JP2010156298A - 燃料供給装置及びそれに用いる高圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料レール内の燃料圧力を適宜下降させ、適切に維持する。
【解決手段】燃料供給装置1は、高圧ポンプ10と、燃料レール20と、圧力検出手段22と、リターン通路を有する通路部材35、38と、電磁弁部70と、制御部100とを備える。電磁弁部70は、リターン通路に設けられ、燃料レール20内の燃料圧力、及び内燃機関の運転状態に基づいて通電制御される。リターン通路は、吐出弁の出口側と、高圧ポンプ10内の吐出弁の入口側とを連通する。また、ECU100は、燃料レール20内減圧要求が判断された場合、燃料レール20内の燃料圧力が飽和蒸気圧より大きい圧力となるように電磁弁部70を通電制御する。燃料レール20からの戻り燃料は高圧ポンプ10内に戻されるので、燃料タンク30への戻り配管が不要となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」という)に用いられる燃料供給装置に関する。
従来、燃料タンクに貯留された燃料をエンジンへ供給する燃料供給装置には、高圧燃料を圧送する高圧ポンプが設けられる。この高圧ポンプから圧送された高圧燃料を燃料レールに蓄積し、燃料レール内で燃料が高圧に保持されることで、燃料レールに接続されるインジェクタからの燃料噴射が実現される。
ところで、エンジンの運転状態に応じて、燃料レール内圧を減圧することが必要な場合がある。特許文献1には、燃料レール内圧を減圧し、燃料レール内の燃料を燃料タンクに排出する高圧プレッシャレギュレータを備えた燃料供給装置が開示されている。
特開平10−54318号公報
しかしながら、特許文献1に記載の燃料供給装置では、燃料レール内圧を早期に低下させるために、燃料レール内の燃料を低圧側である燃料タンクに戻す構成を採用している。この構成によれば、燃料レールから排出された高圧の燃料は、概ね大気圧程度の燃料タンクに排出されるため、戻り燃料の圧力が急激に低下する。戻り燃料の圧力が急激に低下すると、減圧沸騰によって燃料タンク内温度が上昇したり、燃料タンク内の燃料にベーパーが混入したりするという問題点があった。
ところで、燃料レール内の圧力が相対的に高い場合、次のような不具合がある。
(1)エンジンが停止された場合における燃料レール内の燃料圧力の上昇による不具合
イグニッションOFFなどによりエンジンが停止されると、エンジン冷却水の循環がなくなるため、エンジン停止直後にエンジンルームの温度は一度上昇し、その後、下降していく。そのため、エンジン停止直後からのエンジンルームの温度上昇に伴って、燃料レール内の燃料圧力は上昇を始める。このような燃料レール内の燃料圧力の上昇は、インジェクタから気筒内への燃料漏れを生じさせることにつながる。結果として、気筒内へ漏れ出した燃料が、次回のエンジン始動時に、未燃成分として大気中へ排出されてしまう虞がある。
(2)エンジンの運転中における燃料レール内の圧力の維持による不具合
運転中にアクセルペダルの踏み込みがなくなると、詳しくは、一定数以上のエンジン回転数でありかつアクセル開度が一定以下となった場合、燃料噴射が停止される。このとき、燃料レール内の燃料圧力は維持される。
そのため、その後、アクセルペダルが再び踏み込まれると、燃料噴射量を抑えるべくインジェクタへの通電が制御される。例えば、インジェクタに対し比較的小さな幅のパルス信号を出力するという具合である。ところが、燃料レール内の圧力が維持されているため、インジェクタへの通電を制御したとしても、燃料噴射量が大きくなってしまうことがある。このような必要以上の燃料噴射は、燃費の悪化や加速移行時のショックにつながる虞がある。
ここまでは、燃料レール内の圧力が上昇することや、高圧のままに維持されることによる不具合を挙げた。だからと言って、燃料レール内の圧力が低ければよい、というものではない。燃料レール内の圧力が下降しすぎても、次のような不具合が懸念される。
(3)高温再始動時における燃料レール内の圧力の下降による不具合
エンジン停止後、例えば数十分というような時間が経過した後にエンジンを再始動する高温再始動時には、燃料レール内の圧力が下降しすぎると、例えば燃料の飽和蒸気圧近くまで燃料レール内の圧力が下降すると、燃料レール内に燃料蒸気が発生し、インジェクタの噴射量が不足し再始動性能が悪化する虞がある。
(4)アイドルストップ後の再始動時における燃料レール内の燃料圧力の下降による不具合
ハイブリッドシステムなどにおけるアイドルストップ後の再始動時にも、上記(3)の高温再始動時と同様、燃料レール内の圧力が下降しすぎると、再始動性能が悪化する虞がある。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料レール内の燃料圧力を適宜下降させ、適切に維持する燃料供給装置を提供することにある。
請求項1に記載の燃料供給装置は、高圧ポンプと、燃料レールと、圧力検出手段と、通路部材と、電磁弁部と、制御部と、を備える。高圧ポンプは、プランジャの往復移動により燃料が加圧される加圧室、加圧室と連通し加圧された燃料を吐出する吐出通路、及び、吐出通路に設けられ燃料の吐出を許容又は遮断する吐出弁を有している。燃料レールは、内燃機関に燃料を噴射するインジェクタが接続され、高圧ポンプから吐出された燃料を蓄積する。
電磁弁部は、リターン通路に設けられる。また、電磁弁部は、リターン用弁座を有するリターン弁ボディ、リターン用弁座に着座することにより燃料レールから高圧ポンプ内の吐出弁の入口側への燃料の流れを遮断するリターン用弁部材、リターン用弁部材を閉弁方向に付勢するリターン用付勢部材、リターン用弁部材とともに軸方向に往復移動可能である可動子、可動子を往復移動可能に収容する筒部、可動子及び筒部とともに磁気回路を形成する固定子、及び通電することにより可動子を固定子側に吸引する磁力を発生するコイルを有し、通電制御される。
ここで特に、本発明の燃料供給装置の通路部材に設けられるリターン通路は、吐出弁の出口側と、高圧ポンプ内の吐出弁の入口側とを連通する。吐出弁の出口側とあるのは、吐出弁と燃料レールとの間の燃料通路及び燃料レールを意味する。同様に、吐出弁の入口側とあるのは、吐出弁の入口側の加圧室及び加圧室の入口側の燃料通路を意味する。換言すると、吐出弁の入口側とは、高圧ポンプのインレットから吐出弁に至る全ての燃料経由部分を含む。また、制御部は、燃料レール内の燃料圧力の減圧要求が判断された場合、燃料レール内の燃料圧力を燃料の飽和蒸気圧より大きい圧力に減圧するように電磁弁部を通電制御する。減圧された燃料レール内の燃料圧力は、飽和蒸気圧より大きい圧力であればよいが、アイドル運転時の燃料レール内の燃料圧力と燃料の飽和蒸気圧との間に設定されていることが望ましい。
このような構成によれば、燃料レール内の燃料圧力を適宜低下させることができる。これにより、上記(1)エンジンが停止された場合における燃料レール内の燃料圧力の上昇による不具合、及び、上記(2)エンジンの運転中における燃料レール内の圧力の維持による不具合を払拭することができる。
また、電磁弁部は、燃料の飽和蒸気圧以上である圧力となるように通電されて開弁するので、燃料レール内の燃料圧力が適切に維持される。これにより、上記(3)高温再始動時における燃料レール内の圧力の下降による不具合、及び、上記(4)アイドルストップ後の再始動時における燃料レール内の燃料圧力の下降による不具合を払拭することができる。
特に、請求項1に記載の燃料供給装置では、燃料レールの圧力を制御する弁装置として、電磁弁を採用している。電磁弁を採用しているので、機械式のものと比較して、電磁弁部からの燃料の常時リークを防止することができる。電磁弁部からの燃料の常時リークがないので、燃料レール圧を上昇させるとき、機械式のものと比較し速やかに燃料レール圧を上昇させることができる。
また、請求項1に記載の燃料供給装置のリターン通路は、吐出用弁座の下流側と、高圧ポンプ内の吐出用弁座の上流側とを連通する。この構成によれば、燃料レールからの戻り燃料は、リターン通路を経由して高圧ポンプ内に戻される。高圧ポンプ内の圧力は、概ね大気圧である燃料タンクの圧力よりも高く維持されているため、燃料レールからの戻り燃料の圧力の急激な低下を防ぐことができる。また、燃料レールから燃料タンクへ燃料を戻すための配管が不要となり、簡素な構成で燃料レール内圧を制御することができる。
請求項2に記載の燃料供給装置の通路部材は、吐出弁の出口側と、高圧ポンプ内の加圧室とを連通するリターン通路を有する。加圧室は、高圧ポンプ内において比較的高圧で維持されるので、燃料レールとの圧力差が小さい。そのため、高圧ポンプ内の比較的低圧である他の空間と連通する場合と比較して、リターン通路内に設けられる電磁弁部を閉弁するのに要する付勢力を小さくすることができる。これにより、電磁弁部を構成する付勢部材やコイル等の部品を小型化できるため、電磁弁部を小型化することが可能である。そして、電磁弁部の開閉に係る消費電力を抑えることができる。
請求項3に記載の燃料供給装置の電磁弁部は、高圧ポンプと一体に形成される。この構成によれば、高圧ポンプ内に電磁弁部を組み込むため、燃料供給装置の構成を簡素化することができる。
ところで、従来、インジェクタが適切に動作する圧力よりも燃料レール圧が高まった場合に燃料レール圧を減圧する安全弁が、例えば、燃料レールの反高圧ポンプ側の末端に設けられている。そこで、以下の構成を採用してもよい。
請求項4に記載の燃料供給装置の制御部は、圧力検出手段により検出される圧力が所定の異常圧以上となった場合、燃料レール内の燃料圧力を減圧するように電磁弁部を通電制御する。所定の異常圧は、インジェクタが適切に動作する圧力よりも大きい圧力に設定されている。この構成によれば、例えば、吐出量を調節する調量弁部等に故障が生じた場合であっても、燃料レールの圧力をインジェクタが適切に動作可能な圧力に低下させることができる。請求項4に記載の燃料供給装置の電磁弁部は、上述した安全弁の機能を兼ね備えているため、例えば燃料レールの反高圧ポンプ側の末端に別途に安全弁を設ける必要がなく、より簡素な構成とすることができる。
以上、燃料供給装置の発明として説明してきたが、電磁弁部を高圧ポンプが有する構成を前提にすれば、請求項5に示すような高圧ポンプの発明として実現できる。
すなわち、プランジャの往復移動により燃料が加圧される加圧室、加圧室と連通し加圧された燃料を吐出する吐出通路、及び吐出通路に設けられ、燃料の吐出を許容又は遮断する吐出弁を有する高圧ポンプにおいて、吐出弁の出口側と、高圧ポンプ内の吐出弁の入口側とを連通するリターン通路を有する通路部材と、リターン通路に設けられ、内燃機関に燃料を噴射するインジェクタが接続される燃料レール内の燃料圧力、及び内燃機関の運転状態に基づいて通電制御される電磁弁部と、を備える高圧ポンプである。電磁弁部は、リターン用弁座を有するリターン弁ボディ、リターン用弁座に着座することにより燃料レールから高圧ポンプ内の吐出弁の入口側への戻り燃料の流れを遮断するリターン用弁部材、リターン用弁部材を閉弁方向に付勢する付勢部材、リターン用弁部材とともに軸方向に往復移動可能である可動子、可動子を往復移動可能に収容する筒部、可動子及び筒部とともに磁気回路を形成する固定子、及び通電することにより可動子を固定子側に吸引する磁力を発生するコイルを有している。ここで、特に、電磁弁部は、燃料レール内の燃料圧力の減圧要求が判断された場合、燃料レール内の燃料圧力が燃料の飽和蒸気圧より大きい圧力に減圧されるように通電制御される点に特徴を有している。
このような高圧ポンプにおいても、上記燃料供給装置と同様の効果が奏される。また、燃料供給装置の発明として説明した種々の構成を採用してもよい。例えば、請求項6に示すように、通路部材が、吐出弁の出口側と、高圧ポンプ内の加圧室とを連通するリターン通路を有する構成としてもよい。また、請求項7に示すように、燃料レール内の燃料圧力が所定の異常圧以上となった場合、燃料レール内の燃料圧力を減圧するように電磁弁部が通電制御されるように構成してもよい。これらの構成を採用した場合、上記燃料供給装置の場合と同様の効果が奏される。
以下、本発明による燃料供給装置を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、燃料供給装置1は、例えば筒内直噴型のガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンのインジェクタに燃料を供給するものであって、高圧ポンプ10、燃料レール20、電磁弁部70、及び制御部としての電子制御装置(以下、「ECU」という)100等を含む構成となっている。なお、本実施形態では、筒内直噴型のガソリンエンジンに用いられるものとする。
高圧ポンプ10は、燃料タンク30から低圧ポンプ31によって燃料通路32を経由して供給される燃料(本実施形態においては、ガソリン)を加圧し、高圧燃料として吐出する。吐出された燃料は、燃料通路69を経由して燃料レール20へ供給される。
燃料レール20は、高圧ポンプ10から吐出される燃料を蓄積する。燃料レール20には、複数(本形態では4つ)のインジェクタ21が接続されている。また、燃料レール20には、内部の燃料圧力を検出する圧力検出手段としての圧力センサ22が設けられている。圧力センサ22は、検出した燃料レール20内の燃料圧力の検出信号をECU100へ入力する。
燃料通路69の途中には、リターン通路36を有する流入側通路部材35が接続されている。また、高圧ポンプ10には、燃料通路69とは別に、リターン通路39を有する流出側通路部材38が接続されている。流入側通路部材35と流出側通路部材38との間には、電磁弁部70が設けられている。電磁弁部70は、ECU100によりその駆動に係る通電が制御される。ECU100の制御により電磁弁部70が開弁すると、燃料通路69、流入側通路部材35、流出側通路部材38、及び高圧ポンプ10の加圧室14が連通し、燃料レール20内の燃料を高圧ポンプ10内へ戻すことが可能である。なお、流入側通路部材35及び流出側通路部材38が「通路部材」を構成している。
ECU100は、周知のコンピュータで構成されている。ECU100は、燃料レール20内の燃料圧力を検出する圧力センサ22、及び図示しない各種センサにより入力されるアクセル開度、エンジン回転数等の検出信号に基づいて、燃料レール20内の燃料圧力を制御する。また、ECU100は、各種入力情報に基づいてインジェクタ21による燃料噴射を制御する。
次に、高圧ポンプ10の構成について説明する。
図1に示すように、高圧ポンプ10は、プランジャ部40、調量弁部50、及び、吐出弁部60を備えている。また、高圧ポンプ10は、燃料通路69を経由して燃料レール20と連通している。この高圧ポンプ10の外郭は、図2に示すように、ハウジング11にて構成される。
ハウジング11の一方向(図2中では上方)にカバー12が取り付けられており、カバー12とハウジング11にて燃料室13が形成されている。また、カバー12の反対側には、プランジャ部40が設けられている。そして、プランジャ部40と燃料室13との中間付近に、燃料を加圧可能な加圧室14が形成されている。さらにまた、カバー12とプランジャ部40の配列方向に直交する方向に、調量弁部50および吐出弁部60を有している。燃料室13には、図1に示した低圧ポンプ31によって、燃料タンク30から燃料通路32を経由して燃料が供給される。燃料室13に供給された燃料は、調量弁部50を経由し、加圧室14にて加圧され、吐出弁部60から図1に示した燃料通路69を経由して燃料レール20へ圧送される。
次に、プランジャ部40、調量弁部50、および、吐出弁部60の構成について、順に説明する。
最初にプランジャ部40について説明する。
プランジャ部40は、プランジャ41、プランジャ支持部42、リフター43、及び、プランジャスプリング44などを備えている。
プランジャ41は、ハウジング11の内部に形成されたシリンダ15に支持されている。プランジャ支持部42は、シリンダ15の端部に配置されており、シリンダ15と共にプランジャ41を往復移動可能に支持する。プランジャ41は、加圧室14側において、シリンダ15の内径と同様の外径を有し、プランジャ支持部42側では、その径が小さくなっている。
プランジャ41の端部には、有底円筒状のリフター43が配設されている。このリフター43は、図1に示すようにカムシャフト48に取り付けられたカム49にその外面を当接させ、カムシャフト48の回転により、カムプロフィールに応じて軸方向に往復移動する。
リフター43の内側には、プランジャスプリング44が配置されている。プランジャスプリング44は、プランジャ41の戻しバネであり、リフター43をカム面に当接させるよう付勢する。
このようなプランジャ部40の構成により、カムシャフト48の回転に応じたプランジャ41の往復移動が実現され、上記加圧室14の容積変化が作出される。
次に、調量弁部50について説明する。
調量弁部50は、図2に示すように、ハウジング11によって形成される収容部51、収容部51の開口を覆う弁部カバー52、調量弁コネクタ53、及び、コネクタハウジング54等を備えている。
収容部51は、略円筒状に形成され、内部に燃料通路55を有している。燃料通路55には、略円筒状のシートボディ56が配置されている。シートボディ56の内部には、吸入弁57が配置されている。この吸入弁57は、円板状の底部571と円筒状の壁部572とで構成されており、その内部空間には、スプリング58が収容配置されている。
また、吸入弁57の底部571には、調量弁ニードル59が当接している。この調量弁ニードル59は、上述した弁部カバー52を貫通し、調量弁コネクタ53の内部まで延びている。調量弁コネクタ53は、調量弁コイル531と当該調量弁コイル531へ通電するための端子532とを有している。調量弁コイル531の内側には、所定位置に保持される調量弁固定コア533、調量弁可動コア534、及び、調量弁固定コア533と調量弁可動コア534との間に介在するスプリング535が配置されている。ここで、調量弁可動コア534に溶接固定されるのが、上述した調量弁ニードル59である。つまり、調量弁可動コア534と調量弁ニードル59とは一体になっている。
かかる構成により、調量弁コネクタ53の端子532を介して通電が行われると、調量弁コイル531にて発生する磁束によって調量弁固定コア533と調量弁可動コア534との間に磁気吸引力が発生する。その結果、調量弁可動コア534が調量弁固定コア533側へ移動し、これに伴って調量弁ニードル59が、加圧室14から離れる方向へ移動する。このときは、吸入弁57の移動が調量弁ニードル59にて規制されない。したがって、吸入弁57の底部571がシートボディ56に着座可能となり、吸入弁57の着座により、燃料通路55と加圧室14とが遮断される。
一方、調量弁コネクタ53の端子532を介した通電が行われないと、磁気吸引力は発生しないため、スプリング535によって、調量弁可動コア534が調量弁固定コア533から離間する方向へ移動する。これにより、調量弁ニードル59が加圧室14側へ移動する。その結果、調量弁ニードル59によって吸入弁57の移動が規制され、吸入弁57が加圧室14側へ移動する。このときは、吸入弁57の底部571が離座することで、燃料通路55と加圧室14とが連通する。
次に、吐出弁部60について説明する。
吐出弁部60は、ハウジング11にて形成される円筒状の収容部61を有している。この収容部61にて形成される吐出通路611に、吐出用弁部材62、スプリング63、及び、係止部64が収容されている。また、吐出通路611の開口部分が、吐出口65となっている。吐出口65とは反対側の収容部61の深部には、吐出用弁座612が形成されている。
吐出用弁部材62は、スプリング63の付勢力と燃料レール内圧力による力により、吐出用弁座612に着座する。これにより、吐出用弁部材62は、加圧室14の燃料の圧力が低いうちは、燃料の吐出を停止する。一方、加圧室14の燃料の圧力が大きくなってスプリング63の付勢力と燃料レール内圧力による力に打ち勝つと、吐出用弁部材62が吐出口65の方向へ移動する。これにより、吐出通路611へ流入した燃料は、吐出口65から吐出される。なお、吐出用弁部材62は、その内部に燃料の通り路となる空間を有している。したがって、吐出用弁部材62が吐出用弁座612から離座することで、吐出用弁部材62の外周部分へ流入した燃料は、吐出用弁部材62の内部空間を経由して、吐出口65から吐出されることになる。吐出口65から吐出された燃料は、図1に示す燃料通路69を経由して燃料レール20に蓄積される。なお、収容部61、吐出用弁部材62、吐出用弁座612、スプリング63、及び係止部64が、「吐出弁」を構成し、吐出用弁座612の上流側が「吐出弁の入口側」に対応し、吐出用弁座612の下流側が「吐出弁の出口側」に対応している。
ここで、高圧ポンプ10の作動について説明する。
図1に示すカム49の駆動により、プランジャ41が上死点から下死点まで移動するとき、調量弁コイル531への通電は停止され、調量弁部50は開弁する。すると、燃料通路55から加圧室14へ燃料が流入する(吸入行程)。プランジャ41が上昇に転じると、加圧室14の燃料は燃料室13へと排出される(戻し行程)。プランジャ41が下死点から上死点まで移動する途中において調量弁コイル531へ通電されると、吸入弁57の底部571がシートボディ56に着座する。すると、燃料通路55と加圧室14との連通は遮断され、プランジャ41が上昇することによって加圧室14の燃料圧力は上昇する(加圧行程)。加圧室14の圧力が上昇してスプリング63の付勢力、及び燃料レール20の内圧力に打ち勝つと、吐出弁部60が開弁し、加圧室14から吐出通路611及び吐出口65を経由して燃料レール20へ燃料が吐出される。
ここで、電磁弁部70と高圧ポンプ10との接続について図3に基づいて説明する。なお、図3は、図2中の記号Aで示す方向から見た高圧ポンプ10、電磁弁部70等を示す一部を切り欠いた平面図である。図3に示すように、電磁弁部70は、流出側通路部材38及び接続部110を介して高圧ポンプ10に接続される。
流出側通路部材38の反電磁弁部70側には、アイユニオン111が固定されている。アイユニオン111は、その軸方向(図3では、上下両方向)について両端面において開口する貫通孔112を有している。この貫通孔112には、スクリュー121の軸部122が螺入される。また、アイユニオン111の側壁には、貫通孔112とリターン通路39とを連通する連通孔113が形成されている。
スクリュー121は、軸部122と、軸部122の一方の端部に一体に設けられた頭部123とを備えている。軸部122は、高圧ポンプ10のハウジング11に設けられた加圧室14と連通する取付孔16、及びアイユニオン111の貫通孔112に螺入される。
スクリュー121の内部には内部通路124が形成されている。内部通路124は、軸部122の側壁に形成される側壁開口部125、及び、軸部122の反頭部123側の先端部に形成される先端開口部126において開口している。側壁開口部125は、軸部122が取付孔16及び貫通孔112に螺入されたとき、連通孔113を経由してリターン通路39と連通する位置に形成されている。また、先端開口部126は、取付孔16と連通する通路17を経由して加圧室14と連通する。したがって、電磁弁部70の内部に形成される内部通路71は、リターン通路39、連通孔113、貫通孔112、側壁開口部125、内部通路124、先端開口部126、取付孔16、及び通路17を経由して加圧室14と連通している。
ハウジング11とアイユニオン111との間、及びスクリュー121の頭部123とアイユニオン111との間には、ガスケット128、129が配設されている。ガスケット128、129のシール作用により、貫通孔112の液密性が高められている。
ここで、図4に基づいて電磁弁部70について説明する。電磁弁部70は、筒部72、リターン用弁ボディ76、リターン用弁部材としてのニードル80、可動子84、固定子90、コネクタ95等によって構成されている。電磁弁部70の内部には、内部通路71が形成されている。
筒部72は磁気ステンレス鋼等の磁性材により円筒状に形成され、その内部にリターン用弁ボディ76、ニードル80、及び可動子84を収容している。筒部72は、一端にリターン用弁ボディ76を収容する収容部73を有している。この収容部73は、流入側通路部材35に圧入され、溶接固定される。
収容部73に収容されるリターン用弁ボディ76は、円筒状に形成され、流入側通路部材35側に開口する流入口77を有している。リターン用弁ボディ76は、流入口77に近づくにつれて内径が小さくなる円錐状の内壁78を有している。内壁78は、リターン用弁座79を有している。
ニードル80は、可動子84と一体に形成され、筒部72の内部を軸方向に往復移動可能に収容されている。ニードル80は、流入口77側の先端に、リターン用弁ボディ76のリターン用弁座79に離着座可能なシート部81を有している。ニードル80は、リターン用弁ボディ76との間に燃料が流れる燃料溜まり室82を形成する。この燃料溜まり室82は、内部通路71の一部を構成している。ニードル80が軸方向に移動することにより、シート部81がリターン用弁座79から離座すると、燃料溜まり室82は、流入口77を経由してリターン通路36と連通する。
可動子84は、磁気ステンレス鋼等の磁性材で円筒状に形成されている。可動子84は、筒部72の径方向内側に軸方向に往復摺動可能に設置されている。可動子84は、流入口77側において、ニードル80と溶接により固定されている。
固定子90は、円筒状に形成され、内部に内部通路71の一部を構成する通路91が形成されている。通路91は、反流入口77側において、流出側通路部材38のリターン通路39と流出口92を経由して連通している。
非磁性部材93は、固定子90と筒部72との間に配置され、筒部72と固定子90との磁気的短絡を防止する。
固定子90の内部には、円筒状に形成されたアジャストパイプ88が圧入固定されている。アジャストパイプ88の流入口77側には、付勢部材としてのスプリング87が配置されている。スプリング87は、一端がアジャストパイプ88に係止され、他端が固定子90に係止されている。かかる構成により、固定子90は、スプリング87によって、流入口77側に付勢される。なお、アジャストパイプ88の圧入量を調整することにより、可動子84を流入口77側へ付勢するスプリング87の荷重が変更される。
コネクタ95は、樹脂製であり、コイル96、スプール97、及び端子98を有する。コイル96は、スプール97に巻回されて、コイル96の外周に設けられるコイルカバー99と共にコネクタ95に埋設されている。端子98は、コイル96と電気的に接続している。
かかる構成により、コネクタ95の端子98を介してコイル96へ通電が行われると、コイル96に発生する磁束によって、可動子84と固定子90との間に磁気的吸引力が発生する。この磁気的吸引力により、スプリング87の付勢力に抗し、可動子84が固定子90側へ移動する。これに伴って、ニードル80が、リターン用弁ボディ76から離れる方向へ移動する。その結果、シート部81がリターン用弁座79から離座する。すると、流入口77と燃料溜まり室82とは連通し、流入口77から内部通路71を経由して流出口92へ流れる燃料の流れが許容される。
一方、コネクタ95の端子98を介した通電が行われないと、磁気吸引力は発生しないため、スプリング87の付勢力によって、可動子84が固定子90から離れる方向へ移動する。これに伴って、ニードル80がリターン用弁ボディ76側へ移動する。その結果、シート部81がリターン用弁座79に着座する。すると、流入口77と燃料溜まり室82との連通は遮断され、流入口77から流出口92への燃料の流れは遮断される。
本実施形態は、ECU100により燃料レール20内の燃料圧力の減圧要求が判断された場合に、燃料レール20内の燃料圧力が、アイドル運転時の燃料圧力よりも小さい圧力であり、かつ、燃料の飽和蒸気圧より大きい圧力(以下、「定残圧」と言い、本実施形態においては所定の圧力であるものとする。)となるように電磁弁部70が通電制御される点に特徴を有している。減圧要求が判断される場合とは、エンジンが停止された場合や、エンジン回転数が所定値以上であってアクセル開度が一定以下の場合、具体的には高速走行中にアクセルペダルが踏み戻された場合、などがある。また、減圧要求が判断される場合とは、圧力センサ22によって検出される燃料レール20内の燃料圧力が所定の異常圧以上となった場合がある。所定の異常圧とは、インジェクタが適切に動作する圧力、例えば20MPa、よりも大きい圧力である。
ECU100によって燃料レール20内の燃料圧力の減圧要求が判断されると、ECU100の制御により、電磁弁部70のコイル96に通電される。すると、上述した通り、電磁弁部70のニードル80のシート部81は、リターン用弁座79から離座し、流入側通路部材35に形成されるリターン通路36と、内部通路71とが連通する。なお、リターン通路36は燃料通路69を経由して燃料レール20と連通し、内部通路71はリターン通路39を経由して高圧ポンプ10の加圧室14と連通している。したがって、コイル96へ通電されているとき、燃料レール20と加圧室14とが連通する。
ここで、燃料レール20の燃料圧力が加圧室14の燃料圧力よりも高いとき、燃料レール20の燃料が加圧室14に戻され、燃料レール20の燃料圧力が低下する。そして、燃料レール20内の燃料圧力が、ガソリンの飽和蒸気圧よりも大きい所定の定残圧、例えば3MPa、まで低下したとき、ECU100の制御により電磁弁部70への通電を停止する。すると、上述した通り、電磁弁部70のニードル80のシート部81は、リターン用弁座79に着座し、リターン通路36と内部通路71との連通が遮断される。これにより、燃料レール20から高圧ポンプ10の加圧室14への燃料の流れが遮断され、燃料レール20内の燃料圧力は、所定の定残圧で維持される。
なお、上述した燃料レール20の燃料圧力が加圧室14の燃料圧力よりも高い場合とは、調量弁コイル531への通電が停止されている場合である。調量弁コイル531への通電が停止されている場合とは、高圧ポンプ10の駆動を停止している場合の他、上述した高圧ポンプ10の駆動中における吸入行程及び戻し行程がある。したがって、高圧ポンプ10の駆動停止中に限らず、駆動中においても、コイル96に通電して電磁弁部70を開弁することによって、燃料レール20の燃料を加圧室14に戻すことができる。
また、電磁弁部70への通電制御は、燃料レール20の燃料圧力が急激に下がらないようにするために、デューティ制御とすることが望ましい。
本実施形態では、燃料レール20の圧力を制御する弁装置として、電磁弁部70を採用している。ここで、図5に基づいて、エンジン始動における燃料レール20内の燃料圧力の上昇特性について説明する。図5(A)は、燃料レール20の圧力を調整する弁装置に電磁弁を用いた場合、図5(B)は、燃料レール20の圧力を調整する弁装置に機械式弁を用いた場合を説明するものである。図5では、横軸が時間を示し、縦軸が燃料レール圧を示している。図5(A)に示すように、燃料レール20の圧力を制御する弁装置として本実施形態の電磁弁部70を採用した場合、弁装置からの常時リークによる燃料レール20の圧力低下がない。一方、図5(B)に示すように、燃料レールの圧力を制御する弁装置として機械式弁を採用した場合、弁装置からの常時リークによって、吸入行程および戻し行程において燃料レール20の圧力が低下する。したがって、本実施形態のように、燃料レールの圧力を調整する弁装置として電磁弁部70を採用した場合、機械式弁を採用した場合と比較して、速やかに燃料レール20の圧力を上昇させることができる。
以上、詳述したように、本実施形態による燃料供給装置1は、流入側通路部材35、流出側通路部材38に設けられるリターン通路36、39は、吐出用弁座612の下流側である燃料レール20連通する燃料通路69と、高圧ポンプ10内の吐出用弁座612の上流側である加圧室14とを連通する。また、ECU100は、燃料レール20内の燃料圧力の減圧要求が判断された場合、燃料レール20内の燃料圧力が燃料の飽和蒸気圧より大きい所定の定残圧となるように電磁弁部70を通電制御する。これにより、燃料レール20内の燃料圧力を適宜低下させることができる。また、電磁弁部70は、ガソリンの飽和蒸気圧以上である所定の定残圧となるように通電されて開弁するので、燃料レール内の燃料圧力が適切に維持される。
特に、本実施形態では、燃料レール20の圧力を制御する弁装置として、電磁弁部70を採用している。そのため、燃料の常時リークを防止することができるので、機械式のものと比較して速やかに燃料レール20の燃料圧力を上昇させることができる。これは、特にエンジン回転数が遅い場合、例えばエンジン始動時、において大きな効果を奏する。
また、本実施形態では、燃料レール20からの戻り燃料は、高圧ポンプ10の加圧室14に戻される。高圧ポンプ10内の圧力は、概ね大気圧である燃料タンク30の圧力よりも高く維持されているため、燃料レール20からの戻り燃料の圧力の急激な低下を防ぐことができる。また、燃料レール20から燃料タンク30へ燃料を戻すための配管が不要となり、簡素な構成で燃料レール20内の燃料圧力を制御することができる。燃料レール20から燃料タンク30へ燃料を戻すための配管には、フッ素ゴムを用いるのが一般的である。このフッ素ゴムは、例えばガソリンなどの燃料を透過するため、透過により炭化水素ガス(以下、「HC」という。)が大気中に放出される虞があるが、燃料レール20から燃料タンク30へ燃料を戻すための配管が不要になるため、配管からの燃料透過によるHCの放出を防止することができる
さらに、本実施形態では、燃料レール20からの戻り燃料は、高圧ポンプ10の加圧室14に戻される。加圧室14は、高圧ポンプ10内において比較的高圧で維持されるので、燃料レール20との圧力差が小さい。そのため、高圧ポンプ10内の比較的低圧である他の空間と連通する場合と比較して、電磁弁部70を閉弁するのに要する付勢力を小さくすることができる。これにより、電磁弁部70を構成するスプリング87やコイル96等の部品を小型化できるため、電磁弁部70を小型化することが可能である。そして、電磁弁部70の開閉に係る消費電力を抑えることができる。
またさらに、本実施形態の電磁弁部70は、圧力センサ22により検出される圧力が所定の異常圧以上となった場合、通電制御される。これにより、例えば、吐出量を調節する調量弁部50等に故障が生じた場合であっても、燃料レール20の圧力をインジェクタ21が適切に動作可能な圧力に低下させることができる。本実施形態の電磁弁部70は、インジェクタ21が適切に動作する圧力よりも燃料レール圧が高まった場合に燃料レール圧を減圧する安全弁の機能を兼ね備えているため、例えば燃料レール20の反高圧ポンプ10側の末端に別途に安全弁を設ける必要がなく、より簡素な構成とすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の高圧ポンプを図6に示す。第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態では、電磁弁部270が高圧ポンプ210と一体に形成されている。
高圧ポンプ210のハウジング211には、吐出弁部60の吐出通路611と連通するリターン通路236、加圧室14と連通するリターン通路239、及びリターン通路236とリターン通路239とを連通する挿入部218が形成されている。挿入部218は、ハウジング211の外部へ開口しており、この開口に電磁弁部270が挿入され、ハウジング211に組み付けられている。そして、電磁弁部270の固定子90の反流入口77側の端部には、シールキャップ294が設けられている。このシールキャップ294は、高圧燃料をシール可能に封止している。なお、本実施形態においては、ハウジング211が「通路部材」を構成している。
電磁弁部270の流入口77は、挿入部218を経由してリターン通路236と連通している。また、筒部72には、電磁弁部270の内部に形成された内部通路271とリターン通路239とを連通する連通路274が形成されている。
かかる構成により、ECU100によって燃料レール20内の燃料圧力の減圧要求が判断されると、ECU100の制御により、電磁弁部270のコイル96に通電される。すると、可動子84と一体に形成されているニードル80のシート部81は、リターン用弁座79から離座し、リターン通路236と内部通路271とは連通する。なお、リターン通路236は、燃料レール20と連通する吐出用弁座612よりも出口側の吐出通路611と連通している。また、内部通路271は、連通路274及びリターン通路239を経由して加圧室14と連通している。したがって、コイル96へ通電されているとき、燃料レール20と加圧室14とが連通する。
ここで、燃料レール20の燃料圧力が加圧室14の燃料圧力よりも高いとき、燃料レール20の燃料が加圧室14に戻され、燃料レール20の燃料圧力が低下する。そして、燃料レール20内の燃料圧力が、ガソリンの飽和蒸気圧よりも大きい所定の定残圧、例えば3MPa、まで低下したとき、ECU100の制御により電磁弁部70への通電を停止する。すると、ニードル80のシート部81は、リターン用弁座79に着座し、リターン通路236と内部通路271との連通が遮断される。これにより、燃料レール20から高圧ポンプ10の加圧室14への燃料の流れが遮断され、燃料レール20内の燃料圧力は、所定の定残圧で維持される。
本形態においても、電磁弁部270の機能により、上記形態と同様の効果が奏される。また、本実施形態においては、電磁弁部270が高圧ポンプ210と一体に形成されているので、高圧ポンプと別途に電磁弁部を設けた場合と比較して、高圧ポンプ10と電磁弁部70との接続に要する部品が不要になるため、部品点数を低減することができる。
(他の実施形態)
上記複数の実施形態では、燃料レールからの戻り燃料を高圧ポンプの加圧室に戻すように構成したが、他の実施形態においては、高圧ポンプ内の他の空間、例えば燃料室、に戻すように構成してもよい。高圧ポンプ内の圧力は、概ね大気圧である燃料タンクの圧力よりも高く維持されているため、燃料レールからの戻り燃料の圧力の急激な低下を防ぐことができる。また、燃料タンクへ燃料を戻すための配管が不要となることによる効果は、上記複数の実施形態と同様である。さらに、上記複数の実施形態では、燃料レールの減圧要求があった場合、所定の定残圧となるように電磁弁部を通電制御したが、他の実施形態では、燃料レール内の燃料圧力が燃料の飽和蒸気圧よりも大きな圧力に減圧されるように電磁弁部を制御すればよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
本発明の第1実施形態による燃料供給装置の構成を示す説明図である。 本発明の第1実施形態による燃料供給装置の高圧ポンプを示す断面図である。 本発明の第1実施形態による燃料供給装置の高圧ポンプと電磁弁部との接続を示す一部切り欠き平面図である。 本発明の第1実施形態による燃料供給装置の電磁弁部を示す断面図である。 本発明の第1実施形態による燃料供給装置の電磁弁部の特性を示す説明図である。 本発明の第2実施形態による高圧ポンプを示す一部切り欠き平面図である。
符号の説明
1:燃料供給装置、10:高圧ポンプ、11:ハウジング、12:カバー、13:燃料室、14:加圧室、16:取付孔、20、燃料レール、21:インジェクタ、22:圧力センサ(圧力検出手段)、30:燃料タンク、31:低圧ポンプ、32:燃料通路、35:流入側通路部材(通路部材)、36:リターン通路、38:流出側通路部材(通路部材)、39:リターン通路、40:プランジャ部、41:プランジャ、50:調量弁部、60:吐出弁部、61:収容部、611:吐出通路、612:吐出用弁座、62:吐出用弁部材、63:スプリング、64:係止部、65:吐出口、69:燃料通路、70:電磁弁部、71:燃料通路、72:筒部、76:リターン用弁ボディ、77:流入口、79:リターン用弁座、80:ニードル(リターン用弁部材)、81:シート部、82:燃料溜り室、84:可動子、87:スプリング(付勢部材)、88:アジャストパイプ、90:固定子、92:流出口、96:コイル、100:ECU(制御部)、110:接続部、210:高圧ポンプ、211:ハウジング(通路部材)、236:リターン通路、239:リターン通路、270:電磁弁部、271:内部通路、274:連通孔、294:シールキャップ

Claims (7)

  1. プランジャの往復移動により燃料が加圧される加圧室、前記加圧室と連通し加圧された燃料を吐出する吐出通路、及び、前記吐出通路に設けられ、燃料の吐出を許容又は遮断する吐出弁、を有する高圧ポンプと、
    内燃機関に燃料を噴射するインジェクタが接続され、前記高圧ポンプから吐出される燃料を蓄積する燃料レールと、
    前記燃料レール内の燃料圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記吐出弁の出口側と、前記高圧ポンプ内の前記吐出弁の入口側とを連通するリターン通路を有する通路部材と、
    前記リターン通路に設けられ、リターン用弁座を有するリターン用弁ボディ、前記リターン用弁座に着座することにより前記燃料レールから前記高圧ポンプ内の前記吐出弁の前記入口側への戻り燃料の流れを遮断するリターン用弁部材、前記リターン用弁部材を閉弁方向に付勢する付勢部材、前記リターン用弁部材とともに軸方向に往復移動可能である可動子、前記可動子を往復移動可能に収容する筒部、前記可動子及び前記筒部とともに磁気回路を形成する固定子、及び通電することにより前記可動子を前記固定子側に吸引する磁力を発生するコイルを有し、通電制御される電磁弁部と、
    前記圧力検出手段により検出される前記燃料レール内の前記燃料圧力、及び前記内燃機関の運転状態に基づいて前記電磁弁部への通電を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記燃料レール内の燃料圧力の減圧要求が判断された場合、前記燃料レール内の燃料圧力を燃料の飽和蒸気圧より大きい圧力に減圧するように前記電磁弁部を通電制御することを特徴とする燃料供給装置。
  2. 前記通路部材は、前記吐出弁の前記出口側と、前記高圧ポンプ内の前記加圧室とを連通するリターン通路を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
  3. 前記電磁弁部は、前記高圧ポンプと一体に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給装置。
  4. 前記制御部は、前記圧力検出手段により検出される前記燃料レール内の燃料圧力が所定の異常圧以上となった場合、前記燃料レール内の燃料圧力を減圧するように前記電磁弁部を通電制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  5. プランジャの往復移動により燃料が加圧される加圧室、前記加圧室と連通し加圧された燃料を吐出する吐出通路、及び前記吐出通路に設けられ、燃料の吐出を許容又は遮断する吐出弁を有する高圧ポンプにおいて、
    前記吐出弁の出口側と、前記高圧ポンプ内の前記吐出弁の入口側とを連通するリターン通路を有する通路部材と、
    前記リターン通路に設けられ、内燃機関に燃料を噴射するインジェクタが接続される燃料レール内の燃料圧力、及び前記内燃機関の運転状態に基づいて通電制御される電磁弁部と、
    を備え、
    前記電磁弁部は、
    リターン用弁座を有するリターン用弁ボディ、前記リターン用弁座に着座することにより前記燃料レールから前記高圧ポンプ内の前記吐出弁の前記入口側への戻り燃料の流れを遮断するリターン用弁部材、前記リターン用弁部材を閉弁方向に付勢する付勢部材、前記リターン用弁部材とともに軸方向に往復移動可能である可動子、前記可動子を往復移動可能に収容する筒部、前記可動子及び前記筒部とともに磁気回路を形成する固定子、及び通電することにより前記可動子を前記固定子側に吸引する磁力を発生するコイルを有し、
    前記燃料レール内の燃料圧力の減圧要求が判断された場合、前記燃料レール内の燃料圧力が燃料の飽和蒸気圧より大きい圧力となるように通電制御されることを特徴とする高圧ポンプ。
  6. 前記通路部材は、前記吐出弁の前記出口側と、前記高圧ポンプ内の前記加圧室とを連通するリターン通路を有することを特徴とする請求項5に記載の高圧ポンプ。
  7. 前記電磁弁部は、前記燃料レール内の燃料圧力が所定の異常圧以上となった場合、前記燃料レール内の燃料圧力を減圧するように通電制御されることを特徴とする請求項5または6に記載の高圧ポンプ。
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