JP2010179840A - 回生協調ブレーキ制御装置及び回生協調ブレーキ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インライン系の回生協調ブレーキ制御において、運転者によるブレーキペダルの操作以外で発生したと推定されるブレーキペダルのペダルストロークまたはマスタシリンダ圧力の変動量に応じて、その変動分だけ目標減速度G(t)を補正することで回生すり替え時に発生する制動トルクの変動を抑制する。
【選択図】図3
Description
ここで、ブレーキバイワイヤ方式によって基礎液圧制動トルクを制御する回生協調ブレーキ制御装置もある。ただし、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続したインライン系の回生協調ブレーキ制御装置の方が安価となる。
本発明は、上述のような点に着目してなされたもので、いわゆるインライン系の回生協調ブレーキ制御装置において、回生すり替え時の制動トルクの変動を抑制することを課題としている。
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
まず、ハイブリッド車の駆動系構成の例を説明する。
図1は、本実施形態の回生協調ブレーキ制御装置を適用するハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。
このハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1(発電機)と、第2モータジェネレータMG2と、出力スプロケットOSと、動力分割機構TMと、を有する。
上記エンジンEは、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等を制御する。上記エンジンEは、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンである。
その単純遊星歯車の3つの回転要素(サンギヤS、リングギヤR、ピニオンキャリアPC)に対する入出力部材の連結関係について説明する。上記サンギヤSに、第1モータジェネレータMG1を連結する。上記リングギヤRに、第2モータジェネレータMG2と出力スプロケットOSとを連結する。上記ピニオンキャリアPCに、エンジンダンパEDを介してエンジンEを連結する。なお、上記出力スプロケットOSは、チェーンベルトCBや図外のディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右前輪に連結する。
図3中、符号1は、ブレーキペダル30である。運転者は、要求する制動トルクを指示するためにブレーキペダル30を操作する。そのブレーキペダル30は、負圧ブースタ31を通じてマスタシリンダ34に連結している。上記負圧ブースタ31は、ブレーキペダル30の踏み込み量に応じた制動圧(ペダル踏力)を倍力してマスタシリンダ34に供給する。ただし、本実施形態では、負圧ブースタ31による倍力を制限して、マスタシリンダ34への制動圧を、ペダル踏力よりも小さくなるように調整している。符号35は制御流体のリザーバである。
この流体圧制御用比例型電磁バルブ37は、ブレーキコントローラ5からの制御電流によってマスタシリンダ34からホイールシリンダ20〜23への供給する流体(流体圧)を調整する。
なお、上記管路に対して、ABS制御その他の制御のための増圧用の流体圧制御用比例型電磁バルブ(以下、増圧用電磁バルブと呼ぶ)や、減圧用の流体圧制御用比例型電磁バルブ(以下、減圧用電磁バルブと呼ぶ)を設け、その電磁バルブで、各ホイールシリンダ20〜23の制動流体圧を個別に制御可能としても良い。
次に、ハイブリッド車の制御系を説明する。
統合コントローラ6には、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、から入力情報を入力する。
上記ブレーキコントローラ5には、前左車輪速センサ12と、前右車輪速センサ13と、後左車輪速センサ14と、後右車輪速センサ15と、マスタシリンダ圧センサ17と、ブレーキストロークセンサ18と、から入力情報を入力する。そして、この上記ブレーキコントローラ5は、エンジンブレーキやブレーキペダル30の操作による制動時、統合コントローラ6への制御指令とブレーキ液圧ユニット19への制御指令を出すことで回生ブレーキ協調制御を行う。
このブレーキコントローラ5は、所定のサンプリング周期で作動し、まず、ステップS10にて、各車輪速センサ12、13、14、15からの車輪速情報や、マスタシリンダ圧センサ17やブレーキストロークセンサ18からの制動操作量情報を入力する。
次に、ステップS20にて、マスタシリンダ圧MCP及びブレーキペダル30のペダルストローク量の少なくとも一方に基づき、目標減速度G(t)を算出する。
ここで、このステップS30にて行う最大回生トルクTmax(t)の算出について説明する。この処理は、図5に示すような回生制御ブロックにて行われる。
この回生制御ブロックは、図5に示すように、要求回生トルク演算モジュール41と、要求回生トルク制限演算部42と、要求回生トルク制限選択モジュール43と、を備えている。
上記要求回生トルク演算モジュール41は、マスタシリンダ圧MCPとブレーキストロークSを入力し、これらの情報により要求回生トルクREGEを演算する。
上記要求回生トルク制限選択モジュール43は、要求回生トルクREGEと回生トルク上限値REGELIMとを入力し、セレクトローにより制限後回生トルクREGEMINを選択し、これに上限値と下限値によるフィルタをかけて最大回生トルクTmax(t)を算出し、これを統合コントローラ6に出力する。
次に、ステップS50では、実効回生トルクT(t)の変化速度が所定速度以上か否かを判定若しくは推定する。そして、実効回生トルクT(t)の変化速度が所定変化速度以上と判定若しくは推定すると、ステップS60に移行する。一方、実効回生トルクT(t)の変化速度が所定速度未満と判定若しくは推定すると、ステップS120に移行する。
ステップS60では、圧力センサ40からの検出信号に基づき、ホイールシリンダ圧P2を取得する。
次に、ステップS70では、目標減速度G(t)に応じた液圧とホイールシリンダ圧P2との液圧差ΔPを算出する。
ΔP = (目標減速度G(t)に応じた液圧) − P2
そして、回生トルクが大きいほど、回生トルクの変動による液量の吸い込まれ量が小さく、回生トルクが小さい程、回生トルクの変動による液量の吸い込まれ量が大きい。これに基づき、図6では、上記液圧差ΔPが大きくなるほど、液量変動量ccが小さくなるように設定している。
次に、ステップS100では、ブレーキペダル30の実ペダルストローク量からマスタストローク差ΔS分補正して(ΔSだけ差し引いて)、補正後のペダルストローク量Pstを演算する。
次に、ステップS110では、補正後のペダルストローク量Pstを使用して再度、目標減速度G(t)を算出する。なお、液量変動量ccから、マスタシリンダ圧の変動分を求めてマスタシリンダ圧を補正して、再度、目標減速度G(t)を算出しても良い。
F(t) =目標減速度G(t) − 実効回生トルクT(t)
一方、ステップS50で回生トルクの変化速度が所定未満と判定若しくは推定して、ステップS120に移行すると、下記式に基づき摩擦制動トルクF(t)を算出して、ステップS130に移行する。
F(t) =目標減速度G(t) − 実効回生トルクT(t)
所定の閾値は、例えばマスタシリンダ34のピストンストロークがポートアイドル相当の目標減速度G(t)より若干大きめの値とする。このような目標減速度G(t)が小さい状態では、ペダルストロークによるマスタシリンダ圧MCPの変動依存度が大きく、運転者の操作による変動の可能性が大きいので、運転者の実際の操作とみなすものである。
補正目標減速度G′(t) = 目標減速度G(t) +変化量ΔG
ステップS160では、下記式に基づき摩擦制動トルクF(t)を再度、算出して、ステップS170に移行する。
F(t) =補正目標減速度G′(t) − 実効回生トルクT(t)
ステップS170では、上記摩擦制動トルクF(t)に相当するホイールシリンダ20〜23の目標制御流体圧を算出してステップS180に移行する。
このように、各ホイールシリンダ20〜23の制御流体圧を個々に制御することで、所望の大きさの摩擦負荷による制動トルクをディスクロータを介して車輪に付与する。
まず、駆動力性能について説明する。
上記のハイブリッド車の駆動力は、図8(b)に示すように、エンジン直接駆動力(エンジン総駆動力から発電機駆動分を差し引いた駆動力)とモータ駆動力(両モータジェネレータMG1、MG2の総和による駆動力)との合計で示される。その最大駆動力の構成は、図8(a)に示すように、低い車速ほどモータ駆動力が多くを占める。このように、変速機を持たず、エンジンEの直接駆動力と電気変換したモータ駆動力を加えて走行させる。このため、低速から高速まで、定常運転のパワーの少ない状態からアクセルペダル全開のフルパワーまで、運転者の要求に対しシームレスに応答良く駆動力をコントロールすることができる(トルク・オン・デマンド)。
上記のハイブリッド車での車両モードとしては、図2の共線図に示すように、「停車モード」、「発進モード」、「エンジン始動モード」、「定常走行モード」、「加速モード」を有する。
「停車モード」では、図2(1)に示すように、エンジンEと発電機MG1とモータMG2は止まっている。「発進モード」では、図2(2)に示すように、モータMG2の駆動で発進する。「エンジン始動モード」では、図2(3)に示すように、エンジンスタータとしての機能を持つ発電機MG1によって、サンギヤSが回ってエンジンEを始動する。「定常走行モード」では、図2(4)に示すように、主にエンジンEにて走行し、効率を高めるために発電を最小にする。「加速モード」では、図2(5)に示すように、エンジンEの回転数を上げると共に、発電機MG1による発電を開始し、その電力とバッテリ4の電力を使ってモータMG2の駆動力を加え、加速する。
始動時は、イグニッションキーを回すとエンジンEが始動し、エンジンEを暖機した後、直ぐにエンジンEは停止する。発進時や軽負荷時は、発進時やごく低速で走行する緩やかな坂を下るときなどは、エンジン効率の悪い領域は燃料をカットし、エンジンは停止してモータMG2により走行する。通常走行時は、エンジンEの駆動力は、動力分割機構TMにより一方は車輪を直接駆動し、他方は発電機MG1を駆動し、モータTM2をアシストする。全開加速時は、バッテリ4からパワーが供給され、さらに、駆動力を追加する。
上記のハイブリッド車では、エンジンブレーキやフットブレーキによる制動時には、モータとして作動している第2モータジェネレータMG2を発電機として作動させることにより、車両の運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリ4に回収し、再利用する回生ブレーキシステムを採用している。
ここで、本実施形態のハイブリッド車で採用する回生ブレーキ協調制御は、図9および図10に示すように、ブレーキペダル30の踏み込み量に対するマスタシリンダ34のマスタシリンダ圧MCPを制限する。これによって、運転者の要求制動トルクに対し回生ブレーキ(実効回生トルクT(t))を優先し、回生分で賄える限りは、最大限まで回生分の領域を拡大している。これにより、特に加減速を繰り返す走行パターンにおいて、エネルギー回収効率が高く、より低い車速まで回生制動によるエネルギーの回収を実現している。
すなわち、回生側のトルクが変化すると、それを補うように摩擦制動側のトルクが変化することで目標減速度を達成しようとする。このとき、ブレーキペダル及びマスタシリンダとホイールシリンダとはメカ的に接続している。このため、ブレーキ操作量が一定であって運転者の要求する目標減速度が一定であっても、摩擦制動側のトルク変化によるホイールシリンダ側の液量の増減に応じて、ブレーキペダルが変動、つまりブレーキペダルが吸い込まれたり、戻ったりする。
このため、本実施形態では、回生トルクの変化速度が所定以上の場合には、上記運転者のブレーキペダルの操作以外のブレーキペダルの変動量に応じた液圧量分を補正するように目標減速度を補正する。
これによって、回生トルクの変化速度が所定以上となることで顕著に発生する目標減速度の変動を抑える。
ここで、回生トルクの変化速度が所定以上となることは、車速が低速域で発生し易い。これは車速が低速域では、回生トルクが減るからである。また、変速機の変速が発生した際に、回生トルクの変化速度が所定以上となり易い。
(1)インライン系の回生協調ブレーキ制御装置を前提とする。液圧調整手段は、マスタシリンダからホイールシリンダに供給する液圧を増減する。回生制動手段は、車輪に対し電気的負荷を作用させて回生制動を発生する。実効回生量検出手段は、回生制動手段による実効回生トルクを求める。目標減速度算出手段は、上記ペダルストローク及びマスタシリンダ圧の少なくとも一方に基づき目標減速度を算出する。摩擦制動トルク算出手段は、上記目標減速度から上記実効回生トルク分だけ減算した目標摩擦制動トルクを算出する。液圧制御手段は、摩擦制動トルク算出手段が算出した目標摩擦制動トルクに対応するホイールシリンダ圧となるように液圧調整手段を介して液圧を増減する。変動量推定手段は、運転者によるブレーキペダルの操作以外のブレーキペダル又はマスタシリンダ圧の変動量を推定する。第1目標減速度補正手段は、上記実効回生トルクの変化速度が所定速度以上の場合には、上記変動量推定手段が推定した変動量に応じてブレーキペダル若しくはマスタシリンダ圧を補正することで、上記目標減速度算出手段が算出する目標減速度を補正する。
すなわち、目標減速度G(t)に対する回生制動と摩擦制動の比率が変わるいわゆる回生のすり替えが行われる際に、マスタシリンダ圧MCPが変動しても、実際に運転者が要求する減速度に対する目標減速度G(t)の変化が抑えることが出来る。この結果、マスタシリンダ34とホイールシリンダ20〜23とを連通させた流体制動システム(BBW系でない制動システム)を用いた回生協調ブレーキシステムであっても、減速度の変動を抑えることが可能となる。
これによって、運転者によるブレーキペダルの操作以外のブレーキペダル又はマスタシリンダ圧の変動量を推定可能となる。
(3)第2目標減速度補正手段は、上記実効回生トルクの変化速度に基づき減速度補正量を推定し、推定した減速度補正量に基づき、上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度、若しくは摩擦制動トルク算出手段が算出した目標摩擦制動トルクを補正する。
これによって、第1目標減速度補正手段が作動していない場合、若しくは第1目標減速度補正手段による補正が小さい場合でも、トルク変動を抑えることが可能となる。
これによって、第1目標減速度補正手段が作動していない場合に、第2目標減速度補正手段によって補正する。
これによって、上記実効回生トルクの変化速度が所定速度未満でもトルク変動を抑えることが可能となる。
(5)なお、実効回生トルクT(t)に変動があっても、目標減速度G(t)が小さい状態では第2目標減速度補正手段による補正を実施しない。目標減速度G(t)が小さい場合には、上記ペダルストロークによる変動依存度が高いことから、運転者が実際にブレーキペダル30を操作した可能性が高いので、必要以上に補正を行うことを回避出来る。
(1)上記実施形態では、第2目標減速度は、目標減速度自体を補正している。これに代えて、実効回生トルクの変化速度から摩擦制動トルクの補正量を求めて、一度算出した摩擦ブレーキ量F(t)を補正するようにしても良い。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
上記第1実施形態では、回生トルクの変化速度が所定速度以上の場合には、第1目標減速度補正手段で目標減速度を補正し、回生トルクの変化速度が所定速度未満の場合には、第2目標減速度補正手段で補正している。
これに対し、本実施形態では、第1目標減速度補正手段で目標減速度を補正した第1の目標減速度と、第2目標減速度補正手段で目標減速度を補正した第2の目標減速度と、に基づき最終的な目標減速度を演算する。
このブレーキコントローラは、所定のサンプリング周期で作動する。
ステップS10〜ステップS40の処理は、上記第1実施家形態と同様である。
本実施形態では、ステップS40の処理が終了すると、そのままステップS60〜S110の処理を行う。これによって、第1目標減速度補正手段により補正した後の第1の目標減速度G1(t)を算出する。
次に、ステップS200にて、実効回生トルクT(t)の変化速度に基づき重み付け係数K1を求める。重み付け係数K1は、図13に示すマップによって求める。すなわち、重み付け係数K1は、実効回生トルクT(t)の変化速度が大きいほど大きくなるように設定してあり、実効回生トルクT(t)の変化速度が所定速度以上では、重み係数K1は1となる。
ここで、上記図13のマップは、実効回生トルクT(t)の変化速度と係数K1との関係を表す特性線が線形となるように設定してある。有段変速機の場合には、上記特性線を、符号A1のように、上側に凸の円弧状の曲線とすることが好ましい。また、変速機がCVTの場合には、符号A2のように、下側に凸の円弧状とすることが好ましい。
G(t) =K1×G1(t) +(1−K1)×G′(t)
次に、ステップS220では、下記式に基づき摩擦制動トルクF(t)を算出して、ステップS170に移行する。
F(t) =目標減速度G(t) − 実効回生トルクT(t)
ステップS180では、上記目標制動流体圧からマスタシリンダ圧MCPを減算して目標ポンプ圧BPuを算出し、その目標ポンプ圧に相当する指令値をブレーキ液圧ユニット19の制動制御用ポンプ38に出力した後に、復帰する。なお、流体圧制御用比例型電磁バルブ37によってホイールシリンダ20〜23の目標制御流体圧を小さく調整することが可能となっている。
このように、各ホイールシリンダ20〜23の制御流体圧を個々に制御することで、所望の大きさの摩擦負荷による制動トルクをディスクロータを介して車輪に付与する。
本実施形態では、液圧変動によるブレーキペダルの変動に応じて補正した第1の目標減速度と、実効回生トルクの変化速度に基づき推定した減速度補正量に基づき算出した第2の目標減速度を、係数K1で重み付けして最終的な目標減速度を算出する。
このとき、回生トルクの変化速度及び変化加速度が大きいほど、係数K1を大きくすることで、第1の目標減速度の重み付けを大きくする。
ステップS200、S210は、目標減速度調整手段を構成する。
(1)上記第1目標減速度補正手段は、実効回生トルクの変化速度に関係なく、上記推定した変動量に応じて上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度を補正してなる第1の目標減速度を求める。上記第2目標減速度補正手段は、上記減速度補正量に基づき上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度を補正してなる第2の目標減速度を求める。そして、目標減速度調整手段は、上記第1の目標減速度及び第2の目標減速度に基づき、当該第1の目標減速度と第2の目標減速度とを上記実効回生トルクの変化速度に基づき重み付けをして、最終的な目標減速度を演算する。このとき、上記目標減速度調整手段は、上記実効回生トルクの変化速度が大きいほど第1の目標減速度側の重み付けを大きくする。
これによって、実効回生トルクの変化速度に応じて、トルク変動の補正量を適切に第1の第1の目標減速度と第2の目標減速度とに配分することが可能となる。
これによって、実効回生トルクの変化加速度が大きいほど、第1の目標減速度の重み付けを大きく出来る。
(3)変速機が有段ATの場合、変速の度に毎回、回転急変が発生し、且つ急変量が大きい。このため変速が発生したら、素早く液圧重視の補正を行いたい。このため、図13において特性線をA1のように設定する。すなわち、実効回生トルクの変化の初期では第1の目標減速度の重み付けの増分を大きくする。
(変形例)
(1)上記全実施形態では、回生を行うモータがエンジンと連結する場合を例示しているが、回生を行うモータがエンジンと独立していても構わない。
5 ブレーキコントローラ
6 統合コントローラ
17 マスタシリンダ圧センサ
18 ブレーキストロークセンサ
19 ブレーキ液圧ユニット
30 ブレーキペダル
34 マスタシリンダ
36 流体圧回路
37 流体圧制御用比例型電磁バルブ
38 制動制御用ポンプ
40 圧力センサ
41 要求回生トルク演算モジュール
42 要求回生トルク制限演算部
43 要求回生トルク制限選択モジュール
A0、A1、A2 特性線
AP アクセル開度
BPu 目標ポンプ圧
cc 液量変動量
F 摩擦ブレーキ量
G 目標減速度
G1 第1の目標減速度
G′ 第2の目標減速度
K1 重み付け係数
MCP マスタシリンダ圧
Pst ペダルストローク量
T 実効回生トルク
ΔP 液圧差
ΔS マスタストローク差
ΔT 変化速度
Claims (6)
- ブレーキペダルのペダルストロークに応じたマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダと、そのマスタシリンダの液圧を対象とする車輪のホイールシリンダに供給可能な流体圧回路と、その流体圧回路に設けられてマスタシリンダからホイールシリンダに供給する液圧を増減可能な液圧調整手段と、車輪に対し電気的負荷を作用させて回生制動を発生する回生制動手段と、回生制動手段による実効回生トルクを求める実効回生量検出手段と、
上記ペダルストローク及びマスタシリンダ圧の少なくとも一方に基づき目標減速度を算出する目標減速度算出手段と、
上記目標減速度から上記実効回生トルク分だけ減算した目標摩擦制動トルクを算出する摩擦制動トルク算出手段と、
摩擦制動トルク算出手段が算出した目標摩擦制動トルクに対応するホイールシリンダ圧となるように液圧調整手段を介して液圧を増減する液圧制御手段と、
運転者によるブレーキペダルの操作以外のペダルストローク若しくはマスタシリンダ圧の変動量を推定する変動量推定手段と、
上記実効回生トルクの変化速度が摩擦ブレーキの応答可能な速度以上の場合に、上記変動量推定手段が推定した変動量に応じてペダルストローク若しくはマスタシリンダ圧を補正することで、上記目標減速度算出手段が算出する目標減速度を補正する第1目標減速度補正手段と、
上記実効回生トルクの変化速度に基づき減速度補正量を推定し、推定した減速度補正量に基づき、上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度、若しくは摩擦制動トルク算出手段が算出した目標摩擦制動トルクを補正する第2目標減速度補正手段と、
を備えることを特徴とする回生協調ブレーキ制御装置。 - 上記変動量推定手段は、補正前の目標減速度と上記ホイールシリンダの液圧とに基づき上記変動量を推定することを特徴とする請求項1に記載した回生協調ブレーキ制御装置。
- 上記第2目標減速度補正手段は、上記実効回生トルクの変化速度が所定速度未満の場合に、上記補正の処理を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した回生協調ブレーキ制御装置。
- 上記第1目標減速度補正手段は、実効回生トルクの変化速度に関係なく、上記推定した変動量に応じて上記目標減速度算出手段が算出する目標減速度を補正してなる第1の目標減速度を求め、上記第2目標減速度補正手段は、上記減速度補正量に基づき上記目標減速度算出手段が算出した目標減速度を補正してなる第2の目標減速度を求め、
上記第1の目標減速度及び第2の目標減速度に基づき、当該第1の目標減速度と第2の目標減速度とを上記実効回生トルクの変化速度に基づき重み付けをして最終的な目標減速度を演算する目標減速度調整手段を備え、
上記摩擦制動トルク算出手段は、目標減速度調整手段が求めた最終的な目標減速度から、上記実効回生トルク分だけ減算した目標摩擦制動トルクを算出し、
上記目標減速度調整手段は、上記実効回生トルクの変化速度が大きいほど第1の目標減速度の重み付けを大きくすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した回生協調ブレーキ制御装置。 - 上記実効回生トルクの変化加速度が大きいほど第1の目標減速度の重み付けが大きくなるように当該重み付けを補正することを特徴とする請求項4に記載した回生協調ブレーキ制御装置。
- ブレーキペダルのペダルストロークに応じたマスタシリンダ圧をマスタシリンダが発生し、そのマスタシリンダの液圧を流体圧回路を介して対象とする車輪のホイールシリンダに供給可能に構成すると共に、流体圧回路に対してマスタシリンダからホイールシリンダに供給する液圧を増減可能な液圧調整手段を設け、
上記ペダルストローク及びマスタシリンダ圧の少なくとも一方に基づき算出した目標減速度を、車輪に対する電気的負荷で発生する実効回生トルクと、上記液圧調整手段を介したホイールシリンダ圧の制御による摩擦制動トルクとによって達成する回生協調ブレーキ制御方法において、
上記実効回生トルクの変化速度が所定速度以上と判定すると、運転者によるブレーキペダルの操作以外で発生したと推定されるブレーキペダルの変動量に応じて、上記目標減速度を補正することを特徴とする回生協調ブレーキ制御方法。
上記実効回生トルクの変化速度が摩擦ブレーキの応答可能な速度以上の場合に、運転者によるブレーキペダルの操作以外のペダルストローク若しくはマスタシリンダ圧の変動量に応じてペダルストローク若しくはマスタシリンダ圧を補正することで、上記目標減速度を補正すると共に、
上記実効回生トルクの変化速度に基づき減速度補正量を推定し、推定した減速度補正量に基づき、上記目標減速度若しくは上記摩擦制動トルクを補正することを特徴とする回生協調ブレーキ制御方法。
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