JP2010197094A - 放射化コンクリートの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射化コンクリートを効率的に且つ経済的に処理することが可能な放射化コンクリートの処理方法を提供する。
【解決手段】粉砕工程2で得られた放射化コンクリート1の粉砕物Sを所定の粒径範囲毎にグループ分けし、グループ分けした粉砕物S毎に洗浄工程3と固液分離工程4の処理時間を設定して処理する。また、回収工程5が、処理液W’中の非決定核種を沈殿させて回収する非決定核種回収工程5aと、非決定核種回収工程5a後に処理液W’中の決定核種を沈殿させて回収する決定核種回収工程5bとを備えている。また、粉砕工程2で得られた粉砕物Sを、微細粒子の微粉砕物S1と通常粉砕物S2とにグループ分けし、通常粉砕物S2を洗浄工程3と固液分離工程4で処理し、通常粉砕物S2’と分離した処理液W’を非決定核種回収工程5aで処理する前の段階で、処理液W’に微粉砕物S1を投入し、この微粉砕物S1から決定核種を除去するようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射化したコンクリートから決定核種を除去して、該放射化コンクリートを処理する放射化コンクリートの処理方法に関する。
従来、例えば原子力発電所などの原子力関連施設においては、十分な強度を有するとともに放射線の遮蔽性に優れることから、構造躯体をコンクリートで構築するようにしている。
一方、このような原子力関連施設のコンクリートは、放射線に暴露されて放射化されるため、施設の改築などを行う際に、放射性廃棄物として保管管理の必要が生じてしまう。そして、放射化コンクリートは、例えば全コンクリートの1%程度であるにもかかわらず、その保管管理に多大な費用を要するという問題があり、決定核種を除去してその多くを一般廃棄物として取り扱えるようにすることが求められている。
これに対し、本願の発明者らは、放射化コンクリートを粉砕する粉砕工程と、粉砕工程で得られた放射化コンクリートの粉砕物を硝酸などの処理液(洗浄液)で洗浄し、粉砕物から決定核種(対象元素)を化学的に分離する洗浄工程と、洗浄工程後に固液分離を行う固液分離工程と、固液分離工程で固形分(粉砕物)と分離した処理液を中和することにより、処理液中の決定核種を沈殿させて回収する回収工程とを備える放射化コンクリートの処理方法を提案している(例えば、特許文献1参照)。そして、この放射化コンクリートの処理方法で放射化コンクリート(廃コンクリート)を処理することによって、放射化コンクリートを減容化し、その多くを一般廃棄物として取り扱えるようにし、処理費(処分費)を大幅に削減できるようにしている。
特開2002−341088号公報
しかしながら、上記の放射化コンクリートの処理方法では、粉砕工程で得られた粉砕物から決定核種を除去する洗浄工程と、洗浄工程後に決定核種を含む処理液と粉砕物(固形分)とを分離する固液分離工程において、粒径が異なる全ての粉砕物を同時に処理するようにしているため、処理に掛かる時間、エネルギーのロスが大きいという問題があった。すなわち、粒径が小さい粉砕物と粒径が大きい粉砕物とでは、洗浄工程で決定核種を除去したり、固液分離工程で処理液と固形分を分離する際の必要処理時間が異なり、特に洗浄工程において粒径が小さい粉砕物は粒径が大きい粉砕物よりも短時間で処理することが可能である。このため、従来のように粒径が異なる粉砕物を洗浄工程や固液分離工程で同時に処理すると、最も処理に時間を要する粉砕物の粒径(粉砕物の最大径や最小径)に応じて処理時間を設定せざるを得ず、処理に掛かる時間、エネルギーのロスが大きくなる。
一方、回収工程では、洗浄工程で硝酸などを用いることにより強酸性を示す処理液に対し、水酸化ナトリウムを添加して中和する。これにより、処理液中の決定核種(処理液に溶解した決定核種)を水酸化物として沈殿させて回収するようにしている。しかしながら、例えば放射化コンクリートのセメント分や骨材に含まれている鉄やアルミニウムなどの非決定核種も洗浄工程後の処理液に溶解しているため、水酸化ナトリウムを添加して中和すると、これら非決定核種も決定核種とともに沈殿することになる。そして、中和処理によって得られる沈殿物の大半が非決定核種の沈殿物であるにもかかわらず、全ての沈殿物を放射性廃棄物として処分(保管管理)する必要が生じ、処理費を押し上げる一要因となっていた。
また、放射化コンクリートに含まれる粗骨材においては、洗浄工程で硝酸などを用いて処理することにより、元の重量から決定核種を含む固形分として1%程度までその重量を低減させることが可能である。これに対し、粉砕工程で発生する微粉砕物(微細粒子)、特に粒径が0.5mmを下回る微粉砕物は、洗浄工程で処理した後に、固液分離工程で分離し回収することが難しいため、そのまま放射性廃棄物として処分することが検討されている。しかしながら、この微粉砕物は、粉砕前の重量の数%を占めるため、そのまま処分すると放射性廃棄物量、ひいては処理費の増大を招くことになる。このため、微粉砕物においても決定核種を除去して処理する手法が強く望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑み、放射化コンクリートを効率的に且つ経済的に処理することが可能な放射化コンクリートの処理方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
請求項1記載の放射化コンクリートの処理方法は、放射化コンクリートを粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で得られた放射化コンクリートの粉砕物を処理液で洗浄して前記粉砕物から決定核種を除去する洗浄工程と、前記洗浄工程後の粉砕物と処理液を分離する固液分離工程と、前記固液分離工程で分離した処理液から決定核種を回収する回収工程とを備える放射化コンクリートの処理方法において、前記粉砕工程で得られた前記粉砕物を所定の粒径範囲毎にグループ分けし、グループ分けした前記粉砕物毎に前記洗浄工程と前記固液分離工程の処理時間を設定して処理するようにしたことを特徴とする。
請求項2記載の放射化コンクリートの処理方法は、請求項1記載の放射化コンクリートの処理方法において、前記回収工程が、前記処理液中の非決定核種を沈殿させて回収する非決定核種回収工程と、非決定核種回収工程後に前記処理液中の決定核種を沈殿させて回収する決定核種回収工程とを備えていることを特徴とする。
請求項3記載の放射化コンクリートの処理方法は、請求項2記載の放射化コンクリートの処理方法において、前記非決定核種回収工程では、前記処理液にアンモニア水を添加して中和することによって非決定核種を沈殿させ、前記決定核種回収工程では、前記処理液に水酸化ナトリウムを添加して中和することによって決定核種を沈殿させることを特徴とする。
請求項4記載の放射化コンクリートの処理方法は、請求項2または請求項3に記載の放射化コンクリートの処理方法において、前記粉砕工程で得られた粉砕物を、微細粒子の微粉砕物と該微粉砕物以外の通常粉砕物とにグループ分けし、前記通常粉砕物を前記洗浄工程と前記固液分離工程で処理し、前記通常粉砕物と分離した前記処理液を前記回収工程の前記非決定核種回収工程で処理する前の段階で、前記処理液に前記微粉砕物を投入し、該微粉砕物から前記決定核種を除去するようにしたことを特徴とする。
請求項1記載の放射化コンクリートの処理方法においては、粉砕工程で得られた粉砕物を所定の粒径範囲毎にグループ分けし、グループ毎に洗浄工程と固液分離工程で処理するようにしている。そして、各グループの粉砕物は、グループ毎の粒径によって洗浄や固液分離に掛かる必要処理時間が異なるため、グループ毎に処理時間を設定することにより効率的に処理することが可能になる。これにより、従来のように粒径が異なる粉砕物を同時に処理する場合と比較して、処理に掛かる時間及びエネルギーを削減でき、放射化コンクリートを効率的に且つ経済的に処理することが可能になる。
また、請求項2記載の放射化コンクリートの処理方法においては、回収工程を非決定核種回収工程と決定核種回収工程に分け、洗浄工程で硝酸などを用いることにより強酸性を示す処理液に対し、はじめに、非決定核種回収工程で例えばアンモニア水などを用いて中和処理する。これにより、処理液中の例えば鉄やアルミニウムなどの非決定核種のみを水酸化物として沈殿させて回収することが可能になる。そして、非決定核種を除去した処理液に対し、水酸化ナトリウムなどを用いてさらに中和処理を行うことにより、処理液中に残っている例えばコバルト(Co)やユーロピウム(Eu)などの決定核種を水酸化物として沈殿させて回収することが可能になる。このように、非決定核種の沈殿物と決定核種を多く含む沈殿物をそれぞれ個別に沈殿させて回収することにより、従来の処理液を中和処理して非決定核種と決定核種を同時に沈殿させて回収する場合と比較して、決定核種を多く含む沈殿物を決定核種回収工程後に得ることができ、処理費を大幅に削減することが可能になる。よって、放射化コンクリートをより効率的に且つより経済的に処理することが可能になる。
さらに、請求項3記載の放射化コンクリートの処理方法においては、非決定核種回収工程でアンモニア水を、決定核種回収工程で水酸化ナトリウムを用いて処理液を中和処理することにより、非決定核種回収工程で処理液中に決定核種を残し、確実に非決定核種を水酸化物として沈殿させて回収除去することが可能になり、非決定核種回収工程後に処理液中に残った決定核種を決定核種回収工程で確実に水酸化物として沈殿させて回収除去することが可能になる。
また、請求項4記載の放射化コンクリートの処理方法においては、通常粉砕物を洗浄工程と固液分離工程で処理して、通常粉砕物を分離した処理液に対し非決定核種回収工程を行う前の段階で(すなわち中和処理する前に)、微粉砕物を投入する。このように非決定核種回収工程前の処理液に投入することにより、微粉砕物の粒径が小さいため、短時間に且つ安定的に微粉砕物から決定核種を除去することが可能になる。そして、微粉砕物から決定核種を除去した後に、非決定核種回収工程と決定核種回収工程を行い、決定核種を含んでいない非決定核種の沈殿物と、決定核種を多く含む沈殿物をそれぞれ個別に回収することによって、通常粉砕物とともに微粉砕物を確実に処理することが可能になる。これにより、放射化コンクリートをさらに効率的に且つ経済的に処理することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る放射化コンクリートの処理方法を示すフロー図である。 中性子束変動によるコンクリート中の放射化放射性物質濃度の差異を示す図であり、コンクリート深さと放射化放射性物質濃度との関係を示す図である。
以下、図1及び図2を参照し、本発明の一実施形態に係る放射化コンクリートの処理方法について説明する。本実施形態は、例えば、原子力発電所などの原子力関連施設の改修などに伴い固体廃棄物として発生する放射化コンクリートを処理する方法に関するものである。
本実施形態の放射化コンクリートの処理方法は、図1に示すように、原子力関連施設等で生じる放射化コンクリート(廃コンクリート塊)1を粉砕する粉砕工程2と、粉砕工程2で得られた放射化コンクリートの粉砕物Sを処理液(洗浄液W)で洗浄して粉砕物Sから決定核種を除去(抽出)する洗浄工程3と、洗浄工程3後の固形分(粉砕物S’)と処理液W’を分離する固液分離工程4と、固液分離工程4で分離した処理液W’から決定核種を回収する回収工程5と、固液分離工程4で分離した固形分S’を乾燥処理する乾燥工程6とを備えている。
粉砕工程2では、粉砕機を用いて放射化コンクリート1を例えば10mm以下の粒径となるように粉砕する。このとき、例えばロールクラッシャーなどの粉砕機を用いて、表面積を極力大きくした粉砕物Sが得られるように放射化コンクリート1を薄片状に粉砕することが望ましい。
また、本実施形態においては、篩などを用いて粉砕工程2で得られた粉砕物Sを粒径が0.5mmを下回る微粉砕物S1と、0.5mm以上の通常粉砕物S2とにグループ分けする(粉砕物Sを微細粒子の微粉砕物S1と、微粉砕物S1以外の通常粉砕物S2とにグループ分けする)。さらに、通常粉砕物S2を例えば0.5〜2mm、2mm〜4mm、4mm〜7mm、7mm〜10mmにグループ分けする。このように、本実施形態では粉砕工程2で得られた粉砕物Sを所定の粒径範囲毎に5グループに分別する。
ついで、通常粉砕物S2の4グループの粉砕物Sを洗浄工程3で洗浄する。ここで、現在予測されている原子力発電所の生体遮蔽体の放射化コンクリート1は、図2に示すように、ごく僅かの放射性核種、すなわち全放射性核種に対して決定核種となる60Co、 152Eu、 154Euを取り除けば、放射化コンクリート(廃コンクリート)1の全てを一般廃棄物として取り扱うことが可能になる。このため、本実施形態では、Co(コバルト)とEu(ユウロピウム)を決定核種とし、これを粉砕物Sから分離除去するものとして説明を行う。
本実施形態の放射化コンクリートの処理方法では、通常粉砕物S2を洗浄工程3で洗浄する際にグループ毎に洗浄を行う。すなわち、はじめに、第1グループの通常粉砕物S2を洗浄槽に投入するとともにこの洗浄槽に予め調整した処理液Wを供給し、この第1グループの通常粉砕物S2の内部に存在するCoとEuを処理液Wによって化学的に分離(抽出)する。このように第1グループの通常粉砕物S2を洗浄処理した段階で、洗浄槽内の通常粉砕物(固形分S2’) と処理液W’を次工程の固液分離工程4に送る。そして、第2グループの通常粉砕物S2、第3グループの通常粉砕物S2、第4グループの通常粉砕物S2を、順次第1グループの通常粉砕物S2と同様に洗浄工程3で洗浄し、各グループの通常粉砕物S2から決定核種を除去してゆく。
このとき、処理液Wには、例えばpH調整剤とキレート剤が使用され、pH調整剤には、例えば硝酸や過塩素酸、硝酸アンモニウム塩などの酸性水溶液などが用いられる。さらに、キレート剤には、Coとキレート化合物を形成するものとして例えばピロリジン−N−ジチオカルボン酸アンモニウム塩(APDC)が用いられ、Euとキレート化合物を形成するものとして例えばトリフルオルテノイルアセトン(TTA)が用いられる。
ここで、上記のように通常粉砕物S2を洗浄工程で洗浄処理する際に、各グループの通常粉砕物S2は、グループ毎に粒径(粒径範囲)が異なっているため、グループ毎に洗浄に掛かる必要処理時間が異なる。このため、本実施形態では、粒径範囲毎にグループ分けした通常粉砕物S2に対し、グループ毎に処理時間を設定する。これにより、各グループの通常粉砕物S2は、グループ毎の粒径に応じて設定した必要処理時間で洗浄処理が行われ、グループ毎に確実に決定核種が除去される。よって、本実施形態の洗浄工程3では、従来のように粒径が異なる粉砕物Sを同時に処理する場合と比較し、処理に掛かる時間及びエネルギーを削減して効率的に洗浄処理が行われる。
また、洗浄工程3後に順次固液分離工程4に送られた各グループの通常粉砕物S2’と処理液W’は、遠心分離法などを用いてこの固液分離工程4で固液分離され、固形分である通常粉砕物S2’は必要に応じて再度洗浄工程3に返送され、液体分である処理液W’は回収工程5に送られる。そして、このように各グループの通常粉砕物S2’と処理液W’を固液分離工程4で処理する際に、洗浄工程3から処理液W’とともに順次送られてくる通常粉砕物S2’は、グループ毎に粒径(粒径範囲)が異なっているため、グループ毎に固液分離に掛かる必要処理時間が異なる。このため、本実施形態では、粒径範囲毎にグループ分けした通常粉砕物S2’と処理液W’に対し、グループ毎に処理時間を設定する。これにより、各グループの通常粉砕物S2’と処理液W’は、グループ毎の粒径に応じて設定した必要処理時間で処理されて、グループ毎に確実に固液分離される。よって、本実施形態の固液分離工程4では、従来のように粒径が異なる粉砕物Sを同時に処理する場合と比較し、処理に掛かる時間及びエネルギーを削減して効率的に固液分離処理が行われる。
固液分離工程4後に順次回収工程5に送られた強酸性の処理液W’は、回収工程5で処理液W’中からCoとEuを回収する処理が行われる。このとき、洗浄工程3で硝酸などの処理液Wを用いて通常粉砕物S2の洗浄処理を行うことで、例えば放射化コンクリート1のセメント分や骨材に含まれている鉄やアルミニウムなどの金属成分(非決定核種)もCoやEuとともに処理液W’に溶解している。このため、回収工程5に送られた処理液W’に対し、水酸化ナトリウムを添加して中和処理すると、処理液W’中のCoやEuの決定核種だけでなく、鉄(Fe)やアルミニウム(Al)などの非決定核種も水和物として沈殿してしまう。
これに対し、本実施形態では、回収工程5を非決定核種回収工程5aと決定核種回収工程5bとに分け、強酸性を示す処理液W’に対し、はじめに、非決定核種回収工程5aでアンモニア水を用いて中和処理する。このとき、処理液W’にアンモニア水を添加して、この処理液W’のpHを3〜5の弱酸域に中和処理することにより、CoとEuを処理液W’中に溶解した状態で残し、FeやAlなどの非決定核種のみを水酸化物として沈殿させる。そして、非決定核種の沈殿物を処理液W’から取り除き(非決定核種の沈殿物と決定核種が残る処理液W’を分離し)、非決定核種を処理液W’中から回収する。
ついで、非決定核種回収工程5a後の処理液W’を決定核種回収工程5bで処理する。この決定核種回収工程5bでは、CoとEuが溶解した状態で残っている処理液W’に水酸化ナトリウム(水酸化ナトリウム溶液)を添加して、この処理液のpHが7になるように中和処理を行う。このように水酸化ナトリウムを用いて中和処理すると、CoとEuの決定核種が水酸化物として沈殿する。これにより、FeやAlなどの非決定核種の水酸化物が少なく、CoとEuの水酸化物を多く含む沈殿物が生成されるため、この沈殿物を処理液W’中から回収することにより、従来の放射化コンクリートの処理方法と比較してCoとEuの決定核種を含んで減容化した沈殿物が回収されることになる。
一方、本実施形態の放射化コンクリートの処理方法では、通常粉砕物S2’を分離した処理液W’に対し非決定核種回収工程5aを行う前の段階で(すなわち中和処理する前に)、微粉砕物(微粉砕物のグループ)S1を投入する。このように微粉砕物S1を非決定核種回収工程5a前の処理液W’に投入することにより、0.5mmを下回り微粉砕物S1の粒径が小さいため、短時間に且つ安定的に微粉砕物S1からCoとEuの決定核種が除去される。そして、微粉砕物S1からCoとEuの決定核種を除去した後に、非決定核種回収工程5aと決定核種回収工程5bを行い、決定核種を含んでいない非決定核種の沈殿物と、決定核種を多く含む沈殿物をそれぞれ個別に回収する。これにより、微粉砕物S1からCoとEuが除去されて、通常粉砕物S2とともにこの微粉砕物S1が確実に処理されることになる。
また、このとき、粉砕工程2から回収工程5の処理液W’に投入して決定核種を除去した微粉砕物S1’は、粒径が小さいため、その一部が処理液W’中に浮遊した状態となる。そして、この決定核種を除去した微粉砕物S1’の一部は、デカンテーション(上澄み除去)により固液分離工程4に返送される。また、デカンテーションで除去されず、処理液W’に残った決定核種除去後の微粉砕物S1’は、非決定核種回収工程5aで非決定核種とともに回収されることになる。
そして、最後に、固液分離工程4で得られた固形分の粉砕物S’(S1’、S2’)が乾燥機による乾燥工程6で乾燥処理され、所定の含水率以下に調整される。乾燥後の粉砕物S’は、放射線量を測定し、決定核種が確実に取り除かれていることを確認した上で、一般廃棄物として処分され、あるいは細骨材や粗骨材などのリサイクル品7として出荷される。また、回収工程5で回収した非決定核種の沈殿物(微粉砕物S1’を含む)も乾燥処理した後に一般廃棄物として処分したり、リサイクル品7として出荷される。さらに、決定核種を多く含む沈殿物が放射性廃棄物として処分される。
したがって、本実施形態の放射化コンクリートの処理方法においては、粉砕工程2で得られた粉砕物Sを所定の粒径範囲毎にグループ分けし、洗浄工程3と固液分離工程4でグループ毎に粉砕物Sの粒径に応じた処理時間を設定することによって、効率的に処理することが可能になる。これにより、従来のように粒径が異なる粉砕物Sを同時に処理した場合と比較して、処理に掛かる時間及びエネルギーを削減でき、放射化コンクリート1を効率的に且つ経済的に処理することが可能になる。
また、回収工程5を非決定核種回収工程5aと決定核種回収工程5bに分け、洗浄工程3で硝酸などを用いることにより強酸性を示す処理液W’に対し、はじめに、アンモニア水を用いて非決定核種回収工程5aで中和処理することにより、処理液W’中の例えばFeやアルミニウムAlなどの非決定核種のみを水酸化物として沈殿させて回収することが可能になる。そして、非決定核種を除去した処理液W’に対し、水酸化ナトリウムを用いてさらに中和処理を行うことにより、処理液W’中に残っているCoやEuの決定核種を水酸化物として沈殿させて回収することが可能になる。このように、非決定核種の沈殿物と決定核種を多く含む沈殿物をそれぞれ個別に沈殿させて回収することにより、従来の処理液W’を中和処理して非決定核種と決定核種を同時に沈殿させて回収する場合と比較し、決定核種を多く含む沈殿物を決定核種回収工程5b後に得ることができ、処理費を大幅に削減することが可能になる。よって、放射化コンクリート1をより効率的に且つより経済的に処理することが可能になる。
このとき、非決定核種回収工程5aでアンモニア水を、決定核種回収工程5bで水酸化ナトリウムを用いて処理液W’を中和処理することにより、非決定核種回収工程5aで処理液中に決定核種を残し、確実に非決定核種を水酸化物として沈殿させて回収除去することが可能になり、非決定核種回収工程5a後に処理液W’中に残った決定核種を決定核種回収工程5bで確実に水酸化物として沈殿させて回収除去することが可能になる。
また、非決定核種回収工程5a前の処理液W’に微粉砕物S1を投入することにより、短時間に且つ安定的に微粉砕物S1から決定核種を除去することが可能になる。そして、微粉砕物S1から決定核種を除去した後に、非決定核種回収工程5aと決定核種回収工程5bを行い、決定核種を含んでいない非決定核種の沈殿物と、決定核種を多く含む沈殿物をそれぞれ個別に回収することによって、通常粉砕物S2とともに微粉砕物S1を確実に処理することが可能になる。これにより、放射化コンクリート1をさらに効率的に且つ経済的に処理することが可能になる。
以上、本発明に係る放射化コンクリートの処理方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 放射化コンクリート(廃コンクリート塊)
2 粉砕工程
3 洗浄工程
4 固液分離工程
5 回収工程
5a 非決定核種回収工程
5b 決定核種回収工程
6 乾燥工程
7 リサイクル品
S 粉砕物
S’ 粉砕物
S1 微粉砕物
S1’ 微粉砕物
S2 通常粉砕物
S2’ 通常粉砕物
W 処理液(洗浄液)
W’ 処理液(洗浄液)

Claims (4)

  1. 放射化コンクリートを粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で得られた放射化コンクリートの粉砕物を処理液で洗浄して前記粉砕物から決定核種を除去する洗浄工程と、前記洗浄工程後の粉砕物と処理液を分離する固液分離工程と、前記固液分離工程で分離した処理液から決定核種を回収する回収工程とを備える放射化コンクリートの処理方法において、
    前記粉砕工程で得られた前記粉砕物を所定の粒径範囲毎にグループ分けし、
    グループ分けした前記粉砕物毎に前記洗浄工程と前記固液分離工程の処理時間を設定して処理するようにしたことを特徴とする放射化コンクリートの処理方法。
  2. 請求項1記載の放射化コンクリートの処理方法において、
    前記回収工程が、前記処理液中の非決定核種を沈殿させて回収する非決定核種回収工程と、非決定核種回収工程後に前記処理液中の決定核種を沈殿させて回収する決定核種回収工程とを備えていることを特徴とする放射化コンクリートの処理方法。
  3. 請求項2記載の放射化コンクリートの処理方法において、
    前記非決定核種回収工程では、前記処理液にアンモニア水を添加して中和することによって非決定核種を沈殿させ、
    前記決定核種回収工程では、前記処理液に水酸化ナトリウムを添加して中和することによって決定核種を沈殿させることを特徴とする放射化コンクリートの処理方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の放射化コンクリートの処理方法において、
    前記粉砕工程で得られた粉砕物を、微細粒子の微粉砕物と該微粉砕物以外の通常粉砕物とにグループ分けし、
    前記通常粉砕物を前記洗浄工程と前記固液分離工程で処理し、前記通常粉砕物と分離した前記処理液を前記回収工程の前記非決定核種回収工程で処理する前の段階で、前記処理液に前記微粉砕物を投入し、該微粉砕物から前記決定核種を除去するようにしたことを特徴とする放射化コンクリートの処理方法。
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