放射(20秒間)により調製した。次いで、成形した立体を、少量の固定コンポジットと一緒に接着表面にコーティングし、そしてぞうげ質の表面に置いた。コンポジット試験片をねじにより歯の表面に固定し、そして過剰なセメントを除去した。
自己硬化後のぞうげ質またはエナメル質への接着を決定するために、試験片アレイを、37℃で15分間、乾燥オーブン内に貯蔵した。光硬化後の接着を決定するために、セメントの継ぎ目を、過剰なセメントの除去後に、重合ランプ(Bluephase,Ivoclar Vivadent AG)で20秒間照射した。これらの立体を型から外し(ねじ止めから外し)、そして37℃の水中に貯蔵した。24時間後、このコンポジット試験片を、歯の表面から、0.8mm/分の進行速度で切り取った。一連の測定は、8個の試験片を網羅し、この一連の測定において、平均および標準偏差を計算した。
(実施例1)
(ペースト(A))
Figure 2010222354
*)24%のSiO、23%のAl、2%のNaO、15%のCaO、8%のP、11%のBaO、17%のF
**)94%の充填材、5%のシランおよび1%の水を混合し、そして未反応シランの反応後にエバポレートした。
ペースト(A)のマトリックス混合物:
Figure 2010222354
ペースト(B)
Figure 2010222354
*イソ充填材を、
78.5%のUDMA
21.0%のジメタクリル酸デカンジオール
0.5%の過酸化ベンゾイル
からなる30%のマトリックス混合物、
50%の発熱性シリカAerosil(登録商標)OX−50(Evonik Degussa;粒子サイズ40nm)、
10%の三フッ化イッテルビウム
からなるコンポジットから、このコンポジットをケーキ(厚さ1cm)に100℃で約2時間重合させ、次いでこのケーキを(粉砕後の平均粒子サイズ5μm)に粉砕することにより調製した。
ペースト(B)のマトリックス混合物:
Figure 2010222354
ぞうげ質接着:
自己硬化後:8.2±1.8MPa
光硬化後:12.0±2.0MPa。
(実施例2:)
ペースト(A)
Figure 2010222354
ペースト(A)のマトリックス混合物:
Figure 2010222354
ペースト(B)
Figure 2010222354
ペースト(B)のマトリックス混合物:
Figure 2010222354
ぞうげ質接着:
自己硬化後:7.2±2.0MPa
光硬化後:10.2±2.7MPa。
2ヶ月にわたる貯蔵後でさえも、実施例1および2のペーストは依然として、非常に良好なぞうげ質接着値を示した。実施例2から得られたペーストを、室温または37℃で貯蔵した後に達成された測定値を、以下の表に示す。
室温で貯蔵:
Figure 2010222354
室温でのデータは一定であり、いかなる損傷をも示さない。
37℃で貯蔵:
Figure 2010222354
(実施例3(比較例))
固定コンポジットであるKerr Corporation,USA製のMaxcem EliteTMのぞうげ質接着を、上に記載したように試験した。本願の発明者らが知る限り、Maxcem EliteTMは、以下の組成を有する:
ペースト1
充填剤含有量77%
充填剤の組成:
Figure 2010222354
マトリックス混合物:
Figure 2010222354
ペースト2
充填剤含有量77%
充填剤の組成:
Figure 2010222354
マトリックス混合物:
Figure 2010222354
ぞうげ質接着:
自己硬化後:2MPa〜4MPa
光硬化後:1MPa〜6MPa。
比較例の明らかに乏しいぞうげ質接着値は、この比較例において、本発明による教示とは異なり、ペースト1が、酸モノマーであるグリセロールリン酸ジメタクリレートに加えて、塩基性充填材であるケイ酸バリウム−アルミニウムガラスを同時に含有するという事実に起因する。

Claims (15)

  1. (A)第一のペーストであって、
    (i)1種以上の酸基を含まないラジカル重合性モノマーおよび
    (ii)充填材
    を含有する、第一のペースト、ならびに
    (B)第二のペーストであって、
    (iii)1種以上の酸基含有ラジカル重合性モノマーおよび
    (iv)非塩基性充填材
    を含有する、第二のペースト
    を含有する硬化性多成分歯科材料であって、該多成分歯科材料は、少なくともペースト(A)または(B)の中に、ラジカル重合のための少なくとも1種の開始剤(v)を含有する、硬化性多成分歯科材料。
  2. 塩基性充填材をペースト(A)の中に含有する、請求項1に記載の歯科材料。
  3. 1種以上の酸基を有さないラジカル重合性モノマー(vi)をまたペースト(B)の中に含有する、請求項1または2に記載の歯科材料。
  4. 非塩基性充填材(ix)をまたペースト(A)の中に含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科材料。
  5. 自己硬化性であり、そして開始剤(v)、好ましくは過酸化物、特に好ましくは過酸化ベンゾイルを、ペースト(B)の中に含有し、そして活性化剤(vii)、好ましくは塩基性活性化剤、特に好ましくは芳香族アミンをまた、ペースト(A)の中に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科材料。
  6. 二重硬化性であり、そしてまた、少なくとも1種の光開始剤(viii)を、少なくともペースト(A)またはペースト(B)の中に含有する、請求項5に記載の歯科材料。
  7. 前記非塩基性充填材(iv)、および必要に応じて前記非塩基性充填材(ix)もまた、SiO、中性金属塩およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯科材料。
  8. 前記非塩基性充填材(iv)および/または(ix)が、石英、発熱性シリカ、沈降シリカ、ゾル−ゲルシリカ、石英ガラス、希土類金属の中性フッ化物、好ましくは三フッ化イッテルビウム、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項7に記載の歯科材料。
  9. 前記少なくとも1種の酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)が、少なくとも1つのエチレン性不飽和基および少なくとも1つの酸基を含み、該エチレン性不飽和基が、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基およびこれらの組み合わせから選択され、そして該酸基が、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科材料。
  10. 前記少なくとも1種の酸基含有ラジカル重合性モノマー(iii)が、ラジカル重合性のリン酸二水素エステルまたはリン酸水素エステルである、請求項9に記載の歯科材料。
  11. アクリロイル基および/またはメタクリロイル基から好ましくは選択される少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する、少なくとも1種の酸基を有さないラジカル重合性モノマー(i)および/または(vi)を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の歯科材料。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性多成分歯科材料のペースト(A)とペースト(B)とを、好ましくは0.4:0.6〜0.6:0.4の範囲の体積比、特に好ましくは、0.46:0.54〜0.54:0.46の範囲の体積比で混合する工程を包含する、使用の準備ができた歯科材料の調製プロセス。
  13. 歯科学において使用するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性多成分歯科材料。
  14. 歯科修復物を歯のエナメル質および/またはぞうげ質に固定するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性多成分歯科材料。
  15. 第一のレザバおよび第二のレザバを有する二重注射器であって、該二重注射器は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性多成分歯科材料を収容することを特徴とし、ペースト(A)が該第一のレザバに収容され、そしてペースト(B)が第二のレザバに収容される、二重注射器。
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