JP2010196889A - 動力伝動用ベルト - Google Patents

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Kazutomo Kawahara
一智 河原
Takehiko Ito
武彦 伊東
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Abstract

【課題】伸張ゴム層において補強帆布を使用せずにベルトの屈曲性を良好に保ち、尚且つベルトの振動を低減することで寿命を延長すると共にコンパクト設計にも適した伝動ベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】心線3を埋設した接着ゴム層2に隣接して圧縮ゴム層6と伸張ゴム層5を配してなるベルトであり、少なくとも圧縮ゴム層6がコグ山部8とコグ谷部7を交互に配したコグ部を有している動力伝動用ベルト1において、少なくとも圧縮ゴム層6に繊維強化樹脂からなる補強層7を少なくとも1層埋設してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は動力伝動用ベルトに係り、スノーモービル、スクーター及び一般産業用のベルトで主に高負荷の変速ベルトとして使用される動力伝動用ベルトに関する。
従来から、スクーター、バギー、雪上車(スノーモービル)または一般産業用の機械分野の駆動系においては、駆動プーリと従動プーリに動力伝動用ベルトを懸架し、プーリの有効径を変化させて変速させるベルト式変速装置が用いられている。ここで使用されている動力伝動用ベルトは圧縮ゴム層と伸張ゴム層の両層もしくは圧縮ゴム層のゴム層にコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有し、心線を接着ゴム層内に埋設した構成からなり、ローエッジダブルコグドベルトあるいはローエッジシングルコグドベルトなどのローエッジコグドベルトとして知られている。
これらのベルトはベルト走行中にプーリから大きな側圧を受けるために、断面形状で皿のように下方向に凸に湾曲するディッシング現象といったベルトが変形することがある。ディッシングが発生するとベルトがスリップしたり、ベルトを構成する心線等の部材が剥離する等の問題を生じていた。よって、ベルトが変形しないように繊維等の材料で補強することが考えられる。例えば、ベルト全面をカバー帆布で被覆してしまうとベルトの変形を防止し形状を保持するという意味では効果が得られるが、一方で屈曲性が損なわれてしまうため、小径のプーリで使用した場合にベルトがプーリに十分に沿っていない状態で走行してスリップを発生させる原因になったり、強制的に屈曲させることでベルト背面側に亀裂が生じたりするといった問題が発生していた。屈曲性を改善する工夫が各種なされている。
ダブルコグドベルトの場合は特許文献1や特許文献2のように、背面の伸張ゴム層の表面に補強帆布が積層されておらずゴムが露出したものや、特許文献3や特許文献4に開示されているように背面の伸張ゴム層の表面には補強帆布が積層されているものがあった。
補強帆布が積層されていないものはベルトの屈曲性については優れているものの、ベルの形状保持性に劣るために走行中に振動を発生してしまい、摩耗を早めたり伝達効率を悪くしたりする問題や、特にプーリに巻きかけたベルトの緩み側の振動が大きくエンジン中のベルトケースのコンパクト化を妨げていたという問題があった。
一方、ベルト背面に補強帆布を積層したものの場合、ベルトの形状が安定して走行中の振動は大幅に小さくすることができるが、屈曲性を悪くしてしまうためにベルトが繰り返して屈曲することによって表面に亀裂を発生し、切断の原因となるといった問題があった。
また、ベルトを構成するゴムを高弾性化することで、耐側圧性が向上してプーリからの側圧を受けてもベルトの形状が大きく変形することなく、やはり走行中の振動を軽減したり、ベルトの変形により伝動効率が低下したりする問題は低減することができるが、耐屈曲性は低下し、繰り返し屈曲によって亀裂等が発生するという問題があった。
特許文献5にはベルトの圧縮ゴム層のみならず伸張ゴム層にもベルト幅方向のスダレを埋設して、プーリから受ける過大な側圧に対して、耐側圧性、耐摩耗性を向上させたようなベルトが開示されている。
特開2001−41292号公報 特開2001−263432号公報 特開2001−263431号公報 特開2001−317596号公報 特開2006−153038号公報
ベルトの形状保持性を向上させて走行中のベルトの振動を防止することと、ベルトの屈曲性を良好にして亀裂の発生を防止することは、上記のように相反する性能であって、片方の性能を向上させれば他方の性能が低下してしまうといった片方の性能を満たせば他方の性能を満たすことができないといったところがある。
そこで本発明では、ベルトを構成するゴムの弾性率を上げず屈曲性を損なうことなく、ベルトの耐側圧性を向上させ、走行中の変形を防止するとともに振動の発生を防止しベルトを走行させることができるようにベルトの形状保持性を高めることができる動力伝動用ベルトの提供を目的とする。
上記した目的を達成すべく請求項1では、心線を埋設した接着ゴム層に隣接して圧縮ゴム層と伸張ゴム層を配し、少なくとも圧縮ゴム層がコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有している動力伝動用ベルトにおいて、少なくとも圧縮ゴム層に繊維強化樹脂からなる補強層を少なくとも1層埋設してなることを特徴とする。
請求項2では、前記補強層を構成する繊維はベルト幅方向に配向してなる請求項1記載の動力伝動用ベルトとしている。
請求項3では、前記補強層を構成する樹脂が熱硬化性樹脂である請求項1〜2のいずれかに記載の動力伝動用ベルトとしている。
請求項4では、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項3記載の動力伝動用ベルトとしている。
本発明の動力伝動用ベルトでは、圧縮ゴム層に繊維強化樹脂を補強層として埋設していることから、ベルトの耐側圧性を向上させることができ、形状保持性にも優れているので走行中の振動の発生も抑えることができ、伝達効率も高く摩耗も少なく、また、ベルトの厚みを厚くしたり、ゴムの弾性率を高くしたりする必要もないので、耐屈曲性の低下もなく、エンジンのコンパクト化にも適した伝動ベルトとすることができる。
請求項2では、補強層を構成する繊維をベルト幅方向に配向しているので、特にベルト幅方向の補強を強固に行うことができ、プーリからの側圧に十分に耐えうるものとすることができる。
請求項3では、補強層を構成する繊維を炭素繊維としていることから、補強層の強度や耐摩耗性を向上させることができ、高負荷の条件であってもプーリから大きな側圧に耐えることができ、ベルト側面の摩耗も少なくすることができる。
請求項4では、保護材を構成する樹脂をエポキシ樹脂としていることから、補強層の強度や耐摩耗性を高めることができるので、ベルトの耐側圧性や耐摩耗性も向上させることができる。
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。図1は本発明に係る動力伝動用ベルトの部分正面図、そして図2は本発明に係る他の動力伝動用ベルトの部分正面図である。
本発明の動力伝動用ベルト1は、接着ゴム層2内に繊維コードからなる心線3が埋め込まれ、接着ゴム層2の上部には背面にカバー帆布4を積層した伸張ゴム層5を有しており、また下部にはカバー帆布4を積層した圧縮ゴム層6がある。圧縮ゴム層6には、それぞれ一定ピッチでベルト長手方向に沿ってコグ谷部7とコグ山部8とを交互に配した下コグ部が設けられている。伸張ゴム層5の上表面のカバー帆布は必要に応じて設けるものであって不必要であればなくてもよい。
本発明の動力伝動用ベルト1は主に変速ベルトの用途に用いられるものであり、エンジンの出力が上がると大きなトルクを伝達する必要があり、プーリからの側圧も大きなものになる。動力の伝達をスムーズに行うためには、大きな側圧に耐えてベルトの形状を保持し続けなければならない。また、大きく変形することがなければ、走行中のベルトの振動も少なくすることができ、騒音の発生や摩耗も少なくすることができる。
ベルトを構成するゴムを高弾性化することによって、耐側圧性を上げることができベルトの形状を保持することができるが、ベルトの屈曲性は損なわれることになり、小径のプーリに巻きかかりにくくなって、動力伝達効率が低下したり、繰り返し屈曲によってベルトに亀裂が発生したりするような問題もおきてくる。
そのために本発明のベルトでは、圧縮ゴム層中に補強層9を埋設している。従来から補強層9としてスダレ層をゴム中に埋設することでベルトを補強することが行われてきた。しかし、通常のスダレ層の配置では補強効果も十分ではなく、更なる補強手段が求められていた。そこで、ゴムの弾性率を上げることなく耐側圧性の補強するために本発明では、圧縮ゴム層6に埋設配置する補強層9として繊維強化樹脂を用いている。
繊維強化樹脂を補強層9として用いることで、ベルトの耐側圧性、形状保持性を大幅に向上させることができ、更にはベルト側面の耐摩耗性も改善することができる。繊維強化樹脂に用いる繊維としては、炭素繊維を挙げることができ、また補強層9の繊維に含浸する熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂を挙げることができる。補強層に用いる繊維はベルト幅方向に配向して配列することが、ベルトの耐側圧性を高める目的において好ましい。例えば、図2にも示すように複数層の補強層9を配置してすべての補強層の繊維をベルト幅方向に配列してもよいし、幅方向と長手方向に配列したものを組み合わせて使用することも可能である。但し、ベルト長手方向に炭素繊維を配向することにより、ベルトの屈曲性を阻害することになるので、好ましい形態としてはすべて幅方向に配向したものである。
このような繊維強化樹脂からなる補強層9を圧縮ゴム層中に埋設配置する方法としては、円筒形の金型に圧縮ゴム層6を形成する未加硫ゴムシートを巻きつけ、その上に、繊維に半硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを準備して積層し、上からゴムシートを巻き付け、更に、心線3となるロープ、接着ゴム層2となる未加硫ゴムシート、伸張ゴム層5となる未加硫ゴムシート、カバー帆布等を巻き付けて、加熱・加圧することによってゴムを金型の形状に沿わせて加硫するとともにプリプレグの熱硬化性樹脂を完全に硬化してベルト内に一体的に配置することができる。
このような補強層9を圧縮ゴム層6中に埋設することで、ベルトの耐側圧性や形状保持性を高めることができベルト走行中のディッシングの発生の防止や振動も低減することができるが、補強層9が圧縮ゴム層6に対して十分に接着されていないと逆に剥離などの問題が発生してしまうことになる。補強層9と圧縮ゴム層6との接着は、熱硬化性樹脂を含浸させて乾燥後、RFL液を浸漬して熱処理をし、更にゴム糊をソーキング処理することで、十分な接着力を得ることができ、ベルトを長期に走行させても各部材間が剥離してしまうといった問題をおきないようにすることができる。
心線3としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維が使用され、中でもエチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維フィラメント群を撚り合わせた総デニール数が4,000〜8,000の接着処理したコードが、ベルトスリップ率を低くでき、ベルト寿命を延長させるために好ましい。このコードの上撚り数は10〜23/10cmであり、また下撚り数は17〜38/10cmである。総デニールが4,000未満の場合には、心線のモジュラス、強力が低くなり過ぎ、また8,000を越えると、ベルトの厚みが厚くなって、屈曲疲労性が悪くなる。
エチレン−2,6−ナフタレートは、通常ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を触媒の存在下で適当な条件のもとにエチレングリコールと縮重合させることによって合成させる。このとき、エチレン−2,6−ナフタレートの重合完結前に適当な1種または2種以上の第3成分を添加すれば、共重合体ポリエステルが合成される。
接着処理されたコードは、スピニングピッチ、即ち心線の巻き付けピッチを1.0〜1.3mmにすることで、モジュラスの高いベルトに仕上げることができる。1.0mm未満になると、コードが隣接するコードに乗り上げて巻き付けができず、一方1.3mmを越えると、ベルトのモジュラスが徐々に低くなる。
図3に示す動力伝動用ベルト1は、伸張ゴム層5においてもコグ山部9とコグ谷部8を交互に配した上コグ部を有したダブルコグドVベルトの例である。また、図1〜3は補強層9がコグ形状に沿うように波打った状態で圧縮ゴム層6に埋設されているが、図4に示すように波打つことなく心線と平行に配置したものでも構わない。
上記圧縮ゴム層6および伸張ゴム層5になるゴム組成物は、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン(ACSM)、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー等のゴム材の単独、またはこれらの混合物が使用され、これに通常用いられるカーボンブラック、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、粘着剤、加硫促進剤、短繊維等と共に使用することができる。
カバー帆布4については必ずしも設ける必要はない。カバー帆布の配置を省略するとベルトの屈曲性にはプラスであり、小プーリ径で使用した場合でもベルトがよく屈曲してベルト表面から亀裂を発生したり、プーリとの間でスリップを発生したりするのを改善することができる。しかし、一般的に補強帆布を配置していないベルトが変形しやすく、ベルトの縦方向のみならず横方向に曲がってしまったりねじれが生じたりし、形状保持性が高いとはいえなかった。よって、ベルト走行時に変形の発生によるベルトの振動を発生してしまうといった問題があった。本発明では、圧縮ゴム中に繊維強化樹脂からなる補強層を埋設配置していることから、ベルトの耐側圧性を向上させるとともに捩れ等の変形に対しても補強する効果があり、屈曲性の低下を極力少なくした上でベルトの形状保持性を向上させることができる。
以下、更に具体的な実験例により本発明の効果を確認する。
(実施例1)
実施例1として伸張ゴム層および圧縮ゴム層ともにコグ部を有すると共に圧縮ゴム層には、心線より下の厚みの1/2の位置に繊維強化樹脂からなる補強層を配置したコグドベルトを作成した。繊維強化樹脂としては炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグであり、エポキシ樹脂の含有割合は33%のものを使用した。炭素繊維はベルト幅方向に配向した状態で前記エポキシ樹脂にて固め、RFL液を浸漬して熱処理をし、更にゴム糊をソーキング処理したものとした。
心線として1,500デニールのアラミド繊維(商品名:トワロン)を上撚り数19.7回/10cm、下撚り数15.8回/10cmで上下逆方向に撚糸して2×3の撚り構成とし、トータルデニール9,000の未処理コードを準備した。次いで、この未処理コードをイソシアネート系接着剤でプレディプした後、約170〜180°Cで乾燥し,RFL液に浸漬した後、200〜240°Cで延伸熱固定処理を行ない処理コードにした。
補強帆布として、アラミド繊維(商品名:トワロン)とポリエチレンテレフタレート繊維を重量比で50:50の混撚糸を使用したワイドアングルの平織帆布を用いた。これらの帆布をRFL液に浸漬した後、150°Cで2分間熱処理して処理帆布とした。その後、これらの処理帆布にゴム組成物をフリクション・コーチングして、ゴム付帆布とした。
圧縮ゴム層と伸張ゴム層はアラミドの短繊維を含んだクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用い、また接着ゴム層は短繊維を含まないクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用いた。
コグパッドとして、1枚の補強布、所定厚みの圧縮ゴム層用シート(1層目)、1枚の繊維強化樹脂からなる補強層、所定厚みの圧縮ゴム層用シート(2層目)との積層物を、歯部と溝部を交互に配した平坦なコグ付き型に設置し、75°Cで加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッドに形成した。上記コグパッドの両端をコグ山部の頂部から垂直に切断した。
これらの材料を用意した後、モールドに装着した内母型にコグパッドを巻き付けてジョイントし、更に所定厚みの接着ゴム用シートを予め積層したシートを他の位置でジョイントした後、心線、平坦な伸張ゴム層、カバー帆布を順次巻き付けて成形体を作製した。その後、ジャケットを被せてモールドを加硫缶に設置し、加硫してベルトスリーブを得た。このスリーブをカッターによってV状に切断してローエッジコグドベルトである変速ベルト(サイズ:上幅22.0mm、厚さ11.0mm、外周長850mm)に仕上げた。
得られたベルトを用いて耐久走行試験を行った。その結果(ベルト寿命とその故障原因)を表1に示す。耐久走行試験では、上記ベルトを直径100mmの駆動プーリと直径100mmの従動プーリからなる恒温槽内に配置された2軸の横型走行試験機に懸架し、入力トルクを2.5kgf・mとし、従動プーリに荷重60kgfをかけ、そして回転数は7,000rpm±500rpmで変動させ、雰囲気温度は90℃であった。
(比較例1)
比較例1では圧縮ゴム層に補強層を埋設しなかった以外は実施例と全く同じベルトを作成し、同じ条件で耐久走行試験を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2では圧縮ゴム層に繊維強化樹脂からなる補強層に変えてスダレからなる補強層を埋設した以外は実施例と全く同じベルトを作成し、同じ条件で耐久走行試験を行った。その結果を表1にしめす。
Figure 2010196889
この結果、実施例1は、かなりの長時間を走行した後に最終的にコグ谷にクラックが発生することで故障となっており、圧縮ゴム層に埋設配置している繊維強化樹脂からなる補強層によって、ベルトの形状の保持およびベルト側面の耐摩耗性が向上されているものと考えられる。
それに比べて圧縮ゴム層に補強材を埋設しなかった比較例1では、短時間でベルト側面の摩耗により寿命に達しており、アラミド繊維からなるスダレの補強層を埋設した比較例2では、比較例1よりは長く走行したものの、実施例よりも早期に心線のポップアウトによって故障となっている。比較例1では、補強層がないためにベルト側面の摩耗が早期に進行して寿命に到達してしまい、比較例2では、スダレの補強層にて側面の摩耗は抑えることができているもののベルトを形状保持する力が、実施例よりも弱く心線とゴムとの間で剥離を生じてポップアウトしてしまったものと考えられる。
以上のことからも、本発明では、圧縮ゴム層に繊維強化樹脂からなる補強層を配置することでベルト側面の耐摩耗性を向上させることができるとともに、ベルトの形状安定性も確保することができ、より寿命の長いベルトとすることができることがわかった。
本発明の伝動ベルトは、スノーモービル、スクーター及び一般産業用の変速ベルトに好適である。
図1は本発明に係る動力伝動用ベルトの部分正面図である。 図2は本発明に係る他の動力伝動用ベルトの部分正面図である。 図3は本発明に係る他の動力伝動用ベルトの部分正面図である。 図4は本発明に係る他の動力伝動用ベルトの部分正面図である。
1 動力伝動用ベルト
2 接着ゴム層
3 心線
4 補強帆布
5 伸張ゴム層
6 圧縮ゴム層
7 コグ谷部
8 コグ山部
9 補強層

Claims (4)

  1. 心線を埋設した接着ゴム層に隣接して圧縮ゴム層と伸張ゴム層を配し、少なくとも圧縮ゴム層がコグ山部とコグ谷部を交互に配したコグ部を有している動力伝動用ベルトにおいて、少なくとも圧縮ゴム層に繊維強化樹脂からなる補強層を少なくとも1層埋設してなることを特徴とする動力伝動用ベルト。
  2. 前記補強層を構成する繊維はベルト幅方向に配向してなる請求項1記載の動力伝動用ベルト。
  3. 前記補強層を構成する樹脂が熱硬化性樹脂である請求項1〜2のいずれかに記載の動力伝動用ベルト。
  4. 熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項3記載の動力伝動用ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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