JP2010202096A - 操舵制御装置 - Google Patents

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雅人 松岡
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Abstract

【課題】動作遅れが極力低減された、連結反応速度の良好なクラッチを有する操舵制御装置を提供する。
【解決手段】入力軸1と出力軸4の接続を断続するクラッチ11を備えた操舵制御装置において、クラッチ11を、出力軸4に一体形成された外輪12と、該外輪12の内周に固定され、内周に複数のカム部20を有するカム部材13と、該カム部材13に連結され、周方向において複数のローラ16を保持するリテーナ15と、入力軸1に固定され、外輪12に対して相対回転可能に設けられた内輪14と、リテーナ15に連係され、該リテーナ15の入力軸1との相対回転について許容と規制とを切り換える切換手段17と、によって構成し、リテーナ15の外周に、カム部材13に対するリテーナ15の偏心を規制するバルジ部23,23を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば車両に適用されるいわゆるステア・バイ・ワイヤ方式の操舵制御装置であって、とりわけ、入力軸と出力軸の接続を断続するクラッチの構造に特徴を有する操舵制御装置に関する。
車両に適用される2軸の接続を断続する従来のクラッチとしては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
概略を説明すれば、このクラッチは、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)の駆動方式をベースとした4輪駆動車においてホイールに対する前輪駆動軸の駆動力の伝達及び遮断の切り換えを行う2方向クラッチであって、前輪駆動軸の端部に連結された等速ジョイントのステム軸と各前輪との間に配設されている。
そして、この2方向クラッチは、前輪のハブに連結された円筒状の外輪と、該外輪の内周側にこの外輪に対し相対回転可能に設けられ、かつ、ステム軸に一体回転可能に連結され、外輪の内周面に対向する6つの平面からなるカム面を外周に有する六角柱状の内輪と、外輪と内輪との間に介装され、内輪にほぼU字形状をなす弾性変形可能なスイッチばねを介して連結された円筒状のリテーナと、該リテーナにおいて周方向へ等間隔にそれぞれ自転可能に設けられ、内輪のカム面における幅方向の中央部に当接すると共に外輪の内周面に対して所定の径方向隙間を介して離間するように配置された6つのローラと、外輪とリテーナの相対回転について許容と規制とを切り換える電磁石によって構成された切換手段と、を備えており、2輪駆動(後輪駆動)を維持する場合には、前記切換手段により外輪とリテーナの相対回転が許容され、前輪駆動軸の駆動力が各前輪に伝達されないようになっている。
一方、4輪駆動に変更する場合には、前記切換手段によって外輪とリテーナの相対回転が規制されることから、外輪に対して内輪が相対回転しようとすると、内輪とリテーナが相対回転して、ローラが外輪の内周面と内輪のカム面の幅方向端部との間に挟み込まれることとなる。これによって、外輪と内輪とが連結され、前輪駆動軸とハブとが連結される結果、前輪駆動軸の駆動力が各前輪に伝達されるようになっている。
特開2000−326750号公報
しかしながら、前記従来のクラッチにあっては、前記リテーナがほぼU字形状の撓み変形可能なスイッチばねを介して周方向において大きく偏った2個所の支持点のみによって内輪に支持され、当該リテーナと内輪との間にスイッチばねの撓み変形に基づく比較的大きなあそびが生じる構造となっている。このため、前記あそびに基づくリテーナの回動、つまり、ローラの周方向移動によって当該ローラが不用意に外輪と内輪の間に挟み込まれることがないよう、ローラと外輪の前記径方向隙間を十分に確保する必要がある。このことから、外輪と内輪とを連結させる際のローラの周方向移動距離、すなわち、ローラが外輪と内輪の間に挟み込まれるまでのリテーナの回転角度が大きくなってしまい、当該外輪と内輪との連結時において動作遅れが発生してしまうという問題があった。
本発明は、前記従来のクラッチの技術的課題に鑑みて案出されたものであり、動作遅れが極力低減された、連結反応速度の良好なクラッチを有する操舵制御装置を提供することを目的としている。
本願発明は、ステアリングホイールに接続された入力軸と、転舵輪に連係するように設けられた出力軸と、前記転舵輪に操舵力を付与するアクチュエータと、前記入力軸と前記出力軸の断続を制御するクラッチと、を備え、前記クラッチが、前記出力軸に設けられたほぼ円筒状の外輪と、前記外輪の内周側に該外輪に対して相対回転可能に設けられると共に、前記入力軸に一体回転可能に連結されたほぼ円柱状の内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介装され、前記外輪及び内輪に対して相対回転可能に設けられたほぼ円筒状のリテーナと、前記外輪の内周側において径方向外側へ凹状となるように周方向に複数設けられ、それぞれの周方向中央部から各周方向端部側へ向かって前記内輪の外周面との径方向距離が漸次接近するように構成してなる一対のカム面をそれぞれ有するカム部と、前記リテーナにおいて周方向に複数設けられたローラ保持部にそれぞれ回転自在に保持されると共に、前記入力軸に対して直角方向となる断面が円形状であり、かつ、該断面において前記両カム面と前記内輪の外周面との間の径方向最短距離よりも大径となる直径に設定された複数のローラと、前記外輪と前記リテーナの間に設けられ、前記カム部の周方向中央部と前記ローラとが径方向において重合するように前記外輪に対しての前記リテーナの回転方向位置を弾性的に保持する弾性保持機構と、前記リテーナに設けられ、前記外輪に対しての前記リテーナの偏心を規制するセンタリング機構と、前記リテーナに連係され、該リテーナの前記入力軸との相対回転について許容と規制とを切り換える切換手段と、を有することを特徴としている。
この発明によれば、前記センタリング機構によって外輪に対するリテーナの偏心が規制されることから、両カム面に対する各ローラの位置精度が向上する。このため、前記切換手段によりリテーナと入力軸の相対回転が規制された状態(以下、「クラッチ連結状態」という。)において、各ローラが不用意に各カム面と内輪の外周面の間に挟み込まれるおそれがなくなる。この結果、クラッチ連結状態における操舵時の、各ローラが各カム面と内輪の外周面との間に挟み込まれるまでの時間を、最大限に短縮することが可能となる。これによって、クラッチの動作遅れが極力低減され、連結反応速度が良好なクラッチを有する操舵制御装置を得ることができる。
本発明の操舵制御装置の構成を示す概略図である。 図1のA部の詳細を示す縦断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図2のC−C線断面図である。 図3の要部拡大図である。 リテーナ単体を示す斜視図である。 クラッチの非連結状態を示す当該クラッチ近傍の縦断面図である。 クラッチの連結状態を示す当該クラッチ近傍の縦断面図である。 入力軸と出力軸がロックされた状態を説明するための要部拡大断面図である。
以下に、本発明に係る操舵制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳述する。なお、当該実施の形態では、この操舵制御装置を自動車用のステアリング装置として適用した例を示している。
この操舵制御装置は、図1に示すように、ステアリングホイールSWと転舵輪WL,WRとが分離して構成されたいわゆるステア・バイ・ワイヤ式のステアリング装置であって、一端がステアリングホイールSWに連結された入力軸1と、該入力軸1にそれぞれ設けられ、ステアリングホイールSWに入力された操舵角及び操舵トルクを検出する操舵角センサ2及びトルクセンサ3と、該操舵角センサ2及びトルクセンサ3のほか、図外の車速センサ等の各種センサからの情報を演算して後記の操舵力発生モータ駆動回路6等に制御信号を付与する制御手段であるECU10と、入力軸1の他端側にて当該入力軸1と相対回転可能に突き合わせ状態に配置され、一端が例えばラック・ピニオン機構等、所定の転舵機構5を介して転舵輪WL,WRに連係された出力軸4と、該出力軸4に所定の減速機を介して連係され、操舵角センサ2の検出値に基づくECU10からの制御信号により操舵力発生モータ駆動回路6によって駆動される本発明のアクチュエータである操舵力発生モータ7と、入力軸1と出力軸4の間に介装され、通常は両者1,4の接続を遮断し、当該操舵制御システムに異常が発生した場合に両者1,4を接続する、といったいわゆるフェールセーフ手段としての役割を果たすクラッチ11と、から主として構成されている。
すなわち、前記操舵制御装置は、当該操舵制御システムが正常である場合は、クラッチ11が非連結状態となり、ステアリングホイールSWから入力された操舵角、つまり、操舵角センサ2の検出値に基づき前記操舵角に応じた転舵角がECU10によって演算され、該ECU10の制御信号に基づき操舵力発生モータ駆動回路6が操舵力発生モータ7を駆動することにより、該操舵力発生モータ7の駆動力をもって転舵機構5を介して転舵輪WL,WRが転舵される。
一方、操舵制御システムに異常が生じた場合には、クラッチ11が連結状態となって入力軸1と出力軸4が連結された状態となることから、ステアリングホイールSWから入力された操舵角分だけ出力軸4が回転することで、該出力軸4の回転をもって転舵機構5を介して転舵輪WL,WRが転舵される。なお、この際、ステアリングホイールSWからの入力、つまり、操舵角や操舵トルクに応じて運転者の操舵力を補助する操舵補助トルクが転舵機構5に付与されることとなる。すなわち、当該クラッチ11の連結状態においては、出力軸4は、運転者によるステアリングホイールSWからの入力と前記操舵力発生モータ7の駆動力とに基づいて回転し、該両回転力をもって操舵機構5を介して転舵輪WL,WRが転舵されることとなる。
また、前記入力軸1には、さらに、トルクセンサ3の検出値に基づくECU10からの制御信号により反力発生モータ駆動回路8によって駆動される反力発生モータ9が所定の減速器を介して連係されていて、前記クラッチ11が連結されていない状態で操舵が行われたときに、ステアリングホイールSWと転舵輪WL,WRが機械的にリンクされた通常のステアリング装置をもって操舵を行う場合に転舵輪WL,WRが路面から受けるいわゆる操舵反力と同等の反力をステアリングホイールSWに擬似的に付与することで、前記通常のステアリング装置と同様の操舵フィーリングを運転者に与えることを可能としている。
前記クラッチ11は、いわゆるローラ式のツーウェイクラッチであって、図2に示すように、出力軸4の他端部にほぼ円筒状に形成された外輪12と、該外輪12の内周に圧入固定され、外輪12の内周側において複数のカム部20を構成するほぼ円筒状のカム部材13と、該カム部材13の内周側に当該カム部材13と相対回転可能に収容配置され、入力軸1の他端部外周にキー18を介して固定された内輪14と、該内輪14とカム部材13との径方向間に介装され、その外周部に突設された後記の複数の弾性保持部24を介してカム部材13に連結されたほぼ円筒状のリテーナ15と、該リテーナ15の周壁に設けられた後記の複数のローラ保持部15a内にてそれぞれ回転自在に保持された複数のローラ16と、リテーナ15に連係され、通電又は非通電によって入力軸1とリテーナ15との相対回転を許容又は規制する切換手段17と、から主として構成されている。
前記外輪12は、入力軸1の他端部外周を囲繞するように出力軸4の他端部に一体に拡径形成され、当該外輪12内周の軸方向全体にわたってカム部材13が収容されている。さらに、外輪12の内周側となる出力軸4の他端側内周には、筒状の軸受収容部4aが設けられていて、該軸受収容部4a内に軸方向へ沿って直列配置された2つの軸受B1,B2によって入力軸1の他端が回転自在に支持されている。
前記カム部材13は、その内周に、図3に示すような径方向外側に向かって横断面ほぼV字形状に窪む6つのカム部20が、周方向へ等間隔(60°間隔)に、かつ、軸方向全体に亘って設けられている。つまり、これらのカム部20は、図5に示すように、それぞれ周方向中央部20aが最も深く窪んでいて、この周方向中央部20a側からそれぞれの周方向端部側へ向かって内輪14の外周面14aとの径方向距離が漸次接近するように構成してなる一対のカム面21,21をそれぞれ有している。これらの各カム面21,21は、ほぼ平坦状に形成されていて、前記周方向中央部20a側となる一端部21a,21a側において前記各ローラ16との間にそれぞれ隙間C,Cが形成されるように、かつ、他端部21b,21bにおける内輪14の外周面14aとの径方向距離L,Lが前記各ローラ16の外径よりもそれぞれ小さくなるように設定されている。なお、前記各カム面21,21の傾斜角については、カム部材13や各ローラ16の材質に応じて、つまり、該各ローラ16の保持に要する摩擦力に応じて自由に設定することができる。また、前記各カム部20には、リテーナ15の前記各弾性保持部24に対応する軸方向位置であって当該各カム部20の周方向中央部20aに、図4に示すような前記各弾性保持部24がそれぞれ係合する横断面ほぼ矩形状の係合溝22が切欠形成されている。
前記リテーナ15は、いわゆるばね鋼によって形成されたもので、図2及び図6に示すように、軸方向のほぼ全体が外輪12及びカム部材13と径方向において重合するように配置されている。そして、このリテーナ15は、組み付け状態にて内輪14と径方向において重合する位置に、その周壁を矩形窓状に刳り抜いてなる6つのローラ保持部15aが、カム部材13の前記各カム部20に対応するようにして周方向へ等間隔に設けられており、当該各ローラ保持部15a内において前記各ローラ16を回転自在に保持している。
また、前記リテーナ15には、前記各ローラ保持部15aの軸方向両側に、当該リテーナ15の周壁を外方へ突出変形させることで本発明のセンタリング機構を構成するバルジ部23,23がそれぞれ周方向に沿って連続して設けられており、該各バルジ部23,23は、リテーナ15がカム部材13に組み付けられた状態において、それぞれの頂部23a,23aがカム部材13の内周面13aに対して弾接するように構成されている。すなわち、これら両バルジ部23,23によってリテーナ15がカム部材13の内周側において偏心規制(センタリング)され、当該リテーナ15がカム部材13と同心状態に保持されるようになっている。ここで、前記両バルジ部23,23は、リテーナ15と一体に形成されているため、良好な加工精度を得て当該リテーナ15の前記偏心規制効果の向上に供されると共に、部品点数の削減によるクラッチ11の製造コストの低廉化にも供される。
さらに、前記リテーナ15には、その一端部である入力軸1側の端部に後記のクラッチディスク29を収容保持するディスク保持部15bが拡径形成されていて、該ディスク保持部15bと当該リテーナ15の一端側のバルジ部22との間であってカム部材13の前記各カム部20に対応する位置、つまり、前記各係合溝22に対応する位置に、その周壁をほぼ矩形状に切り起こしてなる6つの弾性保持部24が周方向へ等間隔に突設されている。そして、特に図4に示すように、これらの弾性保持部24が前記各係合溝22にそれぞれ係合することで、当該リテーナ15がカム部材13に対して係合固定されると共に、該カム部材13に対する当該リテーナ15の周方向の位置決めが行われるようになっている。ここで、前記各弾性保持部24は、リテーナ15と一体に形成されているため、良好な加工精度を得て当該リテーナ15の位置決め精度の向上が図れると共に、部品点数の削減によるクラッチ11の製造コストの低廉化にも供される。
前記各ローラ16は、図5に示すように、ほぼ円柱状に形成されていて、その外径が、前記各径方向距離L,L、つまり、カム部材13の前記両カム面21,21と内輪14の外周面14aとの径方向最短距離よりも大径に設定されている。すなわち、これら各ローラ16は、入力軸1とリテーナ15との相対回転が規制された場合、つまり、両者1,15が一体回転する場合において、リテーナ15がカム部材13に対して相対回転した際に、図9に示すように、該カム部材13の一方側のカム面21と内輪14の外周面14aとの間に挟み込まれるようになっている。さらに、前記各ローラ16は、その組み付け状態において内輪14と常時当接するように構成されており、この内輪14が回転する際は、自転することによって内輪14の回転を促すようになっている。
前記切換手段17は、図2に示すように、リテーナ15の一端側に突き合わせるように直列配置され、入力軸1の他端側外周に固定されたほぼ円筒状の磁性材からなるロータ25と、該ロータ25の一端側である反リテーナ15側の内周部にほぼ環状に形成されたコイル収容部25aに収容されると共にECU10に接続されたコイルユニット26と、ロータ25の他端壁25bや後記のアーマチュア28における周方向の所定位置にそれぞれビスによって取り付けられ、該ロータ25の他端側へ付勢力を発揮する複数の板ばね27と、該各板ばね27を介してロータ25に連結され、該ロータ25の他端側に直列状態に配置されたほぼ円板状の磁性材からなるアーマチュア28と、該アーマチュア28の外側面28aと突き合わせるように直列配置され、リテーナ15の前記ディスク保持部15bに収容保持されたほぼ円板状のいわゆる摩擦材からなるクラッチディスク29と、から主として構成されている。
そして、この切換手段17は、コイルユニット26に励磁電流が通電されていない状態では、当該コイルユニット26の周りに磁界は形成されず、図8に示すように、前記各板ばね27の付勢力によってアーマチュア28の外側面28aがクラッチディスク29の外側面29aに圧接することとなり、その結果、両者17,28間に発生する摩擦力によって入力軸1に対してリテーナ15が連れ回るように入力軸1とリテーナ15とが一体回転するようになる。一方、コイルユニット26に励磁電流が通電された状態では、当該コイルユニット26の周りに磁界が発生して、ロータ25とアーマチュア28とによって磁路が形成されることから、図7に示すように、アーマチュア28がロータ25側へと吸引され、該吸引力に基づいてアーマチュア28が前記各板ばね27の付勢力に抗してロータ25の他端壁25bに当接することで、アーマチュア28がクラッチディスク29から離間することとなり、その結果、リテーナ15が入力軸1に対して相対回転するようになる。
以下、本実施形態に係る前記操舵制御装置の特徴的な作用、すなわち、前記クラッチ11の特徴的な作用につき、図5及び図7〜図9に基づいて説明する。
まず、前記操舵制御装置の操舵制御システムが正常に機能している場合には、ECU10からコイル26に励磁電流が通電されて、図7に示すように、クラッチ11が非連結状態となる。この状態で、運転者が操舵操作を行った場合、ステアリングホイールSWと共に入力軸1と内輪14とが一体回転する一方で、外輪12及びこれと一体に構成されたカム部材13及びリテーナ15は、図5に示すように、前記入力軸1の回転には随伴せずに、リテーナ15に保持された前記各ローラ16が自転することで、内輪14が空転することとなる。これにより、前記入力軸1の回転は出力軸4には伝達されず、前述のように、当該入力軸1の回転角に基づく転舵角が操舵力発生モータ7のみから与えられることとなる。
一方、前記操舵制御装置の操舵制御システム、特に電気系に異常が発生した場合は、ECU10からコイル26への励磁電流が遮断され、図8に示すように、クラッチ11が連結状態となる。この状態で、運転者が操舵操作を行った場合には、ステアリングホイールSWと共に入力軸1と内輪14とが一体回転する一方、この入力軸1の回転に随伴してリテーナ15が回転することとなる。
このとき、前記操舵トルク、つまり、ステアリングホイールSWから入力された回転トルクが前記各弾性保持部24の弾性変形に基づく反力よりも小さい場合は、該各弾性保持部24の反力をもって入力軸1の回転トルクがリテーナ15を介して外輪12と一体に構成された出力軸4に伝達されることとなる。すなわち、かかる場合には、入力軸1と内輪14とリテーナ15及びこれに連係する外輪12等とが一体に回転することとなり、前記各ローラ16は、前記カム面21と内輪14の外周面14aとの間に挟み込まれることなく、前記各カム部20の周方向中央部20aに存置される。換言すれば、前記操舵トルクがリテーナ15の前記各弾性保持部24の反力よりも小さい場合、外輪12と内輪14とは連結されることなく、入力軸1の回転は、前記各弾性保持部24の反力によりリテーナ15を介して出力軸4に伝達されることとなる。そして、このようにして入力軸1から出力軸4に伝達された前記操舵トルクと当該操舵トルクに応じて操舵力発生モータ7から付与される操舵補助トルクとによって、転舵輪WL,WRが転舵されることとなる。
また、前記操舵トルクが前記各弾性保持部24の反力よりも大きい場合には、外輪12と内輪14とリテーナ15との間に相対回転が発生し、図9に示すように、当該相対回転に伴い前記各ローラ16が前記各カム部20の周方向中央部20aから操舵方向に対応するカム面21側へ移動して、このカム面21と内輪14の外周面14aとの間に前記各ローラ16が挟み込まれることとなる。これにより、外輪12と内輪14とがロックされて一体に回転することとなり、この結果、前記操舵トルクが前記各ローラ16を介して直接的に出力軸4へと伝達されることとなる。そして、前記と同様に、入力軸1から出力軸4に伝達された前記操舵トルクと当該操舵トルクに応じて操舵力発生モータ7から付与される操舵補助トルクとによって、転舵輪WL,WRが転舵されることとなる。
このように、本実施形態に係る操舵制御装置によれば、前記クラッチ11において、前記両バルジ部23,23により外輪12と一体的に設けられるカム部材13に対してのリテーナ15の偏心が規制されて、カム部材13に対するリテーナ15の同軸が確保されていることから、当該クラッチ11の連結状態において、リテーナ15がカム部材13に対して不用意に相対移動してしまうおそれがなく、この結果、リテーナ15に保持される前記各ローラ16が前記各カム面21と内輪14の外周面14aとの間に不用意に挟み込まれてしまうおそれがない。このため、当該クラッチ11では、かかるリテーナ15の偏心規制を行うことにより、前記各カム面21,21の一端部21a,21a側における前記各ローラ16との各隙間C,Cをより小さく設定する、換言すれば、前記各隙間C,Cを最小限に抑えることが可能となっている。この結果、図9に示すように、当該クラッチ11の連結状態において入力軸1と出力軸4とをロックさせるまでのリテーナ15の回動角度θを極力小さく、つまり、前記各ローラ16の各移動距離rを極力少なく設定することができることから、当該クラッチ11の動作遅れを最小限に抑えて、連結反応速度の良好なクラッチを有する操舵制御装置を得ることができる。
また、前記クラッチ11の場合、前記両バルジ部23,23が前記各ローラ保持部15aの軸方向両側に配置されていることから、リテーナ15の倒れを効果的に抑制することができる。これにより、カム部材13に対するリテーナ15の同軸がより効果的に維持される。
さらに、前記両バルジ部23,23は、前記リテーナ15の周方向に沿って連続して設けられていることから、周方向全範囲において均等にリテーナ15の偏心規制を行うことができる。これにより、カム部材13に対するリテーナ15の偏心規制効果の向上に供される。
しかも、前記両バルジ部23,23は、縦断面ほぼ三角形状に形成されて、カム部材13の内周面13aに対する接触がその頂部23a,23aによる線接触となっていることから、カム部材13に対するリテーナ15の相対回転時の摺動抵抗を極力低減することができ、クラッチ11の作動に悪影響を及ぼすおそれもなく、当該クラッチ11の良好な作動が得られる。
また、前記リテーナ15には、前記6つの弾性保持部24が周方向へ等間隔に設けられていることから、これら各弾性保持部24によってもカム部材13に対するリテーナ15の偏心規制に供されると共に、これら各弾性保持部24によってカム部材13に対するリテーナ15の周方向位置についても安定して保持することができる。この結果、カム部材13に対するリテーナ15の偏心規制効果についてのさらなる向上が図れる。
しかも、前記各弾性保持部24は、その弾性により、カム部材13に対するリテーナ15の相対回転についても、入力軸1と出力軸4をロックするために十分な相対回転作動を得ることが可能となっている。このため、リテーナ15についての高い位置保持効果を確保しつつも、前記両軸1,4のロック動作に悪影響を及ぼすおそれもない。
さらに、前記リテーナ15には、前記ディスク保持部15bが一体に設けられていることから、クラッチディスク29を回転自在に支持するための軸受等の構成部品が不要となるため、クラッチ11の組み付け性の向上が図れると共に、該クラッチ11の製造コストの低廉化にも供される。
また、前記クラッチ11の場合、カム部材13の前記各カム面21,21の傾斜角度を変更することにより、該各カム面21,21に対する前記各ローラ16の進入(当接)角度を変更することができる。これにより、前記各ローラ16がカム面21と内輪14の外周面14aとの間に挟み込まれるまでの時間及び前記両面21,14aによる前記各ローラ16の保持力を変更することが可能となるため、カム面に対するローラの進入角度が1パターンしかない従来技術に比べ、クラッチ11の設計の自由度の向上が図れ、操舵制御装置の多様な仕様に対応させることができる。
さらに、前記クラッチ11の場合、外輪12の内周にカム部材13が配置されると共に、該カム部材13の内周側にリテーナ15が配置され、かつ、前記各弾性保持部24がカム部材13の内周部に設けられた前記各係合溝22に係合するように構成されている、つまり、前記各弾性保持部24がより径方向外側において機能するように構成されていることから、当該クラッチ11の連結時において入力軸1と出力軸4をロックする場合に前記各弾性保持部24に作用する負荷を軽減することができる。これにより、当該クラッチ11の耐久性の向上に供される。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば前記切換手段17の構成については、対象となる操舵制御装置の仕様等に応じて自由に変更することができる。
SW…ステアリングホイール
WL,WR…転舵輪
1…入力軸
4…出力軸
7…操舵力発生モータ(アクチュエータ)
11…クラッチ
12…外輪
13…カムリング
14…内輪
15…リテーナ
16…ローラ
17…切換手段
20…カム部
21,21…カム面
23…バルジ部(センタリング機構)
24…弾性保持部(弾性保持機構)

Claims (3)

  1. ステアリングホイールに接続された入力軸と、転舵輪に連係するように設けられた出力軸と、前記転舵輪に操舵力を付与するアクチュエータと、前記入力軸と前記出力軸の断続を制御するクラッチと、を備え、
    前記クラッチは、前記出力軸に設けられたほぼ円筒状の外輪と、
    前記外輪の内周側に該外輪に対して相対回転可能に設けられると共に、前記入力軸に一体回転可能に連結されたほぼ円柱状の内輪と、
    前記外輪と前記内輪との間に介装され、前記外輪及び内輪に対して相対回転可能に設けられたほぼ円筒状のリテーナと、
    前記外輪の内周側において径方向外側へ凹状となるように周方向に複数設けられ、それぞれの周方向中央部から各周方向端部側へ向かって前記内輪の外周面との径方向距離が漸次接近するように構成してなる一対のカム面をそれぞれ有するカム部と、
    前記リテーナにおいて周方向に複数設けられたローラ保持部にそれぞれ回転自在に保持されると共に、前記入力軸に対して直角方向となる断面が円形状であり、かつ、該断面において前記両カム面と前記内輪の外周面との間の径方向最短距離よりも大径となる直径に設定された複数のローラと、
    前記外輪と前記リテーナの間に設けられ、前記カム部の周方向中央部と前記ローラとが径方向において重合するように前記外輪に対しての前記リテーナの回転方向位置を弾性的に保持する弾性保持機構と、
    前記リテーナに設けられ、前記外輪に対しての前記リテーナの偏心を規制するセンタリング機構と、
    前記リテーナに連係され、該リテーナの前記入力軸との相対回転について許容と規制とを切り換える切換手段と、を有することを特徴とする操舵制御装置。
  2. 前記センタリング機構は、前記各ローラの軸方向の両側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  3. 前記弾性保持機構は、前記リテーナにおいて周方向に複数設けられ、かつ、該リテーナの周方向においてほぼ等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の操舵制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220029081A (ko) * 2020-09-01 2022-03-08 근로복지공단 원웨이 클러치 브레이크 모듈

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