JP2010179840A - 回生協調ブレーキ制御装置及び回生協調ブレーキ制御方法 - Google Patents

回生協調ブレーキ制御装置及び回生協調ブレーキ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】いわゆるインライン系の回生協調ブレーキ制御装置において、回生すり替え時の制動トルクの変動を抑制することを可能とする。
【解決手段】インライン系の回生協調ブレーキ制御において、運転者によるブレーキペダルの操作以外で発生したと推定されるブレーキペダルのペダルストロークまたはマスタシリンダ圧力の変動量に応じて、その変動分だけ目標減速度G(t)を補正することで回生すり替え時に発生する制動トルクの変動を抑制する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液圧に応じた摩擦制動トルクと回生制動トルクとによって目標減速度を発生させる回生協調ブレーキ制御の技術に関する。
従来の回生協調ブレーキ制御装置としては、例えば特許文献1に記載した装置がある。特許文献1に記載の装置は、液圧ブレーキ装置と回生ブレーキ装置とを協調動作させる、所謂、インライン系の回生協調ブレーキ制御装置である。そして、液圧ブレーキ装置による基礎液圧制動トルクと、回生ブレーキ装置による回生制動トルクとの和が、ブレーキ操作状態に応じて算出する目標制動トルクとなるように制御する。なお、回生ブレーキ装置による制動を優先的に使用する。
ここで、ブレーキバイワイヤ方式によって基礎液圧制動トルクを制御する回生協調ブレーキ制御装置もある。ただし、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続したインライン系の回生協調ブレーキ制御装置の方が安価となる。
特開2006―96218号公報
インライン系の回生協調ブレーキ制御装置では、上記基礎液圧制動トルクと回生制動トルクとの比率を変化させるために、例えば回生制動トルクを小さくすると、その分、基礎液圧制動トルクを増大するように制御する。このとき、ホイールシリンダの液圧増大制御を行うことは、マスタシリンダから作動液を吸引することになるので、運転者がペダル操作を変化させなくても、ブレーキペダルのストローク量が変化する。またこのことは、マスタシリンダ圧の変動に繋がる。このように、ブレーキペダルのストローク量やマスタシリンダ圧が変動することは、その分、目標減速度が変動する。このように、回生すり替え時に制動トルクが変動する。
本発明は、上述のような点に着目してなされたもので、いわゆるインライン系の回生協調ブレーキ制御装置において、回生すり替え時の制動トルクの変動を抑制することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明のインライン系の回生協調ブレーキ制御は、運転者によるブレーキペダルの操作以外で発生したと推定されるブレーキペダルのペダルストローク又はマスタシリンダ圧の変動量に応じて、目標減速度を補正する。
本発明は、回生制動トルクの変化に応じて発生する変動分だけ目標減速度を補正することで、回生すり替え時に発生する制動トルクの変動を抑制することが出来る。
第1実施形態の回生協調ブレーキ制御装置が適用されたハイブリッド車を示す全体システム図である。 第1実施形態の回生協調ブレーキ制御装置が適用されたハイブリッド車における各車両モードを示す共線図である。 液圧ブレーキ装置の構成を示す図である。 第1実施形態に係るブレーキコントローラの処理を説明する図である。 回生制動の目標値を求める制御ブロック図である。 圧力差と液量変動量の関係を示す図である。 実効回生トルクT(t)の変化と目標減速度G(t)の補正量との関係の一例を示す図である。 第1実施形態の回生協調ブレーキ制御装置が適用されたハイブリッド車における駆動力性能特性図と駆動力概念図である。 第1実施形態の回生協調ブレーキ制御装置が適用されたハイブリッド車における回生協調による制動トルク性能をあらわす図である。 第1実施形態の回生協調ブレーキ制御装置が適用されたハイブリッド車における回生協調による制動トルク性能をあらわす図である。 従来のタイムチャート例を示す図である。 第2実施形態に係るブレーキコントローラの処理を説明する図である。 重み付け係数K1を説明する図である。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
まず、ハイブリッド車の駆動系構成の例を説明する。
図1は、本実施形態の回生協調ブレーキ制御装置を適用するハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。
このハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1(発電機)と、第2モータジェネレータMG2と、出力スプロケットOSと、動力分割機構TMと、を有する。
上記エンジンEは、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等を制御する。上記エンジンEは、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンである。
上記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、例えばロータに永久磁石を埋設し、ステータにステータコイルを巻き付けた同期型モータジェネレータである。その第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2を、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、パワーコントロールユニット3により作り出した三相交流を印加することにより、それぞれ独立に制御する。
上記両モータジェネレータMG1、MG2は、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできる(以下、この状態を「力行」と呼ぶ。)。また、上記両モータジェネレータMG1、MG2は、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能して、バッテリ4に電力を充電することもできる(以下、この動作状態を回生と呼ぶ。)。
上記動力分割機構TMは、サンギヤSと、ピニオンPと、リングギヤRと、ピニオンキャリアPCと、を有する単純遊星歯車により構成する。
その単純遊星歯車の3つの回転要素(サンギヤS、リングギヤR、ピニオンキャリアPC)に対する入出力部材の連結関係について説明する。上記サンギヤSに、第1モータジェネレータMG1を連結する。上記リングギヤRに、第2モータジェネレータMG2と出力スプロケットOSとを連結する。上記ピニオンキャリアPCに、エンジンダンパEDを介してエンジンEを連結する。なお、上記出力スプロケットOSは、チェーンベルトCBや図外のディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右前輪に連結する。
上記連結関係により、図2に示す共線図上において、第1モータジェネレータMG1(サンギヤS)、エンジンE(プラネットキャリアPC)、第2モータジェネレータMG2及び出力スプロケットOS(リングギヤR)の順に配列し、単純遊星歯車の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデル(3つの回転数が必ず直線で結ばれる関係)を導入することができる。
ここで、「共線図」とは、差動歯車のギヤ比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図である。そして、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸に各回転要素をとり、各回転要素の間隔をサンギヤSとリングギヤRの歯数比λに基づく共線図レバー比(1:λ)になるように配置したものである。
次に、制動系の液圧ブレーキ装置の構成について、図3を参照して説明する。
図3中、符号1は、ブレーキペダル30である。運転者は、要求する制動トルクを指示するためにブレーキペダル30を操作する。そのブレーキペダル30は、負圧ブースタ31を通じてマスタシリンダ34に連結している。上記負圧ブースタ31は、ブレーキペダル30の踏み込み量に応じた制動圧(ペダル踏力)を倍力してマスタシリンダ34に供給する。ただし、本実施形態では、負圧ブースタ31による倍力を制限して、マスタシリンダ34への制動圧を、ペダル踏力よりも小さくなるように調整している。符号35は制御流体のリザーバである。
上記マスタシリンダ34は、流体圧回路36を構成する管路を通じて各車輪のホイールシリンダ20〜23に接続する。その管路の上流側には、流体圧制御用比例型電磁バルブ37を介挿する。図3は、流体圧制御用比例型電磁バルブ37が非通電時の状態を示し、マスタシリンダ34の流体がそのままホイールシリンダ20〜23に供給される状態を図示している。
この流体圧制御用比例型電磁バルブ37は、ブレーキコントローラ5からの制御電流によってマスタシリンダ34からホイールシリンダ20〜23への供給する流体(流体圧)を調整する。
また、上記管路に、制動制御用ポンプ38を備える。その制動制御用ポンプ38は、吸入口をマスタシリンダ34に接続すると共に、吐出口をホイールシリンダ20〜23に連通している。この制動制御用ポンプ38は、ブレーキコントローラ5からの制御指令に基づいて、ホイールシリンダ20〜23のシリンダ圧を増圧する。
なお、上記管路に対して、ABS制御その他の制御のための増圧用の流体圧制御用比例型電磁バルブ(以下、増圧用電磁バルブと呼ぶ)や、減圧用の流体圧制御用比例型電磁バルブ(以下、減圧用電磁バルブと呼ぶ)を設け、その電磁バルブで、各ホイールシリンダ20〜23の制動流体圧を個別に制御可能としても良い。
また、マスタシリンダ34の出力圧(マスタシリンダ圧MCP:運転者の制動要求量)を、マスタシリンダ圧センサ17で検出し、その検出信号をブレーキコントローラ5に供給する。また、各ホイールシリンダ20〜23の制動流体圧を圧力センサ40で検出し、その検出信号もブレーキコントローラ5に供給する。
次に、ハイブリッド車の制御系を説明する。
本実施形態におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、パワーコントロールユニット3と、バッテリ4(二次電池)と、ブレーキコントローラ5と、統合コントローラ6と、を有して構成する。
統合コントローラ6には、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、から入力情報を入力する。
上記統合コントローラ6は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うものである。すなわち、統合コントローラ6は、加速走行時等において、エンジンコントローラ1への制御指令によりエンジン動作点制御を行い。また、停止時や走行時や制動時等において、モータコントローラ2への制御指令によりモータジェネレータ動作点制御を行う。この統合コントローラ6には、各センサ7、8、9、10、11からのアクセル開度APと車速VSPとエンジン回転数Neと第1モータジェネレータ回転数N1と第2モータジェネレータ回転数N2とを入力する。そして、これらの入力情報に基づいて、所定の演算処理を実行し、その処理結果による制御指令をエンジンコントローラ1とモータコントローラ2へ出力する。なお、統合コントローラ6とエンジンコントローラ1、統合コントローラ6とモータコントローラ2、統合コントローラ6とブレーキコントローラ5などは、それぞれ情報交換のために双方向通信線24、25、26により接続する。
上記エンジンコントローラ1は、統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne、Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。ここで、統合コントローラ6は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APと、エンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neとに基づき目標エンジントルク指令等を演算する。
上記モータコントローラ2は、統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1、T1)を制御する指令を演算する。また独立して、上記目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2、T2)を制御する指令を演算する。そして、これら演算した指令をパワーコントロールユニット3へ出力する。なお、モータコントローラ2は、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリSOCの情報を用いる。また、統合コントローラ6は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ10、11からのモータジェネレータ回転数N1、N2に基づき、上記目標モータジェネレータトルク指令等を求める。
上記パワーコントロールユニット3は、不図示のジョイントボックスと昇圧コンバータと駆動モータ用インバータと発電ジェネレータ用インバータとを有する。そして、パワーコントロールユニット3は、より少ない電流で両モータジェネレータMG1、MG2への電力供給が可能な電源系高電圧システムを構成する。上記第2モータジェネレータMG2のステータコイルに、駆動モータ用インバータを接続する。上記第1モータジェネレータMG1のステータコイルに、発電ジェネレータ用インバータを接続する。また、上記ジョイントボックスに、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ4を接続する。
また、パワーコントロールユニット3は、実効回生トルクT(t)を求め、該実効回生トルクT(t)を、ブレーキコントローラ5に出力する。
上記ブレーキコントローラ5には、前左車輪速センサ12と、前右車輪速センサ13と、後左車輪速センサ14と、後右車輪速センサ15と、マスタシリンダ圧センサ17と、ブレーキストロークセンサ18と、から入力情報を入力する。そして、この上記ブレーキコントローラ5は、エンジンブレーキやブレーキペダル30の操作による制動時、統合コントローラ6への制御指令とブレーキ液圧ユニット19への制御指令を出すことで回生ブレーキ協調制御を行う。
このブレーキコントローラ5の処理を、図4を参照して説明する。
このブレーキコントローラ5は、所定のサンプリング周期で作動し、まず、ステップS10にて、各車輪速センサ12、13、14、15からの車輪速情報や、マスタシリンダ圧センサ17やブレーキストロークセンサ18からの制動操作量情報を入力する。
次に、ステップS20にて、マスタシリンダ圧MCP及びブレーキペダル30のペダルストローク量の少なくとも一方に基づき、目標減速度G(t)を算出する。
次に、ステップS30にて、車速から回生トルクの上限値である最大回生トルクTmax(t)を算出して制御指令を統合コントローラ6に出力して、ステップS40に移行する。
ここで、このステップS30にて行う最大回生トルクTmax(t)の算出について説明する。この処理は、図5に示すような回生制御ブロックにて行われる。
この回生制御ブロックは、図5に示すように、要求回生トルク演算モジュール41と、要求回生トルク制限演算部42と、要求回生トルク制限選択モジュール43と、を備えている。
上記要求回生トルク演算モジュール41は、マスタシリンダ圧MCPとブレーキストロークSを入力し、これらの情報により要求回生トルクREGEを演算する。
上記要求回生トルク制限演算部42は、車速情報等に基づき回生トルク上限値REGELIMを演算する。例えばアクセルオフとなり、コースト制動からクリープ状態に移行する場合には、回生トルクの上限を徐々にゼロに向けて小さくなるように演算する。また、バッテリの充電率や温度などによって回生トルクの上限値の制限が掛かる。
上記要求回生トルク制限選択モジュール43は、要求回生トルクREGEと回生トルク上限値REGELIMとを入力し、セレクトローにより制限後回生トルクREGEMINを選択し、これに上限値と下限値によるフィルタをかけて最大回生トルクTmax(t)を算出し、これを統合コントローラ6に出力する。
また、ステップS40では、実効回生トルクT(t)を入力してステップS50に移行する。
次に、ステップS50では、実効回生トルクT(t)の変化速度が所定速度以上か否かを判定若しくは推定する。そして、実効回生トルクT(t)の変化速度が所定変化速度以上と判定若しくは推定すると、ステップS60に移行する。一方、実効回生トルクT(t)の変化速度が所定速度未満と判定若しくは推定すると、ステップS120に移行する。
所定速度とは、回生トルクを摩擦制動トルクにすり替えたときに、摩擦ブレーキの応答性が追いつかないと推定される最低値である。例えば400(Nm/sec)に設定する。
ステップS60では、圧力センサ40からの検出信号に基づき、ホイールシリンダ圧P2を取得する。
次に、ステップS70では、目標減速度G(t)に応じた液圧とホイールシリンダ圧P2との液圧差ΔPを算出する。
ΔP = (目標減速度G(t)に応じた液圧) − P2
次に、ステップS80では、図6のようなマップを使用して、液圧差ΔPを液量変動量ccに変換する。ここで、ホイールシリンダ圧P2は、現在の摩擦ブレーキ量分相当の値である。 上記液圧差ΔPは、回生トルク相当の値である。上記では、目標減速度G(t)に応じた液圧差を求める場合を例示しているが、これに限定しない。ホイールシリンダ圧P2を摩擦ブレーキ量分相当の値に変換して、目標減速度G(t)との差によって上記ΔPに相当する値を求めても良い。単位は異なるが、同様な傾向の値を取得可能である。
ここで、回生トルクの変動が大きい場合には、上記補正前の目標減速度G(t)は、そのトルク変動を含んだ値となっている。そして、その変動を含んだ目標減速度相当の液圧から実際のシリンダ圧を差し引いた液圧差ΔPは、回生トルク相当の値になる。
そして、回生トルクが大きいほど、回生トルクの変動による液量の吸い込まれ量が小さく、回生トルクが小さい程、回生トルクの変動による液量の吸い込まれ量が大きい。これに基づき、図6では、上記液圧差ΔPが大きくなるほど、液量変動量ccが小さくなるように設定している。
次に、ステップS90では、マスタシリンダのピストン径などの諸元値に基づき、液量変動量ccをマスタストローク差ΔSに変換する。
次に、ステップS100では、ブレーキペダル30の実ペダルストローク量からマスタストローク差ΔS分補正して(ΔSだけ差し引いて)、補正後のペダルストローク量Pstを演算する。
次に、ステップS110では、補正後のペダルストローク量Pstを使用して再度、目標減速度G(t)を算出する。なお、液量変動量ccから、マスタシリンダ圧の変動分を求めてマスタシリンダ圧を補正して、再度、目標減速度G(t)を算出しても良い。
次に、ステップS115では、下記式に基づき摩擦制動トルクF(t)を算出して、ステップS170に移行する。
F(t) =目標減速度G(t) − 実効回生トルクT(t)
一方、ステップS50で回生トルクの変化速度が所定未満と判定若しくは推定して、ステップS120に移行すると、下記式に基づき摩擦制動トルクF(t)を算出して、ステップS130に移行する。
F(t) =目標減速度G(t) − 実効回生トルクT(t)
ステップS130では、実効回生トルクT(t)の変化速度ΔTから、目標減速度G(t)の変化量ΔGを推定して、ステップS70に移行する。この推定は、実験その他によって得た実効回生トルクT(t)の変化速度と目標減速度G(t)の変化量ΔGとのマップを使用して求める。この実効回生トルクT(t)の変化速度ΔTと目標減速度G(t)の変化量ΔGは、図7に示すような関係となっている。
ステップS140では、目標減速度G(t)が、所定の閾値以上であるか否かを判定する。所定の閾値以上と判定した場合にはステップS80に移行し、所定の閾値未満と判定した場合にはステップS170に移行する。
所定の閾値は、例えばマスタシリンダ34のピストンストロークがポートアイドル相当の目標減速度G(t)より若干大きめの値とする。このような目標減速度G(t)が小さい状態では、ペダルストロークによるマスタシリンダ圧MCPの変動依存度が大きく、運転者の操作による変動の可能性が大きいので、運転者の実際の操作とみなすものである。
ステップS150では、下記式のように、目標減速度G(t)を上記変化量ΔGだけ補正してステップS160に移行する。
補正目標減速度G′(t) = 目標減速度G(t) +変化量ΔG
ステップS160では、下記式に基づき摩擦制動トルクF(t)を再度、算出して、ステップS170に移行する。
F(t) =補正目標減速度G′(t) − 実効回生トルクT(t)
ステップS170では、上記摩擦制動トルクF(t)に相当するホイールシリンダ20〜23の目標制御流体圧を算出してステップS180に移行する。
ステップS180では、上記目標制動流体圧からマスタシリンダ圧MCPを減算して目標ポンプ圧BPuを算出し、その目標ポンプ圧に相当する指令値をブレーキ液圧ユニット19の制動制御用ポンプ38に出力した後に、復帰する。なお、流体圧制御用比例型電磁バルブ37によってホイールシリンダ20〜23の目標制御流体圧を小さく調整することが可能となっている。
このように、各ホイールシリンダ20〜23の制御流体圧を個々に制御することで、所望の大きさの摩擦負荷による制動トルクをディスクロータを介して車輪に付与する。
(動作)
まず、駆動力性能について説明する。
上記のハイブリッド車の駆動力は、図8(b)に示すように、エンジン直接駆動力(エンジン総駆動力から発電機駆動分を差し引いた駆動力)とモータ駆動力(両モータジェネレータMG1、MG2の総和による駆動力)との合計で示される。その最大駆動力の構成は、図8(a)に示すように、低い車速ほどモータ駆動力が多くを占める。このように、変速機を持たず、エンジンEの直接駆動力と電気変換したモータ駆動力を加えて走行させる。このため、低速から高速まで、定常運転のパワーの少ない状態からアクセルペダル全開のフルパワーまで、運転者の要求に対しシームレスに応答良く駆動力をコントロールすることができる(トルク・オン・デマンド)。
そして、上記のハイブリッド車では、動力分割機構TMを介し、エンジンEと両モータジェネレータMG1、MG2と左右前輪のタイヤとがクラッチ無しで繋がっている。また、上記のように、エンジンパワーの大部分を発電機で電気エネルギーに変換し、高出力かつ高応答のモータで車両を走らせている。このため、例えば、アイスバーン等の滑りやすい路面での走行時において、タイヤのスリップやブレーキ時のタイヤのロック等で車両の駆動力が急変する場合、過剰電流からのパワーコントロールユニット3の保護、あるいは、動力分割機構TMのピニオン過回転からの部品保護を行う必要がある。これに対し、高出力・高応答のモータ特性を活かし、部品保護の機能から発展させて、タイヤのスリップを瞬時に検出し、そのグリップを回復させ、車両を安全に走らせるためのモータトラクションコントロールを採用している。
次に、車両モードについて説明する。
上記のハイブリッド車での車両モードとしては、図2の共線図に示すように、「停車モード」、「発進モード」、「エンジン始動モード」、「定常走行モード」、「加速モード」を有する。
「停車モード」では、図2(1)に示すように、エンジンEと発電機MG1とモータMG2は止まっている。「発進モード」では、図2(2)に示すように、モータMG2の駆動で発進する。「エンジン始動モード」では、図2(3)に示すように、エンジンスタータとしての機能を持つ発電機MG1によって、サンギヤSが回ってエンジンEを始動する。「定常走行モード」では、図2(4)に示すように、主にエンジンEにて走行し、効率を高めるために発電を最小にする。「加速モード」では、図2(5)に示すように、エンジンEの回転数を上げると共に、発電機MG1による発電を開始し、その電力とバッテリ4の電力を使ってモータMG2の駆動力を加え、加速する。
なお、後退走行は、図2(4)に示す「定常走行モード」において、エンジンEの回転数上昇を抑えたままで、発電機MG1の回転数を上げると、モータMG2の回転数が負側に移行し、後退走行を達成することができる。
始動時は、イグニッションキーを回すとエンジンEが始動し、エンジンEを暖機した後、直ぐにエンジンEは停止する。発進時や軽負荷時は、発進時やごく低速で走行する緩やかな坂を下るときなどは、エンジン効率の悪い領域は燃料をカットし、エンジンは停止してモータMG2により走行する。通常走行時は、エンジンEの駆動力は、動力分割機構TMにより一方は車輪を直接駆動し、他方は発電機MG1を駆動し、モータTM2をアシストする。全開加速時は、バッテリ4からパワーが供給され、さらに、駆動力を追加する。
減速時や制動時には、車輪がモータTM2を駆動し、発電機として作用することで回生発電を行う。回収した電気エネルギーはバッテリ4に蓄えられる。バッテリ4の充電量が少なくなると、発電機MG1をエンジンEにより駆動し、充電を開始する。車両停止時には、エアコン使用時やバッテリ充電時等を除き、エンジンEを自動的に停止する。
次に、制動トルク性能について説明する。
上記のハイブリッド車では、エンジンブレーキやフットブレーキによる制動時には、モータとして作動している第2モータジェネレータMG2を発電機として作動させることにより、車両の運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリ4に回収し、再利用する回生ブレーキシステムを採用している。
ここで、本実施形態のハイブリッド車で採用する回生ブレーキ協調制御は、図9および図10に示すように、ブレーキペダル30の踏み込み量に対するマスタシリンダ34のマスタシリンダ圧MCPを制限する。これによって、運転者の要求制動トルクに対し回生ブレーキ(実効回生トルクT(t))を優先し、回生分で賄える限りは、最大限まで回生分の領域を拡大している。これにより、特に加減速を繰り返す走行パターンにおいて、エネルギー回収効率が高く、より低い車速まで回生制動によるエネルギーの回収を実現している。
また本実施形態では、装置を安価な構成とするために、マスタシリンダ34とホイールシリンダ20〜23とを接続している。このとき、マスタシリンダ34からホイールシリンダ20〜23に供給する流体圧は抑えられていると共に、その圧が制御不能な状態となっている。また、実効回生トルクT(t)が最大回生トルクTmax(t)と乖離がある場合がある。このため、本実施形態では、制動制御用ポンプ38を制御することで、要求制動トルク(目標減速度G(t))を確保している。
ここで、図11に示すタイムチャートのように、ブレーキペダル30のペダル踏力が一定の状態で、例えばアクセルオフとなって実効回生トルクT(t)が制限されると、その不足分を補うために上記制動制御用ポンプ38の吐出圧が増圧する。
すなわち、回生側のトルクが変化すると、それを補うように摩擦制動側のトルクが変化することで目標減速度を達成しようとする。このとき、ブレーキペダル及びマスタシリンダとホイールシリンダとはメカ的に接続している。このため、ブレーキ操作量が一定であって運転者の要求する目標減速度が一定であっても、摩擦制動側のトルク変化によるホイールシリンダ側の液量の増減に応じて、ブレーキペダルが変動、つまりブレーキペダルが吸い込まれたり、戻ったりする。
すなわち、マスタシリンダ34の作動液を制動制御用ポンプ38が吸引することから、マスタシリンダ圧MCPが、ブレーキペダル30のペダル踏力が変化しないにもかかわらず減少する。このため、目標減速度G(t)が減少して、そのままでは、運転者の要求する減速度に対して減少方向に変動が発生する。同様に、実効回生トルクT(t)が増加方向に変化する場合には、そのままでは、運転者の要求する減速度に対して増加方向に変動が発生する。
上記ブレーキペダルの変動が発生する制動の変動は、特に、回生トルクの変化速度が所定以上となって、摩擦制動側のブレーキ応答性の変化速度を越えると、顕著となる。
このため、本実施形態では、回生トルクの変化速度が所定以上の場合には、上記運転者のブレーキペダルの操作以外のブレーキペダルの変動量に応じた液圧量分を補正するように目標減速度を補正する。
これによって、回生トルクの変化速度が所定以上となることで顕著に発生する目標減速度の変動を抑える。
また、回生トルクの変化速度が所定未満であっても、目標減速度の変動はある。このため、回生トルクの変化速度が所定未満であっても、上記実効回生トルクT(t)の変動分に応じて目標減速度G(t)を補正することで、運転者の要求する減速度に対する制動の変動を抑える。すなわち、実効回生トルクT(t)が小さくなる方向に変化した場合には、目標減速度G(t)を増加する補正を行う。一方、実効回生トルクT(t)が大きくなる方向に変化した場合には、目標減速度G(t)を減少する補正を行う。
ここで、回生トルクの変化速度が所定以上となることは、車速が低速域で発生し易い。これは車速が低速域では、回生トルクが減るからである。また、変速機の変速が発生した際に、回生トルクの変化速度が所定以上となり易い。
ここで、制動制御用ポンプ38が液圧調整手段を構成する。パワーコントロールユニット3が実効回生量検出手段を構成する。モータジェネレータMG1、MG2、パワーコントロールユニット3、モータコントローラ、バッテリ4が回生制動手段を構成する。ステップS20が目標減速度G(t)を算出を行う。ステップS120、S115が摩擦制動トルク算出手段を構成する。ステップS170が液圧制御手段を構成する。変化量ΔGが減速度補正量を構成する。ステップS60〜S90は変動量推定手段を構成する。ステップS100、S110は、第1目標減速度補正手段を構成する。ステップS120〜S150は、第2目標減速度補正手段を構成する。
(本実施形態の効果)
(1)インライン系の回生協調ブレーキ制御装置を前提とする。液圧調整手段は、マスタシリンダからホイールシリンダに供給する液圧を増減する。回生制動手段は、車輪に対し電気的負荷を作用させて回生制動を発生する。実効回生量検出手段は、回生制動手段による実効回生トルクを求める。目標減速度算出手段は、上記ペダルストローク及びマスタシリンダ圧の少なくとも一方に基づき目標減速度を算出する。摩擦制動トルク算出手段は、上記目標減速度から上記実効回生トルク分だけ減算した目標摩擦制動トルクを算出する。液圧制御手段は、摩擦制動トルク算出手段が算出した目標摩擦制動トルクに対応するホイールシリンダ圧となるように液圧調整手段を介して液圧を増減する。変動量推定手段は、運転者によるブレーキペダルの操作以外のブレーキペダル又はマスタシリンダ圧の変動量を推定する。第1目標減速度補正手段は、上記実効回生トルクの変化速度が所定速度以上の場合には、上記変動量推定手段が推定した変動量に応じてブレーキペダル若しくはマスタシリンダ圧を補正することで、上記目標減速度算出手段が算出する目標減速度を補正する。
回生制動トルクの所定変化に応じた液量変化分だけ目標減速度を補正することで、回生すり替え時の制動トルクの変動を抑制する。特に、トルク変動が顕著に表れる実効回生トルクの変化速度が所定速度以上の場合に補正することで、所定以上のトルク変動が発生する状態の場合にそのトルク変動を抑えることが可能となる。
すなわち、目標減速度G(t)に対する回生制動と摩擦制動の比率が変わるいわゆる回生のすり替えが行われる際に、マスタシリンダ圧MCPが変動しても、実際に運転者が要求する減速度に対する目標減速度G(t)の変化が抑えることが出来る。この結果、マスタシリンダ34とホイールシリンダ20〜23とを連通させた流体制動システム(BBW系でない制動システム)を用いた回生協調ブレーキシステムであっても、減速度の変動を抑えることが可能となる。
(2)変動量推定手段は、補正前の目標減速度と上記ホイールシリンダの液圧とに基づき上記変動量を推定する。
これによって、運転者によるブレーキペダルの操作以外のブレーキペダル又はマスタシリンダ圧の変動量を推定可能となる。
(3)第2目標減速度補正手段は、上記実効回生トルクの変化速度に基づき減速度補正量を推定し、推定した減速度補正量に基づき、上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度、若しくは摩擦制動トルク算出手段が算出した目標摩擦制動トルクを補正する。
これによって、第1目標減速度補正手段が作動していない場合、若しくは第1目標減速度補正手段による補正が小さい場合でも、トルク変動を抑えることが可能となる。
(4)第2目標減速度補正手段は、上記実効回生トルクの変化速度が所定速度未満の場合に、上記補正の処理を実行する。
これによって、第1目標減速度補正手段が作動していない場合に、第2目標減速度補正手段によって補正する。
これによって、上記実効回生トルクの変化速度が所定速度未満でもトルク変動を抑えることが可能となる。
(5)なお、実効回生トルクT(t)に変動があっても、目標減速度G(t)が小さい状態では第2目標減速度補正手段による補正を実施しない。目標減速度G(t)が小さい場合には、上記ペダルストロークによる変動依存度が高いことから、運転者が実際にブレーキペダル30を操作した可能性が高いので、必要以上に補正を行うことを回避出来る。
(変形例)
(1)上記実施形態では、第2目標減速度は、目標減速度自体を補正している。これに代えて、実効回生トルクの変化速度から摩擦制動トルクの補正量を求めて、一度算出した摩擦ブレーキ量F(t)を補正するようにしても良い。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
(構成)
上記第1実施形態では、回生トルクの変化速度が所定速度以上の場合には、第1目標減速度補正手段で目標減速度を補正し、回生トルクの変化速度が所定速度未満の場合には、第2目標減速度補正手段で補正している。
これに対し、本実施形態では、第1目標減速度補正手段で目標減速度を補正した第1の目標減速度と、第2目標減速度補正手段で目標減速度を補正した第2の目標減速度と、に基づき最終的な目標減速度を演算する。
次に、本実施形態のブレーキコントローラの処理を、図12を参照して説明する。
このブレーキコントローラは、所定のサンプリング周期で作動する。
ステップS10〜ステップS40の処理は、上記第1実施家形態と同様である。
本実施形態では、ステップS40の処理が終了すると、そのままステップS60〜S110の処理を行う。これによって、第1目標減速度補正手段により補正した後の第1の目標減速度G1(t)を算出する。
続けて、ステップS120、S130、S150の処理を行って、第3目標減速度補正手段により補正した後の第2の目標減速度G′(t)を算出する。
次に、ステップS200にて、実効回生トルクT(t)の変化速度に基づき重み付け係数K1を求める。重み付け係数K1は、図13に示すマップによって求める。すなわち、重み付け係数K1は、実効回生トルクT(t)の変化速度が大きいほど大きくなるように設定してあり、実効回生トルクT(t)の変化速度が所定速度以上では、重み係数K1は1となる。
また、この係数K1を決める特性線A0の傾きθを、実効回生トルクT(t)の変化加速度が大きいほど、大きくなるように設定してある。すなわち、係数K1は、実効回生トルクT(t)の変化加速度が大きいほど大きくなる。
ここで、上記図13のマップは、実効回生トルクT(t)の変化速度と係数K1との関係を表す特性線が線形となるように設定してある。有段変速機の場合には、上記特性線を、符号A1のように、上側に凸の円弧状の曲線とすることが好ましい。また、変速機がCVTの場合には、符号A2のように、下側に凸の円弧状とすることが好ましい。
次に、ステップS210では、下記式のように、上記係数K1で重み付けをして、上記第1の目標減衰力及び第2の目標減衰力に基づき、最終的な目標減衰力を算出する。
G(t) =K1×G1(t) +(1−K1)×G′(t)
次に、ステップS220では、下記式に基づき摩擦制動トルクF(t)を算出して、ステップS170に移行する。
F(t) =目標減速度G(t) − 実効回生トルクT(t)
ステップS170では、上記摩擦制動トルクF(t)に相当するホイールシリンダ20〜23の目標制御流体圧を算出してステップS180に移行する。
ステップS180では、上記目標制動流体圧からマスタシリンダ圧MCPを減算して目標ポンプ圧BPuを算出し、その目標ポンプ圧に相当する指令値をブレーキ液圧ユニット19の制動制御用ポンプ38に出力した後に、復帰する。なお、流体圧制御用比例型電磁バルブ37によってホイールシリンダ20〜23の目標制御流体圧を小さく調整することが可能となっている。
このように、各ホイールシリンダ20〜23の制御流体圧を個々に制御することで、所望の大きさの摩擦負荷による制動トルクをディスクロータを介して車輪に付与する。
(動作・作用)
本実施形態では、液圧変動によるブレーキペダルの変動に応じて補正した第1の目標減速度と、実効回生トルクの変化速度に基づき推定した減速度補正量に基づき算出した第2の目標減速度を、係数K1で重み付けして最終的な目標減速度を算出する。
このとき、回生トルクの変化速度及び変化加速度が大きいほど、係数K1を大きくすることで、第1の目標減速度の重み付けを大きくする。
ステップS200、S210は、目標減速度調整手段を構成する。
(本実施形態の効果)
(1)上記第1目標減速度補正手段は、実効回生トルクの変化速度に関係なく、上記推定した変動量に応じて上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度を補正してなる第1の目標減速度を求める。上記第2目標減速度補正手段は、上記減速度補正量に基づき上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度を補正してなる第2の目標減速度を求める。そして、目標減速度調整手段は、上記第1の目標減速度及び第2の目標減速度に基づき、当該第1の目標減速度と第2の目標減速度とを上記実効回生トルクの変化速度に基づき重み付けをして、最終的な目標減速度を演算する。このとき、上記目標減速度調整手段は、上記実効回生トルクの変化速度が大きいほど第1の目標減速度側の重み付けを大きくする。
これによって、実効回生トルクの変化速度に応じて、トルク変動の補正量を適切に第1の第1の目標減速度と第2の目標減速度とに配分することが可能となる。
(2)上記実効回生トルクの変化加速度が大きいほど第1の目標減速度側の重み付けが大きくなるように当該重み付けを補正する。
これによって、実効回生トルクの変化加速度が大きいほど、第1の目標減速度の重み付けを大きく出来る。
(3)変速機が有段ATの場合、変速の度に毎回、回転急変が発生し、且つ急変量が大きい。このため変速が発生したら、素早く液圧重視の補正を行いたい。このため、図13において特性線をA1のように設定する。すなわち、実効回生トルクの変化の初期では第1の目標減速度の重み付けの増分を大きくする。
(4)変速機がCVTの場合、基本的に変速に応じて急変は発生しない。従って、故障時がイレギュラな制御の時だけ液圧重視の補正とすることが好ましい。このため、図13において特性線をA1のように設定する。すなわち、実効回生トルクの変化速度が小さい時には、第1の目標減速度の重み付けの増分を小さくし、実効回生トルクの変化速度が所定以上大きくなると、一気に第1の目標減速度の重み付けの増分を大きくするようにする。
(変形例)
(1)上記全実施形態では、回生を行うモータがエンジンと連結する場合を例示しているが、回生を行うモータがエンジンと独立していても構わない。
20-23 ホイールシリンダ
5 ブレーキコントローラ
6 統合コントローラ
17 マスタシリンダ圧センサ
18 ブレーキストロークセンサ
19 ブレーキ液圧ユニット
30 ブレーキペダル
34 マスタシリンダ
36 流体圧回路
37 流体圧制御用比例型電磁バルブ
38 制動制御用ポンプ
40 圧力センサ
41 要求回生トルク演算モジュール
42 要求回生トルク制限演算部
43 要求回生トルク制限選択モジュール
A0、A1、A2 特性線
AP アクセル開度
BPu 目標ポンプ圧
cc 液量変動量
F 摩擦ブレーキ量
G 目標減速度
G1 第1の目標減速度
G′ 第2の目標減速度
K1 重み付け係数
MCP マスタシリンダ圧
Pst ペダルストローク量
T 実効回生トルク
ΔP 液圧差
ΔS マスタストローク差
ΔT 変化速度

Claims (6)

  1. ブレーキペダルのペダルストロークに応じたマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダと、そのマスタシリンダの液圧を対象とする車輪のホイールシリンダに供給可能な流体圧回路と、その流体圧回路に設けられてマスタシリンダからホイールシリンダに供給する液圧を増減可能な液圧調整手段と、車輪に対し電気的負荷を作用させて回生制動を発生する回生制動手段と、回生制動手段による実効回生トルクを求める実効回生量検出手段と、
    上記ペダルストローク及びマスタシリンダ圧の少なくとも一方に基づき目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、
    上記目標減速度から上記実効回生トルク分だけ減算した目標摩擦制動トルクを算出する摩擦制動トルク算出手段と、
    摩擦制動トルク算出手段が算出した目標摩擦制動トルクに対応するホイールシリンダ圧となるように液圧調整手段を介して液圧を増減する液圧制御手段と、
    運転者によるブレーキペダルの操作以外のペダルストローク若しくはマスタシリンダ圧の変動量を推定する変動量推定手段と、
    上記実効回生トルクの変化速度が摩擦ブレーキの応答可能な速度以上の場合に、上記変動量推定手段が推定した変動量に応じてペダルストローク若しくはマスタシリンダ圧を補正することで、上記目標減速度算出手段が算出する目標減速度を補正する第1目標減速度補正手段と、
    上記実効回生トルクの変化速度に基づき減速度補正量を推定し、推定した減速度補正量に基づき、上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度、若しくは摩擦制動トルク算出手段が算出した目標摩擦制動トルクを補正する第2目標減速度補正手段と、
    を備えることを特徴とする回生協調ブレーキ制御装置。
  2. 上記変動量推定手段は、補正前の目標減速度と上記ホイールシリンダの液圧とに基づき上記変動量を推定することを特徴とする請求項1に記載した回生協調ブレーキ制御装置。
  3. 上記第2目標減速度補正手段は、上記実効回生トルクの変化速度が所定速度未満の場合に、上記補正の処理を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した回生協調ブレーキ制御装置。
  4. 上記第1目標減速度補正手段は、実効回生トルクの変化速度に関係なく、上記推定した変動量に応じて上記目標減速度算出手段が算出する目標減速度を補正してなる第1の目標減速度を求め、上記第2目標減速度補正手段は、上記減速度補正量に基づき上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度を補正してなる第2の目標減速度を求め、
    上記第1の目標減速度及び第2の目標減速度に基づき、当該第1の目標減速度と第2の目標減速度とを上記実効回生トルクの変化速度に基づき重み付けをして最終的な目標減速度を演算する目標減速度調整手段を備え、
    上記摩擦制動トルク算出手段は、目標減速度調整手段が求めた最終的な目標減速度から、上記実効回生トルク分だけ減算した目標摩擦制動トルクを算出し、
    上記目標減速度調整手段は、上記実効回生トルクの変化速度が大きいほど第1の目標減速度の重み付けを大きくすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した回生協調ブレーキ制御装置。
  5. 上記実効回生トルクの変化加速度が大きいほど第1の目標減速度の重み付けが大きくなるように当該重み付けを補正することを特徴とする請求項4に記載した回生協調ブレーキ制御装置。
  6. ブレーキペダルのペダルストロークに応じたマスタシリンダ圧をマスタシリンダが発生し、そのマスタシリンダの液圧を流体圧回路を介して対象とする車輪のホイールシリンダに供給可能に構成すると共に、流体圧回路に対してマスタシリンダからホイールシリンダに供給する液圧を増減可能な液圧調整手段を設け、
    上記ペダルストローク及びマスタシリンダ圧の少なくとも一方に基づき算出した目標減速度を、車輪に対する電気的負荷で発生する実効回生トルクと、上記液圧調整手段を介したホイールシリンダ圧の制御による摩擦制動トルクとによって達成する回生協調ブレーキ制御方法において、
    上記実効回生トルクの変化速度が所定速度以上と判定すると、運転者によるブレーキペダルの操作以外で発生したと推定されるブレーキペダルの変動量に応じて、上記目標減速度を補正することを特徴とする回生協調ブレーキ制御方法。
    上記実効回生トルクの変化速度が摩擦ブレーキの応答可能な速度以上の場合に、運転者によるブレーキペダルの操作以外のペダルストローク若しくはマスタシリンダ圧の変動量に応じてペダルストローク若しくはマスタシリンダ圧を補正することで、上記目標減速度を補正すると共に、
    上記実効回生トルクの変化速度に基づき減速度補正量を推定し、推定した減速度補正量に基づき、上記目標減速度若しくは上記摩擦制動トルクを補正することを特徴とする回生協調ブレーキ制御方法。
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