JP2005263104A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract


【課題】 廃タイヤからリサイクルされる粉末ゴムをトレッド部のベースゴムに有効に使用した空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】
左右1対のビードコアにカーカスプライの両端部をそれぞれ折返して係止するとともに、該カーカスプライの外側と、トレッド部の間に少なくとも2層のベルトプライを配置した空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部はベルトプライに隣接して配置されるベースゴムと、その外側に配置されるキャップゴムの2層で構成され、ベースゴムはゴム成分100重量部に対して、粉末ゴムが2質量部異以上で15質量部未満含有されており、該粉末ゴムの平均粒径が0.4mm以下で最大粒径が0.8mm以下であり、さらに粒度分布は粒径が0.5mm以下の粉末ゴムが粉末ゴム全体の85質量%以上であることを特徴とする空気入りタイヤである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二層構造を有するトレッド部を備えた空気入りタイヤ、特に廃タイヤ等からリサイクルされる粉末ゴムをトレッド部のベースゴムに有効に使用した空気入りタイヤに関する。
近年の高速道路の整備に伴い乗用車あるいはトラックバスなどの高級化、高品質化が要請されている。特に乗用車は高速走行時の低振動化、乗り心地性、ロードノイズの低減が求められるが、これらの特性は主に空気入りタイヤに起因する。さらに空気入りタイヤは耐摩耗性、低転動抵抗性及びウエットグリップ性などの基本特性も満足する必要がある。
一方、使用済みの廃タイヤの処理が社会問題となっている。廃タイヤの処理は、例えば冷凍粉砕し、粉末ゴムにして加硫ゴムの基本特性を損なわない程度に混合して各種用途に使用されている。
空気入りタイヤのトレッド部は、高速走行時に所定の荷重のもとで約10Hz程度の繰り返し圧縮変形を受け長期走行により、トレッド部は条件によっては100℃温度となる。したがってトレッド部、特にタイヤ内部に位置するベースゴムは、過酷な条件下で使用に耐える特性を有する必要がある。廃タイヤから得られた従来の粉末ゴムでは配合ゴムに均一に分散せず十分な加硫ゴム特性が得られず、ベースゴムに使用することができなかった。
例えば、特許文献1には、粒度が0.3mmメッシュの粉末ゴム、再生油を用い所定条件で熱処理して、ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が65〜125の再生ゴムを製造し、これをトレッドゴム組成物に混合する技術が開示されている。
また、特許文献2には、ゴムを粉砕してなる粉砕物と、該粉砕物の粒径よりも小さな粒径を持ち、前記粉砕物どうしが固結するのを抑制して前記粉砕物に流動性を付与する固結抑制材で被覆された粉末ゴムが開示されている。
さらに特許文献3には、20℃で測定したJIS A硬度が40以下の加硫ゴムからなり平均粒径が0.2〜0.8mmである加硫ゴム粉末10〜50重量部をゴム成分100重量部に配合してなるスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物が記載されている。
また特許文献4には、二層構造のトレッド部のベースゴムにポリノルボルネン加硫物粉末を5〜20重量部配合することが記載されている。
しかし、これらの従来技術においては、トレッド部の基本要求特性の維持と廃タイヤの有効利用のニーズを同時に満足するものは得られていない。
特開昭56−10534号 特開2001−315121号 特開平7−32809号 特開2002−87013号
本発明は、二層構造を有するトレッド部を備えた空気入りタイヤ、特に廃タイヤからリサイクルされる粉末ゴムをトレッド部のベースゴムに有効に使用した空気入りタイヤを提供する。特にトレッド部の内部に位置するベースゴムは、過酷な条件下で使用に耐える特性を具備する必要があるが、廃タイヤから得られた粉末ゴムの粒子径、粒度分布および配合量を調整することで、ベーストレッドゴム組成物に粉末ゴムが均一に分散し、強度、加工性が改善された加硫ゴムが得られる。その結果、優れた低転動抵抗性を有する空気入りタイヤを得ることができる。
本発明は、左右1対のビードコアにカーカスプライの両端部をそれぞれ折返して係止するとともに、該カーカスプライの外側と、トレッド部の間に少なくとも2層のベルトプライを配置した空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部はベルトプライに隣接して配置されるベースゴムと、その外側に配置されるキャップゴムの2層で構成される。前記ベースゴムはゴム成分100重量部に対して、粉末ゴムが2質量部以上で15質量部未満含有されており、該粉末ゴムの平均粒径が0.4mm以下で、最大粒径が0.8mm以下であり、さらに粒度分布は粒径が0.5mm以下の粉末ゴムが粉末ゴム全体の85質量%以上であることを特徴とする空気入りタイヤである。なお、前記粉末ゴムの表面に、前記粉末ゴムに対し2〜15質量%の固結抑制剤が付着していることが好ましい。また、本発明はベースゴムのJIS−A硬度は50〜70であることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、廃タイヤなどからリサイクルされた粉末ゴムを使用することで、廃品の有効利用で環境問題を解消できる。さらに得られた粉末ゴムの粒子径、粒度分布を調整してトレッドのベースゴムに使用することで、ゴム組成物に粉末ゴムが均一に分散し、強度、加工性が改善された加硫ゴムが得られ、空気入りタイヤとして優れた低転動抵抗性を得ることができる。
以下、本発明の空気入りタイヤを実施の形態に基づき説明する。
<空気入りタイヤの構造>
図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの断面図の右半分である。図において空気入りタイヤ1は、ビードコア2にカーカスプライ3の端部が折返して係止している。ここでカーカスプライ3はポリエステル、ナイロン、レーヨンまたはアラミド等の有機繊維コードをタイヤ半径方向に配列した、いわゆるラジアル構造が好適に採用される。そして該カーカスプライ3の外側と、トレッド部5の間にスチールコード、アラミドコード等をタイヤ周方向に対して5〜40度の角度で配列した少なくとも2層のプライよりなるベルト層4を配置している。前記トレッド部5はベルトプライ4に隣接して配置されるベースゴム5Bと、その外側に配置されるキャップゴム5Aの2層で構成されている。そしてキャップゴム5Aとベースゴム5Bはトレッド溝底高さ近傍、もしくはトレッド溝深さを少し残す高さで、境界面を形成していることが好ましい。
図は乗用車用ラジアルタイヤに関して説明したが、本発明はトラックバス用タイヤ、ライトトラック用タイヤなどにも適用でき特に限定されない。
<ベースゴム>
本発明のベースゴム組成物には、天然ゴム(NR)および/またはジエン系合成ゴムからなるゴム成分が用いられる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、特に限定されず、たとえば乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム、高シス−ブタジエンゴム、低シス−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)またはアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等が用いられる。また、これらのジエン系合成ゴムは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明のベースゴム組成物に天然ゴム(NR)とジエン系合成ゴムとを混合して用いる場合には、天然ゴム(NR)とジエン系合成ゴムとの混合比は質量比で40:60〜80:20とすることが好ましい。この場合にはベースゴムの強度が改善され、エネルギーロスが小さくなり発熱性が抑制される。
次に本発明においてベースゴム組成物は、常法に従ってその他の配合剤とともに混練することによって得ることができる。その他の配合剤として加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、可塑剤、活剤、充填剤等を用いることができる。
加硫後のベースゴムのJIS−A硬度は50〜70の範囲に調整することで、トレッド部のエネルギー損失を抑制し、タイヤの乗り心地性及び操縦安定性のバランスを調製することができる。
各成分を混練する場合、まずジエン系ゴム成分に粉末ゴムを混合し、次いで、その他の配合剤を添加して混合することにより粉末ゴムの分散性がさらに向上し、より優れた性質を備えたベースゴム組成物を得ることができる。
<粉末ゴム>
本発明のベースゴム組成物には上記ゴム成分100質量部に対し、粉末ゴムが2質量部以上で15質量部未満含有される。粉末ゴムの含有量が2質量部未満である場合には粉末ゴム混合による再生ゴム使用の目的が失われる。また15質量部以上の場合にはベースゴムの強度が低下する。なお、粉末ゴムは上記ゴム成分100質量部に対し、3〜10質量部含有されることがより好ましい。この場合にはベースゴムの基本ゴム特性と再生ゴムの使用効率とのバランスをより優れたものとすることができる。
また、上記粉末ゴムは、その平均粒径が0.4mm以下、好ましくは0.3mm以下であり、かつ最大粒径が0.8mm以下、好ましくは0.6mm以下である。さらに粒度分布は、粒径0.5mm以下の粉末ゴムが粉末ゴム全体の85質量%以上、好ましくは95質量%以上である。特に好ましくは、粉末ゴムの平均粒径は0.25mm以下で、最大粒径が0.5mm以下である。粉末ゴムの平均粒径、最大粒径および粒度分布が上記の要件を満たしている場合には、ベースゴムの強度をさらに向上させることができる。
また、粉末ゴムの原料としては特に限定されず従来から公知の上記に例示したゴム成分等を用いることができる。特に、ゴム組成物の配合が実質的に同じである使用済みの廃タイヤから、スチールコード、繊維等を除去したゴム部等をリサイクルした再生ゴムを用いることが好ましい。この場合には、空気入りタイヤの製造コストの低減を図ることができるだけでなく、省資源および環境保護にも貢献することができる。
<粉末ゴムの製法>
粉末ゴムは、例えば、ロール粉砕などの機械式粉砕機を用いて微粉砕することができる。この際、微粉砕するには、最初にある程度の粒径に揃えながら粉砕する粗砕工程と、次いで、粗砕工程で粉砕されたものを所定の粒径に揃えながら微粉砕する細砕工程とに分けて段階的に粉砕することが好ましい。また、各粉砕工程においては、例えば、所定のメッシュ数をもつメッシュを設けて篩分けしながら粉砕し、所定の粒径に微粉砕された粉末ゴムを回収する。この場合には、粒径分布がある程度揃った状態で、ゴム粉末を得ることができる。また、各粉砕工程においては、廃タイヤに含まれる補強用繊維や布やスチールコードなどを取り除いて粉砕することが好ましい。この場合に、例えば、スチールコードは、磁選機などを用いて選別して取り除くことができる。
なお、粉末ゴムの原料は、廃タイヤを再生したものに限定されず、ゴムと同様の弾性を有するものであれば、各種材質を用いることができる。例えば、弾性材料であれば、各種ゴム材料、樹脂材料、熱可塑性エラストマー等を、単独もしくは併用して用いるとともに、ゴム工業一般で用いられている充填材や補強材や可塑剤などの各種配合剤を添加したもの等を用いることができる。この場合、各種ゴム材料は、例えば、常温で固体のゴム材料の他に、常温で液状の粘弾性体を硬化させて得られる液状反応硬化物等を用いても良い。
<固結抑制剤の付着>
本発明において、前記粉末ゴムの表面には粉末ゴムの2質量%〜15質量%の固結抑制剤が付着していることが好ましい。粉末ゴムの2質量%未満の固結抑制剤が付着している場合には粉末ゴム同士が固結して、その加工性が損なわれてしまうことによってハンドリング性能が低下して生産性が低下する傾向にある。また、粉末ゴムの15質量%を超える固結抑制剤が付着している場合には粉末ゴムの物性に固結抑制剤の影響が大きく現われることによってゴム硬度が大きくなる等のゴム物性に与える影響が大きくなる傾向にある。さらに、ベースゴムのエネルギー損失と強度とのバランスに影響が出る傾向にある。
本発明において、前記粉末ゴムの平均粒径は0.4mm以下、好ましくは0.3mm以下、最大粒径は0.8mm以下、好ましくは0.6mm以下であり、粒度分布において0.5mm以下の粒径の粉末ゴムが、粉末ゴム全体の85質量%以上、好ましくは95質量%以上の場合、より効果的である。
ここで、固結抑制剤とは上記粉末ゴム同士が固結するのを抑制して上記粉末ゴムに好ましい加工性を付与する機能を有するもののことをいい、その材質としてはたとえばタルク、シリカ、炭酸カルシウム、ハードクレーまたは酸化亜鉛等がある。
上記固結抑制剤を付着させる方法としては従来から公知の方法が用いられ、たとえば使用済みの廃タイヤのゴム部をロール粉砕等の粉砕機で粉砕した後、上記固結抑制剤を混合する方法等がある。
<添加剤>
本発明のベースゴム組成物および粉末ゴムには、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、滑剤、老化防止剤または充填剤等の添加剤を配合することができる。加硫剤としては、たとえば硫黄、パーオキサイド架橋剤等が用いられ得る。パーオキサイド架橋剤としては、たとえばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等が用いられ得る。
また、加硫促進剤としては、たとえばスルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、ジチオ酸系、チオウレア系、グアニジン系またはジチオカルバミン酸系等の加硫促進剤が用いら、加硫助剤としてステアリン酸、亜鉛華などが使用される。また、老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の老化防止剤、カルバミン酸金属塩またはワックス等が用いられ得る。
さらに、軟化剤としては、たとえばフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸ジ−n−ドデシル、フタル酸ジイソトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸2エチルヘキシル、リン酸トリクレジール、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油またはヤシ油等が用いられ得る。
充填剤としては、カーボンブラック(FEF、HAF、ISAF、SAF等)、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、マイカ、アルミナ、硫酸バリウムまたは硫酸カルシウム等が使用できる。
また、本発明では滑剤、たとえば流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸系、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド系の滑剤等が用いられ得る。
<空気入りタイヤの製造方法>
前述のベースゴム組成物は、従来から公知の製造方法を採用ができ、たとえば上記ゴム成分、粉末ゴムおよび添加剤等をロール、バンバリーミキサー等の混合機により混練した後、シート状に押し出し成型する。その後、タイヤに成形し加硫することにより本発明の空気入りタイヤを作製することができる。
<キャップゴム>
本発明において、キャップゴムの組成物のゴム成分は、耐摩耗性及びウエットグリップ性能を維持するため、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、ハイシス−ポリブタジエン、ローシス−ポリブタジエン、ポリイソプレンまたは天然ゴムを主成分に用いることが好ましい。そして添加剤は従来のトレッドゴム配合がそのまま採用できる。
また、キャップゴムのJIS−A硬度は45〜65の範囲で、前記ベースゴムよりも軟らかいものを使用することで、ベースゴムのキャップゴムに対する相対的な変形量を小さくし、転動抵抗を小さく(発熱を抑制)するとともに、キャップゴムによりウエットグリップ性の寄与が大きくなるように調整することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1) 粉末ゴムの調製
廃タイヤから補強用繊維やスチールコードを磁選機などで選別して除去した後、残りの廃タイヤを粉砕した。粉砕は、最初にある程度の粒径に揃えて粉砕する粗砕工程の後、粗砕工程で粉砕されたものを所定の粒径に揃えながら微粉砕する細砕工程とに分けて段階的に粉砕した。各粉砕工程には、所定のメッシュ数をもつメッシュを設けて篩分けしながら粉砕し、所定の粒径に微粉砕された粉末ゴムを回収した。
得られた、粉末ゴムにタルクを添加して、表1に示す仕様となるようにタルクを付着させた粉末ゴムA〜Fを作製した。表1中のタルク付着量は粉末ゴムに対する質量%によるものである。さらに表1には粉末ゴムの平均粒径、最大粒径、粒度分布(粒径0.5mm以下の粉末ゴムの全体に占める割合を質量%で示す)を示す。
Figure 2005263104
(注1)富士タルク工業(株)製の「T−2」。
(2) 実施例および比較例の加硫ゴムの作製
上記タルクを付着させた粉末ゴムA〜Fを秤量し、表2に示すゴム成分および配合剤を含む組成物を調製する。これらのゴム成分及び配合剤をバンバリーミキサー中で混練りした後、170℃で15分間プレス加硫することにより実施例1〜7および比較例1〜2の加硫ゴムを得た。なお、表2中の各成分の配合量は質量部によるものである。
Figure 2005263104
(注2)タイで生産された「RSS#3」。
(注3)日本ゼオン(株)製の「BR1220」。
(注4)三菱化学(株)製の「ダイヤブラックH」。
(注5)出光興産(株)製の「ダイアナプロセスPA32」。
(注6)大内新興化学工業(株)製の「ノクラック6C」。
(注7)日本油脂(株)製の「ステアリン酸椿」。
(注8)三井金属工業(株)製の「酸化亜鉛2種」。
(注9)日本乾留(株)製の「セイミイオウ」。
(注10)大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーCZ」。
(3) 加硫ゴムの評価方法
<加硫ゴムの強度>
実施例1〜7および比較例1〜2における加硫ゴムの強度は、引張り強度と引裂き強度を測定した。その評価結果を表2に示す。なお、引張り強度の測定はJIS K6251に従って行ない、引裂き強度の測定はJIS K6252に従って行なった。また、表2および表3中の引張り強度および引裂き強度の数値は表2の比較例1を100としたときの相対値である。
<ショアA硬度>
試作タイヤのベースゴムから試験片を切出し、JIS 6253に基づき測定した。
<エネルギーロス>
岩本製作所製粘弾性スペクトロメータを用い、25℃、初期歪み10%、動的歪み±1%、周波数10Hzの条件で粘弾性特性(tanδ)を測定した。比較例1のtanδの値を100として相対値で示す。この値が小さいほどエネルギーロスが少なく、タイヤの転動抵抗は小さくなる。
<粉末ゴムの固化状態>
タルクを付着させた粉末ゴムA〜Fの固化状態の評価は、フレキシブルコンテナに500kgの粉末ゴムを充填し、1ヶ月放置後に下記の基準で評価を行なった。その評価結果を表2に示す。
◎…全く固結していない状態
○…ほぼ固結していない状態
△…ほぼ固結している状態
(4) 評価結果
実施例1〜7の試料は比較例1〜2の試料に比べて、加硫ゴムの強度と転動抵抗性とのバランスに優れていた。また、実施例1〜3の試料は実施例4〜5および7の試料に比べて、相対的に強度に優れる傾向にあった。また、実施例1〜3の試料は実施例6の試料に比べて、相対的に粉末ゴムの固化状態に優れる傾向にあった。
(5) タイヤの製造とその評価
タイヤサイズ195/65R15、図1に示す構造の空気入りタイヤにおいて、ベースゴム組成物を表2の実施例1に、キャップゴム組成物を表3に示す配合で、実施例Aの空気入りタイヤを製造した。一方、ベースゴム組成物を表2の比較例1に、キャップゴム組成物を表3に示す配合で、比較例Bの空気入りタイヤを試作した。試作タイヤの仕様は、いずれもベルト層がスチールコードをタイヤ周方向に32度の傾斜角度でコードをプライ間で相互に交差するように配置した。そしてカーカスにはポリエステルコードをラジアル方向に配列したプライを一枚用いた。そして、ベースゴムはトレッド溝底でキャップゴムと界面を接している。
Figure 2005263104
(注2)タイで生産された「RSS#3」。
(注3)住友化学工業(株)製の「SBR1502」。
(注4)三菱化学(株)製の「ダイヤブラックI」。
(注5)出光興産(株)製の「ダイアナプロセスPA32」。
(注6)大内新興化学工業(株)製の「ノクラック6C」。
(注7)日本油脂(株)製の「ステアリン酸椿」。
(注8)三井金属工業(株)製の「酸化亜鉛2種」。
(注9)日本乾留(株)製の「セイミイオウ」。
(注10)大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーCZ」。
得られた試作タイヤの操縦安定性および乗り心地性は、実車走行中でのフィーリングを評価し、比較例Bを基準(評価3)として5点法で評価した。数値が大きいほど操縦安定性及び乗り心地性に優れている。実施例Aは、操縦安定性及び乗り心地性いずれも4であった。
本発明の空気入りタイヤの右半分の断面図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ、2 ビードコア、3 カーカス、4 ベルト層、5 トレッド部、5A キャップゴム、5B ベースゴム。

Claims (4)

  1. 左右1対のビードコアにカーカスプライの両端部をそれぞれ折返して係止するとともに、該カーカスプライの外側と、トレッド部の間に少なくとも2層のベルトプライを配置した空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部はベルトプライに隣接して配置されるベースゴムと、その外側に配置されるキャップゴムの2層で構成され、ベースゴムはゴム成分100重量部に対して、粉末ゴムが2質量部以上で15質量部未満含有されており、該粉末ゴムの平均粒径が0.4mm以下で最大粒径が0.8mm以下であり、その粒度分布は粒径が0.5mm以下の粉末ゴムが粉末ゴム全体の85質量%以上であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 粉末ゴムの平均粒径が0.3mm以下で最大粒径が0.6mm以下であり、その粒度分布は粒径が0.5mm以下の粉末ゴムが粉末ゴム全体の85質量%以上であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記粉末ゴムの表面に、前記粉末ゴムに対し2〜15質量%の固結抑制剤が付着していることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. ベースゴムのJIS−A硬度は50〜70である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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