JP2010134333A - 識別媒体、識別方法および識別装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紫外域寄りの波長域を反射し光の反射特性が視野角の増大に伴って紫外域へ移行する第1の多層膜層11Aと、赤外域寄りの波長域を反射し光の反射特性が視野角の増大に伴って赤外域から可視光域へ移行する第2の多層膜層11Bとを積層した。
【選択図】図5
Description
図5は本発明の実施形態による識別媒体の断面図である。図5には、物品への貼り付けを行う前の状態(未使用状態)の識別媒体1が示されている。図5において符号10は、光吸収層10である。光吸収層10は、例えば黒色等の暗色に着色されている。光吸収層10の表面には、第2の多層膜層(第2のカラーシフト層)11Bが積層され、第2の多層膜層11Bの表面には、接着層12を介して第1の多層膜層(第1のカラーシフト層)11A2が積層されている。多層膜層11A,11Bは、異なる屈折率を有する光透過性薄膜を多層に積層して構成されている。また、光吸収層10の裏面には、接着層13が積層されている。なお、接着層12,13は粘着層であってもよい。また、接着層13が光吸収性である場合には、光吸収層10を省略することができる。
A.第1変更例
第1の多層膜層11Aおよび第2の多層膜層11Bに代えてコレステリック液晶層を用いることができる。この場合において、2つのコレステリック液相層を右回り円偏光または左回り円偏光のものとする態様や、いずれか一方を右回り円偏光のものとし、他方を左回り円偏光のものとする態様を採用することができる。
図6に示すように、多層膜層11A,11Bにホログラム加工や型押し加工を施すことができる。図6(A)は第1の多層膜層11Aにホログラム加工や型押し加工を施した例、図6(B)は第2の多層膜層11Bにホログラム加工や型押し加工を施した例、図6(C)は図6(A)は第1、第2の多層膜層11A,11Bに異なる図柄のホログラム加工や型押し加工を施した例である。なお、ホログラム加工や型押し加工は、第1、第2の多層膜層11A,11Bの表面または裏面のいずれに形成してもよい。
図7に示すように、第1、第2の多層膜層11A,11Bには図柄を印刷することができる。図7(A)に示す態様では、第1の多層膜層11Aの表面に、視野角θが0°のときの色(例えば青緑)に類似した色の印刷Aが施されている。この場合、視野角θが0°のとき印刷Aは背景に紛れて見えないが、視野角θを大きくすると背景がレッドシフトするので印刷Aが見えるようになる。
第1、第2の多層膜層11A,11Bのいずれかもしくは両方が多層膜層ではなくコレステリック液晶によって構成されている場合には、右/左円偏光を選択的に透過する光学フィルタを使用して真贋を判別することが可能である。すなわち、第1のコレステリック液晶層は、紫外域寄りの波長域(例えば青緑)を反射し光の反射特性が視野角の増大に伴って紫外域へ移行するように構成され、第2のコレステリック液晶層は、赤外域寄りの波長域(例えば橙)を反射し光の反射特性が視野角の増大に伴って赤外域から可視光域へ移行するように構成される。
識別媒体1に、外力が加えられることにより破壊される層間剥離構造または剥離破壊構造を備えることができる。物品から識別媒体1を剥がすような外力が加えられたときに、例えば第1、第2の多層膜層11A,11Bの一方または双方の層内に破壊が生じて識別媒体1が分断されるようにすることができる(層間剥離構造)。あるいは、第1の多層膜層11A等と隣接する層が剥離するように構成することもできる(剥離破壊構造)。層間剥離や剥離破壊が生じ易くすることで、識別媒体を剥がして再利用しようとする不正が防止できる。
識別媒体1の一部に切れ目を入れることができる。これにより、再利用のために識別媒体1を物品から無理矢理剥がそうとした場合に、切れ目から識別媒体1が破れ、その再利用ができなくなる。また、このような態様は、パッケージの開封の有無を識別する開封識別シールに応用することができる。
図8に示すように、上記構成の識別媒体1(領域B)に、光の反射特性が視野角に依存してブルーシフトする第3のカラーシフト層15(領域A)を並べて配置することができる。このような態様では、視野角θが0°のときに、領域Bでは第1の多層膜層11Aが例えば青緑に見え、領域Aでは例えば黄に見える。そして、視野角θを大きくすると、領域Aではブルーシフトして例えば青に見え、領域Bではレッドシフトして例えば橙に見える。この態様では構造が複雑となってさらに偽造が困難となる。なお、第3のカラーシフト層15は、多層膜層であってもコレステリック液晶層であってもよい。また、コレステリック液晶層は、右円偏光または左円偏光を選択的に反射するように構成することができる。なお、領域Aのレッドシフトと領域Bのブルーシフトが完全に逆転していることが望ましい。たとえば、領域Aが視野角θが0°のときに例えば青緑に見え、視野角θを大きくすると例えば橙に見えるのであれば、領域Bは視野角θが0°のときに橙に見え、視野角θを大きくすると青緑に見えることが望ましい。このように、各領域のカラーシフト挙動が逆転することにより、視認性を向上させることができる。
図9に示すように、上記構成の識別媒体1(領域C)に、光の反射特性が視野角に異存しない印刷層(領域D)を並べて配置することができる。印刷層(領域D)の色を視野角θが0°のときの識別媒体1の色にすれば、視野角θが0°のときは領域Cと領域Dが同じ色に見え、視野角θを大きくすると領域Cと領域Dの色の違いを視認することができる(図9(A)参照)。また、印刷層(領域D)の色を視野角θが大きいときの識別媒体1の色にすれば、視野角θが0°のときは領域Cと領域Dの色の違いを視認することができるが、視野角θを大きくすると領域Cと領域Dが同じ色に見える。このような態様では、視野角に異存しない印刷層の色と識別媒体1のカラーシフトを比較することにより、視認性を高めることができる(図9(B)参照)。
10 光吸収層
11A 第1の多層膜層(第1のカラーシフト層)
11B 第2の多層膜層(第2のカラーシフト層)
12 接着層
13 接着層
Claims (13)
- 紫外域寄りの波長域を反射し光の反射特性が視野角の増大に伴って紫外域へ移行する第1のカラーシフト層と、赤外域寄りの波長域を反射し光の反射特性が視野角の増大に伴って赤外域から可視光域へ移行する第2のカラーシフト層とを積層したことを特徴とする識別媒体。
- 前記第1のカラーシフト層および前記第2のカラーシフト層の少なくとも一方は、異なる屈折率を有する光透過性薄膜を多層に積層した多層膜層であることを特徴とする請求項1に記載の識別媒体。
- 前記光透過性薄膜がフィルムであることを特徴とする請求項2に記載の識別媒体。
- 前記第1のカラーシフト層および前記第2のカラーシフト層の少なくとも一方は、特定の波長域の円偏光を反射する円偏光選択性を有するコレステリック液晶層であることを特徴とする請求項1に記載の識別媒体。
- 前記多層膜層は、前記光透過性薄膜を蒸着により形成したものであることを特徴とする請求項2または3に記載の識別媒体。
- 前記多層膜層は、前記光透過性薄膜として光干渉性顔料を塗工することにより形成したものであることを特徴とする請求項2または3に記載の識別媒体。
- 前記第1のカラーシフト層および前記第2のカラーシフト層の少なくとも一方の一部または全域に、ホログラム加工または型押し加工が施されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の識別媒体。
- 前記第1のカラーシフト層および前記第2のカラーシフト層の少なくとも一方の一部に、図柄が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の識別媒体。
- 外力が加えられることにより破壊される層間剥離構造または剥離破壊構造を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の識別媒体。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の識別媒体に、光の反射特性が視野角に依存してブルーシフトする第3のカラーシフト層を並べて配置したことを特徴とする識別媒体。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の識別媒体に、印刷層を並べて配置したことを特徴とする識別媒体。
- 請求項4に記載の識別媒体を識別する方法であって、前記識別媒体に所定の旋回方向の円偏光を含む光を照射し、その反射光を観察することを特徴とする識別媒体の識別方法。
- 請求項4に記載の識別媒体を識別する識別装置であって、前記識別媒体に所定の旋回方向の円偏光を含む光を照射する照射手段と、前記識別媒体からの反射光を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする識別媒体の識別装置。
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