JP2010209161A - 有機顔料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】カラーフィルタとしたときに高いコントラスを発揮し、しかもその成形工程における現像、ポストベーク、UV洗浄などといった処理を経ても表面の荒れを抑制・防止して良好な表示性能を実現し、かつ経時の分散安定性に優れた有機顔料組成物を提供する。
【解決手段】有機顔料微粒子と特定の酸基を有する化合物とを含有する有機顔料組成物であって、前記有機顔料微粒子が、良溶媒に有機顔料を溶解した有機顔料溶液と、前記良溶媒と相溶し前記有機顔料に対して貧溶媒となる溶媒とを混合して析出させた有機顔料微粒子である有機顔料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビルドアップ顔料微粒子を含有する有機顔料組成物、これを用いたカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ及びその製造方法に関する。
近年、カラー撮像素子、カラー液晶表示装置等の画像関連精密機器の高品質化および用途の拡大が急速に進でいる。それを反映して、カラーフィルタについてもコントラストをはじめとした表示性能の向上が強く求められるようになってきた。このような観点からカラーフィルタの色材についてみると、染料に代わって有機顔料が用いられるようになってきており、最近ではナノメートルサイズレベルで、しかも単分散で安定な顔料ナノ粒子が求められている。さらに、インクジェット技術を利用した新規のカラーフィルタの製造方法が検討されている。これにより設計自由度の大幅な向上・コストの大幅な低減が期待され、それに適し十分な性能を発揮しうる顔料ナノ粒子の分散物が求められている。
ここで有機顔料粒子の製造方法についていうと、ビーズミル法やソルトミリング法などのブレークダウン法が一般的である(特許文献1等参照)。上記ミリング法では、有機顔料を十分に微細化し組成物中で分散させるために多大な時間とエネルギーとを要する。また用いることができる顔料種が限られる。そして顔料の微細化にともないその分散組成物が高粘度を示すことがあり、場合によっては貯蔵中にゲル化することもある(特許文献1等参照)。
これに対し最近、ビルドアップ法により分散安性の高い顔料分散組成物の製造方法が開発された。この方法は微細な顔料粒子を得るのに適しており、具体的に、顔料溶液と貧溶媒とを混合してナノ粒子を析出させ、所定の高分子化合物を添加する方法が開示されている(特許文献2、3参照)。この分散組成物を用いてカラーフィルタを作製し、これを高コントラスト化することが試みられている。
特開2007−140487号公報 特開2007−262378号公報 特開2008−083089号公報
上記特許文献2及び3に記載された分散組成物によればカラーフィルタとしたときにこれを高コントラスト化する効果がある。他方、カラーフィルタは通常これを成形する際に、現像、ポストベーク、UV洗浄などの加工・処理を行うが、これにより製品化されたものの表目に荒れが生じることがあった。本発明者らはこの点に着目し、特にビルドアップ法により調製した顔料微粒子(以下、単に「ビルドアップ顔料微粒子」ということがある。)を含有する組成物を用いて作製したカラーフィルタにおける上記特有の課題の解決を目的とした。
すなわち本発明は、ビルドアップ顔料微粒子を含有するカラーフィルタの作製に適した有機顔料組成物の提供を目的として、カラーフィルタとしたときに高いコントラストを発揮し、しかもその成形工程における現像、ポストベーク、UV洗浄などといった処理を経ても表面の荒れを抑制ないし防止して良好な表示性能を実現し、かつ径時の分散安定性に優れる有機顔料組成物、これを用いて調製したカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物、これにより作製したカラーフィルタ及びその製造方法の提供を目的とする。
上記課題は下記の手段により達成された。
[1]有機顔料微粒子と下記一般式(1)で表される化合物とを含有する有機顔料組成物であって、
前記有機顔料微粒子が、良溶媒に有機顔料を溶解した有機顔料溶液と、前記良溶媒と相溶し前記有機顔料に対して貧溶媒となる溶媒とを混合して析出させた有機顔料微粒子であることを特徴とする有機顔料組成物。
〔化1〕
一般式(1)
(HOOC−)−R−(−COO−[−R−COO−]−R
(式中、Rは4価のテトラカルボン酸化合物残基、Rはモノアルコール残基、Rはラクトン残基、mは2または3、nは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。)
[2]さらに高分子化合物を含有させた有機顔料組成物であって、
前記高分子化合物が下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする[1]に記載の有機顔料組成物。
〔化2〕
一般式(2)
−CH−C(R14)(Y−R15−Z)−
(式中、R14は水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R15は単結合、又は2価の連結基を表す。Yは−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは含窒素複素環構造を有する基を表す。)
[3]さらに下記一般式(3)で表される化合物を含有させた[1]又は[2]に記載の有機顔料組成物。
〔化3〕
一般式(3)
Q−A−B−N(R)(R
(式中、Qは色素残基を表す。Aは、−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH−、または単結合を表す。Bは、−NR11、−D−NR12−、または単結合を表す。R11は水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。R12は水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又はRとRとで一体となって更なる窒素、酸素、もしくは硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基を表す。Dは、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。)
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の有機顔料組成物と、重合性化合物、光重合開始剤、及び有機溶剤を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物。
[5][4]に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いて形成された画素部を有することを特徴とするカラーフィルタ。
[6]基板上に、[4]に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜にフォトリソグラフィー法を適用して画素部を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
[7]有機顔料微粒子と下記一般式(1)で表される化合物とを含有する顔料分散組成物の製造方法であって、
前記有機顔料微粒子が、良溶媒に有機顔料を溶解した有機顔料溶液と、前記良溶媒と相溶し前記有機顔料に対して貧溶媒となる溶媒とを混合して析出させた有機顔料微粒子であり、かつ
(1)前記有機顔料微粒子を析出後に一度乾燥工程を経る
(2)少なくとも前記一般式(1)で表される化合物と、前記乾燥工程を経た有機顔料微粒子を用い再分散する
工程を経ることを特徴とする顔料分散組成物の製造方法。
〔化1〕
一般式(1)
(HOOC−)−R−(−COO−[−R−COO−]−R
(式中、Rは4価のテトラカルボン酸化合物残基、Rはモノアルコール残基、Rはラクトン残基、mは2または3、nは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。)
本発明の有機顔料組成物はビルドアップ顔料微粒子を含有するカラーフィルタの作製に適し、カラーフィルタとしたときに高いコントラスを発揮し、しかもカラーフィルタの成形工程における現像、ポストベーク、UV洗浄などといった処理を経ても表面の荒れを抑制ないし防止して良好な表示性能を実現し、かつ径時の分散安定性に優れる有機顔料組成物、これを用いて調製したカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物、これにより作製したカラーフィルタ及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の有機顔料組成物に用いられる有機顔料の種類は、色相的に限定されるものではなく、例えば、ペリレン化合物顔料、ペリノン化合物顔料、キナクリドン化合物顔料、キナクリドンキノン化合物顔料、アントラキノン化合物顔料、アントアントロン化合物顔料、ベンズイミダゾロン化合物顔料、ジスアゾ縮合化合物顔料、ジスアゾ化合物顔料、アゾ化合物顔料、インダントロン化合物顔料、フタロシアニン化合物顔料、トリアリールカルボニウム化合物顔料、ジオキサジン化合物顔料、アミノアントラキノン化合物顔料、ジケトピロロピロール化合物顔料、チオインジゴ化合物顔料、イソインドリン化合物顔料、イソインドリノン化合物顔料、ピラントロン化合物顔料、イソビオラントロン化合物顔料、それらの混合物などが挙げられる。
なかでも、ペリレン化合物顔料、キナクリドン化合物顔料、アントラキノン化合物顔料、ジケトピロロピロール化合物顔料、アミノアントラキノン化合物顔料、ジオキサジン化合物顔料、フタロシアニン化合物顔料、またはアゾ化合物顔料であることが好ましく、ジケトピロロピロール化合物顔料、アミノアントラキノン化合物顔料、フタロシアニン化合物顔料、ジオキサジン化合物顔料、またはアゾ化合物顔料がより好ましい。
本発明においては、2種類以上の有機顔料または有機顔料の固溶体を組み合わせて用いても良く、また、有機色素と組み合わせて用いても良い。
本発明の有機顔料組成物は、下記一般式(1)で示される化合物(以下、分散剤(T)という)を含有することが好ましい。
〔化4〕
一般式(1)
(HOOC−)m−R1−(−COO−[−R3−COO−] n−R2t
式中、R1は4価のテトラカルボン酸化合物残基、R2はモノアルコール残基、R3はラクトン残基、mは2または3、nは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。
分散剤(T)は、式(1)で示した構造を有すればどのような製造方法を用いて合成しても構わないが、モノアルコールを開始剤として、ラクトンを開環重合して片末端に水酸基を有するポリエステルを製造する第一の工程と、該片末端に水酸基を有するポリエステルと、テトラカルボン酸二無水物を反応させる第二の工程とから製造することが好ましい。
分散剤(T)の製造に使用されるモノアルコールは、水酸基を一つ有する化合物である。例示すると、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、イソペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、イソノナノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−ミリスチルアルコール、セチルアルコール、1−ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族モノアルコール、ベンジルアルコールなどの芳香族モノアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラジエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。
分散剤(T)の製造に使用されるモノアルコールは、上記例示に限定されることなく、水酸基を一つ有する化合物であればいかなる化合物も用いることができ、また単独で用いても、2種類以上を併用して用いても構わない。上記のモノアルコールのうち、たとえば4−メチル−2−ペンタノール、イソペンタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−ヘキシルデカノールなどの分岐脂肪族モノアルコール、または片末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールを用いると、結晶性が低下し室温で液状になる場合があるので、作業性の点と、他の樹脂との相溶性の点で好ましい。
片末端に水酸基を有するポリエステルは、モノアルコールを開始剤として、ラクトンを開環重合することによって得ることができる。本発明で使用されるラクトンとしては、具体的にはβ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、アルキル置換されたε−カプロラクトンが挙げられ、このうちδ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、アルキル置換されたε−カプロラクトンを使用するのが開環重合性の点で好ましい。
分散剤(T)の製造に使用されるラクトンは、上記例示の化合物に限定されることはなく、また単独で用いても、2種類以上を併用しても構わない。2種類以上を併用すると、結晶性が低下し室温で液状になる場合があるので、作業性の点と、他の樹脂との相溶性の点で好ましい。
開環重合は、公知方法、例えば、脱水管、コンデンサを接続した反応器にモノアルコール、ラクトン、重合触媒を仕込み、窒素気流下で行うことができる。低沸点のモノアルコールを用いる場合には、オートクレーブを用いて加圧下で反応させることができる。モノアルコール1モルに対するラクトンの付加モル数は、1〜50モル、好ましくは、3〜20モル、最も好ましくは4〜16モルである。付加モル数が、1モルより少ないと、分散剤としての効果を得ることができず、50モルより大きいと分散剤の分子量が大きくなりすぎ、分散性の低下を招く。
重合触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨード、テトラブチルアンモニウムヨード、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヨードなどの四級アンモニウム塩、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムヨード、テトラブチルホスホニウムヨード、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリメチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリメチルホスホニウムヨード、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムヨードなどの四級ホスホニウム塩の他、トリフェニルフォスフィンなどのリン化合物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウムなどの有機カルボン酸塩、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラートなどのアルカリ金属アルコラートの他、三級アミン類、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、及び塩化亜鉛などの亜鉛化合物等が挙げられる。触媒の使用量は0.1ppm〜3000ppm、好ましくは1ppm〜1000ppmである。触媒量が3000ppm以上となると、樹脂の着色が激しくなり、製品の安定性に悪影響を与える。逆に、触媒の使用量が0.1ppm以下では環状エステルの開環重合速度が極めて遅くなるので好ましくない。
反応には、無溶剤または適当な脱水有機溶媒を使用することもできる。反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま製品の一部として使用することもできる。反応温度は100℃から220℃、好ましくは、110℃〜210℃の範囲で行う。反応温度が100℃以下では反応速度がきわめて遅く、210℃以上ではラクトンの付加反応以外の副反応、たとえばラクトン付加体のラクトンモノマーへの分解、環状のラクトンダイマーやトリマーの生成等が起こりやすい。
分散剤(T)は、第一の工程で得られた片末端に水酸基を有するポリエステルの水酸基と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させる(第二の工程)ことにより得ることが好ましい。第二の工程で使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、脂肪族または芳香族のテトラカルボン酸二無水物があり、脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族環を一つ有するテトラカルボン酸二無水物と芳香族環を二つ以上有するテトラカルボン酸二無水物とが挙げられ、芳香族環を一つ有するテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸二無水物などが例示できる。また、芳香族環を二つ以上有するテトラカルボン酸二無水物としては、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3′,4,4′−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタン二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二酸無水物などが例示できる。
分散剤(T)の製造に使用されるテトラカルボン酸二無水物は、上記に例示した化合物に限らず、カルボン酸無水物を二つ持てばどのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。さらに、分散剤(T)の製造に好ましく使用されるものは、顔料分散体の低粘度化の観点からは芳香族テトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは芳香族環を二つ以上有するテトラカルボン酸二無水物である。また、塗膜のコントラスト比を向上させるためには、芳香族環を一つ有するテトラカルボン酸二無水物が好ましく、さらに好ましくはピロメリット酸二無水物である。
第二の工程での反応比率は、片末端に水酸基を有するポリエステルの水酸基のモル数を〈H〉、テトラカルボン酸無水物の無水環のモル数を〈N〉としたとき、0.5<〈H〉/〈N〉<1.2が好ましく、さらに好ましくは0.7<〈H〉/〈N〉<1.1、最も好ましくは〈H〉/〈N〉=1の場合である。〈H〉/〈N〉<1で反応させる場合は、残存する酸無水物を必要量の水で加水分解して使用してもよい。第二の工程には触媒を用いてもかまわない。触媒としては、例えば3級アミン系化合物であるトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等が挙げられる。
第一の工程、第二の工程ともに無溶剤で行っても良いし、適当な脱水有機溶媒を使用しても良い。反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま製品の一部として使用することもできる。反応温度は80℃〜180℃、好ましくは、90℃〜160℃の範囲で行う。反応温度が80℃以下では反応速度が遅く、180℃以上ではハーフエステル化したものが、再度環状無水物を生成し、反応が終了しにくくなる場合がある。
カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物における上記分散剤(T)の含有量は、顔料100質量部に対し好ましくは0.01〜100質量部、より好ましくは0.01〜40質量部、更に好ましくは5〜30質量部である。分散剤(T)の含有量が0.01質量部より少ないと分散効果が不十分となり、100質量部を超えるとこれも分散性が悪くなる場合がある。
本発明の有機顔料組成物は特定の高分子化合物を含有することが好ましく、該高分子化合物として下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するものであることが好ましい。
〔化5〕
一般式(2)
−CH−C(R14)(Y−R15−Z)−
式中、R14は水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R15は単結合、又は2価の連結基を表す。Yは−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは含窒素複素環構造を有する基を表す。
14のアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
14で表される好ましいアルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
としては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
一般式(2)中、R15は、単結合又は2価の連結基を表す。該2価の連結基としては、置換若しくは無置換のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
15で表されるアルキレン基は、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)を介して2以上連結したものであってもよい。
15で表される好ましいアルキレン基として具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
15で表される好ましいアルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、等が挙げられる。
15で表される2価の連結基としては、上記のアルキレン基の末端において、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、及び−NHCO−から選ばれるヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を有し、該ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を介してZと連結するものであってもよい。
一般式(2)中、Zは複素環構造を有する基を表す。複素環構造を有する基としては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造や、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン、ピラジン、テトラゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、環状アミド、環状ウレア、環状イミド等の複素環構造が挙げられる。これらの複素環構造は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、脂肪族エステル基、芳香族エステル基、アルコキシカルボニル基、等が挙げられる。
Zは、炭素数が6以上である含窒素複素環構造を有する基であることがより好ましく、炭素数が6以上12以下である含窒素複素環構造を有する基であることが特に好ましい。炭素数が6以上である含窒素複素環構造として具体的には、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環、ベンズイミダゾール構造、ベンズトリアゾール構造、ベンズチアゾール構造、環状アミド構造、環状ウレア構造、及び環状イミド構造が好ましく、下記(4)、(5)又は(6)で表される構造であることが特に好ましい。
Figure 2010209161
一般式(4)中、Xは、単結合、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基など)、−O−、−S−、−NR−、及び−C(=O)−からなる群より選ばれるいずれかである。ここでRは、水素原子又はアルキル基を表す。Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(4)におけるXとしては、単結合、メチレン基、−O−、又は−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
一般式(6)中、Y及びZは、各々独立に、−N=、−NH−、−N(R)−、−S−、又は−O−を表す。Rはアルキル基を表し、Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。 上記した中でも、一般式(6)における、Y及びZとしては、−N=、−NH−、及び−N(R)−が特に好ましい。Y及びZの組み合わせとしては、Y及びZのいずれか一方が−N=であり他方が−NH−である組み合わせ、イミダゾリル基が挙げられる。
一般式(4)、(5)、および(6)で、環A、環B、環C、及び環Dは、各々独立に、芳香環を表す。該芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環等が挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、フェノキサジン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が特に好ましい。
具体的には、一般式(4)における環A及び環Bとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。一般式(5)における環Cとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。一般式(6)における環Dとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(4)、(5)および(6)で表される構造の中でも、分散性、分散液の経時安定性の点からは、ベンゼン環、ナフタレン環がより好ましく、一般式(4)又は(6)においては、ベンゼン環がさらに好ましく、一般式(5)においては、ナフタレン環がさらに好ましい。
上記一般式(2)で表される単量体の好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
Figure 2010209161
Figure 2010209161
Figure 2010209161
本発明に用いられる特定の高分子化合物は、一般式(2)で表される単量体に由来する共重合単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。一般式(2)で表される単量体に由来する共重合単位の含有量は特に制限はないが、全構造単位を100質量%とした場合に、一般式(2)で表される単量体に由来する共重合単位を5質量%以上含有することが好ましく、10〜50質量%含有することがより好ましい。
即ち、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、一般式(2)で表される単量体に由来する共重合単位の含有量は5質量%以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する着色感光性樹脂組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、一般式(2)で表される単量体に由来する共重合単位の含有量は50質量%以下であることが好ましい。
本発明において特定の高分子化合物は、更に、酸基を有する単量体に由来する共重合単位を含むことが好ましい。高分子化合物がさらに酸基を有する単量体に由来する共重合単位を含むことで、顔料分散組成物を着色感光性組成物に適用した場合において、未露光部の現像除去性に優れる。
酸基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。上記特定の高分子化合物は、酸基を有する単量体に由来する共重合単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
本発明において上記特定の高分子化合物において、酸基を有する単量体に由来する共重合単位の含有量は、好ましくは50〜200mgKOH/gであり、特に好ましくは80〜200mgKOH/gである。より好ましい範囲は100〜180mgKOH/gである。即ち、現像液中での析出物の生成抑制という点では、酸基を有する単量体に由来する共重合単位の含有量は50mgKOH/g以上であることが好ましい。酸価が200mgKOH/g以上であると酸基間の凝集が強くなり、加工顔料間の凝集が生じ、分散性が劣化し、となって好ましくない。顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、酸基を有する単量体に由来する共重合単位の含有量は上記範囲が好ましい。
本発明における特定の高分子化合物は、その効果を損なわない範囲において、更に、共重合可能なビニルモノマーに由来する共重合単位を含んでいてもよい。
ここで使用可能なビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」と記載することがある。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
上記特定の高分子化合物の好ましい分子量は、重量平均分子量(Mw)で1,000〜100,000の範囲、数平均分子量(Mn)で400〜50,000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)で5,000〜50,000の範囲、数平均分子量(Mn)で2,000〜30,000の範囲であることがより好ましい。特に、重量平均分子量(Mw)で8,000〜30,000の範囲、数平均分子量(Mn)で4,000〜12,000の範囲であることが最も好ましい。
即ち、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるための観点からは、本発明における特定の高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は1,000以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する着色感光性樹脂組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、本発明における特定の高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は100,000以下であることが好ましい。
本発明の顔料分散組成物中、上記特定の高分子化合物の含有量としては質量比で、顔料:特定の高分子化合物=1:0.01〜1:2が好ましく、より好ましくは、1:0.05〜1:1であり、さらに好ましくは、1:0.1〜1:0.6である。
特定の高分子化合物は、例えば、一般式(2)で表される単量体と、重合性オリゴマー(マクロモノマー)と、共重合成分として他のラジカル重合性化合物と用い、通常のラジカル重合法によって製造することができる。
重合性オリゴマーは、ポリマー鎖部分とその末端のエチレン性不飽和二重結合を有する重合可能な官能基の部分からなる。このようなエチレン性不飽和二重結合を有する基は、ポリマー鎖の一方の末端にのみ有することが、所望のグラフト重合体を得るという観点から好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。
また、このマクロモノマーは、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1000〜10000の範囲にあることが好ましく、特に、2000〜9000の範囲が好ましい。
上記ポリマー鎖の部分は、アルキル(メタ)アクリレート、スチレンおよびその誘導体、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びブタジエン、からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマーから形成される単独重合体あるいは共重合体、あるいはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリカプロラクトンであることが一般的である。
重合性オリゴマー(マクロモノマー)の好ましい例としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート及びポリ−i−ブチル(メタ)アクリレート、ポリスチレンの分子末端の一個に(メタ)アクリロイル基が結合したポリマー、ポリカプロラクトンの分子末端の一個に(メタ)アクリロイル基が結合したポリマーを挙げることができる。市場で入手できるこのような重合性オリゴマーとしては、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6000、商品名:AS−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6、東亜合成化学工業(株)製)及び片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AB−6、東亜合成化学工業(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリカプロラクトンオリゴマー( 商品名:プラクセルFM-5、ダイセル化学工業(株)製)を挙げることができる。
以下に、本発において好ましい高分子分散剤の具体例〔例示化合物1〜例示化合物10〕をその質量平均分子量とともに挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例示化合物(1): 前記単量体M−1/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(10/72/18質量%、質量平均分子量19000)
例示化合物(2): 前記単量体M−6/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(10/70/15質量%、質量平均分子量21000)
例示化合物(3): 前記単量体M−6/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(15/70/15質量%、質量平均分子量40000)
例示化合物(4): 前記単量体M−11/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(15/70/15質量%、質量平均分子量20000)
例示化合物(5): 前記単量体M−11/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(15/80/5質量%、質量平均分子量20000)
例示化合物(6): 前記単量体M−14/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(12/68/20質量%、質量平均分子量23000)
例示化合物(7): 前記単量体M−31/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(12/43/15質量%、質量平均分子量19000)
例示化合物(8): 前記単量体M−33/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(12/70/18質量%、質量平均分子量22000)
例示化合物(9): 前記単量体M−11/メタクリル酸メチル/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート共重合体(15/10/10/65質量%、質量平均分子量25000)
例示化合物(10): 前記単量体M−11/メタクリル酸メチル/メタクリル酸/末端メタクリロイル化ポリカプロラクトン共重合体(15/10/10/65質量%、質量平均分子量18000)
上記のような共重合体は、一般的には、懸濁重合法あるいは溶液重合法などを用いる。このような重合体を合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合してもよい。ラジカル重合開始剤としては公知の化合物が使用され、アゾ系開始剤(例えば、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビスイソブチロニチトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩など)、過酸化物(過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウムなど)が好適に用いられる。開始剤に加えてさらに連鎖移動剤(例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプト酢酸、ドデシルメルカプタン)を添加して合成してもよい。
本発明の有機顔料組成物は、塩基性基を有する化合物を含有することが好ましい。塩基性基を有する化合物を用いると、保存安定性に優れた有機顔料組成物が得られる。塩基性基を有する化合物の配合量は、顔料100質量部に対し好ましくは1〜40質量部、さらに好ましくは5〜25質量部である。塩基性基を有する化合物の配合量が1質量部より少ないと、分散効果が不十分となり、40質量部より多いと、これも分散に影響を及ぼすことがある。塩基性基を有する化合物としては、塩基性基を有する樹脂型分散剤や界面活性剤、色素誘導体などが挙げられる。なかでも、顔料との親和性の高い色素誘導体が好ましい。
塩基性基を有する樹脂型分散剤としては、例えば、塩基性高分子化合物、脂肪族ポリアミン/ポリエステルグラフト重合体などが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。塩基性基を有する界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンなどのアニオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
塩基性基を有する色素誘導体としては、有機色素に塩基性置換基を導入した化合物であり、有機色素としては、例えば、ジケトピロロピロール系、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ペリノン系、ペリレン系、イソインドリン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、スレン系、金属錯体系などの色素が挙げられる。また、色素誘導体を構成する有機色素には、一般に色素と呼ばれていないアクリドン系、ナフタレン系、トリアジン系などの淡黄色化合物も含まれる。塩基性置換基としては、例えば、アミン部位、イミン部位、アンモニウム部位、アミド部位、イミド部位、ウレタン結合部位などを有する置換基が挙げられる。
上記観点から本発明においては一般式(3)で表される化合物を含有させることが好ましい。
一般式(3)
Q−A−B−N(R)(R
式中、Qは色素残基を表す。Aは、−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH−または単結合を表す。Bは、−NR11、−D−NR12−または直接結合を表す。R、Rはそれぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又はRとRとで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基を表す。R11は水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。R12は水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。Dは、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
なかでも、下記一般式(7)、(8)で示される群から選ばれる少なくとも1つの塩基性基を有するものであることが好ましい。式中A、R、R、は式(3)と同じである。Vは、1〜8の整数を表す。
Figure 2010209161
上記置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチル−ラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチル−ヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
本発明に好ましく用いられる塩基性基を有する化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるわけではない。なお、Cupcは銅フタロンアニン残基を表す。
Figure 2010209161
Figure 2010209161
本発明における有機顔料微粒子は、有機顔料を良溶媒に溶解した溶液と、良溶媒に対して相溶性を有し有機顔料に対して貧溶媒となる溶媒とを混合して、有機顔料をナノサイズの微粒子として生成させたビルドアップ顔料微粒子である。ここで良溶媒と貧溶媒との組み合わせは有機顔料の溶解度に十分な差があることが好ましく、有機顔料に合わせて好ましいものを選択することが好ましいが、本発明における工程を可能にする組み合わせであればいかなる選択も可能である。
良溶媒は用いる有機顔料を溶解することが可能で、前記貧溶媒と相溶するもしくは均一に混ざるものであれば特に限定されない。有機顔料の良溶媒への溶解性は有機顔料の溶解度が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。有機顔料の良溶媒への溶解度に特に上限はないが、通常用いられる有機顔料を考慮すると50質量%以下であることが実際的である。この溶解度は酸またはアルカリの存在下で溶解された場合の溶解度であってもよい。
良溶媒としては、例えば、水性溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール化合物溶媒、アミド化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素溶媒、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水性溶媒、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、エステル化合物溶媒、アミド化合物溶媒、またはこれらの混合物が好ましく、水性溶媒、アルコール化合物溶媒、エステル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒またはアミド化合物溶媒が好ましく、水性溶媒、スルホキシド化合物溶媒またはアミド化合物溶媒がさらに好ましく、スルホキシド化合物溶媒またはアミド化合物溶媒が特に好ましい。
スルホキシド化合物溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。アミド化合物溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。
また、良溶媒に有機顔料を溶解した溶液の濃度としては、溶解時の条件における有機顔料の良溶媒に対する飽和濃度乃至これの1/100程度の範囲が好ましい。
有機顔料溶液の調製条件に特に制限はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−10〜150℃が好ましく、−5〜130℃がより好ましく、0〜100℃が特に好ましい。
良溶媒の具体例として列挙したものと貧溶媒として列挙したものとで共通するものもあるが、良溶媒及び貧溶媒として同じものを組み合わせることはなく、採用する各有機顔料との関係で良溶媒に対する溶解度が貧溶媒に対する溶解度より十分高ければよく、例えばその溶解度差が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。良溶媒と貧溶媒に対する溶解度の差に特に上限はないが、通常用いられる有機顔料を考慮すると50質量%以下であることが実際的である。
有機顔料を良溶媒中に均一に溶解するとき、酸もしくはアルカリなどの溶解促進剤を添加して溶解してもよい。一般に分子内にアルカリ性で解離可能な基を有する顔料の場合はアルカリの添加が、アルカリ性で解離する基が存在せず、プロトンが付加しやすい窒素原子等を分子内に多く有するときは酸の添加が好ましい。例えば、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ジスアゾ縮合化合物顔料はアルカリ性で溶解される。フタロシアニン化合物顔料は酸性で溶解されるが、中には、アルカリ性で溶解されるものもあり、アルカリ性で溶解する機構は明らかでない。
アルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどの無機塩基、またはトリアルキルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、金属アルコキシドなどの有機塩基が挙げられ、なかでも、トリアルキルアミン、金属アルコキシドが好ましく、金属アルコキシドがより好ましい。アルカリの添加量は特に限定されないが、無機塩基の場合、有機顔料に対して1.0〜30モル当量であることが好ましく、1.0〜25モル当量であることがより好ましく、1.0〜20モル当量であることが特に好ましい。有機塩基の場合、有機顔料に対して1.0〜100モル当量であることが好ましく、5.0〜100モル当量であことがより好ましく、20〜100モル当量であることが特に好ましい。
酸としては、硫酸、塩酸、燐酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸が挙げられ、なかでも無機酸であることが好ましく、硫酸であることがより好ましい。酸の添加量は特に限定されないが、塩基に比べて過剰量用いられる場合が多い。無機酸および有機酸の場合を問わず、有機顔料に対して3〜500モル当量であることが好ましく、10〜500モル当量であることがより好ましく、30〜200モル当量であることが特に好ましい。
アルカリまたは酸を有機溶媒と混合して、有機顔料の良溶媒として用いる際は、アルカリまたは酸を完全に溶解させるため、若干の水や低級アルコールなどのアルカリまたは酸に対して高い溶解度をもつ溶剤を、有機溶媒に添加することができる。水や低級アルコールの量は、有機顔料溶液溶液全量に対して、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。この量の下限値に特に制限はないが、通常0.01質量%以上である。具体的には、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコールなどを用いることができる。
有機顔料溶液の粘度は0.5〜80.0mPa・sであることが好ましく1.0〜50.0mPa・sであることがより好ましい。
貧溶媒は特に限定されないが、有機顔料の溶解度が0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。有機顔料の貧溶媒への溶解度にとくに下限はないが、通常用いられる有機顔料を考慮すると0.000001質量%以上が実際的である。この溶解度は酸またはアルカリの存在下で溶解された場合の溶解度であってもよい。また、良溶媒と貧溶媒との相溶性もしくは均一混合性は、良溶媒の貧溶媒に対する溶解量が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。良溶媒の貧溶媒に対する溶解量に特に上限はないが、任意の割合で混じり合うことが実際的である。
貧溶媒としては、例えば、水性溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素溶媒、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水性溶媒、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、エステル化合物溶媒、またはこれらの混合物が好ましく、水性溶媒、アルコール化合物溶媒またはエステル化合物溶媒がより好ましい。
アルコール化合物溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。ケトン化合物溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。エーテル化合物溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族化合物溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル化合物溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。ハロゲン化合物溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル化合物溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF との塩などが挙げられる。
前記第1の良溶媒と第2の良溶媒とは同じものであっても異なるものであってもよいが、同種のもの又は同じものを組み合わせて用いることが好ましい。前記第1の貧溶媒と第2の貧溶媒とは同じものであっても異なるものであってもよいが、同種のもの又は同じものを組み合わせて用いることが好ましい。
顔料微粒子を析出生成させる際の貧溶媒の条件に特に制限はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜60℃がより好ましく、0〜30℃が特に好ましい。
有機顔料溶液と貧溶媒とを混合する際、両者のどちらを添加して混合してもよいが、有機顔料溶液を貧溶媒に噴流して混合することが好ましく、その際に貧溶媒が撹拌された状態であることが好ましい。撹拌速度は100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。添加にはポンプ等を用いることもできるし、用いなくてもよい。また、液中添加でも液外添加でもよいが、液中添加がより好ましい。さらに供給管を介してポンプで液中に連続供給することが好ましい。供給管の内径は0.1〜200mmが好ましく0.2〜100mmがより好ましい。供給管から液中に供給される速度としては1〜10000ml/minが好ましく、5〜5000ml/minがより好ましい。
有機顔料溶液と貧溶媒との混合に当り、レイノルズ数を調節することにより、析出生成させる顔料微粒子の粒子径を制御することができる。ここでレイノルズ数は流体の流れの状態を表す無次元数であり次式で表される。
Re=ρUL/μ ・・・ 数式(1)
数式(1)中、Reはレイノルズ数を表し、ρは有機顔料溶液の密度[kg/m]を表し、Uは有機顔料溶液と貧溶媒とが出会う時の相対速度[m/s]を表し、Lは有機顔料溶液と貧溶媒とが出会う部分の流路もしくは供給口の等価直径[m]を表し、μは有機顔料溶液の粘性係数[Pa・s]を表す。
等価直径Lとは、任意断面形状の配管の開口径や流路に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径をいう。等価直径Lは、配管の断面積をA、配管のぬれぶち長さ(周長)または流路の外周をpとすると下記数式(2)で表される。
L=4A/p ・・・ 数式(2)
配管を通じて有機顔料溶液を貧溶媒中に注入して粒子を形成することが好ましく、配管に円管を用いた場合には等価直径は円管の直径と一致する。例えば、液体供給口の開口径を変化させて等価直径を調節することができる。等価直径Lの値は特に限定されないが、例えば、上述した供給口の好ましい内径と同義である。
有機顔料溶液と貧溶媒とが出会う時の相対速度Uは、両者が出会う部分の面に対して垂直方向の相対速度で定義される。すなわち、例えば静止している貧溶媒中に有機顔料溶液を注入して混合する場合は、供給口から注入する速度が相対速度Uに等しくなる。相対速度Uの値は特に限定されないが、例えば、0.5〜100m/sとすることが好ましく、1.0〜50m/sとすることがより好ましい。
有機顔料溶液の密度ρは、選択される材料の種類により定められる値であるが、本発明に好ましく用いられる材料の範囲では、例えば、0.8〜2.0kg/mであることが実際的である。また、有機顔料溶液の粘性係数μについても用いられる材料や環境温度等により定められる値であるが、その好ましい範囲は、上述した有機顔料溶液の好ましい粘度と同義である。
レイノルズ数(Re)の値は、小さいほど層流を形成しやすく、大きいほど乱流を形成しやすい。例えば、レイノルズ数を60以上で調節して顔料微粒子の粒子径を制御して得ることができ、100以上とすることが好ましく、150以上とすることがより好ましい。レイノズル数に特に上限はないが、例えば、100000以下の範囲で調節して制御することで良好な顔料微粒子を制御して得ることができ好ましい。あるいは、得られる微粒子の平均粒径が60nm以下となるようにレイノルズ数を高めた条件としてもよい。このとき、上記の範囲内においては、通常レイノルズ数を高めることで、より粒径の小さな顔料微粒子を制御して得ることができる。
有機顔料溶液と貧溶媒との混合比は体積比で1/50〜2/3が好ましく、1/40〜1/2がより好ましく、1/20〜3/8が特に好ましい。
顔料微粒子を析出させた場合液中の粒子濃度は特に制限されないが、溶媒1000mlに対して顔料微粒子が10〜40000mgの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜30000mgの範囲であり、特に好ましくは50〜25000mgの範囲である。
また、顔料微粒子を生成させる際の調製スケールは、特に限定されないが、貧溶媒の混合量が10〜2000Lの調製スケールであることが好ましく、50〜1000Lの調製スケールであることがより好ましい。
顔料微粒子の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、質量平均、体積平均等)などがあり、本発明においては、特に断りのない限り、平均粒径とは数平均径をいう。顔料微粒子(一次粒子)の平均粒径はナノメートルサイズであり、平均粒径が1nm〜0.5μmであることが好ましく、1〜200nmであることがより好ましく、2〜100nmであることがさらに好ましく、5〜80nmであることが特に好ましい。なお本発明で形成される粒子は結晶質粒子でも非晶質粒子でもよく、またはこれらの混合物でもよい。
また、粒子の単分散性を表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。顔料微粒子(一次粒子)の単分散性、つまりMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
顔料微粒子の粒径の測定方法としては、顕微鏡法、質量法、光散乱法、光遮断法、電気抵抗法、音響法、動的光散乱法が挙げられ、顕微鏡法、動的光散乱法が特に好ましい。顕微鏡法に用いられる顕微鏡としては、例えば、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などが挙げられる。動的光散乱法による粒子測定装置として、例えば、日機装社製ナノトラックUPA−EX150、大塚電子社製ダイナミック光散乱光度計DLS−7000シリーズ(いずれも商品名)などが挙げられる。
顔料微粒子を析出させ分散液を調製するに当り、顔料溶液及び第1の貧溶媒の少なくとも一方に、少なくとも第1の貧溶媒が良溶媒(第2溶媒に対する溶解度が4.0質量%以上)となるような化合物(以下、粒径調整剤と称することがある)を含有させてもよい。
高分子粒径調整剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリビニルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩/ジアリルアミン塩酸塩共重合体、ジアリルアミン系モノマー/SO共重合体、ジアリルアミン塩酸塩/マレイン酸共重合体、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体、縮合ナフタレンスルホン酸塩、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。なかでも、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリビニルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩/ジアリルアミン塩酸塩共重合体、ジアリルアミン系モノマー/SO共重合体などが好ましい。これら粒径調整剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
質量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、10,000〜500,000であることがより好ましく、10,000〜100,000であることが特に好ましい。
アニオン粒径調整剤(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシル−N−アルキルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。なかでも、N−アシル−N−アルキルタウリン塩が好ましい。N−アシル−N−アルキルタウリン塩としては、特開平3−273067号明細書に記載されているものが好ましい。これらアニオン性の粒径調整剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン性の粒径調整剤(カチオン性界面活性剤)には、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミンおよびポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリンのカチオン性物質の塩が挙げられる。これらカチオン性粒径調整剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
両イオン性の粒径調整剤は、前記アニオン性の粒径調整剤が分子内に有するアニオン基部分とカチオン性の粒径調整剤が分子内に有するカチオン基部分を共に分子内に有する粒径調整剤である。
ノニオン性の粒径調整剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性の粒径調整剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記高分子化合物として含窒素高分子化合物を用いる場合、粒径調整剤としては、酸性基を有する高分子化合物からなる粒径調整剤、塩基性窒素原子を有する化合物からなる粒径調整剤を併用しないことが好ましい。また、前記高分子化合物として酸性基を有する高分子化合物を用いる場合、粒径調整剤としては、含窒素高分子化合物からなる粒径調整剤を併用しないことが好ましい。
粒径調整剤の含有量は、顔料微粒子の粒径制御をより一層向上させるために、顔料に対して0.1〜1000質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜500質量%の範囲であり、さらに好ましくは5〜200質量%の範囲である。また粒径調整剤は、単独で用いても、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、顔料微粒子を析出させた後、その析出粒子を含有する分散液の溶媒分を減少させるか、または除去することが好ましい(以下、この操作を単に濃縮ということもある。)。それによって、カラーフィルタ塗布液やインクジェット用インクに適した微粒子濃縮液や顔料微粒子粉末とすることができる。
本発明において溶媒の濃縮には、通常の装置を単体であるいは組み合わせて用いることが可能である。例えば、熱風を用いる乾燥機としては棚型乾燥機、バンド乾燥機、撹拌乾燥機、流動層乾燥機、噴霧乾燥機、気流乾燥機など、熱伝導を利用する乾燥機としてはドラム乾燥機、多重管乾燥機、円筒乾燥機などが好適に用いられる。また、溶媒組成によっては凍結乾燥機や赤外線乾燥機も使用することが可能である。
これらの手段の中では、分散液から直接乾燥した顔料微粒子粉末を得るのに適しているという観点から、噴霧乾燥機(例えば大川原化工機(株)製COC−12[商品名])、流動層乾燥機(例えば(株)奈良機械製作所製MSD−100[商品名])が特に好ましく用いられる。また、残存溶媒量の少ない顔料微粒子粉末とするために複数の乾燥手段を組み合わせて使用してもよく、例えば円筒乾燥機で予備濃縮した顔料分散組成物をドラム乾燥機にて完全に乾燥させて顔料微粒子粉末を得る、といったプロセスを使用することができる。
乾燥条件については、溶媒を蒸発させることが可能であり、かつ顔料や分散剤などの材料が変性しない範囲であれば特に制約されない。その他分散剤などがこれよりも低い温度で変性する場合にはさらに低い温度にする必要があることはもちろんである。ただし使用する溶媒種によっては、許される温度範囲では乾燥速度が遅くなることも考えられるため、その際は乾燥速度を増加させる目的で、乾燥機の種類によって減圧、撹拌混合、多段化などの手段を組み合わせることができる。
溶媒分を減少させるもしくは除去する量は特に限定されないが、溶媒分を減少させる態様においては全溶媒分の50質量%以上を取り除くことが好ましく、75質量%以上を取り除くことがより好ましい。溶媒分を除去して顔料微粒子粉末とする態様においては全溶媒分の80質量%以上を取り除くことが好ましく、90質量%以上を取り除くことがより好ましい。
溶媒分を減少させるもしくは除去することにより溶媒分を減じたとき、残された分散組成物中の含水率は特に限定されないが、0.01〜3質量%とすることが好ましく、0.01〜1質量%とすることがより好ましい。このとき例えば上記の乾燥法等により溶媒分を除去して顔料微粒子粉末とすることが好ましく、このとき固形分の含率を50〜100質量%とすることが好ましく、70〜100質量%とすることがより好ましい。
−顔料分散組成物の調製−
本発明の好ましい態様は、ビルドアップ顔料微粒子と分散剤(T)と溶剤とを、さらに必要によって、特定の高分子化合物もしくは色素誘導体とを分散してなる顔料分散組成物である。
本発明のビルドアップ顔料微粒子と分散剤(T)と溶剤とを、さらに必要によって、特定の高分子化合物もしくは色素誘導体を加えて、分散を行なう。分散は主として縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を使用し、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理し、顔料分散組成物を得る。ビーズ分散を行なう前に、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行なうことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow
and Pigment Dispersion”(1964年 John Wile
y and Sons社刊)等に記載されている。
本発明の顔料分散組成物の顔料微粒子濃度は目的に応じて適宜定められるが、好ましくは分散組成物全量に対して顔料微粒子が2〜30質量%であることが好ましく、4〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。溶剤成分は5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。
本発明の顔料分散組成物の溶剤の例としては、特に限定されないが、エステル類、エーテル類、ケトン類が挙げられる。これら溶剤のうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が溶剤として好ましく用いられる。これらの溶剤は、単独で用いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、前記有機顔料組成物と、バインダーと、モノマーもしくはオリゴマーと、光重合開始剤もしくは光重合開始剤系とを含む。以下、着色感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
ナノメートルサイズの有機顔料微粒子及びその分散液を作製する方法については既に詳細に述べた。顔料微粒子の含有量は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分(本発明において、全固形分とは、有機溶媒を除く組成物合計をいう。)に対し、3〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、25〜60質量%がさらに好ましい。この量が多すぎると分散液の粘度が上昇し製造適性上問題になることがある。少なすぎると着色力が十分でない。また、調色のために通常の顔料と組み合わせて用いてもよい。顔料は上記で記述したものを用いることができる。
モノマーもしくはオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合する多官能モノマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。
モノマーもしくはオリゴマーは、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。この量が多すぎると現像性の制御が困難になり製造適性上問題となる。少なすぎると露光時の硬化力が不足する。
バインダーとしては、酸性基を有するバインダーが好ましい。バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するアルカリ可溶性のポリマーが好ましい。バインダーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、顔料微粒子100質量部に対する添加量は10〜200質量部が一般的であり、25〜100質量部が好ましい。
光重合開始剤又は光重合開始剤系(本発明において、光重合開始剤系とは複数の化合物の組み合わせで光重合開始の機能を発現する混合物をいう。)としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」や、オキシム系として、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等も好適なものとしてあげることができる。
光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
着色感光性樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。この量が多すぎると感度が高くなりすぎ制御が困難になる。少なすぎると露光感度が低くなりすぎる。露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましい。照射量は5〜1500mJ/cmが好ましく、10〜1000mJ/cmがより好ましく、10〜500mJ/cmが特に好ましい。
着色感光性樹脂組成物においては、特に限定されないが、エステル類、エーテル類、ケトン類が挙げられる。これら溶剤のうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が溶剤として好ましく用いられる。これらの溶剤は、単独で用いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。溶媒の含有量は、着色感光性樹脂組成物に対して10〜95質量%が好ましい。
また着色感光性樹脂組成物中には、界面活性剤、熱重合防止剤、着色剤(染料、顔料)、紫外線吸収剤、接着助剤、その他の添加剤等を含有させることができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物を、直接又は他の層を介して基板に回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布、インクジェット等の塗布方法により塗布して、塗布膜を形成することができる。光硬化性の塗布膜を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、露光後に未硬化部を現像液で現像除去することによって、各色(3色あるいは4色)の画素からなるパターン状皮膜を形成し、カラーフィルタとすることができる。
この際、使用する放射線としては、特にg線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。液晶表示装置用のカラーフィルタは、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機で主としてh線、i線を使用した露光が好ましい。
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてガラスなどの基板上に形成されるものであり、本発明の着色感光性樹脂組成物を直接若しくは他の層を介して基板上に例えばスリット塗布によって塗膜を形成した後、この塗膜を乾燥させ、パターン露光し、現像液を用いた現像処理を順次行なうことによって好適に作製することができる。これにより、液晶表示素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質でかつ低コストに作製することができる。
前記基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、プラスチック基板が挙げられる。これらの基板上には、通常、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層を設けたりしている。
プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。このほかに、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)上にも本発明の着色感光性樹脂組成物からなるパターン状皮膜を形成し、カラーフィルタを作成することができる。その際に使用されるフォトマスクには、画素を形成するためのパターンのほか、スルーホールあるいはコの字型の窪みを形成するためのパターンも設けられている。TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面上、あるいは該駆動基板の表面に窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板等を挙げることができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物を基板に塗布する方法としては特に限定されるものではないが、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法等のスリットノズルを用いる方法(以下スリットノズル塗布法という)が好ましい。スリットノズル塗布法において、スリット・アンド・スピン塗布法とスピンレス塗布法は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えばスピンレス塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色感光性樹脂組成物の吐出量は、通常、500〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800〜1500マイクロリットル/秒であり、また塗工速度は、通常、50〜300mm/秒、好ましくは100〜200mm/秒である。着色感光性樹脂組成物の固形分としては通常、10〜20%、好ましくは13〜18%である。基板上に本発明の着色感光性樹脂組成物による塗膜を形成する場合、該塗膜の厚み(プリベーク処理後)としては、一般に0.3〜5.0μmであり、望ましくは0.5〜4.0μm、最も望ましくは0.5〜3.0μmである。
通常は塗布後にプリベーク処理を施す。必要によってプリベーク前に真空処理を施すことができる。真空乾燥の条件は、真空度が、通常、0.1〜1.0torr、好ましくは0.2〜0.5torr程度である。
プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で、好ましくは70〜110℃程度であり、10〜300秒の条件にて行なうことができる。高周波処理などを併用しても良い。高周波処理は単独でも使用可能である。
現像処理では、露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを残存させる。現像温度としては、通常20〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
現像液としては、未硬化部における光硬化性の着色感光性樹脂組成物の塗膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
前記有機溶剤としては、本発明の有機顔料組成物又は着色感光性樹脂組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。アルカリ性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせても良い。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また基板を傾斜させて現像することもできる。
現像処理後は、余剰の現像液を洗浄除去するリンス工程を経て、乾燥を施した後、硬化を完全なものとするために、加熱処理(ポストベーク)が施される。
リンス工程は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄はじめは使用済の純水を使用したり、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりできる。
リンスの後で水切り、乾燥をした後に、通常約200℃〜250℃の加熱処理を行なう。この加熱処理(ポストベーク)は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行なうことができる。
以上の操作を所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行なうことにより、複数色の着色された硬化膜が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
本発明の有機顔料組成物及び着色感光性樹脂組成物の用途として、主にカラーフィルタへの用途を中心に説明したが、カラーフィルタを構成する各着色画素を隔離するブラックマトリックスの形成にも適用することができる。
前記ブラックマトリックスは、顔料としてカーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料を用いた本発明の有機顔料組成物を露光、現像し、その後必要に応じて更にポストベークして膜の硬化を促進させることで形成できる。
本発明のカラーフィルタは、コントラストに優れる。本発明においてコントラストとは、2枚の偏光板の間において、偏光軸が平行のときと、垂直のときとの透過光量の比を表す(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中」等参照。)。
カラーフィルタのコントラストが高いということは液晶と組み合わせたときの明暗のディスクリミネーションが大きくできるということを意味しており、液晶ディスプレイがCRTに置き換わるためには非常に重要な性能である。
本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置はコントラストが高く、黒のしまり等の描写力に優れ、とくにVA方式であることが好ましい。ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の液晶表示装置等としても好適に用いることができる。また、本発明のカラーフィルタはCCDデバイスに用いることができ、優れた性能を発揮する。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(分散剤T1の合成例)
エタノール2.8部、δ‐バレロラクトン 120.1部、を仕込み、窒素置換した三つ口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して120℃まで昇温する。これに触媒としてモノブチルスズ(IV)オキシド0.1部を加え、120℃にて2時間加熱撹拌を行った。固形分測定により98%が反応したことを確認したのち、ピロメリット酸二無水物6.5部を加え、120℃で2時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し、分散剤(T1)を得た。
以下同様にして、分散剤T2〜T8を合成した。
Figure 2010209161
<特定の高分子化合物の合成例>
(特定高分子化合物1の合成)
M−11 27.0g、MMA 126.0g、MAA 27.0g、および1−メトキシ−2−プロパノール 420.0gを、窒素置換した三つ口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.69g加え、90℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−65を1.69g加え、3時加熱攪拌の後、特定高分子化合物1の30質量%溶液を得た。
得られた高分子化合物の重量平均分子量をポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、2.0万であった。
また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、98mgKOH/g
であった。
以下同様にして、特定高分子化合物2〜10と比較高分子化合物(RB-1、RB-2)を合成した。
Figure 2010209161
表2で、MAAはメタクリル酸、MMAはメチルメタクリレートである。
比較高分子化合物は、以下の通りである。
RB−1:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=85/15質量%の共重合体で平均分子量30000
RB−2:メチルメタクリレート/メタクリル酸=85/15質量%の共重合体で平均分子量30000
<有機顔料粒子の調製>
ジメチルスルホキシド1000mlに、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液33.3ml、顔料C.I.ピグメントレッド254:商品名イルガフォア レッド BT−CF チバ・スペシャルティケミカルズ(株)社製)50g、を添加した顔料溶液Aを調製した。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸16mlを含有した水1000mlを用意した。
ここで、18℃に温度コントロールし、藤沢薬品工業社製GK−0222−10型ラモンドスターラーにより500rpmで攪拌した貧溶媒の水1000mlに、顔料溶液Aを日本精密化学社製NP−KX−500型大容量無脈流ポンプを用いて流速100ml/minで100ml注入することにより、有機顔料粒子を形成した。日機装社製ナノトラックUPA−EX150を用いて測定したところ、平均粒径20nm、単分散度:1.3をであった。
上記方法で調製した、有機顔料粒子をろ過し、80℃のオーブンで6時間乾燥し、有機顔料粒子Aを得た。
(実施例1)
[顔料分散組成物の調製]
前記有機顔料粒子を用い、下記組成の顔料分散組成物C1を調製した。
有機顔料粒子A 10.0g
分散剤T1 3.0g
特定高分子化合物1(30%溶液) 10.0g
色素誘導体Y−5 2.0g
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 75.0g
上記組成の顔料分散組成物を、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で1時間撹拌して混合し、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ナノレディーミル(アイメックス社製)にて、回転数2,500r.p.m.で2時間分散処理を行ない、顔料分散組成物C1を得た。
(実施例2〜15と比較例1〜3)
実施例1に記載の顔料分散組成物を表3に記載の顔料分散組成に変更した以外は、実施例1と同様に行い、顔料分散組成物C2〜C15を得た。同様に比較顔料分散液として、C16〜C18を得た。
Figure 2010209161
・表中の数値は質量部である。
<顔料分散組成物の評価>
得られた顔料分散組成物について下記の評価を行った。結果を表 に示す。
(1)粘度の測定、評価粘度計 : 東機産業(株) RE−85L
測定温度は、いずれも 25℃ です。

得られた顔料分散組成物について、E型粘度計(東機産業(株)社製、RE−85L[商品名])を用いて、分散直後の顔料分散組成物の粘度η1(25℃)、および分散後(室温にて)1週間経過した後の顔料分散組成物の粘度η2(25℃)を測定し、増粘の程度を評価した。ここで、粘度が低いことは、分散剤に起因する粘度の上昇が抑制されており、顔料の分散性及び分散安定性が良好であることを示す。
(2)コントラストの測定、評価
得られた顔料分散組成物をガラス基板上に塗布し、乾燥後の塗布膜の厚さが1μmになるようにサンプルを作製した。2枚の偏光板の間に、塗布した基板を置き、偏光板が平行時の輝度と直行時の輝度を(BM−5 トプコン社製)にて測定し、コントラスト=平行時の輝度/直行時の輝度で求めた。コントラストが高いことは、顔料が高度に微細化された状態で均一に分散されているため、透過率すなわち着色力が高いことを示す。
(3)析出性の評価
100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)上に得られた顔料分散組成物を膜厚2.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥した。その後、塗布膜を230℃のオーブンで30分間加熱処理(ポストベーク)を施し、光学顕微鏡にてパターン上の析出の有無を確認した。ポストベーク処理を繰り返して、その都度観察した。点数が高いほど、析出しにくく良好なことを示す。
4:ポストベーク4回目で析出
3:ポストベーク3回目で析出
2:ポストベーク2回目で析出
1:ポストベーク1回目で析出
Figure 2010209161
<着色感光性樹脂組成物の調製>
(実施例16)
得られた顔料分散組成物を用いて、下記の着色感光性組成物を作製した。
・顔料分散組成物 C2 2000部
・ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート 180部
(光重合性化合物)
・4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン 30部
(光重合開始剤)
・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=75/25[質量比])共重合体
(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート溶液(固形分30%) 300部
(アルカリ可溶性樹脂)
・1−メトキシ−2−プロピルアセテート(溶剤) 390部
(実施例17〜23と比較例4 )
実施例16のC2に変えて、C3,C4、C5、C12〜C16を使用した以外は、実施例16と同様に調製した。
<着色感光性組成物を用いたカラーフィルタの調製>
得られた着色感光性組成物(カラーレジスト液)を、100mm×100mmのガラス基板(1737、コーニング社製)上に、実施例16〜23および比較例4は色濃度の指標となるx値が0.650となるように塗布し、90℃のオーブンで60秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、20μmの線幅をもつマスクで100mJ/cm(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて覆い、60秒間静止した。静止後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように露光及び現像が施された塗膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ用の着色パターンを形成し、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
<カラーフィルタの評価>
作製した着色フィルタ基板(カラーフィルタ)について、以下のようにして評価を行なった。結果を表11に示す。
(1)コントラスト
上記で得られた着色フィルタ基板の着色樹脂被膜の上に偏光板を置いて着色樹脂被膜を挟み込み、偏光板が平行時の輝度と直交時の輝度とをトプコン社製のBM−5を用いて測定し、平行時の輝度を直交時の輝度で除して得られる値(=平行時の輝度/直交時の輝度)を、コントラストを評価するための指標とした。値が大きいほど高コントラストであることを示す。
(2)析出性評価
100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)上に着色感光性樹脂組成物を膜厚2.0μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで60秒乾燥(プリベーク)した。その後、20μmの線幅をもつマスクで100mJ/cmの露光(照度は20mW/cm)をし、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液を用いて25℃で現像した。
以上のように、光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を230℃のオーブンで30分間加熱処理(ポストベーク)を施し、光学顕微鏡にてパターン上の析出の有無を確認した。これをさらに3回繰り返し同様の評価をした。点数が高いほど、析出しにくいことを示す。
ポストベーク4回目で析出:4
ポストベーク3回目で析出:3
ポストベーク2回目で析出:2
ポストベーク1回目で析出:1
[経時の分散安定性の評価]
作製した着色感光性樹脂組成物の作製直後の25℃での粘度(初期粘度)をE粘度計(東機産業(株)社製、RE−85L[商品名])を用いて測定した。また、25℃の環境下で1ヶ月間保存した着色感光性樹脂組成物の25℃での粘度(経時粘度)を測定した。経時粘度を初期粘度で割った値(粘度変化率)にて、評価した。
3 粘度の変化率が、10%未満
2 粘度の変化率が10%以上30%未満であった
1 粘度の上昇が30%以上であった
〔表5〕
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
顔料分散組成物 コントラスト 析出性 粘度変化率
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例16 C2 3000 4 3
実施例17 C3 2800 4 3
実施例18 C4 2650 4 3
実施例19 C5 2600 4 3
実施例20 C12 2050 3 3
実施例21 C13 1900 4 3
実施例22 C14 1900 2 2
実施例23 C15 2050 2 2
比較例4 C16 1250 1 1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
[液晶表示素子の作製]
以下の方法に従い、液晶表示素子を作製した。
(1)ガラス基板の片面に、パターニングされた1cmのITO膜を形成したのち、該ITO膜上に、スピンナーを用いて、市販のアクティブマトリックス用液晶配向剤を塗布したのち、180℃で1時間乾燥して、膜厚600Åの塗膜を形成した。
(2)前記の実施例・比較例で作製したカラーフィルタに、パターニングされた1cmのITO膜を形成したのち、該ITO膜上に、(1)と同様にして、液晶配向剤の塗膜を形成した。
(3)ガラス基板の片面にITO膜(連続膜)を形成したのち、該ITO膜上に、(1)と同様にして、液晶配向剤の塗膜を形成した。
(4)次いで、(1)〜(3)で得た各基板上の塗膜の表面に、レーヨン製の布を巻き付けたロールを備えたラビングマシーンを用いてラビング処理を行なって、液晶配向膜を形成した。その際のラビング条件は、ロール回転数400rpm、ステージの移動速度3cm/秒、毛足の押し込み長さ0.4mmであった。
(5)このようにして液晶配向膜が形成された基板のうち、(1)又は(2)の処理を経たそれぞれの基板を(3)の処理を経た基板と組み合わせて2枚一組とし、各組毎に、2枚の基板の外縁部に、直径5.5μmのシリカゲル柱状スペーサーを含有するエポキシ樹脂系接着剤をスクリーン印刷により塗布したのち、各液晶配向膜のラビング方向が90度に交差するように、2枚の基板を間隙を開けて対向配置し、各基板の外縁部同士が当接するように圧着して、接着剤を硬化させた。
(6)次いで各組毎に、2枚の基板の内表面と接着剤の硬化層とにより区画されたセルギャップ内に、フルオロビフェニルの誘導体からなるネマティック型液晶「ZLI−5081」(商品名、メルクジャパン(株)社製)を注入充填したのち、注入孔を封止して液晶セルを作製した。その後、液晶セルの外表面に偏光板を、その偏光方向が各基板上の液晶配向膜のラビング方向と一致するように貼り合わせて、液晶表示素子を作製した。
作製した液晶表示装置について表示特性(色むら、黒のしまり)を目視により評価した。その結果、本発明例のカラーフィルタを用いて作製した液晶表示素子では、いずれも、比較例のカラーフィルタを用いて作製した液晶表示素子と比較して、良好な表示特性を示すことがわかった。

Claims (7)

  1. 有機顔料微粒子と下記一般式(1)で表される化合物とを含有する有機顔料組成物であって、
    前記有機顔料微粒子が、良溶媒に有機顔料を溶解した有機顔料溶液と、前記良溶媒と相溶し前記有機顔料に対して貧溶媒となる溶媒とを混合して析出させた有機顔料微粒子であることを特徴とする有機顔料組成物。
    〔化1〕
    一般式(1)
    (HOOC−)−R−(−COO−[−R−COO−]−R
    (式中、Rは4価のテトラカルボン酸化合物残基、Rはモノアルコール残基、Rはラクトン残基、mは2または3、nは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。)
  2. さらに高分子化合物を含有させた有機顔料組成物であって、
    前記高分子化合物が下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1に記載の有機顔料組成物。
    〔化2〕
    一般式(2)
    −CH−C(R14)(Y−R15−Z)−
    (式中、R14は水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R15は単結合、又は2価の連結基を表す。Yは−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは含窒素複素環構造を有する基を表す。)
  3. さらに下記一般式(3)で表される化合物を含有させた請求項1又は2に記載の有機顔料組成物。
    〔化3〕
    一般式(3)
    Q−A−B−N(R)(R
    (式中、Qは色素残基を表す。Aは、−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH−、または単結合を表す。Bは、−NR11、−D−NR12−、または単結合を表す。R11は水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。R12は水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又はRとRとで一体となって更なる窒素、酸素、もしくは硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基を表す。Dは、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機顔料組成物と、重合性化合物、光重合開始剤、及び有機溶剤を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を用いて形成された画素部を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  6. 基板上に、請求項4に記載のカラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜にフォトリソグラフィー法を適用して画素部を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  7. 有機顔料微粒子と下記一般式(1)で表される化合物とを含有する顔料分散組成物の製造方法であって、
    前記有機顔料微粒子が、良溶媒に有機顔料を溶解した有機顔料溶液と、前記良溶媒と相溶し前記有機顔料に対して貧溶媒となる溶媒とを混合して析出させた有機顔料微粒子であり、かつ
    (1)前記有機顔料微粒子を析出後に一度乾燥工程を経る
    (2)少なくとも前記一般式(1)で表される化合物と、前記乾燥工程を経た有機顔料微粒子を用い再分散する
    工程を経ることを特徴とする顔料分散組成物の製造方法。
    〔化1〕
    一般式(1)
    (HOOC−)−R−(−COO−[−R−COO−]−R
    (式中、Rは4価のテトラカルボン酸化合物残基、Rはモノアルコール残基、Rはラクトン残基、mは2または3、nは1〜50の整数、tは(4−m)を表す。)
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