JP2010156257A - 燃料供給装置、及び、高圧ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 燃料供給装置1は、高圧ポンプ10と、燃料レール20とを備える。高圧ポンプ10は、加圧室14を有するプランジャ部40、及び、吐出弁を有する吐出弁部60を有する。ここで、吐出弁の下流側から加圧室14へ燃料を戻すことが可能なリターン流路71、72を備え、リターン流路71、72に介在する圧力調整部70を備える。圧力調整部70は、機械式のリリーフ弁、機械式の定残圧弁を有する。定残圧弁は、上流側に流路面積の相対的に小さなオリフィスを具備し、通常時は開弁しており、定残圧以下になると閉弁する。リリーフ弁は、通常時は閉弁しており、許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると開弁する。
【選択図】 図1
Description
イグニッションOFFなどによりエンジンが停止されると、エンジン冷却水の循環がなくなるため、エンジン停止直後にエンジンルームの温度は一度上昇し、その後、下降していく。そのため、燃料レール内の圧力も、エンジン停止直後から上昇を始める。このような燃料レール内の圧力の上昇は、インジェクタから気筒内への燃料漏れを生じさせることにつながる。結果として、気筒内へ漏れ出した燃料が、次回のエンジン始動時に、未燃成分として大気中へ排出されてしまう虞がある。
運転中にアクセルペダルの踏み込みがなくなる等、アクセル開度が所定値以下となった場合、エンジン回転数が所定値以上であると、燃料噴射が停止される。このとき、燃料レール内の圧力は維持される。
その後、例えばアイドル運転へ切り替わる等の減速復帰時には、燃料噴射量を抑えるべくインジェクタが制御される。例えば、インジェクタに対し比較的小さな幅の駆動パルスが出力されるという具合である。ところが、燃料レール内の圧力が維持されているため、駆動パルスを調整したとしても、燃料噴射量が大きくなってしまうことがある。このような必要以上の燃料噴射は、燃費の悪化や運転者に違和感を抱かせる虞がある。
エンジン停止後、例えば数十分というような時間が経過した後にエンジンを再始動する高温再始動時には、ある程度の噴射量が必要になる。したがって、燃料レール内の圧力が下降しすぎると、例えば燃料の飽和蒸気圧近くまで燃料レール内の圧力が下降すると、燃料レール内に燃料蒸気が発生し、インジェクタの噴射量が不足し再始動性能が悪化する虞がある。
ハイブリッドシステムなどにおけるアイドルストップ後の再始動時にも、上記高温再始動時と同様、ある程度の噴射量と即時始動を可能とするインジェクタの良好な噴霧が必要になる。したがって、この場合も、燃料レール内の圧力が下降しすぎると、再始動性能が悪化する虞がある。
高圧ポンプは、加圧室を有する加圧部及び吐出部を有している。加圧室は、外部から燃料通路を経由して供給される燃料を加圧する。また、吐出部は、加圧室にて加圧される燃料を、吐出弁を介して燃料レールへ吐出する。燃料レールは、吐出部から吐出される燃料を蓄積する。この燃料レールには、燃料を噴射するインジェクタが接続される。
リターン流路は、吐出弁の下流側から、当該吐出弁の上流側へ、燃料を戻すことが可能な流路である。吐出弁の下流側とあるのは、例えば弁座を有する吐出弁であれば、弁座の下流側を意味する。同様に、吐出弁の上流側とあるのは、弁座の上流側を意味する。また、燃料を戻すのは、吐出弁の上流側であればよく、高圧ポンプ内に戻す場合だけでなく、さらに上流側に配設される燃料タンクなどに戻す場合を含む。
(第1実施形態)
本形態の燃料供給装置は、図1に示すごとくである。
図1に示すように、燃料供給装置1は、高圧ポンプ10及び燃料レール20を含む構成となっている。
図1に示すように、高圧ポンプ10は、プランジャ部40、調量弁部50、吐出弁部60、及び、圧力調整部70を備えている。この高圧ポンプ10の外郭は、図2に示すように、ハウジング11にて構成される。
最初にプランジャ部40について説明する。
プランジャ部40は、図2に示すように、プランジャ41、プランジャ支持部42、リフター43、及び、プランジャスプリング44などを備えている。
このようなプランジャ部40の構成により、カムシャフト100の回転に応じたプランジャ41の往復移動が実現され、上記加圧室14の容積変化が作出される。
調量弁部50は、図2に示すように、ハウジング11によって形成される筒部51、筒部51の開口を覆う弁部カバー52、コネクタ53、及び、コネクタハウジング54等を備えている。
筒部51は、略円筒状に形成され、内部に燃料通路55を有している。燃料通路55には、略円筒状のシートボデー56が配置されている。シートボデー56の内部には、吸入弁57が配置されている。この吸入弁57は、円板状の底部571と円筒状の壁部572とで構成されており、その内部空間には、スプリング58が収容配置されている。
圧力調整部70は、図3に示すように、吐出用弁体62の着座する弁座612よりも下流側の収容室611から加圧室14へのリターン流路71、72に介在する。具体的には、収容室611からのリターン流路71と、加圧室14へ通じるリターン流路72との間に介在している。
図5は、燃料レール20内の圧力の推移を示す説明図である。ここでは、時刻t1において、エンジンが停止されたものとして説明する。
エンジンの停止直前はアイドル運転となるのが一般的であるため、エンジン停止時(時刻t1)では、燃料レール20内の圧力は、記号Aで示すアイドル運転時の圧力(以下「アイドル圧A」という)となっている。
図7は、エンジンの運転中にアクセルペダルの踏み込みを中断した後、再びアイドル運転状態となる減速復帰時におけるインジェクタ21(図1参照)の燃料噴射量を示す説明図である。
つまり、図5に示すように、時刻t2から、定残圧Bが維持されて、その後、時刻t3までは、燃料レール20の圧力が飽和蒸気圧以上に維持される。例えば、エンジン停止後、30分〜1時間という期間、燃料レール20内の圧力が維持されるという具合である。これにより、高温再始動時の再始動性能の悪化を抑制することができる。また、信号待ちなどによって一時的にエンジンを停止させるアイドルストップシステムにおいて、アイドルストップ後の再始動時にも、上記高温再始動時と同様、再始動性能の悪化を抑制することができる。
本形態は、上記形態と比較して、燃料供給装置の構成が一部異なるものとなっている。なお、同一の構成部分には、同一の符号を付すこととする。図8は、本形態の燃料供給装置2の構成を示す説明図である。
ここで高圧ポンプ110は、プランジャ部40、調量弁部50、及び、吐出弁部60を有しており、圧力調整部700は、高圧ポンプ110とは別に構成されている。なお、圧力調整部700は、リターン流路710、720に介在しており、上記形態の圧力調整部70と同様に構成されている。
加えて、高圧ポンプ110とは別に圧力調整部700を構成したため、高圧ポンプ110の設計に生じる制約が小さくなり、高圧ポンプ110の設計自由度が高くなる。
本形態も、上記形態と比較して、燃料供給装置の構成が一部異なるものとなっている。なお、同一の構成部分には、同一の符号を付すこととする。図9は、本形態の燃料供給装置3の構成を示す説明図である。
ここで高圧ポンプ110は、プランジャ部40、調量弁部50、及び、吐出弁部60を有しており、圧力調整部701は、高圧ポンプ110とは別に構成されている。また、圧力調整部701は機械式のリリーフ弁731及び機械式の定残圧弁741を有しているが、これらリリーフ弁731及び定残圧弁741は、別個に構成されて、リターン流路711、712に並列に介在している。
加えて、高圧ポンプ110とは別に圧力調整部701を構成したため、高圧ポンプ110の設計に生じる制約が小さくなり、高圧ポンプ110の設計自由度が高くなる。しかも、リリーフ弁731及び定残圧弁741を別に構成しているため、それぞれの弁731、741の設計自由度が大きくなる。
本形態も、上記形態と比較して、燃料供給装置の構成が一部異なるものとなっている。なお、同一の構成部分には、同一の符号を付すこととする。図10は、本形態の燃料供給装置4の構成を示す説明図である。
ここで高圧ポンプ111は、プランジャ部40、調量弁部50、吐出弁部60、及び、リターン流路712、722に介在する定残圧弁742を有している。そして、リリーフ弁732は、燃料レール20に対して設けられており、燃料レール20からのリターン流路22に介在する。
加えて、リリーフ弁732を燃料レール20から燃料タンク30へのリターン流路22に設けるようにした。この場合、リリーフ弁732に関し燃料タンク30への配管が必要になるものの、従来からのリリーフ弁732の構成を利用可能である。一方、高圧ポンプ111には、定残圧弁742だけを設けるため、リリーフ弁732と一体化する場合に比べ、定残圧弁742の構成が簡単になり、ひいては、高圧ポンプ111の構成が簡単になる。
Claims (7)
- 外部から燃料通路を経由して供給される燃料を加圧する加圧室を有する加圧部、及び、前記加圧室にて加圧される燃料を、吐出弁を介して外部へ吐出する吐出部を有する高圧ポンプと、
燃料を噴射するインジェクタが接続され、前記吐出部から吐出される燃料を蓄積する燃料レールと、
を備えた燃料供給装置において、
前記吐出弁の下流側から、当該吐出弁の上流側へ、燃料を戻すことが可能なリターン流路と、
通常時は閉弁しており、前記燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると開弁する機械式のリリーフ弁と、
前記リターン流路に配置され、流路断面が相対的に小さく形成された絞り部を上流側に具備するとともに、通常時は開弁しており、前記燃料レール内の圧力が所定の定残圧以下になると閉弁する機械式の定残圧弁と、
を備えていることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1に記載の燃料供給装置において、
前記リターン流路は、前記吐出弁の下流側と前記高圧ポンプの前記加圧室とを連通することを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1又は2に記載の燃料供給装置において、
前記定残圧弁は、前記リリーフ弁の弁体内部の空間を利用して構成されていることを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料供給装置において、
前記高圧ポンプは、その構成の一部として、少なくとも前記定残圧弁を有していることを特徴とする燃料供給装置。 - 外部から燃料通路を経由して供給される燃料を加圧する加圧室を有する加圧部、及び、前記加圧室にて加圧される燃料を、吐出弁を介して外部へ吐出する吐出部を備える高圧ポンプにおいて、
前記吐出部からインジェクタが接続される燃料レールへ吐出される燃料を、前記吐出弁の下流側から当該吐出弁の上流側へ戻すことが可能なリターン流路と、
前記リターン流路に配置され、通常時は閉弁しており、前記燃料レール内の圧力が許容範囲を上回るリリーフ圧以上になると開弁する機械式のリリーフ弁と、
前記リターン流路に配置され、流路断面が相対的に小さく形成された絞り部を上流側に具備するとともに、通常時は開弁しており、前記燃料レール内の圧力が所定の定残圧以下になると閉弁する機械式の定残圧弁と、
を備えていることを特徴とする高圧ポンプ。 - 請求項5に記載の高圧ポンプにおいて、
前記リターン流路は、前記吐出弁の下流側と前記加圧室とを連通することを特徴とする高圧ポンプ。 - 請求項5又は6に記載の高圧ポンプにおいて、
前記定残圧弁は、前記リリーフ弁の弁体内部の空間を利用して構成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
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2008
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KR101857376B1 (ko) * | 2013-08-23 | 2018-05-11 | 콘티넨탈 오토모티브 게엠베하 | 자동차용 펌프 배열 및 시스템 |
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