JP2010218971A - 非水電解液二次電池用集電体の製造方法及び集電体 - Google Patents

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Abstract

【課題】集電箔上にW/C傾斜被膜を形成することにより高耐食性及び高導電性を両立した非水電解液二次電池用集電体の製造方法及びこの製造方法により製造される集電体を提供する。
【解決手段】非水電解液二次電池の集電体となる集電箔2にスパッタリングによって被膜を形成する非水電解液二次電池用集電体の製造方法であって、前記集電箔2に近いほうにタングステンの比率が多く、前記集電箔2から離れるにしたがって徐々に炭素の比率が高くなるW/C傾斜被膜10を集電箔2上に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、集電箔にW/C(タングステン/炭素)傾斜被膜を形成する非水電解液二次電池用集電体の製造方法及びこの製造方法により製造された集電体に関する。
従来、非水電解液二次電池(例えば、リチウムイオン電池)の電極を作製するために用いられる集電箔(アルミニウム箔)に炭素からなる皮膜を電子ビーム装置(スパッタリング装置等)により成膜する技術は知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、非水電解液二次電池用電極の製造方法として、金属箔の集電体と電極層との間の導電性を向上させるために、集電体表面のエッチングを行いつつ、電子ビーム蒸着装置を用いて集電体上にC・Au・Ptの何れかの材料からなる被膜層を形成する技術が記載されている。
特開平11−250900号公報
しかしながら、上記特許文献1においては、集電体表面に炭素を被膜層として形成することにより、集電体と電極層との間の導電性の向上を試みているが、被膜層の形成方法として挙げられている量産性・汎用性が高いスパッタ等の成膜法を適用した場合、絶縁性であるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜が形成されるため、かえって導電性が低下してしまうという課題がある。そして、元々DLCをAl箔上に直接成膜できない(親和性がなく膜が成長しない)。
つまり、炭素被膜により導電性が向上する反面、スパッタリングによる絶縁性DLCの形成により導電性が悪化してしまう。
また、被膜層上に合材層(電極層)を形成する際に水系ペーストを用いた場合、被膜層であるDLC膜が撥水性であるため、ペーストがDLC膜表面に馴染まず合材層と集電体間の密着性が低下する。さらに、被膜層に含有されるAuやPtは希少金属であるため生産コストが高くなる。
また、非水電解液二次電池であるリチウムイオン電池の正極集電箔に用いられるアルミニウム箔は、その表面に形成される自然酸化膜(Al、接触抵抗値:1014Ω・cm)により集電箔として接触抵抗値が高くなっているため、電池の出力低下の原因となっている。これを改善するために、アルミニウム箔表面の自然酸化膜をエッチング除去した後でスパッタ法によりWC(タングステンカーバイド)を成膜した場合、スパッタ法ではWリッチなWC被膜が形成されることになるため微量ではあるが被膜の腐食が起こる場合がある。このような場合は電池としての長期信頼性を抵抗上昇等により低下させてしまうことになる。また、アルミニウム箔表面の自然酸化膜をエッチング除去してW単独膜を被膜する場合はWC膜よりも腐食しやすく(電池の電解液中で溶解しやすく)、DLC単独膜を被膜する場合は接触抵抗値が高くなってしまう。
そこで、本発明は、集電箔上にW/C傾斜被膜を形成することにより高耐食性及び高導電性を両立した非水電解液二次電池用集電体の製造方法及びこの製造方法により製造される集電体を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
非水電解液二次電池の集電箔にスパッタリングによって被膜を形成する非水電解液二次電池用集電体の製造方法であって、
前記集電箔に近いほうにタングステンの比率が多く、前記集電箔から離れるにしたがって徐々に炭素の比率が高くなるW/C傾斜被膜を集電箔上に形成する製造方法である。
請求項2においては、
前記集電箔に対して前記スパッタリングによるW/C傾斜被膜を形成する前に、前記集電箔表面の酸化膜を除去するためのエッチング処理を行う製造方法である。
請求項3においては、
前記スパッタリングは、前記集電箔を所定方向に搬送しながら、当該集電箔の搬送方向上流側から順にWCターゲットとCターゲットとを並べたターゲットを用いてW/C傾斜被膜を形成する製造方法である。
請求項4においては、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の非水電解液二次電池用集電体の製造方法により形成されたW/C傾斜被膜を有する集電体である。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、集電箔上にW/C傾斜被膜を形成することにより、外側に耐食性の強い炭素を多くすることで腐食を防止するとともに、内側(集電箔表面側)にタングステンを多くすることで炭素被膜によるDLC発生を抑制して導電性低下を防止する。すなわち、高耐食性及び高導電性を両立させた集電箔を得ることができる。
請求項2においては、集電箔上にW/C傾斜被膜を形成する前に、集電箔表面の酸化膜を除去することで、さらに高導電性の集電箔を得ることができる。
請求項3においては、集電箔搬送方向に並べたWCターゲットとCターゲットを用いることにより、集電箔上に容易にW/C傾斜被膜を形成することができる。
請求項4においては、高耐食性及び高導電性を両立させることができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用集電体の製造方法を適用する成膜装置の断面を示す概念図。 本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用集電体の製造方法を示す図あり、(a)はエッチング処理工程、(b)はWC成膜工程、(c)はC成膜工程、(d)は成膜終了後におけるW/C傾斜被膜が形成された集電箔を示す模式断面図。 本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用集電体の製造方法のフローを示す図。 (a)は自然酸化膜が形成された集電箔(エッチング処理前)を示す図、(b)はWC/DLC傾斜被膜が形成された集電箔(被膜処理後)を示す模式断面図。 集電箔のCVを示すグラフであり、(a)はW/C傾斜被膜をスパッタ形成した集電箔のCVを示すグラフ、(b)はAl箔のCVを示すグラフ、(c)はW膜をスパッタ形成した集電箔のCVを示すグラフ、(d)はWC膜をスパッタ形成した集電箔のCVを示すグラフ。
次に、発明の実施の形態を説明する。
本実施形態で説明する非水電解液二次電池用集電体の製造方法は、非水電解液二次電池(例えば、リチウムイオン電池)が有する渦巻状に巻回する巻回型電極体における正極集電体(正極集電箔)を製造する際に適用可能である。
まず、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用集電体の製造方法を適用する成膜装置について図1、図4を用いて説明する。
成膜装置1は、正極集電体を製造する際に用いられる薄いシート状の集電箔2(本実施形態においてはアルミニウム箔)に対してイオンビーム法によりエッチング処理を行うとともに、スパッタリング法によりスパッタリングを行うことで所定の被膜を形成できるスパッタリング装置であり、図1に示すように、真空槽3と、搬送ローラ部4と、エッチング処理手段5と、ターゲット部7を有するスパッタリング手段6と、から主に構成されている。
集電箔2は、成膜装置1により所定の被膜がされる被膜対象物であり、アルミニウム箔である。また、集電箔2は、図4(a)に示すように、純アルミニウム箔2aの表面に自然に酸化されて形成される自然酸化膜(Al)2bを有している。
真空槽3は、真空槽3内を減圧雰囲気(高真空状態)とするための排気手段8と、真空槽3内にスパッタリングに用いる不活性ガスとして高純度Arガスを供給するためのArガス供給手段9と、を具備している。
搬送ローラ部4は、集電箔2を複数のローラに係合して所定の速度にてエッチング処理手段5及びスパッタリング手段6に供給する搬送手段であり、主ローラ4aと、供給ローラ4bと、巻取りローラ4cと、ガイドローラ4d、4eと、により主に構成されている。供給ローラ4bには、集電箔2を予め所定長巻回しておき、供給ローラ4bから巻き出された集電箔2はガイドローラ4dを介して主ローラ4aの外周面に係合し、当該主ローラ4aから延出された集電箔2はガイドローラ4eを介して巻取りローラ4cに巻回する。こうして、巻取りローラ4cを所定の速度にて回転駆動した場合、供給ローラ4bに巻回した集電箔2が巻き出され、主ローラ4aに係合された集電箔2はその一側側(表面側)を、まず、エッチング処理手段5に対向するように搬送されて、続いて、ターゲット部7に対向するように供給される。つまり、搬送ローラ部4は、集電箔2を所定速度にてエッチング処理手段5及びスパッタリング手段6のそれぞれの近傍に搬送することが可能である。
エッチング処理手段5は、イオンビーム法により主ローラ4aに巻回した集電箔2の表面側に形成された自然酸化膜(Al)2bを除去する手段であり、複数のイオンビーム照射手段5aから構成される。イオンビーム照射手段5aは、真空槽3を排気手段8により所定の圧力まで減圧して減圧雰囲気にした後、DC電源(図示せず)により負に印加した集電箔2の表面に対してArのイオンビームを照射することが可能であり、集電箔2の表面部をイオンビームエッチングすることが可能である。
スパッタリング手段6は、前記エッチング処理手段5の集電箔2搬送方向下流側に配置されており、スパッタリング法により主ローラ4aに巻回した集電箔2の表面側に所定の被膜を形成するスパッタリングを行う手段である。スパッタリング手段6は、ターゲット部7と、ターゲット部7に接続されるスパッタ電源11とにより主に構成される。
ターゲット部7は、スパッタリングを行う際のターゲット材としてWC(タングステンカーバイド)を成分とするWCターゲット7aとC(炭素)を成分とするCターゲット7bを集電箔2の搬送方向に対して上流側から順に並べて配置されており、WCターゲット7a及びCターゲット7bの表面が主ローラ4aに係合された集電箔2表面側に対して対向配置される。また、WCターゲット7aとCターゲット7bの各々には、スパッタ電源11が接続され、所定の電圧を印加することが可能となっている。
こうして、スパッタリング手段6は、排気手段8により真空槽3を所定の圧力まで減圧して減圧雰囲気にし、Arガス供給手段9により所定量のArガスを供給した後に、スパッタ電源11によりターゲット部7のWCターゲット7aとCターゲット7bに所定の電圧を印加することでArガスが励起され、励起されたArガスによりWCターゲット7aとCターゲット7bの各々をスパッタし、ターゲット材から弾き飛ばされたターゲット材料の粒子であるWC粒子及びC粒子が、所定の速度にて搬送されている集電箔2の表面に堆積(吸着)することで、集電箔2の表面に、下層と上層との間でタングステンと炭素との含有比率が変化する、所定のW/C傾斜被膜10を形成することが可能である。
次に、上述した成膜装置1に適用する本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用集電体の製造方法を図2、図3、及び図4を用いて説明する。
非水電解液二次電池用集電体の製造方法は、エッチング処理工程S10、傾斜被膜形成工程S20と、により主に構成される。以下、各工程について詳細に説明する。
非水電解液二次電池用集電体の製造を開始する前段階として、成膜装置1の搬送ローラ部4の各ローラに被膜対象物である集電箔2を巻回した後、排気手段8により真空槽3内を所定の圧力まで減圧して減圧雰囲気にする。続いて、エッチング処理工程S10に移行する。
なお、以下において説明するエッチング処理工程S10及び傾斜被膜形成工程S20は、搬送ローラ部4により搬送される集電箔2の表面に対して連続して行われる工程である。
エッチング処理工程S10は、集電箔2(アルミニウム箔2a)の表面に形成された自然酸化膜(Al)2bをエッチング処理手段5の各イオンビーム照射手段5aを用いてイオンビーム法によるエッチング処理(エッチング除去)にて除去する工程であり、真空槽3内を所定の圧力まで減圧して減圧雰囲気にした後、DC電源(図示せず)により負に印加した集電箔2に対して各イオンビーム照射手段5aを作動することにより、図2(a)に示すように、イオン化したArガスを搬送ローラ部4により所定速度(1m/min)にて搬送される集電箔2表面側に対して照射し、Arガスが集電箔2表面へ衝突する際の衝撃力を利用して集電箔2上の自然酸化膜2bを除去する。すなわち、接触抵抗値が高い自然酸化膜2bをエッチング処理工程S10においてエッチング除去することで、集電箔2の導電性を高めることが可能となる。以下に、エッチング処理工程S10におけるArエッチング条件の一例を示す。
<エッチング処理工程の条件(Arエッチング条件)>
出力:200W(一つのイオンビーム照射手段あたりの出力。四つのイオンビーム照射手段を使用)
集電箔搬送速度:1m/min
エッチング処理工程S10が終了したら、傾斜被膜形成工程S20に移行する(図3参照)。
傾斜被膜形成工程S20は、図4(b)に示すように、集電箔2(アルミニウム箔2a)に近いほうにWの比率が多く、集電箔2(アルミニウム箔2a)から離れるにしたがって徐々にCの比率が高くなるようにW/C傾斜被膜10を集電箔2上に形成する工程である。すなわち、傾斜被膜形成工程S20では、エッチング処理工程S10により自然酸化膜2bが除去された集電箔2(アルミニウム箔2a)の表面にスパッタリングにてW/C傾斜被膜10を形成する工程であり、減圧雰囲気下において、Arガス供給手段9によりスパッタリングガスとしてArガスを真空槽3内に供給し、スパッタ電源11によりターゲット部7に所定の電圧を印加することでArガスが励起され、励起されたArガスにより集電箔2搬送方向と同方向に並列に並んだターゲット材であるWCターゲット7aとCターゲット7bとのそれぞれによりスパッタし、図2(b)(c)に示すように、各ターゲット7a、7bから弾き飛ばされたターゲット材料の粒子であるWC粒子とC粒子が集電箔2の表面に堆積(吸着)することで成膜が行われて、集電箔2の表面に所定のW/C傾斜被膜10を形成する工程である。
具体的には、集電箔2は、搬送ローラ部4により所定速度にてターゲット部7上を搬送されるため、最初に、集電箔2がWCターゲット7a上を通過することで、WCターゲット表面からスパッタリングにより弾き出されたWC粒子が集電箔2表面に堆積されつつ、連続して隣接したCターゲット表面からスパッタリングにより弾き出されたC粒子が集電箔2上に堆積していき、それぞれが所定の比率で混合されながら堆積されることで集電箔2表面にWC成分及びC成分からなるW/C傾斜被膜10が形成される。
すなわち、集電箔2を所定方向に一定速度にて搬送しながらWC成分及びC成分からなる並列したターゲットによりスパッタリングを行うことで、集電箔2がWC成分とC成分のスパッタ粒子の比率において、WC粒子の濃度が高い範囲(図1中の範囲Aの右側部分)から徐々にC濃度の高い範囲(図1中の範囲Aの左側部分)へと搬送されるので、集電箔2表面近傍から膜厚方向(膜厚が厚くなる方向)に向かって、最初はWCリッチであり、徐々にC成分が増加するように(つまり、集電箔2の表面に近い下層においてはWCの含有比率が多く、集電箔2の表面から離れる上層へいくに従ってCの含有比率が増加するように)WとCの組成が徐々に変化して傾斜分布した状態の傾斜膜が形成される。
以下に、上述したスパッタリングの条件の一例を示す。
<スパッタリング条件(WC及びC成膜条件)>
出力:200W
到達圧力:3×10−3Pa
スパッタ圧力:6.7×10−1Pa
Ar流量:11.5sccm
集電箔搬送速度:1m/min
膜厚:200Å
基板(ロール部)加熱:なし
以上の各工程を行うことで、図2(d)に示すように、W/C傾斜被膜10が形成された集電箔2が得られる。また、図4(b)においては、集電箔2上に形成されたW/C傾斜被膜10の膜厚方向(集電箔2表面から遠ざかる方向)に向かってC成分が多くなるように組成が徐々に変化することを、模式的に示したものである。
なお、WCターゲットの替わりにTaC、HfC、NbC、MoC、VC、Cr、TiC、ZrC、Al等の各金属炭化物ターゲットを適用することでW/C傾斜被膜におけるWの替わりに、Ta、Hf、Nb、Mo、V、Cr、Ti、Zr、Alとする傾斜被膜を集電箔2表面に形成することが可能となる。これにより高耐食性及び高導電性を両立させた集電体を得ることが可能となる。
また、本実施形態においては、エッチング処理工程S10を傾斜被膜形成工程S20の前処理工程として設けたが特に限定するものではなく、エッチング処理工程S10を実施しなくとも本発明に係る効果を得ることは十分可能である。
また、本実施形態においては、スパッタリング手段6によりW/C傾斜被膜を集電箔2上にスパッタリング形成したが、特に限定するものではなく、例えば、集電箔搬送方向上流側から順にWC蒸発源とC蒸発源とを並べて蒸着装置によりW/C傾斜被膜を集電箔上に蒸着形成することも可能である。
(接触抵抗値の比較)
次に、所定の接触抵抗計により本実施形態で製造したW/C傾斜被膜10を形成した集電箔2、未処理Al箔(自然酸化膜2bを有した状態のアルミニウム箔2a)、Wスパッタ膜(自然酸化膜2bをエッチング除去した後でW単独膜をスパッタ形成した集電箔2)、及びCスパッタ膜(自然酸化膜2bをエッチング除去した後でC単独膜をスパッタ形成した集電箔2)、の各々について接触抵抗値を測定し比較を行った。以下は、上記各種箔において測定された接触抵抗値である。
(各種箔の接触抵抗値)
未処理Al箔:8.5mΩ・cm
Wスパッタ箔:0.18mΩ・cm
Cスパッタ箔:21.5mΩ・cm
W/C傾斜被膜10を形成した集電箔2:0.44mΩ・cm
上記各種箔について測定された接触抵抗値より、未処理Al箔の接触抵抗値が8.5mΩ・cmであるのに対して、W/C傾斜被膜10を形成した集電箔2の接触抵抗値は0.44mΩ・cmと、大幅に接触抵抗値が低減していることが確認できた。つまり、本実施形態に係る非水電解液二次電池用集電体の製造方法により、高導電性の集電箔が得られることが確認できた。
また、W/C傾斜被膜10を形成した集電箔2とCスパッタ箔の接触抵抗値を比較することで明らかなように、W/C傾斜被膜10を形成した集電箔2は被膜中にC(炭素)を含有するにもかかわらず低い接触抵抗値を達成している。これは、Cスパッタ箔においては、炭素被膜がDLC形成することで高い接触抵抗値となったためであり、W/C傾斜被膜10を形成した集電箔2では、C単独ではなくWが適宜混合される効果によってDLC発生を抑制しているのである。
(CV(サイクリックボルタモグラム)測定結果)
次に、本実施形態で製造したW/C傾斜被膜10を形成した集電箔2、未処理Al箔(自然酸化膜2bを有した状態のアルミニウム箔2a)、W膜(自然酸化膜2bをエッチング除去した後でW単独膜をスパッタ形成した集電箔2)、及びWCスパッタ箔(従来技術により表面にWC膜をスパッタ形成した集電箔2)の各々について耐食性を比較するためにCV測定を行った。これら各測定結果(CVによる電流電位曲線)を図5に示す。
W膜のCV結果(図5(c))から明らかなように、高電位側(リチウムイオン電池の充電電位近傍)において酸化電流が急上昇しており(腐食溶解ピークが現れており)、これは、電池における電解液中で溶解しやすいこと、すなわち耐食性が良くないことを示している。また、従来技術であるWCスパッタ箔のCV結果(図5(d))においては、高電位側において微小な腐食溶解ピークが現れており、耐食性が十分ではない。
これらに対して、本実施形態に係るW/C傾斜被膜10を形成した集電箔2のCV結果(図5(a))においては、高電位側の腐食溶解ピークを抑制しており、耐食性としては良好である未処理Al箔のCV結果(図5(b))に近いものである。すなわち、W/C傾斜被膜10を形成した集電箔2は、WCスパッタ箔よりも酸化電流が小さく腐食が起こりにくいことが確認できた。つまり、本実施形態に係る非水電解液二次電池用集電体の製造方法により、高耐食性の集電箔が得られることが確認できた。
以上のように、非水電解液二次電池の集電体を製造する際に用いられる集電箔2にスパッタリングによって被膜を形成する非水電解液二次電池用集電体の製造方法であって、前記集電箔2に近いほうにタングステンの比率が多く、前記集電箔2から離れるにしたがって徐々に炭素の比率が高くなるW/C傾斜被膜10を集電箔2上に形成する製造方法により、外側に耐食性の強い炭素を多くすることで腐食を防止するとともに、内側(集電箔2表面側)にタングステンを多くすることで炭素被膜によるDLC発生を抑制して導電性低下を防止する。すなわち、高耐食性及び高導電性を両立させた集電箔2を得ることができる。
また、前記集電箔2に対して前記スパッタリングによるW/C傾斜被膜10を形成する前に、前記集電箔2表面の酸化膜である自然酸化膜2bを除去するためのエッチング処理を行う製造方法により、集電箔2上にW/C傾斜被膜10を形成する前に、集電箔2表面の自然酸化膜2bを除去することで、さらに高導電性の集電箔2を得ることができる。
また、前記スパッタリングにおいて、前記集電箔2を所定方向に搬送しながら、当該集電箔2の搬送方向上流側から順にWCターゲット7aとCターゲット7bとを並べたターゲットを用いてW/C傾斜被膜10を形成する製造方法により、集電箔2搬送方向に並べたWCターゲット7aとCターゲット7bを用いることにより、集電箔2上に容易にW/C傾斜被膜10を形成することができる。
また、上述した非水電解液二次電池用集電体の各製造方法により形成されたW/C傾斜被膜10を有する集電箔2により、集電箔の性能として高耐食性及び高導電性を両立させることができる。つまり、上述した非水電解液二次電池用集電体の各製造方法により形成されたW/C傾斜被膜10を有する集電箔2を用いることにより、高耐食性及び高導電性を両立させた集電体(電極層を形成した集電箔)を製造することが可能となる。
よって、本発明の如く、二元スパッタを用いて傾斜膜を得る方法(二元傾斜スパッタ法)を適用することで、W/C(WC/DLC)の傾斜層を形成することにより、高導電性及び高耐食性を有する集電体(集電箔)を得ることができる。
2 集電箔
2b 自然酸化膜
7 ターゲット部
7a WCターゲット
7b Cターゲット
10 W/C傾斜被膜

Claims (4)

  1. 非水電解液二次電池の集電箔にスパッタリングによって被膜を形成する非水電解液二次電池用集電体の製造方法であって、
    前記集電箔に近いほうにタングステンの比率が多く、前記集電箔から離れるにしたがって徐々に炭素の比率が高くなるW/C傾斜被膜を集電箔上に形成することを特徴とする非水電解液二次電池用集電体の製造方法。
  2. 前記集電箔に対して前記スパッタリングによるW/C傾斜被膜を形成する前に、前記集電箔表面の酸化膜を除去するためのエッチング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池用集電体の製造方法。
  3. 前記スパッタリングは、前記集電箔を所定方向に搬送しながら、当該集電箔の搬送方向上流側から順にWCターゲットとCターゲットとを並べたターゲットを用いてW/C傾斜被膜を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非水電解液二次電池用集電体の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の非水電解液二次電池用集電体の製造方法により形成されたW/C傾斜被膜を有することを特徴とする集電体。
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