JP2010194486A - 再生粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭酸カルシウムの分解を抑制でき、再生粒子の品質向上を図ることができる再生粒子の製造方法とする。
【解決手段】原料10を、脱水、乾燥及び燃焼をして、再生粒子を製造する方法であって、脱水後の原料10について、第1燃焼炉14にて0.05〜20%の酸素雰囲気下で乾燥及び燃焼を連続して行う工程と、この工程を経た原料10について、第1燃焼炉14とは別の第2燃焼炉32にて再度の燃焼を行う工程と、を有し、第2燃焼炉32として、外熱31及び内熱40Aを併用したキルン炉を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、製紙用の填料、顔料や、プラスチック用の充填剤等に循環使用できる製紙廃棄物を主原料とする再生粒子の製造方法に関するものである。
紙パルプ工場の各種工程から排出される製紙廃棄物(特には製紙スラッジ)は、無機充填剤及び無機顔料粒子をかなりの割合で含み、これらの製紙スラッジは、回収され、流動床炉やストーカー炉などの焼却炉で製紙スラッジ中の有機物を燃焼して製紙スラッジの減容化を図るとともに、エネルギーとして回収されている。しかしながら、製紙スラッジには、多量の無機物が含有されているため、燃焼しても多量の焼却灰(無機物)が残り、減容化にも限度がある。
そこで、この焼却灰をセメント原料の助剤として活用することや、土壌改良剤として活用すること等の努力もなされている。しかしながら、これらセメント原料や土壌改良剤の助剤としての焼却灰の使用量はわずかなものであり、結局、大部分の焼却灰は埋立て処分されているのが実情である。
そこで、焼却によって熱エネルギーとして回収するだけでなく、製紙スラッジ中の無機物を製紙用填料、顔料、プラスチック用充填剤等として再利用することは、製紙業界において古紙利用率の向上とともに環境問題に関わる重要な改善課題である。しかしながら、製紙スラッジの焼却灰には、燃焼されずに残った有機物がカーボンとして含まれるため白色度が低く、一方、白色度を高めるために燃焼温度を上げると焼成灰中の主たる成分である炭酸カルシウムが酸化カルシウムに分解し、填料として用いた場合、工程内にスケールとして析出したり、焼成灰を粉砕するために水に分散させる際に凝固が生じたり、あるいは無機物の焼結が進み、硬質物質化や粒子径が不揃いで大きくなっており、そのままの状態では設備の毀損や製紙用の填料や塗工用顔料、プラスチック用の充填剤等として使用するのに、品質の低下を来たし適さない。
そこで、特許文献1は、「製紙工程で発生する製紙汚泥廃棄物を貧酸素雰囲気で炭化する炭化装置と、燃焼用プロセス空気が吹き込まれ、炭化物中の炭素成分を雰囲気温度が650℃以上で燃焼させる焼成装置と、前記焼成装置から排気される排気ガスの一部を前記焼成装置に循環する循環装置とを備え、前記焼成装置における炭化物の雰囲気ガス中の二酸化炭素の分圧が5〜30%の範囲になるように制御する製紙汚泥廃棄物からの炭酸カルシウムの回収装置」を開示している。
しかしながら、特許文献1による場合、炭化させることにより焼成させる際の未燃焼カーボンが多くなり、焼成装置内で未燃焼カーボンが燃焼することにより焼成装置内の温度が上昇するため、温度調整が困難であり、高温に成り易く炭酸カルシウムの酸化カルシウムへの分解が促進され、排ガス(二酸化炭素)による炭酸カルシウムの分解抑制効果を得にくい。
また、炭酸カルシウムの分解抑制効果を得るために二酸化炭素濃度を上げると、未燃焼カーボンの焼成が阻害されるため白色度が得られず、製紙用の填料や塗工用顔料などとして使用するに適するものとはならないことが知見された。
さらに、炭化物を焼成した排ガスを焼成に循環使用するため、排ガス中の煤塵が焼成物に異物として混入したり、白色度が低下したりすることも知見された。
一方、特許文献2では、製紙スラッジから再生顔料を回収するについて、炉内の酸素濃度が0.1体積%以下となる実質的に酸素が存在しない貧酸素状態で、間接加熱炉(外熱燃焼炉)によって乾燥及び炭化処理し、次に炭化物に含まれる有機物由来の炭素を450℃〜1000℃で酸化させて脱炭素する、具体的には間接加熱炉によって白化処理する方法が提案されている。そして、この白化処理における炉としてロータリーキルン炉を開示している。しかしながら、この乾燥及び炭化処理を間接加熱炉によって行う方法は、特許文献1においても同様ながら、貧酸素条件化で炭化を行う設備費用が高額に成り、乾燥・燃焼効率が低く生産性が悪く、温度制御が困難であるとともに多大なエネルギーコストを必要とし、費用対効果が極めて低くなるなどの問題を有する。
また、本出願人も、特許文献3において、所定の形状に成型した製紙スラッジを炭化後に再燃焼のために直接火炎を吹き込まない方式のロータリーキルン炉を使用することを開示している。所定の形状に成型することで、成型を施さない場合と比べ品質の安定化を図ることが可能ながら、この方法においても、乾燥・燃焼効率が低く生産性が悪く、温度制御が困難であるとともに多大なエネルギーコストを必要とし、費用対効果が極めて低くなるなどの問題を有する。
さらに、本出願人は、特許文献4において、原料スラッジとして脱墨スラッジを用い、これを乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥させた脱墨スラッジをサイクロン型燃焼炉の炉上部から炉内に供給し、旋回下降させつつ燃焼させ未燃分を含む一次燃焼物を得る一次燃焼工程と、前記サイクロン型燃焼炉に連通し、その下端からの未燃分を含む一次燃焼物を受けて、機械的な攪拌により酸素との接触を促進させながら、前記一次燃焼工程の燃焼熱を利用して所定の白色度となるまで燃焼させる二次燃焼工程とを含む、ことを特徴とする脱墨スラッジからの白色顔料又は白色填料の製造方法を提案している。
しかしながら、この方法は、乾燥と燃焼を別の装置で行うため、設備費が嵩み、また、サイクロン式流動燃焼炉自体の形式に由来するものと考えられるが、サイクロン式は数十〜数百ミクロンの原料と空気を旋廻流として供給口から供給し、空気の旋廻作用により空気と効果的に混合されながら燃焼させるため、原料に含有される微粒子が、排ガスとともに系外に排出され製品歩留りが低下する問題、主原料である脱墨フロスの燃焼時間(加熱時間)が短時間であることにより未燃焼分が生じやすい問題、最終的に得られる燃焼物の品質(特に形状)が一定でなく、燃焼物の白色度もバラツキが生じる場合があることが知見された。
このほか、特許文献5は、「成形汚泥を一つのロータリーキルン内で乾燥、炭化、焼成の順序で連続して処理して焼却灰を得る工程」を有する「塗工紙製造工程の排水処理汚泥」から製紙用填料を製造する方法について、開示している。
しかしながら、この方法は、一つのロータリーキルン内で乾燥、炭化、焼成を行うため、構成物質の変動が大きい製紙スラッジを原料とする本件特許文献においては、一定の燃焼状態を制御することができず、過度の焼成による焼成灰の硬化や焼成不足による白色度の低下を生じる問題を有する。
特許第4105564号公報 特開2003−119695号公報 特開2002−275785号公報 特許第3831719号公報 特開2004−176208号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、特に製紙用の填料や塗工用顔料として必要な特性を備えた再生粒子を、安定して製造することができる、再生粒子の製造方法を提供することにある。より具体的には、再生粒子の製造において、炭酸カルシウムの分解を抑制でき、再生粒子の品質向上、生産性の向上を図ることができる、再生粒子の製造方法を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
製紙廃棄物を主原料とする原料を、少なくとも脱水、乾燥及び燃焼をして、再生粒子を製造する方法であって、
前記脱水後の原料について、第1燃焼炉にて0.05〜20%の酸素雰囲気下で前記乾燥及び前記燃焼を連続して行う工程と、
この工程を経た原料について、前記第1燃焼炉とは別の第2燃焼炉にて再度の前記燃焼を行う工程と、を有し、
前記第2燃焼炉として、外熱及び内熱を併用したキルン炉を用いる、
ことを特徴とする再生粒子の製造方法。
〔請求項2記載の発明〕
前記第1燃焼炉における燃焼温度を500〜700℃とし、
前記第2燃焼炉として、本体が横置きで中心軸周りに回転する移送方向に温度制御可能な電気加熱による外熱手段と、燃焼ガス加熱による内熱手段とを有するキルン炉を用い、この第2燃焼炉における燃焼温度を550〜750℃とする、
請求項1記載の再生粒子の製造方法。
〔請求項3記載の発明〕
前記第1燃焼炉の加熱手段を、燃焼ガス発生炉からの燃焼ガスによる内熱手段とし、
前記第2燃焼炉において発生する排ガスを、前記第1燃焼炉の燃焼ガス発生炉に供給し、
前記第2燃焼炉において供給する原料の未燃率を2〜20質量%とし、かつ、前記第2燃焼炉内の二酸化炭素ガス濃度が5〜20%になるように前記燃焼ガス加熱を行うことにより、前記第2燃焼炉から排出される焼成灰の25℃から800℃における示差熱熱重量分析による重量減量割合を15%〜25%とする、
請求項1又は請求項2記載の再生粒子の製造方法。
本発明によれば、特に製紙用の填料や塗工用顔料として必要な特性を備えた再生粒子を、安定して製造することができる、再生粒子の製造方法となる。
製造設備の概要図である。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本形態の再生粒子の製造方法は、脱水後の原料の乾燥と燃焼が一連で行われ、この乾燥及び燃焼が、例えば、燃焼時間(滞留時間)が30分を超える第1燃焼炉を用いて行われ、好ましくはこの第1燃焼炉が本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱(直接加熱)キルン炉であり、次に、第1燃焼炉から得られる燃焼物を再度燃焼する、例えば、燃焼時間(滞留時間)が10分以上の第2燃焼炉を用い、好ましくは本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱(間接加熱)及び内熱を併用したキルン炉、特に燃焼温度を容易に調整可能な電気炉により燃焼するものである。
なお、以下の説明では、第1燃焼炉を内熱キルン炉、第2燃焼炉を外熱及び内熱併用キルン炉を選択し行うが、先の第1燃焼炉を内熱で行い、後の第2燃焼炉を外熱及び内熱併用で行う少なくとも2段階の装置であれば、他の形態も採用できる。また、先に述べたように、第1燃焼炉における燃焼時間(滞留時間)が30分を超える内熱燃焼炉、第2燃焼炉における燃焼時間(滞留時間)が10分以上の外熱及び内熱併用燃焼炉であればより好適である。
第1燃焼炉として好適に用いられる内熱キルン炉によれば、その端部から投入される燃焼物を内熱キルン炉の回転数やキルン炉内に設けることができる堰により一定の滞留時間をもって、他端部の排出口から排出でき、乾燥及び燃焼を一つの炉で行うことができ、燃焼物の乾燥から燃焼物中に含まれる有機物の気化を促し、供給口から排出口に至るまで、燃焼温度の急激な高温化を抑えながら、緩やかに安定的に乾燥及び燃焼が進行し、かつ燃焼物の微粉化が抑制される。
また、第2燃焼炉として好適に用いられる外熱及び内熱併用キルン炉により燃焼すると、例えば電気炉のように温度調整が可能な外熱により第2燃焼炉における燃焼物の燃焼状況変動に応じた燃焼温度調整が容易になるとともに、内熱として例えば二酸化炭素ガス発生効率がよく未燃カーボン等の白色度低下要因物質が発生し難いLPGによる内熱加熱手段を併用することで、白色度の低下を来たさず、過剰な酸化反応を抑えながら燃焼物に均一な加熱を行う事ができ、燃焼物の品質の安定化を図ることが出来る、また、内熱によって、直接燃焼物に対し加熱を施すことで、燃焼物の燃焼状況に応じて均一かつ十分な加熱が可能になり、製紙スラッジ由来による燃焼物の燃焼のバラツキ、燃焼物の構成変動に応じた燃焼を施すことが可能となる。さらに、キルン炉の回転により、回転方向に沿って燃焼物が偏在する状態になるとともに、燃焼物と内壁との摩擦によって燃焼物が転動し、キルン炉内で緩やかに攪拌されつつ排出口へ燃焼物が移動するため、燃焼物の微粉化を抑えることが可能になり、その結果、最終的な燃焼物の品質及び形状が安定したものとなる。
上記のとおり、乾燥、燃焼の操作、特に燃焼物中の未燃物の割合を2〜20質量%となるように先の第1燃焼炉で燃焼処理を行い、その後の残留する有機物、炭化物等の未燃物の燃焼を第2燃焼炉で行う、好適には内熱キルン炉と外熱・内熱併用キルン炉にて、少なくとも2段階の燃焼炉により行うことで、特に製紙用の填料や塗工用顔料として必要な特性を備えた再生粒子を、均一で安定して製造することができる。
好適な燃焼炉として用いられる内熱又は外熱・内熱併用キルン炉は、内部耐火物を円周状でなく、六角形や八角形とすることで乾燥・燃焼物を滑らす事無く持ち上げて撹拌することができ、粉塵の発生を抑制し排ガスへの粉塵混入を抑えることができ、製品歩留りを向上させることができる。
ここで、本件発明者等が好適な再生粒子を得るに当り、最も注力した燃焼炉の選択について説明する。
従来から慣用的に用いられてきた燃焼炉は、ストーカー炉(固定床)、流動床炉、サイクロン炉、キルン炉の4種に大別でき、本発明者等は、それぞれの焼却炉で再生粒子の製造の検討を重ねたところ、以下のような結論に達した。
(ストーカー炉)
ストーカー炉(固定床)については、製紙廃棄物の燃焼度合い調整が困難であり、燃焼物が不均一である上に、特に灰分の多い脱墨フロスの燃焼では火格子間のクリアランスから落塵を生じるため適さない。火格子を通し燃焼物の下に空気を吹上げ燃焼させるため、炭酸カルシウムなどが飛灰となり排ガスとともに排ガス設備へ送られるため、歩留の低下が問題となる。
(流動床炉)
流動床炉については、炉内の流動媒体に珪砂のような粒子状の流動媒体を使用するため、珪砂が再生粒子へ混入し品質の低下を招く。また、均一な撹拌ができない。さらに、硅砂を流動層混合して燃焼させた後、硅砂と燃焼物とを分離し、硅砂は燃焼炉へ戻し燃焼物のみを取り出すが、燃焼物も硅砂と同程度の粒径が生じるため分離できない。硅砂と浮遊した状態で燃焼させているため、燃焼の度合い調整が困難であり、品質のばらつきが発生する。
また、硬度の高い珪砂との摩擦、衝突により燃焼物が微粉化され飛灰となって系外へ排出され歩留りが低下する。
(サイクロン炉)
サイクロン炉については、炉内を一瞬で通過するため燃焼物中の固定炭素を十分に燃焼できず白色度の低下に繋がる。更に、風送により細かい粒子はサイクロンで分離されず排ガスと一緒に排ガス処理工程に回るため歩留が低下する。
(キルン炉)
以上の諸問題について鋭意検討を重ねた結果、燃焼炉としてはキルン炉にて燃焼させることが最も好適な燃焼手段として選択され、更に以下の理由から先の第1燃焼炉を内熱キルン、後の第2燃焼炉を外熱・内熱併用キルンとすることが好適であることを見出した。
外熱キルン炉は、キルン炉の外側に加熱設備を設けた構成となるため、キルン炉の構造が複雑になるとともに、燃焼物を間接的に乾燥、燃焼させるゆえに多量の熱源が必要になるため、脱水後の水分率が高い原料の乾燥、燃焼処理に外熱キルン炉を先の第1燃焼炉として使用した場合には、乾燥・燃焼効率が低くなり、生産性が悪く、温度の制御が困難になるとともに多大なエネルギーコストを必要とし、費用対効果が極めて低くなる。
また、単なる(外熱を併用しない)内熱キルン炉を2次燃焼炉に使用した場合には、残カーボンを燃焼するにおいて、炉内温度の調整に多量の希釈空気が必要であり、また、多量の空気を投入しないと燃焼熱を内熱キルン炉内に均一に伝えることが困難であり、更に炉内温度の変動を抑えることが困難であるため、燃焼物の過燃焼や燃焼ムラが生じやすい問題を呈する。
さらに、通常加熱に使用される重油バーナーからの重油燃焼残カーボンやイオウ酸化物等による汚染が発生し易く、製品段階で白色度の低下やバラツキが生じ、得られる燃焼物の品質の均一化が困難な問題が生じる。
次に、本発明の実施の形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
〔概要〕
本形態の再生粒子の製造設備フローは、脱水工程、燃焼工程、粉砕工程を有するが、更に、製紙廃棄物の凝集工程または造粒工程や、各工程間に分級工程等を設けてもよい。
図1に、再生粒子の製造設備フローの一部構成例(「乾燥・燃焼工程」及び「燃焼工程」を含む設備例)を示した。本設備には、各種センサーが備わっており、被燃焼物(原料等)や設備の状態、処理速度のコントロール等を行っている。
〔原料〕
本形態では、製紙廃棄物として、パルプ製造工程、古紙パルプ製造工程、製紙工程、塗工工程、紙加工工程等を有する製紙工場から排出される白水またはフロス、排水処理工程若しくは水再利用工程から分離排出される汚泥、若しくは再利用可能原料を使用することができる。このような形態で排出される製紙スラッジは、各工程で排出される白水、例えば凝集沈殿汚泥、活性汚泥、脱水汚泥等であり、特に古紙パルプ製造工程で排出される脱墨フロスが好適である。
古紙パルプ製造工程では、安定した品質の古紙パルプを連続的に生産する目的から、使用する古紙の選定、選別を行い、一定品質の古紙を使用する。そのため、古紙パルプ製造工程に持ち込まれる無機物の種類やその比率、量が基本的に一定になる。しかも、再生粒子の製造方法において未燃物の変動要因となるビニールやフィルムなどのプラスチック類が古紙中に含まれていた場合においても、これらの異物は脱墨フロスを得る脱墨工程に至る前段階で除去することができる。従って、脱墨フロスは、工場排水工程や製紙原料調整工程等、他の工程で発生する製紙スラッジと比べ、安定した品質の再生粒子を製造するための原料となる。
なお、「製紙廃棄物」とは、既に前記したが、パルプ製造工程、古紙パルプ製造工程、製紙工程、塗工工程、紙加工工程等を有する製紙工場から排出される白水、排水処理工程若しくは水再利用工程から分離排出される汚泥、若しくは再利用可能原料をいい、「脱墨フロス」とは、古紙パルプを製造する古紙処理工程において、主に、古紙に付着したインクを取り除く脱墨工程で、パルプ繊維から分離されるものをいう。
〔脱水工程〕
図示しない、例えば、製紙廃棄物として好適に用いることができる、古紙パルプを製造する脱墨工程においてパルプ繊維から分離された脱墨フロスは、種々の操作を経て、同じく図示しない脱水設備により脱水される。脱水後の原料は、水分率を50%未満、好ましくは25〜45%、より好ましくは30〜40%とすることが望ましい。
この脱墨フロス等の脱水は、公知の脱水手段を適宜に使用できる。本形態における一例では、脱墨フロス等は、脱水手段たる例えばスクリーンによって、脱墨フロスから水を分離して脱水する。
水分率が50%以上になると、第1燃焼炉における乾燥・燃焼処理温度の低下を招き、加熱のためのエネルギーロスが多大になるとともに、原料の燃焼ムラが生じやすくなり均一な燃焼を進めがたくなる。さらに、排出される排ガス中の水分が多くなり、ダイオキシン類対策における再燃焼処理効率の低下と、排ガス処理設備の負荷が大きくなる問題を有する。また、原料の水分率を低くすることで、均一な燃焼を進め易くなるものの、原料の水分率を25%未満まで脱水を行うことは、脱水設備が大型化すると共に、脱水処理エネルギーが多大になる問題を有する。
以上のように、脱墨フロスの脱水を多段工程で行い急激な脱水を避けると、無機物の流出が抑制でき脱墨フロス等のフロックが硬くなりすぎるおそれがない。脱水処理においては、脱墨フロス等を凝集させる凝集剤等の脱水効率を向上させる助剤を添加しても良い。
脱墨フロスの脱水工程は、本形態における再生粒子の製造工程に隣接することが生産効率の面で好ましいが、予め古紙パルプ製造工程に隣接して設備を設け、脱水を行った物を搬送することも可能であり、トラックやベルトコンベア等の搬送手段によって定量供給機まで搬送し、この定量供給機から乾燥・燃焼工程に供給する。
〔粉砕(解砕)工程〕
脱水工程を経た脱水後の原料は、第1燃焼炉に供給する前工程で、粉砕(解砕)することが好ましい。
本発明における好適な原料の平均粒子径は、第1燃焼炉に供給する操作において、望ましくは、粉砕機(又は解砕機)により平均粒子径15mm以下の粒子径に揃えることが好ましく、より好ましくは平均粒子径が3〜10mm、更に好ましくは平均粒子径が5〜7mmの範囲に成るように調整することが好ましく、好適には粒子径15mm以下の割合が、70重量%以上、好ましくは75%〜100%、より好ましくは85%〜100%に成るように粉砕し、脱水後の原料10として、貯層12や第1燃焼炉の装入機に供給することが好ましい。
脱墨フロス等の中に含まれる炭酸カルシウムの熱変化を来たさない乾燥・燃焼処理を図るため、脱墨フロス等の原料の粒子径は均一であることが好ましいところ、平均粒子径が3mm未満では過燃焼になりやすく、15mmを超える平均粒子径では、原料芯部まで均一に燃焼を図る事が困難な問題を有する。
各燃焼工程における粒子径は、空間率65%以上、2mmから30mmの1mm間隔の開孔寸法の金属製の板篩を複数段積み重ねて篩い分け試験を行い、例えば15mmの開孔の篩目を通過し、14mmの開孔の篩目の残留物の場合、14mmの開孔寸法(篩い下値)を用いて粒度分布測定曲線を描き、D50(平均統計粒径)を算出した値である。
〔乾燥・燃焼(第1燃焼)工程〕
かかる原料10が貯槽12から切り出されて、第1燃焼炉に供給される。第1燃焼炉は本体が横置きで中心軸周りに回転する内熱キルン炉14からなり、原料10は内熱キルン炉14の一方側から装入機15により装入される。内熱キルン炉14の加熱手段は、燃焼ガス発生炉20にて生成された燃焼ガスであり、この燃焼ガスを内熱キルン炉14の排出口側から、脱水物(原料)10の流れと向流する様に送り込む。
内熱キルン炉14の一方側には排ガスチャンバー16が、他方側には排出チャンバー18が設けられている。排出チャンバー18を貫通して、前記燃焼ガスが内熱キルン炉14の他方側から吹き込まれ、前記一方側から装入され、内熱キルン炉14の回転に伴って前記他方側に順次移送される原料10の乾燥及び燃焼と微細な飛灰(微細粒子)の排出を行う。
このように本乾燥・燃焼工程においては、脱水物(原料)10を、本体が横置きで中心軸周りに回転する、内熱キルン炉14という有形的な手段によって、乾燥・燃焼することにより、供給口から排出口に至るまで、緩やかに乾燥と有機分の燃焼が行え、燃焼物の微粉化が抑制され、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する脱水物(原料)10の燃焼度合いの制御と粒揃えを安定的に行うことができる。また、乾燥処理を脱水物の燃焼を生じない温度で乾燥させる内燃キルン式または外熱キルン式等の別工程に分割し、乾燥処理を行うことも出来る。
ここで内熱キルン炉14内に吹き込む燃焼ガスは、酸素濃度が0.05%〜20%、好適には9%〜20%、より好適には15%〜19%となるようにするのが望ましい。
酸素濃度は、原料10の燃焼(酸化)により消費されるため、燃焼の状況により酸素濃度に変動を生じる。酸素濃度が0.05%未満では、十分な燃焼を図る事が困難である。燃焼炉14内の酸素は、原料10の燃焼等によって消費され酸素濃度が低下するが、燃焼させるための熱風発生装置等により、空気などの酸素含有ガスを送風し、あるいは排気することで、酸素濃度を維持、調節可能であり、さらに酸素含有ガスを送風し、あるいは排気することで、燃焼炉14内の温度を細かく調節可能になり、原料10をムラなく万遍に燃焼することができる。
第1燃焼炉(内熱キルン炉)14の温度としては、500℃〜700℃、好ましくは510℃〜680℃、より好ましくは、530℃〜650℃が望ましい。第1燃焼炉14においては、容易に燃焼可能な有機物を緩やかに燃焼させ、燃焼しがたい残カーボンの生成を抑える目的から燃焼温度500℃〜700℃の温度範囲で燃焼する事が好ましく、500℃未満では有機物の燃焼が不十分であり、700℃を超えると過燃焼が生じ、炭酸カルシウムの分解による酸化カルシウムが生成し易くなる。更に、燃焼ガスの温度が700℃を超える場合は、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する燃焼物の粒揃えが進行するよりも早く乾燥・燃焼が局部的に進むため、粒子表面と内部の未燃率の差を少なく均一にすることが困難になる。
燃焼ガスは、バーナー20Aを備える燃焼ガス発生炉20から吹き込まれる。
排ガスチャンバー16からは、乾燥・燃焼により発生した排ガスが再燃焼室22に送り込まれる。微粉末は、排ガスチャンバー16の下部から排出され、再び原料に配合され再利用される。
排ガスは、再燃焼室22でバーナーにより再燃焼が行われ、予冷器24により予冷された後、熱交換器26を通し、誘引ファン28により煙突30から排出される。ここで、熱交換器26は外気を昇温した後に、燃焼ガス発生炉20に送られ、内熱キルン炉14に吹き込まれる燃焼ガスの用に供せられ、排ガスチャンバー16からの排ガスの熱を回収するようにしてある。
本発明における好適な製造方法においては、第2燃焼炉32からの排ガスを第1燃焼炉の燃焼ガス発生炉20に送り込むことで、第2燃焼炉32の熱量を有効利用できると共に、第1燃焼炉14での温度変化の安定化を図ることができる。より好適には、第2燃焼炉32にてLPGやLNGによる加熱ガスを用いた製造方法と組み合わせることで、飛灰や煤塵の少ない排ガスの有効利用が図れ、白色度の向上、品質の安定化に寄与することできる。
第1燃焼炉14は、脱墨フロス等の中に含有される燃焼容易な有機物を緩慢に燃焼させ、残カーボンの生成を抑制するため、好適には前記条件で30分から90分の滞留時間で燃焼させることが好ましい。より好ましくは、40分から80分が有機物の燃焼と生産効率の面で好ましい。最も好ましくは、50分から70分の範囲が恒常的な品質を確保するために好ましい。燃焼時間が30分未満では、十分な燃焼が行われず残カーボンの割合が多くなる。燃焼時間が90分を超えると、原料の過燃焼による炭酸カルシウムの熱分解が生じ、得られる再生粒子が極めて硬くなる。
特に、次工程の第2燃焼工程内に供給する燃焼物の未燃率を、2〜20質量%に乾燥・燃焼することが好ましく、より好ましくは未燃率を、2〜15質量%、特に好ましくは未燃率を、2〜10質量%にすることが望ましい。未燃率を、2〜20質量%にすることで、後述する第2燃焼工程での燃焼を短時間に効率よく行うことができるとともに、外熱・内熱併用燃焼炉32における安定した加熱により、硬度が低く白色度が通常70%以上、好適には80%以上の高白色度の燃焼物を得ることができる。未燃率が2質量%未満では、第1次燃焼炉14におけるエネルギーコストが高いものとなるとともに、燃焼物の硬度が比較的高くなっている場合があり、第2燃焼炉32出口における白色度の低下等の品質低下を来たす場合がある。
〔燃焼(第2燃焼)工程〕
内熱キルン炉14において乾燥及び燃焼処理を経た燃焼物は、移送流路を通して、本体が横置きで中心軸周りに回転する外熱ジャケット31を有する第2燃焼炉にあたる外熱・内熱併用キルン炉32に装入される。
このキルン炉32の加熱手段は、外熱ジャケット31とともに、燃焼ガス発生炉40にて生成された燃焼ガスであり、この燃焼ガスをキルン炉32の排出口側から、燃焼物(原料)10の流れと向流する様に送り込む。当該燃焼ガスは、バーナー40Aを備える燃焼ガス発生炉40から吹き込まれる。バーナー40Aの燃料には、重油やLPGやLNGを用いる方策が検討されるが、排ガス中の煤塵発生が少ない、LPGやLNGを用いるのが好適である。
バーナー40Aの設置位置は、第2燃焼炉32の燃焼物排出側に設置するのが、燃焼物中に含有する炭酸カルシウムの分解抑制に効果的である。第2燃焼炉32の燃焼物排出側にバーナー40Aを設置することで、第2燃焼炉32の燃焼物投入側において、第1燃焼炉を経て、燃焼物中に残有する有機物や炭化物の酸化反応を進め、排出口側ではバーナー40Aの燃焼により発生する二酸化炭素の濃度を高く調整可能であり、炭酸カルシウムの分解抑制に好適である。また、バーナー排ガスは、第2燃焼炉32の回転方向と対向するように旋回させるのが好適である。これは、第2燃焼炉32の回転により燃焼物が転動し、緩慢な撹拌が生じるため、撹拌する方向に対して二酸化炭素ガスを吹き込む方向でバーナー排ガスを吹き込むことで、燃焼物と二酸化炭素の接触効率が高まり、酸化反応を抑制することができるものと考えられるためである。
第2燃焼炉32にて発生する排ガスは、第2燃焼炉32の好適な熱源として用いる内熱加熱手段原料としてのLPGやLNG、電気加熱による電気炉により、粉塵や微細粒子の少ない排ガスであり、第1燃焼炉14に供給することで、更に該ガス中の粉塵や飛灰(微細粒子)の減少に寄与するので、白色度向上や品質の安定化を図ることができる。
この第2の燃焼炉(外熱・内熱併用キルン炉)32では、燃焼物を、まず、外熱で加温しながらキルン炉内壁の回転による摩擦によって緩やかに撹拌させることで粒子の微細化を抑制し、加えて、燃焼ガス発生炉40からの燃焼ガス(排ガス)中の二酸化炭素により燃焼物中の主成分たる炭酸カルシウムの分解を抑制しつつ、当該燃焼ガスの熱により更に均一に未燃分を燃焼する。
本発明の特徴である第2燃焼炉32として外熱及び内熱を併用したキルン炉を用いることで、第2燃焼炉32の燃焼温度を単体の加熱手段と比べ安定化させることが可能になり、当該キルン炉32の出入り口やキルン炉上部、下部に渡り細かな温度調整が可能になる有利性を有し、原料10の生産性、品質安定性、白色度の向上を図ることができる。
第2燃焼炉32における燃焼においては、第1燃焼炉14で燃焼しきれなかった残留有機物、例えば残カーボンを燃焼させるため、第1燃焼炉14において供給された原料10の粒子径よりも小さい粒子径に調整された燃焼物を用いることが好ましい。乾燥・燃焼工程後の燃焼物の粒揃えは、平均粒子径が15mm以下となるように調整するのが好ましく、更に好適には平均粒子径3〜10mmとなるように調整するのがより好ましく、平均粒子径3〜7mmとなるように調整するのが特に好ましい。
第2燃焼炉32入り口での平均粒子径が3mm未満では、過燃焼の危惧があり、平均粒子径が15mmを超える粒子径では、未燃分中の残カーボンの燃焼が困難であり、芯部まで燃焼が進まず得られる再生粒子の白色度が低下する問題を惹き起す。第2燃焼炉32での安定生産を確保するためには、第2燃焼炉32入り口での粒子径が30mm以下の燃焼物が70%以上に成るように粒子径を調整することが好ましい。70%以上にすると、得られる再生粒子の品質を均一にするという観点における実用化可能性に有益である。
本形態において、以上の乾燥・燃焼工程後の粒子径の調整は、所定のクリアランスを有する複数の回転するロールの間に焼成物を通過させることによることができる。
外熱キルン炉32での外熱源としては、外熱キルン炉32内の温度コントロールが容易で長手方向の温度制御が容易な電気加熱方式が好適であり、したがって、電気ヒーターによる外熱キルン炉32であることが望ましい。外熱に電気を使用することにより、温度の調整を細かくかつ内部の温度を均一にコントロール可能になり、硬い・柔らかい等さまざまな性質を有する乾燥・燃焼物の燃焼度合いの制御と、粒揃えとを、安定的に行うことができる。
さらに電気炉は、電気ヒーターを炉の流れ方向に複数設けることで、任意に温度勾配を設ける事が可能であると共に、燃焼物の温度を一定時間、一定温度保持することが可能であり、第1燃焼炉14を経た乾燥・燃焼物中の残留有機分、特に残カーボンを、第2燃焼炉32で炭酸カルシウムの分解を抑制しつつ未燃分を限りなくゼロに近づけることができ、低いワイヤー摩耗度で、高白色度の再生粒子を得ることができる。
キルン炉32においては、炭酸カルシウムの分解を抑制するため、二酸化炭素濃度が5〜20%、より好ましくは9〜18%、特に好ましくは10〜16%となるようにするのが望ましい。二酸化炭素濃度が20%を超えると、燃焼困難な残カーボンの燃焼が阻害され、白色度の低下や品質の低下を招く問題が生じる。
また、キルン炉32内の酸素濃度が5%未満においても、燃焼困難な残カーボンの燃焼が進まないため、白色度の低下や品質の低下を招く問題が生じるため、酸素濃度を調整する空気あるいは酸素の供給機構(図示せず)にて酸素濃度が5%〜20%、望ましくは10%〜20%、特に望ましくは10%〜15%となるように燃焼するのが望ましい。酸素濃度が20%を超えると、炭酸カルシウムの酸化反応が進み分解が生じ易くなるため好ましくない。
キルン炉32における燃焼温度としては、550℃〜750℃、より好ましくは600℃〜725℃、特に好ましくは650〜710℃が望ましい。第2燃焼炉32は、先に述べたように、第1燃焼炉14で燃焼しきれなかった残留有機物、特に残カーボンを燃焼させる必要があるため、第1燃焼炉14よりも高温で燃焼させることが好ましく、燃焼温度が550℃未満では、十分に残留有機物の燃焼を図ることが困難であり、燃焼温度が750℃を超える場合は、燃焼物中の炭酸カルシウムの酸化が進行し、粒子が硬くなる問題が生じる。
また、キルン炉32における滞留時間は、10分〜60分、好ましくは15分〜45分、より好ましく20分〜40分が望ましい。特に残カーボンの燃焼は炭酸カルシウムの分解を出来る限り生じさせない高温で、緩慢に燃焼させる必要があり、滞留時間が10分未満では、残カーボンの燃焼には短時間で不十分であり、60分を超えると、炭酸カルシウムが分解する問題が生じる。
更に、燃焼物の安定生産を行うにおいて滞留時間を10分以上、過燃焼の防止、生産性の確保のため60分以下で燃焼させることが好適である。より好ましくは20分〜40分である。
このキルン炉32から排出される燃焼物の平均粒子径としては、15mm以下、望ましくは平均粒子径が2mm〜8mm、より望ましくは平均粒子径が2mm〜5mmに調整することが好適である。この平均粒子径は、例えば、所定のクリアランスを有する複数の回転するロールの間に焼成物を通過させることによって、調節することができる。
燃焼が終了した再生粒子は、冷却機34により冷却された後、振動篩機などの粒径選別機36により選別され、湿式粉砕機等を用いた粉砕工程で目的の粒子径に調整された再生粒子が燃焼品サイロ38に一時貯留され、顔料や填料の用途先に仕向けられる。
なお、本形態では、製紙廃棄物として脱墨フロスを原料として用いた場合を主に例示したが、脱墨フロスを主原料に、抄紙工程における製紙スラッジ等の他製紙スラッジを適宜混入させたものを原料とした燃焼物であってもよい。
〔粉砕工程〕
本形態における再生粒子の製造方法においては、必要に応じ、更に公知の分散・粉砕工程を設け、適宜必要な粒子径に微細粒化することで塗工用の顔料、内添用の填料として使用できる。
一例では、燃焼後、得られた粒子は、ジェットミルや高速回転式ミル等の乾式粉砕機、あるいは、アトライター、サンドグラインダー、ボールミル等の湿式粉砕機を用いて粉砕する。填料、顔料用途等への最適な粒子径については、本形態の再生粒子は、平均粒子径0.1μm〜10μm、好適には0.3μm〜6μm、より好適には0.8μm〜5μmであるのが好ましい。
粉砕工程後における再生粒子の粒子径は、粒径分布測定装置(レーザー方式のマイクロトラック粒径分析計:日機装製)により体積平均粒子径を測定した値である。
〔付帯工程〕
本製造設備において、より品質の安定化を求めるためには、再生粒子の粒子径を、各工程で均一に揃えるための分級を行うことが好ましく、粗大や微小粒子を前工程にフィードバックすることでより品質の安定化を図ることができる。
また、乾燥・燃焼工程の前段階において、脱水処理を行った脱墨フロス等を造粒することが好ましく、更には、造粒物の粒子径を均一に揃えるための分級を行うことがより好ましく、粗大や微小の造粒粒子を前工程にフィードバックすることでより品質の安定化を図ることができる。造粒においては、公知の造粒設備を使用でき、回転式、撹拌式、押出し式等の設備が好適である。
本製造方法の原料としては、再生粒子の原料と成り得るもの以外は予め除去しておくことが好ましく、例えば古紙パルプ製造工程の脱墨工程に至る前段階のパルパーやスクリーン、クリーナー等で砂、プラスチック異物、金属等を除去することが、除去効率の面で好ましい。特に鉄分の混入は、鉄分が酸化により微粒子の白色度低下の起因物質になるため、鉄分の混入を避け、選択的に取り除くことが推奨され、各工程を鉄以外の素材で設計又はライニングし、摩滅等により鉄分が系内に混入することを防止するとともに、更に、乾燥・分級設備内等に磁石等の高磁性体を設置し選択的に鉄分を除去することが好ましい。
更に、本形態に基づく再生粒子の製造方法による再生粒子は、X線マイクロアナライザーによる微細粒子の元素分析において、カルシウム、シリカ及びアルミニウムの比率が酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含むことが好ましく、より好ましくは、40〜82:9〜30:9〜30の質量割合、更に好ましくは、60〜82:9〜20:9〜20の割合である。
このようにカルシウム、シリカ及びアルミニウムを酸化物換算で30〜82:9〜35:9〜35の質量割合で含ませることで、比重が軽く、過度の水溶液吸収が抑えられるため、脱水工程のおける脱水性が良好であり、乾燥・燃焼工程における未燃物の割合が低減できることや、燃焼工程における焼結による過度の硬さを生じる恐れを低減できる。
カルシウム、シリカ及びアルミニウムを以上の割合に調整するための方法としては、脱墨フロスにおける原料構成を調整することが本筋ではあるが、乾燥・燃焼工程、燃焼工程において、出所が明確な塗工フロス(塗工紙製造工程から排出されるスラッジを意味する。)や抄紙工程フロス(抄紙工程から排出されるスラッジを意味する。)をスプレー等で工程内に含有させる手段や、焼却炉スクラバー石灰(クラフトパルプ製薬工程から排出されスクラバーで回収される石灰を意味する。)を含有させる手段にて調整することも可能である。
例えば、脱墨フロスを主原料に、再生粒子中のカルシウムの調整には、中性抄紙系の排水スラッジや、塗工紙製造工程の排水スラッジを用い、シリカの調整には、不透明度向上剤としてホワイトカーボンが多量添加されている新聞用紙製造系の排水スラッジを、アルミニウムの調整には塗工用顔料としてクレーの使用がある塗工系の排水スラッジ、製紙用填料としてクレーの使用がある抄紙系の排水スラッジを用いることができる。
また、本発明における、第1燃焼炉にて0.05〜20%の酸素雰囲気下で前記乾燥及び前記燃焼を連続して行う工程と、この工程を経た原料について、前記第1燃焼炉とは別の第2燃焼炉にて再度の前記燃焼を行う工程と、を有し、前記第2燃焼炉として、外熱及び内熱を併用したキルン炉を用いる本製造方法で得られる再生粒子は、25℃から800℃における重量減量割合(率)が示差熱熱重量分析(TG/DTA6200)において、重量減量割合が好適には15%〜25%、より好適には18%〜25%となるように、本形態に基づいて脱墨フロスを燃焼制御することで、より正確にカルシウム成分の酸化の進行を抑制し、粒子が硬くなることを防止することができるので好ましい。重量減量割合(率)が15%を下回ると炭酸カルシウムの分解(酸化カルシウムへの変化)を来たしているとともに、過焼成となっていることを示しており、粒子が固くなり粒度調整が困難に成る問題を有し、他方、重量減量割合(率)が25%を上回る場合は、燃焼物中に有機物、残カーボンなどの未燃焼物の存在を示しており、得られる燃焼物の白色度低下が著しく、製紙用填料や塗工用顔料としては用い得ない物となる。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
表1に示すように、各種要因を変化させて、得られた再生粒子の品質を調べたところ、表1に示す結果が得られた。この結果によれば、本発明の方法(実施例)が比較例に対して優れていることがわかる。なお、品質の評価は、次記のように行った。
(未燃率):電気マッフル炉を予め600℃に昇温後、ルツボに試料を入れ約3時間で燃焼させ、燃焼前後の重量変化から未燃分を算出した。
(重量減量割合):示差熱重量分析 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製(型式 TG/DTA6200)を用い、測定条件を(1)昇温速度 25〜1050℃:20℃/min、(2)供給ガス 空気(酸素濃度約 5vol%)、(3)供給ガス流量 約48ml/minにて測定した。
(ワイヤー摩耗度):プラスチックワイヤー摩耗度(日本フィルコン製 3時間)、スラリー濃度2重量%で測定した。
(生産性):原料の脱水効率、生産性、粉砕に必要な電力を4段階評価し、最も効率の良かった条件を◎、良かったものを〇、水効率、生産性、粉砕のいずれかに問題を見出したものを△、実操業困難なものを×とした。
(品質安定性):所定の方法で得られた微粒子の、白色度、粒子径、一定時間間隔における生産量の各項目について、変動程度を測定し、変動が少ない順にランク付けを行い、上位6位までを◎、10位から15位を〇、16位から17位を△、それ以下を×とした。
(白色度):米国TAPPI標準法T−646 OS−75に準拠し、熊谷理機工業社製白色度計KR−III型にて測定した。
Figure 2010194486
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本発明は、製紙廃棄物を主原料として燃焼し、再生粒子を製造する方法として、適用可能である。
10…原料、12…貯槽、14…内熱キルン炉(第1燃焼炉)、15…装入機、16…排ガスチャンバー、18…排出チャンバー、20…燃焼ガス発生炉、20A…一次燃焼炉バーナー、22…再燃焼室、24…予冷器、26…熱交換器、28…誘引ファン、30…煙突、31…外熱ジャケット、32…外熱・内熱併用キルン炉(第2燃焼炉)、34…冷却機、36…粒径選別機、38…燃焼品サイロ、40…二酸化炭素ガス発生炉、40A…二次燃焼炉バーナー。

Claims (3)

  1. 製紙廃棄物を主原料とする原料を、少なくとも脱水、乾燥及び燃焼をして、再生粒子を製造する方法であって、
    前記脱水後の原料について、第1燃焼炉にて0.05〜20%の酸素雰囲気下で前記乾燥及び前記燃焼を連続して行う工程と、
    この工程を経た原料について、前記第1燃焼炉とは別の第2燃焼炉にて再度の前記燃焼を行う工程と、を有し、
    前記第2燃焼炉として、外熱及び内熱を併用したキルン炉を用いる、
    ことを特徴とする再生粒子の製造方法。
  2. 前記第1燃焼炉における燃焼温度を500〜700℃とし、
    前記第2燃焼炉として、本体が横置きで中心軸周りに回転する移送方向に温度制御可能な電気加熱による外熱手段と、燃焼ガス加熱による内熱手段とを有するキルン炉を用い、この第2燃焼炉における燃焼温度を550〜750℃とする、
    請求項1記載の再生粒子の製造方法。
  3. 前記第1燃焼炉の加熱手段を、燃焼ガス発生炉からの燃焼ガスによる内熱手段とし、
    前記第2燃焼炉において発生する排ガスを、前記第1燃焼炉の燃焼ガス発生炉に供給し、
    前記第2燃焼炉において供給する原料の未燃率を2〜20質量%とし、かつ、前記第2燃焼炉内の二酸化炭素ガス濃度が5〜20%になるように前記燃焼ガス加熱を行うことにより、前記第2燃焼炉から排出される焼成灰の25℃から800℃における示差熱熱重量分析による重量減量割合を15%〜25%とする、
    請求項1又は請求項2記載の再生粒子の製造方法。
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