JP2010195933A - 顔料組成物、水系顔料分散物の製造方法、およびインクジェット記録用水系インク - Google Patents
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Abstract
Description
そこで従来から、各種の添加剤、例えば水性用顔料分散樹脂や界面活性剤の使用が検討されてきた。しかし、上記すべての適性を満足し、既存の高品質を有する油性塗料または油性インキに匹敵するような水性塗料または水性インキは得られていない。
また、アントラキノン構造を有する分散剤を用いて顔料をアルコール溶媒中に分散させた顔料分散液が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、上記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は顔料が微細に分散され、経時安定性に優れた水系顔料組成物を提供することを目的とする。また、本発明は顔料が微細に分散され、経時安定性に優れた水系顔料分散物の製造方法、及びその製造方法によって製造された水系顔料分散物を含むインクジェット記録用水系インクを提供することを目的とする。
<3> 前記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)におけるArは、ナフタレン、ビフェニル、トリフェニルメタン、フタルイミド、アクリドン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、ジフェニルメタン、ナフタルイミドまたはカルバゾールから誘導される1価の基である前記<1>または<2>に記載の水系顔料組成物。
<4> 前記イオン性基はアニオン性基である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の水系顔料組成物。
<5> 前記イオン性基はカルボキシル基である前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の水系顔料組成物。
<6> 前記分散剤は、下記一般式(4)で表される繰返し単位をさらに含む前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の水系顔料組成物。
<8> 前記<7>に記載の水系顔料分散物の製造方法で得られる水系顔料分散物を含むインクジェット記録用水系インク。
[水系顔料組成物]
本発明の水系顔料組成物は、顔料の少なくとも1種と分散剤の少なくとも1種とを含有し、前記分散剤が、イオン性基を有する繰返し単位と、下記一般式(1)で表される繰返し単位と、下記一般式(2)で表される繰返し単位および下記一般式(3)で表される繰返し単位の少なくとも一方とを含有し、下記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)のいずれかで表される繰返し単位の総含有量に対する下記一般式(1)で表される繰返し単位の含有率が20質量%以上50質量%未満である共重合体を含む。
かかる構成の分散剤を用いることにより、顔料が微細に分散され、経時安定性に優れた水系顔料組成物を得ることができる。
本発明における分散剤は、下記一般式(1)で表される繰返し単位の少なくとも1種と、下記一般式(2)および一般式(3)の少なくとも一方で表される繰返し単位の少なくとも1種と、イオン性基を有する繰返し単位の少なくとも1種と、を含む共重合体を含有する。
本発明においては、下記一般式(1)〜一般式(3)のいずれかで表わされる置換位置が異なる類似構造の繰返し単位のうち、一般式(1)で表されるメタ置換体の含有率が、下記一般式(1)〜一般式(3)のいずれかで表わされる繰返し単位の分散剤中における総含有量に対して、前記特定の範囲であることで、顔料の分散性が良好で、顔料分散物の経時安定性に優れる分散剤を構成することができる。
上記一般式(1)〜一般式(3)におけるR1、R2、L1およびArは、それぞれの一般式毎に互いに異なっていても、同一であってもよいが、同一であることが好ましい。
また、一般式(1)〜一般式(3)におけるそれぞれのL1は、互いに同一であっても異なるものであってもよい。
炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数2〜12のアルケニレン基、−CO−、−NR3−(R3は水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−。
前記炭素数8以上の縮環型芳香環化合物とは、少なくとも2個以上のベンゼン環が縮環した芳香環、及び/又は、少なくとも1種の芳香環と該芳香環に縮環した脂環式炭化水素から構成される、炭素数8以上の芳香族化合物である。具体的な例としては、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アセナフテンなどが挙げられる。
ここで、それぞれのベンゼンは互いに複数の連結基で結合されていても良く、複数の連結基は同じであっても異なっていても良い。ベンゼンの数としては、2〜6個が好ましく、2〜3個がより好ましい。2以上のベンゼンが連結した化合物の具体例としては、ビフェニル、トリフェニルメタン、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン等が挙げられる。
ここで、例えば、ナフタレンから誘導される1価の基とは、ナフタレンから水素原子が1つ取り除かれて形成される1価の基を意味し、水素原子が取り除かれる位置は特に限定されない。
これらの置換基のうち2価の置換基を有するArの具体例としては、アントラキノン、ナフトキノン等を挙げることができる。
さらにこれらの置換基は、他の置換基によって、置換されていても良く、この場合の好ましい置換基も上述と同義である。また、置換基を2つ以上有する場合は、それぞれの置換基は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(5)〜一般式(7)のいずれかで表されるモノマーは単独で、又は2種類以上を混合して用いても良い。
以下に、一般式(5)〜一般式(7)のいずれかで表されるモノマーの具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。尚、以下に示すモノマーの具体例は置換位置を明示しない形で例示するが、置換位置がメタ位のものは一般式(5)で表されるモノマーに、パラ位のものは一般式(6)で表されるモノマーに、オルト位のものは一般式(7)で表されるモノマーにそれぞれ相当する。
また、分散性と経時安定性の観点から、一般式(1)〜一般式(3)のいずれかで表される繰返し単位の総含有量(以下、「特定繰返し単位の総含有量」ということがある)が5質量%以上50質量%以下であって、特定繰返し単位の総含有量に対する一般式(1)で表される繰返し単位の含有率(以下、「メタ体含率」ということがある)が35質量%以上50質量%未満であることが好ましく、特定繰返し単位の総含有量が5質量%以上40質量%以下であって、メタ体含率が35質量%以上45質量%未満であることがより好ましい。
前記アニオン性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基を挙げることができる。また前記カチオン性基としては、3級アミノ基および4級アンモニウム基を挙げることができる。
本発明においてイオン性は、顔料の分散性及び安定性の観点から、アニオン性基であることが好ましく、カルボキシル基であることがより好ましい。
前記イオン性基を有するモノマーとしては、アニオン性基含有モノマー及びカチオン性基含有モノマーが挙げられる。
前記不飽和3級アミノ基含有ビニルモノマーとして具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−6−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。
また前記不飽和アンモニウム塩含有ビニルモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート四級化物等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス(3−スルホプロピル)イタコネート等が挙げられる。
不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
前記イオン性基を有するモノマーは単独で、又は2種類以上を混合して用いても良い。
また本発明においては、分散性と安定性の観点から、前記分散剤がイオン性基としてアニオン性基を含む繰返し単位を3質量%以上20質量%以下含むことが好ましく、カルボキシル基を含む繰返し単位を5質量%以上18質量%以下含むことがより好ましい。
Y2は酸素原子または−NR6−を表す。R6は水素原子またはアルキル基を示す。前記Y2は酸素原子、−NH−、または−NMe−であることが好ましく、酸素原子であることがより好ましい。
前記炭素数1〜20の直鎖型又は分岐型又は脂環式のアルキル基は、無置換でも置換基を有していても良い。前記置換基としては、フェニル基、フェノキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン基、およびシアノ基等を挙げることができる。
中でも、nが1〜7であって、R7が炭素数1〜4であることが好ましく、nが1〜4であって、R7が炭素数1〜3であることがより好ましい。
一般式(8)で表されるモノマーの具体例としては、以下のモノマーが挙げられる。メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の無置換のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等の置換基を有するアルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート;メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等のオリゴエチレングリコールのアルキルエーテルから誘導される基を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
さらにまた、一般式(4)におけるY2が酸素原子、−NH−、または−NMe−であって、R5がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、またはフェノキシエチル基であって、一般式(4)で表される繰返し単位の含有量が20質量%95質量%であることが好ましく、Y2が酸素原子であって、R5がメチル基またはエチル基であって、一般式(4)で表される繰返し単位の含有量が32質量%以上90質量%であることがより好ましい。
例えば、ノニオン性基を有する(メタ)アクリレート類、不飽和多価カルボン酸のジエステル類、スチレンおよびその誘導体、(メタ)アクリルアミド類、不飽和ニトリル類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
前記含有量を上記範囲とすることにより、顔料への配向性が向上し、かつ分散剤の水に対する溶解を抑制し、顔料が分散剤でより効果的に被覆されることで粒径が小さく、経時安定に優れた顔料組成物を得やすくなる点で好ましい。
また、本発明で用いる分散剤の分子量分布(重量平均分子量値(Mw)/数平均分子量(Mn))は、1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
前記分子量分布を上記範囲とすることにより、顔料の分散時間の短縮、及び分散物の経時安定性の観点から好ましい。ここで数平均分子量及び、重量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用い換算して表した分子量である。
重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は、1〜100kg/cm2、特に、1〜30kg/cm2程度が好ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。得られた分散剤は再沈殿などの精製を行っても良い。
前記水系顔料組成物中の分散剤の含有量が、上記範囲であることにより、顔料が適量の分散剤で被覆され、粒径が小さく経時安定に優れた水系顔料組成物を得やすい傾向となり好ましい。
本発明の水系顔料組成物は顔料の少なくとも1種を含む。
本発明における顔料としては、公知の顔料を特に制限なく用いることができる。その種類に特に制限はなく、従来公知の有機及び無機顔料を用いることができる。例えば、アゾレーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。また、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても水相に分散可能であれば、いずれも使用できる。更に、上記顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したものや、グラフトカーボン等も勿論使用可能である。
上記顔料のうち、インク着色性、耐光性、耐候性、耐水性の観点から、特に、有機顔料、カーボンブラック系顔料を用いることが好ましい。また顔料は、単独で用いても複数併用してもよい。
本発明に用いられる有機顔料の具体的な例としては、例えば、特開2007−100071号公報の段落番号[0142]〜[0145」に記載の顔料を挙げることができる。
本発明の水系顔料組成物は、顔料および分散剤に加えて水系媒体を含む。前記水系媒体としては水、および、水と有機溶剤との混合溶媒等を挙げることができ、後述の水系顔料分散物に用いる場合は、水と有機溶剤との混合溶媒であることが好ましい。
上記有機溶剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ケトン類、酢酸エステル類、アルコール類を用いることが好ましく、ケトン類がより好ましい。有機溶剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記含有量を、10質量部以上とすることにより組成物の粘度上昇を抑え易くなり、また、1000質量部以下とすることにより貯蔵時のスペースが確保し易くなる点で好ましい。
本発明の水系顔料組成物は、必要に応じて、酸性または塩基性の中和剤、界面活性剤等のその他の公知の添加剤を含有することができる。
本発明の水系顔料組成物は、例えば、前記顔料、前記分散剤、水系媒体(好ましくは水と有機溶剤の混合溶媒)等を含む混合物を、分散機により分散することにより得ることができる。
本発明の顔料組成物は、具体的には、下記の方法で調製することができるが、これに限定されるものではない。
(1)分散剤を溶媒に添加して分散剤溶液を調製する(分散剤溶液調製工程)。
(2)前記分散剤溶液に中和剤(例えば、塩基性物質)の溶液を加える(中和工程)。
(3)別途調製した顔料水分散液を前記中和された溶液に加えて分散して顔料分散スラリーを得る(顔料分散スラリー化工程)。
(4)前記顔料分散スラリーを微分散して、顔料分散液(顔料組成物)を得る(顔料分散工程)。
また、上記(3)における前記顔料水分散液は、顔料を水に添加して分散機を用いて分散することにより調製することができる。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C. Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。
また、必要に応じて、縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を用いて、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理を行なうことにより得ることができる。
本発明における水系顔料分散物は、前記本発明の顔料組成物と、水又は水性キャリア媒体を含むことを特徴とする。前記水性キャリア媒体は、水と少なくとも1種の有機溶剤とを含有する。
水系顔料分散物は、前記構成とすることにより顔料の分散性及び安定性が良好となる。また、水系顔料分散物用いて形成された膜は薄くて高い光学濃度を有することができる。
本発明における水系顔料分散物の構成成分等について説明する。
水系顔料分散物における水性キャリア媒体としては、水と少なくとも1種の水溶性有機溶剤を含むものである。前記水溶性有機溶剤は単独で用いても複数併用してもよい。
前記水溶性有機溶剤は、例えば、乾燥防止剤、浸透促進剤として含有することができる。
乾燥防止剤は、特に、水系顔料分散物を後述のインクジェット記録用水系インクとしてインクジェット方式による画像記録方法に適用する場合、インク噴射口におけるインクの乾燥によって発生し得るノズルの目詰まりを効果的に防止することができる。
また、上記の乾燥防止剤は単独で用いても、2種以上併用しても良い。
これらの乾燥防止剤は、水系顔料分散物中に、5〜50質量%含有されることが好ましい。
これらの浸透促進剤は、水系顔料分散物中に、5〜30質量%含有されることで、充分な効果を発揮する。また、浸透促進剤は、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲内で、使用されることが好ましい。
また、水溶性有機溶剤は、上記以外にも、粘度の調整に用いることができる。粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶剤の具体的な例としては、アルコール、多価アルコール類、グリコール誘導体、アミン及びその他の極性溶剤が含まれる。
尚、水溶性有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明におけるその他の添加剤としては、公知の顔料分散物、水系インクに用いることができる添加剤を用いることができる。
例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水系顔料分散物の調製時、或いは調製後に添加してもよい。
pH調整剤としては、中和剤(有機酸、有機塩基、無機酸、無機塩基)を用いることができる。pH調整剤は水系顔料分散物を製造する際に、中和剤として、或いは、経時安定性を向上させる目的で、該水系顔料分散物がpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
また、表面張力調整剤の添加量は、水系顔料分散物をそのまま用いる場合、インクジェット方式で良好に打滴するために、水系顔料分散物の表面張力を20〜60mN/mに調整する添加量が好ましく、20〜45mN/mに調整する添加量がより好ましく、25〜40mN/mに調整する添加量がさらに好ましい。
水系顔料分散物の表面張力は、例えば、Wilhelmy法を用いて測定することができる。
また、アセチレン系界面活性剤も好ましく用いられる。アセチレン系界面活性剤の具体例としては、SURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社)やオルフィンE1010(日信化学工業(株)製)等を挙げることができる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号公報の第(37)〜(38)頁、リサーチディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦性を良化することもできる。
また、これら表面張力調整剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等、も使用することができる。
なお、ここでの粘度の値は25℃での測定値とする。
前記分散物の粘度は、例えば、E型粘度計を用いて測定することができる。
本発明の水系顔料分散物の製造方法は、前記顔料組成物と、分散剤を溶解し得る有機溶剤と、水または水および少なくとも1種の有機溶媒を含む水性キャリア媒体とを混合して混合物を得る工程と、前記混合物から分散剤を溶解し得る有機溶剤の少なくとも一部を除去して水系顔料分散物を得る工程とを備える。
かかる構成であることで、顔料が微細に分散され、経時安定性に優れる水系顔料分散物を効率よく製造することができる。
工程(1):顔料、分散剤、及び前記分散剤を溶解し得る有機溶剤、水又は水と少なくとも1種の有機溶剤とを有する水性キャリア媒体、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を含有する混合物を、分散処理する工程
工程(2):前記有機溶剤を除去する工程
前記工程(1)では、まず、前記分散剤を有機溶剤に溶解させ、これらの混合物を得る。次に顔料、水又は水と少なくとも1種の有機溶剤とを有する水性キャリア媒体、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を、前記混合物に加えて混合、分散処理し、水中油型の水系顔料分散物を得る。中和する場合には、中和度には、特に限定がなく、通常、最終的に得られる水系顔料分散物の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10となるように設定することが好ましい。また前記分散剤に応じて適宜設定される中和度により、pHを決めることもできる。
そして、工程(2)で有機溶媒を除去することにより水系顔料分散物を得ることができる。
工程(1):顔料組成物(分散剤、顔料)、水または水性キャリア媒体(水及び有機溶剤を含む。)、必要により、中和剤を含有する混合物を、分散処理する工程
工程(2):前記有機溶剤を除去する工程
前記工程(1)では、まず、前記顔料組成物に、水または水性キャリア媒体を、必要に応じて、中和剤、界面活性剤等を前記有機溶剤に加えて混合し、分散機を用いて分散することで水系媒体−有機溶剤混合型の分散物を得る。
そして、工程(2)で有機溶剤を除去することにより水系顔料分散物を得ることができる。
本発明の水系顔料分散物の製造方法において用いることができる分散機は、前記顔料組成物の混合分散の項に記載した分散機を用いることができる。
本発明の水系顔料分散物の製造方法において、前記有機溶剤の除去は特に限定されず、減圧蒸留等の公知の方法により除去できる。
前記顔料の分散粒子の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定した体積平均粒径を採用する。
本発明のインクジェット記録用水系インク(以下、「水系インク」または「水性インク」ということがある)は、前記本発明の水系顔料分散物の製造方法で製造された水系顔料分散物を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用水系インクは、前記本発明における水系顔料分散物をそのまま、あるいは必要に応じて、前述の乾燥防止剤やその他の添加剤をさらに添加して、前記水性キャリア媒体で希釈して調製することができる。
該水系インクの中和工程における塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等の無機アルカリ剤、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類を用いることができる。また必要に応じて、クエン酸、酒石酸等の有機酸、塩酸、リン酸等の鉱酸等を用いることができる。
本発明に用いられることができる樹脂粒子は、ポリマーラテックスの形態であってもよい。前記樹脂粒子を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂等を用いることができる。中でも、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン系樹脂を好ましい例として挙げることができる。
尚、特に特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
・モノマー合成例1.(M−2p、パラ置換体の合成)
攪拌機、冷却管を備えた5Lの三口フラスコにアクリドン375g、水酸化ナトリウム84.8gを溶解したジメチルスルホキシド1800mLを入れ、室温で10分攪拌した。p−クロロメチルスチレン440gを10分かけて滴下し、ジメチルスルホキシド300mLで共洗した。55℃に加熱して7時間反応させた。反応終了後、メタノール750mLと水750mLの混合溶液を55℃で10分かけて滴下し、40℃で30分攪拌し、さらに30℃以下で1時間攪拌した。得られたスラリーを減圧濾過によって取り出し、5Lの三口フラスコに入れ、メタノール3Lを加えた。50℃で30分、45℃以下で30分、30℃以下で1時間攪拌し、減圧濾過によって、一般式(6)で表されるモノマー(M−2p)を484g得た。
モノマー合成例1において、p−クロロメチルスチレンの代わりにm−クロロメチルスチレンを用いた以外はモノマー合成例1と同様にして、一般式(5)で表されるモノマー(M−2m)を得た。
モノマー合成例1において、p−クロロメチルスチレンの代わりにo−クロロメチルスチレンを用いた以外はモノマー合成例1と同様にして、一般式(7)で表されるモノマー(M−2o)を得た。
1,8−ナフタルイミド355.0gをN−メチルピロリドン1500mLに溶解させ、25℃にてニトロベンゼン0.57gを添加し、ここへDBU(ジアザビシクロウンデセン)301.4gを滴下した。30分撹拌した後、p−クロロメチルスチレン412.1gを滴下し、60℃でさらに4時間加熱攪拌を行った。この反応液へイソプロパノール2.7L、蒸留水0.9Lを加え、5℃に冷却しながら攪拌した。得られた析出物を濾別し、イソプロパノール1.2Lで洗浄することで、一般式(6)で表されるモノマー(M−4p)を544.0g得た。
モノマー合成例3において、p−クロロメチルスチレンの代わりにm−クロロメチルスチレンを用いた以外は、モノマー合成例3と同様にして、一般式(5)で表されるモノマー(M−4m)を得た。
モノマー合成例3において、p−クロロメチルスチレンの代わりにo−クロロメチルスチレンを用いた以外は、モノマー合成例3と同様にして、一般式(7)で表されるモノマー(M−4o)を得た。
上記で得られたM-2およびM−4のメタ置換体(M−2m、M−4m)、パラ置換体(M−2p、M−4p)、およびオルト置換体(M−2o、M−4o)を所定の比率でそれぞれ混合することで、各モノマーのメタ置換体とパラ置換体とオルト置換体の混合物を調製し、以下の分散剤の合成に用いた。
攪拌機、冷却管を備えた300mlの三口フラスコに表1〜表3に示したモノマー組成のモノマー混合物90gとメチルエチルケトン126gを加え、窒素雰囲気下で75℃に加熱した。メチルエチルケトン8gに溶解させたジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート1.20gを三口フラスコに加え2時間反応させ、メチルエチルケトン0.6gに溶解させたジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.50gを加えてさらに2時間反応させた。メチルエチルケトン0.6gに溶解させたジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.50gを加え80℃に昇温し、4時間加熱攪拌して未反応モノマーをすべて反応させた。反応終了後、得られたポリマー溶液にメチルエチルケトン33gを加えて希釈した。
得られたポリマーの組成は1H−NMRで確認した。また重量平均分子量(Mw)は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを直列に接続したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて求めた。
尚、表1〜表3におけるメタ体含率とは、一般式(5)、一般式(6)または一般式(7)で表されるモノマー全量に対する一般式(5)で表されるモノマーの含有率(%)を、質量基準で示したものである。また異性体比率は、一般式(5)〜一般式(7)で表される各モノマーの構成比であり、一般式(7)で表されるモノマー(o−体):一般式(5)で表されるモノマー(m−体):一般式(6)で表されるモノマー(p−体)を意味する。
ピグメント・レッド122(Cromophtal Jet Magenta DMQ(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;マゼンタ顔料)10部と、上記で得られた分散剤D−1の4.5部と、メチルエチルケトン42部と、1mol/L NaOH水溶液5.5部(分散剤に含まれる酸性基の量に対して1当量)と、イオン交換水87.2部とをディスパー混合した。次いで分散機(マイクロフルイダイザーM−140K、150MPa)で10パス処理した。続いて、得られた分散物から減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2%の水系顔料分散物J−1を得た。
上記水系顔料分散物J−1の調製において、分散剤D−1の代わりに、下記表4に示した分散剤を用いた以外は水系顔料分散物J−1の調製と同様にして、水系顔料分散物J−2〜J−12、J−15、J−17〜J−23をそれぞれ調製した。
上記水系顔料分散物J−1の調製において、分散剤D−1の代わりに、下記表4に示した分散剤を用い、また1mol/L NaOH水溶液の代わりに、1mol/L HCl水溶液を分散剤に含まれる塩基性基の量に対して1当量用いて、水系顔料分散物J−13〜J−14、J−16をそれぞれ調製した。
上記で得られた水系顔料分散物を用いて、初期粒径、経時安定性を以下のようにして評価した。
上記で得られた水系顔料分散物について、水系インク水系顔料分散物を調製してから1時間以内に、ナノトラック粒度分布測定装置 UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定し、これを初期粒径とした。測定された初期粒径について下記評価基準に従って評価した。
測定条件:分散物10μlに水10mlを加えて調製したサンプルを用い、25℃で常法により測定した。
A:初期粒径が100nm未満であった。
B:初期粒径が100nm以上130nm未満であった。
C:初期粒径が130nm以上200nm未満であった。
D:初期粒径が200nm以上であった。
上記で得られた水系顔料分散物の経時安定性について、調製してから1時間以内の水系顔料分散物と、水系インクを密閉状態で60℃、336時間放置した経時後の水系顔料分散物とを用い、平均粒径の変化と粘度の変化とを以下のようにして評価した。
(a)平均粒径
経時後の水系顔料分散物を用いて上記と同様にして測定した経時後の平均粒径(経時後粒径)と、上記初期粒径の評価において測定した初期粒径との差を初期粒径で除して、平均粒径の変化率を算出した。平均粒径の変化率は以下の式1で表される。
(式1) : 平均粒径の変化率=(経時後粒径−初期粒径)/初期粒径
また得られた平均粒径の変化率について、以下の評価基準に従って評価した。
A:平均粒径の変化率が10%以下であった。
B:平均粒径の変化率が10%を超えて25%以下であった。
C:平均粒径の変化率が25%を超えて50%以下であった。
D:平均粒径の変化率が50%を超えていた。
調製してから1時間以内の水系顔料分散物の粘度を、TV−22型粘度計(東機産業(株)社製)を用いて、25℃で測定し、これを初期粘度とした。
また、経時後の水系顔料分散物を用いて同様にして粘度を測定し、これを経時後粘度とした。経時後粘度と、初期粘度との差を初期粘度で除して、粘度の変化率を算出した。粘度の変化率は以下の式2で表される。
(式2) : 粘度の変化率=(経時後粘度−初期粘度)/初期粘度
また得られた粘度の変化率について、以下の評価基準に従って評価した。
A:粘度の変化率が10%以下であった。
B:粘度の変化率が10%を超えて25%以下であった。
C:粘度の変化率が25%を超えて50%以下であった。
D:粘度の変化率が50%を超えていた。
(樹脂粒子分散物の調製)
以下のようにして、樹脂粒子の水系分散物(ラテックス)PL−01を調製した。
水120gに、ラテムルASK((株)花王製、カルボン酸塩系乳化剤)19.8g、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液6g、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.3gを加え、均一に溶解させた。70℃に加熱し、窒素気流下に、スチレン25.9gとブチルアクリレート26.3gとアクリル酸5.1gのモノマー混合物を2時間かけて添加した。その後、70℃で2時間、80℃で3時間加熱した。室温に冷却後、pHが9前後になるように、攪拌しながら1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて、ラテックスPL−01を得た。
得られたラテックスの体積平均粒子径は115nmであった。またラテックス分散液の固形分は33質量%であった。
上記で得られた水系顔料分散物と樹脂粒子分散物とを用い、以下の組成となるように各成分を混合して、水系インクR−1〜R−23を調製した。
<組成>
(1)水系顔料分散物 30部
(2)樹脂粒子(PL−01) 8.2部
(3)ソルビトールにエチレンオキシドが3モル付加された化合物
(水溶性有機溶剤、SP値35.1) 5部
(4)DPGmBE(水溶性有機溶剤、SP値20.5) 4部
(5)DEGmBE(水溶性有機溶剤、SP値23.7) 8部
(6)グリセリン(水溶性有機溶剤、SP値41.0) 15部
(7)チオジグリコール(水溶性有機溶剤、SP値31.2) 2部
(8)1,5−ペンタンジオール(水溶性有機溶剤、SP値29.0) 1部
(9)オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1部
(10)イオン交換水 総量が100部となるようにするための残量
尚、DPGmBEは、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルを、DEGmBEは、ジエチレングリコールモノブチルエーテルをそれぞれ意味する。
<吐出性>
上記で得られたインクジェット記録用水系インクR−1〜R−23を用いて、インクジェット記録インクとして用いた場合の性能(吐出性)を以下の方法で評価した。
インクジェット記録装置として、600dpi、256ノズルの試作プリントヘッドを備えたインクジェット装置を用意し、インクジェット記録用水系インクを装填して、以下の方法により白抜けの発生を評価した。被記録媒体には、FX−L紙(富士ゼロックス(株)製)を用いた。
インクジェット装置に装填したインクジェット記録用水系インクを、FX−L紙上に30分間、連続吐出した後、メンテナンス作業として、15KPaの圧力で10秒間加圧した後にクリーンワイパーFF−390c((株)クラレ製)でワイプを行った。メンテナンス作業後、さらに5分間吐出を継続した。5分経過後にFX−L紙に記録されたベタ画像(5cm×5cm)を目視で観察し、画像上の白抜けの発生数を計数して、下記評価基準にしたがって評価した。
A:白抜けの発生はみられなかった。
B:白抜けの発生が1〜2箇所であり、実用上許容レベルであった。
C:白抜けの発生が3〜10箇所であり、実用上問題のあるレベルだった。
D:白抜けの発生が10箇所を超えていた。
これに対し、比較例では、凝集物のヘッドへの付着が多く、吐出されたインクの吐出方向性不良が防止できず、白抜け故障の発生を抑えることはできなかった。
Claims (8)
- 顔料と、
イオン性基を有する繰り返し単位、下記一般式(2)で表される繰返し単位および下記一般式(3)で表される繰返し単位の少なくとも一方、ならびに、下記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)のいずれかで表される繰返し単位の総含有量に対する含有率が20質量%以上50質量%未満である下記一般式(1)で表される繰返し単位を含む分散剤と、
を含有する水系顔料組成物。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は水素原子または置換基を表す。L1は単結合、または、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数2〜12のアルケニレン基、炭素数2〜6のアルキルエーテル基、−CONR3−(R3は水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基)、−COO−、−S−、−SO−、および−SO2−からなる連結基群から選ばれる少なくとも1種からなる2価の連結基を表す。Arは炭素数8以上の縮環型芳香環化合物、芳香環が縮環したヘテロ環化合物、または2以上のベンゼンが連結した化合物から誘導される1価の基を表す) - 前記一般式(1)、一般式(2)、および一般式(3)のいずれかで表される繰返し単位の総含有量に対する前記一般式(1)で表される繰返し単位の含有率が、35質量%以上50質量%未満である請求項1に記載の水系顔料組成物。
- 前記一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)におけるArは、ナフタレン、ビフェニル、トリフェニルメタン、フタルイミド、アクリドン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、ジフェニルメタン、ナフタルイミドまたはカルバゾールから誘導される1価の基である請求項1または請求項2に記載の水系顔料組成物。
- 前記イオン性基はアニオン性基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水系顔料組成物。
- 前記イオン性基はカルボキシル基である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水系顔料組成物。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の分散剤、顔料、前記分散剤を溶解し得る有機溶剤、および、水または水と少なくとも1種の有機溶剤とを含む水性キャリア媒体を混合して混合物を得る工程と、
前記混合物から前記分散剤を溶解し得る有機溶剤の少なくとも一部を除去する工程と、
を備える水系顔料分散物の製造方法。 - 請求項7に記載の水系顔料分散物の製造方法で得られる水系顔料分散物を含むインクジェット記録用水系インク。
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