JP2010150324A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天然ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種であるゴム成分100質量部に対して、磁性フィラーを40〜80質量部含むゴム組成物をベーストレッド部2bに用いたタイヤ1。
【選択図】図1
Description
本発明のタイヤは、ベーストレッド部、クリンチエーペックス、ビードエーペックスに磁性フィラーを配合したゴム組成物を用いて得られる。すなわち、本発明のタイヤは、このようなベーストレッド部、クリンチエーペックス、ビードエーペックスを備える限り、従来公知のいかなる構造を有するタイヤをも含むものである。
本発明のタイヤに使用するゴム組成物は、天然ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種であるゴム成分および磁性フィラーを含む。
ゴム成分としては、天然ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムを用いることができる。これらのゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、タイヤのベーストレッド部、クリンチエーペックスやビードエーペックスに用いた場合、優れた剛性、乗り心地性(ダンピング性能)および耐久性能を示すことから、ゴム成分は天然ゴムおよびブタジエンゴムからなることが好ましい。
本発明で、磁性フィラーとは、磁性を有する微粒子の充填剤を意味し、該微粒子は引張強度の低下の防止の点から無機多孔質粒子などの芯材を含まないものが好ましい。
本発明のタイヤに使用するゴム組成物は、さらに補強用充填剤を含有することができる。補強用充填剤は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。補強用充填剤としては、たとえばカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどがあげられるが、補強効果が大きいという理由からカーボンブラックが好ましい。
本発明のタイヤに使用するゴム組成物は、さらに老化防止剤を含有することが好ましい。
軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、大豆油、パーム油、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリンなどのワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、クマロンレジン、石油系レジン、フェノール系レジン、テルペンレジン、キシレンレジンなどのレジンなどが挙げられる。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン等を使用することができる。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。
加硫助剤としては、ステアリン酸、酸化亜鉛(亜鉛華)などを使用することができる。
本発明ので使用するゴム組成物には、前記成分の他にオゾン劣化防止剤などの添加剤を配合することができる。
本発明のタイヤに使用するゴム組成物は、まずゴム成分と磁性フィラーを混合し、その後、残りの配合剤を所定の配合割合となるように秤量した後、オープンロール、バンバリーミキサー等のゴム混練装置を用いて、100〜250℃で5〜60分間混練する方法等がある。
本発明のタイヤは、通常の方法で製造される。すなわち、前記ゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(ベーストレッド部、クリンチエーペックス、ビードエーペックス)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤを得ることができる。
<ゴム組成物の作製>
表1に示す配合処方にしたがい、バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、100℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物A〜Eを得た。
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて、初期歪10%、周波数5Hzにて、100℃で動歪2%の条件下で、複素弾性率E’(単位:MPa)および損失tanδを測定した。複素弾性率E’および損失tanδそれぞれについて、加硫ゴムシートEの値を100とし、各配合の測定値を下記計算式より、それぞれ指数表示した。
(tanδ指数)=(各配合のtanδ)/(加硫ゴムシートEのtanδ)×100
複素弾性率指数が大きいほど剛性に優れている事を示し、tanδ指数が大きいほど、外力への応答が緩やかになり、乗り心地性(ダンピング性能)に優れていることを示す。
JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―引張特性の求め方」に準じて、前記加硫ゴムシートからなる3号ダンベル型ゴム試験片を用いて評価を行なった。この試験により、各加硫ゴムシートについて、300%伸長時応力(M300、単位:MPa)を測定した。加硫ゴムシートEのM300を100とし、各配合の測定値を下記計算式により、それぞれ指数表示した。引張強度指数が大きいほど、破壊強度が向上していることを示す。
結果を表1に示す。
BR:日本ゼオン(株)製のニッポール1220(ハイシスBR、シス含量96.5%)
カーボンブラック:キャボットジャパン製のショウブラックN220(N2SA:111m2/g)
磁性フィラー:戸田工業(株)製のフェライト粉末FA700(平均粒子径:1.25μm、比表面積:1.70m2/g、圧縮密度:3.44g/m3、磁束密度:2920G)
オイル:出光興産(株)製のプロセスオイル
ワックス:大内新興化学(株)製のサンノックワックス
老化防止剤6C:大内新興化学(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
<タイヤの作製>
未加硫ゴム組成物をベーストレッド形状、クリンチエーペックス形状、ビードエーペックス形状に成形して、それぞれを他のタイヤ部材と貼り合わせ、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、11×7.10−5サイズのカート用タイヤを作製した。得られたタイヤは、各配合のゴム組成物を、ベーストレッド部に用いたタイヤ、クリンチエーペックスに用いたタイヤ、ビードエーペックスに用いたタイヤである。それぞれのタイヤについて、以下の試験を行った。
カートに作製したタイヤを装着し、1周2kmのテストコースを8周走行し、比較例1のタイヤのダンピング性能(乗り心地性)を3点とし、5点満点でテストドライバーが官能評価した。点数が高いほど、乗り心地が良く、ダンピング性能が高いことを示す。
カートに作製したタイヤを装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて実車走行を行い、剛性感と、レーンチェンジの際のドライバーのフィーリング評価で操縦安定性を評価した。評価は5段階として、5点は性能が最も優れており、1点は性能が最も劣っている。
(加硫ゴムシートの物性)
加硫ゴムシートA〜Dはそれぞれゴム成分100質量部に対して磁性フィラーの含有量が40質量部、50質量部、70質量部、80質量部である。磁性フィラーの含有量が増えると、tanδ指数が向上するが、引張強度指数は低下した。
実施例1〜12は、いずれも操縦安定性を維持したまま乗り心地性を向上させることができた。
Claims (7)
- 天然ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種であるゴム成分100質量部に対して、磁性フィラーを40〜80質量部含むゴム組成物をベーストレッド部に用いたタイヤ。
- 天然ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種であるゴム成分100質量部に対して、磁性フィラーを40〜80質量部含むゴム組成物をクリンチエーペックスに用いたタイヤ。
- 天然ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種であるゴム成分100質量部に対して、磁性フィラーを40〜80質量部含むゴム組成物をビードエーペックスに用いたタイヤ。
- 前記磁性フィラーの平均粒子径が200μm以下、比表面積が1.5g/cm2以上および圧縮密度が4g/cm3以下である請求項1〜3いずれか1つに記載のタイヤ。
- 前記磁性フィラーがフェライト系磁石、希土類磁石、γ酸化鉄、二酸化クロム、メタル磁性粉、コバルト−クロム合金からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜3いずれか1つに記載のタイヤ。
- 前記磁性フィラーはあらかじめ着磁され、または加硫後に着磁されることを特徴とする請求項1〜3いずれか1つに記載のタイヤ。
- 前記磁性フィラーの形状が球状、針状、六角板状、薄片状または不定形である請求項1〜3いずれか1つに記載のタイヤ。
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