JP2010208795A - 劣化判定装置、シート搬送装置、画像形成装置及び画像読取装置 - Google Patents

劣化判定装置、シート搬送装置、画像形成装置及び画像読取装置 Download PDF

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Abstract

【課題】給紙ローラと、分離ローラとのうち、何れが寿命近くまで劣化したのかを特定する。
【解決手段】給紙動作1回あたりにおける分離ローラ45bの累積回転角度をホール素子(126a,b)によって検知した結果に基づいて、給紙ローラ45a及び分離ローラ45bからなる給紙分離ローラ対45の劣化度合いを判定する判定手段としての制御部を備える画像形成装置において、記録シートPの移動速度をシートおもて面側(給紙ローラ46a側)から検知する速度センサ120を設けるとともに、該累積回転角度と、速度センサ120による検知結果とに基づいて、給紙ローラ45aと分離ローラ45bとのうち、何れが寿命近くまで劣化したのかを判定する処理を実施するように、制御部を構成した。
【選択図】図15

Description

本発明は、複数枚に重なったシート状部材を搬送しながら1枚ずつに分離するシート搬送装置における搬送部材や分離部材の劣化度合いを判定する劣化判定装置に関するものである。また、かかる劣化判定装置を備えたシート搬送装置、画像形成装置及び原稿読取装置に関するものである。
従来、記録シートや原稿シートなどのシート状部材を搬送するシート搬送装置として、特許文献1に記載の給紙装置が知られている。この給紙装置は、互いに当接してニップを形成しながら回転する給紙ローラ及び分離ローラからなるローラ対を有している。搬送部材としての給紙ローラは、ニップ内で自らの表面を給紙方向に移動させるように回転駆動される。また、分離部材としての分離ローラに対しては、給紙分離ニップ内でその表面を給紙方向とは逆方向に移動させるように逆回転方向の駆動力が与えられている。この駆動力は、伝達除去手段としてのトルクリミッターを介して分離ローラに伝達されている。給紙ローラと分離ローラとが直接接触している状態では、給紙ローラから分離ローラに対してかけられる連れ回り方向のトルクが所定の閾値を超えることで、トルクリミッターが空回する。このため、分離ローラは逆回転することなく給紙ローラに連れ回って、シート状部材を給紙ローラとともに給紙方向に搬送する。
これに対し、1枚のシート状部材が上述のニップに単独で進入した場合、分離ローラに対しては、そのシート状部材を介して連れ回り方向のトルクがかけられる。このとき、給紙ローラや分離ローラの表面が劣化していなければ、給紙ローラとシート状部材との間や、シート状部材と分離ローラとの間にそれぞれ大きな摩擦力が働く。そして、給紙ローラにかかる連れ回り方向のトルクが閾値を超えて、分離ローラが、給紙ローラに直接当接している場合と同様に連れ回り方向に回転する。
また、複数枚のシート状部材が重なった状態で上述のニップに進入した場合、シートとシートとの間でスリップが起こって、分離ローラに対する連れ回り方向のトルクが閾値以下になる。すると、トルクリミッターが逆回転方向の駆動力を分離ローラに繋いで、分離ローラを逆回転させる。そして、逆回転した分離ローラは、複数枚のシート状部材のうち、分離ローラ側にあるシート状部材を逆搬送される。この逆搬送により、複数のシート状部材を1枚ずつに分離する。
以上の構成において、給紙ローラや分離ローラの表面は、初期状態では大きな摩擦抵抗を発揮するが、経時的に劣化していくと、摩擦抵抗を徐々に低下させていく。そして、給紙ローラの表面が寿命まで劣化すると、シート状部材に対して給紙方向の搬送力を良好に付与することができなくなって、搬送不良を引き起こす。また、分離ローラの表面が寿命まで劣化すると、シート状部材に対して逆搬送方向の搬送力を良好に付与することができなくなって、分離不良(重送)を引き起こす。よって、給紙ローラや分離ローラの劣化度合いを把握し、劣化が寿命直前まで進んだ時点で何らかの対策を講ずることが望ましい。
ローラなどの部材の劣化度合いを把握する方法としては、その部材を交換したときからの累積プリント枚数が所定の閾値に到達した時点を、その部材の劣化について寿命直前まで進行したとみなす方法が従来から知られている。しかしながら、部材の劣化の進行度合いは、環境やユーザーの装置使用状況などに応じて変化する。このため、まだ部品の劣化がそれほど進行していないにもかかわらず交換を促したり、既に部品の寿命が到来しているにもかかわらず交換を促さなかったりするという不具合がある。
一方、特許文献1に記載の給紙装置では、次のようにして給紙ローラ及び分離ローラの劣化度合いを把握している。即ち、給紙ローラの表面がある程度まで劣化すると、給紙ローラとシート状部材との間で僅かなスリップが発生し始める。そして、このスリップ量は、給紙ローラの表面の劣化が進行していくのに伴って徐々に大きくなっていく。すると、シート状部材を介して連れ回り方向のトルクが付与される分離ローラにおいて、連れ回り方向の回転量が徐々に減少していく。また、分離ローラの表面が劣化すると、シート状部材から分離ローラへに対して連れ回り方向のトルクが良好に伝わらなくなって分離ローラがときどき逆回転するため、分離ローラの連れ回り方向の回転量が減少する。このように、給紙ローラ、分離ローラの何れが劣化する場合においても、分離ローラの連れ回り方向の回転量が減少する。特許文献1に記載の給紙装置は、分離ローラの回転軸に設けられたエンコーダーからの出力に基づいて分離ローラの連れ回り方向の回転減少量を求めて、給紙ローラ及び分離ローラの劣化度合いを把握している。そして、その回転減少量が所定の閾値を超えた場合に、分離ローラの給紙ローラに対する押圧力を高めることで、搬送不良や分離不良の発生を抑えている。
しかしながら、押圧力を高めると、トルクリミッターが正常に動作しなくなって、分離ローラの逆回転によるシートの分離が行われなくなる可能性がある。よって、給紙ローラや分離ローラについて寿命近くまで劣化したことを検出した場合には、押圧力の増加で対処するのではなく、劣化した給紙ローラや分離ローラの交換で対処することが望ましい。ところが、特許文献1に記載の給紙装置では、寿命近くまで劣化したローラについて、給紙ローラと分離ローラとのうち、何れであるのかを特定することができなかった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、給紙ローラ等の搬送部材と、分離ローラ等の分離部材とのうち、何れが所定の度合いまで劣化したのかを特定することができる劣化判定装置等を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、自らの移動する表面をシート状部材のおもて面に接触させて該シート状部材を所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、該搬送部材に当接してニップを形成しながら、該ニップで自らの表面を該搬送方向とは逆方向に移動させるように駆動手段によって駆動され、該ニップに対して複数枚重なった状態で送り込まれたシート状部材のうち、最下位に位置するシート状部材である最下位シートに接触させた自らの表面の該逆方向に移動させることで、複数枚に重なったシート状部材を1枚ずつに分離する分離部材と、該ニップ内の該分離部材の表面に対して該搬送方向に沿った力が所定のトルクを超えてかかると、該駆動手段から該分離部材への駆動力の伝達を解除して、該分離部材の表面を該搬送部材の表面に追従させて該搬送方向に移動させる伝達解除機構と、該ニップに向けてシート状部材を送り込む送込手段とを具備するシート搬送装置における該搬送部材及び分離部材を判定対象とし、該分離部材の表面移動量を検知する移動量検知手段を備え、該移動量検知手段による検知結果に基づいて、該搬送部材及び分離部材からなる部材対の劣化度合いを判定する判定手段を備える劣化判定装置において、シート状部材の移動速度をシートおもて面側から検知するシート速度検知手段を設けるとともに、上記移動量検知手段による検知結果に基づいて、上記部材対について所定の度合いまで進行したと判定した場合に、該部材対における上記搬送部材及び分離部材のうち、何れが所定の度合いまで劣化したのかを、該シート速度検知手段による検知結果に基づいて判定する処理を実施するように、上記判定手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の劣化判定装置において、上記シート速度検知手段として、複数の撮像素子によってそれぞれシート表面を所定周期で撮像した結果に基づいてシート状部材の移動速度を検知するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の劣化判定装置において、上記シート速度検知手段として、シート搬送経路に沿って所定の距離おいて配設される少なくとも2つのシート先端検知部を具備するものであって、且つそれぞれのシート先端検知部によるシート先端検知タイミングの時間差に基づいて、シート状部材の移動速度を検知するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの劣化判定装置において、上記分離部材として、回転軸を中心にして回転する分離ローラ、あるいは、回転軸を中心にして回転するベルト支持ローラに掛け回されて無端移動せしめられる無端状の分離ベルト、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の劣化判定装置において、上記移動量検知手段として、上記分離ローラ又はベルト支持ローラ、に固定された磁石の挙動をホール素子によって把握した結果に基づいて、該分離ローラ又は上記分離ベルトの表面移動量を検知するもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の劣化判定装置であって、上記シート搬送装置の筺体内における上記ホール素子の配置位置が、上記分離ローラ又はベルト支持ローラの全領域のうち、該分離ローラ又はベルト支持ローラを該筺体内に差し込んで装着する際の差し込み方向における下流側端部付近の領域に該ホール素子を対向させる位置であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項4の劣化判定装置において、上記移動量検知手段として、上記分離ローラ又はベルト支持ローラに固定された磁性体の挙動を半導体磁気抵抗素子によって把握した結果に基づいて、該分離部材又は上記分離ベルトの表面移動量を検知するもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項4の劣化判定装置において、上記移動量検知手段として、回転方向にて回転軸線方向の厚み偏差がある厚み偏差部材、又は回転方向にて半径偏差がある径偏差部材と、上記分離ローラ又はベルト支持ローラの回転軸に固定された該厚み偏差部材の回転に伴う厚み変化を所定の回転位置で検知する厚み変化検知手段、あるいは該回転軸に固定された該径偏差部材の回転に伴う径変化を所定の回転位置で検知する径変化検知手段とを具備し、該厚み変化又は径変化に基づいて該分離部材又は上記分離ベルトの表面移動量を検知するもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項4の劣化判定装置において、上記移動量検知手段として、複数の撮像素子によってそれぞれ上記分離ローラ又は分離ベルトの表面を所定周期で撮像した結果に基づいて該分離ローラ又は分離ベルトの表面移動量を検知するもの、を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項5、6、7又は8の劣化判定装置において、上記磁石、磁性体、厚み偏差部材又は径偏差部材を、上記分離ローラやベルト支持ローラの代わりに、該分離ローラ又はベルト支持ローラの回転に連動する連動部材に固定したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、自らの移動する表面をシート状部材のおもて面に接触させて該シート状部材を所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、該搬送部材に当接してニップを形成しながら、該ニップで自らの表面を該搬送方向とは逆方向に移動させるように駆動手段によって駆動され、該ニップに対して複数枚重なった状態で送り込まれたシート状部材のうち、最下位に位置するシート状部材である最下位シートに接触させた自らの表面の該逆方向に移動させることで、複数枚に重なったシート状部材を1枚ずつに分離する分離部材と、該ニップ内の該分離部材の表面に対して該搬送方向に沿った力が所定のトルクを超えてかかると、該駆動手段から該分離部材への駆動力の伝達を解除して、該分離部材の表面を該搬送部材の表面に追従させて該搬送方向に移動させる伝達解除機構と、該分離部材の表面移動量を検知する移動量検知手段による検知結果に基づいて、該搬送部材及び分離部材からなる部材対の劣化度合いを判定する劣化判定手段とを備えるシート搬送装置において、上記劣化判定手段として、請求項1乃至10の何れかの劣化判定装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、記録シートに画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段に向けて記録シートを搬送するシート搬送手段とを備える画像形成装置において、上記シート搬送手段として、請求項11のシート搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、原稿シートの画像を読み取る画像読取手段と、該画像読取手段に向けて原稿シートを搬送するシート搬送手段とを備える画像読取装置において、上記シート搬送手段として、請求項11のシート搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、次に説明する理由により、搬送部材及び分離部材のうち、何れが所定の度合いまで劣化したのかを特定することができる。即ち、上述したように、搬送部材、分離部材の何れの表面が劣化した場合にも、それに伴って分離部材の表面移動量が減少する。このとき、その減少が分離部材の劣化に起因している場合、搬送部材によるシート状部材の搬送方向への搬送は正常に行われる。このため、シート状部材の移動速度を最上位側であるシートおもて面側から検知するシート移動検知手段は、最上位に位置するシート状部材の移動速度として、一般的な値を検知する。これに対し、搬送部材の表面が劣化している場合には、搬送部材と、最上位のシート状部材との間でスリップが発生して、最上位のシート状部材が搬送方向に良好に搬送されなくなる。このため、シート移動検知手段は、最上位のシート状部材の移動速度として、比較的低い値を検知する。このように、シート移動検知手段による検知結果について、一般的な値であるのか、比較的低い値であるのかを見分けることで、搬送部材及び分離部材のうち、何れが所定の度合いまで劣化したのかを特定することができる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機における画像形成部の一部を拡大して示す部分構成図。 同画像形成部における4つのプロセスユニットからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図。 同複写機のスキャナ及びADFを示す斜視図。 同ADFの要部構成をスキャナの上部とともに示す拡大構成図。 白紙供給装置における送出ローラの周囲構成をローラ軸線方向の一端側から示す分解斜視図。 同送出ローラの周囲構成を示す拡大構成図。 給紙分離ローラ対の周囲構成を示す拡大斜視図。 劣化していない給紙ローラと分離ローラとの当接による給紙分離ローラに1枚の記録シートが送り込まれたときにおける各ローラの回転状態を説明するための模式図。 劣化していない給紙ローラと分離ローラとの当接による給紙分離ローラに複数枚の記録シートが重なった状態で送り込まれたときにおける各ローラの回転状態を説明するための模式図。 劣化した給紙ローラと、劣化していない分離ローラとの当接による給紙分離ローラに1枚の記録シートが送り込まれたときにおける各ローラの回転状態を説明するための模式図。 劣化していない給紙ローラと、劣化した分離ローラとの当接による給紙分離ローラに複数枚の記録シートが重なった状態で送り込まれたときにおける各ローラの回転状態を説明するための模式図。 給紙分離ニップの周囲で発生する各種の力を説明するための模式図。 押圧力Pと分離力Tとの関係を示すグラフ。 給紙分離ローラ対の周囲構成を示す拡大模式図。 分離ローラを周囲構成とともに示す縦断面図。 ホール素子と分離ローラに固定された磁石とを示す拡大模式図。 ホール素子の出力特性を示すグラフ。 図9に示した状態におけるホール素子からの出力変化を示すグラフ。 図19のフラグを1枚通紙時における分離ローラの累積回転角度(累積回転量)に変換したグラフ。 同複写機の制御部によって実施される累積回転角算出処理を示すフローチャート。 給紙ローラ及び分離ローラに劣化がない状態で、給紙分離ニップに対して複数枚の記録シートが重なった状態で送られたときにおける、分離ローラの累積回転角度の変化を示すグラフ。 分離ローラの表面に軽度の劣化がある状態で、給紙分離ニップに対して複数枚の記録シートが重なって送られたときにおける、分離ローラの累積回転角度の変化を示すグラフ。 分離ローラの表面に中程度の劣化がある状態で、給紙分離ニップに対して複数枚の記録シートが重なって送られたときにおける、分離ローラの累積回転角度の変化を示すグラフ。 分離ローラの表面に重度の劣化がある状態(寿命到達)で、給紙分離ニップに対して複数枚の記録シートが重なって送られたときにおける、分離ローラの累積回転角度の変化を示すグラフ。 図20、図22〜25の結果をまとめたグラフ。 実施形態に係る劣化判定装置の構成を示すブロック図。 複写機と、判定手段としてのパーソナルコンピュータとを分離した例を示すブロック図。 第1変形例に係る複写機の給紙分離ニップの周囲構成を示す拡大構成図。 従来の複写機における給紙分離ニップの周囲構成を示す拡大構成図。 第2変形例に係る複写機の分離ローラを示す縦断面図。 第3変形例に係る複写機の分離ローラを軸線方向の一端部側から示す拡大構成図。 距離センサの出力と分離ローラの累積回転角度との関係を示すグラフ。 第4変形例に係る複写機の分離ローラを軸線方向の一端部側から示す拡大構成図。 分離ローラ表面線速の変化に追従する表面速度センサ出力と、経過時間との関係を示すグラフ。 第5実施例に係る複写機における分離ローラの周囲構成を示す拡大構成図。
以下、本発明を、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機という)に適用した実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。この複写機は、画像形成装置としての画像形成部1と、白紙供給装置40と、画像読取ユニット50とを備えている。画像読取装置としての画像読取ユニット50は、画像形成部1の上に固定されたスキャナ150と、これに支持されるシート搬送装置としての原稿自動搬送装置(以下、ADFという)51とを有している。
白紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセットから記録シートを送り出す送出ローラ43、送り出された記録シートを搬送しながら1枚ずつに分離する給紙分離ローラ対45等を有している。また、画像形成部1の搬送路としての給紙路37に、シート状部材としての記録シートを搬送する複数の搬送ローラ47等も有している。そして、給紙カセット内の記録シートを画像形成部1内の給紙路37内に給紙する。
画像形成手段としての画像形成部1は、光書込装置2や、黒,イエロー,マゼンタ,シアン(K,Y,M,C)のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K,Y,M,C、転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34、スイッチバック装置36、給紙路37等を備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K,Y,M,Cに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
図2は、画像形成部1の内部構成の一部を拡大して示す部分構成図である。また、図3は、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。なお、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図3においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。
プロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、感光体とその周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、画像形成部1本体に対して着脱可能になっている。黒用のプロセスユニット3Kを例にすると、これは、感光体4の周りに、帯電装置23、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電ランプ22等を有している。本複写機では、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cを、後述する中間転写ベルト25に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ12に供給する攪拌部7と、現像スリーブ12に担持された二成分現像剤中のトナーを感光体4に転移させるための現像部11とを有している。
攪拌部7は、現像部11よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本の搬送スクリュウ8、これらスクリュウ間に設けられた仕切り板、現像ケース9の底面に設けられたトナー濃度センサ10などを有している。
現像部11は、現像ケース9の開口を通して感光体4に対向する現像スリーブ12、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ13、現像スリーブ12に先端を接近させるドクタブレード14などを有している。現像スリーブ12は、非磁性の回転可能な筒状になっている。マグネットローラ12は、ドクタブレード14との対向位置からスリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部7から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ13表面に引き寄せて担持させるとともに、スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブ12の回転に伴ってドクタブレード14との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体4に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ12に印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、現像スリーブ12の回転に伴って再び現像部11内に戻り、マグネットローラ13の磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部7内に戻される。攪拌部7内には、トナー濃度センサ10による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。なお、現像装置6として、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。
ドラムクリーニング装置15としては、弾性体からなるクリーニングブレード16を感光体4に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体4に接触させる接触導電性のファーブラシ17を、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ17は、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体4表面に塗布する役割も兼ねている。ファーブラシ17にバイアスを印加する金属製の電界ローラ18を図中矢示方向に回転自在に設け、これにスクレーパ19の先端を押し当てている。ファーブラシ17に付着したトナーは、ファーブラシ17に対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ18に転位する。そして、スクレーパ19によって電界ローラ18から掻き取られた後、回収スクリュウ20上に落下する。回収スクリュウ20は、回収トナーをドラムクリーニング装置15における図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置21に受け渡す。リサイクル搬送装置21は、受け渡されたトナーを現像装置15に送ってリサイクルする。
除電ランプ22は、光照射によって感光体4を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置23によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。なお、帯電装置23としては、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させながら回転させるものを用いている。感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
先に示した図2において、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの感光体4K,Y,M,Cには、これまで説明してきたプロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの下方には、転写ユニット24が配設されている。ベルト駆動装置としての転写ユニット24は、複数のローラによって張架した中間転写ベルト25を、感光体4K,Y,M,Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K,Y,M,Cと、無端状のベルト部材である中間転写ベルト25とが当接するK,Y,M,C用の1次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ26K,Y,M,Cによって中間転写ベルト25を感光体4K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら1次転写ローラ26K,Y,M,Cには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の1次転写ニップには、感光体4K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と2次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの2次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ31には図示しない電源によって2次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、2次転写ニップに2次転写電界が形成されている。
この2次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されている。また、レジストローラ対33のレジストニップの入口付近には、図示しないレジストローラセンサが配設されている。図示しない白紙供給装置からレジストローラ対33に向けて搬送されてくる記録シートPは、その先端がレジストローラセンサに検知された所定時間後記録シートPの搬送が一時停止し、レジストローラ対33のレジストニップに先端を突き当てる。この結果、記録シートPの姿勢が修正され、画像形成との同期をとる準備が整う。このようにして、記録シートPは、姿勢が修正されるが、その修正が上手く行われない場合もある。すると、レジストローラ対33の下流側で記録シートPのスキューが発生する。
記録シートPの先願がレジストニップに突き当たると、レジストローラ対33は、記録シートPを中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングでローラ回転駆動を再開して、記録シートPを2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録シートに一括2次転写され、記録シートの白色と相まってフルカラー画像となる。2次転写ニップを通過した記録シートは、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置34へと搬送される。なお、レジストニップの出口付近には、光学式変位センサ38が配設されているが、その役割については後述する。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト25の表面には、2次転写ニップで記録シートに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置によって掻き取り除去される。
定着装置34に搬送された記録シートは、定着装置34内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置34から排紙ローラ対35に送られた後、機外へと排出される。
先に示した図1において、紙搬送ユニット22および定着装置34の下には、スイッチバック装置36が配設されている。これにより、片面に対する画像定着処理を終えた記録シートが、切換爪で記録シートの進路を記録シート反転装置側に切り換えられ、そこで反転されて再び2次転写転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の2次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ上に排紙される。
画像形成部1の上に固定されたスキャナ150やこれの上に固定されたADF51は、固定読取部や移動読取部152を有している。移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された図示しない第2コンタクトガラスの直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第2コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサ153で受光する。
一方、固定読取部は、スキャナ150の内部に配設された第1面固定読取部151と、ADF51内に配設された図示しない第2面固定読取部とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する第1面固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された図示しない第1コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、後述するADF51によって搬送される原稿MSが第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサで受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSの第1面を走査する。また、第2面固定読取部は、第1面固定読取部151を通過した後の原稿MSの第2面を走査する。
スキャナ150の上に配設されたADF51は、本体カバー52に、読取前の原稿MSを載置するための原稿載置台53、シート状部材としての原稿MSを搬送するための搬送ユニット54、読取後の原稿MSをスタックするための原稿スタック台55などを保持している。図4に示すように、スキャナ150に固定された蝶番159によって上下方向に揺動可能に支持されている。そして、その揺動によって開閉扉のような動きをとり、開かれた状態でスキャナ150の上面の第1コンタクトガラス154や第2コンタクトガラス155を露出させる。原稿束の片隅を綴じた本などの片綴じ原稿の場合には、原稿を1枚ずつ分離することができないため、ADFによる搬送を行うことができない。そこで、片綴じ原稿の場合には、ADF51を図4に示すように開いた後、読み取らせたいページが見開かれた片綴じ原稿を下向きにして第2コンタクトガラス154上に載せた後、ADFを閉じる。そして、スキャナ150の図1に示した移動読取部152によってそのページの画像を読み取らせる。
一方、互いに独立した複数の原稿MSを単に積み重ねた原稿束の場合には、その原稿MSをADF51によって1枚ずつ自動搬送しながら、スキャナ150内の第1面固定読取部151やADF51内の第2面固定読取部に順次読み取らせていくことができる。この場合、原稿束を原稿載置台53上にセットした後、図示しないコピースタートボタンを押す。すると、ADF51が、原稿載置台53上に載置された原稿束の原稿MSを上から順に搬送ユニット54内に送り、それを反転させながら原稿スタック台55に向けて搬送する。この搬送の過程で、原稿MSを反転させた直後にスキャナ150の第1面固定読取部151の真上に通す。このとき、原稿MSの第1面の画像がスキャナ150の第1面固定読取部151によって読み取られる。
図5は、ADF51の要部構成をスキャナ150の上部とともに示す拡大構成図である。ADF51は、原稿セット部A、分離給送部B、レジスト部C、ターン部D、第1読取搬送部E、第2読取搬送部F、排紙部G、スタック部H等を備えている。
原稿セット部Aは、原稿MSの束がセットされる原稿載置台53等を有している。また、分離給送部Bは、セットされた原稿MSの束から原稿MSを一枚ずつ分離して給送するものである。また、レジスト部Cは、給送された原稿MSに一時的に突き当たって原稿MSを整合した後に送り出すものである。また、ターン部Dは、C字状に湾曲する湾曲搬送部を有しており、この湾曲搬送部内で原稿MSを折り返しながらその上下を反転させるものである。また、第1読取搬送部Eは、第1コンタクトガラス155の上で原稿MSを搬送しながら、第1コンタクトガラス155の下方で図示しないスキャナの内部に配設されている第1固定読取部151に原稿MSの第1面を読み取らせるものである。また、第2読取搬送部Fは、第2固定読取部95の下で原稿MSを搬送しながら、原稿MSの第2面を第2固定読取部95に読み取らせるものである。また、排紙部Gは、両面の画像が読み取られた原稿MSをスタック部Hに向けて排出するものである。また、スタック部Hは、スタック台55の上に原稿MSをスタックするものである。
原稿MSは、原稿MSの束の厚みに応じて図中矢印a、b方向に揺動可能な可動原稿テーブル54の上に原稿先端部が載せられるとともに、原稿後端側が原稿載置台53の上に載せられた状態でセットされる。このとき、原稿載置台53上において、その幅方向(図紙面に直交する方向)の両端に対してそれぞれ図示しないサイドガイドが突き当てられることで、幅方向における位置が調整される。このようにしてセットされる原稿MSは、可動原稿テーブル54の上方で揺動可能に配設されたレバー部材62を押し上げる。すると、それに伴って原稿セットセンサ63が原稿MSのセットを検知して、検知信号を図示しないコントローラに送信する。そして、この検知信号は、コントローラからI/Fを介してスキャナの読取制御部に送られる。
原稿載置台53には、原稿MSの搬送方向の長さを検知する反射型フォトセンサ又はアクチュエーター・タイプのセンサからなる第1長さセンサ57、第2長さセンサ58が保持されている。これら長さセンサにより、原稿MSの搬送方向の長さが検知される。
可動原稿テーブル54の上に載置された原稿MSの束の上方には、カム機構によって上下方向(図中矢印c,d方向)に移動可能に支持されるピックアップローラ80が配設されている。このカム機構は、ピックアップモータ56によって駆動することで、ピックアップローラ80を上下移動させることが可能である。ピックアップローラ80が上昇移動すると、それに伴って可動原稿テーブル54が図中矢印a方向に揺動して、ピックアップローラ80が原稿MSの束における一番上の原稿MSに当接する。更に可動原稿テーブル54が上昇すると、やがてテーブル上昇検知センサ59によって可動原稿テーブル54の上限までの上昇が検知される。これにより、ピックアップモータ56が停止するとともに、可動原稿テーブル54の上昇が停止する。
複写機の本体に設けられたテンキーやディスプレイ等からなる本体操作部に対しては、操作者によって両面読取モードか、あるいは片面読取モードかを示す読取モード設定のためのキー操作や、コピースタートキーの押下操作などが行われる。コピースタートキーが押下されると、図示しない本体制御部からADF51のコントローラに原稿給紙信号が送信される。すると、ピックアップローラ80が給紙モータ76の正転によって回転駆動して、可動原稿テーブル54上の原稿MSを可動原稿テーブル54上から送り出す。
両面読取モードか、片面読取モードかの設定に際しては、可動原稿テーブル54上に載置された全ての原稿MSについて一括して両面、片面の設定を行うことが可能である。また、1枚目及び10枚目の原稿MSについては両面読取モードに設定する一方で、その他の原稿MSについては片面読取モードに設定するなどといった具合に、個々の原稿MSについてそれぞれ個別に読取モードを設定することも可能である。
ピックアップローラ80によって送り出された原稿MSは、分離搬送部Bに進入して、給紙ベルト84との当接位置に送り込まれる。この給紙ベルト84は、駆動ローラ82と駆動ローラ82とによって張架されており、給紙モータ76の正転に伴う駆動ローラ82の回転によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。この給紙ベルト84の下部張架面には、給紙モータ76の正転によって図中時計回りに回転駆動されるリバースローラ85が当接している。当接部においては、給紙ベルト84の表面が給紙方向に移動する。これに対し、リバースローラ85は、給紙ベルト84に所定の圧力で当接しており、給紙ベルト84に直接当接している際、あるいは当接部に原稿MSが1枚だけ挟み込まれている際には、ベルト又は原稿MSに連れ回る。但し、当接部に複数枚の原稿MSが挟み込まれた際には、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなることから、連れ回り方向とは逆の図中時計回りに回転駆動する。これにより、最上位よりも下の原稿MSには、リバースローラ85によって給紙とは反対方向の移動力が付与されて、数枚の原稿から最上位の原稿MSだけが分離される。
給紙ベルト84やリバースローラ85の働きによって1枚に分離された原稿MSは、レジスト部Cに進入する。そして、突き当てセンサ72の直下を通過する際にその先端が検知される。このとき、ピックアップモータ56の駆動力を受けているピックアップローラ80がまだ回転駆動しているが、可動原稿テーブル54の下降によって原稿MSから離間するため、原稿MSは給紙ベルト84の無端移動力のみによって搬送される。そして、突き当てセンサ72によって原稿MSの先端が検知されたタイミングから所定時間だけ給紙ベルト84の無端移動が継続して、原稿MSの先端がプルアウト駆動ローラ86とこれに当接しながら回転駆動するプルウト駆動ローラ87との当接部に突き当たる。
プルアウト従動ローラ87は、原稿MSを原稿搬送方向下流側の中間ローラ対66まで搬送する役割を担っており、給紙モータ76の逆転によって回転駆動される。給紙モータ76が逆転すると、プルアウト従動ローラ87と、互いに当接している中間ローラ対66における一方のローラとが回転を開始するとともに、給紙ベルト84の無端移動が停止する。また、このとき、ピックアップローラ80の回転も停止される。
プルアウト従動ローラ87から送り出された原稿MSは、原稿幅センサ73の直下を通過する。原稿幅センサ73は、反射型フォトセンサ等からなる紙検知部を複数有しており、これら紙検知部は原稿幅方向(図紙面に直交する方向)に並んでいる。どの紙検知部が原稿MSを検知するのかに基づいて、原稿MSの幅方向のサイズが検知される。また、原稿MSの搬送方向の長さは、原稿MSの先端が突き当てセンサ72によって検知されてから、原稿MSの後端が突き当てセンサ72によって検知されなくなるまでのタイミングに基づいて検知される。
原稿幅センサ73によって幅方向のサイズが検知された原稿MSの先端は、ターン部Dに進入して、中間ローラ対66のローラ間の当接部に挟み込まれる。この中間ローラ対66による原稿MSの搬送速度は、後述する第1読取搬送部Eでの原稿MSの搬送速度よりも高速に設定されている。これにより、原稿MSを第1読取搬送部Eに送り込むまでの時間の短縮化が図られている。
ターン部D内を搬送される原稿MSの先端は、原稿先端が読取入口センサ67との対向位置を通過する。これによって原稿MSの先端が読取入口センサ67によって検知されると、その先端が搬送方向下流側の読取入口ローラ対(89と90との対)の位置まで搬送される間での間に、中間ローラ対66による原稿搬送速度が減速される。また、読取モータ77の回転駆動の開始に伴って、読取入口ローラ対(89,90)における一方のローラ、読取出口ローラ対92における一方のローラ、第2読取出口ローラ対93における一方のローラがそれぞれ回転駆動を開始する。
ターン部D内においては、原稿MSが中間ローラ対66と読取入口ローラ対(89、90)との間の湾曲搬送路で搬送される間に上下面が逆転されるとともに、搬送方向が折り返される。そして、読取入口ローラ対(89、90)のローラ間のニップを通過した原稿MSの先端は、レジストセンサ65の直下を通過する。このとき原稿MSの先端がレジストセンサ65によって検知されると、所定の搬送距離をかけながら原稿搬送速度が減速されていき、第1読取搬送部Eの手前で原稿MSの搬送が一時停止される。また、図示しない読取制御部に対してレジスト停止信号が送信される。
レジスト停止信号を受けた読取制御部が読取開始信号を送信すると、ADF51のコントローラの制御により、原稿MSの先端が第1読取搬送部E内に到達するまで、読取モータ77の回転が再開されて所定の搬送速度まで原稿MSの搬送速度が増速される。そして、読取モータ77のパルスカウントに基づいて算出された原稿MSの先端が第1固定読取部151による読取位置に到達するタイミングで、コントローラから読取制御部に対して原稿MSの第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第1固定読取部151による読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第1面が第1固定読取部151によって読み取られる。
第1読取搬送部Eを通過した原稿MSは、後述の読取出口ローラ対92を経由した後、その先端が排紙センサ61によって検知される。片面読取モードが設定されている場合には、後述する第2固定読取部95による原稿MSの第2面の読取が不要である。そこで、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知されると、排紙モータ78の正転駆動が開始されて、排紙ローラ対94における図中下側の排紙ローラが図中時計回り方向に回転駆動される。また、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知されてからの排紙モータパルスカウントに基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングが演算される。そして、この演算結果に基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップから抜け出る直前のタイミングで、排紙モータ78の駆動速度が減速せしめられて、原稿MSがスタック台55から飛び出さないような速度で排紙される。
一方、両面読取モードが設定されている場合には、排紙センサ61によって原稿MSの先端が検知された後、第2固定読取部95に到達するまでのタイミングが読取モータ77のパルスカウントに基づいて演算される。そして、そのタイミングでコントローラから読取制御部に対して原稿MSの第2面における副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第2固定読取部95による読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第2面が第2固定読取部95によって読み取られる。
読取手段としての第2固定読取部95は、密着型イメージセンサ(CIS)からなり、原稿MSに付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦スジを防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されている。第2固定読取部95との対向位置には、原稿MSを非読取面側から支持する原稿支持手段としての第2読取ローラ96が配設されている。この第2読取ローラ96は、第2固定読取部95による読取位置での原稿MSの浮きを防止するとともに、第2固定読取部95におけるシェーディングデータを取得するための基準白部として機能する役割を担っている。
先に示した図1において、送出ローラ43によって給紙カセット42内から送り出された記録シートは、給紙分離ローラ対45によるニップ内に挟まれる。
図6は、白紙供給装置40における送出ローラ43の周囲構成をローラ軸線方向の一端側から示す分解斜視図である。また、図7は、送出ローラ43の周囲構成を示す拡大構成図である。また、図8は、給紙分離ローラ対45の周囲構成を示す拡大斜視図である。給紙分離ローラ対45が劣化していない場合における記録シートの挙動は次の通りである。即ち、図示しない給紙カセット内から記録シートが送り出される際には、まず、ピックアップソレノイド104が駆動して送出ローラ43を給紙カセット内の記録シートに押し当てる。また、加圧ソレノイド106が駆動して、分離ローラ45bを給紙ローラ45aに押し当てる。そして、この状態で給紙モータ103が逆転駆動する。すると、送出ローラ43が図中反時計回り方向に回転駆動して、記録シートを給紙ローラ45aと分離ローラ45bとの当接によるニップに向けて送り出す。このとき、給紙ローラ45aは、ニップ内に挟み込んだ記録シートを図示しない給紙路に向けて送り込むように、図中反時計回り方向に向けて回転駆動する。この状態で、分離ローラ45bが、給紙ローラ45aに直接当接していたり、図9のように1枚の記録シートPを介して給紙ローラ45aに当接したりしていると、分離ローラ45bに対し、給紙ローラ45aや記録シートに追従する方向のトルクが大きく作用する。そして、給紙モータ103の駆動力を分離ローラ45bに繋ぐための図示しないトルクリミッターが空転する。これにより、分離ローラ45bは、給紙ローラ45aや記録シートに追従して図中時計回り方向に回転する(正回転方向)。
かかる構成では、非通紙時には、給紙ローラ45aと分離ローラ45bとを非接触で離間させておくことで、それらローラの着脱操作など、メンテナンス性を向上させることができる。また、通紙時にのみ両ローラを当接させることで、両ローラに対する負荷を軽減して長寿命化を図ることもできる。また、給紙分離ニップよりも前又は後でジャムが発生した際に、両ローラが離間しているので、ジャム紙除去操作性を向上させることもできる。
図10に示すように、ニップ内に2枚以上の記録シートPが重なった状態で挟み込まれると、図示しないトルクリミッターが空転しなくなって、給紙モータ103の逆転駆動力が分離ローラ45aに繋がれる。すると、図示のように分離ローラ45bが図中反時計回り方向(逆回転方向)に回転して、最上位(図中最も上側)の記録シートPを除く下位側の記録シートが、分離ローラ45bによって給紙カセットに向けて戻される。
一方、給紙ローラ45aの表面が劣化して摩擦抵抗を低下させたとする。すると、図11に示すように、1枚の記録シートPがニップに挟み込まれた際に、給紙ローラ45aと記録シートPとの間でスリップが発生する。このため、記録シートPに追従する分離ローラ45bの連れ回り方向(図中時計回り方向)の回転量が減少する。
また、分離ローラ45bの表面が劣化して摩擦抵抗を低下させたとする。すると、図12に示すように、記録シートPから分離ローラ45bに対して連れ回り方向のトルクが良好に伝わらなくなって、分離ローラ45bがときどき逆回転する。よって、この場合にも、分離ローラ45bの連れ回り方向の回転量が減少する。
図13は、給紙分離ニップの周囲で発生する各種の力を説明するための模式図である。同図において、Fは、ニップに進入した最上位の記録シートPに対して給紙ローラ45aから付与される給紙方向の力であるシート搬送力を示している。また、Pは、分離ローラ46bを給紙ローラ46aに向けて押圧する押圧力を示している。また、Tは、ニップに進入した最下位の記録シートPに対して分離ローラ46bから付与される給紙方向とは逆方向の力である分離力を示している。また、μpは、記録シート間の表面摩擦係数であるシート間摩擦係数を示している。なお、給紙ローラ46aの表面摩擦係数である給紙ローラ摩擦係数は、μrで表すものとする。
最上位の記録シートにおける給紙条件と、最下位の記録シートにおける分離条件とに基づいて、シート自重を無視して分離適正条件を考えると、それは次式のように表すことができる。
Figure 2010208795
そして、この式をグラフに変換すると、図14のグラフが得られる。ここでは給紙ローラ46aに着目しており、給紙〜シート間摩擦係数μrが給紙ローラ46aの表面の劣化に伴って変化している。給紙ローラ摩擦係数μrが低下するほど、給紙〜シート間摩擦係数μrの変動領域との間の直線の傾きが小さくなるので、不送りが発生し易くなる。シート間摩擦係数μpの変動は、設計で見込む誤差因子の大きさを表している。シート間摩擦係数μpや給紙〜シート間摩擦係数μrはコントロールできない因子であるので、設計時にはある範囲の変動を見込んだ上で、重送や不送りが発生しない適正領域を確保できるように、設定条件Xを決める必要がある。
次に、本複写機における特徴的な構成について説明する。
図15は、給紙分離ローラ対45の周囲構成を示す拡大模式図である。送出ローラ43の近傍には、送出ローラ43と給紙分離ローラ対45との間で、給紙ローラ45a側である最上位側にある記録シートの給紙方向の移動速度を検知する速度センサ120が配設されている。送出ローラ43から送り出された複数枚の記録シートのうち、最上位側の記録シートの給紙方向における移動速度は、この速度センサ120によって検知され、その検知結果は図示しない制御部に送られる。
速度センサ120は、パーソナルコンピュータの入力機器である光学式マウスなどに広く使用されている光学式変位センサからなるものであり、マトリクス状に配設された複数の撮像素子でそれぞれ被検対象の表面を撮像する。そして、それぞれの撮像素子で撮像を周期的に繰り返して、被検対象である記録シートの2次元平面上における特徴的な像(例えば特徴的な凸や凹)の動きを捉えることで、記録シートの2次元平面における変位や変位速度を把握することができる。撮像素子のマトリクスを給紙方向に対して45[°]傾けて姿勢で速度センサ120を配設すると、給紙方向と、給紙方向に直交する方向(ローラ軸線方向)とでそれぞれ変位量の分解能を高めて、より高精度の検知を可能にすることができる。記録シートのスキューを高精度に検出することが可能になる。
分離ローラ45bのローラ部の端面には、ドーナツ状の磁石125が固定されており、この磁石125は、円周方向の半分を占めるS極と、残りの半分を占めるN極とを具備している。かかる磁石125に対しては、プリンタ本体側に固定された、第1ホール素子126a及び第2ホール素子126bが、ローラ軸線方向において対向するように配設されている。分離ローラ45bの回転軸線を中心にして、第1ホール素子126aと第2ホール素子126bとは、互いに90[°]ずれた位置に固定されている。このため、それぞれの素子は、回転に伴う磁束密度の変化を、90[°]の位相差をもって検知する。
図16は、分離ローラ45bを周囲構成とともに示す縦断面図である。分離ローラ45bの回転軸線を中心にして互いに90[°]ずれた位置に配設される第1ホール素子126a、第2ホール素子126bは、プリンタ本体に支持されたブラケット134に固定されている。そして、分離ローラ45bの端面に固定された磁石125に対して、ギャップδを介して対向している。分離ローラ45bの回転軸部材45cは、図中A方向に引き抜かれることで、複写機本体から取り外される。2つのホール素子を分離ローラ45Bに対して矢印A方向とは反対側で隣接させることで、矢印A方向の側を空きスペースにして、分離ローラ45bの抜き取り作業を容易にしている。また、2つのホール素子(126a,126b)の出力のギャップ依存性を均等にすることが可能であるので、組み付け誤差によってギャップδのばらつきがあったとしても、分離ローラ45bの回転角変位の検出値にその影響を及ぼさない。よって、回転角変位を高精度に検出することができる。また、分離ローラ45bに磁石125という比較的重量のあるものを固定することで、押圧方向とは反対方向の反力に対して抵抗を高めることができる。更には、図17に示すように、磁石125とホール素子とが非接触であるので、分離ローラ45bに対して負荷をかけることなく、その回転角変位を検出することができる。
なお、図16に示したように、トルクリミッター127は、分離ローラ45bの内部において、回転軸部材45cと分離ローラ45b内周面との間に介在している。分離ローラ45bの外部において、回転軸部材45cは、互いに軸線方向に所定の距離をおいて並ぶ2つの軸受け131,132によって回転自在に支持されており、矢印A方向とは反対側の端部には、回転駆動力を受け入れるための駆動受入ギヤ133が固定されている。
図18は、ホール素子(126a,126b)の出力特性を示すグラフである。このグラフは、アンプを内蔵したリニアホールICである旭化成エレクトロニクス製EQ−711Lの出力特性を示している。図17に示したように、ホール素子に対して所定のギャップδを介して対向させた磁石を移動させると、対向位置での磁束密度に対応した出力が得られる。そして、このときの出力特性は、図18に示すように、ギャップδに応じて変化する。但し、2つのホール素子でそれぞれギャップδを等しくすれば、製品毎のギャップδのバラツキによる検出精度の悪化を回避することが可能である。
図19は、先に図9に示した状態におけるホール素子からの出力変化を示すグラフである。ch1の出力は第1ホール素子(126a)からの出力を示している。また、ch2の出力は、第2ホール素子(126b)からの出力を示している。分離ローラ45bに固定された磁石(125)が定常回転しているときの出力について、一方を正弦とすれば他方は余弦の関係になる。
なお、図19において、およそ0秒〜1秒の期間や、およそ2.1秒〜3秒の期間で、グラフが横這いになっているのは、それぞれの期間で分離ローラ45bを駆動していないからである。およそ1秒の時点で、分離ローラ45bを給紙ローラ45aに当接させた後、1.1秒の時点で分離ローラ45bに対して駆動をかけている。また、およそ1.8秒の時点で分離ローラ45bを給紙ローラ45aから離間させた後、およそ2.1秒の時点で分離ローラ45bに対する駆動を停止している。
図20は、図19のフラグを1枚通紙時における分離ローラ45bの累積回転角度(累積回転量)に変換したグラフを示している。分離ローラ45Bに対して付与した駆動信号に基づいて特定した回転時間に対して、累積回転角がどのような値になっているかを表すものである。給紙ローラ45a、分離ローラ45bの何れにも表面の劣化がなく、且つ、給紙分離ニップに対して記録シートが1枚だけ単独で送られた場合には、図示のように、分離ローラ45bの累積回転角度がプラス側(連れ回り方向の側)に単調増加する波形が得られる。
図21は、本複写機の劣化判定装置の一部をなす制御部によって実施される累積回転角算出処理を示すフローチャートである。この累積回転角算出処理では、まず、第1ホール素子からの出力と、第2ホール素子からの出力とに、約2.5Vのオフセットが発生しており、このままでは除算によって逆正接を算出できないので、それを取り除く処理を行う(ステップ1:以下、ステップをSと記す)。そして、両者間での除算を実行することにより正接を算出した後(S2)、逆正接を算出することにより角度に変換する(S3)。逆正接は−90°〜+90°の角度範囲であるので、角度の不連続が生じる。そこで、不連続点を調整した後に(S4)、分離ローラの駆動時間に基づいて累積回転角度を算出する(S5)。
図22は、給紙ローラ及び分離ローラに劣化がない状態で、給紙分離ニップに対して複数枚の記録シートが重なった状態で送られたときにおける、分離ローラ45bの累積回転角度の変化を示すグラフである。図示のように、給紙ローラ及び分離ローラに劣化がない状態で、給紙分離ニップに対して複数枚の記録シートが重なった状態で送られた場合にも、分離ローラ45bの累積回転角度がプラス側にほぼ単調増加する。
図23は、分離ローラの表面に軽度の劣化がある(給紙ローラは劣化なし)状態で、給紙分離ニップに対して複数枚の記録シートが重なって送られたときにおける、分離ローラ45bの累積回転角度の変化を示すグラフである。図示のように、この場合、図22に比べて、分離ローラ45bの累積回転角度が減少する。
図24は、分離ローラの表面に中程度の劣化がある(給紙ローラは劣化なし)状態で、給紙分離ニップに対して複数枚の記録シートが重なって送られたときにおける、分離ローラ45bの累積回転角度の変化を示すグラフである。図示のように、この場合、分離ローラ45bの累積回転角度が図23のときよりも更に減少する。
図25は、分離ローラの表面に重度の劣化がある(給紙ローラは劣化なし)状態で、給紙分離ニップに対して複数枚の記録シートが重なって送られたときにおける、分離ローラ45bの累積回転角度の変化を示すグラフである。図示のように、この場合、分離ローラ45bの累積回転角度がプラス側からマイナス側に転じる。
図26は、図20、図22〜25の結果をまとめたグラフである。図示のように、分離ローラ45bの累積回転角度は、分離ローラ45bの表面の劣化に伴って減少していき、表面が寿命まで劣化すると、プラス側からマイナス側に転じる。劣化があっても1枚通紙のときには減少せず、且つ複数枚通紙のときでも枚数によって減少量が異なるが、過去の給紙動作10回分など、ある程度の期間の累積回転角度を平均すれば、分離ローラ45bの表面について、どの程度劣化しているのかを予測することが可能である。また、図20〜図25を用いて、分離ローラ45bの表面が劣化した場合における分離ローラ45bの給紙動作1回あたりにおける累積回転角度の挙動について説明したが、給紙ローラ45aの表面が劣化する場合にも、同様にして、劣化進行に伴って分離ローラ45bの累積回転角度が減少していく。
給紙動作1回あたりにおける分離ローラ45bの累積回転角度の減少が分離ローラ45bの劣化に起因している場合、給紙ローラ45aは、最上位の記録シートPを給紙方向に正常に搬送する。このため、最上位の記録シートPの移動速度は、速度センサ120によって一般的な値として検知される。これに対し、給紙ローラ45aの表面が劣化している場合には、給紙ローラ45aと最上位の記録シートとの間でスリップが発生する。そして、最上位の記録シートが良好に給送されなくなるため、速度センサ120は、最上位の記録シートPの移動速度として、比較的低い値を検知するようになる。よって、寿命になる寸前の図24の状態を検知した場合、速度センサ120による検知結果について、一般的な値であるのか、比較的低い値であるのかを見分ければよい。そうすることで、給紙ローラ45a及び分離ローラ45bのうち、何れが寿命寸前まで劣化したのかを特定することができる。
図27は、実施形態に係る劣化判定装置の構成を示すブロック図である。劣化判定装置は、上述した速度センサ120、2つのホール素子(126a,b)、制御部200などから構成されている。制御部200は、演算手段としてのCPU(Central Processing Unit )、記憶手段としてのRAM,ROMなどを備えている。そして、移動量検知手段としてのホール素子(126a,b)からの出力や、シート速度検知手段としての速度センサ120からの出力を、経時的に記憶手段(RAM)に記憶していく。そして、記憶データに基づいて、図21に示したフローを実施して、1回の給紙動作時における分離ローラ45bの累積回転角度(表面移動量)を算出する。更に、算出結果に基づいて、給紙分離ローラ対45について所定の度合いまで進行したと判定した場合には、速度センサ120からの出力記憶履歴に基づいて、最上位の記録シートの移動速度を求めて、何れのローラの劣化によるものなのかを特定することができる。より詳しくは、最上位の記録シートの移動速度が所定の閾値を超えていない場合には、給紙ローラ45aについてもうすぐ寿命に到達するとみなして、給紙ローラ45aの交換をユーザーに促す。これに対し、所定の閾値を超えている場合には、分離ローラ45bについてもうすぐ寿命に到達するとみなして、分離ローラ45bの交換をユーザーに促す。
なお、両方のローラが劣化している場合、まず、給紙ローラ45aの交換が促される。ユーザーがそれに基づいて給紙ローラ45aを交換しても、すぐにローラの劣化が検知され、そのときには分離ローラ45bの劣化が特定されるので、すぐに分離ローラ45bの交換が促される。
また、速度センサ120やホール素子(126a,b)については、被検対象となる複写機に搭載する必要があるが、CPU等からなる判定手段については、必ずしも複写機に搭載する必要はない。図28に示すように、判定手段としてのパーソナルコンピュータと、速度センサやホール素子を搭載した複写機とを、通信回線で接続し、通信回線経由でローラ交換作業をユーザーに促してもよい。また、記録シートを搬送するシート搬送装置としての白紙供給装置40に本発明を適用した例について説明したが、シート搬送装置としてのADF51に本発明を適用することも可能である。この場合、搬送部材たる給紙ベルト84と分離部材たるリバースローラ85との当接によるニップの近傍で、シート状部材たる原稿MSの移動速度を上位側(給紙ベルト側)から検知するように、速度センサを配設する。そして、給紙動作1回あたりにおけるリバースローラ85の累積回転角度と、速度センサによる検知結果とに基づいて、給紙ベルト84やリバースローラ85の劣化度合いを判定すればよい。
次に、実施形態に係る複写機の各変形例について説明する。なお、以下に説明しない限り、各実施例に係る複写機の構成は、実施形態と同様である。
[第1変形例]
第1変形例に係る複写機は、給紙分離ニップの近傍で搬送される記録シートの移動速度を厚み方向の上位側から検知する速度センサの代わりに、記録シートをそれぞれ給紙分離ニップの近傍で検知する2つのシート検知センサを有している。
図29は、第1変形例に係る複写機の給紙分離ニップの周囲構成を示す拡大構成図である。同図において、反射型フォトセンサからなる第2シート検知センサ122は、送出ローラ43に送り出された後、給紙分離ニップに進入する前の記録シートPの先端部を、シート厚み方向の上位側から検知する。また、反射型フォトセンサからなる第1シート検知センサ121は、給紙分離ニップを通過した直後の記録シートPの先端部を、シート厚み方向の上位側から検知する。第2シート検知センサ122によるシート先端部の検知信号や、第1シート検知センサ121によるシート先端部の検知信号は、制御部に送られる。制御部は、それぞれのセンサによるシート先端部検知タイミングの時間差に基づいて、最上位側の記録シートPの移動速度を求める。かかる構成では、第1シート検知センサ121と、第2シート検知センサ122と、制御部との組合せが、シート速度検知手段として機能している。
実施形態に係る複写機のように、光学式イメージセンサからなる速度センサ120によって記録シートPの移動速度を検知するものにおいては、記録紙Pとして光沢紙など、表面平滑性に優れたものが用いられると、シート表面の移動状態を捉え難くなる。このため、記録シートPの移動速度を検知できない場合がでてくるおそれがある。一方、第1変形例に係る複写機のように、2つのシート検知センサによるシート先端部検知タイミングの時間差に基づいて記録シートの移動速度を検出するものにおいては、表面平滑性に優れた記録シートPであっても、その移動速度を確実に検知することができる。
なお、図30は、従来の複写機における給紙分離ニップの周囲構成を示すものであるが、図示のように、第1シート検知センサ121については、給紙分離ニップからのシート不送りを検知させる目的で、従来から設けていた。よって、第1変形例に係る複写機においては、2つのシート検知センサを新設する必要はなく、第2シート検知センサ122だけを新設すれば足りる。一般に、複数の撮像素子を具備する光学式イメージセンサよりも、反射型フォトセンサの方が安価であるので、実施形態に比べて低コスト化を図ることができる。なお、シート検知センサとして、反射型フォトセンサからなるものに代えて、透過型フォトセンサからなるものを用いてもよい。この場合であっても、実施形態に比べて低コスト化を図ることが可能である。
[第2変形例]
第2変形例に係る複写機においては、移動量検知手段として、2つのホール素子及び磁石の組合せを設ける代わりに、ロータリーエンコーダを設けている。
図31は、第2変形例に係る複写機の分離ローラ45bを示す縦断面図である。分離ローラ45bの抜き取り方向(矢印A方向)の端部には、ロータリーエンコーダ128が係合せしめられている。このロータリーエンコーダ128は、周知の技術により、分離ローラ45bの回転角変位を検知する。ロータリーエンコーダ128は、汎用で安価なものが流通しているので、低コストで分離ローラ45bの給紙動作1回あたりにおける累積回転角を検出することができる。
[第3変形例]
第3変形例に係る複写機においては、移動量検知手段として、2つのホール素子及び磁石の組合せを用いる代わりに、分離ローラ45bの回転軸部材に固定された径偏差部材と、該径偏差部材の回転に伴う径変化を所定の回転位置で検知する径変化検知手段としての距離センサとの組合せからなるものを用いている。
図32は、第3変形例に係る複写機の分離ローラ45bを軸線方向の一端部側から示す拡大構成図である。分離ローラ45bの回転軸部材45cの軸線方向における一端部には、扁平な径偏差部材123が固定されている。この径偏差部材123は、厚み方向から眺めると、渦巻き状の外縁形状を呈しており、回転方向における径偏差を具備している。かかる径偏差部材123としては、樹脂部材を成型加工したものを例示することができる。非円形部材123の回転法線方向の近傍には、径変化検知手段としての距離センサ124が配設されている。距離センサ124の一例としては、非円形部材123の側面に向けて光を照射するLEDと、その側面で反射した光の位置を検知するPSD(Position Sensitive Detector)とを搭載したものを例示することができる。かかる距離センサ124を用いると、図33に示すように、分離ローラ45bが逆回転しているときには単調増加の波形が繰り返し得られる一方で、分離ローラ45bが正回転しているときには単調減少の波形が繰り返し得られる。制御部は、この波形に基づいて、給紙動作1回あたりにおける分離ローラ45bの累積回転角度を求める。
かかる構成では、分離ローラ45bに対して非接触でその累積回転角度を検出するので、分離ローラ45bに余計な負荷をかけることによる不具合を解消することができる。なお、径偏差部材123と距離センサ124との組合せを用いる代わりに、回転方向にて回転軸線方向の厚み偏差がある厚み偏差部材と、回転軸部材45cに固定された厚み偏差部材の回転に伴う厚み変化を所定の回転位置で検知する厚み変化検知手段との組合せを用いてもよい。
[第4変形例]
第4変形例に係る複写機においては、移動量検知手段として、2つのホール素子及び磁石の組合せを設ける代わりに、次のような構成のものを設けている。即ち、複数の撮像素子によってそれぞれ分離ローラ表面を所定周期で撮像した結果に基づいて、給紙動作1回あたりにおける分離ローラ45bの総回転角度を検知する構成である。
図34は、第4変形例に係る複写機の分離ローラを軸線方向の一端部側から示す拡大構成図である。分離ローラ45bの側方には、分離ローラ45bの表面を撮像する複数の撮像素子を具備する光学式イメージセンサからなる表面速度センサ129が配設されている。表面速度センサ129からの出力は、図35に示すように、表面線速変化に追従した挙動をとる。制御部は、分離ローラ45b対する駆動信号(駆動時間)に基づいて、出力波形を時間あたりで積分する。そして、その結果に基づいて、給紙動作1回たりにおける分離ローラ45bの総回転角度を求める。
かかる構成では、分離ローラ45bに対して非接触でその累積回転角度を検出するので、分離ローラ45bに余計な負荷をかけることによる不具合を解消することができる。また、表面速度センサからの出力の経時変化を解析することで、分離ローラ45bのスリップの有無を検出して、分離ローラ45bの劣化度合いの判定に役立てることもできる。
[第5変形例]
第5変形例に係る複写機においては、移動量検知手段として、2つのホール素子及び磁石の組合せを設ける代わりに、次のような構成のものを設けている。即ち、分離ローラ45bに連動する磁性体からなる連動ギヤの挙動を半導体磁気抵抗素子によって把握した結果に基づいて、給紙動作1回あたりにおける分離ローラ45bの累積回転角度を検知するものである。
図36は、第5実施例に係る複写機における分離ローラ45bの周囲構成を示す拡大構成図である。同図において、分離ローラ45bの回転軸部材45cに回転した駆動受入ギヤ133は、アイドラギヤ141に噛み合っている。そして、このアイドラギヤ141は、磁性体からなる連動ギヤ142に噛み合っている。図から容易に理解できるように、連動ギヤ142は、分離ローラ45bに連動して回転する。この連動ギヤ142の側方には、ギヤ歯先に所定の間隙を介して対向する磁気抵抗素子対143が配設されている。また、この磁気抵抗素子対143の両側方のうち、連動ギヤ142側とは反対側の側方には、磁石144が連動ギヤ142の歯先と所定の間隙を介して対向するように配設されている。
磁気抵抗素子は、磁界の強さに比例して抵抗値を変化させる磁電変換素子である。この磁気抵抗素子の磁気検知面側で磁性体を移動させると、磁気抵抗素子と磁束の相互作用で磁性体からなる連動ギヤ142の歯部の接近と離間に対応した正弦波状の出力が得られる。かかる磁気抵抗素子を2つ組み合わせ、一方を歯先に他方を歯底に向かうように配設したものが磁気抵抗素子対143である。一方の磁気抵抗素子が正弦波を出力し、他方の磁気抵抗素子が余弦波を出力するので、2つのホール素子からの出力を利用する実施形態と同様に、分離ローラ45bの累積回転角度を検出することができる。分離ローラ45bと連動する部材の挙動に基づいて、分離ローラ45bの累積回転角度を検出することが可能である。連動部材については、プレス加工やホブ加工によって安価に製造することが可能である。
図示のように、分離ローラ45bから離れた位置で分離ローラ45bと連動する部材の挙動に基づいて分離ローラ45bの累積回転角度を検出するので、分離ローラ45bの周囲にセンサを配設する空スペースがない場合でも、空スペースを無理につくり出すことなく、累積回転角度を検出することが可能である。また、分離ローラ45bから比較的離れた位置にすることで、半導体磁気抵抗素子対143と、磁性体からなる連動部材とのギャップ調整を容易にすることもできる。
なお、半導体磁気抵抗素子対143を利用して構成に、連動部材の挙動に基づいて分離ローラ累積回転角度を検知する構成を組み合わせた例について説明したが、後者の構成をホール素子、厚み偏差部材、径変化部材、又は表面速度センサを用いる構成と組み合わせることも可能である。ホール素子を用いる構成と組み合わせた場合には、分離ローラ45bに磁石を固定しなくなったことで、分離ローラ45bの交換時に磁石も交換してしまうことによる無駄なコスト消費を回避することができる。また、表面速度センサを用いる構成と組み合わせた場合には、表面移動の検出に有利な表面性の部材を被検対象として、検知精度を向上させることが可能になる。
以上、実施形態に係る複写機においては、シート速度検知手段として、複数の撮像素子によってそれぞれシート表面を所定周期で撮像した結果に基づいて記録シートPの移動速度を検知する速度センサ120を用いている。かかる構成では、既に説明したように、撮像素子のマトリクスを給紙方向に対して45[°]傾けて姿勢で速度センサ120を配設することで、記録シートのスキューを高精度に検出することが可能になる。
また、第1変形例に係る複写機においては、シート速度検知手段として、シート搬送経路に沿って所定の距離おいて配設された第1シート検知センサ121及び第2シート検知センサ122(シート先端検知部)を具備するものであって、且つそれぞれによるシート先端検知タイミングの時間差に基づいて、記録シートPの移動速度を検知するものを用いている。かかる構成では、既に説明したように、表面平滑性に優れた記録シートPであっても、その移動速度を確実に検知することができる。
また、実施形態に係る複写機においては、移動量検知手段として、分離ローラ45bに固定された磁石125の磁石の挙動をホール素子(126a,b)によって把握した結果に基づいて、分離ローラ45bの表面移動量を示す累積回転角度を検知するもの、を用いている。かかる構成では、既に説明したように、分離ローラ45bに対して負荷をかけることなく、分離ローラ45bの累積回転角度を検知することができる。なお、分離部材として、分離ローラ45bの代わりに、無端状の分離ベルトを用いることも可能である。この場合、分離ベルトを支持するベルト支持ローラに磁石を固定すればよい。
また、実施形態に係る複写機においては、ホール素子(126a,b)の配置位置が、分離ローラ45bの全領域のうち、分離ローラ45bを複写機筺体内に差し込んで装着する際の差し込み方向における下流側端部付近(矢印A方向とは反対側の端部付近)の領域にホール素子を対向させる位置になっている。かかる構成では、筺体内における分離ローラ45bの抜き取り経路を、ホール素子や他の部材が何もない空きスペースにして、分離ローラ45bの抜き取り作業の容易化を図ることができる。
また、第5変形例に係る複写機においては、移動量検知手段として、分離ローラ45bに連動する磁性体からなる連動ギヤ142の挙動を半導体磁気抵抗素子対143によって把握した結果に基づいて、分離ローラ45bの累積回転角度を検知するもの、を用いている。かかる構成においても、分離ローラ45bに負荷をかけることなく、分離ローラ45bの累積回転角度を検知することができる。なお、分離ローラ45bの回転軸部材45cに磁性体からなる磁性体ギヤを固定し、この磁性体ギヤの挙動を半導体磁気抵抗素子対143に検知させるようにしてもよい。
また、第3変形例に係る複写機においては、移動量検知手段として、回転方向にて半径偏差がある径偏差部材123と、分離ローラ45bの回転軸部材45cに固定された径偏差部材123の回転に伴う径変化を所定の回転位置で検知する径変化検知手段たる距離センサ124とを具備し、回転に伴う径変化に基づいて分離ローラ45bの累積回転角度を検知するもの、を用いている。かかる構成においても、分離ローラ45bに負荷をかけることなく、分離ローラ45bの累積回転角度を検知することができる。なお、分離ローラ45bの代わりに、分離ベルトを用いる場合には、ベルト支持ローラに径偏差部材123を固定すればよい。
また、第4変形例に係る複写機においては、移動量検知手段として、複数の撮像素子によってそれぞれ分離ローラ45bの表面を所定周期で撮像した結果に基づいて分離ローラ45bの累積回転角度を検知するもの、を用いている。かかる構成においても、分離ローラ45bに負荷をかけることなく、分離ローラ45bの累積回転角度を検知することができる。更には、表面速度センサからの出力の経時変化を解析することで、分離ローラ45bのスリップの有無を検出して、分離ローラ45bの劣化度合いの判定に役立てることもできる。
また、第5変形例に係る複写機においては、径偏差部材123を、分離ローラ45bの回転に連動する連動ギヤ142に固定している。かかる構成では、分離ローラ45bの周囲にセンサを配設する空スペースがない場合でも、空スペースを無理につくり出すことなく、累積回転角度を検出することができる。
40:白紙供給装置(シート搬送装置)
42:給紙カセット(シート収容手段)
43:送出ローラ(送出手段)
45:給紙分離ローラ対(部材対)
45a:給紙ローラ(搬送部材)
45b:分離ローラ(分離部材)
51:ADF(シート搬送装置)
120:速度センサ(シート速度検知手段)
126a:第1ホール素子(移動量検知手段)
126b:第2ホール素子(移動量検知手段)
200:制御部(判定手段)
特許第3048685号公報

Claims (13)

  1. 自らの移動する表面をシート状部材のおもて面に接触させて該シート状部材を所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、
    該搬送部材に当接してニップを形成しながら、該ニップで自らの表面を該搬送方向とは逆方向に移動させるように駆動手段によって駆動され、該ニップに対して複数枚重なった状態で送り込まれたシート状部材のうち、最下位に位置するシート状部材である最下位シートに接触させた自らの表面の該逆方向に移動させることで、複数枚に重なったシート状部材を1枚ずつに分離する分離部材と、
    該ニップ内の該分離部材の表面に対して該搬送方向に沿った力が所定のトルクを超えてかかると、該駆動手段から該分離部材への駆動力の伝達を解除して、該分離部材の表面を該搬送部材の表面に追従させて該搬送方向に移動させる伝達解除機構と、
    該ニップに向けてシート状部材を送り込む送込手段とを具備するシート搬送装置における該搬送部材及び分離部材を判定対象とし、
    該分離部材の表面移動量を検知する移動量検知手段を備え、該移動量検知手段による検知結果に基づいて、該搬送部材及び分離部材からなる部材対の劣化度合いを判定する判定手段を備える劣化判定装置において、
    シート状部材の移動速度をシートおもて面側から検知するシート速度検知手段を設けるとともに、
    上記移動量検知手段による検知結果に基づいて、上記部材対について所定の度合いまで進行したと判定した場合に、該部材対における上記搬送部材及び分離部材のうち、何れが所定の度合いまで劣化したのかを、該シート速度検知手段による検知結果に基づいて判定する処理を実施するように、上記判定手段を構成したことを特徴とする劣化判定装置。
  2. 請求項1の劣化判定装置において、
    上記シート速度検知手段として、複数の撮像素子によってそれぞれシート表面を所定周期で撮像した結果に基づいてシート状部材の移動速度を検知するものを用いたことを特徴とする劣化判定装置。
  3. 請求項1の劣化判定装置において、
    上記シート速度検知手段として、シート搬送経路に沿って所定の距離おいて配設される少なくとも2つのシート先端検知部を具備するものであって、且つそれぞれのシート先端検知部によるシート先端検知タイミングの時間差に基づいて、シート状部材の移動速度を検知するものを用いたことを特徴とする劣化判定装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかの劣化判定装置において、
    上記分離部材として、回転軸を中心にして回転する分離ローラ、あるいは、回転軸を中心にして回転するベルト支持ローラに掛け回されて無端移動せしめられる無端状の分離ベルト、を用いたことを特徴とする劣化判定装置。
  5. 請求項4の劣化判定装置において、
    上記移動量検知手段として、上記分離ローラ又はベルト支持ローラ、に固定された磁石の挙動をホール素子によって把握した結果に基づいて、該分離ローラ又は上記分離ベルトの表面移動量を検知するもの、を用いたことを特徴とする劣化判定装置。
  6. 請求項5の劣化判定装置であって、
    上記シート搬送装置の筺体内における上記ホール素子の配置位置が、上記分離ローラ又はベルト支持ローラの全領域のうち、該分離ローラ又はベルト支持ローラを該筺体内に差し込んで装着する際の差し込み方向における下流側端部付近の領域に該ホール素子を対向させる位置であることを特徴とする劣化判定装置。
  7. 請求項4の劣化判定装置において、
    上記移動量検知手段として、上記分離ローラ又はベルト支持ローラに固定された磁性体の挙動を半導体磁気抵抗素子によって把握した結果に基づいて、該分離部材又は上記分離ベルトの表面移動量を検知するもの、を用いたことを特徴とする劣化判定装置。
  8. 請求項4の劣化判定装置において、
    上記移動量検知手段として、回転方向にて回転軸線方向の厚み偏差がある厚み偏差部材、又は回転方向にて半径偏差がある径偏差部材と、上記分離ローラ又はベルト支持ローラの回転軸に固定された該厚み偏差部材の回転に伴う厚み変化を所定の回転位置で検知する厚み変化検知手段、あるいは該回転軸に固定された該径偏差部材の回転に伴う径変化を所定の回転位置で検知する径変化検知手段とを具備し、該厚み変化又は径変化に基づいて該分離部材又は上記分離ベルトの表面移動量を検知するもの、を用いたことを特徴とする劣化判定装置。
  9. 請求項4の劣化判定装置において、
    上記移動量検知手段として、複数の撮像素子によってそれぞれ上記分離ローラ又は分離ベルトの表面を所定周期で撮像した結果に基づいて該分離ローラ又は分離ベルトの表面移動量を検知するもの、を用いたことを特徴とする劣化判定装置。
  10. 請求項5、6、7又は8の劣化判定装置において、
    上記磁石、磁性体、厚み偏差部材又は径偏差部材を、上記分離ローラやベルト支持ローラの代わりに、該分離ローラ又はベルト支持ローラの回転に連動する連動部材に固定したことを特徴とする劣化判定装置。
  11. 自らの移動する表面をシート状部材のおもて面に接触させて該シート状部材を所定の搬送方向に搬送する搬送部材と、
    該搬送部材に当接してニップを形成しながら、該ニップで自らの表面を該搬送方向とは逆方向に移動させるように駆動手段によって駆動され、該ニップに対して複数枚重なった状態で送り込まれたシート状部材のうち、最下位に位置するシート状部材である最下位シートに接触させた自らの表面の該逆方向に移動させることで、複数枚に重なったシート状部材を1枚ずつに分離する分離部材と、
    該ニップ内の該分離部材の表面に対して該搬送方向に沿った力が所定のトルクを超えてかかると、該駆動手段から該分離部材への駆動力の伝達を解除して、該分離部材の表面を該搬送部材の表面に追従させて該搬送方向に移動させる伝達解除機構と、
    該分離部材の表面移動量を検知する移動量検知手段による検知結果に基づいて、該搬送部材及び分離部材からなる部材対の劣化度合いを判定する劣化判定手段とを備えるシート搬送装置において、
    上記劣化判定手段として、請求項1乃至10の何れかの劣化判定装置を用いたことを特徴とするシート搬送装置。
  12. 記録シートに画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段に向けて記録シートを搬送するシート搬送手段とを備える画像形成装置において、
    上記シート搬送手段として、請求項11のシート搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  13. 原稿シートの画像を読み取る画像読取手段と、該画像読取手段に向けて原稿シートを搬送するシート搬送手段とを備える画像読取装置において、
    上記シート搬送手段として、請求項11のシート搬送装置を用いたことを特徴とする原稿読取装置。
JP2009056261A 2009-03-10 2009-03-10 劣化判定装置、シート搬送装置、画像形成装置及び画像読取装置 Pending JP2010208795A (ja)

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