JP2010174868A - シリンダブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイキャスト鋳造時のウォータジャケットの強度を確保と冷却性能の確保とを両立することができるシリンダブロックを提供すること。
【解決手段】冷却水が流れるウォータジャケット10が設けられると共に鋳造により形成されるシリンダブロック1において、ウォータジャケット10は、シリンダブロック1の鋳造時に鋳込まれる板金部材12により形成し、板金部材12は、冷却水が流れる流路である冷却水流路25の幅方向における両側に壁部20を有し、且つ、板金部材12には、壁部20のうち一方の壁部20から他方の壁部20に渡って配設される複数の支柱30を設け、複数の支柱30は、2箇所の隣り合う支柱30間の距離を比較した場合に、相対的に燃焼室に近い側の支柱30間の距離を、相対的に燃焼室から離れている側の支柱30間の距離以上の距離にして配設する。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリンダブロックに関するものである。特に、この発明は、ウォータジャケットが設けられるシリンダブロックに関するものである。
エンジンには、燃料の燃焼時に発生する熱によって上昇する温度を低減させるために、ピストンが内設されるシリンダブロックにウォータジャケットを設け、このウォータジャケットに冷却水を流して冷却水を循環させることにより、内部でピストンが往復運動をするシリンダの周囲の温度を低減させることが多用されている。また、従来のエンジンの中には、ウォータジャケットを形成する場合、板金成形されたウォータジャケットを、シリンダブロックの鋳造時に鋳込むことにより、シリンダの周囲にウォータジャケットを形成しているものがある。
しかし、シリンダブロックは、多くの場合ダイキャスト鋳造方式により製造するため、板金製のウォータジャケットを鋳込むことにより形成する場合、シリンダブロックの鋳造時の鋳造圧によって、ウォータジャケットが潰れてしまうことが考えられる。このため、従来のシリンダブロックでは、ウォータジャケットの補強を行っているものがある。例えば、特許文献1に記載の冷却水ジャケットを備えたシリンダブロックでは、板金製のウォータジャケットであるインサート部材に、中空の補強部材を内挿してシリンダブロックに鋳込んである。また、補強部材が、強度的に問題がある場合には、補強部材の内部にリブを設けることが開示されている。これにより、シリンダブロックの鋳造時にウォータジャケット内に詰め物を詰め、鋳造後に詰め物を除去する作業を行うことなく、シリンダブロックの鋳造時にウォータジャケットが潰れることを抑制できる。
また、特許文献2に記載の内燃機関のシリンダブロックおよび製造方法では、ウォータジャケットは板金成形するのではなく、ウォータジャケットも鋳造により形成している。この特許文献2に記載されたウォータジャケットは、ウォータジャケット内に、シリンダブロックの外壁の内面とシリンダ壁とを接続するブリッジを設け、さらに、このブリッジは、断面積の異なる2種類のブリッジを千鳥状に交互に配設している。これにより、ウォータジャケットが形成されている部分の強度を確保すると共に、ウォータジャケットに冷却水が流れる際に、ブリッジが形成されている部分で冷却水の流速を低下させて冷却水の圧力を上昇させ、冷却水による冷却性能を確保している。
特開2001−132534号公報 特開2007−315195号公報
ここで、燃料が燃焼する部分である燃焼室は、シリンダブロックと、当該シリンダブロックに接続されるシリンダヘッドとシリンダブロック内を往復運動するピストンとにより形成される。このため、エンジンの運転中は、シリンダブロックは、シリンダブロックにおけるシリンダヘッドに接続されている側の端部側の温度が上昇し易くなっている。特に、近年のエンジンでは、性能向上の要求から最大出力を増大させるために燃料供給量を増量したり、最大燃焼圧力を高めたりしているものもあり、この場合、シリンダブロックにおけるシリンダヘッド側の端部側は、より温度が上昇し易くなる。
このように、シリンダブロックの温度が上昇することにより温度が上昇し過ぎた場合、材料強度が低下するため、シリンダヘッドを組付けるボルトの締付力や燃料の燃焼圧力等の力により変形する場合がある。この場合、シリンダブロック内におけるピストンが往復運動をする部分であるシリンダボアとピストンとの間の隙間が許容値の範囲を超えることにより、運転性能が低下する場合がある。
また、エンジンの運転中は、ピストンの熱はピストンに装着されるピストンリングからシリンダボアに逃がすことによりピストンの温度を低下させているが、シリンダブロックの温度が上昇し過ぎた場合、ピストンの熱はピストンリングからシリンダボアに伝達し難くなるため、ピストンの温度も上昇し過ぎる場合がある。このため、これによっても運転性能が低下する場合がある。
しかし、特許文献1のようにウォータジャケットを構成する補強部材の内部にリブを設けたり、特許文献2のようにウォータジャケット内にブリッジを設けたりするなど、ウォータジャケットの強度を確保することを目的としてウォータジャケットの内部に支柱を設けた場合、支柱が設けられている部分では冷却水の流量が低下する。このため、支柱が設けられている部分では冷却性能が低下し、温度を低下させ難くなる場合がある。従って、ウォータジャケットの強度を確保と冷却性能を確保することとを両立することは、困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ダイキャスト鋳造時のウォータジャケットの強度を確保と冷却性能の確保とを両立することができるシリンダブロックを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係るシリンダブロックは、冷却水が流れるウォータジャケットが設けられると共に鋳造により形成されるシリンダブロックにおいて、前記ウォータジャケットは、前記シリンダブロックの鋳造時に鋳込まれる鋳込み部材により形成されており、前記鋳込み部材は、前記冷却水が流れる流路である冷却水流路の幅方向における両側に壁部を有し、且つ、前記壁部のうち一方の前記壁部から他方の前記壁部に渡って配設された複数の支柱を有しており、前記複数の支柱は、2箇所の隣り合う前記支柱間の距離を比較した場合に、相対的に燃焼室に近い側の前記支柱間の距離が、相対的に前記燃焼室から離れている側の前記支柱間の距離以上の距離になって配設されていることを特徴とする。
また、この発明に係るシリンダブロックは、上記シリンダブロックにおいて、前記複数の支柱は、2つの前記支柱の前記冷却水流路の幅方向に見た場合における断面積を比較した場合に、相対的に前記燃焼室に近い側の前記支柱の前記断面積は、相対的に前記燃焼室から離れている側の前記支柱の前記断面積以下になっていることを特徴とする。
また、この発明に係るシリンダブロックは、上記シリンダブロックにおいて、前記支柱は、前記鋳込み部材を貫通する穴が形成されていることを特徴とする。
また、この発明に係るシリンダブロックは、上記シリンダブロックにおいて、前記支柱は、前記支柱に沿って流れる前記冷却水を偏流させることが可能に形成されていることを特徴とする。
本発明に係るシリンダブロックは、ダイキャスト鋳造時のウォータジャケットの強度を確保と冷却性能の確保とを両立することができる、という効果を奏する。
図1は、実施例1に係るシリンダブロックの平面図である。 図2は、図1のA−A矢視図である。 図3は、図2のB−B断面図である。 図4は、実施例2に係るシリンダブロックの概略図である。 図5は、図4のC−C断面図である。 図6は、実施例3に係るシリンダブロックの概略図である。 図7は、実施例2の変形例に係るシリンダブロックに設けられる板金部材の断面図である。 図8は、実施例3の変形例に係るシリンダブロックの概略図である。
以下に、本発明に係るシリンダブロックの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、実施例1に係るシリンダブロックの平面図である。図2は、図1のA−A矢視図である。同図に示すシリンダブロック1は、ダイキャスト鋳造方式により製造され、車両(図示省略)等に搭載されるエンジン(図示省略)の一部を構成している。このシリンダブロック1は、穴状の形状で形成されたシリンダ5が複数形成されており、複数のシリンダ5は、それぞれピストン(図示省略)が内側で往復可能に設けられている。実施例1に係るシリンダブロック1を有するエンジンは、ピストンが4つ設けられた、いわゆる4気筒のエンジンとなっており、このため、シリンダブロック1が有するシリンダ5も4つ形成され、4つのシリンダ5は直線状に並んで配設されている。また、このように設けられるシリンダブロック1には、シリンダ5に対応する位置にシリンダ5の数と同数設けられている燃焼室(図示省略)が形成されたシリンダヘッド(図示省略)と、当該シリンダブロック1と接続する際に用いるボルト(図示省略)用の穴であるボルト穴8が複数形成されている。
また、シリンダブロック1におけるシリンダ5の周囲には、エンジンの運転時に内部に冷却水が流れるウォータジャケット10が形成されている。このウォータジャケット10は、シリンダ5の近傍で、且つ、シリンダ5の径方向における外方に位置し、シリンダ5の円周方向に沿って形成された空間を有して形成されている。また、シリンダ5は4つ設けられているが、ウォータジャケット10は、隣り合うシリンダ5の周囲に形成されるウォータジャケット10同士が連通し、一体になっている。このため、4つのシリンダ5の周囲に形成されるウォータジャケット10は、1つのウォータジャケット10として設けられている。
このように形成されるウォータジャケット10は、シリンダブロック1におけるシリンダヘッドに接続される面である接続面6に対して大部分は開口しておらず、この接続面6に対して開口された穴である開口穴11が所定の間隔で複数形成されている。このようにシリンダブロック1の接続面6は、ウォータジャケット10が完全に開口していない、いわゆるクローズドデッキとして形成されておいる。換言すると、ウォータジャケット10における接続面6側の開口部は、所定の間隔で設けられた蓋部7により塞がれており、蓋部7が設けられていない部分が開口穴11となっている。
また、シリンダブロック1には、シリンダブロック1の外部の冷却経路(図示省略)とウォータジャケット10とを接続する給水経路35が形成されている。ウォータジャケット10を含む冷却経路には、冷却経路内に冷却水を循環させることが可能なウォータポンプ(図示省略)が設けられており、給水経路35は、冷却経路におけるウォータポンプの吐出側の経路に接続されている。また、冷却経路には、冷却経路を流れる冷却水の熱を放熱可能なラジエータ(図示省略)が設けられている。
図3は、図2のB−B断面図である。ウォータジャケット10は、板金成形により形成され、且つ、シリンダブロック1の鋳造時にはシリンダブロック1に鋳込まれる鋳込み部材である板金部材12を有して構成されている。この板金部材12は、ウォータジャケット10の厚み方向、つまり、ウォータジャケット10におけるシリンダ5側に位置する部材である内側部材14と、シリンダブロック1における外側の方向側に位置する外側部材17との2分割となって形成されている。このように形成される内側部材14と外側部材17とは、シリンダブロック1の接続面6側と、シリンダ5の軸方向において接続面6が位置する側の反対側とが、共に他方の部材側に向かって湾曲しており、その端部には、フランジ15、18が形成されている。
内側部材14と外側部材17とは、このフランジ15、18同士を接続することにより一体に結合することができるが、内側部材14と外側部材17とは、フランジ15、18が設けられている部分、即ち、シリンダ5の軸方向における両端部が、他方の部材の方向に向かって湾曲している。このため、内側部材14と外側部材17とを、フランジ15、18同士を接続することにより結合した場合には、双方の間、或いは内側には、空間が形成される。その際に、板金部材12は、接続面6に形成された開口穴11と、給水経路35とに対して開口しており、板金部材12の内側の空間は、この開口穴11と給水経路35とに連通している。このように、内側部材14と外側部材17とにより形成される板金部材12の内側部分は、冷却水が流れる流路である冷却水流路25として設けられている。
このため、内側部材14と外側部材17とにおける冷却水流路25を構成する部分は、冷却水流路25の壁部20として設けられており、内側部材14における冷却水流路25を構成する部分は内側壁部21となっており、外側部材17における冷却水流路25を構成する部分は外側壁部22となっている。つまり、内側壁部21と外側壁部22とは、内側部材14と外側部材17とにおける互いに対向する側の面となっている。これらの内側壁部21と外側壁部22とは、冷却水流路25の幅方向、即ち、概ねシリンダ5の径方向となる方向における冷却水流路25の両側に設けられている。
また、板金部材12には、内側に複数の支柱30が設けられている。つまり支柱30は、内側壁部21と外側壁部22との間に設けられており、軸方向がシリンダ5の径方向に概ね沿った向きとなる略円柱状の形状で形成されている。このように形成される支柱30は、内側壁部21と外側壁部22とのうち、いずれか一方の壁部20に設けられており、内側部材14と外側部材17とを結合した際に、他方の壁部20に当接するように設けられている。例えば、支柱30は外側部材17に予め接続されることにより外側部材17と一体に形成され、内側部材14と外側部材17とを結合した際には、支柱30は内側部材14に当接するように設けられている。即ち、支柱30は、内側壁部21と外側壁部22とのうち一方の壁部20から他方の壁部20に渡って配設されている。
板金部材12に設けられる支柱30は、設けられる位置により、当該支柱30の形状である円柱の径が異なっている。具体的には、支柱30は径が異なる2種類の支柱30が設けられており、このうち、径が小さい方の支柱30は細側支柱31となっており、径が大きい方の支柱30は太側支柱32となっている。即ち、細側支柱31と太側支柱32とは、冷却水流路25の幅方向に見た場合における断面積の大きさが異なっており、細側支柱31の断面積は、太側支柱32の断面積よりも小さくなっている。
この細側支柱31と太側支柱32とのうち、細側支柱31は、シリンダブロック1の接続面6寄りに配設されており、太側支柱32は、接続面6から離れた位置に配設されている。換言すると、細側支柱31は、シリンダ5内に配設されるピストンの上死点寄りに配設されており、太側支柱32は、シリンダ5内に配設されるピストンの下死点寄りに配設されている。詳しくは、細側支柱31は、細側支柱31の形状である円柱の中心軸の位置が、シリンダ5の軸方向における所定の位置よりもシリンダブロック1の接続面6寄りの位置になるように配設されており、太側支柱32は、太側支柱32の形状である円柱の中心軸の位置が、シリンダ5の軸方向における所定の位置よりも接続面6から離れた位置になるように配設されている。
また、これらのように複数形成される支柱30同士の間隔は、シリンダ5の軸方向における配設位置によって異なっており、概ね、シリンダブロック1の接続面6から離れた位置に配設される支柱30同士の間隔よりも、接続面6寄りの位置に配設される支柱30同士の間隔の方が大きくなっている。このため、例えば隣り合う細側支柱31同士の間隔eは、隣り合う細側支柱31と太側支柱32との間隔gよりも広くなっている。また、隣り合う細側支柱31と太側支柱32との間隔で比較した場合には、所定の細側支柱31と太側支柱32との間隔gよりも、この間隔gが位置する部分より接続面6寄りに位置する細側支柱31と太側支柱32との間隔fの方が広くなっている。
また、冷却水流路25における接続面6側の端部と、複数設けられる支柱30のうち最も接続面6寄りに位置する支柱30との間隔hと、冷却水流路25における接続面6側の反対側の端部と、複数設けられる支柱30のうち最も接続面6から離れた部分に位置する支柱30との間隔iとでは、接続面6側の反対側の端部と支柱30との間隔iよりも、接続面6側の端部と支柱30との間隔hの方が広くなっている。さらに、この接続面6側の端部と支柱30との間隔hは、隣り合う細側支柱31と太側支柱32との間隔gよりも広くなっている。
この実施例1に係るシリンダブロック1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。このシリンダブロック1は、ダイキャスト鋳造方式により製造するため、シリンダブロック1の鋳造時には、シリンダブロック1の形状を鋳造により成形できる金型(図示省略)を使用し、溶融した金属を金型に圧入することにより成形する。その際に、ウォータジャケット10は板金部材12により設けられるため、板金部材12を構成する内側部材14と外側部材17とを、双方のフランジ15、18同士を接続することにより結合した状態で、この板金部材12を金型の所望の位置に配置し、鋳造を行う。なお、内側部材14のフランジ15と外側部材17のフランジ18との接続は、かしめたり溶接したりするなど、確実に接続できる接続方法であれば、その手法は問わない。
シリンダブロック1は、このようにダイキャスト鋳造方式によって製造するが、ダイキャスト鋳造方式では溶融した金属を金型に圧入して鋳造するため、金型の所望の位置に配置された板金部材12には、鋳造時の圧力である鋳造圧が作用する。この鋳造圧は、板金部材12に対して、板金部材12を押し潰す方向に作用し、板金部材12は、特に内側部材14と外側部材17とを近付ける方向に作用する力を受ける面積が大きいため、板金部材12は、この方向の力を受け易くなっている。これに対し、板金部材12には、内側に支柱30が設けられており、この支柱30は、内側部材14と外側部材17とに接続、または当接しているため、内側部材14と外側部材17とを近付ける方向に作用する力は、この支柱30で受けることができる。このため、シリンダブロック1の鋳造時に板金部材12に作用する鋳造圧は、支柱30で受けることができるため、板金部材12は大きな鋳造圧を受けた場合でも潰れることなく、内側に冷却水流路25が形成された形状を維持し続ける。
このようにダイキャスト鋳造方式により製造されたシリンダブロック1は、接続面6にシリンダヘッドが組み付けられた状態でエンジンの一部を構成するが、このエンジンの運転時には、ウォータジャケット10には冷却水が流れる。このようにエンジンの運転時にウォータジャケット10に流れる冷却水は、ウォータポンプによって冷却経路を循環し、シリンダブロック1に形成されるウォータジャケット10には、シリンダブロック1の外部の冷却経路から給水経路35に流入し、給水経路35からウォータジャケット10に流れる。
ウォータジャケット10は、板金部材12により形成されているため、ウォータジャケット10に流れる冷却水は、板金部材12の内側に形成されている冷却水流路25に流れるが、板金部材12の内側には支柱30が複数設けられている。このため、冷却水流路25を流れる冷却水は、支柱30と支柱30との間など、支柱30が設けられていない部分を蛇行しながら流れる。ここで、複数設けられている支柱30は、隣り合う支柱30同士の間隔が、シリンダブロック1の接続面6から離れた位置に配設される支柱30同士の間隔よりも、接続面6寄りの位置に配設される支柱30同士の間隔の方が大きくなっている。このため、隣り合う支柱30と支柱30との間を流れる冷却水の流路幅は、シリンダブロック1の接続面6から離れた部分よりも、接続面6寄りの方が広くなっている。また、冷却水流路25における接続面6側の反対側の端部と支柱30との間隔iよりも、冷却水流路25における接続面6側の端部と支柱30との間隔hの方が広くなっている。これらにより、板金部材12の内側を流れる冷却水は、シリンダブロック1の接続面6から離れた部分よりも、接続面6寄りの部分の方が、多量の冷却水が流れる。
このように、ウォータジャケット10を流れる冷却水には、エンジンを運転する際における燃料の燃焼時に発生した熱が伝導により伝達されるが、冷却水はウォータジャケット10を含んだ冷却経路を循環する。また、冷却経路には、ラジエータが設けられているため、冷却経路を循環する冷却水はラジエータを通過する際に放熱するので、ウォータジャケット10に流入する冷却水は、ラジエータを通過することにより温度が低下した冷却水が流れる。このため、燃料の燃焼時に発生した熱は冷却水に伝達され易くなり、この熱は、冷却水に順次伝達される。これにより、エンジンの運転時には、シリンダ5は冷却水によって冷却される。
さらに、ウォータジャケット10には、シリンダブロック1の接続面6から離れた部分よりも、接続面6寄りの部分の方が多量の冷却水が流れるが、この接続面6には、シリンダヘッドが組み付けられる。エンジンの運転時に燃料が燃焼する燃焼室は、このシリンダヘッドに形成されているため、エンジンの運転時には、シリンダ5は、シリンダヘッドから離れている部分よりも、シリンダヘッドに近い部分の方が温度が高くなり易くなっている。つまり、シリンダ5は、或いはシリンダブロック1は、接続面6から離れている部分よりも、接続面6寄りの部分の方が燃焼室から熱が伝達され易いため、接続面6に近くなるに従って温度が高くなり易くなっている。
これに対し、ウォータジャケット10を流れる冷却水は、シリンダブロック1の接続面6から離れた部分よりも、接続面6寄りの部分の方が多量に流れるため、この冷却水は、温度が高くなり易い接続面6付近を、多量の冷却水で冷却できる。即ち、冷却水は、燃焼室の近傍に多量に流れるので、燃焼室付近を効果的に冷却できる。
また、シリンダブロック1の接続面6には、開口穴11が形成されているため、ウォータジャケット10に流れた冷却水は開口穴11からシリンダヘッドに形成される冷却経路に流れる。これにより、シリンダヘッドも冷却水により冷却される。
以上のシリンダブロック1は、内側に冷却水が流れる冷却水流路25を形成することによってウォータジャケット10を構成すると共にシリンダブロック1の鋳造時に鋳込む部材である板金部材12の内側に、複数の支柱30を設けているので、板金部材12の強度を確保することができる。これにより、板金部材12の強度を、ダイレクト鋳造によるシリンダブロック1の成形時に板金部材12に鋳造圧が作用した場合でも潰れない強度にすることができ、ウォータジャケット10の強度を、より確実にウォータジャケット10を形成することができる強度にすることができる。また、複数の支柱30は、燃焼室寄りの位置における隣り合う支柱30同士の間隔が、燃焼室から離れた位置に配設される隣り合う支柱30同士の間隔よりも広くなっている。このため、ウォータジャケット10に流れる冷却水は、燃焼室から離れた位置よりも燃焼室寄りの位置に、より多く流れるので、エンジンの運転時に燃焼室で燃料が燃焼することにより温度が上昇し易くなっている、シリンダブロック1における燃焼室近傍の温度を、より確実に冷却することができる。これらの結果、ダイキャスト鋳造時のウォータジャケット10の強度を確保と冷却性能の確保とを両立することができる。
また、複数の支柱30は、シリンダブロック1の接続面6寄りの位置、即ち、燃焼室寄りの位置には、燃焼室から離れた位置に配設される支柱30である太側支柱32よりも断面積が小さい支柱30である細側支柱31が配設されている。このため、ウォータジャケット10に流れる冷却水は、より確実に、燃焼室から離れた位置よりも燃焼室寄りの位置に多く流れるので、シリンダブロック1における燃焼室近傍の温度を、より確実に冷却することができる。この結果、ダイキャスト鋳造時のウォータジャケット10の強度を確保すると共に、より確実に冷却性能の確保することができる。
また、エンジンの運転時に温度が上昇し易くなっている、シリンダブロック1における燃焼室近傍の温度を、より確実に冷却することができるので、冷却水の温度の均一化を図ることができ、シリンダ5の温度の均一化を図ることができる。これにより、シリンダ5の場所ごとの温度差に起因してピストンとの隙間が許容値の範囲を超えることにより、エンジンの運転性能が低下するなどの不具合を抑制できる。この結果、エンジンの運転性能を確保できる。
実施例2に係るシリンダブロック40は、実施例1に係るシリンダブロック1と略同様の構成であるが、ウォータジャケット42に設けられる支柱60が円筒形となって形成されている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図4は、実施例2に係るシリンダブロックの概略図である。
図5は、図4のC−C断面図である。実施例2に係るシリンダブロック40に設けられるウォータジャケット42は、実施例1に係るシリンダブロック1に設けられるウォータジャケット10と同様に板金部材44を有して構成されている。この板金部材44には、実施例1に係るシリンダブロック1の板金部材12と同様に支柱60が複数設けられているが、実施例1に係るシリンダブロック1では支柱30は円柱状の形状で形成されているのに対し、実施例2に係るシリンダブロック40では、支柱60は円筒状の形状で形成されている。
詳しくは、支柱60は、板金部材44に軸方向がシリンダ5(図1参照)の径方向に概ね沿った向きになるように円筒状の部材を内側部材46と外側部材48とに嵌め込むことにより設けられる。この場合、円筒状の部材からなる支柱60は、両端が板金部材44の内側部材46と外側部材48とに嵌め込まれる。このように、支柱60は両端が内側部材46と外側部材48とに嵌め込まれるので、当該支柱60は、板金部材44の内側に形成される冷却水流路55を構成する内側壁部51と外側壁部52とのうち、一方の壁部50から他方の壁部50に渡って配設された状態になる。また、支柱60は、円筒状の部材により設けられるので、支柱60には、板金部材44を貫通する穴である穴部65が形成されている。
このように設けられる支柱60は、径が異なる細側支柱61と太側支柱62とを有しており、細側支柱61はシリンダブロック40の接続面6寄りの位置に配設されており、太側支柱62は接続面6から離れた位置に配設されている。また、隣り合う支柱60同士の間隔は、概ね、シリンダブロック40の接続面6から離れた位置に配設される支柱60同士の間隔よりも、接続面6寄りの位置に配設される支柱60同士の間隔の方が大きくなっている。
この実施例2に係るシリンダブロック40は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。実施例2に係るシリンダブロック40は、ダイキャスト鋳造方式により製造するが、鋳造時には、内側部材46のフランジ47と外側部材48のフランジ49とを接続することにより内側部材46と外側部材48とを結合し、さらに支柱60を嵌め込んだ状態の板金部材44を、金型の所望の位置に配置して鋳造を行う。なお、支柱60は、嵌合のみで板金部材44に内側部材46と外側部材48とに接続してもよく、また、かしめたり溶接したりするなど、確実に支柱60と内側部材46及び外側部材48とを接続できる接続方法であれば、その手法は問わない。
シリンダブロック40は、このように金型に板金部材44を配置した状態で鋳造するが、板金部材44の支柱60には穴部65が形成されているため、鋳造する際に溶融した金属を金型に圧入した場合、この金属は支柱60には穴部65の内側にも流入する。これにより、支柱60は内側に、シリンダブロック40を形成する金属材料が充填された状態になる。また、このように、支柱60の内側には、シリンダブロック40を形成する金属材料が充填されるため、シリンダブロック40を形成する金属材料は、板金部材44の内側部材46側に位置する金属材料と外側部材48側に位置する金属材料とで一体に形成された状態になる。
このようにダイキャスト鋳造方式により製造されたシリンダブロック40が用いられるエンジンの運転時には、ウォータジャケット42には冷却水が流れる。この冷却水は、給水経路35から、板金部材44の内側に形成されている冷却水流路55に流れる。板金部材44には、複数の支柱60が設けられており、隣り合う支柱60同士の間隔は、シリンダブロック40の接続面6から離れた位置に配設される支柱60同士の間隔よりも、接続面6寄りの位置に配設される支柱60同士の間隔の方が大きくなっている。このため、板金部材44の内側を流れる冷却水は、シリンダブロック40の接続面6から離れた部分よりも、接続面6寄りの部分の方が、多量の冷却水が流れる。これにより、シリンダブロック40における接続面6寄りの部分、即ち、シリンダブロック40における燃焼室の近傍は、多量の冷却水により冷却される。
以上のシリンダブロック40は、板金部材44の支柱60が円筒状の部材により形成され、支柱60には板金部材44を貫通する穴部65が形成されているので、シリンダブロック40の鋳造時にシリンダブロック40を形成する金属材料が支柱60の穴部65に入り込み、穴部65に金属材料が充填されることにより、支柱60は剛性が高くなる。これにより、板金部材44の強度を確保することができ、ダイレクト鋳造によるシリンダブロック40の成形時に板金部材44に鋳造圧が作用した場合でも、より確実に潰れない強度にすることができる。この結果、より確実にダイキャスト鋳造時のウォータジャケット42の強度を確保と冷却性能の確保とを両立することができる。
また、支柱60の穴部65に金属材料が充填されることにより、板金部材44の両側、即ち内側部材46側と外側部材48側とに位置する金属材料同士を一体に形成することができる。この結果、シリンダブロック40の、ウォータジャケット42回りの強度を向上させることができる。
実施例3に係るシリンダブロック70は、実施例1に係るシリンダブロック1と略同様の構成であるが、支柱80が、冷却水を偏流させることができる形状になって形成されている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図6は、実施例3に係るシリンダブロックの概略図である。実施例3に係るシリンダブロック70に設けられるウォータジャケット72は、実施例1に係るシリンダブロック1に設けられるウォータジャケット10と同様に板金部材74を有して構成されている。この板金部材74には、実施例1に係るシリンダブロック1の板金部材12と同様に支柱80が複数設けられているが、実施例1に係るシリンダブロック1では、支柱30は板金部材12の強度を確保するのみの部材として設けられているのに対し、実施例3に係るシリンダブロック70では、支柱80は冷却水の流れを所望の流れにする部材としても設けられている。
このように、実施例3に係るシリンダブロック70が有する板金部材74に設けられる支柱80について説明すると、複数設けられる支柱80は、共に円柱の形状で形成され、径が異なる細側支柱81と太側支柱82とを有している。このうち細側支柱81は、シリンダブロック70の接続面6寄りに配設されており、太側支柱82は、接続面6から離れた位置に配設されている。
さらに、実施例3に係るシリンダブロック70が有する板金部材74に設けられる支柱80は、冷却水流路78の幅方向に見た場合における断面形状が翼の断面状の形状になって形成された支柱80である翼形支柱85を有している。この翼形支柱85は、細側支柱81よりも接続面6寄りに配設されている。また、翼形支柱85の向きは、翼形の前縁に該当する前縁部86が、冷却水の流れ方向における上流側、即ち、給水経路35が配設されている側となり、翼形の後縁に該当する後縁部87が、冷却水の流れ方向における下流側となり、翼形の厚さ方向における両面において、他方の面よりも凸になっている側の面である凸側面88が、接続面6側に位置する向きとなって配設されている。
これらのように設けられる支柱80は、冷却水流路78における接続面6側の端部と翼形支柱85との間隔jと、冷却水流路78における接続面6側の反対側の端部と、最も接続面6から離れた部分に位置する支柱80との間隔iとでは、接続面6側の反対側の端部と支柱80との間隔iよりも、接続面6側の端部と翼形支柱85との間隔jの方が広くなっている。さらに、翼形支柱85と、当該翼形支柱85に隣り合う支柱80との間隔kも、冷却水流路78における接続面6側の反対側の端部と支柱80との間隔iよりも広くなっている。
この実施例3に係るシリンダブロック70は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。実施例3に係るシリンダブロック70は、ダイキャスト鋳造方式により製造するが、鋳造時には、ウォータジャケット72を構成する板金部材74を鋳込むことにより、ウォータジャケット72を設ける。このシリンダブロック70が用いられるエンジンの運転時には、給水経路35からウォータジャケット72に冷却水が流れる。この冷却水は、板金部材74の内側を流れるが、板金部材74の内側には支柱80が複数設けられているため、冷却水は支柱80と支柱80との間など、支柱80が設けられていない部分を蛇行しながら流れる。
また、複数設けられる支柱80は、隣り合う支柱80同士の間隔が、シリンダブロック70の接続面6から離れた位置に配設される支柱80同士の間隔よりも、接続面6寄りの位置に配設される支柱80同士の間隔の方が大きくなっている。このため、板金部材74の内側を流れる冷却水は、シリンダブロック70の接続面6から離れた部分よりも、接続面6寄りの部分の方が、多量の冷却水が流れる。
また、板金部材74に設けられる複数の支柱80のうち、細側支柱81よりも接続面6寄りに配設される支柱80の大部分は、翼形支柱85となっており、翼形支柱85は、断面形状が翼の断面状の形状になっているため、当該翼形支柱85に沿って流れる冷却水を偏流させることができる。詳しくは、翼形支柱85は、給水経路35が配設されている側に前縁部86が位置する向きで配設されている。このため、給水経路35から翼形支柱85に流れる冷却水が、翼形支柱85が設けられている部分に到達し、翼形支柱85に沿って流れる際には、翼形の厚さ方向、即ち、シリンダ5(図1参照)の軸方向において、凸側面88の反対側の面に沿って流れる冷却水の流速よりも、凸側面88に沿って流れる冷却水の流速の方が速くなって流れる。
さらに翼形支柱85は、この凸側面88が、接続面6側に位置する向きとなって配設されているため、凸側面88に沿って流れることにより流速が速くなって流れる冷却水は、接続面6の近傍を流れる。換言すると、接続面6の近傍には、流速が速い冷却水が流れる。このため、ウォータジャケット72における接続面6の近傍では、時間当たりの冷却水の流量が増加するため、燃焼室の近傍に位置することにより温度が高くなり易い接続面6付近を、多量の冷却水で冷却でき、燃焼室付近を効果的に冷却することができる。
以上のシリンダブロック70は、ウォータジャケット72に、冷却水を偏流させることが可能に形成された翼形支柱85が設けられており、シリンダブロック70における燃焼室寄りの部分には、翼形支柱85で冷却水を偏流させることにより多量の冷却水が流れるため、シリンダブロック70における燃焼室近傍の温度を、より確実に冷却することができる。これらの結果、ダイキャスト鋳造時のウォータジャケット72の強度を確保と冷却性能の確保とを、より確実に両立することができる。
図7は、実施例2の変形例に係るシリンダブロックに設けられる板金部材の断面図である。なお、実施例2に係るシリンダブロック40では、穴部65が形成される支柱60は、円筒状の部材を内側部材46と外側部材48とに嵌め込むことにより設けられているが、支柱は、板金部材44と一体に形成してもよい。例えば、図7に示すように、支柱90は、板金部材44と同様に2分割にして内側部材46と外側部材48とのそれぞれに一体に形成し、内側部材46と外側部材48とを結合する際に、内側部材46側の支柱90と外側部材48側の支柱90とを突き合わせて接続するようにする。
つまり、内側部材46側の支柱90と外側部材48側の支柱90との双方の端部に、内側部材46や外側部材48と同様にフランジ91を設け、内側部材46と外側部材48とのフランジ47、49同士を接続する際に、内側部材46側の支柱90に設けられるフランジ91と外側部材48側の支柱90に設けられるフランジ91も接続する。これにより、板金部材44には、内側に穴部92が形成された支柱90が設けられ、シリンダブロック40の鋳造時には、この穴部92に金属材料が入り込むので、支柱90の剛性を高くすることができる。また、支柱90は、2分割になって内側部材46と外側部材48との双方に設けられ、内側部材46と外側部材48と接続時に支柱90同士も接続されるので、穴部92が形成された支柱90を、より容易に板金部材44に設けることができる。これらの結果、より容易にダイキャスト鋳造時のウォータジャケット42の強度を確保と冷却性能の確保とを両立することができる。
図8は、実施例3の変形例に係るシリンダブロックの概略図である。また、実施例3に係るシリンダブロック70では、支柱80は冷却水を偏流させることが可能な支柱80として翼形支柱85を有しているが、冷却水を偏流させることが可能な支柱80は、翼形支柱85以外により設けてもよい。冷却水を偏流させることが可能な支柱80は、例えば図8に示すように、冷却水流路78の幅方向に見た場合における断面形状が略矩形状の形状で形成された支柱80である矩形支柱95により設けてもよい。この場合、矩形支柱95は、翼形支柱85と同様に細側支柱81よりも接続面6寄りに配設されている。また、その向きは、矩形支柱95の断面形状において長辺に該当する面である2つの長辺面96のうち一方の長辺面96が、接続面6寄りに位置し、さらに、この長辺面96における冷却水の下流側に位置する端部が、長辺面96における冷却水の上流側に位置する端部よりも接続面6寄りに位置するように、長辺面96が接続面6に対して傾斜する向きとなっている。
このように、冷却水を偏流させることが可能な支柱80を矩形支柱95により設けた場合でも、冷却水流路78における接続面6側の端部と矩形支柱95との間隔mと、冷却水流路78における接続面6側の反対側の端部と、最も接続面6から離れた部分に位置する支柱80との間隔iとでは、接続面6側の反対側の端部と支柱80との間隔iよりも、接続面6側の端部と矩形支柱95との間隔mの方が広くなっている。さらに、矩形支柱95と、当該矩形支柱95に隣り合う支柱80との間隔nも、冷却水流路78における接続面6側の反対側の端部と支柱80との間隔iよりも広くなっている。
矩形支柱95をこのように配設することにより、ウォータジャケット72を流れる冷却水が矩形支柱95に沿って流れる場合に、冷却水は接続面6寄りの長辺面96によって流れの向きが変えられ、冷却水は接続面6に近付く方向に流れる。このため、接続面6の近傍を流れる冷却水の量は増加し、接続面6の近傍では、時間当たりの冷却水の流量が増加する。これにより、燃焼室の近傍に位置することにより温度が高くなり易い接続面6付近を、多量の冷却水で冷却でき、燃焼室付近を効果的に冷却することができるので、ダイキャスト鋳造時のウォータジャケット72の強度を確保と冷却性能の確保とを、より確実に両立することができる。
また、上述したシリンダブロック1、40、70は、板金部材12、44、74に設けられる支柱30、60、80は円柱状に形成されていたり、冷却水流路78の幅方向に見た場合における断面形状が翼の断面状の形状で形成されていたり、同方向に見た場合における断面形状が略矩形状の形状で形成されていたりするが、支柱30、60、80は、これ以外の形状で形成されていてもよい。支柱30、60、80は、シリンダブロック1、40、70をダイキャスト鋳造方式により製造する際に、鋳造圧により板金部材12、44、74が押し潰されることを抑制できる方向に設けられていれば、その形状は問わない。複数の支柱30、60、80は、その形状に関わらず、2箇所の隣り合う支柱30、60、80間の距離を比較した場合に、相対的に燃焼室に近い側の支柱30、60、80間の距離が、相対的に燃焼室から離れている側の支柱30、60、80間の距離以上の距離になって配設されていれば、ウォータジャケット10、42、72を流れる冷却水は、燃焼室から離れた位置よりも燃焼室寄りの位置に、より多く流れる。これにより、温度が上昇し易くなっている、シリンダブロック1、40、70における燃焼室近傍の温度を、より確実に冷却することができる。
さらに、複数の支柱30、60、80は、その形状に関わらず、2つの支柱30、60、80の冷却水流路25、55、78の幅方向に見た場合における断面積を比較した場合に、相対的に燃焼室に近い側の支柱30、60、80の断面積を、相対的に燃焼室から離れている側の支柱30、60、80の断面積以下にすることにより、ウォータジャケット10、42、72を流れる冷却水は、より確実に、燃焼室から離れた位置よりも燃焼室寄りの位置に多く流れる。これにより、シリンダブロック1、40、70における燃焼室近傍の温度を、より確実に冷却することができる。これらの結果、ダイキャスト鋳造時のウォータジャケット10、42、72の強度を確保と冷却性能の確保とを両立することができる。
以上のように、本発明に係るシリンダヘッドは、ダイキャスト鋳造により製造されるシリンダヘッドに有用であり、特に、ウォータジャケット板金により形成してシリンダヘッドに鋳込む場合に適している。
1、40、70 シリンダブロック
10、42、72 ウォータジャケット
12、44、74 板金部材
14、46 内側部材
17、48 外側部材
25、55、78 冷却水流路
30、60、80、90 支柱
31、61、81 細側支柱
32、62、82 太側支柱
65、92 穴部
85 翼形支柱
95 矩形支柱

Claims (4)

  1. 冷却水が流れるウォータジャケットが設けられると共に鋳造により形成されるシリンダブロックにおいて、
    前記ウォータジャケットは、前記シリンダブロックの鋳造時に鋳込まれる鋳込み部材により形成されており、
    前記鋳込み部材は、前記冷却水が流れる流路である冷却水流路の幅方向における両側に壁部を有し、且つ、前記壁部のうち一方の前記壁部から他方の前記壁部に渡って配設された複数の支柱を有しており、
    前記複数の支柱は、2箇所の隣り合う前記支柱間の距離を比較した場合に、相対的に燃焼室に近い側の前記支柱間の距離が、相対的に前記燃焼室から離れている側の前記支柱間の距離以上の距離になって配設されていることを特徴とするシリンダブロック。
  2. 前記複数の支柱は、2つの前記支柱の前記冷却水流路の幅方向に見た場合における断面積を比較した場合に、相対的に前記燃焼室に近い側の前記支柱の前記断面積は、相対的に前記燃焼室から離れている側の前記支柱の前記断面積以下になっていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロック。
  3. 前記支柱は、前記鋳込み部材を貫通する穴が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダブロック。
  4. 前記支柱は、前記支柱に沿って流れる前記冷却水を偏流させることが可能に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリンダブロック。
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