JP2010156429A - クラッチ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁コイルの通電量に応じてクラッチピストンに供給する作動流体の流量を調整するソレノイドバルブにおいて、流量特性における中立点を短時間で学習する。
【解決手段】ECUは、予め格納されている流量特性を参照してヌル領域の上限値よりも大きい電流値をヌル点に設定して目標ストロークに対する実ストロークの偏差に応じたフィードバック制御を開始し(S01,S02)、ピストンが中立状態に安定後一定時間における指示電流の平均値A1を記録する(S03)。次に、ヌル点をヌル領域の下限値よりも小さい電流値に設定して同様の処理を実行し(S04,S05)、指示電流の平均値A2を記録する(S06)。ECUは、値A1、A2に基づく値A3をヌル点に設定してフィードバック制御を開始し(S07,S08)、実ストロークの偏差がしきい値以下のとき(S09にてNO)、値A3をヌル点として学習する(S10)。
【選択図】図5

Description

この発明は、クラッチ制御装置に関し、より特定的には、電磁コイルに通電する電流値に応じて、クラッチピストンに供給する作動流体の流量を調整するソレノイドバルブにおいて、流量特性における中立点を学習するための技術に関する。
自動車の自動変速機等には、動力の伝達および遮断を行なうクラッチが設けられており、クラッチの係合状態と解放状態とを切替えるために油圧が用いられることが多い。クラッチに供給される油圧は、リニアソレノイドバルブにより調整される。この種の技術として、たとえば、特開2000−337543号公報(特許文献1)には、従動部材に連結するポートを有するシリンダ、駆動電流に対応してシリンダ内を摺動するとともにポートを遮断可能なランドを有するスプール、および駆動電流を制御してスプールを摺動させることで従動部材への流体の流通を遮断する遮断状態と従動部材への流体の流通を許容する流通状態とに切換可能な制御装置を備える比例電磁弁が開示される。
この特許文献1に記載の比例電磁弁では、経時変化によってランドおよびポートの位置が変化してしまった場合には流体を所望の流量に制御できないという問題が生じることから、制御装置は、ソレノイドコイルに供給される駆動電流を徐々に変化させたときの従動部材の作動に基づいて、遮断状態と流通状態との境界を計測する。これにより、比例電磁弁の各部品の寸法を精度良く製造することなく、さらに、位置調整用の余分な部材を用いることなく、ランドおよびポートの位置の調整を可能としている。
特開2000−337543号公報
しかしながら、上述した特許文献1の比例電磁弁においては、制御装置は、駆動電流を徐々に変化させて従動部材の作動が変化するとき、たとえば、スプールが往動時における従動部材内への流体の増圧、スプールが往動時における従動部材内への流体の減圧、スプールが復動時における従動部材内への流体の増圧、およびスプールが復動時における従動部材内への流体の減圧のそれぞれの状態に対応して、遮断状態と流通状態との境界の計測するように構成される。そのため、ランドおよびポートの位置調整には、時間がかかるという問題がある。
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電磁コイルに通電する電流値に応じて、クラッチピストンに供給する作動流体の流量を調整するソレノイドバルブにおいて、流量特性における中立点を短時間で学習可能とすることである。
本発明によるクラッチ制御装置は、作動流体によって駆動されるクラッチピストンと、クラッチピストンのストロークを検出するストロークセンサと、クラッチピストン内の作動流体の流量を調整するソレノイドバルブと、ストロークセンサにより検出されたストロークに応じて、ソレノイドバルブを制御する制御装置とを備える。ソレノイドバルブは、電磁コイルと、電磁コイルへの通電電流値に応じてクラッチピストン内の作動流体の流量を調整する流量調整部とを含むとともに、通電電流値が所定の電流範囲にあるときには、クラッチピストンへの作動流体の供給および排出が遮断されるように構成される。制御装置は、所定の電流範囲の中心値を、クラッチピストンのストロークの変化速度を略零とするための通電電流値の中立点として学習する学習手段と、通電電流値の中立点を基準として、ストロークセンサにより検出されたストロークとストローク指令値との偏差に応じた作動流体の目標流量に従って、通電電流値をフィードバック制御する制御手段とを含む。学習手段は、所定の電流範囲の上限値よりも大きい電流値を通電電流値の中立点と仮定したときに、制御手段の実行によって、ストロークセンサにより検出されたストロークの変化速度が略零となるときの第1の通電電流値を検出する第1の検出手段と、所定の電流範囲の下限値よりも小さい電流値を通電電流値の中立点と仮定したときに、制御手段の実行によって、ストロークセンサにより検出されたストロークの変化速度が略零となるときの第2の通電電流値を検出する第2の検出手段と、第1および第2の検出手段により検出された第1および第2の通電電流値に基づいて、所定の電流範囲の中心値を取得する取得手段とを含む。
本発明によれば、電磁コイルに通電する電流値に応じて、クラッチピストンに供給する作動流体の流量を調整するソレノイドバルブにおいて、流量特性における中立点を短時間で学習することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、この発明の実施の形態に従うクラッチ制御装置を搭載した車両の全体構成図である。
図1を参照して、車両は、エンジン100で発生した駆動力が、クラッチ200、変速機300、ディファレンシャルギヤ400およびドライブシャフト402を介して車輪404に伝達されることにより走行する。エンジン100、クラッチ200および変速機300は、ECU(Electronic Control Unit)500により制御される。
エンジン100は、ディーゼルエンジンである。なお、ディーゼルエンジンの代わりに、ガソリンエンジンであっても構わない。クラッチ200は、エンジン100のクランクシャフト600に連結されている。クラッチ出力軸202は、スプライン310を介して変速機300の入力軸302に連結されている。
変速機300は、常時噛合い式のギヤトレーンから構成されている。変速機300におけるギヤ段の選択は、アクチュエータ304によりシフトフォークシャフトを摺動させることにより行なわれる。アクチュエータ304は、油圧により作動するものであってもよく、電力により作動するものであってもよい。なお、ダイレクトシリンダを用いたアクチュエータによりギヤ段の選択を行なってもよい。
ECU500には、アクセル開度センサ502、ポジションセンサ504、車速センサ506、タイミングロータ508の外周に対向して設けられたクランクポジションセンサ510、入力軸回転数センサ512および出力軸回転数センサ514から信号が送信される。
アクセル開度センサ502は、アクセルペダルのアクセル開度を検出する。ポジションセンサ504は、シフトレバーのシフトポジションを検出する。車速センサ506は、車速を検出する。クランクポジションセンサ510は、エンジン回転数を検出する。入力軸回転数センサ512は、変速機300の入力軸302の回転数を検出する。出力軸回転数センサ514は、変速機300の出力軸306の回転数を検出する。
ECU500は、これらのセンサから送信された信号、メモリ(図示せず)に記憶されたプログラムおよびマップなどに基づいて演算処理を行なう。これにより、ECU500は、エンジン100、クラッチ200および変速機300を制御する。
図2を参照して、クラッチ200についてさらに説明する。クラッチ200は、乾式単板式の摩擦クラッチである。図2に示すように、クラッチ200は、クラッチ出力軸202と、クラッチ出力軸202に配設されたクラッチディスク204と、クラッチハウジング206と、クラッチハウジング206に配設されたプレッシャプレート208と、ダイヤフラムスプリング210と、クラッチレリーズシリンダ212と、レリーズフォーク214と、レリーズスリーブ216とを含む。
ダイヤフラムスプリング210が、プレッシャプレート208を図2において右方向に付勢することにより、クラッチディスク204が、エンジン100のクランクシャフト600に取り付けられたフライホイール602に押付けられ、クラッチ200が係合される。
クラッチレリーズシリンダ212が、レリーズフォーク214を介して図2において右方向へ、レリーズスリーブ216を移動させることにより、ダイヤフラムスプリング210の内端部が図2において右方向へ移動する。ダイヤフラムスプリング210の内端部が図2において右方向へ移動すると、プレッシャプレート208が図2において左方向に移動し、クラッチディスク204とフライホイール602とが離れてクラッチ200が解放される。
クラッチレリーズシリンダ212は、図2に示す油圧回路230によって作動油の油圧が供給されることにより作動する。油圧回路230は、リザーバ218から作動油を汲み上げて吐出する電動式の油圧ポンプ220と、油圧ポンプ220から吐出された作動油を蓄積するアキュムレータ224と、クラッチレリーズシリンダ212に対する作動油の供給および排出を切換えるクラッチソレノイドバルブ222とを含む。クラッチソレノイドバルブ222は、ECU500により制御される。
クラッチレリーズシリンダ212に作動油が供給されると、クラッチレリーズシリンダ212のピストンが図2において左方向に移動し、レリーズスリーブ216が図2において右方向へ移動してクラッチ200が解放される。クラッチレリーズシリンダ212のピストンの位置(ストローク)は、クラッチストロークセンサ516により検出される。クラッチストロークセンサ516の検出結果を表す信号は、ECU500に送信される。
ECU500は、クラッチストロークセンサ516から送信された信号に基づいて、クラッチ200が解放状態にあるか、係合状態にあるか、半係合状態にあるかを検出する。
(クラッチソレノイドバルブの制御構造)
以下、図3および図4を参照して、ECU500により実行されるクラッチソレノイドバルブ222の制御構造についてさらに説明する。
図3は、クラッチソレノイドバルブ222の構成を示した断面図である。
図3を参照して、クラッチソレノイドバルブ222は、流量調整部64と、電磁コイル部66とを含む。
流量調整部64は、スリーブ42と、スプール50と、スプリング48とを含む。スリーブ42には、油圧を出力する出力ポート46と、油圧をフィードバックするフィードバックポート44と、出力油圧より高い一定の元圧が与えられるアプライポート52と、油を抜くドレンポート54とが設けられ、これらのポートを開閉するようにスプール50が移動可能な中空パイプ状の形状を有している。
電磁コイル部66は、ヨーク56と、コイル58と、プランジャ62と、シャフト60とを含む。電磁コイル部66は、電流をコイル吸引力に変換する。ヨーク56は、固定されており、プランジャ62は可動であり、コイル58に電流を流すと、プランジャ62に電流に応じた吸引力が発生する。吸引力は、非磁性のシャフト60を介して流量調整部64のスプール50に伝達される。
流量調整部64は、電磁コイル部66からシャフト60で伝達される軸力と、スプリング48のスプリング力と、フィードバックポート44部分の油圧力とのバランスにより、クラッチレリーズシリンダ212に対する作動油の供給および排出を切換えてクラッチレリーズシリンダ212内の作動油の流量を調整する。この作動油の流量の変化に応じて、クラッチレリーズシリンダ212のピストンが移動することにより、クラッチ200が係合または解放される。
図4には、クラッチソレノイドバルブ222の流量特性として、クラッチソレノイドバルブ222を通過する作動油の流量Qと、電磁コイル部66のコイル58に通電される電流(以下、通電電流とも称す)Iとの関係が示される。なお、当該関係において、作動油の流量Qは、クラッチレリーズシリンダ212(図2)のピストンのストロークの変化速度(以下、単に、ストローク速度とも称す)に該ピストンの断面積を乗じた値に近似されている。
図4を参照して、作動油の流量Qは、通電電流Iが所定の電流範囲内にあるときには略零となっている。この場合、クラッチソレノイドバルブ222を通過する作動油の流れが遮断されていることから、クラッチレリーズシリンダ212のピストンは、ストローク速度が略零となり、ストロークがその位置に保持された状態となっている。
そして、この所定の電流範囲の上限値を上回って通電電流Iが増加すると、作動油の流量Qは増加に転じる。このとき、作動油の流量Qは、クラッチレリーズシリンダ212に作動油を供給する方向に増加するため、ピストンのストローク速度は、図2において左方向(以下、正方向とも称す)に増加する。これにより、レリーズスリーブ216が図2において右方向へ移動してクラッチ200が解放される。
また、所定の電流範囲の下限値を下回って通電電流Iが減少した場合にも、作動油の流量Qは増加に転じる。この場合は、作動油の流量Qは、クラッチレリーズシリンダ212から作動油を排出する方向に増加するため、ピストンのストローク速度は、図2において右方向(以下、負方向とも称す)に増加する。これにより、レリーズスリーブ216が図2において左方向へ移動してクラッチ200が係合される。
このように、通電電流Iが所定の電流範囲にある場合には、作動油の流量Qが略零となるため、クラッチレリーズシリンダ212のピストンは、正方向および負方向のいずれにも変位しない、いわゆる中立状態となる。以下では、このピストンを中立状態とするときの所定の電流範囲を中立領域(ヌル領域)と称する。また、該所定の電流範囲の中心値を中立点(ヌル点)とも称する。
ここで、クラッチレリーズシリンダ212のピストンのストロークの制御は、このヌル点およびヌル領域を基準として、作動油の流量Qの目標値(目標流量)に応じて通電電流Iを変化させることによって行なわれる。
具体的には、ECU500は、シフトポジション、車速、アクセル開度およびメモリに記憶されていた変速図などに基づいて、変速機300の変速要求があるか否かを判断する。変速要求があるときには、ECU500は、クラッチストロークセンサ516からの信号により現在のクラッチレリーズシリンダ212のピストンのストローク(実ストローク)を検出するとともに、変速要求に応じて該ピストンのストロークの目標値(目標ストローク)を設定する。そして、ECU500は、目標ストロークに対する実ストロークの偏差に基づいて、作動油の目標流量Qを決定する。
このとき、ECU500は、図4の流量特性を予めROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などからなる記憶部に格納しておき、この流量特性を参照して、目標流量Qに対応する通電電流を指示電流Iに設定するとともに、指示電流Iに従った電流が電磁コイル部66のコイル58に流れるように、通電電流Iをフィードバック制御する。これにより、クラッチレリーズシリンダ212のピストンが目標ストロークまで移動してクラッチ200を係合または解放させる。
しかしながら、クラッチソレノイドバルブ222(図3)においては、経時変化等に起因して、電磁コイル部66からシャフト60で伝達される軸力と、スプリング48のスプリング力と、フィードバックポート44部分の油圧力とのバランスに変化が生じる。そのため、ECU500が記憶部に格納しているクラッチソレノイドバルブ222の流量特性と、実際の流量特性との間には、多少のずれが生じ得る。また、クラッチソレノイドバルブ222の製造上での個体差によっても、このずれが生じる可能性がある。このずれによって上述したヌル点およびヌル領域が移動すると、同じ通電電流Iに対する作動油の流量Qが異なってくるため、クラッチレリーズシリンダ212のピストンを目標ストロークまで移動させることができず、クラッチ200の制御の安定性を低下させる可能性がある。
そこで、ECU500は、このような流量特性のずれによる不具合を解消するため、図5および図6に示す方法によって、クラッチソレノイドバルブ222の流量特性におけるヌル点およびヌル領域を学習するための学習制御を実行する。これにより、上述した通電電流Iのフィードバック制御は、学習したヌル点およびヌル領域を基準として行なわれることから、クラッチ200の制御の安定性を確保することができる。
図5は、ECU500により行なわれるヌル領域およびヌル点の学習制御の制御構造を示すフローチャートである。
図5を参照して、ECU500は、最初に、予め記憶部に格納されている流量特性を参照して、ヌル領域の上限値(設計上限値)よりも大きい電流値を、ヌル点に設定する(ステップS01)。そして、ECU500は、クラッチレリーズシリンダ212のピストンが中立状態(正方向および負方向のいずれにも変位しない状態)となるように、目標ストロークに対する実ストロークの偏差に基づいて、通電電流Iのフィードバック制御を開始する。そして、ECU500は、ストローク速度が略零となって、クラッチレリーズシリンダ212のピストンが中立状態に安定するのを待つ(ステップS02)。
次に、ECU500は、クラッチストロークセンサ516からの信号に基づいて、ストローク速度が略零となり、ピストンが中立状態に安定したと判断されると、該判断された時点から一定時間における指示電流Iの平均値(たとえば、A1とする。)を算出し、その算出した平均値A1を記憶部に記録する(ステップS03)。
さらに、ECU500は、ステップS01〜S03と同様の処理を、ヌル点をヌル領域の下限値(設計下限値)よりも小さい電流値に設定した場合においても実行する。具体的には、ECU500は、ヌル領域の上限値(設計下限値)よりも小さい電流値を、ヌル点に設定すると(ステップS04)、ストローク速度が略零となって、クラッチレリーズシリンダ212のピストンが中立状態となるように、目標ストロークに対する実ストロークの偏差に基づいて、通電電流Iのフィードバック制御を開始する。そして、ECU500は、クラッチレリーズシリンダ212のピストンが中立状態に安定するのを待つ(ステップS05)。次に、ECU500は、クラッチストロークセンサ516からの信号に基づいて、ストローク速度が略零となり、ピストンが中立状態に安定したと判断されると、該判断された時点から一定時間における指示電流Iの平均値(たとえば、A2とする。)を算出し、その算出した平均値A2を記憶部に記録する(ステップS06)。
次に、ECU500は、ステップS03およびS06でそれぞれ記録した平均値A1,A2を記憶部から読み出すと、これらの値の平均値A3(=(A1+A2)/2)を算出する。そして、ECU500は、その算出した値A3を新たにヌル点として設定するとともに(ステップS07)、目標ストロークに対する実ストロークの偏差に基づいて、通電電流Iのフィードバック制御を開始して、クラッチレリーズシリンダ212のピストンが中立状態に安定するのを待つ(ステップS08)。
最後に、ECU500は、ピストンが中立状態に安定しているときの目標ストロークに対する実ストロークの偏差が所定のしきい値よりも大きいか否かを判定する(ステップS09)。該偏差が所定のしきい値以下のとき(ステップS09にてNOの場合)、ECU500は、ステップS07で算出した値A3を、ヌル点として学習する(ステップS10)。一方、該偏差が所定のしきい値を超えるときには(ステップS09にてYESの場合)、ECU500は、ヌル点の学習を行なわず処理を終了する。
図6は、図5のヌル領域およびヌル点の学習制御の実行時におけるクラッチレリーズシリンダ212のピストンのストロークおよび指示電流Iの時間的変化を示す図である。
図6を参照して、時刻t1において、ヌル点が設計上限値よりも大きい電流値に設定されると(図5のステップS01に対応)、時刻t1以降において、目標ストロークに対する実ストロークの偏差に基づいて通電電流Iのフィードバック制御が実行される。このとき、指示電流Iに従って作動油の流量Qが作動油を供給する方向に増加するため、ピストンのストローク速度が正方向に増加する。これにより、ストロークは正方向に移動する。
そして、時刻t2において、ピストンのストローク速度が略零となって、ピストンが中立状態となると、時刻t2から時刻t3までの期間T2における指示電流Iの平均値A1が算出されて記憶部に記録される(図5のステップS03に対応)。
時刻t3では、さらに、ヌル点が設計下限値よりも小さい電流値に設定され、時刻t3以降において、目標ストロークに対する実ストロークの偏差に基づいて通電電流Iのフィードバック制御が実行される。このとき、指示電流Iに従って作動油の流量Qが作動油を排出する方向に増加するため、ピストンのストローク速度が負方向に増加する。これにより、ストロークは負方向に移動する。
そして、時刻t4において、ピストンのストローク速度が略零となって、ピストンが中立状態となると、時刻t4から時刻t5までの期間T4における指示電流Iの平均値A2が算出されて記憶部に記録される(図5のステップS04に対応)。
最後に、時刻t5では、期間T2および期間T4における指示電流Iの平均値A1,A2に基づいてA3(=(A1+A2)/2)が算出されて、ヌル点として設定される。そして、時刻t5以降の期間T5では、目標ストロークに対する実ストロークの偏差に基づいて通電電流Iのフィードバック制御が実行される(図5のステップ08に対応)。この期間T5において、ピストンが中立状態に安定したときの目標ストロークに対する実ストロークの偏差が所定のしきい値以下であれば、このときの値A3がヌル点として学習される。
図7および図8は、図6の期間T1およびT2におけるクラッチレリーズシリンダ212のピストンのストロークおよび指示電流Iの時間的変化を詳細に示す図である。
図7を参照して、時刻t1において、ヌル点が設計上限値よりも大きい電流値に設定することにより、ピストンのストロークは、図中のI〜IIIの状態を遷移する。このとき、クラッチソレノイドバルブ222の流量Qは、図8中のI〜IIIの状態を遷移する。
具体的には、図8では、ECU500が記憶部に格納しているクラッチソレノイドバルブ222の流量特性が点線で示され、実際のクラッチソレノイドバルブ222の流量特性が実線で示されている。
この図8において、時刻t1でヌル点を設計上限値よりも大きい電流値に設定された場合(状態I)には、ECU500は、記憶部に格納している流量特性(点線)に従い、ストローク速度が正方向に増加させることによって、ストロークを正方向に変位させようとする。このとき、実際の流量特性でも、ピストンのストローク速度は、正方向に増加することから、ピストンのストロークは、図7に示すように、正方向に変位する。
次に、状態IIでは、ECU500は、記憶部に格納している流量特性(点線)に従い、ピストンを中立状態とする、すなわち、ストローク速度を略零にしようとする。ところが、実際の流量特性では、依然として、ストローク速度が正方向に増加しているため、図7に示すように、ピストンのストロークは正方向に変位を続ける。
そして、状態IIIでは、ECU500は、流量特性(点線)に従い、負方向にストローク速度を増加させることにより、ピストンのストロークを負方向に変位させようとする。しかしながら、実際の流量特性では、ヌル領域となるため、流量Qが略零となり、ピストンが中立状態となる。
この状態I〜IIIにおいて、指示電流Iは、図7に示すように単調に減少し、ピストンが中立状態となる状態IIIにおいて、電流値A1を示している。ECU500は、状態IIIとなった時刻t2から一定時間経過後の時刻t3までの期間における指示電流Iを平均することにより、電流値A1を算出する。なお、一定時間における指示電流Iを平均して電流値A1を算出する構成としたのは、指示電流Iに重畳するノイズ成分を除去するためである。
なお、図示は省略するが、図7および図8に説明したのを同様の処理が、ヌル点を設定下限値よりも小さい電流値に設定した時刻t3以降においても実行される。これにより、電流値A2(図6)が算出される。
図9は、本願実施の形態に従うヌル点およびヌル領域の学習制御の構造と、上記特許文献1に記載される、従来のヌル点およびヌル領域の学習制御の構造との比較を説明するための図である。
図9を参照して、従来の制御構造では、図中の点線で示すように、ソレノイドコイルに供給される駆動電流(通電電流Iに相当)を一定の速度で徐々に変化させたときに、スプールが往路にて流通状態から遮断状態へ移行する境界、往路にて遮断状態から流通状態へ移行する境界、スプールが復路にて流通状態から遮断状態へ移行する境界、および復路にて遮断状態から流通状態へ移行する境界を計測する。そして、各境界での駆動電流の差からスプールの作動ヒステリシスを計測し、このヒステリシスをスプールの振幅量の推定に用いる。この各境界の計測においては、駆動電流は一定速度で徐々に変化させられる。そのため、学習を完了するまでに多くの時間がかかってしまう。
これに対して、本実施の形態に従う学習制御では、ヌル点を設定上限値よりも大きい電流値にずらした状態および設定下限値よりも小さい電流値にずらした状態の各々についてフィードバック制御を行なう構成としたことにより、駆動電流を一定速度とする従来の制御構造と比較して、各状態でピストンが中立状態に安定するまでの時間を短縮することができる。この結果、ヌル点およびヌル領域を学習するために時間が無駄にかかるのを抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態に従うクラッチ制御装置を搭載した車両の全体構成図である。 この発明の実施の形態に従うクラッチ制御装置により制御されるクラッチを示す図である。 図2のクラッチソレノイドバルブの構成を示した断面図である。 クラッチソレノイドバルブの流量特性を示す図である。 ECUにより行なわれるヌル領域およびヌル点の学習制御の制御構造を示すフローチャートである。 図5のヌル領域およびヌル点の学習制御の実行時におけるクラッチレリーズシリンダのピストンのストロークおよび指示電流の時間的変化を示す図である。 図6の期間T1およびT2におけるクラッチレリーズシリンダのピストンのストロークおよび指示電流の時間的変化を詳細に示す図である。 図6の期間T1およびT2におけるクラッチレリーズシリンダのピストンのストロークおよび指示電流の時間的変化を詳細に示す図である。 この発明の実施の形態に従うヌル点およびヌル領域の学習制御の構造と、従来のヌル点およびヌル領域の学習制御の構造との比較を説明するための図である。
符号の説明
42 スリーブ、44 フィードバックポート、46 出力ポート、48 スプリング、50 スプール、52 アプライポート、54 ドレンポート、56 ヨーク、58 コイル、60 シャフト、62 プランジャ、64 流量調整部、66 電磁コイル部、100 エンジン、200 クラッチ、202 クラッチ出力軸、204 クラッチディスク、206 クラッチハウジング、208 プレッシャプレート、210 ダイヤフラムスプリング、212 クラッチレリーズシリンダ、214 レリーズフォーク、216 レリーズスリーブ、218 リザーバ、220 油圧ポンプ、222 クラッチソレノイドバルブ、224 アキュムレータ、230 油圧回路、300 変速機、302 入力軸、304 アクチュエータ、306 出力軸、310 スプライン、400 ディファレンシャルギヤ、402 ドライブシャフト、404 車輪、502 アクセル開度センサ、504 ポジションセンサ、506 車速センサ、508 タイミングロータ、510 クランクポジションセンサ、512 入力軸回転数センサ、514 出力軸回転数センサ、516 クラッチストロークセンサ、600 クランクシャフト、602 フライホイール。

Claims (1)

  1. 作動流体によって駆動されるクラッチピストンと、
    前記クラッチピストンのストロークを検出するストロークセンサと、
    前記クラッチピストン内の作動流体の流量を調整するソレノイドバルブと、
    前記ストロークセンサにより検出されたストロークに応じて、前記ソレノイドバルブを制御する制御装置とを備え、
    前記ソレノイドバルブは、電磁コイルと、前記電磁コイルへの通電電流値に応じて前記クラッチピストン内の作動流体の流量を調整する流量調整部とを含むとともに、前記通電電流値が所定の電流範囲にあるときには、前記クラッチピストンへの作動流体の供給および排出が遮断されるように構成され、
    前記制御装置は、
    前記所定の電流範囲の中心値を、前記クラッチピストンのストロークの変化速度を略零とするための前記通電電流値の中立点として学習する学習手段と、
    前記通電電流値の中立点を基準として、前記ストロークセンサにより検出されたストロークとストローク指令値との偏差に応じた作動流体の目標流量に従って、前記通電電流値をフィードバック制御する制御手段とを含み、
    前記学習手段は、
    前記所定の電流範囲の上限値よりも大きい電流値を前記通電電流値の中立点と仮定したときに、前記制御手段の実行によって、前記ストロークセンサにより検出されたストロークの変化速度が略零となるときの第1の前記通電電流値を検出する第1の検出手段と、
    前記所定の電流範囲の下限値よりも小さい電流値を前記通電電流値の中立点と仮定したときに、前記制御手段の実行によって、前記ストロークセンサにより検出されたストロークの変化速度が略零となるときの第2の前記通電電流値を検出する第2の検出手段と、
    前記第1および第2の検出手段により検出された前記第1および第2の通電電流値に基づいて、前記所定の電流範囲の中心値を取得する取得手段とを含む、クラッチ制御装置。
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