JP2010144154A - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびその車両用成形品 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびその車両用成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐アルカリ性と耐ヒートショック性を同時に改良した、滞留熱安定性の優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、(B)ポリアミド樹脂10〜40重量部、(C)コア層にポリオルガノシロキサン系ゴムを含有するコアシェル化合物10〜40重量部、(D)エポキシ化合物2〜10重量部、(E)強化充填剤30〜70重量部を含有することを特徴とする熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、およびこの樹脂組成物よりなる車両用形成品さらにはレーザー溶着用部材に関する。特に、成形性、耐衝撃性に優れ、かつ、アルカリ性環境下で優れた耐性(以下、「耐アルカリ性」と略称する)、優れた耐ヒートショック性を示すポリエステル樹脂組成物、およびこの樹脂組成物よりなる車両用成形品、さらにはレーザー溶着用部材に関する。
ポリブチレンテレフタレート(以下、「PBT」と略称する)やポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略称する)に代表される熱可塑性ポリエステル系樹脂は、加工の容易さ、機械的物性、耐熱性その他物理的、化学的特性に優れているため、自動車用部品、電気・電子機器用部品、建築資材部品、その他精密機器用部品の分野に幅広く使用されている。しかしながら、PBTやPETなどのポリエステル系樹脂は、アルカリ性環境下において環境応力割れすることが問題となっている。
従来、自動車分野においてコネクター、ディストリビューター部品、イグニッションコイル部品などエンジン周りの部品、各種コントロールユニット、各種センサー、電気電子機器部品としてはコネクター類、スイッチ部品、リレー部品、コイル部品、建築資材部品としてはサニタリー部品、コンクリート埋め込みボルトなどの広範な分野において、使用される代表的な材料として、主にPBTやPETなどのポリエステル系樹脂を挙げることができる。特に自動車用部品向けにおいては、耐湿熱性(耐加水分解性)が要求されていた。この要求に対しては、カルボキシル末端基量の少ないPBTを用いたり、カルボキシル末端基と特定の化合物とを反応させてカルボキシル末端基をキャップしたりすることにより、耐加水分解性を向上させることができる。
しかし、上記のような耐加水分解性を向上したポリエステル樹脂あるいは樹脂組成物においても、アルカリ溶液に対する長期耐久性が不十分で、使用環境や使用用途が限られている。例えば、樹脂成形品の用途によっては、トイレ用洗浄剤、浴室用洗浄剤、漂白剤、融雪剤、セメントなどの薬剤との接触下で使用される場合がある。特にガラス繊維強化品ではアルカリによる強度低下が著しく、アルカリ性環境下における劣化が問題視されている。PBT製の部品にあってはアルカリ性の物質の作用によって、特に薄肉部分や歪みが残っている部位はクラックが発生したり、最終的には破壊したりする恐れがある。
そこで、耐アルカリ性が改善されたPBT系樹脂組成物も検討されている。国際公開WO00/078867号公報(特許文献1)には、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、(B)耐衝撃性付与剤1〜25重量%、(C)シリコーン系化合物および/またはフッ素系化合物0.1〜15重量%、(D)無機充填材1〜50重量%および(E)エポキシ化合物、イソシアネート化合物およびカルボン酸二無水物などの多官能性化合物0.1〜10重量%を含む熱可塑性ポリエステル樹脂組成物が、耐アルカリ性に優れていることが開示されている。しかし、このような樹脂組成物では、アルカリ環境下でのウエルド部のクラックや割れはある程度改善されるものの、シリコーン系化合物やフッ素系化合物の染み出しに伴う成形性や外観特性、さらには耐アルカリ性が低下する怖れがある。
また、特開2006−291100号公報(特許文献2)には、少なくともポリブチレンテレフタレート系共重合体を含むポリブチレンテレフタレート系樹脂(A)と、ポリオレフィン変性ポリシロキサン(B)と、充填材(C)とで構成されたポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物が、耐アルカリ性に優れていることが開示されている。実施例において開示されているものは、共重合体が50%以上であり、さらにポリオレフィン変性ポリシロキサンの融点が85℃であるため耐熱性ならびに成形性がやや劣るなどの問題を有している。
さらに、特開2002−128999号公報(特許文献3)には、熱可塑性ポリエステル樹脂(A成分)95〜10重量%、ポリアミド樹脂(B成分)4〜50重量%、および、α−オレフィンとα,β−不飽和グリシジルエステルとからなるオレフィン系共重合体(C成分)1〜40重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対し、強化充填材(D成分)0〜150重量部が配合されてなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物が耐アルカリ性の改善されることが示されている。しかし、まだ耐アルカリ性が不十分であり、また耐ヒートショック性が不十分であった。
最近の、製品の軽量化および高性能化の流れの中で、樹脂製部品も一層の薄肉化、小型化が図られている。これら樹脂製部品は薄肉化、小型化されても、長期間に亘って十分な特性を発揮することが必要である。このため、薄肉部分や歪みが残っている部位でもクラックが発生しない、耐アルカリ性、耐ヒートショック性に優れるポリエステル系樹脂組成物、および成形品が希求されているのが現状である。
国際公開WO00/078867号公報(請求項1および第2頁16〜19行) 特開2006−291100号公報 特開2002−128999号公報ならびに特開2006−206921号公報
上記特許文献3に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、耐アルカリ性が不十分であり、また耐ヒートショック性も不十分であることが分かった。
本願発明は上記従来技術の問題点を解決することを目的としたものであって、耐アルカリ性と耐ヒートショック性を同時に改良した、滞留熱安定性の優れた熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。さらにはレーザー溶着性の改善を図ることを目的とするものである。
上記特許文献3において、アクリル系コアシェル化合物はほとんど耐アルカリ性が改善されないことが記載されているが、特許文献3に記載の組成物中のα−オレフィンとα,β−不飽和グリシジルエステルとからなるオレフィン系共重合体の代わりに、ポリオルガノシロキサンゴム成分を含有するコアシェル化合物を使用することにより、ポリアミド樹脂とエポキシ化合物との併用により耐アルカリ性改良の相乗効果が一層高まることを見出し、また同時に耐ヒートショック性も改善されることを見出し本発明に到達した。
本発明の要旨は、
(A)熱可塑性ポリエステル樹脂 100重量部に対して、
(B)ポリアミド樹脂 10〜40重量部、
(C)コア層にポリオルガノシロキサン系ゴムを含有するコアシェル化合物10〜40重量部、
(D)エポキシ化合物2〜10重量部、
(E)強化充填剤 30〜70重量部、
を含有することを特徴とする熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、およびこれを成形してなる樹脂成形体に関する。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、耐アルカリ性と耐ヒートショック性の両者が改善され、さらに耐衝撃性も向上するので、車両用分野(特に、自動車分野)、電気電子分野、建築資材分野などの広範囲の分野に適用が可能になる。特にコネクター、ディストリビューター部品、イグニッションコイル部品、コントロールユニット部品、センサー部品などの車両用成形品として優れた耐アルカリ性、耐ヒートショック性、耐衝撃性を有している。さらにレーザー溶着性にも優れているので、他の成形品との接着した車両用成形品にも適用が可能である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
(A)熱可塑性ポリエステル樹脂
以下、本発明について詳細に説明する。本発明において、熱可塑性ポリエステル樹脂(以下、単にA成分と記載することがある)とは、連鎖単位にエステル基を有する重合体で、ジカルボン酸またはそのエステル誘導体とジオールとを主成分として重縮合反応により得られる重合体または共重合体を意味する。
A成分の原料としてのジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2,2'−ジカルボン酸、ビフェニル−3,3'−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4'−ジカルボン酸、ビス(4,4'−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4'−ジシクロヘキシルジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸類、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、およびそれらのエステル誘導体類などが挙げられる。ジカルボン酸は、1種でも2種以上の混合物であってもよい。ジカルボン酸の中で特に好ましいのは、テレフタル酸およびそのエステル誘導体である。
A成分の原料としてのジオール成分としては、炭素数2〜20の脂肪族若しくは脂環族ジオール、ビスフェノール誘導体などが挙げられる。具体例としては、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、4,4'−ジシクロヘキシルヒドロキシメタン、4,4'−ジシクロヘキシルヒドロキシプロパン、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加ジオールなどが挙げられる。さらに、グリセリン、トリメチロールプロパンなどのトリオールが挙げられる。ジオール成分は、1種でも2種以上の混合物であってもよい。ジオール成分の中で特に好ましいのは、テトラメチレングリコールである。
A成分としては、テレフタルまたはそのエステル誘導体とテトラメチレングリコールとからなるポリブチレンテレフタレート(PBT)が好ましい。上記のとおり、テレフタル酸およびテトラメチレングリコール以外のジカルボン酸成分、ジオール成分が共重合されていてもよい。ジカルボン酸成分においてテレフタル酸またはそのエステル誘導体の割合は、機械的性質、耐熱性の観点から、70モル%以上が好ましく、中でも90モル%以上がより好ましい。ジオール成分も同様の観点から、テトラメチレングリコールを70モル%以上が好ましく、中でも90モル%以上がより好ましい。
A成分としてのPBT、PETなどは、その固有粘度は以下に示すような方法による測定で0.5〜1.5dl/gが好ましく、さらに好ましくは0.6〜1.3dl/gである。
固有粘度(IV)の測定法:
ウベローデ型粘度計を使用し、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃において、濃度1.0g/dlのポリマー溶液および溶媒のみの落下秒数を測定し、下記の式より求めた。
IV=((1+4KHηsp0.5−1)/(2KHC) (2)
(但し、ηsp=η/η0−1であり、ηはポリマー溶液落下秒数、η0は溶媒の落下秒数、Cはポリマー溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数であり、0.33とした。)
本発明に使用されるA成分の好ましい態様は、末端カルボキシル基量が30eq/t以下のポリブチレンテレフタレート樹脂であり、このようなポリブチレンテレフタレート樹脂単独またはポリブチレンテレフタレート樹脂を主体とするポリエチレンテレフタレート樹脂との混合物である。
ポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基量は、ベンジルアルコール25mlにPBT0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を使用して滴定することにより求めることができる。本発明は末端カルボキシル基量を30eq/t以下とすることにより、PBTの耐加水分解性を高めることができる。PBT中のカルボキシル基は、ポリブチレンテレフタレートの加水分解に対して自己触媒として作用するので、30eq/tを超える末端カルボキシル基が存在すると早期に加水分解が始まり、さらに生成したカルボキシル基が自己触媒となって、連鎖的に加水分解が進行し、PBTの重合度が急速に低下しやすい傾向にあるが、末端カルボキシル基量を30eq/t以下とすることにより、早期の加水分解並びにアルカリ環境下における環境応力割れを抑制することができる。
(B)ポリアミド樹脂
本発明におけるポリアミド樹脂(以下、単にB成分と記載することがある)とは、ラクタム類の開環重合体、ジアミノカルボン酸の重縮合によって得られる重合体、アミン類と二塩基酸類またはこれらと同等な化合物との重縮合によって得られる重合体類を意味する。ラクタム類としては、プロピオラクタム、α−ピロリドン、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタム、シクロドデカラクタムなどが挙げられ、ジアミノカルボン酸としては、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸などが挙げられる。アミン類としては、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどが挙げられ、二塩基酸類としてはテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二塩基酸、グルタール酸などが挙げられる。
より具体的には、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド8、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6・6、ポリアミド6・9、ポリアミド6・10、ポリアミド6・11、ポリアミド6・12、ポリアミド6T、ポリアミド6/6・6、ポリアミド6/12、ポリアミド6/6T、ポリアミド6I/6T、ポリアミドMXD6などが挙げられる。上記B成分は、単独でも2種以上の混合物であってもよい。この中では、熱可塑性ポリエステル樹脂の融点とB成分のポリアミド樹脂との融点にあまり差がないのが好ましく、PBT樹脂の場合には、ポリアミド6、ポリアミド6/66共重合あるいはポリアミド66、ポリアミドMXD6が好ましく、さらにはポリアミド6やポリアミド66などの脂肪族ポリアミドが好ましい。
B成分は、特定範囲の重合度、すなわち特定範囲の粘度を有するものが好ましい。すなわち、JIS K6810に準拠して、98%の硫酸中で濃度1%、温度25℃で測定した相対粘度が2.0〜5.5の範囲のものが好ましい。相対粘度を2.0以上とすることにより、機械的性質が向上し、逆に5.5以下とすることにより、成形性が向上する傾向にあり好ましい。相対粘度の特に好ましい範囲は、2.2〜4.5である。
B成分は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、10〜40重量部の範囲で、好ましくは7.5〜37.5重量部の範囲で配合される。10重量部未満であると本発明の目的とする耐アルカリ性の改良効果が得られず、40重量部を超えると、B成分が十分分散しないので、耐熱性の低下を生じ、且つ機械的性質を阻害するため好ましくない。
(C)コアシェル化合物
次に、本発明でC 成分として用いるコアシェル型化合物について説明する。C 成分は多層構造からなり、好ましくは平均粒径1.0 μm以下のポリオルガノシロキサン系ゴム成分を含有するコア層を、シェル層であるガラス状の樹脂が包含したコアシェル型化合物である。本発明においては、コアシェル型化合物のゴム層は、少なくともポリオルガノシロキサン系ゴム成分を含有していることが必要であるが、他のゴム成分としてアクリル系、ジエン系を含有していてもよく、これらのゴム成分の混合物または共重合/グラフト重合させた複合系ゴムを用いることができ、共重合/グラフト重合などの化学結合によりポリオルガノシロキサン系ゴムと他のゴム成分とが一体になった複合ゴムが好ましい。ジエン系ゴム成分は樹脂組成物の成形時にジエン成分が分解するので、機能的に本発明を達成できず、アクリル系が好ましい。ポリオルガノシロキサン系ゴム成分とアクリル系ゴム成分の重量比率は、通常、前者/後者=100/0〜1/99である。一般的に、複合ゴムとしてポリオルガノシロキサンゴム成分を99重量%以下とすることにより、得られる成形品の表面外観が向上し、また、ポリアルキル(メタ)アクリレ−トゴム成分を99重量%以下とすることにより、得られる組成物の耐衝撃性が向上する。しかし、本発明の耐アルカリ性の改良のためには、アクリル系ゴムが多いと、アルカリ環境下でアクリルゴムの構成成分であるアクリル酸エステルのエステル基がアルカリにより加水分解を受けるので、ゴム成分としての機能が低下する。したがって、ポリオルガノシロキサン系ゴム成分とアクリル系ゴム成分の比率は、前者/後者=100/0〜15/85であり、さらに好ましくは99/1〜30/70である。好ましい平均粒径1.0 μm以下のものが使用でき、好ましい範囲は0.1〜0.6 μmである。平均粒径を1.0 μm以下とすることにより、機械的特性が向上する傾向にある。
ポリオルガノシロキサン系ゴムとしては、オルガノシロキサン単量体を重合させて製造されるもので、オルガノシロキサンとしては、3員環以上の環状オルガノシロキサンが用いられ、3〜6員環のものが好ましく用いられる。例えばヘキサメチルトリシクロシロキサン、オクタメチルシクロシロキサン、デカメチルペンタシクロシロキサン、ドデカメチルヘキサシクロシロキサン、トリメチルトリフェニルシロキサン、テトラメチルフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が用いられる。ポリオルガノシロキサンゴムの調製に用いられる架橋剤としては3官能性または4官能性のもの、即ち、トリアルコキシアルキルあるいはアリ−ルシランまたはテトラアルコキシシランが用いられ、このような架橋剤の具体例としてトリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を例示できる。本発明で用いる架橋剤としてはテトラアルコキシシランが好ましく、上記の中ではテトラエトキシシランが特に好ましく用いられる。
アクリル系ゴムとしては、ブチルアクリレートのようなアクリル酸エステルと少量のブチレンジアクリレートのような架橋性モノマーを重合させて得られる。上記アクリル酸エステルとしては、ブチルアクリレートの他に、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。また、架橋性モノマーとしては、ブチレンジアクリレートの他に、ブチレンジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジメタアクリレート、オリゴエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレートのようなビニル化合物、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルイタニレート、モノアリルマレート、モノアリルフマレート、トリアリルシアヌレートのようなアリル化合物が挙げられる。
ジエン系ゴムとは、例としてブタジエン単量体を重合して得られるポリブタジエンが挙げられる。しかし、ポリエステル樹脂組成物の加工温度において、熱安定性がやや不良という問題があり、耐衝撃強度が低下する傾向にある。
さらに、コアシェル化合物のガラス状の樹脂で形成されるシェル層は、ビニル系共重合体で形成される。ビニル系共重合体とは、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、メタクリル酸エステル系単量体、およびアクリル酸エステル単量体の中から選ばれた少なくとも1種の単量体を重合あるいは、共重合させて得られる。ビニル系単量体としては、メチルメタクリレ−ト、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト等のメタクリル酸エステル;メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル;スチレン、ハロゲン置換スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物などであり、またエポキシ基含有ビニル系単量体としては、グリシジルメタクリレ−ト、グリシジルアクリレ−ト、ビニルグリシジルエ−テル、アリルグリシジルエ−テル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トのグリシジルエ−テル、ポリアルキレングリコ−ル(メタ)アクリレ−トのグリシジルエ−テル、グリシジルイタコネ−ト等を例示でき、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。ポリエステル樹脂との相溶性の観点から、シェル層の共重合成分として、エポキシ基含有ビニル系単量体(例えばグリシジルメタクリレート)を少量共重合することにより改善が期待される。
かかるコアシェル型化合物のゴム層とシェル層は、通常グラフト結合によって結合されていることが好ましい。このグラフト共重合化は、必要な場合には、ゴム層の重合時にシェル層と反応するグラフト交差剤を添加し、ゴム層に反応基を与えた後、シェル層を形成させることによって得られる。グラフト交差剤は、ビニル結合を有した化合物であり、アクリル系ゴム、ジエン系ゴムにおいては、上述の架橋モノマーを兼用可能であるが、シリコン系ゴムでは、ビニル結合を有したオルガノシロキサンあるいは、チオールを有したオルガノシロキサンが用いられ、好ましくはビニル結合を有したオルガノシロキサンであるアクロキシシロキサン、メタクリロキシシロキサン、ビニルシロキサンが使用される。(メタ)アクリロイルオキシアルキルシロキサンの中ではメタクリロイルオキシアルキルシロキサンが好ましく、この具体例としてβ−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。ビニルシロキサンとしてはビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。チオールを有したオルガノシロキサンであるメルカプトシロキサンとしてはγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシエチルシラン等を挙げることができる。
本発明において好ましく使用されるコア層にポリオルガノシロキサンを含有したコアシェル化合物は、例えば特開平5−5055号公報、特開平5−25377号公報、特開2001−261945号公報などに製造法が開示されている。
B成分とC 成分の併用における、耐アルカリ性改良効果に対する作用機構については不明であるが、上述のように、コアシェル型化合物の、シェル層は、ビニル系共重合体で形成され、ゴム層としてはオルガノシロキサン系エラストマー単独、またはアクリル系、ジエン系エラストマー成分系を混合または共重合/グラフト重合させた複合ゴムを用いることができる。また、ポリエステル樹脂組成物において重要な要件である耐加水分解性の改善が、シェル層の共重合成分として、エポキシ基含有ビニル系単量体(例えばグリシジルメタクリレート)を少量共重合することにより改善が期待される。
C 成分は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、10〜40重量部の範囲で、好ましくは15〜30重量部の範囲で配合される。10重量部未満であると本発明の目的とする耐アルカリ性の改良効果が得られず、40重量部を超えると耐熱性の低下を生じ且つ剛性等の機械的性質を阻害するため好ましくない。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物における樹脂成分、すなわちA成分、B成分およびC成分の配合比率は、重量比(%)で、87〜55.6/4.3〜22.2/8.7〜22.2の範囲で選ぶものとする。A成分が87重量%を越えると、耐アルカリ性改良効果が発揮されず、55重量%未満では、A成分の特徴である優れた機械的強度、耐熱性、結晶性、成形性、流動性などが発揮されず、いずれも好ましくない。上記3成分の特に好ましい配合比率(重量比)は、81.6〜60/6.1〜22.2/12.2〜17.9の範囲である。
(D)エポキシ化合物
次に、本発明において使用されるエポキシ化合物(以下、D成分と略称することがある)は、ポリエステル樹脂が水蒸気等により加水分解を受け、分子量低下を起こすと同時に機械的強度等の低下をすることを抑制するためのもので、これを配合することにより、B成分とC成分の相乗効果が促進され、耐アルカリ性を、一層向上させることができる。耐加水分解性改良剤として既知のエポキシ化合物が使用可能である。
本発明で用いられるエポキシ化合物(D)は、分子末端にエポキシ基を有する分子量が数百から数万程度のオリゴマーないしポリマーを意味する。具体的には、製造原料から分類される、グリシジルエーテル型(ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとよりなるエポキシ樹脂)、グリシジルエステル型(カルボン酸類とエピクロロヒドリンとよりなるエポキシ樹脂)、グリシジルアミン型(アミン類とエピクロロヒドリンとよりなるエポキシ樹脂)、ノボラック型エポキシ化合物、脂環型などが挙げられる。中でも、グリシジルエーテル型(ビスフェノールAとエピクロルロヒドリンとよりなるエポキシ樹脂)が好適である。
D成分の配合量は、ポリエステル樹脂成分100重量部に対して2〜10重量部、好ましくは4〜7重量部の範囲で選ぶのが好ましい。配合量が2重量部未満では、耐アルカリ性の向上効果が発揮されない。また10重量部を越えると、D成分とA成分、B成分およびC成分との反応が進みすぎて一部ゲル化が起こり好ましくないD−1成分の好ましい配合量は、A〜Cの3種類の樹脂成分100重量部に対して、0.5〜5重量部である。
(E)強化充填剤
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂成分100重量部に対し、強化充填剤(以下、単にE成分と記載することがある)を30〜70重量部の範囲で配合する。中でも全組成物中50〜65重量%の範囲が好ましい。本発明において強化充填剤(E成分)とは、樹脂成分に含有させて強度および剛性を向上させるものをいい、繊維状、板状、粒状、扁平、繭形などいずれの形態ものであってもよい。
E成分の形態が繊維状である場合、無機質、有機質のいずれであってもよい。例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタン酸カリウム繊維、金属繊維などの無機繊維、フッ素樹脂繊維などの有機繊維が含まれる。E成分が繊維状の場合、好ましいのは無機質の繊維であり、その中でも特に好ましいのはガラス繊維である。E成分は1種でも2種類の混合物であってもよい。
E成分の形態が繊維状である場合、その平均繊維径や平均繊維長並びに断面形状は特に制限されないが、平均繊維径は例えば1〜100μmの範囲で選ぶのが好ましく、平均繊維長例えば0.1〜20mmの範囲で選ぶのが好ましい。平均繊維径はさらに好ましくは1〜50μm、より好ましくは5〜20μm程度である。また平均繊維長は、好ましくは0.12〜10mm程度である。扁平率(長径/短径の比)が1.4〜10の異形断面のガラス繊維は、成形品の異方性が改善され、レーザー溶着性に対して有利である。
なお、E成分と樹脂成分との界面の密着性を向上させるために、E成分表面を収束剤または表面処理剤によって処理するのが好ましい。収束剤としては、エポキシ系化合物、アクリル系化合物が挙げられ、表面処理剤としてはイソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物などの官能性化合物が挙げられる。E成分は、上記収束剤または表面処理剤によって予め表面処理してもよく、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物を調製する際に、収束剤または表面処理剤を添加して表面処理してもよい。
上記のE成分と共に、板状、粒状または無定型の他の強化充填剤を配合することもできる。板状無機充填剤は、異方性およびソリを低減させる機能を発揮するものであり、ガラスフレーク、雲母、金属箔などが挙げられる。板状無機充填剤の中で好ましいのは、ガラスフレークである。
粒状または無定型の他の無機充填材としては、セラミックビーズ、アスベスト、ワラストナイト、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト、カオリン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物には、難燃性を付与するために難燃剤を配合することができる。難燃剤としては、有機ハロゲン化合物、アンチモン化合物、リン化合物、窒素化合物、その他有機、無機化合物などが挙げられる。有機ハロゲン化合物の具体例としては、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレートなどが挙げられる。
アンチモン化合物としては三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムなどが挙げられる。リン化合物の難燃剤としては、リン酸エステル、ポリリン酸、ポリリン酸アンモニウム、赤リンなどが挙げられる。また、窒素系難燃剤としては、シアヌル酸メラミンなどを挙げることができる。上記以外の有機難燃剤、無機難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ素化合物、ホウ素化合物などの無機化合物が挙げられる。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて本発明の目的を阻害しない範囲内で、従来から知られている各種樹脂添加剤を配合することもできる。各種樹脂添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、離型剤、染顔料などの着色剤、触媒失活剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤、C成分以外の耐衝撃改良剤、結晶核剤、結晶化促進剤などが挙げられる。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて本発明の目的を阻害しない範囲内で、他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などを配合することができる。他の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリエステル樹脂などが挙げられ、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種でも2種類以上であってもよい。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、上記(A)〜(E)の成分が組成物の95質量%以上を占めることが好ましく、99質量%以上を占めることがより好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物の製造法は、特定の方法に限定されるものではないが、溶融・混練法によるのが好ましい。溶融・混練方法は、熱可塑性樹脂について通常採用されている方法によることができる。
溶融・混練方法としては、例えば、A成分、B成分、C成分およびD成分をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、タンブラーなどにより均一に混合した後、一軸または多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー、ラボプラストミル(ブラベンダー)などで溶融・混練する方法が挙げられる。要すればE成分を混錬押出機のサイドフィーダーより供給することにより、繊維状充填剤の折損を抑制し、分散させることが可能になり好ましい。溶融・混練する際の温度と混練時間は、樹脂成分を構成する成分の種類、成分の割合、溶融・混練機の種類などにより選ぶことができるが、溶融・混練する際の温度は200〜300℃の範囲が好ましい。300℃を超えると、A成分、B成分、C成分などの熱劣化が問題となり、成形品の物性が低下したり、外観が悪化したりすることがある。
本発明に係るポリエステル樹脂組成物から、目的の成形品を製造する方法は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂について従来から採用されている成形法、すなわち射出成形法、中空成形法、押出成形法、圧縮成形法などによることができる。製造できる成形品としては、自動車エンジン周りの車両用成形品(特に、自動車用部品)、電気・電子機器用部品、建築資材部品、その他精密機器用部品などが挙げられる。中でも、コネクター、ディストリビューター部品、イグニッションコイル部品などの車両成形品用樹脂材料として好適である。
本発明の樹脂組成物は、レーザー溶着性強化熱可塑性樹脂材料として用いることができる。特に、本発明の樹脂組成物を用いることにより、少なくとも一方にこの樹脂組成物を用いた部材同士を強固に接着させることができ、2以上の樹脂部材を有する複合成形品を製造するのに好ましく用いることができる。部材の形状は特に制限されないが、部材同士をレーザー溶着により接合して用いるため、通常、少なくとも面接触箇所(平面、曲面)を有する形状である。 レーザー溶着では、レーザー透過性のある部材を透過したレーザー光が、レーザー吸収性のある部材に吸収されて、溶融し、両部材が溶着される。本発明の樹脂組成物は、強化充填剤を含有しているにも関わらずレーザー光に対する透過性が高いので、レーザー光が透過する部材として好ましく用いることができる。ここで、該レーザーが透過する部材の厚み(レーザー光が透過する方向の厚み)は、用途、組成物の組成その他を勘案して、適宜定めることができるが、例えば5mm以下であり、好ましくは4mm以下である。
本発明のレーザー溶着に用いるレーザー光源としては、例えば、Arレーザー(510nm)、He−Neレーザー(630nm)、CO2レーザー(10600nm)などの気体レーザー、色素レーザー(400〜700nm)などの液体レーザー、YAGレーザー(1064nm)などの固体レーザーや、半導体レーザー(655〜980nm)等が利用できる。ビーム品質、コストの点で、半導体レーザーが好ましく用いられる。また、溶着相手材の種類によって、適宜レーザー種を選択することもできる。
より具体的には、例えば、本発明の樹脂組成物からなる部材(I)とレーザー吸収性を有する樹脂組成物からなる部材(II)を溶着する場合、まず、両者の溶着する箇所同士を相互に接触させる。この時、両者の溶着箇所は面接触が望ましく、平面同士、曲面同士、または平面と曲面の組み合わせであってもよい。次いで、本発明の樹脂組成物からなる部材(I)側からレーザー光を照射(好ましくは接着面に垂直に照射)する。この時、必要によりレンズ系を利用して両者の界面にレーザー光を集光させてもよい。その集光ビームは本発明の樹脂組成物からなる部材(I)中を透過し、樹脂組成物からなる部材(II)の表面近傍で吸収されて発熱し溶融する。次にその熱は熱伝導によって本発明の樹脂組成物からなる部材(I)側にも伝わって溶融し、両者の界面に溶融プールを形成し、冷却後、両者が接合する。このようにして部材同士を溶着された成形品は、高い接合強度を有する。
尚、樹脂組成物からなる部材(II)は、少なくとも樹脂を含み、且つ、本発明の樹脂組成物からなる部材(I)と溶着可能なものであれば特に制限されない。部材(II)に含まれる樹脂は、部材(I)と同種の熱可塑性樹脂はもちろんのこと異種のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、他種の熱可塑性樹脂、例えば、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂などが挙げられる。また、樹脂組成物(II)は1種または2種以上の樹脂から構成されていてもよい。
また、部材(II)に含まれる樹脂は、照射するレーザー光波長の範囲内に吸収波長を持つものが好ましい。さらに、部材(II)に、光吸収剤、例えば着色顔料等を添加含有させることにより、その吸収特性を発現させてもよい。前記着色顔料としては、例えば、無機顔料(カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなど)などの黒色顔料、酸化鉄赤などの赤色顔料、モリブデートオレンジなどの橙色顔料、酸化チタンなどの白色顔料、有機顔料(黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料など)などが挙げられる。なかでも、無機顔料は一般に隠ぺい力が強く、レーザー吸収側の樹脂組成物(II)により好ましく用いることができる。これらの光吸収剤は単独でも2種以上組み合わせて使用してもよい。 光吸収剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対し0.01〜1重量部であることが好ましい。
本発明で得られた一体成形品は、高い溶着強度と耐加水分解性、耐ヒートショック性、耐衝撃性を有し、レーザー光照射による樹脂の損傷も少ないため、種々の用途、例えば、各種保存容器、電気・電子部品、オフィスオートメート(OA)機器部品、家電機器部品、機械機構部品、自動車機構部品、サニタリー部品などに適用できる。特に、食品用容器、薬品用容器、油脂製品容器、車両中空部品(各種タンク、インテークマニホールド部品など)、モーター部品、各種センサー部品、コネクター部品、スイッチ部品、ブレーカー部品、リレー部品、コイル部品、トランス部品、ランプ部品などに好適に用いることができる。特に車両用機構部品において要求される特性に対して優れた特性を有する。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
実施例および比較例で使用した各成分の略号および内容は、下記のとおりである。
(A−1)PBT−1樹脂:下記の連続重合法により製造されたポリブチレンテレフタレート樹脂で、末端カルボキシル基量は20eq/tであり、固有粘度は0.85dl/gであった。
〔PBT−1製造法〕
テレフタル酸1.0モルに対して1,4−ブタンジオール1.8モルの割合で両原料をスラリー調製槽に供給し、攪拌装置で混合して調製したスラリー2,972重量部(テレフタル酸9.06モル部、1,4−ブタンジオール16.31モル部)を、連続的にギヤポンプにより、温度230℃、圧力101kPaに調整し、第一エステル化反応槽に移送するとともに、テトラブチルチタネート3.14重量部を供給し、滞留時間2時間で、攪拌下にエステル化反応させてオリゴマーを得た。第一エステル化反応槽から、オリゴマーを、温度240℃、圧力101kPaに調整した第二エステル化反応槽に移送し、滞留時間1時間で、撹拌下にエステル化反応をさらに進めた。第二エステル化反応槽から、オリゴマーを、温度250℃、圧力6.67kPaに調整した第一重縮合反応槽に移送し、滞留時間2時間で、攪拌下に重縮合反応させ、プレポリマーを得た。第一重縮合反応槽から、プレポリマーを、温度250℃、圧力133Paに調整した第二重縮合反応槽に移送し、滞留時間3時間で、攪拌下に重縮合反応をさらに進めて、ポリマーを得た。このポリマーを第二重縮合槽から抜き出してダイに移送し、ストランド状に引き出して、ペレタイザーで切断することにより、ベレット状のポリブチレンテレフタレートを得た。
(A−2)PBT−2樹脂:下記の回分重合法により製造されたポリブチレンテレフタレート樹脂で、末端カルボキシル基量は41eq/tであり、固有粘度は0.85dl/gであった。
〔PBT−2製造法〕
回分式装置を用いて、重合反応を行った。テレフタル酸ジメチル1.0モルに対して、1,4−ブタンジオール1.8モルの割合で、合計3,226重量部をエステル交換反応槽に供給し、テトラブチルチタネート3.14重量部を添加し、温度210℃、圧力101kPaで、3時間エステル交換反応させて、オリゴマーを得た。引き続いて、このオリゴマーを、重縮合反応槽に移送し、攪拌下に、温度250℃、圧力133Paで、3時間重縮合反応を進めてポリマーを得た。次いで、窒素圧をかけてストランド状に抜き出し、ペレタイザーで切断することにより、ペレット状のポリブチレンテレフタレートを得た。
(B)ポリアミド6(PA6):三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ノバミッド1010(濃硫酸中、25℃で測定した相対粘度が2.5)。
(C)コアシェル化合物などの耐衝撃改良剤
(C−1)エポキシ基含有ビニル系単量体をグラフトしたポリオルガノシロキサン/ポリアルキル(メタ)アクリレ−ト複合ゴム系コアシェル型化合物(エポキシ複合ゴムコアシェルと略する);特開2001−261945号公報の参考例1と同様に製造した。コア部分のポリオルガノシロキサン/ポリアルキル(メタ)アクリレ−トの重量比率は約4/6である。
(C−2)エポキシ基含有してないビニル系単量体をグラフトしたポリオルガノシロキサン/ポリアルキル(メタ)アクリレ−ト複合ゴム系コアシェル型化合物(複合ゴムコアシェルと略する);特開2001−261945号公報の参考例2と同様に製造した。コア部分のポリオルガノシロキサン/ポリアルキル(メタ)アクリレ−トの重量比率は約4/6である。
(C−3)アクリルゴム系コアシェル型化合物(アクリルゴム系コアシェルと略する);呉羽化学社製パラロイドEXL−2315
(C−4)エポキシ含有アクリルゴム系コアシェル型化合物(エポキシ含有アクリルゴム系コアシェルと略する);呉羽化学社製 パラロイドEXL−2314
(C−5) ブタジエン系コアシェル型化合物(ブタジエンゴムコアシェルと略する):カネカ社製 カネエースFM
(C−6)エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート=64/6/30共重合体(EGMA共重合体と略する):三井デュポンポリケミカル社製、商品名:エルバロイ
(D)エポキシ化合物
(D−1)ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物:シェル社製、エピコート1003、エポキシ当量約450)。
(E)ガラス繊維:日本電気硝子社製、T−127(繊維径が13μmのチョップドストランドガラス繊維)。
〔実施例1〜7および比較例1〜11〕
<熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の製造>
表1または表2に示される比率にて各成分をブレンドし、これを30mmのベントタイプ二軸押出機(日本製鋼所社製、二軸押出機TEX30α)を使用してバレル温度270℃において溶融混練してストランドに押し出した後、ストランドカッターによりペレット化し、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物ペレットを得た。得られたペレットに対して住友重機械(株)製射出成型機(型式SG-75SYCAP-MIII)を使用して、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で、シャルピー衝撃強度測定用ISO試験片を成形し、そのほか下記の試験方法により性能評価を行った。結果を表1および表2に示した。
実施例および比較例で得られた樹脂組成物についての物性評価試験は、以下に記載の方法により実施した。
(a)シャルピー衝撃強度:ISO179−2に準拠して測定した。
(b)耐アルカリ性評価:住友重機械(株)製射出成型機(型式SG-75SYCAP-MIII)を用いて、金型温度80℃でフィルムゲートで80mm×80mm×1mmの大きさの平板を成形し、この平板からガラス繊維の方向が短冊片の長手方向と直角になるように、幅10mm、長さ80mmの短冊状の試験片を切り取る。この短冊状の試験片を、SUS製の蒲鉾型の治具に長手方向に曲がるように装着する。なお、蒲鉾型の治具は、試験片の中央部の曲げ歪みが1.5%になるように作成したものである。試験片を装着した治具を、室温、2.5NのNaOH水溶液に浸漬する。浸漬後、時々治具をNaOH水溶液から引き上げ、紙や布で試験片の表面のNaOH水溶液をふき取り、表面を目視および20〜30倍の実体顕微鏡でクラック発生の有無を確認する。試験片の表面にクラックの発生が認められたら、実験は終了し、クラックの発生が認められなかったら、再び試験片を治具と共にNaOH水溶液に浸漬する。クラックの発生が認められるまで、この操作を繰り返して評価する方法で、各試験片について、試験片の表面にクラックが発生するまでの時間を測定した。この時間が長いほど、試験片は耐アルカリ性に優れている。
(c)ヒートショック試験:日精TH60 R5VSE縦型射出成形機を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃で、図1に示す直方体形状の鉄(SUS)のインサート物(16mm×33mm×3mm)を、図2に示すように金型内に仕込み、インサート成形により、図3に示すインサート成型品(18mm×35mm×5mm)を作製した。このインサート成型品の樹脂部の肉厚は1mmである。インサート成型品には支持ピン跡に2つのウェルドラインが発生する。このインサート成型品を用いて入江製作所製DTS−30型ヒートショック試験を行った。ヒートショック試験の条件は、−40℃で60分、150℃で60分のヒートショック試験にかけ5個の成形品の計10ヶ所のウェルドラインにおける割れの発生するサイクル数の平均値で表示した。
(d)滞留熱安定性試験:得られたペレットを280℃に保持したキャピログラフ(東洋精機製)入れ、所定時間5分と20分の保持し後、せん断速度91.2/secで粘度を測定し、次式により粘度変化率を測定した。変化率が0に近いほど滞留熱安定性が良好なことを示している。なおオリフィスは穴直径1mmで30mm長のオリフィスを使用した。20分後の粘度をμ20、5分後の粘度をμ5とした時、次式の粘度変化率の絶対値が、30未満の場合は○、30以上である場合は△、60以上の場合は×とランク分けし、○が好ましいとした。
粘度変化率=(μ20−μ5)/μ5×100
(e)光線透過率:射出成形機(住友重機械(株)製:型式SE−50D)を使用し、シリンダー温度250℃、金型温度80℃で成形した、表1の実施例1〜3および比較例1〜5に示した組成の樹脂組成物それぞれからなる13×128mm、厚さ1.5mmt、2mmtの平板を作製した。これらの平板について、それぞれ、可視・紫外分光光度計(島津製作所製:UV−3100PC)で光線透過率を測定した。光線透過率は、近赤外領域960nmの透過光強度と入射光強度の比を、それぞれ百分率で表した。
(f)レーザー溶着性試験: 図4に示すように試験片を重ね合わせ、レーザー照射を行った。図4中、(a)は試験片を側面から見た図を、(b)は試験片を上方から見た図をそれぞれ示している。7は前記の光線透過率測定用に作製した試験片Iを、8は接合する相手材である熱可塑性樹脂組成物からなる試験片II(試験片1と同様に作製)を、9はレーザー照射箇所を、それぞれ示している。なお、試験片IIの素材である溶着相手材として、カーボンブラック:(三菱化学社製、品番:MA600B)を、実施例または比較例の樹脂組成物中に0.6重量%の配合量で、それぞれの実施例、比較例と同様の組成比で、また同様の製法で溶融混練した樹脂組成物を製造した。
光線透過率測定で使用した試験片Iをレーザー透過側、試験片IIをレーザー吸収側として重ね合わせ、透過側からレーザーを照射した。レーザー溶着装置は、一括照射タイプの日本エマソン社製「IRAM−300」を用い、レーザー光波長は960nm、溶着スポットは3mm×6mm、圧力は4.8MPaで照射した。レーザー照射時間を変化させ、照射後に得られた試験片について引張試験を行い、レーザー照射部の引張剪断破壊状況を観察した。
このレーザー照射部の引張剪断破壊強度が250N以上になった時を完全溶着と判断し、これに要するレーザー照射時間で溶着性を評価した。この完全溶着に要するレーザー照射時間が短いほど、レーザー溶着性に優れているといえる。評価結果を表1および表2に示す。
Figure 2010144154
Figure 2010144154
表1および表2から、次のことが明らかとなる。
(1)本発明に係るポリエステル樹脂組成物からの成形品は、耐アルカリ性試験でクラック発生までの時間は30時間以上と長く、耐アルカリ性に優れており、同時にヒートショック性も150回以上と良好である。これらの特性は、特許文献3に示される組成物である比較例2の特性を同時に著しく改良されたものである。
(2)コアシェル化合物を配合した実施例1〜3および比較例3〜5の比較においてコア層にポリオルガノシロキサンゴムを含有しているかが耐アルカリ性の改善に重要な要素であることが判る。
(3)B成分、C成分およびD成分の配合量範囲は、実施例4〜6および比較例6〜11を比較することにより、耐アルカリ性、耐ヒートショック性ならびに滞留熱安定性の両立のためには不可欠である。
(4)実施例1および実施例7の比較において、PBTの末端カルボキシル基が少ないほうが、耐アルカリ性、耐ヒートショック性とも良好であった。
(5)実施例1〜3の樹脂組成物に対して、レーザー溶着試験を実施したところ、比較例2および比較例3の組成物より良好であった。
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係るポリエステル樹脂組成物より得られる成形品は、アルカリ性環境下、歪みを負荷した状態でもクラックや割れが生じ難く、耐アルカリ性に優れている。また同時に耐ヒートショック性が優れている。
2.また、本発明に係るポリエステル樹脂組成物は、成形時の滞留による溶融粘度の変化が小さいので、安定した成形品を得ることが容易であり、得られる成形品は、強度および耐衝撃性などの機械的物性も良好である。従って、自動車分野、特に自動車電装部品、センサー部品、エンジン周りの自動車用部品製造用に極めて有用な材料である。さらに電気電子部品、建築資材部品、サニタリー部品、機械部品などの広範囲な分野に有用である。
3.さらに、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂は、レーザー透過性、レーザー溶着特性に優れているため、部材同士がより強固に接着した成形品を提供することが可能になる。このような成形品は工業的に広く利用され、その利用価値は特に、自動車電装部品、センサー部品、コネクター部品など電気回路を密封する製品、並びに中空成形品などの分野において極めて高いものである。
実施例で用いた直方体形状の鉄製インサート物(16mm×33mm×3mm)の模式図を示す。 インサート物が支持ピンで支えられた金型キャビティーの断面説明図を示す。 支持ピン跡に2つのウェルドラインが発生しているインサート成型品(18mm×35mm×5mm)の模式図を示す。 レーザー溶着強度試験における、試験片の重ね合わせ方およびレーザーの照射位置を示す概略図である。
符号の説明
1.インサート鉄片
2.支持ピン
3.金型内にインサートされたインサート鉄片
4.キャビティー
5.支持ピン跡
6.ウエルドライン
7.試験片I
8.試験片II
9.レーザー照射箇所

Claims (5)

  1. (A)熱可塑性ポリエステル樹脂 100重量部に対して、
    (B)ポリアミド樹脂 10〜40重量部、
    (C)コア層にポリオルガノシロキサン系ゴムを含有するコアシェル化合物10〜40重量部、
    (D)エポキシ化合物2〜10重量部、
    (E)強化充填剤 30〜70重量部、
    を含有することを特徴とする熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の(C)コアシェル化合物のコア層が、ポリオルガノシロキサン系ゴムとアクリル系ゴムの重量比率が100/0〜30/70のコアシェル化合物であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 熱可塑性ポリエステル樹脂が、末端カルボキシル基濃度が30eq/T以下であるポリブチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる車両用成形品。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を使用した成形品をレーザー溶着法にて他の成形品と接着させた車両用成形品。
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