JP2005194967A - シリンダブロックの冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】寸法公差等の公差管理が容易で、且つ、冷却構造としての自由度も好適に確保することのできるシリンダブロックの冷却構造を提供する。
【解決手段】ウォータジャケット4はシリンダブロック本体3と別体形成のシリンダライナ2とに区画形成され、その性状はシリンダライナ2の外壁面23に部分的に肉厚部を設けることで設定される。このようにスペーサの挿入性を考慮する必要がなくなるため、公差管理が容易となる。また、シリンダブロックの別体構造により、鋳造型の形状が簡素化となりウォータジャケットの設計自由度が高められる。
【選択図】 図2
【解決手段】ウォータジャケット4はシリンダブロック本体3と別体形成のシリンダライナ2とに区画形成され、その性状はシリンダライナ2の外壁面23に部分的に肉厚部を設けることで設定される。このようにスペーサの挿入性を考慮する必要がなくなるため、公差管理が容易となる。また、シリンダブロックの別体構造により、鋳造型の形状が簡素化となりウォータジャケットの設計自由度が高められる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ウォータジャケットを通じてエンジンのシリンダブロックを冷却するシリンダブロックの冷却構造に関する。
周知のように、エンジンのシリンダブロックには、各シリンダを囲むようにウォータジャケットが設けられており、このウォータジャケット内に冷却水を流通させることによって、それらシリンダの冷却を図るようにしている。また、通常、シリンダはその部位によって壁温が異なる。そこで、従来は、例えば特許文献1に見られるように、シリンダの各部位の壁温に基づきそれぞれの部位に適したウォータジャケットの性状が得られるように、スペーサを用いてそれら性状を設定するようにしたものなども提案されている。具体的には、ウォータジャケット内に冷却水の流路の一部を占める形で、別体のスペーサを配置し、該スペーサの形状、材質等を通じてウォータジャケットとしての性状を所要に変更することで、シリンダ各部位での冷却効率の改善を図るようにしている。
また、こうしてウォータジャケットに別体のスペーサを組み付けた場合、エンジン作動時の振動、あるいは冷却水の流圧等により、スペーサが不安定になりやすいため、従来は、スペーサと一体または別体の固定用部材を設けてスペーサを固定する技術等も提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−30989号公報
特開2002−266695号公報
このように、スペーサを用いてウォータジャケットの性状を設定することで、シリンダブロックの冷却構造としてもその自由度が高められ、部位によって壁温が異なるシリンダに対しても、比較的容易にその冷却効率を改善することができるようになる。しかし、このような別体構造物であるスペーサを鋳造物であるシリンダブロックに挿入し、そのウォータジャケットの性状を設定するとなると、以下のような不都合も無視できないものとなる。
(1)上述のように、シリンダブロックは鋳造にて形成され、その中にウォータジャケットとする部分を同時に形成するため、このウォータジャケットとする部分の公差がそもそも大きい。このため、このような公差の大きいウォータジャケットとする部分に別体のスペーサを挿入しようとすると、該スペーサの挿入性を加味した特別な公差管理が必要となる。
(2)通常、シリンダは100℃以上の高温となるため、上記スペーサとしても、熱負荷に耐える材料を使用する必要がある。
(3)エンジンの振動や冷却水の流圧等によるスペーサの動きを抑制するために、上記特許文献2に記載のように、スペーサを固定する固定部材を使用する技術等も提案されてはいるが、この場合、部品点数や工数等の増加が避けられず、エンジンとしての構造の複雑化はもとより、製造コストの増大をも招きかねない。
(3)エンジンの振動や冷却水の流圧等によるスペーサの動きを抑制するために、上記特許文献2に記載のように、スペーサを固定する固定部材を使用する技術等も提案されてはいるが、この場合、部品点数や工数等の増加が避けられず、エンジンとしての構造の複雑化はもとより、製造コストの増大をも招きかねない。
(4)さらに、スペーサの挿入は、オープンデッキ構造のシリンダブロックに限定され、クローズドデッキ構造のシリンダブロックには適用することができない。その意味では、上記冷却構造としての自由度も特定のシリンダブロックに限られたものとなる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、寸法公差等の公差管理が容易で、且つ、冷却構造としての自由度も好適に確保することのできるシリンダブロックの冷却構造を提供することを目的とする。
以下、上記目的を達成するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載のシリンダブロックの冷却構造は、シリンダの周囲にウォータジャケットを備え、該ウォータジャケットを流通する冷却媒体によってシリンダを冷却するシリンダブロックの冷却構造であって、前記シリンダブロックが前記ウォータジャケットとする部位を境に、前記シリンダ側を構成する第1の構造体と、前記ウォータジャケットの外側壁を構成する第2の構造体との別体構造からなり、これら第1および第2の構造体の少なくとも一方が前記ウォータジャケットとする側に突き出すかたちで部分的に肉厚に形成されて、同ウォータジャケットとしての性状が設定されてなることを特徴とする。
請求項1に記載のシリンダブロックの冷却構造は、シリンダの周囲にウォータジャケットを備え、該ウォータジャケットを流通する冷却媒体によってシリンダを冷却するシリンダブロックの冷却構造であって、前記シリンダブロックが前記ウォータジャケットとする部位を境に、前記シリンダ側を構成する第1の構造体と、前記ウォータジャケットの外側壁を構成する第2の構造体との別体構造からなり、これら第1および第2の構造体の少なくとも一方が前記ウォータジャケットとする側に突き出すかたちで部分的に肉厚に形成されて、同ウォータジャケットとしての性状が設定されてなることを特徴とする。
請求項2に記載のシリンダブロックの冷却構造は、請求項1において、前記ウォータジャケットは、前記シリンダの軸方向について、その燃焼室となる側に通路幅が広く、燃焼室から離間する側に通路幅が狭くなるように、その性状が設定されてなることを特徴とする。なお、ここでは、シリンダの軸方向とはピストンの摺動方向を指す。
請求項3に記載のシリンダブロックの冷却構造は、請求項1または2において、前記シリンダブロックには複数のシリンダが配列形成されてなり、前記ウォータジャケットは、前記シリンダの配列方向について、それらシリンダが互いに隣接する部位において通路断面積が広く、前記隣接する部位以外その他の部位において通路断面積が狭くなるように、その性状が設定されてなることを特徴とする。
請求項4に記載のシリンダブロックの冷却構造は、請求項1または2において、前記シリンダブロックには複数のシリンダが配列形成されてなり、前記ウォータジャケットは、前記シリンダの配列方向について、それらシリンダが互いに隣接する部位において通路断面積が広く、前記隣接する部位以外の部位において通路断面積が狭くなるように、且つ、前記シリンダブロックに対する前記冷却媒体の入口側ほど通路断面積が狭く、前記冷却媒体の出口側ほど通路断面積が広くなるように、その性状が設定されてなることを特徴とする。
請求項5に記載のシリンダブロックの冷却構造は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記第1の構造体が、上部にフランジ部を有するシリンダライナからなり、前記第2の構造体が、上面に前記シリンダライナの前記フランジ部が載置される載置面を有するシリンダブロック本体からなることを特徴とする。
請求項6に記載のシリンダブロックの冷却構造は、請求項5において、前記ウォータジャケットとしての性状を設定する部分的な肉厚部が前記シリンダライナに設けられてなることを特徴とする。
請求項7に記載のシリンダブロックの冷却構造は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記第1の構造体が、前記シリンダの下方周囲に張り出された面を有するシリンダブロック本体からなり、前記第2の構造体が、前記シリンダブロック本体の前記張り出された面に底面が載置されるシリンダブロック外側壁からなることを特徴とする。
請求項8に記載のシリンダブロックの冷却構造は、請求項7において、前記ウォータジャケットとしての性状を設定する部分的な肉厚部が前記シリンダブロック外側壁に設けられてなることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、シリンダブロックは、ウォータジャケットのシリンダ側を構成する第1構造体とウォータジャケットの外壁側を構成する第2の構造体との別体構造とされ、ウォータジャケットはその第1の構造体と第2の構造体とにより区画形成される。このため、ウォータジャケットをシリンダブロックと同時に鋳造にて一体形成する従来の方法と比べ、シリンダブロックの鋳造型が簡略化され、ウォータジャケットの設計自由度が高められる。
また、ウォータジャケットの性状は前記第1の構造体または第2の構造体に部分的に肉厚部を設けることにより設定されるため、シリンダブロックの鋳造型に対して複雑な形状変更を行わなくてもウォータジャケットの性状を比較的簡単に設定することが可能となる。勿論、スペーサを使用してウォータジャケット性状を設定する場合のような厳しい寸法の公差管理も不要となる。
こうしてウォータジャケットの性状設定の自由度が向上されれば、例えば請求項2〜4に記載のようなウォータジャケットの性状であれ、容易に設定することができる。ちなみに、これらのウォータジャケットの性状設定によれば、シリンダの冷却効率の改善により、シリンダの変形が抑制され、ひいてはピストンの追従性の悪化、フリクション増大、燃費悪化などの問題を効果的に解決することができる。
請求項2に記載の構成では、シリンダの軸方向について、ウォータジャケットの性状が、その燃焼室となる側に通路幅が広く、燃焼室から離間する側に通路幅が狭くなるように設定されている。すなわち、高温の燃焼ガスに曝されてシリンダ内からより多くの熱を受けるその燃焼室に近い部分においては、ウォータジャケットの通路幅を広くし、その周囲を循環される冷却媒体の流量を増大させるようにしている。一方、燃焼室から離間しており、シリンダ内から受ける熱が少ない部分においては、比較的少ない流量の冷却媒体で十分に冷却が可能なため、ウォータジャケットの幅を狭くし、その周囲の冷却媒体の流量を抑えるようにしている。そのため、シリンダ軸方向における該シリンダ内からの受熱状態の差違に応じて、効率的に冷却を行うことができる。
また請求項3に記載の構成では、シリンダブロックに複数のシリンダが配列形成された多気筒エンジンにおいて、それらシリンダが互いに隣接する部位において通路断面積が広く、前記隣接する部位以外の部位において通路断面積が狭くなるように、ウォータジャケットの性状が設定されるようになる。多気筒エンジンでは、シリンダ間の部分は左右両方のシリンダから熱を受けるため、他の部分よりも温度上昇が大きくなる傾向にある。その点、請求項3に記載の構成では、そうした温度上昇の大きい部位の周囲の冷却媒体の流量が局所的に増大されることから、各シリンダの冷却を効率的に行うことができる。
更に請求項4によれば、請求項3に記載のようなウォータジャケット性状の設定を行いつつ、さらに冷却媒体の入口側ほど通路断面積が狭くなり、その出口側ほど通路断面積が広くなるようにしている。冷却媒体は、入口側から出口側に向かって流れる間に、シリンダの壁面から奪った熱により温度が上昇して、冷却効率が低下する。このため、冷却媒体の入口側より出口側に向かってウォータジャケットの通路断面積を順次広くすることで、そうした冷却媒体の温度上昇に伴うシリンダ毎の冷却効率のばらつきが縮小される。また温度上昇の大きくなるシリンダ同士の隣接部位についても、その周囲の冷却媒体の流量が局所的に増大されるようになってもいる。このため、多気筒内燃機関の各シリンダの冷却を更に効率的に行うことができる。
以上のような冷却構造は、ウォータジャケットのシリンダ側を構成する第1構造体とウォータジャケットの外壁側を構成する第2の構造体との別体構造とされたシリンダブロックに適用することができる。そうした別体構造を有するシリンダブロックとしては、例えば請求項5、請求項7に記載のようなものがある。
請求項5に記載の構成では、そのシリンダブロックは、ウォータジャケットのシリンダ側を構成するシリンダライナと、ウォータジャケットの外側壁を構成するシリンダブロック本体との別体構造となっている。そして、シリンダブロックの外側壁上部に設けられた載置面に、シリンダライナの上部に設けられたフランジ部が当接支持されるようにシリンダライナをシリンダブロック本体に嵌装することで、ウォータジャケットが区画形成されるようになっている。こうしたシリンダブロックでは、請求項6に記載のように、比較的構造の簡易なシリンダライナ側に上記肉厚部を設けることで、より容易にウォータジャケットの性状設定を行うことができる。
一方、請求項7に記載の構成では、そのシリンダブロックは、シリンダの下方周囲に張り出された面を有するシリンダブロック本体と、シリンダブロック本体の前記張り出された面に底面が載置されるシリンダブロック外側壁との別体構造となっている。そしてシリンダブロック本体のシリンダの下部周囲に張り出された面にシリンダブロック外側壁を載置することで、シリンダブロックが形成されるようになっている。こうしたシリンダブロックでは、請求項8に記載のように、比較的構造の簡易なシリンダブロック外側壁側に上記肉厚部を設けることで、より容易にウォータジャケットの性状設定を行うことができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係るシリンダブロックの冷却構造を具体化した第1の実施形態について、図に基づき説明する。なお本実施形態では、4つのシリンダが直列に配列された直列4気筒のエンジンに用いられるシリンダブロックに、本発明を適用した場合を例に説明する。
以下、本発明に係るシリンダブロックの冷却構造を具体化した第1の実施形態について、図に基づき説明する。なお本実施形態では、4つのシリンダが直列に配列された直列4気筒のエンジンに用いられるシリンダブロックに、本発明を適用した場合を例に説明する。
図1はシリンダブロック1の分解斜視構造を示す。同図に示すように、シリンダブロック1は、ウォータジャケットとする部位を境に、そのシリンダ側を構成するシリンダライナ2と、ウォータジャケットの外側壁を構成するシリンダブロック本体3との別体構造とされている。そしてシリンダライナ2をシリンダブロック本体3に嵌入してシリンダブロック1が形成されるようになっている。すなわち、本実施形態では、シリンダライナ2が上記第1の構造体に対応し、シリンダブロック本体3が上記第2の構造体に対応する構成となっている。
シリンダライナ2は、複数のシリンダ21が一体に連結されたシリンダ連結体20と、そのシリンダ連結体20の上端部に設けられた略平板状のフランジ部22とを備えて一体形成されている。フランジ部22は、当該シリンダブロック1のシリンダヘッドとの組み付けに際して、シリンダヘッドが載置されるアッパデッキを構成する。そして、該フランジ部22により、該シリンダブロック1はクローズドデッキ構造のシリンダブロックとなる。
また、シリンダ連結体20の外壁面23には2つの段差部24a,24bが設けられ、これらの段差部24a,24bにより外壁面23はシリンダの軸方向において3つの部分、すなわち上部外壁面23a、中部外壁面23b及び下部外壁面23cに区分される。段差部24aよりも下側の中部外壁面23bは、その段差部24aよりも上側の上部外壁面23aに対して、ウォータジャケットとする側、すなわちその外周側に突き出すかたちで部分的に肉厚に形成されている。また段差部24bよりも下側の下部外壁面23cは、上記中部外壁面23bに対して、ウォータジャケットとする側に突き出すかたちで更に肉厚に形成されている。
本実施の形態においては、エンジンの軽量化を図るべくシリンダライナ2はアルミニウム合金やマグネシウム合金等からなり、ダイカスト製法等を用いて鋳造されている。また、ピストンの磨耗を考慮してシリンダ21の内壁面には鉄等の保護膜が溶射等によって被覆形成されている。
シリンダブロック本体3は大きくは、クランクケース部31と、その上端面32より上方に突出形成されたシリンダブロック外壁面30とを備えて一体形成されている。シリンダブロック外壁面30の上端部にはその外周側に突出するようにフランジが設けられ、このフランジの上面は、前記シリンダライナ2のフランジ部22が載置される載置面33となっている。
シリンダブロック外壁面30の内壁面34は、前記シリンダ連結体20の外壁面23と対抗するように略環状に成形され、その上下方向略中間には、段差部35が設けられている。そして、内壁面34の段差部35よりも下方の下内壁面34a は、段差部35よりも上方の上内壁面34b と比べ上記シリンダ連結体20の外壁面23に近づくように成形されている。 本実施形態では、シリンダブロック本体3は、上記シリンダライナ2と同様、アルミニウム合金やマグネシウム合金等からなり、ダイカスト製法を用いて一体に鋳造されている。
そして、このシリンダブロック本体3に前記シリンダライナ2を嵌装したときに、シリンダライナ2のフランジ部22の下面はシリンダブロック本体3の載置面33に当接支持され、またシリンダライナ2の底面25はシリンダブロック本体3の上端面32に当接支持されるように構成されている。更にシリンダライナ2の下部外壁面23c の下方部分は、シリンダブロック本体3の下内壁面34a により当接支持されるように構成されている。
このようにシリンダライナ2は、その底面25、そのフランジ部22の下面、及びその外壁面23の一部である23c の3ヶ所にてシリンダブロック本体3に当接支持される。そのため、シリンダブロック本体3に対してシリンダライナ2を安定して固定することができ、シリンダライナ2の剛性を容易に確保することができる。
図2は、シリンダライナ2とシリンダブロック本体3とを組み付けした状態での断面構造を示している。同図に示すように、シリンダライナ2の外壁面23と、シリンダブロック本体3の内壁面34との対向面間に、冷却媒体となる冷却水を循環するためのウォータジャケット4が区画形成されている。
なおこうしたシリンダブロック1の各シリンダ21におけるシリンダ内部からの受熱状態は、部位毎に異なっている。例えば各シリンダ21にあって、高温の燃焼ガスに曝される燃焼室となる側に近い部位、すなわち各シリンダ21の上端部近傍では、シリンダ21内からの受熱は多くなり、そうした燃焼室から離間した部分においては、上記シリンダ21の上端部近傍に比して、シリンダ21内からの受熱は少なくなる。またシリンダ21が互いに隣接するシリンダ間の部分は、左右両方のシリンダ21から熱を受けるため、他の部分よりも多くの熱を受けることとなる。
そこで本実施形態では、ウォータジャケットとする側に突き出すかたちで部分的に肉厚とされた部位(中部外壁面23b、下部外壁面23c)を、上記シリンダライナ2に形成することで、ウォータジャケット4の性状を部位毎に変化させるようにしている。そしてこれにより、上記のようなシリンダ21の各部位の受熱状態に応じた効率的、効果的な冷却を行なえるようにしている。
具体的には、同図2に示すように、各シリンダ21の軸方向においてウォータジャケット4の通路幅は、上部外壁面23a に対応する部分の通路幅がもっとも広くされ、中部外壁面23b に対応する部分、下部外壁面23c に対応する部分の順に段階的に通路幅が狭くなる構造となっている。
このようにこのシリンダブロック1では、シリンダライナ2の外壁面23に部分的に肉厚に形成された部位を設けることで、シリンダ21の軸方向について、その燃焼室となる側に通路幅が広く、燃焼室から離間する側に通路幅が狭くされている。そのため、燃焼室に近く、より多くの熱を受ける各シリンダ21の上端部側ほど、その周囲により多くの冷却水が循環され、冷却性が高められるようになっている。一方、燃焼室から離間され、シリンダ21内から受ける熱の少ない各シリンダ21の下端部側では、その周囲に循環される冷却水の流量を必要十分な量に抑えることができるようになっている。
図3(A)はシリンダライナ2の平面構造を示している。また、図3(B)は、シリンダライナ2の側面構造を示している。同図に示すように、シリンダライナ2の外壁面23の段差部24a,24bは、シリンダの配列方向に沿って略波状に形成され、肉厚のもっとも薄い上部外壁面23a及び肉厚のもっとも厚い下部外壁面23cの上下方向の幅が部位によって異なる構造となっている。そのため、シリンダライナ2とシリンダブロック本体3とを組付けた際、ウォータジャケット4の断面積は、シリンダ21の配列方向において部位により変化されている。
図4(A)は、シリンダ配列方向において各シリンダ21の中心軸に対応する部位(図3のA−A断面)におけるウォータジャケット4近傍の縦断面構造を示している。また図4(B)は、シリンダ配列方向においてシリンダ21が互いに隣接するシリンダ間の部位(図3のB−B断面)におけるウォータジャケット4近傍の縦断面構造を示している。これら図に示すように、シリンダ配列方向について、シリンダ21が互いに隣接する部位におけるウォータジャケット4の通路断面積SBは、各シリンダ21の中心軸に対応する部位におけるウォータジャケット4の通路断面積SAに比して広くされている(SB>SA)。
こうしたシリンダ配列方向におけるウォータジャケット4の性状設定により、隣接する2つのシリンダから熱を受けるシリンダ間の部位については、その周囲を循環される冷却水の流量が、局所的に増大されるようになる。そのため、シリンダブロック1全体の冷却水の循環量の増大を抑えつつ、受熱量の多いシリンダ間の部位についても好適に冷却が行われるようになる。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、シリンダブロック1が、ウォータジャケット4とする部位を境に、そのシリンダ21側を構成するシリンダライナ2と、ウォータジャケット4の外側壁を構成するシリンダブロック本体3との別体構造とされている。このため、ウォータジャケットをシリンダブロックと鋳造にて一体形成する従来の方法と比べ、シリンダブロックの鋳造型が簡略化され、ウォータジャケットの設計自由度が高められる。またこれにより、鋳巣等の鋳造欠陥の発生やウォータジャケット成型用の型寿命の低下といった、ウォータジャケットをシリンダブロックに一体鋳造する従来の方法における問題を好適に回避することができるようにもなる。
(1)本実施形態では、シリンダブロック1が、ウォータジャケット4とする部位を境に、そのシリンダ21側を構成するシリンダライナ2と、ウォータジャケット4の外側壁を構成するシリンダブロック本体3との別体構造とされている。このため、ウォータジャケットをシリンダブロックと鋳造にて一体形成する従来の方法と比べ、シリンダブロックの鋳造型が簡略化され、ウォータジャケットの設計自由度が高められる。またこれにより、鋳巣等の鋳造欠陥の発生やウォータジャケット成型用の型寿命の低下といった、ウォータジャケットをシリンダブロックに一体鋳造する従来の方法における問題を好適に回避することができるようにもなる。
(2)本実施形態では、シリンダライナ2の外壁面23において、ウォータジャケット4とする側に突き出すかたちで部分的に肉厚となった部位を形成することで、ウォータジャケット4の性状を部位毎に変化させている。そのため、シリンダブロックの鋳造型に対して複雑な形状変更を行わなくてもウォータジャケット4の性状を比較的簡単に設定することが可能となる。またスペーサを使用する従来の手法にてウォータジャケット性状を設定する場合のような、スペーサの挿入性を加味した厳しい寸法の公差管理やエンジンの振動等によるスペーサの動きを抑制するための対策は不要となる。そのため、細密なウォータジャケット性状の設定に係る構造の複雑化や製造工数の増大を抑え、その設定に伴う製造コストの増大を抑制することができるようにもなる。
(3)本実施形態では、シリンダライナ2周囲への上記部分的に肉厚とされた部位の形成を通じて、シリンダ21の軸方向について、その燃焼室となる側に通路幅が広く、燃焼室から離間する側に通路幅が狭くなるように、ウォータジャケット4の性状を設定している。すなわち、燃焼室に近く、シリンダ内からより多くの熱を受ける部位については、ウォータジャケットの通路幅を広くしてその周囲を循環される冷却水の流量を増大させている。また燃焼室から離間しており、シリンダ内から受ける熱の少ない部位については、ウォータジャケットの通路幅を狭くして、その周囲を循環される冷却水の流量を低減させている。そのため、シリンダ軸方向におけるシリンダ21内からの受熱状態の差違に応じて、効率的、効果的に冷却を行うことができる。またその結果、シリンダ21の軸方向における壁温分布のばらつきが縮小されるため、部位毎の熱膨張量の差違によるボア変形を効果的に抑制することができるようにもなる。
(4)本実施形態では上記部分的に肉厚とされた部位の形成を通じて更に、シリンダ配列方向について、シリンダ21が互いに隣接する部位の通路断面積SBを、各シリンダ21の中心軸に対応する部位の通路断面積SAに比して大きくするように、ウォータジャケット4の性状を設定している。これにより、左右両方のシリンダ21から熱を受けることから他の部分よりも多くの熱を受ける部位について、その周囲を循環される冷却水の流量を局所的に増大し、各シリンダの冷却をより効率的に行うことができる。またその結果、シリンダ21の周方向における壁温分布のばらつきが縮小されるため、部位毎の熱膨張差によるボア変形を効果的に抑制することができるようにもなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係るシリンダブロックの冷却構造を具体化した第2の実施形態について、図5を参照して、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお本実施形態において、第1の実施形態のものと同等の構成及び作用を有する部材については、同一の符号を付してその説明は省略する。
次に、本発明に係るシリンダブロックの冷却構造を具体化した第2の実施形態について、図5を参照して、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお本実施形態において、第1の実施形態のものと同等の構成及び作用を有する部材については、同一の符号を付してその説明は省略する。
多気筒エンジンに配列形成された各シリンダの周囲を順次に冷却媒体が循環されるようにウォータジャケットを構成した場合、冷却水の温度は、各シリンダの周囲を通過する毎に、シリンダからの奪った熱により上昇していくようになる。そのため、ウォータジャケット下流側に配設されたシリンダでは、その上流側に配設されたシリンダに比して冷却効率が低下してしまう。
そこで本実施形態では、上記部分的に肉厚とされた部位の形成を通じて、冷却媒体の入口側ほど通路断面積が狭くなり、その出口側ほど通路断面積が広くなるようなウォータジャケットの性状の設定を追加することで、上記冷却媒体の温度上昇に伴うシリンダ毎の冷却効率のばらつきについても低減するようにしている。以下、そうした本実施形態でのウォータジャケット性状の設定態様の詳細を説明する。
図5は、本実施形態のシリンダライナ2の側面構造を示している。なお、このシリンダライナ2がシリンダブロック本体3に組み付けられた際、その周囲に形成されるウォータジャケット4には、その内部を流れる冷却媒体となる冷却水の入口は、同図の左方側に設けられ、またその出口は同図の右方側に設けられるようになっている。すなわち、このシリンダライナ2の周囲では、冷却水はその左方側から右方側へと流されるようになっている。
同図に示すように、本実施形態においても、シリンダ連結体20の外壁面23には2つの段差部24a,24bが形成されている。そしてそれによりシリンダライナ2には、シリンダ軸方向について、その燃焼室となる側に通路幅が広く、燃焼室から離間する側に通路幅が狭くなるウォータジャケット性状を設定すべく、部分的に肉厚とされた部位が形成されている。
また上記2つの段差部24a,24bは、シリンダ配列方向において、受熱量の多いシリンダ間の部位においてはシリンダ下方に向かい、各シリンダ21の中心軸に対応する部位においてはシリンダ上方に向かうように略波状に延伸されている。そして各段差部24a,24bの形成位置は、シリンダ配列方向において、そうして上下しつつも、上記冷却水の入口側から出口側に向かうにつれ、概ねシリンダ下方に位置されるようになっている。
図6は、そうしたシリンダライナ2を有するシリンダブロック1について、その図5の部位A〜Gにそれぞれ対応する部位のウォータジャケット4近傍の縦断面構造を示している。ここで部位A、C、E、Gは、シリンダ配列方向において各シリンダ21a〜21dの中心軸に対応する部位となっている。また部位B、D、Fは、シリンダ21a〜21dが互いに隣接するシリンダ間の部位となっている。なお以下では、各部位A、B、・・・Gにおけるウォータジャケット4の通路断面積をそれぞれSA、SB、・・・SGと記載する。
同図に示すように、各シリンダ21a〜21dのそれぞれについては、他のシリンダに隣接するシリンダ間の部位の通路断面積が他の部位に比して大きくなるように、ウォータジャケット4が形成されている。すなわち、本実施形態においても、受熱量の大きいシリンダ間の部位のウォータジャケット4の通路断面積を局所的に拡大するようにしている。
一方、シリンダ間の部位B、D、Fを比較すると、冷却水の入口側から出口側に向かうにつれ、通路断面積が拡大されている(SB<SD<SF)。またシリンダ配列方向における各シリンダ21の中心軸に対応する部位A、C、E、Gを比較すると、やはり冷却水の入口側から出口側に向かうにつれ、通路断面積が拡大されている(SA<SC<SE<SG)。このように本実施形態では大きくは、冷却水の入口側(図5の左側)ほど通路断面積が狭くなり、その出口側(図5の右側)ほど通路断面積が広くなるようにウォータジャケット4の性状が設定されている。
以上説明した本実施形態によれば、上記(1)〜(4)に記載の効果に加え、更に次の効果を奏することができる。
(5)本実施形態では、シリンダ21の配列方向について、シリンダブロック1に対する冷却水の入口側ほど通路断面積が狭く、冷却水の出口側ほど通路断面積が広くなるように、ウォータジャケット4の性状が設定されている。これにより、入口側から出口側に向かう間に各シリンダ21a〜21dの壁面から奪った熱で冷却水の温度が上昇しても、その分、ウォータジャケット4の通路断面積が拡大され、シリンダ周囲の冷却水の流量が増大されるため、十分な冷却性を保持できるようになる。またその結果、上記冷却水の温度上昇に伴うシリンダ毎の冷却効率のばらつきが縮小されるようにもなる。このため、各シリンダ21a〜21dの冷却を更に効率的に行うことができる。
(5)本実施形態では、シリンダ21の配列方向について、シリンダブロック1に対する冷却水の入口側ほど通路断面積が狭く、冷却水の出口側ほど通路断面積が広くなるように、ウォータジャケット4の性状が設定されている。これにより、入口側から出口側に向かう間に各シリンダ21a〜21dの壁面から奪った熱で冷却水の温度が上昇しても、その分、ウォータジャケット4の通路断面積が拡大され、シリンダ周囲の冷却水の流量が増大されるため、十分な冷却性を保持できるようになる。またその結果、上記冷却水の温度上昇に伴うシリンダ毎の冷却効率のばらつきが縮小されるようにもなる。このため、各シリンダ21a〜21dの冷却を更に効率的に行うことができる。
(その他の実施形態)
以上各実施形態の冷却構造は、ウォータジャケットとする部位を境に、そのシリンダ側を構成する第1の構造体と、そのウォータジャケットの外側壁を構成する第2の構造体との別体構造とされたシリンダブロックであれば、同様或いはそれに準じた態様で適用することができる。すなわち、分割態様の異なるシリンダブロックにも、それが上記のような第1及び第2の構造体の別体構造とされていれば、本発明に係る冷却構造を適用することができる。
以上各実施形態の冷却構造は、ウォータジャケットとする部位を境に、そのシリンダ側を構成する第1の構造体と、そのウォータジャケットの外側壁を構成する第2の構造体との別体構造とされたシリンダブロックであれば、同様或いはそれに準じた態様で適用することができる。すなわち、分割態様の異なるシリンダブロックにも、それが上記のような第1及び第2の構造体の別体構造とされていれば、本発明に係る冷却構造を適用することができる。
以下、上記各実施形態とは分割態様の異なるシリンダブロックに対する本発明の適用例を、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、そうしたシリンダブロック101の分解斜視構造を示している。シリンダブロック101は、ウォータジャケットとなる部位を境に、そのシリンダ側を構成するシリンダブロック本体103と、ウォータジャケットの外側壁を構成する外周シリンダブロック102との別体構造とされている。
図7は、そうしたシリンダブロック101の分解斜視構造を示している。シリンダブロック101は、ウォータジャケットとなる部位を境に、そのシリンダ側を構成するシリンダブロック本体103と、ウォータジャケットの外側壁を構成する外周シリンダブロック102との別体構造とされている。
シリンダブロック本体103は、各シリンダ131の形成されたシリンダライナ部と、クランクケースを構成するスカート部とを備え構成されており、鋳造等によって一体形成されている。またシリンダブロック本体103のシリンダ131の下方周囲には、載置面132が張り出されるように形成されている。
一方、外周シリンダブロック102は、シリンダブロック本体103の上記シリンダ131の外壁面133と対向される内壁面123を有して、上記シリンダライナ部の周りを囲む環状に形成されており、鋳造等により一体形成されている。
こうした外周シリンダブロック102は、上記シリンダブロック本体103の上記載置面132上に載置されるようになっている。そしてその状態で外周シリンダブロック102とシリンダブロック本体103とを組み付けることで、シリンダブロックが形成されるようになっている。このとき、シリンダブロック本体103の上記外壁面133及び載置面132、及び外周シリンダブロック102の内壁面123により、シリンダ131の周囲にウォータジャケットが区画形成されるようになっている。すなわち、このシリンダブロックでは、シリンダブロック本体103が上記第1の構造体に、外周シリンダブロック102が上記第2の構造体にそれぞれ対応する構成となっている。
さて、こうしたシリンダブロックの外周シリンダブロック102の内壁面123には、段差部124aが設けられ、この段差部124aにより、内壁面123は上部内壁面123aと肉厚部としての下部内壁面123bとに区分されている。そして下部内壁面123bは、上部内壁面123aに対して、ウォータジャケットとなる側に突き出すかたちで部分的に肉厚に形成されている。
図8は、上記外周シリンダブロック102とシリンダブロック本体103とを組み付けて形成されたシリンダブロックの縦断面構造を示している。同図に示すように、そのシリンダ軸方向についてウォータジャケット104は、上記部分的に肉厚に形成された下部内壁面123bにより、その燃焼室となる側に通路幅が広く、燃焼室から離間する側に通路幅が狭くなるように形成される。
こうしたシリンダブロックにおいても、上記(1)〜(3)に記載の効果を同様或いはそれに準じた態様で奏することができる。
なお、外周シリンダブロック102の内壁面123への部分的な肉厚とされた部位の形成を通じては、上記各実施形態と同様に、シリンダの配列方向についても、部位毎にウォータジャケット104の性状を異ならせるようにすることもできる。すなわち、ウォータジャケット104の性状を、シリンダが互いに隣接する部位において通路断面積が広く、各シリンダの中心軸に対応する部位において通路断面積が狭くなるように設定したり、或いはシリンダブロックに対する冷却水の入口側ほど通路断面積が狭く、冷却水の出口側ほど通路断面積が広くなるように設定したりすることもできる。そうした場合、上記(4)或いは上記(5)に記載の効果を、同様或いはそれに準じた態様で享受することができる。
なお、外周シリンダブロック102の内壁面123への部分的な肉厚とされた部位の形成を通じては、上記各実施形態と同様に、シリンダの配列方向についても、部位毎にウォータジャケット104の性状を異ならせるようにすることもできる。すなわち、ウォータジャケット104の性状を、シリンダが互いに隣接する部位において通路断面積が広く、各シリンダの中心軸に対応する部位において通路断面積が狭くなるように設定したり、或いはシリンダブロックに対する冷却水の入口側ほど通路断面積が狭く、冷却水の出口側ほど通路断面積が広くなるように設定したりすることもできる。そうした場合、上記(4)或いは上記(5)に記載の効果を、同様或いはそれに準じた態様で享受することができる。
以上説明した各実施形態及びその変形例は以下のように変更して実施することもできる。
・上記各実施形態及びその変形例では、シリンダの内壁面に鉄等の保護膜を溶射等によって被覆形成していたが、シリンダ内壁面の耐摩耗性等が十分確保できるのであれば、そうした保護膜を省略しても良い。また別体のシリンダライナをシリンダ内に挿入することで、シリンダ内壁面の耐摩耗性を確保するようにしてもよい。
・上記各実施形態及びその変形例では、シリンダの内壁面に鉄等の保護膜を溶射等によって被覆形成していたが、シリンダ内壁面の耐摩耗性等が十分確保できるのであれば、そうした保護膜を省略しても良い。また別体のシリンダライナをシリンダ内に挿入することで、シリンダ内壁面の耐摩耗性を確保するようにしてもよい。
・上記各実施形態及びその変形例では、外周シリンダブロック102の内壁面123またはシリンダライナ2の外壁面23における上記部分的に肉厚とされた部位を、対応する鋳型の成形部分の形状を変更することによって形成するようにしていたが、例えば機械加工等の別の方法により、そうした部位を形成するようにしても良い。
・上記各実施形態及びその変形例では、外周シリンダブロック102の内壁面123やシリンダライナ2の外壁面23(図1及び図2参照)に、段差部24a,24b(図1及び図2参照),124aを設けて肉厚とされた部位を設定していたが、そうした段差を設けず、肉厚とされた部位の壁面とそれ以外の部位の壁面とを滑らかに接続するようにしても良い。
・上記各実施形態及びその変形例では、シリンダライナ2の外壁面23や外周シリンダブロック102の内壁面123に、部分的に肉厚とされた部位を形成してウォータジャケットの性状を設定するようにしていた。そうした肉厚に形成された部位を、それら外壁面23、内壁面123に対向されるシリンダブロック本体3の内壁面34(図1及び図2参照)、シリンダブロック本体103の外壁面133側に設けるようにしても、同様のウォータジャケット性状の設定を行うことができる。また部分的に肉厚とされた部位を、ウォータジャケットとなる部位を挟んで対向される両面にそれぞれ設けるようにしても良い。
・シリンダブロックの各構成部品の材料は、上記各実施形態及びその変形例で例示したものに限らず適宜変更しても良い。
1,101…シリンダブロック、2…シリンダライナ、3,103…シリンダブロック本体、4,104…ウォータジャケット、21,21a〜d,131…シリンダ、22…フランジ部、33,132…載置面。
Claims (8)
- シリンダの周囲にウォータジャケットを備え、該ウォータジャケットを流通する冷却媒体によってシリンダを冷却するシリンダブロックの冷却構造であって、
前記シリンダブロックが前記ウォータジャケットとする部位を境に、前記シリンダ側を構成する第1の構造体と、前記ウォータジャケットの外側壁を構成する第2の構造体との別体構造からなり、これら第1および第2の構造体の少なくとも一方が前記ウォータジャケットとする側に突き出すかたちで部分的に肉厚に形成されて、同ウォータジャケットとしての性状が設定されてなる
ことを特徴とするシリンダブロックの冷却構造。 - 前記ウォータジャケットは、前記シリンダの軸方向について、その燃焼室となる側に通路幅が広く、燃焼室から離間する側に通路幅が狭くなるように、その性状が設定されてなる
請求項1に記載のシリンダブロックの冷却構造。 - 前記シリンダブロックには複数のシリンダが配列形成されてなり、
前記ウォータジャケットは、前記シリンダの配列方向について、それらシリンダが互いに隣接する部位において通路断面積が広く、前記隣接する部位以外その他の部位において通路断面積が狭くなるように、その性状が設定されてなる
請求項1または2に記載のシリンダブロックの冷却構造。 - 前記シリンダブロックには複数のシリンダが配列形成されてなり、前記ウォータジャケットは、前記シリンダの配列方向について、それらシリンダが互いに隣接する部位において通路断面積が広く、前記隣接する部位以外その他の部位において通路断面積が狭くなるように、且つ、前記シリンダブロックに対する前記冷却媒体の入口側ほど通路断面積が狭く、前記冷却媒体の出口側ほど通路断面積が広くなるように、その性状が設定されてなる
請求項1または2に記載のシリンダブロックの冷却構造。 - 前記第1の構造体が、上部にフランジ部を有するシリンダライナからなり、前記第2の構造体が、上面に前記シリンダライナの前記フランジ部が載置される載置面を有するシリンダブロック本体からなる
請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリンダブロックの冷却構造。 - 前記ウォータジャケットとしての性状を設定する部分的な肉厚部が前記シリンダライナに設けられてなる
請求項5に記載のシリンダブロックの冷却構造。 - 前記第1の構造体が、前記シリンダの下方周囲に張り出された面を有するシリンダブロック本体からなり、前記第2の構造体が、前記シリンダブロック本体の前記張り出された面に底面が載置されるシリンダブロック外側壁からなる
請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリンダブロックの冷却構造。 - 前記ウォータジャケットとしての性状を設定する部分的な肉厚部が前記シリンダブロック外側壁に設けられてなる
請求項7に記載のシリンダブロックの冷却構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004003386A JP2005194967A (ja) | 2004-01-08 | 2004-01-08 | シリンダブロックの冷却構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=34818312
Family Applications (1)
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JP2004003386A Pending JP2005194967A (ja) | 2004-01-08 | 2004-01-08 | シリンダブロックの冷却構造 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005194967A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010203275A (ja) * | 2009-03-02 | 2010-09-16 | Nissan Motor Co Ltd | 直列式多気筒内燃機関のシリンダブロック |
JP2011017288A (ja) * | 2009-07-09 | 2011-01-27 | Mitsubishi Motors Corp | 内燃機関 |
CN103511114A (zh) * | 2012-06-17 | 2014-01-15 | 芜湖市艾德森自动化设备有限公司 | 新型气缸体 |
CN109854404A (zh) * | 2018-12-28 | 2019-06-07 | 潍柴动力股份有限公司 | 发动机冷却***及发动机 |
-
2004
- 2004-01-08 JP JP2004003386A patent/JP2005194967A/ja active Pending
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