JP2010155818A - チアゾロチアゾール誘導体 - Google Patents
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Abstract
Description
電荷輸送材料は、その機能の観点から、電荷移動度や電荷注入性などの特性に着目して開発が進められている。
これらの要求を満たすために、置換基を導入して物性をコントロールすることが一般的に行われている。
請求項1にかかる発明は、下記一般式(I)で表されるチアゾロチアゾール誘導体である。
請求項2に係る発明によれば、上記化学式3で示されるチアゾロチアゾール誘導体に比べ、ハロゲン系の有機溶媒に対する溶解性に優れたチアゾロチアゾール誘導体が得られる。
請求項3に係る発明によれば、上記化学式3で示されるチアゾロチアゾール誘導体に比べ、耐熱性に優れたチアゾロチアゾール誘導体が得られる。
請求項4に係る発明によれば、上記化学式3で示されるチアゾロチアゾール誘導体に比べ、ハロゲン系の有機溶媒に対する溶解性に優れたチアゾロチアゾール誘導体が得られる。
請求項5に係る発明によれば、上記化学式3で示されるチアゾロチアゾール誘導体に比べ、ハロゲン系の有機溶媒に対する溶解性に優れたチアゾロチアゾール誘導体が得られる。
請求項6に係る発明によれば、上記化学式3で示されるチアゾロチアゾール誘導体に比べ、非ハロゲン系の有機溶媒に対する溶解性に優れたチアゾロチアゾール誘導体が得られる。
ここで、炭素数が3以上12以下の直鎖状の置換基としては、炭素数3以上12以下の直鎖状アルキル基、炭素数3以上12以下の直鎖状アルコキシ基が挙げられ、また、主鎖部分を構成する炭素数が3以上12以下の分岐状の置換基としては、炭素数3以上20以下の分岐状アルキル基、または炭素数3以上20以下の分岐状アルコキシ基であって、アルキル基、もしくはアルコキシ基の分岐鎖を除いた直鎖状の主鎖部分における炭素数が2以上12以下である置換基が挙げられる。
前記一般式(I)で表される化合物は、チオフェン環に隣接する置換基をフェニル基にすることにより、溶解性が向上する。これは末端のフェニル置換基とチオフェン環の結合がフリーに回転することによるものと推測される。また、R1にアルキル基、またはアルコキシ基を導入することで有機溶媒との疎水性相互作用が増し、有機溶媒への溶解性を向上するものと考えられる。さらに、R2にアルキル基、またはアルコキシ基を導入することにより有機溶媒との疎水性相互作用が増し、溶解性を大幅に向上するものと考えられる。また、イオン化ポテンシャルを小さくするなどの効果もある。また、フェニル基の置換基としてアルキル基、またはアルコキシ基を導入することにより分子量が増加し、良好な耐熱性を呈するものと推測される。
特にチアゾロチアゾール誘導体である一般式(I)の置換基R1およびR2の長さを、炭素数が20以下、好ましくは12以下、さらにR2にあっては好ましくは8以下のアルキル基、またはアルコキシ基とすることによって、置換基同志の絡まり合いを抑えられ、これによっても溶解性が向上したものと考えられる。
しかし、本実施形態は上記した推測によって限定されることはない。
フェニル基に対するR1の結合部位として好ましくは、3位または4位であり、さらに好ましくは4位である。
前記構造を有するチアゾロチアゾール誘導体の製造が容易になったり、精製が容易で高純度のものを容易に得やすく、また前記構造を有するチアゾロチアゾール誘導体を用いて、例えば電荷輸送材料を製造することが容易になる。
ホウ酸ピナコレートエステル基、ホウ酸1,3-プロパンジオールエステル基、ホウ酸ネオペンチルグリコールエステル基が挙げられる。
目的物の同定には、1H−NMRスペクトル(1H−NMR、溶媒:CDCl3、VARIAN株式会社製、UNITY−300、300MHz)と、IRスペクトル(KBr錠剤法にてフーリェ変換赤外分光光度計(株式会社 堀場製作所、FT−730、分解能4cm−1))を用いた。
<化合物III−aの合成>
200ml三口フラスコにルベアン酸5.3g(45mmol)、2−チオフェンアルデヒド20g(180mmol)を加え、ジメチルホルムアミド(以下、DMFと称する)100mlに溶解させた。これを150℃で5時間磁気撹拌した後、25℃まで冷却した。この反応液を純水1Lが入った2Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。撹拌終了後、析出した結晶を吸引ろ過によりろ取して、純水1Lで洗浄した。得られた結晶をさらにメタノール100mlで洗浄して、60℃で15時間真空乾燥させた。乾燥後結晶をテトラヒドロフラン(以下、THFと称する) 100mlに溶解させ、シリカゲルショートカラムを行うことでIII−aを6.4g得た。1H−NMR、およびIRにより目的物と矛盾しないことを確認した。
窒素雰囲気下、500ml三口フラスコに化合物III−aを4.5g(15mmol)、N−ブロモコハク酸イミド(以下、NBSと称する)8.0g(45mmol)を入れ、DMF 200mlに溶解させた。これを60℃で7時間磁気撹拌して反応を完結させた。25℃まで冷却後、この反応液を純水1Lが入った2Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。撹拌終了後、析出した結晶を吸引ろ過によりろ取して、純水1Lで洗浄した。60℃で15時間真空乾燥した後、結晶をN−メチルピロリドン(以下、NMPと称する。)から2度再結晶して黄色結晶の化合物IV−a 3.3gを得た。1H−NMR、IRにより目的物と矛盾しないことを確認した。
窒素雰囲気下、300ml三口フラスコにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.23g(0.20mmol)をNMP 100mlに溶解させた。これに化合物IV−a 1.84g(4.0mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液8.0ml、4−n−ブチルフェニルボロン酸1.56g(8.8mmol)の順に加え、オイルバス220℃で5時間磁気還流撹拌した。1H−NMRで反応完結を確認後、25℃まで冷却し、この反応液を純水1Lの入った2Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。撹拌終了後、析出した結晶を吸引ろ過によりろ取して、純水1Lで洗浄した。得られた結晶をさらにメタノール100ml、トルエン100mlで洗浄して、60℃で15時間真空乾燥させた。この結晶にNMP 150ml加え再結晶して、さらに昇華精製することによりオレンジ色結晶の例示化合物1を1.0g得た。
得られた例示化合物1の1H−NMRスペクトルは図2に、IRスペクトルは図1に示した。
<例示化合物11の合成>
窒素雰囲気下、300ml三口フラスコにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.14g(0.12mmol)をNMP 100mlに溶解させた。これに化合物IV−a 1.85g(4.0mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液8.0ml、4−n−ブトキシフェニルボロン酸1.71g(8.8mmol)の順に加え、オイルバス220℃で4時間磁気還流撹拌した。1H−NMRで反応完結を確認後、25℃まで冷却し、この反応液を純水1Lが入った2Lビーカーに加え、20分25℃で磁気撹拌した。撹拌終了後、析出した結晶を吸引ろ過によりろ取して、純水1Lで洗浄した。得られた結晶をさらにメタノール200ml、トルエン250mlで洗浄して、60℃で15時間真空乾燥させた。この結晶にNMPを150ml加え再結晶して、さらに昇華精製することでオレンジ色結晶の例示化合物11を1.0g得た。
得られた例示化合物11の1H−NMRスペクトルを図4に、またIRスペクトルを図3に示した。
<例示化合物15の合成>
窒素雰囲気下、300ml三口フラスコにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.11g(0.10mmol)をNMP 80mlに溶解させた。これに化合物IV−a 1.39g(3.0mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液6.0ml、4−tert−ブチルフェニルボロン酸1.18g(6.6mmol)の順に加え、オイルバス220℃で5時間磁気還流撹拌した。1H−NMRで反応完結を確認後、25℃まで冷却し、この反応液を純水500mlが入った1Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。撹拌終了後、析出した結晶を吸引ろ過によりろ取して、純水500mlで洗浄した。得られた結晶をさらにメタノール100ml、ヘキサン100mlで洗浄して、60℃で15時間真空乾燥させた。この結晶にモノクロロベンゼン400mlを加え再結晶して、さらに昇華精製することでオレンジ色結晶の例示化合物15を1.0g得た。
得られた例示化合物15の1H−NMRスペクトルは図6に、またIRスペクトルは図5に示した。
<化合物III−bの合成>
1L三口フラスコにルベアン酸18g(150mmol)、3−メチルチオフェン−2−アルデヒド75g(600mmol)を加え、DMF 350mlに溶解させた。これをオイルバス150℃で5時間磁気撹拌した後、25℃まで冷却した。この反応液を純水1Lが入った2Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。撹拌終了後、析出した結晶を吸引ろ過によりろ取して、純水1Lで洗浄した。べたついた黒色の結晶にトルエン100ml、メタノール200mlを加え10分間超音波磁気撹拌することで洗浄した。洗浄した結晶を吸引ろ過によりろ取して粗結晶を34g得た。さらに、メタノール200mlで洗浄して、60℃で15時間真空乾燥させた。乾燥後結晶をモノクロロベンゼン500mlに溶解させ、シリカゲルショートカラムを行うことで化合物III−bを19g得た。1H−NMR、IRより目的物と矛盾しないことを確認した。
窒素雰囲気下、1L三口フラスコに化合物III−bを19g(57mmol)、NBS 23g(129mmol)を入れ、DMF 500mlに溶解させた。これを60℃で4時間磁気撹拌して反応を完結させた。25℃まで冷却後、この反応液を純水1Lが入った2Lビーカーに加え、30分間10℃で磁気撹拌した。撹拌終了後、析出した結晶を吸引ろ過によりろ取して、純水1L、メタノール200mlで洗浄した。60℃で15時間真空乾燥した後、結晶をNMP 300mlで2度再結晶して黄色結晶の化合物IV−bを21g得た。1H−NMR、IRより目的物と矛盾しないことを確認した。
窒素雰囲気下、300ml三口フラスコにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.16g(0.14mmol)をNMP 100mlに溶解させた。これに化合物IV−b 2.2g(4.5mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液9.0ml、4−n−ブチルフェニルボロン酸1.78g(10mmol)の順に加え、オイルバス220℃で6時間磁気還流撹拌した。1H−NMRで反応完結を確認後、25℃まで冷却し、この反応液を純水500mlが入った1Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。撹拌終了後、析出した結晶を吸引ろ過によりろ取して、純水300mlで洗浄した。得られた結晶をさらにメタノール200ml、ヘキサン100mlで洗浄して、60℃で15時間真空乾燥させた。この結晶をTHF200ml/トルエン100mlに加熱溶解させ、シリカゲルショートカラムを行った。次いでトルエン300mlで再結晶してオレンジ色結晶の例示化合物7を0.70g得た。
得られた例示化合物7の1H−NMRスペクトルを図8に、またIRスペクトルを図7に示した。
窒素雰囲気下、−80℃に冷却された100ml三口フラスコへ1.6Mのn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液を10ml(16mmol)加えた。これを−80℃に冷却後、滴下漏斗より−60℃を保ったままTHF10mlを滴下した。次いで、滴下漏斗より−60℃を保ったまま1−ブロモ−4−n−オクチルベンゼン3.1g(16mmol)を滴下した。これを−40℃で1時間撹拌した後、ホウ酸トリメチル2.3g(22mmol)/THF(10ml)溶液を滴下漏斗より−40℃を保ったまま加えた。その後、ゆっくり2時間かけて10℃まで昇温した後、0℃で10%HCl水溶液50mlを加え、トルエン100mlで抽出した。これを純水100mlで3回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。トルエンを減圧下、留去して残留物を3.3g得た。さらにこの残留物を純水100ml/ヘキサン100mlの混合液で洗浄することで4−n−オクチルフェニルボロン酸である化合物V−aを2.0g得た。1H−NMR、IRより目的物と矛盾しないことを確認した。
窒素雰囲気下、300ml三口フラスコにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.11g(0.10mmol)をNMP 100mlに溶解させた。これに化合物IV−a 1.4g(3.0mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液9.0ml、4−n−オクチルフェニルボロン酸(化合物V−a) 1.4g(6.0mmol)の順に加え、オイルバス200℃で5時間磁気還流撹拌した。1H−NMRで反応完結を確認後、25℃まで冷却し、この反応液を純水1Lが入った2Lビーカーに加え、20分25℃で磁気撹拌した。撹拌終了後、析出した結晶を吸引ろ過によりろ取して、純水300mlで洗浄した。得られた結晶をさらにメタノール200ml、トルエン100mlで洗浄して、60℃で15時間真空乾燥させた。この結晶をNMP200mlを用いて再結晶して次いで昇華精製を行うことで、オレンジ色結晶の例示化合物4を0.60g得た。
得られた例示化合物4の1H−NMRスペクトルを図10に、またIRスペクトルを図9に示した。
窒素雰囲気下、−80℃に冷却された200ml三口フラスコへ1.6Mのn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液を20ml(32mmol)加えた。これを−80℃に冷却後、滴下漏斗より−60℃を保ったままTHF20ml滴下した。次いで、滴下漏斗より−60℃を保ったまま1−ブロモ−4−n−ドデシルベンゼン10g(32mmol)を滴下した。これを−40℃で1時間撹拌した後、ホウ酸トリメチル4.5g(43mmol)/THF(10ml)溶液を滴下漏斗より−40℃に保ったまま加えた。その後、ゆっくり2時間かけて10℃まで昇温した後、0℃で10%HCl水溶液50mlを加え、トルエン100mlで抽出した。これを純水100mlで3回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。トルエンを減圧下、留去して残留物を得た。さらにこの残留物を純水100ml/ヘキサン100mlの混合液で洗浄することで4−n−ドデシルフェニルボロン酸である化合物V−bを1.8g得た。1H−NMR、IRより目的物と矛盾しないことを確認した。
得られた例示化合物5の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図11に示す。また、NMRスペクトル(1H−NMR、溶媒:CDCl3)を図12に示す。
<化合物VI−aの合成>
500ml四口フラスコに3−n−オクチルチオフェン60g(305mmol)、DMF100mlに溶解させた。この溶液を5℃まで冷却し、NBS 55g(310mmol)/DMF50mlに予め溶解させた溶液を等圧滴下ロートより5分かけて滴下した。その後、25℃で1時間磁気撹拌した後、純水500mlが入った1Lビーカーに加え、25℃で20分磁気撹拌した。この溶液へ酢酸エチル300mlを加え、25℃で10分磁気撹拌した。酢酸エチル層を分液し、純水300mlで3回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過、減圧下溶媒留去して黄色油状物83gを得た。これを真空蒸留(1〜3mmHg、120〜130℃)して淡黄色油状物76g(収率93%)を得た。
充分乾燥させた500ml四口フラスコに窒素雰囲気下、マグネシウム9.1g(374mmol)、THF100mlを入れた。ここに、ヨウ素粒状物を3粒入れ、マグネシウム表面を活性化させた。続いて、60℃まで加熱し、化合物VI-a100g(363mmol)/THF50ml溶液を反応の進行と共に滴下した。滴下終了後、マグネシウムがなくなるまで還流撹拌し、40℃まで冷却した。この溶液へ、あらかじめ水素化カルシウムで乾燥させたDMF30mlを10分かけて滴下し、その後30分、50℃で磁気撹拌した。反応終了後5℃まで冷却し、10%塩酸400mlと、トルエン300mlとが入っている1Lビーカー中に入れた。これを25℃で30分磁気撹拌した後、トルエン層を分液して純水300mlで3回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下溶媒を留去して、赤色油状物94gを得た。これを真空蒸留(1〜3mmHg、140〜150℃)して黄色油状物52g(収率64%)を得た。1H−NMR、IRにより目的物と矛盾しないことを確認した。
300ml四口フラスコにルベアン酸8.0g(67mmol)、化合物VI−b 60g(267mmol)を加え、ジメチルホルムアミド60mlに溶解させた。これを150℃で4時間磁気撹拌した後、25℃まで冷却した。この反応液を純水300mlの入った1Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。さらにトルエン300mlを加え10分磁気撹拌した後、トルエン層を分液して純水300mlで3回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、減圧下溶媒を留去して、茶色油状物を得た。これに、メタノール200mlを加えデカンテーションにより、原料を除いた。残渣にヘキサン200mlを加え、5℃まで冷却することで結晶化させた。これを吸引ろ過でろ取して、その残渣をメタノール100mlでかけ洗いして、オレンジ色結晶12g(収率38%)を得た。1H−NMR、IRにより目的物と矛盾しないことを確認した。
窒素雰囲気下、500ml三口フラスコに化合物VI−cを12g(23mmol)、NBS 8.9g(50mmol)を入れ、DMF 200mlに溶解させた。これを40℃で1時間磁気撹拌して反応を完結させた。25℃まで冷却後、この反応液を純水500mlの入った2Lビーカーに加え、30分5℃で磁気撹拌した。撹拌終了後、析出した結晶を吸引ろ過によりろ取して、純水1Lで洗浄した。次いでメタノール100mlで洗浄した後、60℃で15時間真空乾燥させオレンジ色結晶12.2g(収率76%)を得た。1H−NMR、IRにより目的物と矛盾しないことを確認した。
窒素雰囲気下、200ml三口フラスコにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.10g(0.090mmol)をTHF60mlに溶解させた。これに化合物VI−d2.06g(3.0mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液7.0ml、4−n−ブチルフェニルボロン酸1.18g(6.6mmol)の順に加え、8時間磁気還流撹拌した。1H−NMRで反応完結を確認後、25℃まで冷却し、この反応液を5%塩酸水溶液80mlと、トルエン200mlとが入った1Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。トルエン層を分液して、純水200mlで3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過、減圧下溶媒を留去して赤色油状物2.8gを得た。シリカゲルろ過カラムでパラジウムを除いた後、メタノール50ml、ヘキサン20mlで洗浄、次いでヘキサン100mlで再結晶した。15時間真空乾燥させた。オレンジ色結晶の例示化合物25を1.8g(収率:78%)得た。
得られた例示化合物25の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図13に示す。また、NMRスペクトル(1H−NMR、溶媒:CDCl3)を図14に示す。
<例示化合物27の合成>
窒素雰囲気下、200ml三口フラスコにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.090g(0.080mmol)をTHF50mlに溶解させた。これに化合物VI−d 1.72g(2.5mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液6.0ml、V−a 1.23g(5.3mmol)の順に加え、11時間磁気還流撹拌した。1H−NMRで反応完結を確認後、25℃まで冷却し、この反応液を5%塩酸水溶液100mlと、トルエン200mlとが入った1Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。トルエン層を分液して、純水200mlで3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過後、減圧下溶媒を留去して赤色固体物2.8gを得た。トルエンとヘキサンとの混合溶剤(混合質量比1:5)からシリカゲルカラム精製し、次いでエタノールとヘキサンとの混合溶剤(混合質量比1:1)から再結晶して、15時間真空乾燥させることで、オレンジ色結晶の例示化合物27を0.7g(収率:30%)得た。
得られた例示化合物27の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図15示す。また、NMRスペクトル(1H−NMR、溶媒:CDCl3)を図16に示す。
<例示化合物28の合成>
窒素雰囲気下、200ml三口フラスコにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.090g(0.080mmol)をTHF50mlに溶解させた。これに化合物VI−d 1.72g(2.5mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液6.0ml、V−b 1.52g(5.3mmol)の順に加え、12時間磁気還流撹拌した。1H−NMRで反応完結を確認後、25℃まで冷却し、この反応液を5%塩酸水溶液100mlと、トルエン200mlとが入った1Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。トルエン層を分液して、純水200mlで3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過後、減圧下溶媒を留去してオレンジ色固体物3.1gを得た。トルエン/ヘキサンからシリカゲルカラム、次いでエタノール/ヘキサンから再結晶して、15時間真空乾燥させることで、オレンジ色結晶の例示化合物28を1.2g(収率:47%)得た。
得られた例示化合物28の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図17に示す。また、NMRスペクトル(1H−NMR、溶媒:CDCl3)を図18に示す。
<例示化合物8の合成>
窒素雰囲気下、200ml三口フラスコにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)0.090g(0.080mmol)をTHF50mlに溶解させた。これに化合物IV−b 1.23g(2.5mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液6.0ml、V−a 1.24g(5.3mmol)の順に加え、12時間磁気還流撹拌した。1H−NMRで反応完結を確認後、25℃まで冷却し、この反応液を5%塩酸水溶液100mlと、トルエン200mlとが入った1Lビーカーに加え、30分25℃で磁気撹拌した。トルエン層を分液して、純水200mlで3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過後、減圧下溶媒を留去してオレンジ色固体物1.7gを得た。トルエンとTHFとの混合溶剤(混合質量比1:2)からシリカゲルカラム精製し、ついで、トルエンから再結晶して、15時間真空乾燥させることで、オレンジ色結晶の例示化合物8を1.2g(収率:70%)得た。
得られた例示化合物8の赤外吸収スペクトル(KBr法)を図19に示す。また、NMRスペクトル(1H−NMR、溶媒:CDCl3)を図20に示す。
実施例1から10で得られたチアゾロチアゾール誘導体、および比較例1として前記化学式3の化合物における各種溶媒に対する溶解性を表1に示す。
溶解性試験については溶媒1ml中に例示化合物10mg(1.0質量%)を溶解し、25℃で溶解しない場合、各種溶媒(ジクロロベンゼン、モノクロロベンゼン、クロロホルム、THF、トルエン、キシレン)における沸点で加熱をし、その状況を目視により観察することで行った。
◎ :加熱無しで溶解
○ :加熱して溶解
△ :加熱して一部のみ溶解
× :加熱しても一部溶け残る
Claims (6)
- 前記一般式(I)のR1が、炭素数が3以上12以下の直鎖状の置換基、又は、主鎖部分を構成する炭素数が3以上12以下の分岐状の置換基であり、R2が、炭素数が1以上12以下の直鎖状の置換基、又は、主鎖部分を構成する炭素数が2以上12以下の分岐状の置換基である請求項1に記載のチアゾロチアゾール誘導体。
- 前記一般式(I)のR1が、それぞれ独立に、炭素数3以上12以下の直鎖状アルキル基、炭素数3以上12以下の直鎖状アルコキシ基、炭素数3以上12以下の分岐状アルキル基、または炭素数3以上12以下の分岐状アルコキシ基である請求項1または請求項2に記載のチアゾロチアゾール誘導体。
- 前記一般式(I)のR2が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上8以下の直鎖状アルキル基、炭素数1以上8以下の直鎖状アルコキシ基、炭素数3以上8以下の分岐状アルキル基、または炭素数3以上8以下の分岐状アルコキシ基である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のチアゾロチアゾール誘導体。
- 前記一般式(I)のR2が、それぞれ独立に、炭素数1以上8以下の直鎖状アルキル基、炭素数1以上8以下の直鎖状アルコキシ基、炭素数3以上8以下の分岐状アルキル基、または炭素数3以上8以下の分岐状アルコキシ基である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のチアゾロチアゾール誘導体。
- 前記一般式(I)のR2が、それぞれ独立に、炭素数3以上8以下の直鎖状アルキル基、炭素数3以上8以下の直鎖状アルコキシ基、炭素数3以上8以下の分岐状アルキル基、または炭素数3以上8以下の分岐状アルコキシ基である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のチアゾロチアゾール誘導体。
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