JP2010216773A - 水熱交換器および水熱交換器の製造方法 - Google Patents

水熱交換器および水熱交換器の製造方法 Download PDF

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鉉永 金
Takayuki Hyodo
孝之 兵頭
Akihiro Fujiwara
明大 藤原
Yoshikazu Shiraishi
吉和 白石
Tomotsugu Inoue
智嗣 井上
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Abstract

【課題】本発明の課題は、水と冷媒とを効率よく熱交換させることができ、かつ、製造が容易な水熱交換器を提供することにある。
【解決手段】本発明の水熱交換器22は、冷媒管22aと、水管22bと、第1ヘッダ51aと、第2ヘッダ51bと、第3ヘッダ52aと、第4ヘッダ52bとを備える。冷媒管は、冷媒が流通可能な複数の冷媒流路孔47を有する多穴扁平管41A,41Bから成る。水管は、水が流通可能な1つの水流路孔48を有する単穴扁平管42から成る。第1ヘッダおよび第2ヘッダは、冷媒管の両端に接続される冷媒用のヘッダである。第3ヘッダおよび第4ヘッダは、水管の両端端に接続される水用のヘッダである。冷媒管と水管とは、断面長辺側の側面同士が密着する密着面を有する。密着面は、略矩形状でありその長手方向である第1方向L1と冷媒または水の流れ方向とが一致する。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷媒と水とを熱交換させる水熱交換器に関する。
従来、ヒートポンプ式給湯装置の冷凍装置としては、圧縮式冷凍回路で構成されるものが広く利用されている。冷媒回路は、例えば、CO2を冷媒とし、水熱交換器を備えている。水熱交換器は、冷媒が流通する冷媒管と、水が流通する水管とを有しており、流体同士を対向させて流して、両者の間で熱交換を行う。具体的には、高温高圧の冷媒と低温低圧の水との間で熱交換を行うことで、水を加熱する。この結果、CO2の超臨界域の特性を用いた高温出湯が可能になる。
水熱交換器の従来技術としては、特許文献1(特開2006−336894号公報)のような、水管の周りに水管よりも管径の細い冷媒管を螺旋状に巻き付けて密着させた構造が知られている。
一般的に、水熱交換器の能力を向上させるには、水管に対する冷媒管の伝熱面積を増加させることと、冷媒管を巻き付けた状態の水管の長さを長くとることが考えられる。なお、水管に対する冷媒管の伝熱面積を増加させるには、水管に巻き付ける冷媒管を極力細くしつつ、巻き付ける回数を増やすことになる。また、冷媒管を巻き付けた状態の水管の長さを長くするには、冷媒管を巻き付けた状態の水管を螺旋状に巻いたり、蛇行させたりすることにより実現している。
しかしながら、水管に対して冷媒管を巻き付ける数を増やすと、冷媒管の増加に伴い生産コストが上昇してしまう。また、水管に冷媒管を巻き付けるのには加工が複雑になり巻き付ける数に限界がある。さらに、冷媒管を巻き付けた状態の水管を螺旋状に巻いたり蛇行させたりすると、曲げの部分の曲率半径には限界があるため曲げの部分の空間を上手く利用することができずにコンパクトにしにくい。
本発明の課題は、水と冷媒とを効率よく熱交換させることができ、かつ、製造が容易な水熱交換器を提供することにある。
第1発明に係る水熱交換器は、冷媒と水との間で熱交換を行わせる水熱交換器であって、冷媒管と、水管と、第1ヘッダと、第2ヘッダと、第3ヘッダと、第4ヘッダとを備える。冷媒管は、冷媒が流通可能な複数の冷媒流路孔を有する多穴扁平管から成る。水管は、水が流通可能な1つの水流路孔を有する単穴扁平管から成る。第1ヘッダは、冷媒管の一端に接続される冷媒用のヘッダである。第2ヘッダは、冷媒管の他端に接続される冷媒用のヘッダである。第3ヘッダは、水管の一端に接続される水用のヘッダである。第4ヘッダは、水管の他端に接続される水用のヘッダである。冷媒管と水管とは、断面長辺側の側面同士が密着する密着部を有する。密着面は、略矩形状でありその長手方向である第1方向と冷媒または水の流れ方向とが一致する。
本発明の水熱交換器では、多穴扁平管である冷媒管と単穴扁平管である水管との断面長辺側の側面を密着させている。さらに、冷媒管の両端に第1ヘッダおよび第2ヘッダを、水管の両端に第3ヘッダおよび第4ヘッダを接続させる構成としている。
したがって、本発明の水熱交換器は、冷媒管を多穴扁平管とし水管を単穴扁平管として断面長辺側の側面同士を密着させる構造にでき、平面である側面同士を密着させることのみで、1本の水管に水管よりも細い冷媒管を巻き付けるのに相当する効果を得ることができる。すなわち、冷媒が水に対して熱を伝達する伝熱面積を広くとりつつ、組立が簡単な構造とすることができる。このように、水管と冷媒管とを、扁平管を利用して成型することになるため、1本の水管に水管よりも細い冷媒管を巻き付ける構成とするよりも製造を容易にできる。さらに、水管と冷媒管とを密着させた状態でそれぞれの管にヘッダを設けて、水と冷媒とが熱交換する部分を延長しているため、構成をコンパクトにできる。
第2発明に係る水熱交換器は、第1発明に係る水熱交換器であって、冷媒管は、一対の多穴扁平管から成る。水管は、一対の冷媒管に挟まれている。
本発明の水熱交換器は、水管を一対の冷媒管により挟み込んで、水管と冷媒管とを断面長辺側の側面同士が密着させている。
このように、水熱交換器を構成することにより、水管の周囲のほとんどは冷媒管と密着していることになるため、一旦冷媒が水に伝えた熱を水熱交換器の周囲の物質(例えば、水熱交換器周辺の空気)に伝えることを極力防ぐことができる。また、一対の冷媒管と水管とは断面長辺側の側面同士を密着させるため、平面である側面同士を密着させることになり、構成がシンプルになり組立を容易にすることができる。
第3発明に係る水熱交換器は、第1発明または第2発明に係る水熱交換器であって、第1ヘッダおよび第2ヘッダは、第1方向において、少なくともそれらの中心が第3ヘッダおよび第4ヘッダの中心よりも外側に配置される。冷媒管は、水管と密着していない部分で第3ヘッダおよび第4ヘッダを避けるように湾曲している。
したがって、冷媒管と水管との両端にそれぞれヘッダが設けられるような構成において、冷媒管と水管とが極力直線になるようにしつつ、ヘッダの数を最小限にすることができる。このため、水熱交換器をコンパクトに構成することができる。
第4発明に係る水熱交換器は、第1発明から第3発明のいずれかにかかる水熱交換器であって、第1ヘッダ、第2ヘッダ、第3ヘッダ、および第4ヘッダは、第1方向に交差する第2方向に延びる形状である。冷媒管および水管は密着した状態で、第2方向に複数本が並ぶ。複数本の冷媒管には、第1冷媒管と第2冷媒管とがある。第1冷媒管は、冷媒の流れ方向上流側にある少なくとも1本以上の冷媒管である。第2冷媒管は、第1冷媒管の冷媒の流れ方向下流側直後にある少なくとも1本以上の冷媒管である。複数本の水管には、第1水管と、第2水管とがある。第1水管は、水の流れ方向上流側にある少なくとも1本以上の水管である。第2水管は、第1水管の冷媒の流れ方向下流側直後にある少なくとも1本以上の水管である。第1ヘッダおよび/または第2ヘッダは、第1冷媒管を流れる冷媒を第2冷媒管へ導く第1バッフル板を有する。第3ヘッダおよび/または第4ヘッダは、第1水管を流れる水を第2水管へ導く第2バッフル板を有する。
本発明の水熱交換器は、冷媒管と水管とを密着させた部材(以下、熱交換部材とする)の複数本が、第2方向(各ヘッダが延びる方向)に沿って並ぶように、熱交換部材と各ヘッダとが接続される。さらに、第1ヘッダおよび/または第2ヘッダには、冷媒が水熱交換器の内部を蛇行するように、冷媒の流れ方向上流側に配置される第1冷媒管を流れる冷媒を、第1冷媒管の冷媒の流れ方向下流側直後に配置される第2冷媒管へ導く第1バッフル板が設けられている。また、第3ヘッダおよび/または第4ヘッダには、水が水熱交換器の内部を蛇行するように、水の流れ方向上流側に配置される第1水管を流れる水を、第1水管の水の流れ方向下流側直後に配置される第2水管へ導く第2バッフル板が設けられている。
したがって、熱交換部材に曲げ加工を施さなくとも、熱交換部材の距離を長くすることができる。このため、水熱交換器を、熱交換部材の距離を所定距離以上に確保しつつ、コンパクトにすることができる。
第5発明に係る水熱交換器は、第1発明から第4発明のいずれかに係る水熱交換器であって、冷媒管内部を流れる冷媒と、水管内部を流れる水とは、互いに対向する方向に流れる。
したがって、冷媒と水との温度差を確保することができる。また、冷媒と水との温度差を水熱交換器全体において均一に近づけることができ、特に冷媒が超臨界冷媒のように熱交換のはじめと終わりとで温度が異なる冷媒である場合に、熱交換効率を向上させることができる。
第6発明に係る水熱交換器は、第1発明から第5発明のいずれかに係る水熱交換器であって、単穴扁平管は、第1アルミ合金部材と第2アルミ合金部材とを有する。第1アルミ合金部材は、板状の部材である。第2アルミ合金部材は、第1アルミ合金部材よりもイオン化傾向の大きい板状の部材である。単穴扁平管はまた、第1アルミ合金部材の両面から第2アルミ合金部材により第1アルミ合金部材を挟み込んでできた3層板状部材に、曲げ加工を施して形成される。
本発明の水熱交換器では、単穴扁平管は、第1アルミ合金部材を第2アルミ合金部材により挟み込んで密着させてできた3層板状部材を曲げ加工することにより形成している。そして、水流路側に配置される第2アルミ合金部材は、第1アルミ合金部材よりもイオン化傾向の大きい板状の部材であるため、水による防食が起こる場合にまず第2アルミ合金部材から防食が始まる。
したがって、本発明では、第2アルミ合金部材が水による防食の犠牲材として機能させることができ、少なくとも第1アルミ合金部材への防食が起こりにくくできる。
第7発明に係る水熱交換器は、第6発明に係る水熱交換器であって、第2アルミ合金部材は、ロウ付けの際のロウ材として機能する。
したがって、組立加工を容易にすることができる。
第8発明に係る水熱交換器は、第1発明から第5発明のいずれかに係る水熱交換器であって、単穴扁平管は、アルミ合金部材と防食用コーティング剤とを有する。アルミ合金部材は、板状の部材である。防食用コーティング剤は、アルミ合金部材の片側の面に塗布される。単穴扁平管はまた、防食用コーティング剤が内側となるように曲げ加工を施して形成される。
したがって、本発明では、防食コーティング剤が塗布された面を水流路側とすることができる。このため、水による防食を起こしにくいようにできる。
第9発明に係る水熱交換器は、第6発明から第8発明のいずれかに係る水熱交換器であって、単穴扁平管は、少なくとも断面長辺側の側面にディンプル加工を施されている。
したがって、水流路側の伝熱面積を増やすことができ、冷媒から水への熱通過率を向上させることができる。
第10発明に係る水熱交換器は、第1発明から第9発明のいずれかに係る水熱交換器であって、冷媒管と、水管と、第1ヘッダと、第2ヘッダと、第3ヘッダと、第4ヘッダとは、全てまとめてロウ付けされることにより接合される。
したがって、接合にかかる手間を減らすことができ、容易に接合することができる。
第11発明に係る水熱交換器は、第1発明から第10発明のいずれかに係る水熱交換器であって、多穴扁平管は、引き抜き加工または押し出し加工により成型される。
したがって、冷媒管を容易に成型することができる。
第12発明に係る水熱交換器は、第1発明から第11発明のいずれかに係る水熱交換器であって、冷媒は、CO2である。
本発明では、冷媒としてCO2冷媒を利用している。CO2冷媒は、従来の冷媒、例えばフルオロカーボン冷媒などと比べて、地球温暖化係数が1であり、数百から1万程度のフルオロカーボン冷媒よりも遙かに低い。
このように、環境負荷が小さいCO2冷媒を利用することで、地球環境が悪化することを抑えることができる。
第13発明に係る水熱交換器の製造方法は、圧着ステップと、単穴扁平管成型ステップと、多穴管成形ステップと、接合ステップとを備える。圧着ステップでは、第1アルミ合金部材を、第1アルミ合金部材よりもイオン化傾向の大きい第2アルミ合金部材により挟み込んで圧着して3層板状部材を形成する。単穴扁平管成型ステップでは、3層板状部材に曲げ加工を施して単穴扁平管を成型する。多穴管成型ステップでは、多穴扁平管を引き抜き加工または押し出し加工により成型する。接合ステップでは、多穴扁平管と、単穴扁平管と、多穴扁平管の一端に接続される第1ヘッダと、多穴扁平管の他端に接続される冷媒用の第2ヘッダと、単穴扁平管の一端に接続される第3ヘッダと、単穴扁平管の他端に接続される水用の第4ヘッダとを全てまとめてロウ付けして接合する。
本発明の水熱交換器の製造方法では、圧着ステップにより、3層板状部材を形成し、3層板状部材に単穴扁平管成型ステップにおいて曲げ加工を施すことで単穴扁平管を成型している。このため、単穴扁平管の水流路側を犠牲材として機能することができる第2アルミ合金部材によりコーティングした状態とすることができ、単穴扁平管が水により腐食することを防ぐことができる。
また、本発明の水熱交換器の製造方法では、多穴成型ステップにおいて、多穴扁平管を引き抜き加工または押し出し加工により成型している。このため、多穴扁平管の成型を容易に行うことができる。
また、本発明の水熱交換器の製造方法では、接合ステップにおいて、冷媒管と、水管と、第1ヘッダと、第2ヘッダと、第3ヘッダと、第4ヘッダとは、全てまとめてロウ付けして接合している。したがって、接合にかかる手間を減らすことができ、容易に接合することができる。
このように、本発明の水熱交換器の製造方法では、水の防食性を高めつつ、組立を容易にすることが可能である。
第1発明に係る水熱交換器では、冷媒管を多穴扁平管とし、水管を単穴扁平管とすることにより、1本の水管に水管よりも細い冷媒管を巻き付けるのに相当する効果を得ることができる。すなわち、冷媒が水に対して熱を伝達する伝熱面積を広くとる構成とすることができる。水管と冷媒管を扁平管を利用して成型することになるため、1本の水管に水管よりも細い冷媒管を巻き付ける構成とするよりも製造を容易にできる。さらに、水管と冷媒管とを密着させた状態でそれぞれの管にヘッダを設けて、水と冷媒とが熱交換する部分を延長しているため、構成をコンパクトにできる。
第2発明に係る水熱交換器では、水熱交換器を構成することにより、水管の周囲のほとんどは冷媒管と密着していることになるため、一旦冷媒が水に伝えた熱を水熱交換器の周囲の物質(例えば、水熱交換器周辺の空気)に伝えることを極力防ぐことができる。また、一対の冷媒管と水管とは断面長辺側の側面同士を密着させるため、平面である側面同士を密着させることになり、構成がシンプルになり組立を容易にすることができる。
第3発明に係る水熱交換器では、冷媒管と水管との両端にそれぞれヘッダが設けられるような構成において、冷媒管と水管とが極力直線になるようにしつつ、ヘッダの数を最小限にすることができる。このため、水熱交換器をコンパクトに構成することができる。
第4発明に係る水熱交換器では、熱交換部材に曲げ加工を施さなくとも、熱交換部材の距離を長くすることができる。このため、水熱交換器全体の構成を熱交換部材の距離を所定距離以上に確保しつつ、コンパクトにすることができる。
第5発明に係る水熱交換器では、冷媒と水との温度差を確保することができる。また、冷媒と水との温度差を水熱交換器全体において均一に近づけることができ、特に冷媒が超臨界冷媒のように熱交換のはじめと終わりとで温度が異なる冷媒である場合に、熱交換効率を向上させることができる。
第6発明に係る水熱交換器では、第2アルミ合金部材が水による防食の犠牲材として機能させることができ、少なくとも第1アルミ合金部材への防食が起こりにくくできる。
第7発明に係る水熱交換器では、組立加工を容易にすることができる。
第8発明に係る水熱交換器では、防食コーティング剤が塗布された面を水流路側とすることができる。このため、水による防食を起こしにくいようにできる。
第9発明に係る水熱交換器では、水流路側の伝熱面積を増やすことができ、冷媒から水への熱通過率を向上させることができる。
第10発明に係る水熱交換器では、接合にかかる手間を減らすことができ、容易に接合することができる。
第11発明に係る水熱交換器では、冷媒管を容易に成型することができる。
第12発明に係る水熱交換器では、環境負荷が小さいCO2冷媒を利用することで、地球環境が悪化することを抑えることができる。
第13発明に係る水熱交換器では、水の防食性を高めつつ、組立を容易にすることが可能である。
本発明の一実施形態に係る冷凍装置を含むヒートポンプ式給湯装置のシステム。 冷凍装置の内部構造を示す断面図。 冷凍装置の制御装置のブロック図。 冷凍装置の水熱交換器の平面図。 冷凍装置の水熱交換器の正面図。 熱交換部材の断面図。 3層板状部材の概略図。 3層板状部材に曲げ加工を施して単穴扁平管42を形成する過程を表す概略図。 水熱交換器の製造工程を示すフローチャート。 変形例(2)にかかる熱交換部材の断面図。 変形例(4)にかかる熱交換部材の断面図。
<ヒートポンプ式給湯装置の構成>
本発明の一実施形態に係る冷凍装置を含むヒートポンプ式給湯装置のシステムを図1に示す。ヒートポンプ式給湯装置1は、冷凍装置2と貯湯装置3とによって構成されている。冷凍装置2は、圧縮機21、水熱交換器22内の冷媒管22a、減圧手段としての膨張弁23、及び空気熱交換器24が、冷媒配管25によって環状に接続される圧縮式の冷凍回路20を有する。
さらに、冷凍回路20には、水熱交換器22から出る高圧高温の冷媒と、空気熱交換器24から出る低圧低温の冷媒との間で熱交換を行うため、ガス熱交換器26が配置されている。具体的には、水熱交換器22と膨張弁23とを連結する冷媒通路と、空気熱交換器と圧縮機21とを連結する冷媒通路との間で熱交換が行われる。
貯湯装置3は、貯湯タンク31、水熱交換器22内の水管22b及び水循環ポンプ32が、水配管35によって環状に接続された水循環回路30を有する。
冷凍装置2には、設置場所の外気温を検出する外気温センサ8、圧縮機21の吐出管温度を検出する吐出管温度センサ9、及び空気熱交換器24の温度を検出する温度センサ10が設けられており、これらのセンサの検出信号は、マイコン6に入力される。
水熱交換器22で加熱された水の温度が例えば85℃となるように、水循環ポンプ32によって水の循環量が制御される。マイコン6は、85℃の水を得るために必要な冷媒温度を確保するために、膨張弁23の開度を制御する。
<冷凍装置の構造>
図2は、冷凍装置2の内部構造を示す断面図である。図2において、断熱壁2cの右側区画が機械室2aであり、断熱壁2cの左側区画がファン室2bである。機械室2aには、圧縮機21、膨張弁23が配置されている。
ファン室2bには、図2正面視において、前方にファン27が配置されている。ファン27の後方には、ファン27を駆動するモータが、モータ支持台28に固定された状態で配置されている。ファン室2bの下方には、断熱壁2dを隔てて水熱交換器22が配置されている。水熱交換器22内にて、冷媒管22a(図1参照)を流れる冷媒と、水管22b(図1参照)を流れる水との間で熱交換が行われる。
また、図2において、空気熱交換器24は、ファン室2bの左側壁と背面壁に沿って配置されており、空気熱交換器24の右端は機械室2aの中央まで延出している。制御ボックス4は、機械室2aの上部とファン室2bの上部を跨ぐように配置されている。制御ボックス4には、マイコン6(図3参照)、インバータ7(図3参照)を搭載した制御装置5が内蔵されている。
<冷凍装置の運転制御>
図3は、冷凍装置2の制御ブロック図である。マイコン6は、外気温センサ8、空気熱交換器24の温度センサ10からの検出信号に基づき、目標吐出管温度設定部62で目標吐出管温度を設定する。そして、マイコン6は、吐出管温度センサ9で検出される吐出管温度が目標吐出管温度に近づくように、膨張弁開度制御部63を介して膨張弁23の開度を制御する。なお、目標吐出管温度の設定に必要なデータは、目標吐出管温度設定部62内に予め記憶されている。
さらに、マイコン6は、冷凍装置2の炊上能力に及ぼす外気温の影響を考慮して、さらに給湯負荷が一日の時間帯によって変化することを考慮して、インバータ制御部64を介して圧縮機21の運転周波数を制御している。例えば、外気温が低く、給湯負荷が大きい時間帯では、湯切れを防止するため、効率を無視して圧縮機21の運転周波数を高める。一方、外気温が高く、給湯負荷が小さい時間帯では、圧縮機21の運転周波数を高効率点に設定する。
給湯負荷が大きいとき、マイコン6は、圧縮機21を保護する目的で、吐出管温度が120℃を超えないように圧縮機21の運転制御を行う。実際に、吐出管温度が120℃のとき、圧縮機21の内部温度は、140℃〜145℃に到達しており、内部温度がさらに上昇して150℃を超えると、圧縮機21内部のマグネットの磁力が低下、オイルの劣化が発生し故障に至る。したがって、本実施形態では、吐出管温度の上限を120℃と設定している。
但し、外気温t1が−20℃以下のときは、圧縮機21が過負荷になり易いので、さらなる安全措置として吐出管温度センサ9の検出値の補正量を大きくとり、実際の吐出管温度が120℃に達する前に吐出管温度センサ9の検出値を120℃にする必要がある。そこで、外気温t1が−20℃以下のときの補正量が実験的に求められ、マイコン6の温度補正部61の第2補正手段61bに記憶されている。
なお、外気温t1>−20℃の温度範囲では、第1補正手段61aによって、補正されている。
<水熱交換器>
図4は水熱交換器22の平面図であり、図5は水熱交換器22の正面図である。これら図4,5では、水熱交換器22を模式的に表現している。
(水熱交換器の構成)
水熱交換器22は、冷媒が流通する冷媒管22aと、水が流通する水管22bと、冷媒管22aに接続される第1ヘッダ51aおよび第2ヘッダ51bと、水管22bに接続される第3ヘッダ52aおよび第4ヘッダ52bとを有しており、冷媒管22aと水管22bを流れる流体間で熱交換を行うものである。水熱交換器22は、具体的には、冷媒と水とが熱交換を行う冷媒管22aと水管22bとが密着されて成り、第1方向L1(図4,5参照)に延びる熱交換部材53の複数本(本実施形態においては8本)が、円筒形状の各ヘッダ51a、51b、52a、52bの高さ方向(図4,5の第2方向L2参照)に接続されることによりなる。そして、熱交換部材53は、冷媒管22aを構成する一対の多穴扁平管41A,41Bと、水管22bを構成する単穴扁平管42とから主に構成されている。
一対の多穴扁平管41A,41Bは、図6に示すように、扁平部本体46を有している。扁平部本体46は、図5に示すように第1方向L1に長く延びている。扁平部本体46は、互いに対向する対向面46aと、反対側の反対側面46bとを有している。扁平部本体46内には、冷媒が流通可能な複数の(この実施例では11個の)穴である冷媒流路47が一列に形成されている。このように単穴扁平管に複数の穴を形成して冷媒管とすることで、冷媒側の熱伝達率が向上している。なお、図6は、熱交換部材53の断面図である。
多穴扁平管41A,41Bは、例えば、アルミニウム1050からなる。なお、各多穴扁平管41A,41Bは引き抜き加工や押し出し加工により製造されている。
単穴扁平管42は、一対の多穴扁平管41A,41Bに沿って延びる部材である。図から明らかなように、単穴扁平管42の断面形状は、対向する二本の第1直線部分42aとその二本の直線部分をつなぐ2つの第2直線部分42bとからなる。そして、多穴扁平管41A,41Bとは異なり水が流通可能な1つの水流路48を構成している。直線部分42aは、対向面46aと同じ長さである。
単穴扁平管42は、アルミニウム3003とアルミニウム4343との2種類のアルミニウム合金からなり、アルミニウム3003である第1アルミニウム層54aをアルミニウム4343である第2アルミニウム層54bにより挟み込んでできた3層構造となった板状部材(3層板状部材54)に曲げ加工を施すことにより形成される。具体的には、板状の3層板状部材54の4カ所に曲げ加工を施すことにより単穴扁平管42を形成している(図8参照)。アルミニウム4343は、アルミニウム3003よりもイオン化傾向が大きい(すなわち、酸化されやすい)アルミニウム合金である。このため、アルミニウム3003よりもイオン化傾向が大きいアルミニウム4343により組成される第2アルミニウム層54bを水流路48となる側に配置させることにより、第2アルミニウム層54bが第1アルミニウム層54aよりも腐食しやすい状態にすることができ、第1アルミニウム層54aに防食が及ぶことを防ぐことができる。なお、第2アルミニウム層54bは、アルミニウム4343の代わりにアルミニウム7072を使用しても良い。なお、図7は3層板状部材の概略図である。図8は3層板状部材に曲げ加工を施して単穴扁平管42を形成する過程を表す概略図であり、板状の3層板状部材54の曲げ加工無しの状態、3層板状部材54に1箇所曲げ加工を施した状態、および3層板状部材54に4箇所曲げ加工を施した状態(すなわち、単穴扁平管42)を示す。
多穴扁平管41A,41Bと単穴扁平管42とは、ロウ付けにより互いに密着している。この場合に、単穴扁平管42の外側に位置する第2アルミニウム層54bは、ロウ材として機能する。このように、多穴扁平管41A,41Bと単穴扁平管42とをロウ付けにより接合させることにより、単穴扁平管42の表面のほとんどの部分(すなわち、直線部分42aの部分)を多穴扁平管41A,41Bに密着させることができ、単穴扁平管42から周囲の空気への放熱を極力防ぐことができる。
第1ヘッダ51aおよび第2ヘッダ51bは、冷媒管22aを構成する多穴扁平管41A,41Bの両端に接続されており、多穴扁平管41A,41Bと共に水熱交換器22内部の冷媒流路47を構成している。第1ヘッダ51aは、本実施形態においては、水熱交換器22における冷媒入口59aおよび冷媒出口59bと、その内部空間を上流空間56a、中流空間56b、および下流空間56cの3つに仕切る2枚の第1バッフル板55a,55bとを有している。また、第2ヘッダ51bは、本実施形態においては、その内部空間を上流空間56dおよび下流空間56eの2つに仕切る1枚の第1バッフル板55cを有している。
第3ヘッダ52aおよび第4ヘッダ52bは、水管22bを構成する単穴扁平管42の両端に接続されており、単穴扁平管42と共に水熱交換器22内部の水流路48を構成している。第3ヘッダ52aは、本実施形態においては、水熱交換器22における水入口60aおよび水出口60bと、その内部空間を上流空間58a、中流空間58b、および下流空間58cの3つに仕切る2枚の第2バッフル板57a,57bとを有している。また、第4ヘッダ52bは、本実施形態においては、その内部空間を上流空間58dおよび下流空間58eの2つに仕切る1枚の第2バッフル板57cを有している。
(水熱交換器における冷媒および水の流れ)
冷媒は、水熱交換器の冷媒入口59aから第1ヘッダ51aの上流空間56aに流入し、上流空間56aと接続されている2本の冷媒管22a(図5において熱交換部材53a,53bを構成する冷媒管)を流通する(冷媒の流れ方向は図4、5の実線矢印参照)。熱交換部材53a,53bを構成する冷媒管22aを流通する冷媒は、第2ヘッダ51bの上流空間56dへ流入して、熱交換部材53a,53bの下流側直後に配置される熱交換部材53c,53dを構成する冷媒管22aへ流入する。熱交換部材53c,53dを構成する冷媒管22aを流通する冷媒は、第1ヘッダ51aの中流空間56bへ流入して、熱交換部材53c,53dの下流側直後に配置される熱交換部材53e,53fを構成する冷媒管22aへ流入する。熱交換部材53e,53fを構成する冷媒管22aを流通する冷媒は、第2ヘッダ51bの下流空間56eへ流入して、熱交換部材53e,53fの下流側直後に配置される熱交換部材53g,53hを構成する冷媒管22aへ流入する。熱交換部材53g,53hを構成する冷媒管22aを流通する冷媒は、第1ヘッダ51aの下流空間56cへ流入して、冷媒出口59bから放出される。このようにして、冷媒は、第1ヘッダ51aおよび第2ヘッダ51bの内部を仕切る第1バッフル板55a〜55cにより、上流側の熱交換部材53を構成する冷媒管22aからその直後に接続される熱交換部材53を構成する冷媒管22aへと導かれ、水熱交換器22の内部を蛇行するように流通する。
また、水は、水熱交換器の水入口60aから第3ヘッダ52aの上流空間58aに流入し、上流空間58aと接続されている2本の水管22b(図5において熱交換部材53g,53hを構成する水管)を流通する(水の流れ方向は図4、5の破線矢印参照)。熱交換部材53g,53hを構成する水管22bを流通する水は、第4ヘッダ52bの上流空間58eへ流入して、熱交換部材53g,53hの下流側直後に配置される熱交換部材53e,53fを構成する水管22bへ流入する。熱交換部材53e,53fを構成する水管22bを流通する水は、第3ヘッダ52aの中流空間58bへ流入して、熱交換部材53e,53fの下流側直後に配置される熱交換部材53c,53dを構成する水管22bへ流入する。熱交換部材53c,53dを構成する水管22bを流通する水は、第4ヘッダ52bの下流空間58dへ流入して、熱交換部材53c,53dの下流側直後に配置される熱交換部材53a,53bを構成する水管22bへ流入する。熱交換部材53a,53bを構成する水管22bを流通する水は、第3ヘッダ52aの下流空間58cへ流入して、水出口60bから放出される。このようにして、冷媒は、第3ヘッダ52aおよび第4ヘッダ52bの内部を仕切る第2バッフル板57a〜57cにより、上流側の熱交換部材53を構成する水管22bからその直後に接続される熱交換部材53を構成する水管22bへと導かれ、水熱交換器22の内部を蛇行するように流通する。
なお、冷媒と水とは、図5に示すように、同一熱交換部材53において、対向するように流れることになる。これにより、水熱交換器22おいて、冷媒と水との温度差を全体的に確保することができる。また、冷媒と水との温度差を水熱交換器全体において均一に近づけることができ、特に冷媒がCO2のように熱交換のはじめと終わりとで温度が異なる冷媒である場合に、熱交換効率を向上させることができる。
<水熱交換器の製造方法>
水熱交換器22の製造方法について、図9のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1では、アルミニウム3003である第1アルミニウム層54aをアルミニウム4343である第2アルミニウム層54bにより挟み込んで圧着することにより、3層板状部材54を形成する。
ステップS2では、ステップS1により形成された3層板状部材54の4カ所に曲げ加工を施して、単穴扁平管42を成型する。
ステップS3では、アルミニウム1050を引き抜き加工または押し出し加工をほどこして、多穴扁平管41A,41Bを成型する。
ステップS4では、所定の位置に第1バッフル板55a〜55cおよび第2バッフル板57a〜57cが挿入された円筒形状の各ヘッダ51a,51b,52a,52bと、多穴扁平管41A,41Bと、単穴扁平管42とが、図5の水熱交換器22のように組み立てられて、接合が行われる。なお、ステップS4で行われる接合は、水熱交換器22の構成要素である、各ヘッダ51a,51b,52a,52b、多穴扁平管41A,41B、および単穴扁平管42が全てロウ付けにより一工程により行われる。
<特徴>
(1)
本実施形態の水熱交換器22は、単穴扁平管42を一対の多穴扁平管41A,41Bにより挟み込むように構成されている。そして、一対の多穴扁平管41A,41Bに挟み込まれた単穴扁平管42は、多穴扁平管41A,41Bと断面長辺側の側面同士が密着している。さらに、冷媒管22aの両端に第1ヘッダ51aおよび第2ヘッダ52bを、水管22bの両端に第3ヘッダ52aおよび第4ヘッダ52bを接続させる構成としている。また、水熱交換器22は、熱交換部材53の複数本が、第2方向L2に沿って並ぶように、熱交換部材53と各ヘッダ51a,51b,52a,52bとが接続される。さらに、第1ヘッダ51aおよび第2ヘッダ51bには、冷媒が水熱交換器22の内部を蛇行するように、冷媒の流れ方向上流側に配置される冷媒管22a(例えば、熱交換部材53a,53bを構成する冷媒管22a)を流れる冷媒を、その冷媒管22aの冷媒の流れ方向下流側直後に配置される冷媒管22a(例えば、熱交換部材53c,53dを構成する冷媒管22a)へ導く第1バッフル板55a〜55c(例えば、第1バッフル板55a)が設けられている。また、第3ヘッダ52aおよび第4ヘッダ52bには、水が水熱交換器22の内部を蛇行するように、水の流れ方向上流側に配置される水管22b(例えば、熱交換部材53g,53hを構成する水管22b)を流れる水を、その水管22bの水の流れ方向下流側直後に配置される水管22b(例えば、熱交換部材53e,53fを構成する水管22b)へ導く第2バッフル板57a〜57c(例えば、第2バッフル板57a)が設けられている。
このように、冷媒管22aを多穴扁平管41A,41Bとし、水管22bを単穴扁平管42とすることにより、例えば1本の水管に水管よりも細い冷媒管を巻き付けるのに相当する効果を得ることができる。すなわち、冷媒が水に対して熱を伝達する伝熱面積を広くとる構成とすることができる。冷媒管22aおよび水管22bを密着させた熱交換部材53を、扁平管を利用して成型することになるため、扁平管3つを密着させるのみで熱交換部材53を成型することができ、1本の水管に水管よりも細い冷媒管複数本を巻き付ける構成とするよりも製造を容易にできる。さらに、冷媒管22aと水管22bとを密着させた状態でそれぞれの管に各ヘッダ51a,51b,52a,52bを設けて、水と冷媒とが熱交換する部分を延長して、水熱交換器22全体において冷媒流路47と水流路48とが蛇行するような構成とすることができる。したがって、熱交換部材53に曲げ加工を施さなくとも、熱交換部材53の距離を長くすることができる。このように、熱交換部材53に直接曲げ加工を施すことによる蛇行構造としていないため、水熱交換器22全体の構成を熱交換部材53の距離を所定距離以上に確保しつつ、コンパクトにすることができる。
(2)
本実施形態の水熱交換器22は、冷媒が流通する第1ヘッダ51aおよび第2ヘッダ51bが、水が流通する第3ヘッダ52aおよび第4ヘッダ52bの第1方向L1外側になるように配置されており、冷媒管22aが水管22bと密着していない部分(すなわち、密着部以外の部分)で第3ヘッダ52aおよび第4ヘッダ52bを迂回するような形状で第1ヘッダ51aおよび第2ヘッダ51bと接続されている。
したがって、冷媒管22aと水管22bとの両端にそれぞれヘッダ51a,51b,52a,52bが設けられるような構成において、冷媒管22aと水管22bとが密着する部分を極力直線になるようにしつつ、ヘッダ51a,51b,52a,52bの数を最小限にすることができる。このため、水熱交換器22をコンパクトに構成することができる。
(3)
本実施形態の水熱交換器22では、冷媒管22a内部を流れる冷媒と、水管22b内部を流れる水とは、互いに対向する方向に流れる。
したがって、冷媒と水との温度差を確保することができる。また、冷媒と水との温度差を水熱交換器22全体において均一に近づけることができ、特に冷媒が超臨界冷媒のように熱交換のはじめと終わりとで温度が異なる冷媒である場合に、熱交換効率を向上させることができる。
(4)
本実施形態の水熱交換器22は、単穴扁平管42は、アルミニウム3003で組成される第1アルミニウム層54aをアルミニウム4343で組成される第2アルミニウム層54bにより挟み込んで密着させてできた3層板状部材54を曲げ加工することにより形成している。そして、水流路48側に配置される第2アルミニウム層54bは、第1アルミニウム層54aよりもイオン化傾向の大きい板状の部材であるため、水による防食が起こる場合にまず第2アルミニウム層54bから防食が始まる。
このため、アルミニウム3003よりもイオン化傾向が大きいアルミニウム4343により組成される第2アルミニウム層54bを水流路48となる側に配置させることにより、第2アルミニウム層54bが第1アルミニウム層54aよりも腐食しやすい状態にすることができ、第1アルミニウム層54aに防食が及ぶことを防ぐことができる。
(5)
本実施形態の水熱交換器22では、冷媒管22aと、水管22bと、第1ヘッダ51aと、第2ヘッダ51bと、第3ヘッダ52aと、第4ヘッダ52bとは、全てまとめてロウ付けされることにより接合される。
したがって、接合にかかる手間を減らすことができ、容易に接合することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)
上記実施形態にかかる水熱交換器22は、単穴扁平管42は、3層板状部材54から成型されているが、これに限らずに、アルミ合金の片面に防食用コーティング剤を塗布した板状部材から成型しても構わない。なお、この場合に、単穴扁平管は、防食用コーティング剤が内側となるように曲げ加工を施して形成される。
(2)
上記実施形態にかかる水熱交換器22は、単穴扁平管42が多穴扁平管41A,41Bと密着される部分(直線部分42a)は、その断面形状において直線形状となっているが、これに限らずに、この部分が図10のようにディンプル加工が施された単穴扁平管72であっても構わない。なお、ディンプル加工は、3層板状部材54に対して、その両面側から凹凸が付いたローラーにより圧力を加えられることにより行われる。
(3)
上記実施形態にかかる水熱交換器22は、熱交換部材53が、単穴扁平管42を一対の多穴扁平管41A,41Bにより挟み込んで密着させる形状としているがこれに限らず、1つの単穴扁平管42に対して1つの多穴扁平管41A,41Bを密着させる形状としても良い。
(4)
上記実施の形態では、単穴扁平管42の断面形状は、二本の第1直線部分42aと二本の第1直線部分42aをつなぐ2つの第2直線部分42bとから構成されているが、これに限らずに二本の第1直線部分42aをつなぐ2カ所の部分は直線でなくとも良い。
(5)
上記実施の形態では、多穴扁平管41A,41Bの扁平部本体46内には、11個の冷媒流路47が一列に並んで形成されているが、本発明はこれに限定されない。穴の個数や配置は任意に設定しても良い。
(6)
上記実施形態では、冷媒としてCO2を用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、高温高圧の冷媒として、炭化水素、フロン冷媒などを用いても良い。
(7)
上記実施形態では、一対の多穴扁平管41A,41Bは、一体部材に成型された多穴構造であるが、これに限定するものではなく、例えば図11のように、2つの多穴扁平管71A,71Bを並べたものであっても構わない。また、複数の細管を接合して1つの多穴扁平管としても構わない。ただし、このように複数の部材によって多穴扁平管を構成しても、多穴扁平管を単穴扁平管の二本の直線部分側の面と密着させることにより単穴扁平管からの周囲の空気への放熱を防ぐことが可能である。
本発明に係る水熱交換器は、熱交換効率の低下を防ぎ、かつ、その構成を単純にすることができ、冷媒と水とを熱交換させる水熱交換器等として有用である。
22 水熱交換器
22a 冷媒管
22b 水管
41A,41B 多穴扁平管
42 単穴扁平管
47 冷媒流路(冷媒流路孔)
48 水流路(水流路孔)
51a 第1ヘッダ
51b 第2ヘッダ
52a 第3ヘッダ
52b 第4ヘッダ
55a〜55c 第1バッフル板
57a〜57c 第2バッフル板
71A,71B 多穴扁平管
L1 第1方向
L2 第2方向
特開2006−336894号公報

Claims (13)

  1. 冷媒と水との間で熱交換を行わせる水熱交換器(22)であって、
    前記冷媒が流通可能な複数の冷媒流路孔(47)を有する多穴扁平管(41A,41B,71A,71B)から成る冷媒管(22a)と、
    前記水が流通可能な1つの水流路孔(48)を有する単穴扁平管(42)から成る水管(22b)と、
    前記冷媒管の一端に接続される前記冷媒用の第1ヘッダ(51a)と、
    前記冷媒管の他端に接続される前記冷媒用の第2ヘッダ(51b)と、
    前記水管の一端に接続される前記水用の第3ヘッダ(52a)と、
    前記水管の他端に接続される前記水用の第4ヘッダ(52b)と、
    を備え、
    前記冷媒管と前記水管とは、断面長辺側の側面同士が密着する密着面を有し、
    前記密着面は、略矩形状でありその長手方向である第1方向(L1)と前記冷媒または前記水の流れ方向とが一致する、
    水熱交換器(22)。
  2. 前記冷媒管は、一対の多穴扁平管(41A,41B)から成り、
    前記水管は、一対の前記冷媒管に挟まれている、
    請求項1に記載の水熱交換器(22)。
  3. 前記第1ヘッダおよび前記第2ヘッダは、前記第1方向において、少なくともそれらの中心が前記第3ヘッダおよび前記第4ヘッダの中心よりも外側に配置され、
    前記冷媒管は、前記水管と密着していない部分で前記第3ヘッダおよび前記第4ヘッダを避けるように湾曲している、
    請求項1または2に記載の水熱交換器(22)。
  4. 前記第1ヘッダ、前記第2ヘッダ、前記第3ヘッダ、および前記第4ヘッダは、前記第1方向に交差する第2方向(L2)延びる形状であり、
    前記冷媒管および前記水管は密着した状態で、前記第2方向に複数本が並び、
    前記複数本の冷媒管には、前記冷媒の流れ方向上流側にある少なくとも1本以上の第1冷媒管と、前記第1冷媒管の前記冷媒の流れ方向下流側直後にある少なくとも1本以上の第2冷媒管とがあり、
    前記複数本の水管には、前記水の流れ方向上流側にある少なくとも1本以上の第1水管と、前記第1水管の前記冷媒の流れ方向下流側直後にある少なくとも1本以上の第2水管とがあり、
    前記第1ヘッダおよび/または前記第2ヘッダは、前記第1冷媒管を流れる冷媒を前記第2冷媒管へ導く第1バッフル板(55a〜55c)を有し、
    前記第3ヘッダおよび/または前記第4ヘッダは、前記第1水管を流れる水を前記第2水管へ導く第2バッフル板(57a〜57c)を有する、
    請求項1から3のいずれかに記載の水熱交換器(22)。
  5. 前記冷媒管内部を流れる前記冷媒と、前記水管内部を流れる前記水とは、互いに対向する方向に流れる、
    請求項1から4のいずれかに記載の水熱交換器(22)。
  6. 前記単穴扁平管は、
    板状の第1アルミ合金部材(54a)と、
    前記第1アルミ合金部材よりもイオン化傾向の大きい板状の第2アルミ合金部材(54b)と、
    を有しており、
    前記第1アルミ合金部材の両面から前記第2アルミ合金部材により前記第1アルミ合金部材を挟み込んでできた3層板状部材(54)に、曲げ加工を施して形成される、
    請求項1から5のいずれかに記載の水熱交換器(22)。
  7. 前記第2アルミ合金部材は、ロウ付けの際のロウ材として機能する、
    請求項6に記載の水熱交換器(22)。
  8. 前記単穴扁平管は、
    板状のアルミ合金部材と、
    前記アルミ合金部材の片側の面に塗布される防食用コーティング剤と、
    を有しており、
    前記防食用コーティング剤が内側となるように曲げ加工を施して形成される、
    請求項1から5のいずれかに記載の水熱交換器。
  9. 前記単穴扁平管は、少なくとも断面長辺側の側面にディンプル加工を施されている、
    請求項6から8のいずれかに記載の水熱交換器。
  10. 前記冷媒管と、前記水管と、前記第1ヘッダと、前記第2ヘッダと、前記第3ヘッダと、前記第4ヘッダとは、全てまとめてロウ付けされることにより接合される、
    請求項1から9のいずれかに記載の水熱交換器(22)。
  11. 前記多穴扁平管は、引き抜き加工または押し出し加工により成型される、
    請求項1から10のいずれかに記載の水熱交換器(22)。
  12. 前記冷媒は、CO2である、
    請求項1から11のいずれかに記載の水熱交換器(22)。
  13. 第1アルミ合金部材(54a)を、前記第1アルミ合金部材よりもイオン化傾向の大きい第2アルミ合金部材(54b)により挟み込んで圧着して3層板状部材(54)を形成する圧着ステップ(S1)と、
    前記3層板状部材に曲げ加工を施して単穴扁平管を成型する扁平管成型ステップ(S2)と、
    多穴扁平管(41A,41B)を引き抜き加工または押し出し加工により成型する多穴管成型ステップ(S3)と、
    前記多穴扁平管と、前記扁平管と、前記多穴扁平管の一端に接続される第1ヘッダ(51a)と、前記多穴扁平管の他端に接続される前記冷媒用の第2ヘッダ(51b)と、前記扁平管の一端に接続される第3ヘッダ(52a)と、前記扁平管の他端に接続される前記水用の第4ヘッダ(52b)とを全てまとめてロウ付けして接合する接合ステップ(S4)と、
    を備える水熱交換器(22)の製造方法。
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